JPH0947254A - 水系食肉用改質剤及びこれで処理した食肉又は肉製品 - Google Patents

水系食肉用改質剤及びこれで処理した食肉又は肉製品

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JPH0947254A
JPH0947254A JP7327090A JP32709095A JPH0947254A JP H0947254 A JPH0947254 A JP H0947254A JP 7327090 A JP7327090 A JP 7327090A JP 32709095 A JP32709095 A JP 32709095A JP H0947254 A JPH0947254 A JP H0947254A
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acid
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JP7327090A
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Hirotaka Sasaki
博隆 佐々木
Manabu Toi
学 戸井
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軟らかい肉質で、肉汁に富み、良好な風味の
肉を提供でき、かつ利用の便利な水系の肉の改質剤およ
びこれで処理した食肉又は肉製品の提供。 【解決手段】 (A) モノグリセリドあるいはジグリセリ
ドとポリカルボン酸とのエステルを含有する水系食肉用
改質剤。上記に麹菌由来のプロテアーゼを含有する水系
食肉用改質剤。これらの水系食肉改質剤による食肉の浸
漬、タンブリング、注入等の処理による食肉の改質方
法。上記改質方法により処理した食肉又は肉製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟らかい肉質で、
肉汁に富み、良好な風味の肉を提供できる肉の改質剤お
よびこれで処理した食肉又は肉製品に関する。
【0002】
【従来の技術】牛、豚などの畜肉、鳥、カモなどの鳥
肉、あるいはアジ、白身魚などの魚肉を用いた肉料理
(肉を含む料理)は、数多くある。これらの調理に際し
ての焼く、炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず、肉
は適度な柔らかさを有し、そしてうま味成分である肉汁
に富んだ状態(ジューシーな状態)で食べられることが
望ましい。特に、例えばステーキやカツフライなどの加
工品でない鳥獣等の比較的大きな肉片を用いた肉料理や
これらの肉を原料とした挽き肉を主成分とするハンバー
グ等の成型食品においては、柔らかさやジューシーさは
肉をおいしく食べるためには重要な要素である。しか
し、一般に上記のような肉、特にある程度の大きさを持
つ肉片は加熱調理で固く締まる性質があり、また肉汁も
流出して失われる傾向にある。また肉質があまり良くな
い場合には、上記の固さと共に筋っぽさも加わり、更に
食感が低下するとの問題もある。従って、このような肉
を使用した料理においても柔らかく、良好な食感でおい
しく食べることができる肉の改良が望まれる。従来か
ら、肉を柔らかくしたりあるいは肉の保存性を高めたり
等の肉を改質する方法として、有機酸モノグリセリド
(例、アセチル化モノグリセリド)を使用する方法(特
開昭49−20353 号公報)、レシチン等を添加した植物性
油脂に肉を漬け込む方法(特開昭54−62356 号公報)、
カルシウム塩に重炭酸ナトリウムとHLB10以上の乳化
剤(例、ショ糖脂肪酸エステル)との少なくとも一方を
加えた軟化剤を使用する方法(特開平4−148663号公
報)、塩類等を使用する方法(特開平4−36167 号、特
開昭61−239862号公報)、及び蛋白質分解酵素を使用す
る方法(特開昭59−151839号公報、特開平4−278063
号、同5−7476号、同5−252911号公報)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討では、これらの方法ではなお充分満足できる程
の改良には至っていない。本発明の目的は、肉質が柔ら
かく、肉汁に富み、更に筋っぽさも低減された食べやす
い肉を提供できる肉の改質剤及びこれで処理した食肉ま
