JP2017127222A - 容器詰め食品の製造方法 - Google Patents
容器詰め食品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017127222A JP2017127222A JP2016007866A JP2016007866A JP2017127222A JP 2017127222 A JP2017127222 A JP 2017127222A JP 2016007866 A JP2016007866 A JP 2016007866A JP 2016007866 A JP2016007866 A JP 2016007866A JP 2017127222 A JP2017127222 A JP 2017127222A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- food
- thickening stabilizer
- enzyme
- liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
Abstract
Description
(1)容器中に、食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を添加する工程と、
前記容器内において液状物中に前記増粘安定剤の存在下で、前記食材内部に前記分解酵素を導入する工程と、
前記食材を前記分解酵素と反応させて、元の形状を保持したまま軟化させる工程と、
前記容器および内容物を加熱する工程と、
を含んでなる、常温流通またはチルド流通用の容器詰め食品の製造方法であって、
前記増粘安定剤が、少なくとも、前記加熱工程において加熱後に前記液状物に粘性を付与する第1の増粘剤と、前記加熱後に前記第1の増粘安定剤を略均一に拡散させる第2の増粘安定剤とを含み、前記分解酵素導入工程において、前記第1の増粘安定剤および前記第2の増粘安定剤が前記液状物中でペースト状態または分散状態にあり、前記分解酵素導入工程において、前記液状物の粘度が0.01mPa・s以上500mPa・s未満であり、
前記容器内において元の形状を保持したまま軟化した食材が、前記増粘安定剤が略均一に分散し、溶解した液状物中に存在し、前記液状物は、20℃でゾル状態にある時の粘度が500mPa・s以上であるか、または20℃でゲル状態にある時の硬さが500N/m2であることを特徴とする、常温流通またはチルド流通用の容器詰め食品の製造方法。
(2)前記第1の増粘安定剤が、ネイティブ型ジェランガム、未糊化でんぷん、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種である、(1)に記載の容器詰め食品の製造方法。
(3)前記第2の増粘安定剤が、キサンタンガム、カラギーナン、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種である、(1)または(2)に記載の容器詰め食品の製造方法。
(4)前記第1の増粘安定剤と前記第2の増粘安定剤の組み合わせが、ネイティブ型ジェランガムとキサンタンガム、ネイティブ型ジェランガムとカラギーナン、またはネイティブ型ジェランガムとキサンタンガムとカラギーナンであり、
前記分解酵素導入工程において前記第1の増粘安定剤および前記第2の増粘安定剤がペースト状態で存在する、(1)に記載の容器詰め食品の製造方法。
(5)前記第1の増粘安定剤と前記第2の増粘安定剤の組み合わせが、ネイティブ型ジェランガムとキサンタンガム、未糊化でんぷんとキサンタンガム、ネイティブ型ジェランガムと未糊化でんぷんとキサンタンガム、ネイティブ型ジェランガムとキサンタンガムとカラギーナン、未糊化でんぷんとキサンタンガムとカラギーナン、またはネイティブ型ジェランガムと未糊化でんぷんとキサンタンガムとカラギーナンであり、
前記分解酵素導入工程において前記第1の増粘安定剤および前記第2の増粘安定剤が分散状態で存在する、(1)に記載の容器詰め食品の製造方法。
(6)前記増粘安定剤の添加量が、前記液状物の総量に対して5質量%以上70質量%以下である、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
(7)前記分解酵素の導入が、加圧処理、減圧処理、および凍結・解凍処理からなる群から選択される少なくとも1種の処理によって行われる、(1)〜(6)のいずれかに記載の容器詰め食品の製造方法。
(8)前記酵素反応工程における前記容器内の中心温度が0℃以上70℃未満の範囲内であり、前記加熱工程における前記容器内の中心温度が70℃以上135℃以下の範囲内である、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
(9)前記分解酵素が、炭水化物、タンパク質、および脂質からなる群から選択される少なくとも1種の基質を分解する酵素活性を有する、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
(10)元の形状を保持したまま軟化した食材の硬さが、1.0×102N/m2以上5.0×106N/m2以下である、(1)〜(9)のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
(11)前記調味液が、食塩、アミノ酸、糖類、油脂、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、および医療用造影剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、(1)〜(10)のいずれかに記載の容器詰め食品の製造方法。
(12)前記調味液が、有機酸およびその塩を用いてpH3〜pH10の範囲に調整されたものである、(1)〜(11)のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
(13)前記容器が、缶、瓶、陶器、磁器、フレキシブルパウチ、樹脂成形容器、およびフィルム成形容器からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)〜(12)のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
