JP4671835B2 - 魚介類を用いた常温保存が可能な加工食品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、対象原料(魚介類等)を酸もしくはアルカリ(酸もしくはアルカリを含む水溶液等)と接触処理する加工食品の調製方法、または、該接触処理の後、該水溶液および/または他の原料(ソースや他の種類の原料等)と混合して保存する加工食品の調製方法において、上記接触処理中やそれ以降に該水溶液又は他の原料のpHが特定の値から変化し、原料に影響を及ぼすことを回避するための加工食品の調製方法が提言されている(特許文献7)。
本発明における魚介類とは、加圧加熱殺菌を行うレトルト食品に広く使用されている固形状の食品となる魚介類または、魚介類および野菜類を指し、より具体的には魚類、貝類、エビ、イカ、タコなどの魚介類および野菜類などのことである。具材の大きさは、通常調理に使用される大きさであり、ペーストなど形を止めないものは除く。
(1)カッティングおよび100℃より低い温度でブランチングのなされた魚介類または、魚介類および野菜類からなる具材を果汁と混合し、その際、pHを4.6以下に調整し、具材を構成する魚介類または、魚介類および野菜類はそれぞれの形状を維持して、具材全体に果汁が行き渡り均質な混合物となるように均質化し、密封容器に充填し、その後75〜90℃で湯殺菌する、常温保存が可能な加工食品の製造方法。
(2)魚介類が、フグ、アンコウ、およびカキからなる群から選ばれる1以上の魚介類である(1)の常温保存が可能な加工食品の製造方法。
(3)果汁が、かぼす、ゆず、すだち、レモン、およびブドウからなる群から選ばれる1以上の果汁である(1)または(2)の常温保存が可能な加工食品の製造方法。
(4)pHの調整に有機酸を用いる(1)ないし(3)のいずれかの常温保存が可能な加工食品の製造方法。
(5)pHの調整後にトレハロースを加える(1)ないし(4)のいずれかの常温保存が可能な加工食品の製造方法。
(6)pH調製後に天然甘味料を加える(1)ないし(5)のいずれかの常温保存が可能な加工食品の製造方法。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかの製造方法で得られた常温保存が可能な加工食品。
漬け液に浸ける魚介類が新鮮な外観、特有の風味と食感を維持したままのブランチング品の状態であることが、うまみが漬け液に流出することを従来のレトルト殺菌後魚介類と比べて少なくすることができるだけでなく、その後でのpHが一定範囲になるようにすることで、保存時に魚介類の食感が硬化したり、味が変化したり、残存微生物が増殖することがない。
pHを調整するためにリンゴ酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、それらを含む果実酢、穀物酢を用いても良い。
また、トレハロース等の糖を加えることで、食感に変化を与えたり、酸味のマスキングをしてもよい。ここで、pHの調整後に、糖類(オリゴ糖を含む)を加えることを第一義とし、好ましくはpHの調整後にトレハロースを加える。
さらにまた、pH調整後にステビア/甘草などの天然甘味料を加え、味を調えることもできる。
容器への充填は、通常の具材入り缶詰もしくはパウチの要領で行われる。具体的には最初に容器に固形具材を投入し、続いて漬け液を充填し、缶詰の場合は巻き締め殺菌を行い、パウチの場合は溶封殺菌を行う。
この加熱処理後、耐熱菌、好気性の耐熱芽胞、嫌気性の耐熱芽胞などの微生物が生存するが、これらの菌は常温でpH4.6以下では増殖することが不可能であるため、常温の保存性・安全性について確保できる。
(フグ切り身の調製法)
原料として頭・内臓・皮を除いたフグを用いた。フグは1個が25g〜30gのブツ切りとなるようにカットした。充填前処理として95℃の湯にて2分間ブランチングを行い、ブランチング後氷水により冷却を行った。
(フグ鍋具材の調製法)
原料として頭・内臓・皮を除いたフグと、ニンジン、シメジ、ギンナン、コンブを用いた。フグは1個が25g〜30gのブツ切りとなるようにカットした。充填前処理としてフグを95℃の湯にて2分間ブランチングを行い、ブランチング後氷水により冷却を行った。ニンジンは厚さ2mmにスライスを行い、95℃の湯にて1分間ブランチングを行い、ブランチング後氷水により冷却を行った。シメジは石附を取り数本ずつの房に分け、95℃の湯にて1分間ブランチングを行い、ブランチング後氷水により冷却を行った。ギンナンは市販の缶詰ギンナンを用いた。コンブは2cm×4cmにカットしたものを用いた。
缶の殺菌条件として、フグ肉の中心温度が85℃×15分以上となるように設定し湯殺菌を行った。
保存性の試験として、37℃×1ヶ月間の細菌検査を経時的に行ったところ、好気性菌、嫌気性菌ともに増殖しなかったことを確認することができた。
実施例2と比較すべく、加熱殺菌後の品質が最も良いとされる含気レトルトのフグ身を用いた加工食品を製造した。製造方法は、フグ身を実施例2と同様にカット、ブランチングし、冷却し、その後、袋内を窒素にて置換を行い密封しレトルト殺菌を行うという手順である。
官能検査の結果を表1に示す。
完成した実施例1,2および参考例1の加工食品をフグ鍋としてポン酢で食した結果、実施例1および2の加工食品は、いずれも缶詰商品にはない身の軟らかさとジューシー感を持つ、新鮮なフグを加工したものであることが窺われる外観を呈し、フグ特有の風味とフグ特有の食感を維持したままのフグ袋詰め商品であったが、参考例1の加工食品は身がボソボソとして非常に商品価値の低い物であった。
(カキ鍋具材の調製法)
原料として冷凍カキを用いた。カキは予備解凍を行い、95℃の湯にて1分間ブランチングを行い、ブランチング後氷水に取り冷却を行った。漬け液として、かぼす果汁と和風だしを用いpH調整用としてクエン酸を用いてpHを4.6以下に調整した。
袋詰の配合としてはカキ100gに対し漬け液100gを袋に充填し、85℃の湯浴中で30分間の殺菌処理を行った。
保存性の試験として、37℃×1ヶ月間の細菌検査を経時的に行ったところ、好気性菌、嫌気性菌ともに増殖しなかったことを確認することができた。
対照として加熱殺菌後の品質が最も良いとされる含気レトルトのカキを調製し、官能比較を行った。カキを実施例3と同様にブランチング、冷却を行った。その後、袋内を窒素にて置換を行い密封しレトルト殺菌を行った。
官能検査の結果を表2に示す。
でき上がった実施例3の加工食品をカキ鍋としてポン酢で食した結果、身も軟らかくボソボソ感のない非常に商品価値の高い、新鮮で良質なカキを加工したものであることが窺われる外観を呈し、カキ特有の風味とカキ特有の食感を維持したままの袋詰食品として仕上がった。一方、参考例2の加工食品を官能したところ、非常に小さく凝固し、食感ももろく悪いものであった。
(アンコウ鍋具材の調製法)
原料として冷凍アンコウフィレを用いた。アンコウは予備解凍を行い、1個が25g〜30gのブツ切りとなるようにカットした。95℃の湯にて1分間ブランチングを行い、ブランチング後氷水に取り冷却を行った。漬け液として、ワイン(ブドウ果汁発酵物)を用いpH調整用としてクエン酸を用いてpHを4.6以下に調整した。
袋詰の配合としてはアンコウ100gに対し漬け液100gを袋に充填し、85℃の湯浴中で30分間の殺菌処理を行った。
保存性の試験として、37℃×1ヶ月間の細菌検査を経時的に行ったところ、好気性菌、嫌気性菌ともに増殖しなかったことを確認することができた。
対照として加熱殺菌後の品質が最も良いとされる含気レトルトのアンコウを調製し、官能比較を行った。アンコウを実施例4と同様にブランチング、冷却を行った。その後、袋内を窒素にて置換を行い密封しレトルト殺菌を行った。
官能検査の結果を表3に示す。
でき上がった実施例4の加工食品をアンコウ鍋としてポン酢で食した結果、身も軟らかくボソボソ感のない非常に商品価値の高い新鮮なアンコウを加工したものであることが窺われる外観を呈し、アンコウ特有の風味とアンコウ特有の食感を維持したままの袋詰食品として仕上がった。一方、参考例3の加工食品を官能したところ、非常に小さく凝固し、食感ももろく悪いものであった。
な外観、特有の風味と食感を維持したままのブランチング品の状態で常温長期間保管が可能となり、魚介類の食への利用性を高めることができ、家庭での利用のみならず、業務用途での利用が大いに期待される。
Claims (7)
- カッティングおよび100℃より低い温度でブランチングのなされた魚介類または、魚介類および野菜類からなる具材を果汁と混合し、その際、pHを4.6以下に調整し、具材を構成する魚介類または、魚介類および野菜類はそれぞれの形状を維持して、具材全体に果汁が行き渡り均質な混合物となるように均質化し、密封容器に充填し、その後75〜90℃で湯殺菌する、常温保存が可能な加工食品の製造方法。
- 魚介類が、フグ、アンコウ、およびカキからなる群から選ばれる1以上の魚介類である請求項1の常温保存が可能な加工食品の製造方法。
- 果汁が、かぼす、ゆず、すだち、レモン、およびブドウからなる群から選ばれる1以上の果汁である請求項1または2の常温保存が可能な加工食品の製造方法。
- pHの調整に有機酸を用いる請求項1ないし3のいずれかの常温保存が可能な加工食品の製造方法。
- pHの調整後にトレハロースを加える請求項1ないし4のいずれかの常温保存が可能な加工食品の製造方法。
- pH調整後に天然甘味料を加える請求項1ないし5のいずれかの常温保存が可能な加工食品の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかの製造方法で得られた常温保存が可能な加工食品。
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JPS56151447A (en) * | 1980-04-22 | 1981-11-24 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | Preparation of can of oysters boiled in hot water |
JPH034736A (ja) * | 1989-05-31 | 1991-01-10 | Toyo Suisan Kaisha Ltd | イカ加工品の製造方法 |
JPH04234944A (ja) * | 1991-01-08 | 1992-08-24 | Kita Nippon Shokuhin Kk | 魚介類の鍋物用缶詰またはレトルト食品の製造方法 |
JP2003219841A (ja) * | 2002-01-30 | 2003-08-05 | Maruichi Suisan Kk | 生貝類の冷凍加工品及び冷凍濃縮液とその製造方法 |
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