JP2010166903A - 軟質化方法および軟質化動物性食材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の軟質化方法は、食肉または魚介類からなる動物性素材を酵素処理することにより軟質化する軟質化方法であって、たん白質分解酵素と、少なくとも一種の増粘剤とを含有する酵素処理液を、注入法により前記動物性素材の内部に供給し、前記酵素処理液中の前記たん白質分解酵素を前記動物性素材の構成成分と反応させることにより、前記動物性素材を軟質化する。
【選択図】なし
Description
(1) 食肉または魚介類からなる動物性素材を酵素処理することにより軟質化する軟質化方法であって、
たん白質分解酵素と、少なくとも一種の増粘剤とを含有する酵素処理液を、注入法により前記動物性素材の内部に供給し、前記酵素処理液中の前記たん白質分解酵素を前記動物性素材の構成成分と反応させることにより、前記動物性素材を軟質化することを特徴とする軟質化方法。
[1]酵素処理工程
まず、軟質化すべき動物性素材を用意する。
次に、軟質化後の動物性素材内の酵素を失活させる酵素失活処理を行う。
次に、酵素が失活された軟質化動物性素材を冷凍保存するための冷凍処理を行う。
以上の工程を経て、冷凍状態の本発明の軟質化動物性食材が得られる。
1.酵素処理液中に含まれる増粘剤の種類の検討
(酵素処理液1A)
たん白質分解酵素として、Aspergillus melleus由来のプロテアーゼ(天野エンザイム社製、「プロテアーゼP「アマノ」3G」)を用意し、増粘剤として、低温糊化甘薯澱粉(廣八堂社製、「冨貴葛」;糊化開始温度 37℃)およびカードラン(キリンフードテック社製、「カードランNS」)を用意した。そして、プロテアーゼ、低温糊化甘薯澱粉およびカードランの含有量が、それぞれ、1.0wt%、2.0wt%および1.0wt%となるように、イオン交換樹脂で処理した脱イオン水に溶解して酵素処理液1Aを調製した。
酵素処理液中への低温糊化甘薯澱粉の添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液2Aを調整した。
酵素処理液中へのカードランの添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液3Aを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中に、カラギーナン(ユニテックフーズ社製、「SATIAGEL BWJ40」)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液4Aを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中に、ローカストビーンガム(ユニテックフーズ社製、「VIDOGUM L175」)を含有量が2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液5Aを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中に、グルコマンナン(清水化学社製、「レオレックスRS」)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液6Aを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中に、セルロース(旭化成ケミカルズ社製、「セオラス」)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液7Aを調整した。
カードランに代えて、酵素処理液中に、カラギーナン(ユニテックフーズ社製、「SATIAGEL BJW40」)を1.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液8Aを調整した。
カードランに代えて、酵素処理液中に、ローカストビーンガム(ユニテックフーズ社製、「VIDOGUM L175」)を1.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液9Aを調整した。
カードランに代えて、酵素処理液中にグルコマンナン(清水化学社製、「レオレックスRS」)を1.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液10Aを調整した。
カードランに代えて、酵素処理液中にセルロース(旭化成ケミカルズ社製、「セオラス」)を1.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液11Aを調整した。
酵素処理液中への低温糊化甘薯澱粉およびカードランの添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Aと同様にして酵素処理液1Bを調整した。
以下の各実施例および比較例において、動物性素材を軟質化するために用いる酵素処理液として、その液中に含まれる多糖類の種類が異なるものを用いて、それぞれの軟質化動物性食材を製造した。
<1>酵素処理工程
まず、生のトリササミをその厚さが約15mmとなるように切断し、このもの5個(平均重量約40g)に、それぞれ、インジェクション装置(トーニチ社製、「スーパーミニインジェクター」)を用いて、生のトリササミの重量(初期重量)に対して30wt%の酵素処理液1Aを注入した。なお、このインジェクション装置は、1cm四方間隔に30本の注射針を備えるものである。
