JP2005130812A - 冷凍むき甘えびおよびその製造方法 - Google Patents

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純一郎 大西
Mitsunori Matsuka
三憲 松家
Shigeo Sasao
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Abstract

【課題】 ドリップが発生せず、甘えびの呈味成分の含有量が高く、長期保存性および安全性に優れ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができる冷凍むき甘えびおよびその製造方法の提供。
【解決手段】 原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内に放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍し、殻剥きを行い、必要に応じて、味付け、菌繁殖防止のために冷却した塩水をかけた後、適宜まとめて、超低温下で急速凍結する。超低温凍結した冷凍むき甘えび1を吸水紙を用いることなくプラスチックフィルム3で密封包装することにより課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍むき甘えびおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、解凍してもドリップが発生せず、甘えびの呈味成分の含有量が高く、長期保存性および安全性に優れ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができる美味しい冷凍むきみ甘えびおよびその製造方法に関するものである。
従来、殻付き生甘えびを食塩水につけて味付けした後、ボイルし、冷却し、殻などを除き、真空パック包装して、真空パック包装した状態で凍結させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
最近は北欧産の冷凍殻付き甘えびなどが容易に入手できるようになったので、この冷凍殻付き甘えびを原料として冷凍むき甘えびの製造が行われている。
従来の冷凍むき甘えびの製造方法を図3に示す。
先ず、冷凍庫中の原料冷凍殻付き甘えびを取り出し、約15℃の清水を約5分間かけて解凍する。次いで、解凍した甘えびの殻剥きを行った後、約15℃の清水をかけて雑菌や異物を洗い流す。計量後、吸水紙を敷いたプラスチックトレー上にトレー1個当たり9〜11gになるように適宜まとめて、−30℃のトンネルフリーザーで20分間で凍結する。凍結させて得られた冷凍むき甘えび上にプラスチックフィルムをかけ、真空パック包装する。真空パック包装したトレーをさらにプラスチックバッグで密封包装し、トレーを適宜の数まとめて箱詰めし、冷凍庫に保管し、必要に応じて出荷する。
従来の冷凍むき甘えびの製造方法によると、原料冷凍殻付き甘えびの解凍時に清水をかけたり、解凍した甘えびの殻剥きを行った後、再び清水をかけて雑菌や異物を洗い流したりするので、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分が洗い流されてその含有量が低下して美味しさが損なわれる問題があった。
また従来の冷凍むき甘えびの製造方法によると、−30℃のトンネルフリーザーで20分間で凍結するという緩慢凍結方法を用いているため、むき甘えびの細胞膜が破壊されたり、あるいは細胞ないし細胞膜が損傷を受ける場合が生じる。細胞膜が破壊されたり、あるいは細胞ないし細胞膜が損傷を受けても凍結中は細胞内の前記呈味成分は流出しないが、解凍することによって、前記呈味成分を含むドリップが発生し、呈味成分が流出するという問題があった。呈味成分が流出すると美味しさが損なわれる上、外観が悪化して商品価値が低下する問題があった。
そこで真空パック包装内にこのドリップを吸収する吸水紙を設置することが行われていた。
図4は真空パック包装した従来の冷凍むき甘えびの断面を模式的に示す説明図である。図4において、10は従来の真空パック包装した冷凍むき甘えび、2はプラスチックトレー、3はプラスチックフィルム、4は冷凍むき甘えび5の解凍時などにおいてでるドリップを吸収するための吸水紙である。
特許第3316628号公報
従来の冷凍むき甘えびの製造方法によると、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分が洗い流されてその含有量が低下して美味しさが損なわれる問題があるとともに、緩慢凍結方法を用いているため、解凍することによって呈味成分を含むドリップが発生し、呈味成分が流出する問題があり、呈味成分が流出すると美味しさが損なわれる上、外観が悪化して商品価値が低下するので、真空パック包装内にこのドリップを吸収する吸水紙を設置することが行われていた。