たは肉製品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、研究を進める過程で、肉、特に畜肉や
鳥肉の肉においては、腱等の硬質タンパク(コラーゲ
ン)が比較的多く含まれ、これが肉の加熱調理に際して
収縮、凝集し、その結果、肉が締まり、固くなること、
およびこれらのタンパク質の収縮を抑制し、柔らかな肉
を得るためには、モノグリセリドあるいはジグリセリド
とポリカルボン酸とのエステルの配合が極めて有効であ
ることを見出し、先に特許出願を行った(特願平5−3
43815号)。又、更にかかるエステルとプロテアー
ゼを併用することにより、肉の軟化と共に食感も向上す
ることを見出し、先に特許出願を行った(特願平6−1
31456号)。一方、食肉改質剤の形態としては、粉
末状、液状が挙げられる。粉末状の改質剤を用いて肉を
処理する場合、肉に対して剤がまばらにかかってしま
い、均一に付着させるのが難しい。また、肉に対して一
定重量付着させる場合も、計量しなければならず、操作
が煩雑である。また、粉末は肉表面への塗布であるた
め、厚い肉(サーロインステーキ等)を処理した場合、
肉表面部は軟らかいものの内部の軟らかさが不十分であ
る。これに対し、液状の場合、肉を浸漬するだけで一定
量肉に均一に塗布でき、また肉への注入も可能であり、
肉全体の軟らかさが得られる利点がある。よって、水溶
性の食肉改質剤は、非常に便利であると言える。また、
水溶性改質剤が提供できれば、液体の各種調味料(例、
焼き肉のたれ等)への利用も可能となり、汎用性が大き
く向上する。本発明者はモノグリセリドあるいはジグリ
セリドとポリカルボン酸とのエステルからなる肉軟化成
分を、水に分散させることにより、肉質が軟らかく、肉
汁に富んだおいしい肉を提供でき、かつ室温で水または
水溶性調味料(例;焼き肉のたれ等)に均一に溶解分散
する食肉用改質剤、さらにこれを用いて肉への直接塗
布、または肉を浸漬、または肉を浸漬後タンブリング処
理し、肉中へ改質剤を浸透させる、または肉に注入す
る、または肉(挽き肉)に練り込むことにより処理した
食用肉又は肉製品が提供できることを見出し、本発明を
完成したものである。
【0005】即ち本発明は、(A) モノグリセリドあるい
はジグリセリドとポリカルボン酸とのエステルを含有す
る水系食肉用改質剤に関するものである。本発明の食肉
用改質剤は(A) モノグリセリドあるいはジグリセリドと
ポリカルボン酸とのエステルの効果により、肉を柔らか
くすることができる。また、(B) プロテアーゼを併用す
ることにより、(A) 成分と(B) 成分の相乗効果により、
さらに効果的に肉を柔らかくすることができる。一方、
(A) 成分は、それ自身は水に比較的分散しにくく、水に
分散しても沈澱生成や油的合一が生じることがある。そ
こで、水分散剤である(C) 成分を併用することにより、
(A) 成分を容易に水中に均一安定分散させることができ
る。さらに、(D) 成分の水の量を調節することにより、
改質剤の粘度を調節でき、改質剤の水への分散性を向上
させることができる。
【0006】本発明の水系食肉用改質剤の好ましい態様
(組成)は次の通りである。 (1)(A) モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリ
カルボン酸とのエステルが1〜99重量%(更に好ましく
は3〜70重量%、特に5〜60重量%)(全組成中、以下
同じ)であること (2)(B) プロテアーゼが 0.001〜30重量%(更に好ま
しくは 0.1〜20重量%、特に1〜15重量%)であること (3)HLBが13以上の(C) 成分が 0.1〜30重量%(更
に好ましくは 0.5〜25重量%、特に1〜20重量%)であ
ること (4)HLBが5以上13未満の(C) 成分が0〜50重量%
(更に好ましくは 0.5〜40重量%、特に2〜30重量%)
であること (5)(D) 水が0〜95重量%(更に好ましくは10〜60重
量%、特に20〜40重量%)であること (6)(A) モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリ
カルボン酸とのエステルとHLBが13以上の(C) 成分の
混合比が 100:1〜1:2(更に好ましくは50:1〜
1:1、特に20:1〜2:1)であること (7)HLB13以上の(C) 成分とHLB5以上13未満の
