JPH09502952A - 取出し装置を備えたペースト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 取出し装置(１)を有するペースト容器(７)は、一方の側が開口しているシリンダー(７)および該シリンダーの開口側に密封配置した移動可能な円板(２)、ならびにペーストの取出しおよび供給のための取出し装置からなる。一層高粘稠のペースト(６)を取出すことができるようにこのような容器を改善するために、本発明に従って修飾したペースト容器の移動可能な円板上に、ギヤー(３)を伴うエンジン(３ａ)を配置する。複数羽根を有する混合プロペラ(４)を、移動可能な円板の中心を通って延びているエンジンのシャフトに取付ける。この混合プロペラ(４)は、移動可能な円板より下のわずかな距離のところでペースト中を自由に回転することができ、取出し装置は、混合プロペラの適用が及ぶ領域より上で移動可能な円板に偏心して結合し、使用されるぺーストを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】 取出し装置を備えたペースト容器 本発明は、疑似塑性ペースト、より具体的には業務用ランドリーにおいて使用 されるタイプの高粘稠の洗剤ペーストを分取するのに特に適したペースト容器お よびディスペンサーに関する。 ペースト形態の洗剤は特に業務用ランドリーにおいて使用されるが、ここでこ れら洗剤は、粉末形態の洗剤の有利な点(より具体的には、高い活性物質の含有 量)を持ち、液体洗剤の不利な点(より具体的には、水または溶媒の含有)を持た ない。ペースト形態の洗剤の不利な点は、充填および分取の問題に存することが できる。 ドイツ特許出願 DE-A-37 19 906は、洗剤容器およびディスペンサーを記載し ている。このペースト形態の洗剤のための貯蔵容器は、堅い外壁および円形また は正方形の横断面を有し、一方の側に移動可能な密閉プレート(従動プレート)を 装着した容器である。その重量の作用のもとで、この従動プレートはペーストの 表面に圧力を加え、ディスペンサー(単純なパイプとポンプから構成されていて よい)による洗剤ペーストの抜取りを可能にする。ペーストの量が減少するにつ れて、従動プレートは徐々に下方にペーストレベルを追随する。また、このDE-A -37 19 906に記載された容器およびディスペンサーには混合ユニットを装着する こともでき、このユニットが洗剤ペーストとディスペンサー中に同時に導入した 水を混合し、こうして個々の洗浄機に供給することができる含水液体濃縮物を形 成させることもできる。 また、ドイツ特許出願 DE-A-38 26 110は、ペースト形態の洗剤のための洗剤 容器およびディスペンサーを記載している。この場合、洗剤容器は、両末端に開 口部を有する円筒形である。一方の開口部は、容器中に配置され、その軸方向に 移動するように設計されたプレートで閉じられている。この移動可能なプレート の反対側に配置された容器開口部は、ディスペンサーに固定または結合させるこ とができる開放可能な結合要素を保持している。この結合されたディスペンサー はプランジャーを構成し、これが、ペースト容器の移動可能なプレートに従って 作動し、ペーストの取出しにつれてそれを前進させる。 あいにく、上記の分取システムは、比較的低い粘度、より具体的には約７５, ０００〜９０,０００mPa・sの範囲の粘度を有するペーストに適しているにすぎな い。約１５０,０００〜２５０,０００mPa・sの範囲の比較的高い粘度を有するペ ーストは、例えば上記タイプの通常の分取システムを用いてポンプ輸送すること が困難であるか、または、全く不可能であることすらあり、高粘度ペーストの取 出しにおいては完全な取出しができない結果を伴う。 従って、本発明が指向する課題は、通常の条件下で高粘度を有するペーストを 分取および輸送システムによって連続的に取出すことが可能であり、同時にペー スト容器の残留物取出しが高度に達成されるペースト容器およびディスペンサー を提供することであった。 