次に、酵素反応処理終了後のトリササミを、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度92℃、加熱時間10分の条件でトリササミ内部の温度が90℃となるように加熱して、酵素を失活させた。
次に、酵素失活処理終了後のトリササミ(軟質化されたトリササミ)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006S5」)を用いて、−35℃となるまで急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のトリササミの軟質化動物性食材を得た。
酵素処理工程<1>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて、それぞれ、酵素処理液2A〜11Aを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のトリササミの軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Aに代えて、それぞれ、酵素処理液1Bを用いた以外は、前記実施例1Aと同様にして、冷凍状態のトリササミの軟質化動物性食材を製造した。
実施例1A〜11Aおよび比較例1Bの冷凍状態のトリササミの軟質化動物性食材を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度10%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化動物性食材を以下に示す1−3−1〜1−3−4の各種項目について評価した。
かたさ(圧縮応力)は、「高齢者用食品の表示許可の取り扱いについて(衛新第15号、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知、平成6年2月23日)」中の高齢者用食品の試験方法に準拠して測定した。すなわち、レオメーター(山電株式会社製、「RE2-33005S」)を用いて、直径3mmのプランジャーを圧縮速度10mm/秒で、解凍したトリササミ(軟質化動物性食品;試料)の上端から、厚さの70%まで押し込み、下端側の部分が30%残存するようにクリアランスを設定して、圧縮応力(N/m2)を測定した。なお、ここで、クリアランスとは、最大に試料を圧縮した時のプランジャーの先端からゼロ点(すなわち、試料の下端)までの距離をいう。
また、測定温度は20±2℃とした。
形状保持性は、軟質化前のトリササミ(動物性素材)と、軟質化されたトリササミ(軟質化動物性食品)との外観、および、軟質化されたトリササミからの離水の有無を、実施例1A〜11Aおよび比較例1Bの軟質化動物性食材でそれぞれ、以下の3段階の基準にしたがって評価した。
○:外観や離水に変化が認められるものの、問題ない範囲である
×:外観に明らかな変化が認められ、さらに、離水も認められる
実施例1A〜11Aおよび比較例1Bの解凍したトリササミ(軟質化動物性食材;試料)を食し、その際に感じられた食感を、軟質化せずに一般的な調理方法で加熱調理したトリササミ(軟質化していない動物性食材)と比較して、それぞれ、以下の3段階の基準にしたがって評価した。
○:軟質化していない動物性食材のジューシー感および肉質感に対して変化はあるが、問題ない範囲である
×:完全にジューシー感および肉質感が無くなってしまっている
実施例1A〜11Aおよび比較例1Bの解凍したトリササミ(軟質化動物性食材;試料)を食し、その際に感じられた風味を、軟質化せずに一般的な調理方法で加熱調理したトリササミ(軟質化していない動物性食材)と比較して、それぞれ、以下の3段階の基準にしたがって評価した。
○:軟質化していない動物性食材の風味に対して変化はあるが、問題ない範囲である
×:完全に味が抜けてしまっている
実施例1A〜11Aおよび比較例1Bの解凍したトリササミ(軟質化動物性食材;試料)を食し、その際に感じられた滑らかさ(飲み込み性)を、それぞれ、以下の3段階の基準にしたがって評価した。
○:若干の粘着性があり、飲み込む際に多少の違和感があるが、問題ない範囲である
×:粘着性、もしくはパサツキ感が強く、飲み込み難い
これらの結果を表1に示す。
2−1.酵素処理液の調整
(酵素処理液1C)
前記酵素処理液1Aと同様の酵素処理液を酵素処理液1Cとして調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中にタピオカ澱粉(王子コーンスターチ社製、「みやこ300」;糊化開始温度 55℃)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Cと同様にして酵素処理液2Cを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中に馬鈴薯澱粉(王子コーンスターチ社製、「ラーフUD」;糊化開始温度 58℃)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Cと同様にして酵素処理液3Cを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中にうるち米澱粉(島田化学工業社製、「ベターフレンド」;糊化開始温度 