JP2007275003A - 肉の解凍方法及び肉の保存方法並びにこれらの解凍方法、保存方法により処理された肉からなる加工食品 - Google Patents

肉の解凍方法及び肉の保存方法並びにこれらの解凍方法、保存方法により処理された肉からなる加工食品 Download PDF

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Abstract

【課題】安価でありながら確実に肉のドリップを抑制することができる肉の解凍方法及び保存方法並びに同方法で処理された肉からなる加工食品を提供する。
【解決手段】肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を添加するドリップ防止工程を行って、同肉を解凍、保存処理することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は肉の解凍方法及び肉の保存方法並びにこれらの解凍方法、保存方法により処理された肉からなる加工食品に関し、特に、肉から流出するドリップの発生を抑えるとともに、肉の鮮度を良好に保つことのできる肉の解凍方法及び保存方法並びにこれらの解凍方法、保存方法により処理された肉からなる加工食品に関する。
従来より、牛や豚等の畜類肉、ニワトリや七面鳥等の鳥肉、魚や貝類や軟体動物等の魚介類肉、これらのすり身肉等(以下、これらを総称して肉という)は、屠殺処理したり捕獲した後に、必要に応じて冷凍処理を施して長期保存可能としている。
これらの肉を冷凍保存する技術は、低温状態とすることにより鮮度低下の進行を緩慢にすることができ、生肉の状態に比して長期間に亘り必要なときに必要な量を使用できるので、肉の保存手段として広く用いられている。
しかしながら、肉を冷凍するために、氷点温度以下に冷却すると、温度が下がるにつれて肉中に微細な氷の結晶(氷結晶)が生成される。そして、この氷結晶が低温で成長することで肉の細胞を破壊する場合があり、このような肉は、解凍した際に、破壊された細胞から水分が流出して、ドリップ(液汁)が生じることとなる。
このドリップには、呈味成分が多く含まれているので、肉本来のうまみ成分を失うこととなり、しかも、ドリップが流出した肉は、水分が失われてぱさつきが生じていた。
また、小売店の店頭などで、肉をトレーに載置して陳列する場合には、見た目の良さを著しく損なうこととなり、消費者の購買意欲の低下を招く場合があった。
しかも、ドリップの流出は、肉を硬くし、重量を減少させるため、肉の取引においてロスとなっていた。
そこで、肉の解凍時に生ずるドリップを抑制すべく、オゾンを含有させた霧を凍結した肉に噴霧しながら解凍する解凍庫が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
この解凍庫によれば、霧に含まれるオゾンが肉の表面に接触することとなるので、ドリップを抑制することができるとともに、肉表面の殺菌や脱臭を行うことができる。
特開平06-327450号公報
しかしながら、オゾンを含有させた霧を噴霧させながら解凍を行う、上記の解凍庫での肉の解凍は、電気を大量に消費するオゾン発生器を稼働させる必要があり、製造コストの上昇を招くおそれがあった。
しかも、オゾンは悪臭を有する気体であることから、解凍後の肉に悪臭が付着し、消費者の食欲を阻害するおそれがあった。
また、オゾンは肉の表面に存在する微生物を殺滅することにより、腐敗による肉の劣化を防止することは可能であるが、肉に含まれる酵素によって進行する劣化、たとえばK値の上昇については抑制することができなかった。
さらに、上記解凍庫では、解凍時にドリップの防止処理を行うことはできても、生肉の状態において予めドリップの防止を行うことはできなかった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、安価でありながら確実に肉のドリップを抑制することができ、しかも、解凍後の肉の鮮度低下を抑制することができる肉の解凍方法を提供する。
また、本発明は、安価で容易に低温保存中や低温保存後(解凍後)のドリップ発生を抑制することができる肉の保存方法も提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係る肉の解凍方法では、予備解凍工程と本解凍工程とからなる肉の解凍方法において、前記予備解凍工程は、凍結した肉の表層のみを解凍する表層解凍工程と、前記表層解凍肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を添加するドリップ防止工程とを有するとともに、前記本解凍工程は、前記ドリップ防止剤が肉の組織中に浸透した後に、本解凍することを特徴とすることとした。
また、以下の点にも特徴を有する。
(1)前記ドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体であること。
(2)前記ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類と、に水を添加した粘稠性を有する過飽和溶液としていること。
(3)前記ドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤のいずれか1種または2種以上の混合物を添加していること。
また、本発明に係る肉の保存方法では、前処理を施した肉を低温で保存する肉の保存方法において、
前記前処理は、肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を肉に添加するドリップ防止工程と、前記ドリップ防止剤を肉に浸透させるドリップ防止剤浸透工程とを有し、前記肉を低温環境下にさらすことを特徴とすることとした。
また、以下の点にも特徴を有する。
(4)肉を低温環境下にさらす前に、前記肉の組織のゲル化を完了させておくこと。
(5)肉を低温環境下にさらしながら、前記肉の組織のゲル化を行うこと。
(6)前記ドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体であること。
(7)前記ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類と、に水を添加した粘稠性を有する過飽和溶液としていること。
