JP2005261380A - 密封容器入り加熱凝固卵 - Google Patents

密封容器入り加熱凝固卵 Download PDF

Info

Publication number
JP2005261380A
JP2005261380A JP2004082228A JP2004082228A JP2005261380A JP 2005261380 A JP2005261380 A JP 2005261380A JP 2004082228 A JP2004082228 A JP 2004082228A JP 2004082228 A JP2004082228 A JP 2004082228A JP 2005261380 A JP2005261380 A JP 2005261380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
egg
eggs
coagulated
nisin
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004082228A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuka Soejima
由夏 副島
Kazuto Arimitsu
和人 有満
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2004082228A priority Critical patent/JP2005261380A/ja
Publication of JP2005261380A publication Critical patent/JP2005261380A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

【課題】 本発明の目的では、浸漬液に浸漬した状態で収容してある密封容器入り加熱凝固卵であって、保存性があり、長期間保管しても卵蛋白が硬化しにくく、卵風味が良好な密封容器入り加熱凝固卵を提供することである。
【解決手段】加熱凝固卵がナイシンを添加してある浸漬液に浸漬した状態で収容してある密封容器入り加熱凝固卵であって、浸漬液に対して、ナイシンを100iu/g〜1000iu/gとなるように添加してなる密封容器入り加熱凝固卵。
【選択図】なし