本発明により得られる容器詰め食品は、容器と、該容器内に収容された、食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液とを含んでなり、常温流通またはチルド流通用として好適に使用できる。本発明により得られる容器詰め食品においては、容器内において特定の増粘安定剤の存在下で食材を分解酵素と反応させて、元の形状を保持したまま軟化させ、容器内において元の形状を保持したまま軟化した食材は、特定の増粘安定剤が略均一に分散し、溶解した液状物中に存在することを特徴とするものである。本発明において、元の形状を保持した軟化食材は、外観で認識できる大きさと形を保持したものであり、何の食材であるかを認識できることで、咀嚼・嚥下困難者の食欲を惹起することができる。このような容器詰め食品は、製造、輸送、および販売中における軟化食材の型崩れを防止することができる。
容器詰め食品に用いる容器の形状や大きさは、内容物の型崩れが防止できるものであれば特に限定されず、硬質容器および軟質容器のいずれも用いることができる。容器の材質については、一般的に食品に使用される材質であれば特に限定されない。
容器詰め食品に用いる食材としては、植物性および動物性のいずれのものであってもよい。具体的には、植物性の食材としては、大根、人参、牛蒡、筍、キャベツ、白菜、セロリ、アスパラガス、ほうれん草、小松菜、青梗菜、トマト等の野菜、ジャガイモ、薩摩芋、里芋等の芋類、大豆、小豆、蚕豆、エンドウ豆等の豆類、米、麦、稗、粟などの穀類、リンゴ、モモ、パイナップル等の果実類、椎茸、シメジ、エノキ、ナメコ、松茸等のきのこ類、若布、昆布、ひじき等の海藻などを挙げることができる。また、動物性の食材としては、牛肉、豚肉、鳥肉の他に、羊肉、馬肉、鹿肉、猪肉、山羊肉、兎肉、鯨肉、それらの内臓等の肉類や、鯵、鮎、鰯、鰹、鮭、鯖、鮪等の魚類、鮑、牡蠣、帆立、蛤等の貝類、その他エビ、カニ、イカ、タコ、ナマコ等の魚介類を例示することができる。また、蒲鉾等の練製品やハム・ソーセージなどの畜肉製品、麺類、漬物等の加工食品であってもよい。食用の食品製造原料または素材であれば、これらに限定されない。これらの食材は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
容器詰め食品に用いる増粘安定剤は、容器内の液状物に溶解して粘性を高める物質であり、いわゆる増粘剤およびゲル化剤を含むものである。本発明においては、増粘安定剤として、少なくとも、加熱工程において加熱後に容器内の液状物に粘性を付与する第1の増粘安定剤と、加熱後に第1の増粘安定剤を略均一に拡散させる第2の増粘安定剤とを含む。また、酵素分解工程において第1の増粘安定剤と第2の増粘安定剤をペースト状あるいは分散状態で用いる。このように第1の増粘安定剤と第2の増粘安定剤を用いることで、分解酵素導入工程においては、容器内の液状物の粘度が500mPa・s未満に保たれることで酵素含浸を阻害せず、酵素含浸効率を維持することができる。その後、加熱工程における加熱により第1の増粘安定剤が液状物に粘性を付与し、軟化した食材の崩壊防止性を発揮することができる。第2の増粘安定剤は第1の増粘安定剤が加熱工程後に略均一に拡散することを助け、また、容器詰め食品を温めて食べる場合などにおいて、容器内の液状物の物性を介護食として適切な粘度に保つことができる。
容器詰め食品に用いる分解酵素は、炭水化物、タンパク質、および脂肪等の基質を分解する酵素活性を有するものであれば用いることができる。分解酵素は、摂取者の状態や、使用する食材中に含まれる酵素基質等に合わせて適宜選択することができる。主に、ペクチナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、グルカナーゼまたはセルラーゼのいずれかの酵素活性を含む酵素が使用される。具体的にはプロテアーゼ、ペプチダーゼ等のタンパク質をアミノ酸およびペプタイドに分解する酵素、アミラーゼ、グルカナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチンエステラーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルコシダーゼ、マンナーゼ、キシラナーゼ、アルギン酸リアーゼ、キトサナーゼ、イヌリナーゼ、キチナーゼ等でんぷん、セルロース、イヌリン、グルコマンナン、キシラン、アルギン酸、フコイダン等の多糖類をオリゴ糖あるいは単糖に分解する酵素、リパーゼ等脂肪を分解する酵素などを挙げることができる。これらは1種または相互に阻害しない範囲内で2種以上を組み合わせて使用することもできる。特に、食材として動物性食材を用いる場合、プロテアーゼやペプチターゼを用いることで、アミノ酸やペプチドを生成し、呈味性を向上させることができる。また、食感を改善するためにトランスグルタミナーゼ等も使用可能である。これら分解酵素の起源は問わず、植物由来、動物由来、微生物由来のものを使用することができる。分解酵素の形態としては、粉末状や液状、あるいは分散液に含有されたものを使用しても良い。
容器詰め食品に用いる調味液は、特に限定されず、食品用に用いることができる様々な添加剤を含んでもよい。例えば、調味液には、食塩、アミノ酸、糖類、油脂、ビタミンおよびミネラル等の栄養価を高める物質、pH調整剤、医療用造影剤等を加えることができる。糖類として単糖の他、ソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール類、マルトースやトレハロースなどの二糖類が好ましい。特に、油脂はカロリー強化に有効で、油脂類を乳化して利用することにより、食材内への導入濃度を高め、高カロリー食品とすることができる。
本発明の容器詰め食品の製造方法は、
・容器中に、食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を添加する工程(充填工程)と、
・前記容器内において液状物中に前記増粘安定剤の存在下で、前記食材内部に前記分解酵素を導入する工程(酵素導入工程)と、
・前記食材を前記分解酵素と反応させて、元の形状を保持したまま軟化させる工程(酵素反応工程)と、
・前記容器および内容物を加熱する工程(加熱工程)と、
を含んでなる。本発明においては、充填工程、酵素導入工程、酵素反応工程、および加熱工程を同一容器で実施し、かつ前記容器を流通および販売時にも利用することで、製造プロセスの簡略化やコスト削減を図ることができる。また、同一容器を用いることで、容器交換に伴う軟化食材の型崩れを防止できる。以下、各工程について詳述する。
充填工程は、容器内に、食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を充填する工程である。容器に充填する内容物の充填順序は特に限定されず、それぞれの内容物を別々に充填してもよいし、混合した後に充填してもよい。例えば、加熱工程後の容器内で増粘安定剤を液状物中に略均一に分散し、溶解させるためには、増粘安定剤を最後に充填することが好ましい。