(8)前記ドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤のいずれか1種または2種以上の混合物を添加していること。
(9)前記低温での保存は凍結保存であること。
(10)前記低温での保存はチルド保存であること。
また、本発明に係る加工食品では、請求項1〜4いずれか1項に記載の肉の解凍方法により処理された肉からなることとした。
さらに、本発明に係る加工食品では、請求項5〜12いずれか1項に記載の肉の保存方法により処理された肉からなることとした。
請求項1に記載の肉の解凍方法では、予備解凍工程は、凍結した肉の表層のみを解凍する表層解凍工程と、表層解凍肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を添加するドリップ防止工程とを有するとともに、本解凍工程は、ドリップ防止剤が肉の組織中に浸透した後に、本解凍することとしため、肉に含まれる塩溶性タンパク質をゲル化して、肉からのドリップの発生を抑制しながら肉の解凍を行うことができる。
請求項2に記載の肉の解凍方法では、ドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体であることとしているため、肉に速やかにドリップ防止剤を浸透させることができるとともに、肉に余分な水分を与えることなく、肉に含まれる塩溶性タンパク質をゲル化してドリップの発生を抑制することができる。
請求項3に記載の肉の解凍方法では、ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類と、に水を添加した粘稠性を有する過飽和溶液としているため、肉表面におけるドリップ防止剤の分散性を向上することができ、肉にさらに速やかにドリップ防止剤を浸透させることができるとともに、肉にできるだけ余分な水分を与えることなく、肉に含まれる塩溶性タンパク質をゲル化してドリップの発生を抑制することができる。
請求項4に記載の肉の解凍方法では、ドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤のいずれか1種または2種以上の混合物を添加していることとしたため、ドリップ防止剤の浸透とともに肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤を速やかに肉に浸透させることができ、肉にこれらの添加剤の効果を速やかに付与することができる。
請求項5に記載の肉の保存方法では、前処理は、肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を肉に添加するドリップ防止工程と、ドリップ防止剤を肉に浸透させるドリップ防止剤浸透工程とを有し、肉を低温環境下にさらすこととしたため、低温保存を行う前に、予めドリップの発生を抑制することができる。
請求項6に記載の肉の保存方法では、肉を低温環境下にさらす前に、肉の組織のゲル化を完了させておくこととしたため、低温保存を行う前に、肉のタンパク質をゲル化して水分を閉じこめて豊潤化し、予めドリップの発生を抑制することができる。
請求項7に記載の肉の保存方法では、肉を低温環境下にさらしながら、肉の組織のゲル化を行うこととしたたため、たとえば低温輸送中や店頭の冷蔵ケース等で、肉のタンパク質をゲル化して水分を閉じこめて豊潤化し、ドリップの発生を抑制することができる。
請求項8に記載の肉の保存方法では、ドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体であることとしているため、肉に速やかにドリップ防止剤を浸透させることができるとともに、肉に余分な水分を与えることなく、肉に含まれる塩溶性タンパク質をゲル化してドリップの発生を抑制することができる。
請求項9に記載の肉の保存方法では、ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類と、に水を添加した粘稠性を有する過飽和溶液としているため、肉表面におけるドリップ防止剤の分散性を向上することができ、肉にさらに速やかにドリップ防止剤を浸透させることができるとともに、肉にできるだけ余分な水分を与えることなく、肉に含まれる塩溶性タンパク質をゲル化してドリップの発生を抑制することができる。
請求項10に記載の肉の保存方法では、ドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤のいずれか1種または2種以上の混合物を添加したため、ドリップ防止剤の浸透とともに肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤を速やかに肉に浸透させることができ、肉にこれらの添加剤の効果を速やかに付与することができる。
請求項11に記載の肉の保存方法では、低温での保存は凍結保存であることとしたため、肉を凍結しても、解凍時にドリップの発生を抑制することができる。
請求項12に記載の肉の保存方法では、低温での保存はチルド保存であることとしたため、肉を氷結しない低温環境下で保存した場合であっても、肉のドリップ発生を抑制することができる。
請求項13に記載の加工食品では、請求項1〜4いずれか1項に記載の肉の解凍方法により処理された肉からなることとしたため、ドリップ成分を保持した豊潤な肉を原料とすることができるので、美味しい加工食品とすることができる。
請求項14に記載の加工食品では、請求項5〜12いずれか1項に記載の肉の保存方法により処理された肉からなることとしたため、ドリップ成分を保持した豊潤な肉を原料とすることができるので、美味しい加工食品とすることができる。
魚介・畜類原料の肉質、特に肉の硬さは、捕獲地や生息地の水深や環境によって違いがあり、それらを高品質化し食べやすくするためには、肉中の水分量をコントロールすることが重要である。したがって、本発明によれば、粉末添加、過飽和溶液(スラリー状)、定量溶液(溶液法)、粉末注入法の中から加工法を適宜選択して、肉を目的の硬さに調整することができる。