本発明は、一方の末端が開口しているシリンダー(７)、該シリンダーの開口末 端に配置した移動可能な密閉従動プレート(２)およびペーストの取出しおよび輸 送のためのディスペンサー(１)からなり、 Ａ．該従動プレート(２)がモーターおよび伝動システム(３)を支え、該従動プ レート(２)の中心を突き出す該システム(３)のシャフトに、該従動プレート(２) のすぐ下のペースト中で自由に回転することができるようにして、複数羽根の撹 拌プロペラ(４)が配置され、そして Ｂ．ディスペンサー(１)が、該従動プレート(２)の中心より外側かつ該撹拌プ ロペラ(４)の適用が及ぶ範囲より上で、該従動プレート(２)に結合され、所望に より計量ユニットを経てペーストをその使用点に輸送する、 ものであるペースト容器およびディスペンサーに関する。 本発明のペースト容器およびディスペンサーは、高粘度の疑似塑性ペーストに 特に適している。疑似塑性ペーストは、機械的な力に暴露したときに、例えば、 撹拌、振盪または超音波処理中に液体になるが、この機械的な力を除去した後に 再び固化する性質を有する。このことは、これらペーストの粘度が剪断応力また は剪断速度を増大させる作用のもとで減少することを意味する。特に適したペー ストは、その粘度が、例えばブルックフィールド(Brookfie1d^R)ＤＶ−IIまたは ＤＶ−IIプラス回転粘度計、スピンドルＮo.７を２５℃で用い、最少の剪断で測 定したときに、５回転／分で１００,０００mPa・sより上、より具体的には１５０ ,０００〜５００,０００mPa・sの範囲内、および、高剪断速度(例えば、５０回転 ／分)で１００,０００mPa・sより下、より具体的には１０,０００〜９０,０００m Pa・sの範囲内であるペーストである。対応するペーストは、例えば、ヘンケル社 (Henkel KGaA)の未だ未公開のドイツ特許出願 P 43 32 843.0に従って得られる ペースト形態の洗剤である。このように、本発明のペースト容器は、対応する疑 似塑性洗剤ペーストを輸送および分取するために使用するのが好ましい。 本発明によれば、円筒形ペースト容器の開口末端を、この容器中を軸方向に移 動するように設計した移動可能な密閉プレートで閉じる。この移動可能なプレー トは、特定のペーストレベルに応じて容器壁を封鎖することが意図されている( ペーストがこの区域において逃出すことができない程度に、即ち、その移動中に プレートが容器壁に最も穏やかに擦り合うように)。このプレートは通常はフラ ットである。同時に、このプレートが容器中に正確に嵌合するようにプレートを 設計することによって、密閉効果を改善する。この移動可能なプレートの傾斜を 防止するために、その縁部をカラー(つば)の形状に上向きに曲げるのが最もよい (即ち、このプレートはフラットピストンの形態にある)。このプレートの縁部に プラスチックシールを供するのが好ましい。 この容器の外側のプレートの中央部に、モーターおよび伝動システムを配置し 、この円筒形容器の軸に最もよく一致したそのシャフトに、複数羽根の撹拌プロ ペラを、容器の中央部に向かってプレートの下方に配置する。この撹拌プロペラ は、それが従動プレートのすぐ下を自由に回転することができるように配置する 。この撹拌プロペラと従動プレートの距離はできるだけ小さい方が好ましい。こ れは、同時に、プロペラ羽根がプレートの下側をペーストのない状態にすること ができ(即ち、空にすることができる)、この結果、プレート上の望ましくない残 留物を減少させることになるためである。大きすぎる距離は、ペーストを剪断す るため にモーターが不必要に大きな量のエネルギーを必要とすることを意味する。さら に、この撹拌プロペラが円筒形容器の底に達したときに、撹拌プロペラの上に洗 剤ペーストがなお存在しており、これがディスペンサーの大きすぎる距離のゆえ に容器からもはや取出されないであろう。撹拌プロペラとプレートの距離は、好 ましくは０.８〜５mmであり、より好ましくは１〜３mmである。 撹拌プロペラは少なくとも２枚の羽根を有する。この撹拌プロペラの羽根は、 長さが等しいかまたは異なっていてよい。この撹拌プロペラは４枚の羽根を有し ているのが好ましく、向かい合った羽根は長さが等しいものであるのが好ましい 。