(C) 成分の混合比が 100:0〜1:10(更に好ましくは
10:1〜1:5、特に3:1〜1:3)であること (8)(A) モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリ
カルボン酸とのエステルと(B) プロテアーゼの混合比が
100:1〜1:1(更に好ましくは75:1〜2:1、特
に50:1〜4:1)であること (9)上記肉が肉片であること (10)上記肉製品が、肉片を含む冷凍食品、冷蔵食品、
又はレトルト食品などの加熱調理済み食品であること (11)上記肉製品が、ハンバーグ、ミートボール、ミー
トローフ、メンチカツ、ギョウザ、シュウマイからなる
群より選ばれた挽き肉を主成分とする成形食品、あるい
は冷凍食品、冷蔵食品、又はレトルト食品などの加熱調
理済み食品、又は加熱調理用食品であること
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の食肉用改質剤につ
いて更に詳しく説明する。本発明の(A) 成分であるモノ
グリセリドとポリカルボン酸とのエステルとしては、炭
素数12〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリド
とポリカルボン酸とのエステルが好ましく、炭素数12〜
22の飽和又は不飽和の脂肪酸としては例えばラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、リノール酸、ベヘン酸の1種又は2種以上が挙
げられ、又、ポリカルボン酸としては、例えば、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸などの飽和ジカル
ボン酸;マレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、メ
チルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸;リンゴ酸、酒
石酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸;ヒドロキ
シカルボン酸の水酸基が酢酸、あるいはシュウ酸等の上
記で挙げたカルボン酸で全部又は一部がエステル化され
たカルボン酸(例、ジアセチル酒石酸)が挙げられ、特
にコハク酸、ジアセチル酒石酸が好ましい。上記モノグ
リセリドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸とで得
られるエステルは、その反応に関与しないカルボン酸の
プロトンが、遊離状態にあっても良いし、また塩を構成
していても良い。塩を構成する対イオンとしては、例え
ば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、及びアルミニウムなどのイオンを挙げることができ
る。本発明に係るエステルは、モノグリセリドあるいは
ジグリセリドとポリカルボン酸との反応モル数、脂肪酸
残基の種類などによって数種の構造のものが得られ、通
常はこれらの混合物として得られる。本発明において
は、モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリカルボ
ン酸との反応モル数(混合比)が1:1により得られた
ものであることが好ましい。
【0008】又、本発明の(B) 成分のプロテアーゼは特
に限定はなく、種々の起源のものが使用でき、例えばパ
パイヤやブロメライン等の植物由来のもの、膵臓抽出物
等の動物由来のもの、あるいはかび等の微生物由来のも
のなどを挙げることができ、これらは単独で用いてもよ
いし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、麹
菌由来あるいはバチルス属細菌由来のプロテアーゼ、特
に麹菌由来のものが好ましい。本発明の(C) 成分は、水
分散剤であり、(A) 成分のモノグリセリドあるいはジグ
リセリドとポリカルボン酸とのエステルを油層としO/
W型乳化を、あるいはゲル層を形成しゲル/水分散物を
つくり、水に分散しにくいモノグリセリドあるいはジグ
リセリドとポリカルボン酸とのエステルを容易に分散さ
せるものである。かかる(C) 成分としてはHLBが高い
