JP4500250B2 - 食肉の加工方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、改善された食肉の加工方法およびその加工産物に関する。
日本人の食生活の洋風化の進展とも相俟って、今や、ハム、ベーコン、ソーセージなどの食肉を素材として製造された加工食品(食肉加工品)は、一般家庭での食事に欠かすことのできない食品となっている。 また、これら食肉加工品については、消費者の興味を引くだけに止まらず、その嗜好の変化に迅速に対応すべく、斬新な食味や食感、それに良好な保存性などを実現する目的で、その製造方法についても様々な改良が、これまでに提案および検討されてきている。
とりわけ、食品内に定着して、食品の保存性に大きな影響を与える微生物群の殺菌方法としては、従来より、加熱処理、保存料の使用、それにアルコール等を用いた食品表面の殺菌などが一般的であったが、これらの手段に代えて、加圧処理によって食品内の微生物を殺菌する方法が発明されている(特許文献1〜2を参照)。 この加圧処理を応用した食肉加工品の製造方法も発明されており、例えば、塩漬した原料畜肉に対して高い圧力を加えて食肉タンパク質の変性を誘発した後に、燻煙、乾燥および焙焼する工程を経ることで新規の食肉加工品が取得されている(特許文献3を参照)。 加圧処理を利用した食肉加工品の製造方法は、その後もなお、食品製造用の圧力発生装置の機能が改善するにつれて改良が加えられ、一例として、塩漬および燻煙の処理を施した原料肉を、加熱せずに、高温下で加圧殺菌処理を施す工程を経てハムを製造する方法(特許文献4を参照)なども発明されている。 また、本願出願人も、塩漬処理した原料肉を、加圧しながら熟成および乾燥せしめて、燻煙処理をせずに、生ハム、生ベーコン、生サラミ、乾燥牛肉などの生ハム類を製造する方法(特許文献5を参照)を発明している。
特開平2−312577号公報 特開平3− 22965号公報 特開平2−245160号公報 特開平6−319490号公報 特許第 2923282号公報
ハム、ベーコン、ソーセージなどの食肉を主たる素材とした食肉加工品の一般的な製造技術によれば、まず、食塩や発色剤を含む塩漬剤を原料肉に加えて、低温で漬け込みを行って塩漬処理される。 この塩漬処理は、最終製品たる食肉加工品の保水性、乳化性、結着性、または硬さや弾力性などの食感を向上させると共に、熟成風味を発現させることで、食味、美観や保存性を改良するための処理工程である。 具体的には、固形の塩漬剤を原料肉表面に擦り込んだり、あるいは、液状の塩漬剤(ピックル液とも称する)を、原料肉と混合/浸漬したり、または原料肉に注入して行われる。 特に、ブロック状原料肉(塊状原料肉)を加工して得られるハムやベーコンなどの製造においては、塊状原料肉をピックル液に浸漬したり、ピックル液を塊状原料肉に(ピックルインジェクション法によって)注入したりする湿塩漬法が利用されている。 通常、食肉用の塩漬剤には、食塩の他に、大豆たん白、卵たん白、乳たん白、血液たん白、カゼイン、澱粉などの結着材料(たん白素材)、香辛料、重合リン酸塩などの結着補強剤、硝酸塩や亜硝酸塩などの発色剤、アスコルビン酸等の酸化防止剤、着色料、カゼインナトリウムなどの乳化安定剤、糖類、グルタミン酸ナトリウムなどの調味料、ソルビン酸カリウムなどの保存料、それに、甘味料などが構成成分として利用されている。 これらの内でも、硝酸塩や亜硝酸塩、特に、亜硝酸ナトリウムは、原料肉に美麗な桃赤色系色彩を付与すると共に、原料肉でのボツリヌス菌などの好ましくない微生物の増殖抑制に寄与することが知られており、そのため、当該技術分野では、亜硝酸ナトリウムは、食肉用塩漬剤での必須成分と認識されている。
このようにして塩漬処理された原料肉は、ケーシングに充填して、あるいは裸出したままで、45〜70℃の温度条件での乾燥、および/または、サクラ、ブナ、カシなどの堅木のチップを用いて、65〜80℃の温度条件での燻煙に供される。 とりわけ、この燻煙処理を施すことで、燻煙に含まれる特有の香味成分や表面光沢(色艶)成分が原料肉に付与されるのみならず、燻煙に含まれるフェノール物質(燻煙成分)が原料肉に付着・浸透することで、原料肉の脂質成分に対して抗酸化力までもが付与される。 さらに、燻煙成分であるフェノール物質は、アルデヒド類と反応して、原料肉での微生物の増殖とその蔓延拡大を抑制する作用をも奏する。