酵素導入工程は、容器内において増粘安定剤の存在下で食材内部に分解酵素を導入する工程である。食材内部に分解酵素を導入する手段は、特定に限定されないが、減圧処理および/または加圧処理および/または凍結・解凍処理を行うことが好ましい。凍結・解凍処理は食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を充填した容器を冷凍後、容器内容物全体を解凍してもよいし、冷凍した食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を容器に充填し、容器中で冷凍食材を解凍してもよい。減圧処理と加圧処理と凍結・解凍処理は連続して行ってもよいし、繰り返し行ってもよい。また、減圧処理、加圧処理、冷凍・解凍処理の順番は問わない。減圧処理は真空ポンプと真空チャンバーの組み合わせ、真空冷却装置、真空巻き締め装置、真空包装器を利用して行うことが想定されるが、減圧処理の方式は問わない。加圧についても、ガス加圧、静水圧によるもの、密封前に、窒素、空気、二酸化炭素などのガス成分を液体または気体状で密封直前に加えることで酵素導入工程時の容器内圧を高める方式、炭酸水素ナトリウムも利用して容器内の圧力を高めることも方式が想定されるが、加圧方式は問わない。ガス圧により容器内圧を高める場合には、窒素などの反応性の低い不活性ガスを用いることが酸化防止などの品質を高めるために好ましい。密封容器を昇温させることによる内圧上昇を利用した加圧による酵素導入を行ってもよい。
密封工程は、食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を充填した容器を密封する工程であり、充填工程以降のいずれの段階で行ってもよい。充填工程を行った後は、以降の製造工程において容器内に異物や微生物、加熱や冷却に用いる水などが混入することを防止するため、酵素反応工程前に容器を密封することが好ましい。酵素導入工程に加圧あるいは真空巻締めあるいは冷凍・解凍処理が含まれる場合は、酵素導入工程前に行うことが望ましい。ただし、冷却水や凝縮水などが容器内に混入しても内容物に影響がない場合や介護施設等において製造後速やかに喫食される場合には密封工程は必須ではない。密封はそれぞれの容器形態に応じて一般に行われるヒートシール、巻き締め、スクリューキャップを用いる方式など、方式は問わない。密封時に容器内のガス充填やガス置換を行ってもよい。さらに、缶詰などの硬質容器の場合には真空巻き締め方式で密封することにより、あるいは液体窒素などを利用する加圧巻き締め方式で密封することにより、酵素導入を同時に行うこともできる。また、フレキシブルパウチなどの軟質容器については真空包装を行うことで、酵素導入を同時に行うこともできる。
酵素反応工程は、容器内において食材の内部に導入した分解酵素を反応させて、食材を元の形状を保持したまま軟化させる工程である。酵素反応は、容器内の中心温度を好ましくは0℃以上70℃未満、より好ましくは0℃以上60℃以下、さらに好ましくは10℃以上50℃以下に維持して行う。酵素反応条件は、目的の硬さ、硬さのバラツキの許容範囲に応じて、温度上昇速度、保持温度時間等を設定することができる。加熱または冷却する手段は冷蔵庫、チラー水、スチームコンベクション装置や恒温器などが想定されるが、加熱または冷却する方式は問わない。前記容器は冷却後に加熱しても酵素反応させてもよく、また、加熱後に冷却して酵素反応させてもよい。反応時間は、目的とする食材の硬さに応じて任意の時間を設定してよいが、酵素反応速度と生産効率の観点から、好ましくは1分〜72時間、より好ましくは5分〜48時間、さらに好ましくは30分〜24時間である。
加熱工程は、酵素反応後に容器および内容物を加熱する工程であり、容器内の増粘安定剤を液状物中に略均一に分散、溶解させることができる。加熱工程は、容器内の中心温度が好ましくは70℃以上135℃以下、より好ましくは75℃以上130℃以下、さらに好ましくは80℃以上120℃以下であることが好ましい。また、加熱工程により容器詰め食品の殺菌と酵素の失活を同時に行うことができる。加熱工程は、スチームコンベクション装置やレトルト殺菌装置の利用が想定されるが、上述の酵素反応工程と加熱工程について、同一装置を用いて容器内の温度をコントロールし、連続して行ってもよい。レトルト殺菌する場合、好ましくは105℃〜130℃、より好ましくは115℃〜125℃の高温で殺菌することが望ましい。容器詰め食品を加熱した後、容器を水冷や空冷等の方式により冷却して容器内の増粘安定剤の粘度を上昇させるか、あるいはゲル化させてもよい。冷却処理を行うことで、型崩れ防止効果を高めたり、内容物の品質を維持したりすることができる。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材と、分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料およびみりんをそれぞれ10質量%ずつ溶かした水溶液とを加えた。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記のアルミ缶およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持し、それぞれ密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)を用いて120℃で30分間加熱した。得られた缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。ただし、缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の液状物の粘性不足のため、いずれも食材の形状が崩れた。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。フレキシブルパウチに、食材と、分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料およびみりんをそれぞれ10質量%ずつ溶かした水溶液とを加えた。フレキシブルパウチを加圧装置(光高圧機器製)を用いて10MPaの条件で加圧処理した。次いで、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)で120℃、30分加熱した。得られたフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。ただし、フレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の液状物の粘性不足のため、いずれも食材の形状が崩れた。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチに、食材と、分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%)と、市販調味料およびみりんをそれぞれ10質量%ずつ溶かした水溶液とを加えた。フレキシブルパウチおよびアルミ製缶を凍結装置(QXF−006SF5−E、福島工業製)を用いて―20℃で凍結処理し、次いで、50℃で1時間保持し、解凍ならびに酵素反応させた。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)で120℃、30分加熱した。得られた缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。ただし、缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の液状物の粘性不足のため、いずれも食材の形状が崩れた。 なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料(2質量%)、pH調整剤(クエン酸:0.1質量%およびそのナトリウム塩:0.8質量%)、および食塩(2質量%)を溶かした水溶液と、増粘安定剤を水に懸濁した20質量%のペースト(ネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.5質量%、キサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):1質量%)をアルミ製缶およびフレキシブルパウチに充填した(ペースト状で添加した増粘安定剤の濃度は、ペーストを1/5量(20%)添加しているので容器内での最終濃度は1/5になる)。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記のアルミ缶およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持した。内容液のふきこぼれは観察されなかった。また、それぞれの容器を密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)を用いて120℃で30分間加熱した。得られた缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰め食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散していた。缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の全ての食材の型崩れを防止できた。また、缶詰食品を1mの高さから落下させても容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。フレキシブルパウチ詰食品についても、紙製の外箱に入れた状態で1mの高さから落下させた場合、容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
増粘安定剤として、ネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.75質量%、キサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):1.5質量%、ι−カラギーナン製剤(三菱商事フードテック製):1.2質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして、缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰め食品を得た。得られた缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰め食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散していた。缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の全ての食材の型崩れを防止できた。また、缶詰食品を1mの高さから落下させても容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。フレキシブルパウチ詰食品についても、紙製の外箱に入れた状態で1mの高さから落下させた場合、容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料(2質量%)、pH調整剤(クエン酸:0.1質量%およびそのナトリウム塩:0.8質量%)、および食塩(2質量%)を溶かした水溶液にネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.15質量%、キサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):0.2質量%、リン酸架橋もち米でんぷん(松谷化学製):1質量%を分散させ、アルミ製缶およびフレキシブルパウチに充填した。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記のアルミ缶およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持した。内容液のふきこぼれは観察されなかった。それぞれの容器を密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、スチームコンベクション(TSCO‐2EB、タニコー製)を用いて90℃で60分間加熱した。得られた缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散していた。缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の全ての食材の型崩れを防止できた。また、缶詰食品を1mの高さから落下させても容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。フレキシブルパウチ詰食品についても、紙製の外箱に入れた状態で1mの高さから落下させた場合、容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