界面活性剤が好ましく、特にポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルよ
り選ばれる1種または2種以上の化合物が好ましい。
【0009】本発明の肉の改質剤には、他の任意の成分
が含まれていても良い。その他の任意成分としては、例
えば、澱粉類、蛋白質類、糖類、調味料などを挙げるこ
とができる。本発明の改質剤組成物の使用法としては、
食肉へ直接塗布(スプレー)する方法、つけ込み液
として食肉をつけ込む方法、食肉へ注入する方法があ
る。本発明では、食肉へ直接塗布、または食肉につけ込
む際、改質剤処理を行った後、直ちに焼成しても改質効
果は十分に得られるが、処理後一定時間静置、及び/又
は、タンブリング処理を行うことが効果的であり好まし
い。タンブリングは、一般的には、600mmHg 程度の減圧
下、15〜30rpm で回転運動を行う。連続運転は食肉の温
度を上昇させ、その品質を低下させることから、一定時
間の運転に対し適当な休止時間を設ける場合が多い(例
えば10〜20分の運転に対し5分程度の運転停止等)。ま
た、タンブリングを行う装置は、羽形状、試料室の回転
方向等が異なる種々の装置が考案・実用化されている。
本発明に係わる食肉の改質剤組成物及びこれで処理した
食肉は、これら減圧条件、減圧の有無、回転速度、運転
条件、装置の種類のいずれの制約も受けず、その効果を
発現する。ここで述べたタンブリングとは、食肉に処理
液を分散/浸透させる操作であり、必ずしもタンブリン
グ装置を用いる必要はなく、処理液と食肉とを適当な容
器に入れ、攪拌・振とうを行うことでも達成される。よ
り好ましくは、減圧を行ったほうがよいが、必ずしもそ
の必要はない。又、肉への注入は、例えば、自動または
手動によりシリンジ等で行えばよい。尚、上記と同様、
組成物が肉に十分浸透及び/又は分散するように、注入
後、一定時間、例えば、1時間程度静置、及び/又は、
タンブリング処理を行うことが効果的であり好ましい
が、必ずしもその必要はない。
【0010】本発明の処理対象となる食肉は、例えば、
牛、豚、羊などの畜肉、鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等
の鳥肉を挙げることができるが、特に畜肉、鳥肉におい
て効果が大である。また肉の部位としては、カタ、モモ
等の比較的硬質のタンパク質を多く含む部位のものを用
いるときに効果がある。更に肉の形態としては、特に限
定されないが、ある程度の大きさのある肉片を用いた肉
料理(ステーキ、焼き肉用の肉、唐揚、フライあるいは
照り焼き用の肉など)を行うときに効果が大きい。ここ
で肉片とは、畜肉等の生肉から切り出した、比較的形状
の大きな肉(例えば、肉片の表面積が1cm2 程度以上の
もの)を意味する。なお、本発明の食肉の改質処理方法
は、上記のような畜肉等以外に、硬い魚肉に適用するこ
ともできる。本発明では、肉を加熱調理する際に、その
調理前に肉を処理することでその効果が得られるが、焼
く、炒める、揚げる、煮る、蒸すなどの調理方法によっ
ては制限されず何れの調理方法においても効果が得られ
る。特に、焼く、揚げるなどの調理において顕著な効果
が得られる。適用できる肉料理の例としては、焼き肉、
ステーキ、カツフライ、唐揚、竜田揚げ、カレー、シチ
ュー、すき焼き、しゃぶしゃぶなどを挙げることができ
る。
【0011】更に本発明の改質処理剤は、冷凍、冷蔵、
あるいはレトルトなどの常温保存可能な肉を含む肉製品
においても適用できる。本発明に係る組成物で処理され
た肉を含む肉製品は、既に加熱調理されているものでも
良いし(加熱調理済食品)、あるいは食べるときに加熱
調理するように調理されているものでも良い(未加熱調
理食品、加熱調理用食品)。すなわち、加熱調理済食品
においては、これを製造する際の加熱調理を実施する前
に、予め肉を本発明に係る組成物で処理しておけば良
く、一方未加熱調理食品においては、加熱調理前でかつ
保存前に予め本発明に係る組成物で上記と同様な処理を
しておけば良い。本発明の処理方法で処理した肉を含む
肉製品は、保存後、加熱調理した後においても、肉の柔
らかさやジューシーさが維持され、良好な風味のものと
なる。本発明の方法で処理した肉を含む肉製品として
は、例えば、カツフライ、唐揚、カレー、ハヤシ、シチ
ュー、肉ジャガ、酢豚などを挙げることができる。
【0012】上述の通り、本発明の食肉改質剤は水溶性