このようにして燻煙された原料肉を加熱する。 具体的には、原料肉(肉塊)の中心温度を、30分間、63℃程度を維持するように加熱する。 こうすることで、食品衛生上、有害とされている微生物や寄生虫(旋毛虫など)が死滅して、食肉加工品の安全性が高まるので、この加熱処理は、非常に有効である。
一般的に、食肉加工品での微生物の増殖は、食塩、発色剤および燻煙成分による作用や加熱処理によって、その増殖抑制が図られている。 これらの内でも、前述したように、硝酸塩や亜硝酸塩などの発色剤の使用の有無によって、食肉加工品の保存性は多大な影響を受ける。 このことは、発色剤を使用していない食肉加工品、例えば、無塩せきソーセージのような無塩せき食肉加工品では、微生物の増殖抑制効果が加熱処理に大きく依存するために、その保存期間が極端に短いことからもうかがうことができる。
上述したように、ハム、ベーコン、ソーセージなどの食肉加工品の一般的な製造工程は、塩漬、乾燥、燻煙および加熱の工程を経るものであるが、保存性などの品質面の改善のみならず、消費者の栄養面や食味での嗜好の変化、すなわち、健康志向や高級品志向などにも対応可能な食肉加工品を実現するための製造方法が、引き続き検討されているのが実情である。 とりわけ、食肉加工品の分野において、硝酸塩および亜硝酸塩などの発色剤に依存せずに、食肉加工品の保存性を維持せしめる技術は未だ確立されていない。
上掲した従来技術で認識されていた技術課題に鑑みて、本願発明者らが、食肉加工品の製造工程について鋭意研究を行ったところ、塩漬剤の組成を変更した上で、加圧工程を新たに導入する技術思想に行き着いた。
すなわち、本願発明の要旨とするところは、硝酸塩や亜硝酸塩などの発色剤を含まない調味剤と共に漬け込みを行った原料肉を加熱し、そして、加熱をしたこれら原料肉を密閉系内で加圧する工程を含む食肉の加工方法にある。
また、本願発明の好ましい実施態様によれば、加熱に先駆けて、調味剤を用いて漬け込みを行った原料肉を、乾燥および/または燻煙する工程をさらに含む食肉の加工方法が提供される。
本願発明によると、従来の食肉用塩漬剤の主要成分である硝酸塩および亜硝酸塩などの発色剤を欠きながらも、適度の保存性を維持しつつ、しかも、良好な食味および食感を呈するハム、ベーコン、ソーセージなどの食肉加工品が実現される。
以下に、本願発明を、その製造工程に沿って詳細に説明する。
まず、本明細書で使用する「原料肉」の語は、通常、食用に供することができる肉類を指すものであり、例えば、豚肉、牛肉、馬肉、羊肉、山羊肉、家きん肉、家兎肉およびこれらの混合肉が利用できる。 また、本願発明において使用可能な肉の種類として、バラ肉、ロース肉、肩肉、もも肉およびこれらの混合肉などがあるが、これらに限定されない。 特に、原料肉としては、骨、皮、脂肪、筋などを切り落として、除去したものが好ましい。 また、凍結状態で流通される食肉は、通常は、空気解凍するか、あるいは10℃未満の冷水(流水)を用いて解凍することが好ましい。
次に、本明細書で使用する「調味剤」とは、従来の食肉用塩漬剤から発色剤、特に、硝酸塩および亜硝酸塩を除外した調製品、換言すれば、当該技術分野において、従来より塩づけ工程と呼ばれている「無塩せき」処理に用いられる調製品を指すものである。 そして、これら原料肉を、発色剤を含まない調味剤と共に漬け込みを行う。 この調味剤を用いた漬け込み方法は、従来の塩漬剤を用いた塩漬処理と同様の方法で行うことができる。
すなわち、固形の調味剤を原料肉に擦り込む方法、液状の調味剤を原料肉と混合/浸漬して漬け込む方法、それに、液状の調味剤を原料肉に注入する方法などがある。 原料肉への調味剤の浸透・分散を促すために、ロータリー式マッサージャーなどの機器を用いて、調味剤を作用させた原料肉を、真空下で機械的にマッサージ処理することもできる。