本発明の第1の目的は、解凍条件に係わらずドリップが発生せず、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く、長期保存性および安全性に優れ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができる冷凍むき甘えびを提供することであり、
本発明の第2の目的は、このような優れた冷凍むき甘えびを容易に経済的に製造する方法を提供することである。
本発明の請求項1は、下記の特性(1)〜(3)を備えていることを特徴とする冷凍むき甘えびである。
(1)解凍条件に係わらずドリップが発生しない。
(2)旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く、原料甘えび中に含まれる呈味成分の含有量に近い。
(3)長期保存性および安全性に優れ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができる。
本発明の請求項2は、請求項1記載の冷凍むき甘えびにおいて、吸水紙を用いることなく包装されていることを特徴とする。
本発明の請求項3は、下記の工程(1)〜(8)を含む工程により請求項1あるいは請求項2記載の冷凍むき甘えびを製造することを特徴とする冷凍むき甘えびの製造方法である。
(1)冷凍庫中の原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内へ移す。
(2)原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内に放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍する。
(3)必要に応じて冷却した清水をかけて半解凍状態を維持しながら雑菌を洗い流す。
(4)半解凍した甘えびの殻剥きを行う。
(5)殻剥きした甘えびに、必要に応じて、味付け、菌繁殖防止のために冷却した塩水をかける。
(6)適宜まとめて、超低温下で急速凍結する。
(7)超低温凍結させて得られた冷凍むき甘えびを吸水紙を用いることなくプラスチックフィルムで密封包装する。
(8)必要に応じて、さらにプラスチックバッグで密封包装し、箱詰めし、冷凍庫に保管する。
本発明の請求項4は、請求項3記載の冷凍むき甘えびの製造方法において、庫内温度0〜4℃のチルド解凍庫内に6〜7時間放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍し、中心部温度が−3〜−5℃の範囲になるように半解凍することを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項3あるいは請求項4記載の冷凍むき甘えびの製造方法において、−50℃以下の超低温下で10〜20分間で急速凍結することを特徴とする。
本発明の請求項6は、請求項5記載の冷凍むき甘えびの製造方法において、中心部温度が−35〜−40℃の範囲になるように急速凍結することを特徴とする。
本発明の請求項1の冷凍むき甘えびは、(1)解凍条件に係わらずドリップが発生せず、(2)旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く、原料甘えび中に含まれる呈味成分の含有量に近く含まれており、(3)長期保存性および安全性に優れ、甘えびの美しい外観、色、美味しさ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の冷凍むき甘えびにおいて、吸水紙を用いることなくプラスチックフィルムなどで密封包装されていることを特徴とするものであり、従来市販されている冷凍むき甘えびは、解凍時にドリップが発生して呈味成分が流出して美味しさが損なわれる上、外観が悪化して商品価値が低下するので、これを防止するため真空パック包装内に吸水紙を設置していたが、本発明の冷凍むき甘えびは、解凍条件に係わらずドリップが発生しないので、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分が流出することがなく、吸水紙を使用する必要がない。
本発明の請求項3は、前記の工程(1)〜(8)を含む冷凍むき甘えびの製造方法であり、原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内に放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍した甘えびの殻剥きを行い、原料冷凍殻付き甘えびの解凍時に清水をかけたり、解凍した甘えびの殻剥きを行った後、再び清水をかけて雑菌や異物を洗い流したりしないので、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分が洗い流されることがなく、また、超低温下で急速凍結するためむき甘えびの細胞膜が破壊されたり、細胞ないし細胞膜が損傷を受けないので、解凍条件に係わらずドリップが発生せず、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く維持されるなどの特性を有する本発明の優れた冷凍むき甘えびを容易に経済的に製造できるという顕著な効果を得ることができる。