の食肉改質剤であり、水や液体調味料等、水性の液体に
容易に溶解分散することが特徴である。また、たれ等の
水性調味料にも容易に分散し、食肉改質剤を溶解した調
味料を用いて、漬け込み、煮込み、焼成等により肉を軟
らかくすることができる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、
本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中の部は重
量部である。 実施例1 90部の水にコハク酸モノグリセリド(花王(株)ステッ
プSS)を10部加え、ホモミキサーにて10分間分散させ
た後、リン酸三ナトリウム(太平化学(株)製)でpHを
6.8 に調整した。この溶液50gにオーストラリア産牛サ
ーロイン 200gを浸漬後、すぐに引き上げ、塩こしょう
を振りかけ、コーン油を敷いたフライパン上で焼成し
た。 実施例2 実施例1で使用した溶液100 部にプロテアーゼ(天野製
薬(株)プロテアーゼA「アマノ」)2部を添加した溶
液50gにオーストラリア産牛サーロイン 200gを浸漬
後、すぐに引き上げ、塩こしょうを振りかけ、コーン油
を敷いたフライパン上で焼成した。
【0014】 〔食肉改質剤の配合(A)〕 コハク酸モノグリセリド 50 部 (太陽化学(株)サンソフト683CU) デカグリセリンモノオレート 10 部 (太陽化学(株)サンソフトQ-17UL) デカグリセリンモノステアレート 15 部 (太陽化学(株)サンソフトQ−18S) 水 25 部 ──────────────────────────── 100 部 実施例3 上記の配合で調製した食肉改質剤(A)を水で10倍に希
釈した液50gにオーストラリア産牛サーロイン 200gを
浸漬後、すぐに引き上げ、塩こしょうを振りかけ、コー
ン油を敷いたフライパン上で焼成した。 実施例4 実施例3と同様に処理した肉を、−20℃に1週間放置
後、電子レンジで解凍し、同様にフライパン上で焼成し
た。
【0015】 〔食肉改質剤の配合(B)〕 コハク酸モノグリセリド 50 部 (太陽化学(株)サンソフト683CU) デカグリセリンモノオレート 10 部 (太陽化学(株)サンソフトQ-17UL) デカグリセリンモノステアレート 15 部 (太陽化学(株)サンソフトQ-18S) プロテアーゼ 5 部 (天野製薬(株)プロテアーゼA「アマノ」) 水 20 部 ──────────────────────────── 100 部 実施例5 食肉改質剤(A)の水5部の代わりにプロテアーゼ5部
を用いて調製した食肉改質剤(B)を水で10倍に希釈し
た液50gにオーストラリア産牛サーロイン 200gを浸漬
後、すぐに引き上げ、塩こしょうを振りかけ、コーン油
を敷いたフライパン上で焼成した。 実施例6 実施例5と同様に処理した肉を、−20℃に1週間放置
後、電子レンジで解凍し、同様にフライパン上で焼成し
た。 実施例7 食肉改質剤(B)を水で10倍に希釈した液50gにオース
トラリア産牛サーロイン 200gを5℃で1日浸漬後、塩
こしょうを振りかけ、コーン油を敷いたフライパン上で
焼成した。 実施例8 食肉改質剤(B)を水で10倍に希釈した液を、豚ロース
肉 100gに対し8g注入し、すぐに小麦粉、パン粉をつ
け、180 ℃のサラダ油で揚げ、豚カツを作った。 実施例9 実施例8と同様に処理した肉を、−20℃に1週間放置
後、オーブンで解凍し、同様に豚カツを作った。 実施例10 食肉改質剤(B)を水で4倍に希釈した液を、豚ロース
肉 100gに対し8g注入し、5℃に1日放置後、小麦
粉、パン粉をつけ、 180℃のサラダ油で揚げ、豚カツを
作った。 実施例11 オーストラリア産牛サーロイン 200gに、食肉改質剤
(B)を水で10倍に希釈した液20gを添加し、5℃で減
圧タンブリングを90分間行い、その後直ちに塩こしょう
を振りかけ、コーン油を敷いたフライパン上で焼成し
た。 比較例1〜11 コハク酸モノグリセリド(あるいはこれとプロテアー
ゼ)、食肉改質剤(A)、食肉改質剤(B)を使用しな
かった以外は、実施例1〜11と同様にして、肉を調理
した。
【0016】実施例12 食肉改質剤(B)のかわりに下記食肉改質剤(C)を使