66℃)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Cと同様にして酵素処理液4Cを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中にコーンスターチ(王子コーンスターチ社製、「せいうん500」;糊化開始温度 66℃)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Cと同様にして酵素処理液5Cを調整した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中にハイアミロースコーンスターチ(日本食品加工社製、「日食ハイアミローススターチ」;糊化開始温度75℃)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Cと同様にして酵素処理液6Cを調整した。
増粘剤(低温糊化甘薯澱粉およびカードラン)の添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Cと同様にして酵素処理液1Dを調整した。
以下の実施例1C〜6Cおよび比較例1Dにおいて、澱粉の種類または澱粉の添加が省略された酵素処理液を用いて軟質化動物性食品を製造した。
<1>酵素処理工程
まず、生の豚ヒレ肉をその厚さが約15mmとなるように切断し、このもの5個(平均重量約200g)に、それぞれ、インジェクション装置(トーニチ社製、「スーパーミニインジェクター」)を用いて、生の豚ヒレ肉の重量に対して30wt%の酵素処理液1Cを注入した。
次に、酵素反応処理終了後の豚ヒレ肉を、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度93℃、加熱時間10分の条件で豚ヒレ肉内部の温度が90℃となるように加熱して、酵素を失活させた。
次に、酵素失活処理終了後の豚ヒレ肉(軟質化された豚ヒレ肉)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006S5」)を用いて、−35℃となるまで急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態の豚ヒレ肉の軟質化動物性食材を得た。
酵素処理工程<1>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Cに代えて、それぞれ、酵素処理液2C〜6Cおよび酵素処理液1Dを用いた以外は、前記実施例1Cと同様にして、冷凍状態の豚ヒレ肉の軟質化動物性食材を製造した。
実施例1C〜6Cおよび比較例1Dの冷凍状態となっている豚ヒレ肉の軟質化動物性食材を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度10%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化動物性食材を、前述した実施例1A〜11Aおよび比較例1Bと同様にして前記1−3−1〜1−3−5の各種項目について評価した。
これらの結果を表2に示す。
3−1.酵素処理液の調整
(酵素処理液1E)
パパインと微生物由来のプロテアーゼとを含有するたん白質分解酵素製剤(かたやま社製、「エコラ・スーペルバ」)、低温糊化甘薯澱粉(廣八堂社製、「冨貴葛」;糊化開始温度 37℃)、およびカードラン(キリンフードテック社製、「カードランNS」の含有量が、それぞれ、3.0wt%、2.0wt%および1.0wt%となるように、イオン交換樹脂で処理した脱イオン水に溶解して酵素処理液1Eを調製した。
低温糊化甘薯澱粉に代えて、酵素処理液中にうるち米澱粉(島田化学工業社製、「ベターフレンド」;糊化開始温度 66℃)を2.0wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Eと同様にして酵素処理液2Eを調整した。
澱粉およびカードランの他に、さらに他の多糖類として、キサンタンガムをその含有量が0.1wt%となるように添加したこと以外は、前記酵素処理液1Eと同様にして酵素処理液3Eを調整した。
以下の実施例1E〜5Eにおいて、種類の異なる動物性素材(食肉)に対して各酵素処理液を用いて軟質化動物性食材を製造した。
<1>酵素処理工程
まず、生のトリモモ肉をその厚さが約15mmとなるように切断し、このもの5個(平均重量約80g)に、それぞれ、インジェクション装置(トーニチ社製、「スーパーミニインジェクター」)を用いて、生のトリモモ肉の重量に対して50wt%の酵素処理液1Eを注入した。
次に、酵素反応処理終了後のトリモモ肉を、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度93℃、加熱時間10分の条件でトリモモ肉内部の温度が90℃となるように加熱して、酵素を失活させた。
次に、酵素失活処理終了後のトリモモ肉(軟質化されたトリモモ肉)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006S5」)を用いて、−35℃となるまで急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のトリモモ肉の軟質化動物性食材を得た。