本発明に係る肉の解凍方法では、肉の表面近傍のみを解凍し、この解凍した肉の表面に処理を施す予備解凍工程と、表面に処理を施した肉をさらに解凍する本解凍工程とからなる肉の解凍方法において、予備解凍工程は、凍結した肉を所定温度状態下に静置して、肉の表層のみを解凍する表層解凍工程と、表層解凍工程で得た表層解凍肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を添加するドリップ防止工程とを有するとともに、前記本解凍工程は、前記ドリップ防止剤が肉中の自由水に次々に反応し組織中に浸透した後に、本解凍することを特徴ととしている。
すなわち、本発明では、本解凍を行う前に、肉の表面のみを解凍し、この表面部分にドリップ防止剤を浸透させて、肉の表面近傍に存在するミオシンやアクチン等の塩溶性タンパク質をあらかじめゲル化するようにしている。
換言すれば、予備解凍工程により、肉の表層部には、塩溶性タンパク質が変性して生じた、保水性に富むゲル化層が形成されることとなり、ドリップが肉の外へ流出するのを防止するようにしている。
併せて、本解凍時には、肉の解凍が進むにつれて、肉の表面に浸透したドリップ防止剤が、肉の深部へさらに拡散して、肉全体のゲル化を進行させるので、ドリップの発生を抑制するのは勿論のこと、肉を軟らかくして、テクスチャーの改善を図ることができ、肉の食感を生かしながら高品質化を行うことができる。
また、本発明に係る肉の保存方法では、前処理を施した肉を低温で保存する肉の保存方法において、前処理は、肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を肉に添加するドリップ防止工程と、前記ドリップ防止剤を肉に浸透させるドリップ防止剤浸透工程とを有するとともに、前記低温での保存は、前記ドリップ防止剤で肉の組織をゲル化しながら、または、前記ドリップ防止剤で肉の組織をゲル化した後に、肉を低温環境下にさらすこととしているので、ドリップの発生を予め防止しておくことができ、たとえば、冷凍肉を家庭や小売店等で肉を解凍する際に、ドリップを防止するために別途処理を施す必要がなくなって、作業の手間を飛躍的に省くことが可能となる。なお、ここで低温での保存とは、常温よりも低い温度に肉をさらすことをいい、たとえば、冷蔵温度帯、チルド温度帯、パーシャル温度帯、冷凍温度帯などの温度帯に肉をさらすことをいう。
本発明に係る肉の解凍方法及び肉の保存方法で使用するドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体としている。
したがって、肉に添加した粉末状のドリップ防止剤は、肉が有する水分で肉に浸透することとなるので、肉に余分な水分を与えることなく、ドリップの発生を抑制することができる。
また、粉末状のドリップ防止剤は、肉の表面に高濃度で作用して、肉のゲル化を速やかに行うことができるとともに、肉の表面に存在する微生物等の繁殖も抑制することができる。
しかも、ドリップ防止剤の平均粒径を30〜200メッシュとしている。この粒径は、30メッシュよりも大きくなると、ドリップ防止剤1粒あたりの表面積が拡大し、単位重量(たとえば1kg)あたりのドリップ防止剤の表面積が減少することとなるので、溶解に時間がかかり、肉に対して速やかに浸透させることが困難となる。また、200メッシュ以上としても、肉に対する浸透の度合いはあまり向上せず、むしろ、吸湿性が高くなるので、ドリップ防止剤の取扱い易さや保存性を低下させることとなり好ましくない。なお、平均粒径が30〜200メッシュであることは、必ずしもすべての粒が30〜200メッシュの範囲内であることを限定するものではなく、ドリップ防止剤の加工上、この範囲を逸脱する粒子が多少存在していても、ドリップ防止剤の粒度分布が、ほぼ30〜200メッシュの範囲内であれば、肉に対して効果的に作用させることができる。
また、ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類とに少量の水を添加した、みぞれ状の粘稠性を有する、固液混合体の過飽和溶液としても良い。
少量の水を添加したことにより、ドリップ防止剤の分散性を高めることができるので、肉全体に速やかにドリップ防止剤を浸透させることができる。
また、ドリップ防止剤を過飽和溶液としているので、水の凝固点が降下することとなり、水分を含むドリップ防止剤が肉表面で氷結するおそれがなく、肉を取り扱う低温室やタンブラーの温度条件下でも、ドリップ防止剤の分散性を維持することができる。
これらのドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤の少なくともいずれか1種または2種以上を添加しても良い。
ここで、肉質軟化剤としては、たとえば、パパイン、エンドプロテアーゼ(endo-protease)、エキソプロテアーゼ(exo-protease)等の各種酵素や、オキアミなどに含まれる酵素をペーストやエキスの状態として用いることができる。たとえば、肉質軟化剤としてタンパク質分解酵素を用いた場合は、このタンパク質分解酵素が、解凍後にドリップ防止剤の塩類やアルカリ類とともに肉の深部まで浸透し、そこでタンパク質分解酵素活性を生起することとなる。したがって、肉の表面近傍に加えて深部でも、呈味成分のひとつであるアミノ酸やペプチドをタンパク質から遊離させることができるので、よりおいしい肉を提供することができる。
また、結着剤としては、たとえば、トランスグルタミナーゼ(TGase)に代表される肉や脂肪の結着が可能な酵素や、焼成カルシウム製剤等を用いることができる。
また、調味料としては、たとえば、グルタミン酸塩やイノシン酸塩等のうま味調味料や、クエン酸、酢酸等の有機酸である酸味料、昆布、鰹、いりこ等の天然系調味料、発酵調味料、抽出エキス、酒類、糖類など一般に調味目的で使用される調味料を用いることができる。
また、香辛料としては、たとえば、コショウ、唐辛子、ハーブ類等、一般に着香や、味にアクセントを付ける目的で使用される香辛料を用いることができる。
また、植物性粉末としては、たとえば、デキストリン、大豆タンパク、小麦粉等の植物由来の糖類やタンパク質を用いることができる。
また、機能製剤としては、たとえば、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)等の高度不飽和脂肪酸、キチンやキトサン、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、フコイダン等の多糖類、カルシウム、マグネシウム等のミネラル、アスタキサンチンやアスコルビン酸等のビタミン及びその誘導体に代表される各種栄養素、エラスチンやコラーゲン等の美容を目的としたタンパク質類、ヒアルロン酸やコンドロイチン等のムコ多糖類、カテキン、メチル化カテキン、リスベラトロール等のポリフェノール類、体内への脂肪の吸収を抑制するカプシエイト(Capsiate)や睡眠誘導効果のあるグリシン(glycine)等の生理活性物質を用いることができる。