用し、実施例8と同様に、豚カツを作った。 〔食肉改質剤の配合(C)〕 ジアセチル酒石酸モノグリセリド 45 部 (太陽化学(株)サンソフト641D) デカグリセリンモノオレート 10 部 (太陽化学(株)サンソフトQ-17UL) ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 15 部 (三菱化成食品(株)S−1170) プロテアーゼ 5 部 (天野製薬(株)プロテアーゼA「アマノ」) 水 25 部 ────────────────────────── 100 部 実施例13 下記の如く、食肉改質剤(B)を5%配合した焼き肉の
たれを調製し、たれ25gに対し、輸入牛バラ肉 100gを
5℃で30分漬け込んだ後、フライパンで焼成した。 実施例14 実施例13において、たれを漬け込んだ後、−20℃で1
週間冷凍保存した後、10℃で1日解凍したものについ
て、同様にフライパンで焼成した。 比較例12、13 下記の如く、食肉改質剤(B)のかわりに水を使用した
以外は、実施例13、14と同様に焼き肉を調製した。 焼き肉のたれの配合(改質剤入り) 焼き肉のたれの配合(改質剤なし) 醤油 30 部 醤油 30 部 砂糖 21 部 砂糖 21 部 みりん 19 部 みりん 19 部 水飴 7 部 水飴 7 部 食塩 5 部 食塩 5 部 グルタミン酸ナトリウム 2 部 グルタミン酸ナトリウム 2 部 ビーフエキス 2 部 ビーフエキス 2 部 香辛料 3 部 香辛料 3 部 リンゴ果汁(5倍濃縮) 5.5部 リンゴ果汁(5倍濃縮) 5.5部 キサンタンガム 0.5部 キサンタンガム 0.5部 食肉改質剤(B) 5 部 水 5 部 ───────────────── ─────────────── 100 100 実施例15 食肉改質剤(B)を5%入れた熱湯に、オーストラリア
産牛バラ薄切り肉を漬け、しゃぶしゃぶをした。 実施例16 食肉改質剤(C)を5%入れた熱湯に、オーストラリア
産牛バラ薄切り肉を漬け、しゃぶしゃぶをした。 比較例14 食肉改質剤(B)、(C)を入れず、熱湯にオーストラ
リア産牛バラ薄切り肉を漬け、しゃぶしゃぶをした。
【0017】実施例17 下記の如く、食肉改質剤(B)を5%添加したたれ 400
gに対し、オーストラリア産牛バラ肉 100g、玉葱70g
を加え、30分煮込み、牛丼を作った。 比較例15 食肉改質剤を添加しないたれを用いて、実施例17と同
様に、牛丼を作った。 牛丼のたれの配合(改質剤入り) 牛丼のたれの配合(改質剤なし) 水 69 部 水 69 部 醤油 14 部 醤油 14 部 砂糖 4 部 砂糖 4 部 酒 4 部 酒 4 部 みりん 4 部 みりん 4 部 食肉改質剤(B) 5 部 ─────────────── ─────────────── 100 部 95 部 上記のように得られた各種肉料理を20人のパネルにより
官能評価を行った。評価は、実施例を比較例で得られた
各肉料理の「柔らかさ」、「ジューシーさ」を比較し、
比較例に比べ、実施例の方が『明らかに柔らかい(又は
ジューシー)』『やや柔らかい(又はジューシー)』、
そして『変わらない』の3段階で行った。また、得られ
た各種肉料理の肉の物性値を測定し、肉の柔らかさを評
価した。『柔らかさ』は、ミートシェアー(ワーナーブ
ラッツラー社製)によるせん断応力値で表した。値が小
さいほど、肉が柔らかいことを示す。結果を表1、表2
に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例18 牛挽き肉 350gにパン粉18g、牛乳15g、卵35g、食塩
3.5g、こしょう0.35g、ナツメグ0.18g、食肉改質剤
(B) 2.5gを加え十分練り、1個40gのハンバーグに
成形した後、ホットプレートで焼成した。 比較例16 食肉改質剤(B)を使用しない以外は、実施例18と同
様にしてハンバーグを作った。 実施例19 豚挽き肉 350gに酒20g、醤油6g、卵50g、ポテトデ
ンプン15g、ねぎ(みじん切り)10g及び食肉改質剤
(C)を 3.5gを加え混合し、直径 2.5cmに丸めた後、
サラダ油で揚げミートボールを作った。 比較例17 食肉改質剤(C)を使用しない以外は、実施例19と同
様にしミートボールを作った。上記のように得られた各
種肉料理を20人のパネルにより官能評価を行った。評価
は、実施例を比較例で得られた各肉料理の「柔らか
さ」、「ジューシーさ」、「ふっくらさ」を比較し、比
較例に比べ、実施例の方が『明らかに柔らかい(又はジ
ューシー又はふっくらしている)』、『やや柔らかい