増粘安定剤として、ネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.15質量%、キサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):0.1質量%、ι−カラギーナン製剤(三菱商事フードテック製):0.1質量%、リン酸架橋もち米でんぷん(松谷化学製):1質量%を用いた以外は、実施例3と同様にして、缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰め食品を得た。得られた缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散していた。缶詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の全ての食材の型崩れを防止できた。また、缶詰食品を1mの高さから落下させても容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。フレキシブルパウチ詰食品についても、紙製の外箱に入れた状態で1mの高さから落下させた場合、容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。樹脂製容器およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%)と、市販調味料(2質量%)、pH調整剤(クエン酸:0.1質量%およびそのナトリウム塩:0.8質量%)、および食塩(2質量%)を溶かした水溶液に、ネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.15質量%とキサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):0.2質量%を分散させ、樹脂製容器およびフレキシブルパウチに充填した。―20℃で凍結処理し、次いで、50℃で1時間保持し、解凍ならびに酵素反応させた。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)で120℃、30分加熱した。得られた樹脂製容器詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散していた。樹脂製容器詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の全ての食材の型崩れを防止できた。また、樹脂製容器詰食品を1mの高さから落下させても容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。フレキシブルパウチ詰め食品についても、紙製の外箱に入れた状態で1mの高さから落下させた場合、容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。樹脂製容器およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料(2質量%)、pH調整剤(クエン酸:0.1質量%およびそのナトリウム塩:0.8質量%)、および食塩(2質量%)を溶かした水溶液に、ネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.25質量%とキサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):0.1質量%を分散させ、樹脂製容器およびフレキシブルパウチに充填した。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記の樹脂製容器およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持した。内容液のふきこぼれは観察されなかった。それぞれの容器を密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、スチームコンベクション(TSCO‐2EB、タニコー製)を用いて90℃で60分間加熱した。得られた樹脂製容器詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散、ゲル化していた。樹脂製容器詰食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の全ての食材の型崩れを防止できた。また、樹脂製容器詰食品を1mの高さから落下させても容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。フレキシブルパウチ詰食品についても、紙製の外箱に入れた状態で1mの高さから落下させた場合、容器内の全ての食材は型崩れしていなかった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)における液状物の粘度をB型粘度計により測定し、加熱後の内容物のゼリー強度を(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料(2質量%)、pH調整剤(クエン酸:0.1質量%およびそのナトリウム塩:0.8質量%)、および食塩(2質量%)を溶かした水溶液と、増粘安定剤を水に懸濁した20質量%のペースト(キサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製):2質量%)をアルミ製缶およびフレキシブルパウチに充填した。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記のアルミ缶およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持した。内容液のふきこぼれは観察されなかった。それぞれの容器を密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)を用いて120℃で30分間加熱した。得られた缶詰め食品およびフレキシブルパウチ詰め食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。さらに、容器内の液状物中には増粘安定剤が均一に拡散していた。ただし、缶詰め食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の液状物の粘性不足のため、いずれも食材の形状が崩れた。