なお、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤の中で、酵素の活性を利用するものに関しては、肉にドリップ防止剤を添加した際に、酵素が活性を有している状態を維持できるものであることが望ましい。
そして、このドリップ防止剤をドリップ防止工程において、表層解凍肉100重量部に対して、0.2〜5重量部の塩類と、0.1〜6重量部のアルカリ類とが添加されるようにする。
これにより、ドリップ防止剤は、肉の表面に高濃度で作用して塩溶性タンパク質を溶解し、ゲル化することでドリップの流出を抑制することができる。
また、上記濃度による添加を行うことで、ドリップ防止剤は、速やかに自由水に反応し肉中に分散する。
特に、ドリップ防止剤に酵素等を添加している場合は、ドリップ防止剤に含まれる塩類やアルカリ類の速やかな浸透に伴って、酵素等が肉中の深部へ浸透して機能することとなる。これは、その他の肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤についても同様であり、例えば、味付けを目的とする場合には、肉の深部へ調味料等を速やかに浸透させることが可能である。
それゆえ、肉の硬さを自在に加工することができ、軟らかいがパサつく肉をソフトにゲル化し、保水性に優れた弾力のある肉にすることができる。
また、ドリップに含まれる低分子旨味成分や栄養成分を流出することなく、極めて高い栄養価を有する肉とすることができる。
さらに、焼き縮まず冷めても硬くならず、調理後はふっくらと仕上がることとなり、テクスチャーや風味に優れた肉とすることができる。
このようにして改質した肉は、調理後冷めても水分を多く保持しているので硬い肉になりにくく、食欲を増進させることができ、ひいては食べ残しを防止して食材を有効利用することができる。
また、本発明に係る肉の解凍方法や肉の保存方法で処理した肉は、ドリップが生じないので、微生物汚染等を防止することができ、しかも、歩留まりを高くすることができるので、流通適性に優れた肉といえる。
特に、流通用に加工したねり状肉を初めミンチ肉、細切り肉、スライス肉、ポーション、ブロック又はフィレ、刺身、焼魚、焼肉、つくね、薫製、干物、煮物、煮魚、ハンバーグ、ステーキ、揚物、缶詰、ハム、ソーセージ、ジャーキー、レトルト等その他各種加工食品に適した肉である。
ところで、老齢の動物の肉は、若年の動物の肉に比して、肉中に含まれるコラーゲン同士の結びつきが増えているので、肉が固くなることが知られている。
このコラーゲンもまた、塩溶性タンパク質の一つであるので、ドリップ防止剤を添加することによりコラーゲンを溶けやすくすることができ、肉質を柔らかくすることができるという効果もある。特に、近年では柔らかい肉が消費者に好まれる傾向があるので、本発明に係る肉の解凍方法や保存方法を適用した肉は、上述のような付加価値を付与することができる。
特に、肉質が柔らかくなると、ドリップ防止剤に含まれる各種成分が細胞レベルまで均等に分散するので、冷凍変性の防止や修復復元など肉を高品質にすることができる。
すなわち、本発明に係る解凍方法では、半解凍状態とした肉の表面で高濃度にドリップ防止剤を作用させ、解凍するにしたがって、肉全体にドリップ防止剤を拡散させて肉にドリップ防止剤の各種成分を均等に分散させることができ、加工肉製品に対して低塩で微生物の繁殖抑制や、鮮度保持、味付けや機能性付与を行うことができるようにしている。
しかも、本発明に係る保存方法によれば、低温処理を施す前に、上述した効果を肉にあらかじめ付与しておくことができる。
また、高濃度の塩及びアルカリが、もともと肉中に含まれている酵素の活性を阻害する効果があるので、自己消化等による肉の劣化を抑えることができる。
したがって、本発明に係る加工食品では、優れた肉質を有する肉を含むこととなり、官能面のみならず、食感においても優れた加工食品とすることができる。
なお、このようにして解凍した肉は、人が食べるための肉としても良く、魚や動物の飼料用の肉としても良い。
併せて、本解凍方法で解凍した肉は、再凍結させて、流通や保存に供しても良い。一般に肉は、冷凍保管中に酸化、冷凍焼け、たん白質の変性、水分の蒸発を防ぐ為に、肉の表面にグレースという薄い氷の膜を張らせることが行われるが、本発明に係る肉の解凍方法で処理した肉は、肉組織が緻密になり、溶解物(塩溶性タンパク質)が肉にグレース効果の役割を担うので、再冷凍した場合であっても、保管中の乾燥の防止効果や旨み保持を良好に保つことができる。
また、未凍結の肉に対して、本発明に係る肉の保存方法を適用し、熟成工程を経た後に低温処理を行っても、本発明に係る肉の解凍方法と同様の効果を享受することができる。
すなわち、低温処理を凍結処理とした場合、肉の凍結処理前に本発明に係る保存方法を適用することにより、解凍時のドリップを予め防止しておくことができ、たとえば、家庭や小売店等で肉を解凍する際に、ドリップを防止するために別途処理を施す必要がなくなって、作業の手間を飛躍的に省くことが可能となる。
次に、図1を用いて、本発明に係る各工程について詳説する。
図1は、本発明に係る肉の解凍方法の各工程を示したフローである。肉の解凍は、ステップS1及びステップS2よりなる予備解凍工程と、ステップS3の熟成工程と、ステップS4の本解凍工程で構成されている。
まず、予備解凍工程では、冷凍された肉の表面のみを解凍し、表層解凍肉を調製する表層解凍工程を行う(ステップS1)。
表層解凍工程では、たとえば、冷凍保管されていた肉を、冷蔵庫やチルド保管庫など、肉の表面が解凍される程度の温度状態に静置することで、表層解凍肉を得ることができる。
次に、表層解凍肉にドリップ防止剤を添加するドリップ防止工程を行う(ステップS2)。
本ステップでは、表層解凍肉に、粉末状、みぞれ(スラリー)状、液状等としたドリップ防止剤を添加する。