Description

本発明は浸漬液に浸漬した状態で密封容器に収容した加熱凝固卵に関する。
加熱凝固卵は、茹卵、目玉焼き、厚焼卵、オムレツ、だしまき卵等があり、いずれも栄養価が高く、しかも手軽に食することができるので、古くから親しまれている食品である。茹卵は、切断してお弁当やラーメンの上に載せたり、サンドイッチに挟んだりして用いられており、また、目玉焼きは、そのままハンバーグの上に載せたり、ハンバーガーに挟んだりして用いられており、また、厚焼卵やオムレツ等は弁当の具材として用いられている。
家庭で用いる茹卵や目玉焼き等の加熱凝固卵は、加熱調理した後、一日以内に食することが殆どであるため、保存性は必要とされない。しかし、コンビニエンスストアやスーパー等のお弁当に用いられるような業務用の茹卵や目玉焼き等の加熱凝固卵は、直ぐに用いられることは殆んどなく、弁当工場やスーパーのバックヤード等の冷蔵庫で保管されることが多い。したがって、業務用の茹卵や目玉焼きは、冷蔵庫等に保管した状態で1週間〜3週間程度の保存性を持つことを求められている。
従来、上記業務用の茹卵や目玉焼きは、静菌剤を添加した浸漬液に浸漬した状態で保管することにより保存性を持たせており、厚焼卵やオムレツは静菌剤を直接添加することにより保存性を持たせてきた。また、従来用いられてきた静菌剤としては、酢酸ナトリウム、グリシン、ポリリジン、プロタミン等があげられる。
しかしながら、前述したような従来の静菌剤を用いて10℃で15日間程度の保存性を持たせようとすると、静菌剤が多量に必要となり、多量に使用すると、加熱凝固卵の蛋白が硬化したり、加熱凝固卵に異味を付与してしまうことがあり、保存性を持たせながら本来の加熱凝固卵の食感や味を望むことは困難であった。また、従来の静菌剤を添加した浸漬液を用いて、静菌剤を多量に添加せずに茹卵や目玉焼きに保存性を持たせようとした場合、茹卵又は目玉焼きを浸漬した状態での浸漬液のpHを5.0以下とする必要があった。浸漬液のpHを下げると茹卵又は目玉焼きの卵蛋白が硬化して卵特有の食感を失い、かつ、卵の風味も低下してしまうという問題があった。
特許文献上で茹卵や目玉焼きに保存性を持たせる技術として、目玉焼き液に浸漬された状態で容器詰めされてある液漬け目玉焼き(特許文献1)が提案されている。また、卵白部の柔軟性・弾力性や卵黄部のホクホク感を失わせないようにするための技術として、殻剥きした茹卵がpH7.0〜9.5の汁液中に浸漬する技術(特許文献2)、が提案されている。
特開2001−299282 特開平8−228722
しかしながら、上記特許文献1は、目玉焼きを浸漬する液に保存料及び/又は静菌剤を添加してあるものの、特許文献1に記載してあるような保存料及び/又は静菌剤を添加したとしても、保存性がありながらも卵白が柔らかい目玉焼きを得ることは難しいので望ましくない。また、上記特許文献2は、pHが7.0〜9.5と酸性側でないため茹卵の卵白の柔軟性はあるものと考えられるが、長期間の保存性が確保できないと考えられるため、保存性を要望される場合には望ましくない。
そこで、本発明の目的は、浸漬液に浸漬した状態で収容してある密封容器入り加熱凝固卵であって、保存性がありながらも、卵蛋白が硬化し難く、卵風味が良好な密封容器入り加熱凝固卵を提供することである。
本発明は、(1)加熱凝固卵がナイシンを添加してある浸漬液に浸漬した状態で収容してある密封容器入り加熱凝固卵、(2)加熱凝固卵が茹卵又は目玉焼きである(1)記載の密封容器入り加熱凝固卵、(3)浸漬液に対して、ナイシンを100iu/g〜1000iu/gとなるように添加してなる(1)又は(2)記載の密封容器入り加熱凝固卵、である。
本発明は、茹卵又は目玉焼き等の加熱凝固卵の浸漬液にナイシンを添加することで、保存性がありながらも、卵蛋白が硬化し難く、かつ、卵風味が良好である密封容器入り加熱凝固卵を得ることができ、得られた加熱凝固卵は、家庭で手作りした茹卵や目玉焼き等の加熱凝固卵と同程度に美味しいものである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
本発明の浸漬液とは、茹卵や目玉焼き等の加熱凝固卵に保存性を持たせるために加熱凝固卵を浸漬する液である。浸漬液には、塩味、醤油味等好みの味付けにするために、食塩、砂糖、アミノ酸、核酸、醤油、胡椒、からし等の調味料や、クエン酸、リンゴ酸、乳酸等の酸味料、キサンタンガム、タマリンドガム等の増粘材等を添加してもよい。
本発明で用いる密封容器は、密封可能であり、食品に用いることができればよく、材質、形状等は特に制限はない。例えば、プラスチック製の硬質な容器、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ビニル製の軟質な容器等が挙げられる。
本発明において、加熱凝固卵とは、卵を用いて加熱凝固した食品であって、浸漬液に浸漬可能な程度に加熱凝固した食品である。例えば、茹卵、目玉焼き、厚焼卵、オムレツ、だしまき卵等が挙げられる。加熱凝固食品のなかでも、茹卵又は目玉焼きは、本発明の効果が得られ易いため好ましい。ここでいう茹卵は、卵白が熱変性により、殻を剥くことができる程度に凝固しており、殻剥きしたものである。卵黄の凝固具合は特に問わず、流動性のある液状から凝固してほぐれやすい状態にまで、加熱されているものを含む。また、目玉焼きは、卵を割ったり、或いは卵黄と卵白それぞれを加工してから組み合わせて、焼成、蒸し焼き等公知の加熱法にて加熱して卵の一部又は全部をいわゆる目玉状に凝固させたものである。
なお、茹卵や目玉焼き等の加熱凝固卵に用いる原料としては、鶏卵、鶉卵、アヒル卵等用いることができる。
本発明では、加熱凝固卵を浸漬する浸漬液に、ナイシンを添加することで、保存性を有しながらも、茹卵や目玉焼き等の加熱凝固卵の硬化が起こり難く、異味が少ない密封容器入り加熱凝固卵を得ることができる。
ナイシンは、乳酸菌が生産するバクテリオシンであり、グラム陽性菌に対して抗菌作用を持ち、ヒトの腸管中で消化酵素により分解されるため安全性が高いとされている物質である。前記ナイシンを含有している製剤としては、例えば、DANISCO社製のNISAPLINがある。