前述した通り、従来の食肉用塩漬剤には、食肉の発色を促し、かつ微生物増殖の抑制に向けた作用をする亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩が必須的に含まれているが、本願発明の調味剤では、一切の硝酸塩および亜硝酸塩を除外している。 これにより、食肉加工品に日常的に使用されていた発色剤が排除された、所謂、「無塩せき」食肉加工品の実現が可能となり、このことは、消費者の健康志向とも迎合する。
なお、本願発明の調味剤には、食塩以外にも、グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸系調味料、イノシン酸ナトリウムなどの核酸系調味料、糖類(砂糖、乳糖、ブドウ糖)、香辛料、甘味料、着色料、アスコルビン酸塩などの酸化防止剤、重合リン酸塩などの結着補強剤、ソルビン酸(塩)などの保存料、大豆たん白、卵たん白、乳たん白、血液たん白、カゼイン、澱粉などの結着材料、カゼインナトリウムなどの乳化安定剤、それに、乳酸菌(スターター)などを組み入れることができる。
本願発明で使用する調味剤の量は、過剰とならず、かつ最終製品に適度の保存性を与えながら、好適な食味を形成する観点から、食肉100重量部に対して、約30〜約50重量部、好ましくは、約40〜約50重量部、最も好ましくは、約40〜約45重量部の量で使用される。 同様に、本願発明の調味剤の主要構成成分である食塩の使用量も、過剰とならず、かつ最終製品に好適な食味(塩味)を形成する観点から、食肉100重量部に対して、約1〜約3重量部、好ましくは、約1〜約2.5重量部、最も好ましくは、約1.5〜約2重量部の量で使用される。
漬け込みを終えた原料肉は、最終製品の商品形態に応じて、漬け込みした原料肉をケーシングなどに充填してから乾燥処理に供することもできる。 あるいは、裸出したままで乾燥処理に付すことができる。 ケーシングに充填する場合のケーシング内部の形状は、原料肉を収容できる構造を具備しておればよく、例えば、円柱状、直方体状、立方体状、球状など、いずれの形状でも利用可能である。 また、これらケーシングに収容する原料肉の量は、後述するように、原料肉全体に加熱効果を及ぼしめる観点から、通常は、約4〜約9kgの量の原料肉を収容する。
そして、塩づけ処理した原料肉の水分低下および保存性向上を図るために、原料肉に対して乾燥処理を施す。 すなわち、当該技術分野で周知の乾燥器(例えば、乾燥機能を備えた全自動式燻煙装置)を用いて、約45〜約70℃で、約20〜約120分かけて、原料肉の乾燥を行う。
また、最終製品の風味の向上を図りつつ、保存性を高めるために、乾燥工程を経た原料肉に対して燻煙処理を施すこともできる。 すなわち、当該技術分野で周知の全自動式燻煙装置を用いて、約65〜約80℃、約5〜約70%の湿度で、約5〜約120分かけて、原料肉の燻煙を行う。
なお、前述した乾燥および燻煙の各工程内に、複数の乾燥/燻煙工程を設けて、工程を経るに従って処理温度を段階的に高める工夫を凝らすことが望ましい。 つまり、こうすることで、原料肉表面の過度な乾燥に起因する硬化や身割れを防ぐことができるので、原料肉のより均一な乾燥を行うことができる。
次に、乾燥および/または燻煙処理を終えた原料肉を加熱する。
この加熱処理は、原料肉を加熱調理するための工程にほかならず、具体的には、当該技術分野で周知の加熱調理装置、例えば、全自動式燻煙装置、ボイル槽などを用いて、原料肉の肉塊の中心温度を、例えば、約30分間、約63℃に維持する条件またはこれと同等以上の条件下で加熱調理を行う。 加熱調理を終えた原料肉は、速やかに冷却する。 冷却方法としては、水冷や空冷を含めた各種冷却方法が利用できる。 また、冷却庫や冷却装置などを用いて、原料肉を強制的に冷却することもできる。 なお、この加熱条件は、原料肉の肉種、由来部位、大きさ、商品形態などによって変化するものであるが、当業者であれば適宜任意に調整することができる。
加熱調理を終えて冷却した原料肉を、当該技術分野で周知の食肉用スライサーなどで、スライス加工する。 スライスして得られた板状の肉塊(調理肉)は、裸出したままで、次工程(加圧工程)に供することができる。