本発明の請求項4の製造方法によると、庫内温度0〜4℃のチルド解凍庫内に6〜7時間放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍し、中心部温度が−3〜−5℃の範囲になるように半解凍するので、前記特性を有する本発明の優れた冷凍むき甘えびを確実に容易に製造できるというさらなる顕著な効果を得ることができる。
本発明の請求項5の製造方法によると、−50℃以下の超低温下で10〜20分間で急速凍結するので、むき甘えびの細胞膜が破壊されたり、細胞ないし細胞膜が損傷を受けたりするのをより確実に防止できるというさらなる顕著な効果を得ることができる。
本発明の請求項6の製造方法によると、中心部温度が−35〜−40℃の範囲になるように急速凍結するので、むき甘えびの細胞膜が破壊されたり、細胞ないし細胞膜が損傷を受けたりするのをさらに確実に防止できるというさらなる顕著な効果を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における甘えびは、食用の甘えび類を全て包含する。
図1は、本発明の冷凍むき甘えびの製造工程の一実施形態を示す説明図である。
図2は、本発明の冷凍むき甘えびを真空パック包装する工程を模式的に示す説明図である。
図1に示したように、工程(1)で先ず冷凍庫中の原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内へ移す。
そして工程(2)で、原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内に放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍する。
チルド解凍庫の庫内温度は0〜4℃の範囲が好ましい。下限値の0℃未満では原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍できない恐れがあるので好ましくない。しかし実際には庫内温度には多少バラツキがあり、例えば約−2℃となる箇所もでてくるが、下限値の中心値が0℃であれば原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍できるので許容される。上限値が4℃を超えると原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍するとともに中心部も解凍する恐れがあるので好ましくない。前記のように実際には庫内温度には多少バラツキがあり、例えば約5℃となる箇所もでてくるが、上限値の中心値が4℃であれば原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能にするが、中心部は未だ解凍されていない半解凍状態にすることができる。
チルド解凍庫内の放置時間は6〜7時間が好ましい。6時間未満では原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能にできない恐れがあり、逆に7時間を超えると原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能にするとともに中心部も解凍する恐れがあるので好ましくない。
解凍時の甘えびの中心部温度は、中心部が充分に良好に未解凍であるとともに、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍が解凍されて容易に殻剥き可能かどうかに係わる要因であるので重要である。甘えびの中心部温度は、外部らか甘えびの身体の中心部に温度計を挿入して計測される温度であり、−3〜−5℃の範囲が好ましい。
−5℃未満では中心部が凍結しているとともに原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍が未解凍の部分があるなどにより殻剥きが容易にできない恐れがある。しかし実際には中心部温度には多少測定バラツキがあり、例えば約−6℃となる箇所もでてくるが、中心値が−5℃であれば許容される。逆に中心部が−3℃を超えると原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍が解凍して殻剥きが容易になるとともに中心部も解凍する恐れがあるので好ましくない。上記のように実際には中心部温度には多少測定バラツキがあるので、例えば約−2℃となる箇所もでてくるが、中心値が−3℃であれば許容される。
チルド解凍庫内の風は強制循環させたりして、原料冷凍殻付き甘えびに直接当てない方が均一に半解凍できるので好ましい。