好ましい態様の１つは、羽根の長さが円筒形容器の全直径範囲に及ぶ２枚の向 かい合った羽根を有する４枚羽根の撹拌プロペラを用いる。対照的に、他の２枚 の羽根は、その末端がプレートに同じように配置されたディスペンサーまで延び る程度の長さであるにすぎない。このような態様は、疑似塑性ペーストが使用さ れるときに特に有利である。この理由は、この態様が２枚の長い羽根による剪断 を可能にし、こうして高粘稠ペーストを液状化することを可能にし、その一方で 、２枚の短い羽根がペーストをポンプの方に輸送することができるためである。 通常、撹拌プロペラの羽根は、フラットな長方形スラットまたは円形バーの形 状をとる。これらをプレートに対して平行に配置するのが普通である。可能な態 様の１つにおいては、これらの羽根をプロペラ軸に対して９０〜６０°の角度で 配置する。この角度は８９〜６５°であるのが好ましい。全部の羽根を移動可能 なプレートに対して同じ角度で配置する必要はない。これらをスラット様の要素 で形成するときには、これらのプロペラ羽根はわずかに勾配を付けていてもよい 。この勾配角は５〜４５°であるのが好ましい。 好ましい態様の１つにおいては、撹拌プロペラのボスは、それが撹拌プロペラ シャフトの下方末端を突起の形状で終わらせるような形状にする。このような配 置は、容器の底に対する中心スペーサーとしてこの突起を用いて、プロペラが容 器の底にあるときに過剰の摩擦が起こらないようにすることができるという利点 を有する。 使用するモーターおよび伝動システムは、撹拌プロペラを駆動させるように働 く。このモーターの動力は、撹拌プロペラの必要な速度によって、および使用す る疑似塑性ペーストの粘度によって決定する。通常、撹拌プロペラの回転速度は 、５〜１８０rpmの範囲内であり、好ましくは１５〜１８０rpmの範囲内であり、 さらに好ましくは４５〜９０rpmの範囲内である。過剰の回転速度は、ペースト が過剰に液体になり、プレートの縁部から逃出しうるので不利である。回転速度 が低すぎる場合には、ペーストが十分に液状化されず、連続取出しが損なわれる であろう。 ペーストが容器から取出されるにつれて、プレートはペーストレベルに応じて 徐々に沈む。撹拌プロペラのボスが容器の底に到達したときに、この撹拌プロペ ラはしばらくの間、回転を続けることができる。これは、羽根の運動によって、 ペーストが容器の縁部から中央部に向かっで比較的容易に流れ、これを取出すこ とができるためである。この容器を、本発明のディスペンサーにより１％未満の 残留物にまで容易に空にすることができる。 従動プレートの中央部より外側にディスペンサーを結合する。このディスペン サーは、偏心スクリューポンプ、ギヤーポンプ、フローインデューサーまたはイ ンジェクターによって構成されているのが好ましい。このディスペンサーにより 、ペーストを、対応する消費によって制御されるディストリビューターによって 基本的に既知の方法で、その用途に直接向けることができる。 容器ならびにプレートおよびディスペンサーは、腐食耐性の材料、例えばプラ スチック、金属またはガラスなどから作製されているのが最良である。十分に精 密な嵌合を図るために、容器は使用時に実質的に寸法安定なままであるべきであ る。容器の大きさは限定されるものではないが、その内容物が数時間もつもので あって充填および供給コストを小さくするのが最良である。対応するペースト容 器は、少なくとも０.２Ｌの容量を有するのが普通である。業務用洗剤のための ペースト容器として使用するときには、この容器は２００Ｌのオーダーの容量を 有するのが普通である。 本発明のペースト容器およびディスペンサーの可能な態様の１つを、添付の図 面に示す。 高粘稠ペースト６を、上部末端が開いた円筒形容器７に供する。このシリンダ ー７の開口末端を、容器７中に配置した円形プレート２で閉じる。このプレート ２はカラーの形状で外側に曲がっており、プラスチックシール５でシールされて いる。このプレート２はペースト上にあり、ペーストの取出しにつれて下方にペ ーストを追随する。この従動プレート２の中央部にモーター３aおよび伝動シス テム３が配置され、そのシャフトに複数羽根の撹拌プロペラ４が配置されている 。