あるいは、スライスして得られた調理肉は、当該技術分野で周知の真空包装機などを用いてプラスチック製バッグやプラスチックフィルムのような包材で密封包装することができる。 このような包装を行うことで、次工程で調理肉を加圧する際に、調理肉全体に均等に加圧することが可能となり、しかも、加圧処理後の微生物との接触が回避されるので、有害微生物による二次汚染をも防止できる。 つまり、調理肉を密封包装することで、調理肉への微生物の接触が断たれると共に、調理肉に残存する微生物の増殖を効果的に抑制することも可能となり、ひいては食肉加工品の長期保存を可能ならしめるのである。
次に、未包装または包装済の調理肉を、液状媒体を満たした加圧処理ユニット内で加圧処理する。 具体的には、当該技術分野で周知の高圧滅菌装置に包装済調理肉を投入し、閉蓋されて形成された密閉系内で液状媒体(例えば、水)に圧力を加えて、高圧滅菌処理を行う。 本願発明で使用する加圧条件は、最終製品に適度の保存性を与えながら、不快な食味の変化を招かないとの観点から、約500〜約625MPa、好ましくは、約600MPa前後の圧力を、約5〜約15分間、好ましくは、約5〜約10分間にわたって加える。 これはすなわち、圧力が約500MPaに満たないと、満足のゆく殺菌効果や保存性が獲得できず、逆に、約625MPaを超えてしまうと、断熱圧縮作用に起因する密閉系内の温度上昇が顕著になって、一旦加熱した調理肉に改めて熱が加わってしまい、不快な食味の発現を招くなどの理由によるものである。 同様に、加圧時間が5分に満たないと、良好な殺菌効果や保存性の獲得が望めず、逆に、加圧時間が10分を超えてしまうと、製造効率が落ちてしまう上に、前述した断熱圧縮作用に起因する温度上昇を招いて、食味や食感などの最終製品の品質に好ましくない影響が出現してしまう。
また、加圧時の密閉系内の温度は、約6〜約20℃、好ましくは、約10℃未満の低温領域設定する。 これはすなわち、温度が約6℃に満たないと、加圧処理を終えて減圧する際に、液状媒体(特に、水)が凍結するおそれがあり、逆に、約20℃を超えてしまうと、圧力を増大する過程で加熱調理時の温度レベルにまで密閉系内の温度が上昇してしまい、調理肉のタンパク質変性を招いて、その品質低下を招くおそれがあるなどの理由によるものである。 また、圧力が約625MPaを超えてしまうと、前述した通り、断熱圧縮作用に起因する密閉系内の温度上昇が顕著になって、約20℃という密閉系内の温度上限値の維持管理が困難になってしまうので、密閉系内の温度のみならず、その圧力値にも留意することが肝要である。
なお、この加圧工程での諸条件は、原料肉の肉種、由来部位、大きさ、商品形態などによって変化するものであるが、当業者であれば、適宜、任意に調整することができる。
この加圧処理を終えた調理肉が、食肉加工品として市場に流通されることになる。
本明細書で使用する「食肉加工品」の語は、畜肉を原料肉として調製したハム、ベーコン、ソーセージを含むものである。 例えば、食肉加工品として、ロースハム、ボンレスハム、ショルダーハム、骨付ハム、ベリーハム、ラックスハムなどのハム;プレスハム、混合プレスハムなどのプレスハム;ロースベーコン、ショルダーベーコン、ミドルベーコン、サイドベーコンなどのベーコン;それに、ボロニアソーセージ、フランクフルトソーセージ、ウインナーソーセージ、リオナソーセージ、無塩せきソーセージ、セミドライソーセージ、ドライソーセージ、レバーソーセージ、レバーペースト、混合ソーセージ、生ソーセージなどのソーセージ;そして、焼豚、煮豚、蒸し豚、パストラミビーフ、チョップドハムなどがあるが、これらに限定されない。
本願発明を、その好適な実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本願発明は、これら実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。 なお、実施例において、特に断りの無い限り、1重量部は1kgとして計量を行った。
実施例1:ロースハムの製造
豚ロース肉(100kg)を、10℃以下に流水解凍し、さらに、骨と皮を除去し、次いで、余分な脂肪と筋を切り落として、原料肉を得た。 この原料肉100重量部に、以下の表1に記載の組成を有する調味剤(調味液)40重量部を、インジェクターで注入した。
Figure 0004500250
調味液を注入した原料肉を、ロータリー式マッサージャーに装着して、真空下で、18時間、機械的にマッサージして、漬け込みを行い、1日間、7℃で冷蔵した。