(又はジューシー又はふっくらしているは)』、そして
『変わらない』の3段階で行った。結果を表3に示す。
【0021】
【表3】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) モノグリセリドあるいはジグリセリ
    ドとポリカルボン酸とのエステルを含有する水系食肉用
    改質剤。
  2. 【請求項2】 (B) プロテアーゼを含有する請求項1記
    載の水系食肉用改質剤。
  3. 【請求項3】 (B) プロテアーゼが麹菌由来のプロテア
    ーゼである請求項2記載の水系食肉用改質剤。
  4. 【請求項4】 (C) 水分散剤としてHLB13以上の界面
    活性剤を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の水系
    食肉用改質剤。
  5. 【請求項5】 (C) 水分散剤としてHLB13以上の界面
    活性剤とHLB5以上13未満の界面活性剤の混合物を含
    有する請求項1〜3の何れか1項記載の水系食肉用改質
    剤。
  6. 【請求項6】 (C) 水分散剤が、ポリグリセリン脂肪酸
    エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合
    リシノレイン酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステ
    ルより選ばれる1種または2種以上の化合物である請求
    項4又は5記載の水系食肉用改質剤。
  7. 【請求項7】 (D) 水を含有する請求項1〜6の何れか
    1項記載の水系食肉用改質剤。
  8. 【請求項8】 (A) モノグリセリドとポリカルボン酸と
    のエステルが、炭素数12〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸
    のモノグリセリドとコハク酸とのエステル、又は炭素数
    12〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリドとジ
    アセチル酒石酸とのエステルである請求項1〜7の何れ
    か1項記載の水系食肉用改質剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項記載の水系食
    肉用改質剤に食肉を浸漬することを特徴とする食肉の改
    質方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8の何れか1項記載の水系
    食肉用改質剤で食肉をタンブリング処理することを特徴
    とする食肉の改質方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8の何れか1項記載の水系
    食肉用改質剤を食肉中に注入することを特徴とする食肉
    の改質方法。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11の何れか1項記載の改
    質方法により処理した食肉又は肉製品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010166904A (ja) * 2008-12-26 2010-08-05 En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材
JP2010166903A (ja) * 2008-12-26 2010-08-05 En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd 軟質化方法および軟質化動物性食材
JP2012223096A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 House Foods Corp 煮込み料理用組成物およルウとの組合せ
JP2021003045A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 三菱ケミカルフーズ株式会社 魚介類加工品の製造方法

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