添加の方法は、適宜選択することができ、例えば、ドリップ防止剤を肉の上から振りかけるふりかけ法、ドリップ防止剤を少量ずつ振りかけながら混ぜ合わせる混和法、ドリップ防止剤に漬け込むマリネ法、肉にドリップ防止剤を吹き付ける噴霧法、肉にドリップ防止剤を接触させた状態で肉の周囲の圧力を上げて浸透を促進する圧力注入法、中空状の針を肉に差し込んでドリップ防止剤を注入するインジェクション法、粉末状のドリップ防止剤をそのままに肉に注入する粉末注入法、スラリー状のドリップ防止剤をそのままに肉に注入するスラリー注入法等とすることができる。
また、大量の肉を処理する場合は、タンブラーによってドリップ防止剤を上述の各添加法に従って添加しても良い。
ここで、タンブラーは静止状態であっても良いが、タンブラーを稼働させながらドリップ防止剤を添加するのが好ましい。タンブラーを稼働させながら、肉にドリップ防止剤を接触させることで、ドリップ防止剤の各種成分が効率よく肉に行き渡ることとなる。
ドリップ防止工程における処理時間は、表層解凍肉の量や添加するドリップ防止剤の量に応じて適宜変更することが可能であるが、通常2〜5分程度の時間をかけながら本工程を行うことが望ましい。すなわち、肉に添加するべきドリップ防止剤の全量をいっぺんにタンブラーへ投入すると、ドリップ防止剤の分散性が悪くなり、肉の表面にドリップ防止剤の偏りが生じるおそれがある。また、処理時間を長くしても、分散性に著しい向上がみられないので、製造効率を低下させるおそれがある。
また、タンブリングは常圧下で行ってもよく、加圧下や減圧下で行っても良い。たとえば、タンブラー内部を減圧しながら、表層解凍肉のタンブリングを行うことで、肉を混和しながらドリップ防止剤を添加することができるとともに、肉に対してドリップ防止剤を吹き付ける効果も生起させることができる。
また、加圧下で行うことにより、後述する熟成工程と同様の効果を生起させることができる。
次に、表層解凍肉に添加したドリップ防止剤を浸透させる熟成工程を行う(ステップS3)。
本工程を行うことで、表面に付着したドリップ防止剤が、肉の表層部に浸透し、肉中に含まれる塩溶性タンパク質を効率よくゲル化することができる。
ここで、大量の肉を処理する場合には、タンブラーで熟成を行っても良い。このタンブラー内での熟成は常圧下で行ってもよく、加圧下や減圧下で行うこともできる。例えば、タンブラー内部を減圧しながら、表層解凍肉のタンブリングを行うことで、さらに効率よくドリップ防止剤の各種成分を肉に浸透させることができる。
タンブラー内における熟成工程の処理時間は、表層解凍肉の量や添加するドリップ防止剤の量に応じて適宜変更することが可能であるが、通常10分間〜20時間程度の時間をかけながら本工程を行うことが望ましい。すなわち、処理時間が短いと、ドリップ防止剤の拡散が肉の深部に至るまで十分に行われず、肉の表面にドリップ防止剤の偏りが生じるおそれがある。また、処理時間を長くしても、ドリップ防止剤の拡散に著しい向上がみられないので、製造効率を低下させるおそれがある。
そして、予備解凍工程を経た表層解凍肉を解凍すべく、本解凍工程を行う(ステップS4)。本工程での表層解凍肉の解凍は、一般に肉の解凍で用いられている方法を適用することができ、たとえば、冷蔵庫やチルド保管庫に静置する方法や、常温下に静置する方法を用いることができる。
以下、本発明に係る肉の解凍方法について、実施例を示す。
本実施例1では、冷凍した鮭のフィレを試験試料として、粉状のドリップ防止剤、液状のドリップ防止剤、ドリップ防止剤無添加の3つのそれぞれで処理したサンプルを調製することにより、本発明に係る肉の解凍方法の検証をおこなった。
まず冷凍した鮭のフィレを、常温に15分間〜2時間程度静置して、表層部分が少しゆるむ程度に解凍して半解凍状態とし、表層解凍工程を行った。
次に、半解凍状態の鮭のフィレに、粉状のドリップ防止剤または液状のドリップ防止剤を添加し、ドリップ防止工程を行った。ただし、ドリップ防止剤無添加のサンプルについては、ドリップ防止工程を行わないこととした。
本実施例1で用いたドリップ防止剤の組成は次に記す通りである。
粉末ドリップ防止剤:塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸ナトリウム、酵素製剤、造粒剤、香辛料、キサンタンガム
液状ドリップ防止剤:粉末ドリップ防止剤1重量部に、7重量部の水を添加して溶解
そして、粉末ドリップ防止剤は、肉100gあたり4g(4%)の割合で肉の両面に串刺法により添加し、また、液状ドリップ防止剤は、肉100gあたり28g(28%)の割合で串刺法により添加して浸透させた。
また、本解凍工程は、3〜20時間冷蔵熟成した後に行い、鮭のフィレの氷結部分を完全に解凍し、さらに、温風乾燥処理を行った。
このようにして調製した各サンプルを、3日間冷蔵した後に、5点満点の官能評価を5人のパネラーで行った。
その結果、粉末ドリップ防止剤を用いた鮭は平均4.6点であったのに対し、液体ドリップ防止剤を用いた鮭は平均4.1点、無処理の鮭は平均2.7点となり、粉末ドリップ防止剤の顕著な効果が示された。
本実施例2では、冷凍したマダラ(真鱈)を試験試料として、粉状のドリップ防止剤、液状のドリップ防止剤、ドリップ防止剤無添加の3つのそれぞれで処理したサンプルを調製することにより、本発明に係る肉の解凍方法の検証をおこなった。
まず、冷凍したマダラを、常温に15分間〜2時間程度静置して、表層解凍工程を行い、表面を半解凍状態とした。
次に、半解凍状態のマダラに、粉状のドリップ防止剤または液状のドリップ防止剤を添加し、ドリップ防止工程を行った。ただし、ドリップ防止剤無添加のサンプルについては、ドリップ防止工程を行わないこととした。
ドリップ防止剤の組成は次に記す通りである。
粉末ドリップ防止剤:食塩、重曹、ソルビット、グルタミン酸ナトリウム、酵素製剤を混合
液状ドリップ防止剤:粉末ドリップ防止剤1重量部に、5重量部の水を添加して溶解
そして、粉末ドリップ防止剤は、肉100gあたり2g(2%)の割合で肉の両面に均一にふりかけて添加し、また、液状ドリップ防止剤は、肉100gあたり10g(10%)の割合で肉の両面に添加してなじませた。
また、本解凍工程は、3〜20時間冷蔵熟成した後に行い、マダラの氷結部分を完全に解凍した。
このようにして調製した各サンプルを、最大11日間冷蔵保存し、ドリップ発生量、一般細菌数、製品歩留、官能評価について試験をおこなった。以下に、試験結果を示す。