このシャフトは、下方にわずかに突き出したボス８で終わっている。図示した 態様においては、全ての羽根が等しい長さのものであり、シリンダーの全直径の 範囲に延びている。また、これらの長い羽根はシリンダー壁からペーストを引き はがす。即ち、容器壁のペースト残留物が最少になる。撹拌プロペラ４は、従動 プレート２の下を自由に回転することができる。剪断なしではディスペンサーが 輸送することができない程の高粘度の疑似塑性ペーストを用いるときに、プロペ ラ羽根がペーストの上層を剪断し、これによってペースト粘度は分取可能となる 程度にまで低下する。偏心スクリューポンプの形態のディスペンサー１を、プレ ート２の中央部の外側に配置する。この剪断して粘度低下させたペーストを、所 望により対応する分配および／または計量要素を経て、このポンプによってその 用途に、例えば業務用洗浄機に向ける。 参照数字のリスト １ ディスペンサー ２ 従動プレート ３ 伝動装置 ３a モーター ４ 撹拌プロペラ ５ シール ６ ペースト ７ ペースト容器 ８ ボス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケッペルマン、エドガー ドイツ連邦共和国デー―40723ヒルデン、 アム・アイヒェルカムプ166番 (72)発明者 アイヒナー、ヴァルター ドイツ連邦共和国デー―83313ジークスド ルフ、ハウナーティンガー１番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．一方の末端が開口しているシリンダー(７)、該シリンダーの開口末端に配 置した移動可能な密閉従動プレート(２)およびペーストの取出しおよび輸送のた めのディスペンサー(１)からなり、 Ａ．該従動プレート(２)がモーターおよび伝動システム(３)を支え、該従動プ レート(２)の中心を突き出す該システム(３)のシャフトに、該従動プレート(２) のすぐ下のペースト中で自由に回転することができるようにして、複数羽根の撹 拌プロペラ(４)が配置され、そして Ｂ．ディスペンサー(１)が、該従動プレート(２)の中心より外側かつ該撹拌プ ロペラ(４)の適用が及ぶ範囲より上で、該従動プレート(２)に結合され、所望に より計量ユニットを経てペーストをその使用点に輸送する、 ものであるペースト容器およびディスペンサー。 ２．撹拌プロペラ(４)の羽根が異なる長さを有する請求項１に記載のペースト 容器およびディスペンサー。 ３．撹拌プロペラ(４)が少なくとも４枚の羽根を有しており、そのうち少なく とも２枚の向かい合った羽根は比較的長く、ペースト容器の実質的に全直径範囲 に及ぶものであり、一方、少なくとも２枚の他の向かい合った羽根は比較的短く 、その回転中にディスペンサー(１)の少なくとも開口部に及ぶものである請求項 ２に記載のペースト容器およびディスペンサー。 ４．プロペラ軸と羽根の間の角度が９０〜６０°の値を有することを特徴とす る請求項１〜３のいずれかに記載のペースト容器およびディスペンサー。 ５．ディスペンサー(１)が偏心スクリューポンプの形態にあることを特徴とす る請求項１〜４のいずれかに記載のペースト容器およびディスペンサー。 ６．撹拌プロペラ(４)が従動プレート(２)の下方の０.８〜５mmの距離に、よ り具体的には１〜３mmの距離に配置されていることを特徴とする請求項１〜５の いずれかに記載のペースト容器およびディスペンサー。 ７．撹拌プロペラ(４)のボス(８)が、撹拌プロペラ(４)のシャフトをその下方 末端で終わらせる下向突起の形状にあることを特徴とする請求項１〜６のいずれ かに記載のペースト容器およびディスペンサー。 ８．２５℃で測定したときに、低剪断速度で１,０００mPa・sより上、より具体 的には１５０,０００〜５００,０００mPa・sの範囲内、および、高剪断速度で１ ００,０００mPa・sより下、より具体的には１０,０００〜９０,０００mPa・sの範 囲内の粘度を有する疑似塑性洗剤ペーストを輸送および分取するための請求項１ 〜７のいずれかに記載のペースト容器およびディスペンサーの使用。