ナイシンは、添加量が多くなるほど加熱凝固卵の保存性が向上し、添加量を多くすると品質には問題ないものの浸漬液が白濁してお客様に好まれない外観となる傾向があるため、浸漬液に対してのナイシンの添加量は、100iu/g〜1000iu/gが望ましく、200iu/g〜500iu/gであるとより望ましい。
以下、本発明の代表的な製造方法を説明するが、特にこの方法に限定するものではない。ここでは、加熱凝固卵が茹卵である場合を記載する。
まず、殻付生卵を用意する。殻付生卵は必要に応じ、卵殻表面に付着した糞等を除去するために卵殻表面を洗浄する。
卵白が熱変性により凝固し、殻を剥くことができる程度まで、殻付生卵を加熱し、冷却し、殻を剥いて、茹卵を得る。加熱の程度は卵の大きさや形にもよるが、80℃〜100℃で5分間〜30分間程度加熱すればよく、加熱しすぎると硫化黒変が発生してしまうので注意を要する。また、過加熱にならないように加熱後は速やかに冷却することが望ましい。なお、加熱方法は、湯中加熱、蒸煮加熱、シャワー式加熱等適宜選択すればよい。
次に、浸漬液を調製する。浸漬液は、ナイシン、清水、その他調味料等を均一となるように、攪拌混合する。
得られた茹卵は、調製した浸漬液とともに、密封容器に収容して密封し、本発明の密封容器入り加熱凝固卵とする。
なお、密封容器に収容する際の加熱凝固卵と浸漬液の比率は適宜選択すればよく、例えば加熱凝固卵1部に対して浸漬液が0.5部以上、2.0部以下程度であると、加熱凝固卵が浸漬液に浸漬しやすくなるのでより望ましい。
このようにして得られた密封容器入り加熱凝固卵は、保存中に加熱凝固卵の卵蛋白の硬化が起こり難く、また、異味の発生が少なく、卵の風味が維持された密封容器入り加熱凝固卵を得ることができる。いかなる理由により、卵蛋白の硬化が起こり難く、異味の発生を抑制できるのか定かではないが、通常、密封容器入り加熱凝固卵を調製する場合、浸漬液に加熱凝固卵を入れると卵の成分が溶け出し、浸漬液のpHが上がるので、それを防止するために醸造酢等をいれて、浸漬液に加熱凝固卵を入れた状態でのpHを調節する。さらに浸漬液に従来の静菌剤を用いると、保存性を保つために、加熱凝固卵を入れた後の浸漬液のpHを5.0程度以下とすることが必要となり、pHを下げることによって卵蛋白が変性して加熱凝固卵が硬化してくる。一方、ナイシンを用いると、加熱凝固卵を入れた後の浸漬液のpHが6.5〜7.0程度であっても、保存性を保つことができ、従来品よりもpHを下げる必要がないので、加熱凝固卵が変性して硬化し難く、加熱凝固卵の本来の食感が維持されるのではないかと推察される。
次に実施例と試験例に基づき、さらに詳細に説明する。
実施例1
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)200個を95℃の湯に投入し、15分間加熱した後、4℃程度の冷水にて冷却し、殻を剥き、茹卵を得た。
下記の配合にて、各原料を攪拌混合し、浸漬液を調製した。なお、ナイシンは、DANISCO社製のNISAPLIN(ナイシン活性1.0×10iu/g)を用い、浸漬液に対してナイシンは200iu/gであった。
<配合>(%)
食塩 0.5
醸造酢 1.0
ナイシン 0.02
清水 98.48
―――――――――――――――
100
茹卵30個に対して、茹卵と調製した浸漬液の質量が1:1の割合となるように、ポリエチレン製の容器に充填密封し、本発明の密封容器入り加熱凝固卵を得た。なお、浸漬液は加熱殺菌したものを用いた。
実施例2
実施例1と同様の方法で、浸漬液の配合を下記の通り変更して、密封容器入り加熱凝固卵を得た。なお、ナイシンは、DANISCO社製のNISAPLIN(ナイシン活性1.0×10 iu/g)を用いた。浸漬液に対してナイシンは400iu/gであった。
<配合>(%)
食塩 2.5
醸造酢 1.0
ナイシン 0.04
清水 96.46
―――――――――――――――
100
実施例1と実施例2で得られた密封容器入り加熱凝固卵を10℃の冷暗所で6日間保管した後、開封して、試食を行なった。
実施例1と実施例2の密封容器入り加熱凝固卵は、両方とも茹でたての茹卵のように柔らかく、卵の風味が良好で、異味がなく、美味しい茹卵であった。
実施例3
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を目玉焼き用の円形の小型鍋に1個ずつ割り入れて、金属製のバットに並べ、スチームオーブンにて90℃で15分間蒸し焼きし、目玉焼き200個を得た。
下記の配合にて、各原料を攪拌混合し、浸漬液を調製した。なお、ナイシンは、DANISCO社製のNISAPLIN(ナイシン活性1.0×10iu/g)を用い、浸漬液に対してナイシンは1000iu/gであった。
<配合>(%)
食塩 0.5
醸造酢 1.0
ナイシン 0.1
清水 98.4
―――――――――――――――
100
目玉焼き30個に対して、目玉焼きと調製した浸漬液の質量が1:1の割合となるように、ポリエチレン製の容器に充填密封し、本発明の密封容器入り加熱凝固卵を得た。なお、浸漬液は加熱殺菌したものを用いた。
得られた密封容器入り加熱凝固卵を10℃の冷暗所で6日間保管した後に試食したところ、作りたての目玉焼きのように柔らかく、卵の風味が良好で、異味がなく、美味しい目玉焼きであった。
試験例1
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を90個用意し、95℃の湯中に投入し、15分間加熱して、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥き、茹卵を得た。
下記配合にて、各原料を攪拌混合して、対照品、1)従来の静菌剤のみ(以下「従来品」と云う)、2)ナイシン0.02%(浸漬液に対するナイシン200iu/g)添加、の3種類の浸漬液を調製した。なお、ナイシンとして、DANISCO社製のNISAOLIN(ナイシン活性1.0×10iu/g)を用い、浸漬液に対してナイシンは200iu/gであった。