漬け込み工程で発生した余分な脂肪や筋を、さらに切り落とした。 そして、円柱状の通気性ケーシング(口径88mm)に、成形した原料肉(約8kg)を詰めて、ケーシングの両端を結紮した。
ケーシングに充填した原料肉を、全自動燻煙装置(エアコンスモークハウス、花木工業株式会社製)内に置いて乾燥した。 次いで、乾燥を終えた原料肉を、全自動燻煙器内に置いて、65〜80℃、5〜70%の湿度で、5〜120分かけて燻煙した。 次に、燻煙処理を終えた原料肉を、全自動燻煙装置を用いて、その中心温度を、63℃に、30分間維持する条件と同等以上の条件下で加熱調理を行った。 その後、加熱調理した原料肉を、冷蔵庫内で、一晩、2℃で保存した。
加熱調理を終えて冷却した原料肉を、スライス加工した。 スライスして得られた板状の肉塊(調理肉)を、真空包装機などを用いてPET(ポリエチレンテレフタレート)/共押出しフィルムで真空包装した。 密封包装された調理肉を、加圧処理装置(WAVE 6000/150;NC Hyperbaric 社製)内の水槽内に投入し、水槽を閉蓋して密閉系を形成し、6〜23℃で、5分間、600MPaで加圧を行った。
この一連の工程を経て、無塩せきロースハムが製造された。
実施例2:ベーコンの製造
豚ばら肉(100kg)を、10℃以下に流水解凍し、さらに、骨と皮を除去し、次いで、余分な脂肪と筋を切り落として、原料肉を得た。 この原料肉100重量部に、以下の表2に記載の組成を有する調味剤(調味液)40重量部を、インジェクターで注入した。
Figure 0004500250
調味液を注入した原料肉を、ロータリー式マッサージャーに装着して、真空下で、16時間、機械的にマッサージして、漬け込みを行い、1日間、7℃で冷蔵した。
漬け込み工程で発生した余分な脂肪や筋を、さらに切り落とした。 そして、リティナー(幅22cm、奥行き44.5〜50.0cm、高さ4.0〜4.5cmの内寸)の内面に特化紙を敷き、その紙面上に成形した原料肉(約4kg)を隙間無く置いて充填した。
リティナーに入れた原料肉を、全自動燻煙装置(エアコンスモークハウス、花木工業株式会社製)内に置いて乾燥した。 次いで、乾燥を終えた原料肉を、全自動燻煙器内に置いて、65〜80℃、5〜70%の湿度で、5〜120分かけて燻煙した。 次に、燻煙処理を終えた原料肉を、全自動燻煙装置を用いて、その中心温度を、63℃に、30分間維持する条件と同等以上の条件下で加熱調理を行った。 その後、加熱調理した原料肉を、冷蔵庫内で、一晩、2℃で保存した。
加熱調理を終えて冷却した原料肉を、スライス加工した。 スライスして得られた板状の肉塊(調理肉)を、真空包装機などを用いてPET(ポリエチレンテレフタレート)/共押出しフィルムで真空包装した。 密封包装された調理肉を、加圧処理装置(WAVE 6000/150;NC Hyperbaric 社製)内の水槽内に投入し、水槽を閉蓋して密閉系を形成し、6〜23℃で、5分間、600MPaで加圧を行った。
この一連の工程を経て、無塩せきベーコンが製造された。
実施例3:ウインナーソーセージの製造
豚肉(100kg)を、10℃以下に流水解凍し、さらに、骨と皮を除去し、次いで、余分な脂肪と筋を切り落とした。 次に、整形された豚肉を、肉挽機で、直径5mmのプレートを用いて細切りして、原料肉を得た。 この原料肉69重量部に、以下の表3に記載の組成を有する調味剤(調味液)16重量部を添加して、ブレンダーで、3分間混合し、1日間、5℃で冷蔵した。
Figure 0004500250
そして、以下の表4に記載の組成を有する調味液15重量部をさらに添加して、ブレンダーで2分間混合した。
Figure 0004500250
混合を終えた原料肉を真空ミキサー内に入れて、60cm/Hgの真空度に調整して、ミキサーで1分間混合した。
一連の混合を終えた原料肉を、自動充填機を用いて、直径18〜20mmの羊腸ケーシングに充填し、結紮、懸垂した。