このようにして工程(2)で、原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内に放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部が未だ解凍されていない状態にすると、後の工程(4)で手作業などで容易に殻剥きできるようになるとともに、ドリップが外部に流出しないので甘えびの旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分が失われない。
工程(2)は低温において行うので雑菌の繁殖を防止できる。
そして工程(3)で、必要に応じて工程(2)で半解凍した殻付き甘えびに冷却した清水(約15℃程度)をシャワーにして約1分程度かけて万一付着した雑菌や異物などを洗い流す。この時、甘えびの中心部温度が約1℃程上昇するが、重要なことは半解凍状態を維持しながら行うことである。冷却した清水をかけても中心部が未だ解凍されていない状態を維持すると、前記のようにドリップが外部に流出しないので甘えびの呈味成分が失われない。
そして、工程(4)で、半解凍した甘えびの殻剥きを行う。殻剥きは除頭、除足、徐尾などを含む。半解凍した原料冷凍殻付き甘えびは表面近傍が解凍してあり、中心部は未だ解凍されていない状態であるので、手作業などで容易に殻剥きできるとともに、ドリップが外部に流出しない。
そして工程(5)で、殻剥きした甘えびに、必要に応じて、味付け、菌繁殖防止のために冷却した濃度約3質量%塩水(約1℃程度)を少量サッとかける。
そして工程(6)で、適宜まとめて、超低温下で急速凍結する。ここで超低温下で急速凍結する前に、殻剥きした甘えびの表面に水が付着していないように低温の状態で充分水切りしておくことが重要である。殻剥きした甘えびの表面の水切りが不十分であるとそのまま凍結して表面に氷が付着した状態になり、製品解凍時に融けて流出し、あたかもドリップがでたようになり商品価値が低下するとともに呈味成分を取り去る恐れがある。
具体的には、例えば、計量後、適宜まとめて、例えば甘えびの場合9〜11g(約5匹)程度の塊りにして、それを多数プラスチックトレー上に並べて、例えば−70℃の超低温のトンネルフリーザーで10〜20分間で連続的に急速凍結する。
むき甘えびの細胞膜を破壊したり、細胞ないし細胞膜に損傷を与えるのを確実に防止するには、凍結時の温度は−50℃以下の超低温が好ましく、−70℃以下がさらに好ましい。むき甘えびの中心部温度が10〜20分以内で−35〜−40℃の範囲になるように短時間で凍結させることが好ましい。
甘えびの中心部温度が−35〜−40℃の範囲になるように急速凍結すると、むき甘えびの細胞膜が破壊されたり、細胞ないし細胞膜が損傷を受けたりするのをさらに確実に防止できる。
このように超低温下で急速凍結された本発明の冷凍むき甘えびは、細胞膜が破壊されておらず、細胞ないし細胞膜が損傷を受けていないので、解凍条件に係わらずドリップが発生せず、旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く維持される。
そして工程(7)で、超低温凍結させて得られた冷凍むき甘えびを公知の方法で包装する。本発明の冷凍むき甘えびは、解凍条件に係わらずドリップが発生しないので、包装するにあたり吸水紙を用いなくてもよい。
図2(イ)〜(ホ)は本発明の冷凍むき甘えびを真空パック包装する工程を模式的に示す説明図である。
図2(イ)に示すような多数の貫通する孔6を備えた型7の上方から殻むきした甘えびを矢印方向に供給すると、(ロ)に示すように孔6を通過した甘えびは9〜11g(約5匹)程度の塊り5Aになり、プラスチックトレー2上に並べられる。そして、(ハ)においてこのトレー2を例えば−70℃の超低温の図示しないトンネルフリーザー中に導入して甘えび塊り5Aを10分間で急速凍結し、(ニ)に示すようにトレー2上に多数の凍結した甘えび塊り5が配置された状態にする。次いでエアガンで霜を吹き飛ばして霜取りした後、(ホ)に示すようにプラスチックトレー2上の多数の凍結した甘えび塊り5の上にプラスチックフィルム3をかけて公知の装置、方法により真空パック包装して包装された本発明の冷凍むき甘えび1を得る。
次いで異物検査した後、本発明の包装された冷凍むき甘えび1を1つずつさらに図示しないプラスチックバッグに入れてヒートシールして密封包装し、図示しないが段ボール箱などに箱詰めし、図示しない冷凍庫(例えば−30℃)内に貯蔵する。そして必要に応じて出荷する。
本発明において、上記の各工程は手作業で行っても、バッチ式装置で行ってもコンベアベルトなどを用いて連続的に行っても、あるいはこれらの組み合わせで行ってもよく、特に限定されないが、生食可能な食品を扱うので衛生面に充分配慮することが肝要である。
甘えび類のエキス中にはアミノ酸、アミノ酸が2、3個結合したペプチド、有機酸、有機塩基、ヌクレオチド、糖類のような有機物や無機物が含まれている。これらの中でもアミノ酸は重要な呈味成分であり、ヌクレオチドはそれ自身味はないがアミノ酸の呈味性を強めて旨味を与える作用があり、糖類は甘みやとろみに関係がある。