酵素処理工程<1>に用いる酵素処理液として、酵素処理液1Eに代えて、酵素処理液2Eを用いた以外は、前記実施例1Eと同様にして、冷凍状態のトリモモ肉の軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、トリモモ肉に代えて、厚さが15mmの生の牛ロース肉を用意した以外は、前記実施例1Eと同様にして、冷凍状態の牛ロース肉の軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、トリモモ肉に代えて、厚さが15mmの生の牛ロース肉を用意し、酵素処理液として、酵素処理液1Eに代えて、酵素処理液3Eを用いた以外は、前記実施例1Eと同様にして、冷凍状態の牛ロース肉の軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、トリモモ肉に代えて、厚さが15mmの生のカモ肉を用意し、酵素処理液として、酵素処理液1Eに代えて、酵素処理液3Eを用いた以外は、前記実施例1Eと同様にして、冷凍状態のカモ肉の軟質化動物性食材を製造した。
実施例1E〜5Eの冷凍状態となっている各種軟質化動物性食材を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度10%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化動物性食材を、前述した実施例1A〜11Aおよび比較例1Bと同様にして前記1−3−1〜1−3−5の各種項目について評価した。
これらの結果を表3に示す。
4−1.酵素処理液の調整
(酵素処理液1F)
前記酵素処理液1Eと同様の酵素処理液を酵素処理液1Fとして調整した。
増粘剤(低温糊化甘薯澱粉およびカードラン)の添加を省略した以外は、前記酵素処理液1Eと同様にして酵素処理液1Gを調整した。
以下の実施例1F〜4Fおよび比較例1Gにおいて、種類の異なる動物性素材(魚介類)に対して各酵素処理液を用いて軟質化動物性食材を製造した。
<1>酵素処理工程
まず、生のシャケの切り身(厚さが約15mm)5個(平均重量約60g)に、それぞれ、インジェクション装置(トーニチ社製、「スーパーミニインジェクター」)を用いて、生のシャケの重量に対して10wt%の酵素処理液1Fを注入した。
次に、酵素反応処理終了後のシャケを、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度100%RH、庫内温度92℃、加熱時間10分の条件でシャケ内部の温度が90℃となるように加熱して、酵素を失活させた。
次に、酵素失活処理終了後のシャケ(軟質化されたシャケ)を、急速冷凍装置(福島工業社製、「ブラストフリーザー QXF−006S5」)を用いて、−35℃となるまで急速冷凍させた。
以上のようにして、冷凍状態のシャケの軟質化動物性食材を得た。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、シャケに代えて、厚さが約10mmの生の赤魚の切り身を用意した以外は、前記実施例1Fと同様にして、冷凍状態の赤魚の軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、シャケに代えて、厚さが約18mmの生のサバの切り身を用意した以外は、前記実施例1Fと同様にして、冷凍状態のサバの軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、シャケに代えて、厚さが約20mmの生のカジキの切り身を用意した以外は、前記実施例1Fと同様にして、冷凍状態のカジキの軟質化動物性食材を製造した。
酵素処理工程<1>において軟質化する動物性素材として、シャケに代えて、厚さが約20mmの生のカジキの切り身を用意し、酵素処理液として、酵素処理液1Fに代えて、酵素処理液1Gを用いた以外は、前記実施例1Fと同様にして、冷凍状態のカジキの軟質化動物性食材を製造した。
実施例1F〜4Fおよび比較例1Gの冷凍状態となっている各種軟質化動物性食材を、それぞれ、スチームコンベクション(ラショナル社製、「セルフクッキングセンター61型」)を用いて、相対湿度10%RH、庫内温度70℃、加熱時間30分の条件で加熱することにより解凍した後、解凍された軟質化動物性食材を、前述した実施例1A〜11Aおよび比較例1Bと同様にして前記1−3−1〜1−3−5の各種項目について評価した。
これらの結果を表4に示す。
Claims (6)
- 食肉または魚介類からなる動物性素材を酵素処理することにより軟質化する軟質化方法であって、
たん白質分解酵素と、少なくとも一種の増粘剤とを含有する酵素処理液を、注入法により前記動物性素材の内部に供給し、前記酵素処理液中の前記たん白質分解酵素を前記動物性素材の構成成分と反応させることにより、前記動物性素材を軟質化することを特徴とする軟質化方法。 - 前記酵素処理液は、前記増粘剤として、澱粉と、カードランとを含有する請求項1に記載の軟質化方法。
- 前記澱粉は、糊化開始温度が70℃以下のものである請求項2に記載の軟質化方法。
- さらに、前記酵素処理液は、前記増粘剤として、キサンタンガムを含有する請求項2または3に記載の軟質化方法。
- 前記酵素処理の後、前記動物性素材を加熱することにより、前記酵素を失活させる酵素失活処理を行う請求項1ないし4のいずれかに記載の軟質化方法。
- 動物性素材を、請求項1ないし5のいずれかに記載の軟質化方法により軟質化してなることを特徴とする軟質化動物性食材。
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