<配合>(%)
対照品 1)従来品 2)ナイシン添加品
醸造酢 2.0 2.0 1.0
食塩 0.5 0.5 0.5
酢酸ナトリウム ― 1.4 ―
グリシン ― 0.7 ―
ナイシン ― ― 0.02
清水 97.5 95.4 98.48
――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100
調製した浸漬液にB.cereus菌液を5cfu/mlとなるように添加した。上述の方法で得られた茹卵5個に対して、茹卵と調製した浸漬液の質量が1:1の割合となるように、ポリエチレン製の容器に充填密封し、密封容器入り加熱凝固卵を得た。
得られた対照品、1)及び2)の密封容器入り加熱凝固卵をそれぞれ10℃の冷暗所にて6日間、13日間及び20日間保管した。保管後の各茹卵をクリーンベンチにて開封し、浸漬液を標準寒天培地による混釈培養(標準寒天培地20mlに洗浄した液を1ml分散し、35℃で2日間培養)を行い、B.cereusの消長を確認した。
Figure 2005261380
表1より、2)ナイシン0.02%(浸漬液の活性200iu/g)は、酢酸ナトリウム1.4%及びグリシン0.7%を添加している1)従来品と比較して、添加量が少ないながらも菌数が抑えられていることが読み取れ、ナイシンは、従来の静菌剤よりも、少ない添加量で保存性が向上していることが理解できる。
試験例2
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を90個用意し、95℃の湯中に投入し、15分間加熱して、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥き、茹卵を得た。
下記配合にて、各原料を攪拌混合して1)従来の静菌剤のみ(以下「従来品」と云う)、2)ナイシン0.02%(浸漬液に対してナイシン200iu/g)添加、3)ナイシン0.1%(浸漬液に対してナイシン1000iu/g)添加、となるように、3種類の浸漬液を調製した。なお、ナイシンとして、DANISCO社製のNISAPLIN(ナイシン活性1.0×10iu/g)を用いた。

<配合>(%)
1)従来品 2)ナイシン 3)ナイシン
0.02% 0.1%
醸造酢 2.0 1.0 1.0
食塩 0.5 0.5 0.5
酢酸ナトリウム 1.4 ― ―
グリシン 0.7 ― ―
ナイシン ― 0.02 0.1
清水 95.4 98.48 98.4
――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100

茹卵10個に対して、茹卵と調製した浸漬液の質量が1:1の割合となるように、ポリエチレン製の容器に充填密封し、密封容器入り加熱凝固卵を得た。なお、浸漬液は加熱殺菌したものを用いた。
得られた密封容器入り加熱凝固卵は、それぞれ10℃の冷暗所に6日間保管し、開封して茹卵を取り出した。茹卵の卵黄がほぐれやすく卵黄の硬さが測定し難かったため、卵蛋白の硬さを比較するために茹卵の卵白の硬さを測定した。また、卵の風味を比較するために、10名の訓練されたパネラーによる茹卵の試食試験を行なった。なお、茹卵の風味や硬さの評価基準をつくるため、95℃の湯中で15分間加熱して、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥いて調製した茹卵を対照品として用いた。
茹卵の卵白の硬さの測定は、レオメーター(不動工業社製、レオメーターNMR-210J-CW)を用いて、茹卵の鋭端部に直径5mmの球状のプランジャーを6cm/分の速度で押し込み、茹卵の鋭端部が5mm沈んだところで茹卵の卵白が押し返す力(応力)を測定したものであり、応力が大きいほど、茹卵の卵白が硬いことを示す。
また、表中の風味に関する評価の数値は10名のパネラーの評価結果の平均値を示す。
Figure 2005261380
表2より、酢酸ナトリウム等の静菌剤を添加した従来品1)は、応力が大きく、卵蛋白が硬化してしまい、さらに、卵の風味以外の異味が発生してしまうことが理解できる。これに対し、ナイシンを添加してある密封容器入り加熱凝固卵2)、3)は卵白の応力が小さく、卵蛋白が硬化せず柔らかいままであり、さらに、異味が感じられないか、感じられたとしても気にならず、茹卵の風味がして美味しいことが理解できる。また、ナイシンは、添加量が2)0.02%から3)0.1%と5倍量に増加しても、卵蛋白が硬化しないため、卵蛋白の硬化を気にせず添加可能であることが理解できる。
試験例3
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を100個用意し、95℃の湯中に投入し、15分間加熱して、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥き、茹卵を得た。
食塩0.5%、醸造酢1.0%であり、かつ、ナイシンの添加量が表3となるように清水の量を調整して浸漬液を製した。
茹卵15個に対して、茹卵と調製した各浸漬液の質量が1:1の割合となるように、ポリエチレン製の容器に充填密封し、密封容器入り加熱凝固卵を得た。なお、浸漬液は加熱殺菌したものを用いた。
得られた密封容器入り加熱凝固卵は、それぞれ10℃の冷暗所に6日間保管した後、開封して茹卵を取り出し、10名の訓練されたパネラーによる茹卵の試食試験を行なった。また、表中の調味液の外観及び茹卵の風味に関する評価の数値は、10名のパネラーの評価結果の平均値を示す。
また、得られた密封容器入り加熱凝固卵は、試食試験とは別に保存性試験を行なった。密封容器入り加熱凝固卵を10℃で20日間保管し、保管後の各茹卵をクリーンベンチにて開封し、浸漬液を標準寒天培地による混釈培養(標準寒天培地20mlに洗浄した液を1ml分散し、35℃で2日間培養)を行い、B.cereusの消長を確認した。
なお、茹卵の風味や硬さを比較するために、95℃の湯中で15分間加熱して、4℃の冷水にて冷却し、殻を剥いて調製した茹卵を対照品として用い、対照品は試食試験の場合は保管せずに試食した。
Figure 2005261380
表3より、ナイシンを添加した密封容器入り加熱凝固卵は、保存性があることが理解できる。ナイシンの添加量が多いほど保存性があり、0.01%(浸漬液に対してナイシン100iu/g)以上であると保存性が良好で、さらに、0.02%(浸漬液に対してナイシン200iu/g)以上であると保存性が非常に優れていることが理解できる。
そして、ナイシンを添加した密封容器入り加熱凝固卵は、添加量を多くしても対照品とほとんど変わらない卵風味である美味しい茹卵を得られることが理解できる。
また、ナイシンの添加量が0.1%(浸漬液に対してナイシン1000iu/g)以下であると浸漬液が殆んど白濁しておらず、茹卵の風味が良好であり望ましく、さらに、0.05%(浸漬液に対してナイシン500iu/g)以下であると、浸漬液が白濁しておらず、対照品と同程度に卵の風味が感じられ美味しくより望ましいことが理解できる。