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。さらにキサンタンガム製剤(三菱商事フードテック製)0.8質量%を分散させた、分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料およびみりんをそれぞれ10質量%ずつ溶かした水溶液とを加えた。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記のアルミ缶およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持し、それぞれ密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。また、本条件下では容器内容物の粘度が高いため、減圧処理時に内容物の噴きこぼれが観察された。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)を用いて120℃で30分間加熱した。得られた缶詰め食品およびフレキシブルパウチ詰め食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以上となり、咀嚼困難者用としては不適切であった。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
厚さ5mmで20mm×20mmに切断したタケノコおよびニンジンと、厚さ5mmに切断したレンコンおよびゴボウとを沸騰水で10分間茹でた。一口大に繊維を断ち切るように切断した鶏もも肉は、そのまま使用した。アルミ製の缶およびフレキシブルパウチにそれぞれ、食材を充填した。さらにリン酸架橋もち米でんぷん(松谷化学製)1質量%、ネイティブ型ジェランガム製剤(DSP五協フード・ケミカル製):0.15質量%を分散させた、分解酵素(オリエンチーム(エイチビイアイ製):0.3質量%、パパインW−40(天野エンザイム製):0.3質量%)と、市販調味料およびみりんをそれぞれ10質量%ずつ溶かした水溶液とを加えた。続いて、真空ポンプを接続した真空チャンバーに前記のアルミ缶およびフレキシブルパウチを入れ、90KPaの圧力下で10分間保持し、それぞれ密封した後、4℃の冷蔵庫で24時間保持した。その後、加圧加熱殺菌装置(オートクレーブSR−240、株式会社トミー精工製)を用いて120℃で30分間加熱した。得られた缶詰め食品およびフレキシブルパウチ詰め食品内の食材の硬さ(破断強度)をクリープメーター(山電製、クリープメーターRE2−33005B)により測定した結果、いずれも5×104N/m2以下となり、咀嚼困難者用として十分な軟らかさになった。いずれも元の形状はそのままであり、風味が良好で要介護者にとって食べやすい食品であった。ただし、糊化でんぷん、増粘安定剤が沈殿、凝集しており、缶詰め食品およびフレキシブルパウチ詰食品を振盪装置(SHK−U4、IWAKI製)を用いて200rpm、2時間振盪したところ、容器内の液状物の粘性不足のため、いずれも食材の形状が崩れた。なお、内容物の加熱前(酵素含浸工程)と加熱後における液状物の粘度をB型粘度計により測定した。
Claims (13)
- 容器中に、食材、分解酵素、増粘安定剤、および調味液を添加する工程と、
前記容器内において液状物中に前記増粘安定剤の存在下で、前記食材内部に前記分解酵素を導入する工程と、
前記食材を前記分解酵素と反応させて、元の形状を保持したまま軟化させる工程と、
前記容器および内容物を加熱する工程と、
を含んでなる、常温流通またはチルド流通用の容器詰め食品の製造方法であって、
前記増粘安定剤が、少なくとも、前記加熱工程において加熱後に前記液状物に粘性を付与する第1の増粘剤と、前記加熱後に前記第1の増粘安定剤を略均一に拡散させる第2の増粘安定剤とを含み、前記分解酵素導入工程において、前記第1の増粘安定剤および前記第2の増粘安定剤が前記液状物中でペースト状態または分散状態にあり、
前記分解酵素導入工程において、前記液状物の粘度が0.01mPa・s以上500mPa・s未満であり、
前記容器内において元の形状を保持したまま軟化した食材が、前記増粘安定剤が略均一に分散し、溶解した液状物中に存在し、前記液状物は、20℃でゾル状態にある時の粘度が500mPa・s以上であるか、または20℃でゲル状態にある時のゼリー強度が500N/m2以上であることを特徴とする、常温流通またはチルド流通用の容器詰め食品の製造方法。 - 前記第1の増粘安定剤が、ネイティブ型ジェランガム、未糊化でんぷん、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種である、請求項1に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記第2の増粘安定剤が、キサンタンガム、カラギーナン、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種である、請求項1または2に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記第1の増粘安定剤と前記第2の増粘安定剤の組み合わせが、ネイティブ型ジェランガムとキサンタンガム、ネイティブ型ジェランガムとカラギーナン、またはネイティブ型ジェランガムとキサンタンガムとカラギーナンであり、
前記分解酵素導入工程において前記第1の増粘安定剤および前記第2の増粘安定剤がペースト状態で存在する、請求項1に記載の容器詰め食品の製造方法。 - 前記第1の増粘安定剤と前記第2の増粘安定剤の組み合わせが、ネイティブ型ジェランガムとキサンタンガム、未糊化でんぷんとキサンタンガム、ネイティブ型ジェランガムと未糊化でんぷんとキサンタンガム、ネイティブ型ジェランガムとキサンタンガムとカラギーナン、未糊化でんぷんとキサンタンガムとカラギーナン、またはネイティブ型ジェランガムと未糊化でんぷんとキサンタンガムとカラギーナンであり、