アミノ酸としてはグリシン、アルギニン、プロリンなどのL−アミノ酸が含まれており、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミンなどが甘味系アミノ酸であり、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、アルギニン、アルギニン塩酸塩、ヒスチジン、リシン塩酸塩などが苦味系アミノ酸であり、ヒスチジン塩酸塩、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸などが酸味系アミノ酸であり、アスパラギン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムなどが旨味系アミノ酸であることが知られている。
そして、これらの呈味成分の複雑な相互作用の結果甘えびの旨味が生じるものと考えられる。
これらの呈味成分の中でも、美味な甘えびほど特にグリシンやグルタミン酸が多く、グリシンやグルタミン酸の少ないものは味が劣る。
以下本発明を実施例および比較例により、具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
工程(1)で冷凍北欧産殻付き甘えび1kgを庫内温度0℃のチルド解凍庫内へ移し、工程(2)で、前記チルド解凍庫内に420分間放置して原料冷凍殻付き甘えびの中心部温度−4℃とし、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍した。
次いで、工程(3)で水温約15℃の冷却した清水を1分間かけて原料冷凍殻付き甘えびの中心部温度−1.5℃とし、半解凍状態を維持しながら雑菌を洗い流した。そして工程(4)で半解凍した甘えびの殻剥きを行った。次いで、工程(5)で約1℃の3質量%塩水を約2リッター程度サッとかけて、味付け、菌繁殖防止を行った。
そして工程(6)で、計量後、多数の貫通孔を有する型を通して9〜11g(約5匹)程度の塊りにして、それを多数プラスチックトレー上に並べて、−70℃の超低温のトンネルフリーザーで20分間で急速凍結した。高圧エアガンで霜を吹き飛ばした後、工程(7)で超低温凍結させて得られた冷凍むき甘えびを包装した。
得られた本発明の冷凍むき甘えびの品質試験を下記の試験方法で行い、結果を表1に製造条件および解凍条件とともに示した。
(試験方法)
(イ)ドリップの発生
得られた冷凍むき甘えびを、表に示した温度(℃)、時間(分)で解凍し、ドリップの発生量を測定した。200gむき甘えびを包装した1個のプラスチックトレー上に発生したドリップ量(g)を測定し、むき甘えび全体(200g)に対する割合(ドリップ量/200g)×100質量%で表した。
(2)成分分析
液体クロマトグラフ(日立社製)によりグリシンおよびグルタミン酸の含有量を測定した。測定結果を、可食部100gに対するグリシンおよびグルタミン酸の含有量(mg)で表した。
(3)官能試験
20人のパネラーにより解凍したむき甘えびを食し、食した結果を甘みおよび味について下記の5段階評価を行った。
甘み:
5:かなり甘い
4:甘い
3:並
2:甘みを感じない
1:甘みが全くしない
味:
5:かなり美味しい
4:美味しい
3:並
2:まずい
1:非常にまずい
[実施例2〜5]
表1に示した製造条件で本発明の冷凍むき甘えびを作り、表1に示した解凍条件で解凍し、実施例1と同様にして製品品質を評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
冷凍北欧産殻付き甘えび1kgに、水温約15℃の清水を5分間かけて原料冷凍殻付き甘えびの中心部温度−1.5℃とした。次いで、甘えびの殻剥きを行った。次いで計量後、多数の貫通孔を有する型を通して9〜11g(約5匹)程度の塊りにして、それを多数プラスチックトレー上に並べて、−30℃の低温のトンネルフリーザーで20分間で凍結した。高圧エアガンで霜を吹き飛ばした後、冷凍むき甘えびを包装した。
実施例1と同様にして製品品質を評価した結果を表2に示す。
(比較例2〜8)
表2に示した製造条件で比較の冷凍むき甘えびを作り、表2に示した解凍条件で解凍し、実施例1と同様にして製品品質を評価した結果を表2に示す。
(比較例9)
工程(1)で冷凍北欧産殻付き甘えび1kgを庫内温度−0.5℃のチルド解凍庫内へ移し、工程(2)で、前記チルド解凍庫内に420分間放置して原料冷凍殻付き甘えびの中心部温度−3.5℃とし、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍した。
次いで、工程(3)で水温約15℃の冷却した清水を1分間かけて原料冷凍殻付き甘えびの中心部温度−2℃とし、半解凍状態を維持しながら雑菌を洗い流した。そして工程(4)で半解凍した甘えびの殻剥きを行った。次いで、工程(5)で約1℃の3質量%塩水を約2リッター程度サッとかけて、味付け、菌繁殖防止を行った。
そして工程(6)で、計量後、多数の貫通孔を有する型を通して9〜11g(約5匹)程度の塊りにして、それを多数プラスチックトレー上に並べて、−30℃のトンネルフリーザーで20分間で凍結した。高圧エアガンで霜を吹き飛ばした後、工程(7)で凍結させて得られた比較の冷凍むき甘えびを包装した。
得られた比較の冷凍むき甘えびを表2に示した解凍条件で解凍し、実施例1と同様にして製品品質を評価した結果を表2に示す。
(比較例10〜12)
表2に示した製造条件で比較の冷凍むき甘えびを作り、表2に示した解凍条件で解凍し、実施例1と同様にして製品品質を評価した結果を表2に示す。
(参考例)
冷凍北欧産殻付き甘えびを解凍した後、素早く実施例1と同様にして成分分析を行いグリシンおよびグルタミン酸の含有量を測定した。その結果、グリシン含有量=855(mg/200g)であり、グルタミン酸含有量(mg/200g)=35であった。
Figure 2005130812
Figure 2005130812
表1から、実施例1〜5の本発明の冷凍むき甘えびはドリップが全く発生せず、成分分析の結果グリシン、グルタミン酸の含有率が高く、原料甘えび中に含まれる呈味成分の含有量に近く含まれており、そして官能試験を行った結果、甘みがかなりあり、美味しいことが判る。
それに対して表2から、比較例1〜12の比較のための冷凍むき甘えびはドリップが発生し、成分分析の結果グリシン、グルタミン酸の含有率が低く、そして官能試験を行った結果、甘みおよび味が劣ることが判る。
本発明の冷凍むき甘えびは、(1)解凍条件に係わらずドリップが発生せず、(2)旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く、原料甘えび中に含まれる呈味成分の含有量に近く含まれており、(3)長期保存性および安全性に優れ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができるので、産業上の利用価値が高い。
本発明の冷凍むき甘えびの製造工程の一実施態様を模式的に示す説明図である。 本発明の冷凍むき甘えびを真空パック包装する工程を模式的に示す説明図である。 従来の冷凍むき甘えびの製造工程を模式的に示す説明図である。 真空パック包装した従来の冷凍むき甘えびの断面説明図である。
符号の説明
1 本発明の冷凍むき甘えび
2 プラスチックトレー
3 プラスチックフィルム
4 吸水紙
5 凍結した甘えび塊り
5A 甘えび塊り
6 孔
7 型
10 従来の冷凍むき甘えび

Claims (6)

  1. 下記の特性(1)〜(3)を備えていることを特徴とする冷凍むき甘えび。
    (1)解凍条件に係わらずドリップが発生しない。
    (2)旨味成分やグリシン、グルタミン酸に代表される甘えびの呈味成分の含有量が高く、原料甘えび中に含まれる呈味成分の含有量に近い。
    (3)長期保存性および安全性に優れ、新鮮さが維持されており、解凍後、生食として食すことができる。
  2. 吸水紙を用いることなく包装されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍むき甘えび。
  3. 下記の工程(1)〜(8)を含む工程により請求項1あるいは請求項2記載の冷凍むき甘えびを製造することを特徴とする冷凍むき甘えびの製造方法。
    (1)冷凍庫中の原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内へ移す。
    (2)原料冷凍殻付き甘えびをチルド解凍庫内に放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍して殻剥き可能とするが、中心部は未だ解凍されていない状態に半解凍する。
    (3)必要に応じて冷却した清水をかけて半解凍状態を維持しながら雑菌を洗い流す。
    (4)半解凍した甘えびの殻剥きを行う。
    (5)殻剥きした甘えびに、必要に応じて、味付け、菌繁殖防止のために冷却した塩水をかける。
    (6)適宜まとめて、超低温下で急速凍結する。
    (7)超低温凍結させて得られた冷凍むき甘えびを吸水紙を用いることなくプラスチックフィルムで密封包装する。
    (8)必要に応じて、さらにプラスチックバッグで密封包装し、箱詰めし、冷凍庫に保管する。
  4. 庫内温度0〜4℃のチルド解凍庫内に6〜7時間放置して、原料冷凍殻付き甘えびの表面近傍を解凍し、中心部温度が−3〜−5℃の範囲になるように半解凍することを特徴とする請求項3記載の冷凍むき甘えびの製造方法。
  5. −50℃以下の超低温下で10〜20分間で急速凍結することを特徴とする請求項3あるいは請求項4記載の冷凍むき甘えびの製造方法。
  6. 中心部温度が−35〜−40℃の範囲になるように急速凍結することを特徴とする請求項5記載の冷凍むき甘えびの製造方法。
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