Claims (3)

  1. 加熱凝固卵がナイシンを添加してある浸漬液に浸漬した状態で収容してある密封容器入り加熱凝固卵。
  2. 加熱凝固卵が茹卵又は目玉焼きである請求項1記載の密封容器入り加熱凝固卵。
  3. 浸漬液に対して、ナイシンを100iu/g〜1000iu/gとなるように添加してなる請求項1又は2記載の密封容器入り加熱凝固卵。
JP2004082228A 2004-03-22 2004-03-22 密封容器入り加熱凝固卵 Withdrawn JP2005261380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004082228A JP2005261380A (ja) 2004-03-22 2004-03-22 密封容器入り加熱凝固卵

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004082228A JP2005261380A (ja) 2004-03-22 2004-03-22 密封容器入り加熱凝固卵

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005261380A true JP2005261380A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35086538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004082228A Withdrawn JP2005261380A (ja) 2004-03-22 2004-03-22 密封容器入り加熱凝固卵

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005261380A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019524127A (ja) * 2016-08-05 2019-09-05 シージェイ チェイルジェダン コーポレーションCj Cheiljedang Corporation マイクロ波加熱前処理を含む加工食品の殺菌方法
WO2023081686A1 (en) * 2021-11-02 2023-05-11 Cargill, Incorporated Treatment of refrigerated pre-cooked egg food products

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019524127A (ja) * 2016-08-05 2019-09-05 シージェイ チェイルジェダン コーポレーションCj Cheiljedang Corporation マイクロ波加熱前処理を含む加工食品の殺菌方法
WO2023081686A1 (en) * 2021-11-02 2023-05-11 Cargill, Incorporated Treatment of refrigerated pre-cooked egg food products

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Keller Under pressure: cooking sous vide
CN103689670A (zh) 一种烧烤鳕鱼片食品的制作方法
JP6628922B1 (ja) 包装された調理済魚介製品およびその製造方法
Baldwin Sous Vide Cooking
JP4500250B2 (ja) 食肉の加工方法
CN103689669A (zh) 一种烧烤三文鱼片食品的制作方法
KR101395071B1 (ko) 가공고형식품의 제조방법
JP4083779B2 (ja) 加工固形食品の製造方法
KR20100028283A (ko) 간장게장을 장기간 염도 및 신선도 최적의 상태로 유지하여보존하는 방법
CN102754851B (zh) 一种盐焗鸡及其制备方法
JP2005261380A (ja) 密封容器入り加熱凝固卵
CN103689662A (zh) 一种烧烤三文鱼头食品的制作方法
CN103719934A (zh) 一种烧烤鲐鱼块食品的制作方法
CN103704779A (zh) 一种烧烤竹荚鱼片食品的制作方法
JP4548600B2 (ja) 揚げ凝固卵及びその製造方法
JPS6024695B2 (ja) 調理済卵加工食品の製造法
JP4007870B2 (ja) 密封容器入り茹卵
KR101551455B1 (ko) 수란의 제조방법 및 이를 이용한 수란요리
JP3311311B2 (ja) 低温加熱殺菌したイクラ製品の製造方法
JP5893948B2 (ja) 食品の加熱殺菌剤および加熱殺菌方法
JP5149774B2 (ja) 気泡入り加工食品
WO2021002366A1 (ja) パック入り焼きタラコとその製造方法
JP3443384B2 (ja) 液漬け目玉焼き
JP2008237156A (ja) 鯖のフィレ燻製品の製造方法
Asih et al. Training of spicy salted eggs making in Tanjung Kesuma Village, Purbolinggo Subdistrict, East Lampung Regency

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090123

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090209