前記分解酵素導入工程において前記第1の増粘安定剤および前記第2の増粘安定剤が分散状態で存在する、請求項1に記載の容器詰め食品の製造方法。 - 前記増粘安定剤の添加量が、前記液状物の総量に対して5質量%以上70質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記分解酵素の導入が、加圧処理、減圧処理、および凍結・解凍処理からなる群から選択される少なくとも1種の処理によって行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記酵素反応工程における前記容器内の中心温度が0℃以上70℃未満の範囲内であり、前記加熱工程における前記容器内の中心温度が70℃以上135℃以下の範囲内である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記分解酵素が、炭水化物、タンパク質、および脂質からなる群から選択される少なくとも1種の基質を分解する酵素活性を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 元の形状を保持したまま軟化した食材の硬さが、1.0×102N/m2以上5.0×106N/m2以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記調味液が、食塩、アミノ酸、糖類、油脂、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、および医療用造影剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記調味液が、有機酸およびその塩を用いてpH3〜pH10の範囲に調整されたものである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
- 前記容器が、缶、瓶、陶器、磁器、フレキシブルパウチ、樹脂成形容器、およびフィルム成形容器からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の容器詰め食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016007866A JP6304836B2 (ja) | 2016-01-19 | 2016-01-19 | 容器詰め食品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016007866A JP6304836B2 (ja) | 2016-01-19 | 2016-01-19 | 容器詰め食品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017127222A true JP2017127222A (ja) | 2017-07-27 |
JP6304836B2 JP6304836B2 (ja) | 2018-04-04 |
Family
ID=59395949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016007866A Active JP6304836B2 (ja) | 2016-01-19 | 2016-01-19 | 容器詰め食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6304836B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017216905A (ja) * | 2016-06-06 | 2017-12-14 | 公益財団法人東洋食品研究所 | 容器入り加工食品および容器入り加工食品の製造方法 |
JP2018023327A (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | きのこ含有レトルト容器入り液状食品 |
WO2020105590A1 (ja) * | 2018-11-20 | 2020-05-28 | 海商株式会社 | 包装された調理済魚介製品およびその製造方法 |
WO2021045204A1 (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 海商株式会社 | 包装された魚肉練り製品 |
JP7456698B2 (ja) | 2021-06-14 | 2024-03-27 | 株式会社キティー | タンパク質食材含有食品の食感改良剤、並びにこれを使用する食感改良方法及びタンパク質食材含有食品の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008011794A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Hiroshima Pref Gov | 調理食品の製造方法 |
WO2009044538A1 (ja) * | 2007-10-02 | 2009-04-09 | En Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | 咀嚼・嚥下困難者に適した食材 |
JP2010166903A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-08-05 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 軟質化方法および軟質化動物性食材 |
JP2011024490A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 軟質化方法および軟質化植物性食品 |
WO2013146618A1 (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-03 | 大和製罐株式会社 | 容器入り固形食品およびその製造方法 |
JP2014030410A (ja) * | 2012-08-06 | 2014-02-20 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材 |
-
2016
- 2016-01-19 JP JP2016007866A patent/JP6304836B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008011794A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Hiroshima Pref Gov | 調理食品の製造方法 |
WO2009044538A1 (ja) * | 2007-10-02 | 2009-04-09 | En Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | 咀嚼・嚥下困難者に適した食材 |
JP2013063094A (ja) * | 2007-10-02 | 2013-04-11 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 咀嚼・嚥下困難者に適した食材 |