ケーシングに充填された原料肉を、全自動燻煙装置(エアコンスモークハウス、花木工業株式会社製)内に置いて乾燥させた。 次いで、乾燥を終えた原料肉を、全自動燻煙器内に置いて、65〜80℃、5〜70%の湿度で、5〜120分かけて燻煙した。 次に、燻煙処理を終えた原料肉を、全自動燻煙装置を用いて、その中心温度を、63℃に、30分間維持する条件と同等以上の条件下で加熱調理を行った後に、水冷した。 その後、加熱調理した原料肉を、冷蔵庫内で、一晩、2℃で保存した。
加熱調理を終えて冷却して得られたソーセージの結紮部分を切断し、そして、真空包装機などを用いてCPP(無延伸ポリプロピレン)/アルミナ蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)/ポリエチレンフィルムとCPP/共押出しフィルムとを用いて真空包装した。 密封包装されたソーセージを、加圧処理装置(WAVE 6000/150;NC Hyperbaric 社製)内の水槽内に投入し、水槽を閉蓋して密閉系を形成し、6〜23℃で、10分間、600MPaで加圧を行った。
この一連の工程を経て、無塩せきウインナーソーセージが製造された。
実施例4:経時的保存性の検討
実施例1〜3で製造した食肉加工品に関する保存性の評価を行った。
すなわち、実施例1〜3で製造した食肉加工品A〜Iを、10℃で冷蔵した。 そして、製造直後(0日目)、10日間、20日間、それに30日間保存した食肉加工品に含まれる一般生菌数を計測した。 なお、加圧工程を省いた以外は、本願実施例1〜3に記載の手順と同一の手順を経て製造した食肉加工品を、未処理品L〜Nとした。 また、発色剤を用いた塩漬剤を用い、かつ加圧工程を省いた以外は、本願実施例1〜3に記載の手順と同一の手順を経て製造した食肉加工品を、従来品X〜Zとした。
まず、実施例1で製造された無塩せきロースハムA〜C、未処理ロースハムL、および従来のロースハムXでの一般生菌数に関する計測結果を、以下の表5に示す。
Figure 0004500250
次に、実施例2で製造された無塩せきベーコンD〜F、未処理ベーコンM、および従来のベーコンYでの一般生菌数に関する計測結果を、以下の表6に示す。
Figure 0004500250
そして、実施例3で製造された無塩せきウインナーソーセージG〜I、未処理ウインナーソーセージN、および従来のウインナーソーセージZでの一般生菌数に関する計測結果を、以下の表7に示す。
Figure 0004500250
上記表5〜7に示した結果から明らかなように、実施例1〜3で製造した食肉加工品は、製造して1ヶ月近く経過してもなお微生物の顕著な出現が認められず、その保存性が劇的に改善されていることが確認された。 また、実施例1〜3で製造した食肉加工品を実際に試食してみたところ、そのいずれもが美味であり、また良好な食感を賞味することができた。
本願発明によれば、食肉用塩漬剤の主要成分である硝酸塩や亜硝酸塩を欠きながらも、保存性に優れ、しかも、良好な食味および食感を呈するハム、ベーコン、ソーセージなどの食肉加工品が実現されるので、消費者の嗜好の変化に適合した品質を有する食肉加工品を量産する上で極めて有用である。

Claims (7)

  1. 発色剤を含まない調味剤と共に漬け込みを行った原料肉を、段階的に処理温度を高めながら45〜70℃で乾燥および/または65〜80℃で燻煙した後、加熱調理し、および、加熱調理をした原料肉を密閉系内で、5〜15分間、500MPa〜625MPa、6〜20℃の条件で加圧する、工程を含むことを特徴とする食肉の加工方法。
  2. 前記加熱調理後、加熱調理をした原料肉をスライス加工した後、前記加圧を行う請求項1に記載の方法。
  3. 前記加熱調理後、加熱調理をした原料肉をスライス加工し、スライスした原料肉を密封包装した後、前記加圧を行う請求項1に記載の方法。
  4. 前記発色剤が、硝酸塩または亜硝酸塩である請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記原料肉が、豚肉である請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法によって加工された食肉を含む食品。
  7. ハム、ベーコンまたはソーセージのいずれかの形態である請求項6に記載の食品。
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