Figure 2007275003
表1に示す結果からもわかるように、ドリップ防止剤処理したサンプルは、無処理のサンプルに対して、11日経過後の重量減少率が顕著に少ないことが示された。
しかも、無処理のサンプルからは、大量のドリップが流出して、重量が大幅に減少しているのに対し、ドリップ防止剤処理したサンプルからはドリップの流出がほとんど確認されなかった点も、注目すべきである。
次に、11日経過した各サンプルを、170℃に熱したホットプレート上で4分間加熱調理して、10名のパネリストにより、5点満点で官能評価を行った。以下に、官能評価の結果を示す。
Figure 2007275003
表2に示す結果からもわかるように、ドリップ防止剤処理したサンプルは、無処理のサンプルに対して、色、風味、弾力、旨さの全てにおいて優れた結果となった。
また、粉状ドリップ防止剤処理サンプルと、液状ドリップ防止剤処理サンプルとの比較では、色、風味ともに同等であったが、粉状ドリップ防止剤処理サンプルの肉の弾力性がより優れていた。
さらに、生菌数の経時変化を以下に示す。
Figure 2007275003
表3は、縦軸が生菌数(対数)、横軸が経過日数を示している。この表3からもわかるように、ドリップ防止剤で処理していない無処理サンプルは、ドリップ防止剤を添加したサンプルに比して、5日目経過後から急激に一般生菌が増殖していることがわかる。
一方、ドリップ防止剤で処理したサンプルは、日数が経過するに従って一般生菌数が減少しており、本発明に係る肉の解凍方法で処理した肉は、微生物の増殖を抑制する効果があることがわかる。
しかも、粉状ドリップ防止剤で処理したサンプルと、液状ドリップ防止剤で処理したサンプルとを比較すると、粉状ドリップ防止剤で処理したサンプルの方が、より微生物の増殖を抑制する効果が高いことが示唆された。
次に、本実施例3では、冷凍した牛肉(ヒレ)を試験試料として、粉状のドリップ防止剤、液状のドリップ防止剤、ドリップ防止剤無添加のそれぞれで処理した3つのサンプルを調製することにより、本発明に係る肉の解凍方法の検証をおこなった。
実施例2で行ったのと同様に操作を行って調製した各サンプルを、最大11日間冷蔵保存し、ドリップ発生量、製品歩留、官能評価について試験をおこなった。以下に、試験結果を示す。
Figure 2007275003
表4に示す結果からもわかるように、ドリップ防止剤処理したサンプルは、無処理のサンプルに対して、11日経過後の重量減少率が顕著に少ないことが示された。
しかも、無処理のサンプルからは、大量のドリップが流出して、重量が大幅に減少しているのに対し、ドリップ防止剤処理したサンプルからはドリップの流出がほとんど確認されなかった。
次に、11日経過した各サンプルを、170℃に熱したホットプレート上で4分間加熱調理して、10名のパネリストにより、5点満点で官能評価を行った。以下に、官能評価の結果を示す。
Figure 2007275003
表5に示す結果からもわかるように、ドリップ防止剤処理したサンプルは、無処理のサンプルに対して、色、風味、弾力、旨さの全てにおいて優れた結果となった。
また、粉状ドリップ防止剤処理サンプルと、液状ドリップ防止剤処理サンプルとの比較では、色、風味ともに同等であったが、粉状ドリップ防止剤処理サンプルの肉の弾力及び旨さがより優れていた。
次に、本実施例4では、冷凍したマグロ(スライス品)を試験試料として、粉状のドリップ防止剤、液状のドリップ防止剤、ドリップ防止剤無添加のそれぞれで処理した3つのサンプルを調製し、K値(K value)の経時変化について検証をおこなった。また、併せて、肉の弾力を測定すべく、レオメーターによる破断強度測定をおこなった。
ここでK値とは、魚肉の鮮度を評価するために一般に用いられている鮮度指標のことであって、魚肉中のヌクレオチドの分解生成物量を測定することにより鮮度判定を行うことができるものである。すなわち、K値は次に示す式により、算出することができる。
Figure 2007275003
数1中のHxRはイノシン、Hxはヒポキサンチンを示している。
試験サンプルは、粉状ドリップ防止剤処理サンプル、液状ドリップ防止剤処理サンプル、無処理サンプルの3種を実施例2及び実施例3と同様に、それぞれ調製した。調製したサンプルを、氷温温度下で保存して、1、2、3、4、6日経過後に測定したK値の経時変化を以下に示す。
Figure 2007275003
表6からもわかるように、ドリップ防止剤処理したサンプルは、無処理のサンプルに比してK値の上昇が顕著に抑制された。また、粉状ドリップ防止剤処理したサンプルは、液状ドリップ防止剤処理したサンプルに比して、さらにK値の上昇が抑制されることが示唆された。
これは、本発明に係る肉の解凍方法により、肉にドリップ防止剤が十分に浸透し、肉中の酵素活性を阻害してK値の上昇を抑えているものと考えられる。
ここまで述べてきたように、実施例1〜4は、凍結処理した肉の解凍時にドリップ防止剤を添加し、所定の処理を施すことで、肉の解凍時に生じるドリップを抑制することができるが、凍結処理やチルド処理等の低温処理前に、肉にドリップ防止剤を浸透させ、その後肉を低温処理することにより、保存中や保存後の肉から生ずるドリップを抑制するようにしても良い。
すなわち、前処理を施した肉を低温処理する肉の保存方法において、前記前処理は、肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種以上からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種以上からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を肉に添加するドリップ防止工程と、前記ドリップ防止剤を肉に浸透させるドリップ防止剤浸透工程とを有するとともに、前記低温処理は、前記ドリップ防止剤で肉の組織をゲル化しながら、または、前記ドリップ防止剤で肉の組織をゲル化した後に、肉を低温環境下にさらすことにより、この肉の解凍時に生ずるドリップを抑制することができる。
この本発明に係る保存方法は、どのような肉であっても応用可能であり、例えば、水揚げしたままの魚介類や、水揚げ後大きさを揃える等の加工を施した魚介類や、屠畜後に部位別に仕分けされた後に、大きさを揃える等の加工を施した畜肉類を用いることができる。
以下、本実施例5では、低温処理を凍結処理とした例について述べる。
まず、前処理では、図2に示すように、まずドリップ防止工程をおこなって、肉にドリップ防止剤を接触させる(ステップS21)。
ここで、肉へドリップ防止剤を接触させる手段としては、肉の用途によって適宜選択することができ、たとえば家庭用や小口向けの加工処理の場合は、直接ふりかけ法、手作業混和法、マリネ法等でおこなうことができる。また、量産する場合には肉をタンブラーに収納し、このタンブラー内にドリップ防止剤を吹き込むことでドリップ防止工程を行うことができる。
また、肉が魚肉である場合には、鱗を除去した後に本工程を行うことで、後述するドリップ防止剤浸透工程で、ドリップ防止剤の肉への浸透をさらに効率よく行うことができる。
次に、ドリップ防止工程を経た肉に、ドリップ防止剤を浸透させるドリップ防止剤浸透工程を行う(ステップS22)。このドリップ防止剤浸透工程においても、肉へドリップ防止剤を浸透させる手段は、肉の用途によって適宜選択することができ、例えば家庭用や小口向けの加工処理の場合は、ポリ袋やボール・トレーに入れて肉表面をマッサージしながらなじませることにより、少量の肉へドリップ防止剤を効率よく浸透させることができる。また、量産する場合には、タンブラー内でドリップ防止剤に接触させた肉をタンブリングすることにより、大量の肉へドリップ防止剤を効率よく浸透させることができる。
なお、タンブラーでドリップ防止剤を浸透させる場合には、タンブラー内部を減圧することにより、さらにドリップ防止剤の浸透効率を向上させることができる。
次に、ドリップ防止剤を浸透させた肉を静置して、肉中のドリップ防止剤の安定化を促進する熟成工程を行う(ステップS23)。
この熟成工程では、10℃以下であって、肉が氷結しない温度で行うのが好ましい。このような温度条件下に静置した肉は、ミオシンやアクチン等の塩溶性タンパク質がゲルを形成して、解凍時のドリップ発生が抑制される。
そして、熟成工程を経た肉を、低温処理する低温処理工程を行う(ステップS24)。
この低温処理工程での温度は、常温よりも低い温度であれば良く、たとえば冷蔵温度帯、チルド温度帯などの温度帯を目的に応じて適宜選択することができる。
これらの温度帯は、肉を低温庫等で静置する保管状態であっても良く、トラックの低温コンテナなどの輸送状態であっても良いことはいうまでもない。
本実施例5では、低温処理は氷結しない場合を例としているが、本発明に係る肉の保存方法によれば、肉を氷結せずに保存した場合であっても、ドリップを確実に防止することができ、保存終了後もドリップ流出による重量の損失や、微生物汚染等を防ぐことができる。
しかも、このように処理した肉は、低温保存後、凍結に供するようにしても良い。
本実施例6では、鶏の胸肉を試験試料として、粉状のドリップ防止剤、液状のドリップ防止剤、ドリップ防止剤無添加の3つのそれぞれで処理したサンプルを調製することにより、本発明に係る肉の保存方法の検証をおこなった。なお、本実施例6で行う低温処理は冷凍することとした。
まず鶏の胸肉に、粉状のドリップ防止剤または液状のドリップ防止剤を添加し、ドリップ防止工程を行った。ただし、ドリップ防止剤無添加のサンプルについては、ドリップ防止工程を行わないこととした。
本実施例6で用いたドリップ防止剤の組成は次に記す通りである。
粉末ドリップ防止剤:塩化マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、グルタミン酸ナトリウム、酵素製剤、造粒剤、香辛料、キサンタンガム
液状ドリップ防止剤:粉末ドリップ防止剤1重量部に、7重量部の水を添加して溶解
そして、粉末ドリップ防止剤は、肉100gあたり4g(4%)の割合で肉の両面に串刺法により添加し、また、液状ドリップ防止剤は、肉100gあたり28g(28%)の割合で串刺法により添加した。
次いで、ドリップ防止剤を添加した肉及び無処理の肉の表面を手でマッサージし、ドリップ防止剤浸透工程を行った。なお、本実施例6では手でマッサージすることによりドリップ防止剤浸透工程を行っているが、これに限定されるものではなく、タンブラーや振動発生装置によりドリップ防止剤浸透工程を行っても良い。
そして、熟成工程は、3〜40時間冷蔵することにより行い、温風処理を30分間行った。
このようにして調製した各サンプルを、3日間冷凍した後に、5点満点の官能評価を5人のパネラーで行った。
その結果、粉末ドリップ防止剤を用いた鶏胸肉は平均4.4点であったのに対し、液体ドリップ防止剤を用いた鶏胸肉は平均3.5点、無処理の鶏胸肉は平均3.0点となり、粉末ドリップ防止剤の顕著な効果が示された。
次に、本実施例7では、本発明に係る肉の保存方法において、低温処理をチルド処理とした場合について以下に述べる。
すなわち、牛や豚等の畜類肉、ニワトリや七面鳥等の鳥肉、魚や貝類や軟体動物等の魚介類肉、これらのすり身肉等は、屠殺処理したり捕獲した後に、適宜加工を施して精肉や鮮魚として輸送され、小売店や飲食店などに至ることとなる。
しかしながら、時間の経過とともに、これらの肉からは、ドリップが流出することとなる。このドリップの流出は、肉の見た目を悪くするだけでなく、水分とともに呈味成分や栄養分をも流出することとなるので、肉の食感や味を悪くしたり、肉の栄養価を低下させる原因となっていた。
そこで、肉に塩溶液及びアルカリ溶液を添加することにより、肉からドリップが流出するのを防止する技術が、本発明者らにより特開2000−125760号公報に開示されている。
しかし、肉に塩溶液及びアルカリ溶液を添加する上記公報に記載の技術では、余分な水分も肉に添加することとなるので、若干のドリップが生じるおそれがあった。
また、ドリップ防止剤が液状であることから、肉の加工工程におけるハンドリングも良好であるとは言い難いものであった。
そこで、肉に、本発明に係る保存方法を適用することにより、チルド保存中の肉であっても、ドリップの発生を確実に抑制することができ、また、ドリップ防止剤を粉状またはスラリー状とすることにより、分散性を向上させながらも、肉の加工工程でのハンドリングを良好とし、製造効率を向上させることができる。
具体的には、実施例5で図2を用いて説明したフローにしたがって作業を行うのであるが、最後のステップS24に記載の低温処理をチルド処理として作業を行う。それゆえ、ここではドリップ防止工程(ステップS21)〜熟成工程(ステップS23)までの説明は省略する。
熟成工程(ステップS23)を経た肉は、低温環境下に接触させて肉の温度をチルド温度帯、すなわち、約5℃以下であって肉が氷結しない温度に保存する。
このような温度帯では、一般的に肉は時間が経過するにつれてドリップの発生が見られるが、本発明に係る肉の保存方法で保存することにより、ドリップの発生を確実に抑制することができる。
以下に、本発明に係る肉の保存方法を行った例を示す。
本実施例7では、冷凍したアジ(フィレ)を試験試料として、粉状の製剤を添加したサンプル、製剤無添加サンプルを調製することにより、K値の経時変化及び破断強度の測定をおこなった。
各サンプルは、実施例5で行ったのと同様に操作を行って調製した。ただし、冷凍は行わないこととした。
このように調製したサンプルを、冷蔵下で2時間熟成し、刺身にして試食し官能試験をおこなった。以下に、官能試験結果を示す。
Figure 2007275003
表7からもわかるように、官能試験の結果、粉状製剤で処理したアジは、無処理のサンプルに比して色、風味、弾力、旨さのいずれにおいても、良好な結果が得られることが示された。
また、レオメーターを用いて測定した破断強度のデータを以下に示す。なお、本測定では、肉厚のことなる4点を測定点として試験を行った。
Figure 2007275003
表8からもわかるように、粉状状のドリップ防止剤で処理した肉は、無処理の肉に比して、部位にかかわらず弾力があることが示された。
ところで、冷凍保存中の肉は、表面が乾燥することでタンパク質や脂質が変質し、いわゆる冷凍焼けの状態を起こす場合がある。この冷凍焼けを起こした肉は、食材の成分が変質したり、食味が悪く衛生的ではないため、冷凍焼けを防止すべく、肉の表面にグレースと呼ばれる薄い氷の膜を形成して、冷凍保存中の水分の蒸発を防ぐようにしている。
一方、本発明に係る凍結方法では、特にグレースを形成する処理を施さずとも、肉の表面近傍に、塩溶性タンパク質のゲルが形成されるので肉組織が緻密になり、このゲルが前記グレースと同様の効果を生起して、冷凍焼けの発生を防止でき、同時に、肉中に旨みを保持することができる。
このように、本発明に係る肉の保存方法で処理し、冷凍保管した肉は、品質を安定化した各種加工用原料として使用できるのは勿論のこと、必要により冷凍食品販売用に加工することができる。したがって、冷凍肉を解凍しながら、この肉の冷チルド販売が可能になる。
上述してきたように、本発明に係る肉の解凍方法によれば、効果的に解凍時のドリップの発生を抑制することができ、しかも、調味料や香辛料などさまざまな添加物と混ぜ合わせて使用することが可能であるため、家庭用の調味製剤として利用すると各種食材料を簡単且つ短時間に処理でき、非常に有用である。
本発明に係る肉の解凍方法の手順を示したフローである。 本発明に係る肉の保存方法の手順を示したフローである。

Claims (14)

  1. 予備解凍工程と本解凍工程とからなる肉の解凍方法において、
    前記予備解凍工程は、
    凍結した肉の表層のみを解凍する表層解凍工程と、
    前記表層解凍肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を添加するドリップ防止工程とを有するとともに、
    前記本解凍工程は、前記ドリップ防止剤が肉の組織中に浸透した後に、本解凍することを特徴とする肉の解凍方法。
  2. 前記ドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体であることを特徴とする請求項1に記載の肉の解凍方法。
  3. 前記ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類と、に水を添加した粘稠性を有する過飽和溶液としていることを特徴とする請求項1に記載の肉の解凍方法。
  4. 前記ドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤のいずれか1種または2種以上の混合物を添加していることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の肉の解凍方法。
  5. 前処理を施した肉を低温で保存する肉の保存方法において、
    前記前処理は、肉100重量部に対して、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.2〜5重量部の塩類と、NaHCO3、Na2CO3、CaCO3、KHCO3、K2CO3、NH4HCO3のいずれか1種または2種以上の混合物からなる0.1〜6重量部のアルカリ類とを混合してなるドリップ防止剤を肉に添加するドリップ防止工程と、
    前記ドリップ防止剤を肉に浸透させるドリップ防止剤浸透工程とを有し、前記肉を低温環境下にさらすことを特徴とする肉の保存方法。
  6. 前記肉を低温環境下にさらす前に、前記肉の組織のゲル化を完了させておくことを特徴とする請求項5に記載の肉の保存方法。
  7. 前記肉を低温環境下にさらしながら、前記肉の組織のゲル化を行うことを特徴とする請求項5に記載の肉の保存方法。
  8. 前記ドリップ防止剤は、30〜200メッシュの平均粒径を有する粉体であることを特徴とする請求項5〜7いずれか1項に記載の肉の保存方法。
  9. 前記ドリップ防止剤は、粉末状の塩類と、粉末状のアルカリ類と、に水を添加した粘稠性を有する過飽和溶液としていることを特徴とする請求項5〜8いずれか1項に記載の肉の保存方法。
  10. 前記ドリップ防止剤には、肉質軟化剤、結着剤、調味料、香辛料、植物性粉末、機能製剤のいずれか1種または2種以上の混合物を添加していることを特徴とする請求項5〜9いずれか1項に記載の肉の保存方法。
  11. 前記低温での保存は凍結保存であることを特徴とする請求項5〜10いずれか1項に記載の肉の保存方法。
  12. 前記低温での保存はチルド保存であることを特徴とする請求項5〜10いずれか1項に記載の肉の保存方法。
  13. 請求項1〜4いずれか1項に記載の肉の解凍方法により処理された肉からなる加工食品。
  14. 請求項5〜12いずれか1項に記載の肉の保存方法により処理された肉からなる加工食品。
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