JP2010166903A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-08-05 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 軟質化方法および軟質化動物性食材 |
JP2011024490A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 軟質化方法および軟質化植物性食品 |
WO2013146618A1 (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-03 | 大和製罐株式会社 | 容器入り固形食品およびその製造方法 |
JP2014030410A (ja) * | 2012-08-06 | 2014-02-20 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017216905A (ja) * | 2016-06-06 | 2017-12-14 | 公益財団法人東洋食品研究所 | 容器入り加工食品および容器入り加工食品の製造方法 |
JP2018023327A (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 | きのこ含有レトルト容器入り液状食品 |
WO2020105590A1 (ja) * | 2018-11-20 | 2020-05-28 | 海商株式会社 | 包装された調理済魚介製品およびその製造方法 |
JP2020080854A (ja) * | 2018-11-20 | 2020-06-04 | 海商株式会社 | 包装された調理済魚介製品およびその製造方法 |
WO2021045204A1 (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 海商株式会社 | 包装された魚肉練り製品 |
JP2021040615A (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-18 | 海商株式会社 | 包装された魚肉練り製品 |
JP7456698B2 (ja) | 2021-06-14 | 2024-03-27 | 株式会社キティー | タンパク質食材含有食品の食感改良剤、並びにこれを使用する食感改良方法及びタンパク質食材含有食品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6304836B2 (ja) | 2018-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5674178B2 (ja) | 硬質容器入り食品およびその製造方法 | |
JP4947630B2 (ja) | 調理食品の製造方法 | |
JP6304836B2 (ja) | 容器詰め食品の製造方法 | |
JP5424181B2 (ja) | 咀嚼・嚥下困難者用食品及び咀嚼・嚥下困難者用食品の製造方法 | |
US20080311174A1 (en) | Food and Process for Producing Food | |
JP5093658B2 (ja) | 熟成食品の製造方法 | |
JP6052654B2 (ja) | やわらか食材の製造方法及びその食品 | |
JPWO2011099354A1 (ja) | 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材 | |
CN102266112A (zh) | 冷冻微波即食食品的制造方法 | |
JP2015159753A (ja) | 加工食品およびその製造方法 | |
JP7173516B2 (ja) | 形状保持型軟化食品の製造方法 | |
JP4850943B2 (ja) | 酵素処理液、軟質化方法および軟質化動物性食材 | |
JP2009219469A (ja) | サラダの製造方法 | |
JP4850942B2 (ja) | 軟質化方法および軟質化動物性食材 | |
CA1071920A (en) | Canning process | |
JP4083779B2 (ja) | 加工固形食品の製造方法 | |
TWI424816B (zh) | Processing solid food and its manufacturing method | |
JP2017148066A (ja) | 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品 | |
CN107927635B (zh) | 麒麟菜即食食品及其调味料和制备方法 | |
CN104544372A (zh) | 一种经过梯度式低温长时间杀菌工艺处理的调理包 | |
JP4307285B2 (ja) | 高栄養ゼリー状食品 | |
JP5149774B2 (ja) | 気泡入り加工食品 | |
JP7093883B1 (ja) | 容器詰め食品の製造方法 | |
JP2017216905A (ja) | 容器入り加工食品および容器入り加工食品の製造方法 | |
JP4671835B2 (ja) | 魚介類を用いた常温保存が可能な加工食品およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170908 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20170908 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170919 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20170928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171013 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171208 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180302 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6304836 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |