JP4548600B2 - 揚げ凝固卵及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、茹卵、エッグパテ等の凝固卵を油ちょうした卵加工品に関する。
従来より、茹卵製品としては、プレーンタイプの他、塩や醤油で味を付けた味付けタイプのものが市場に出回っているが、味付けの幅を広げ、新たな美味しさを提供するものとして、茹卵を油ちょうした揚げ茹卵も出回っている。
揚げ茹卵としては、殻剥き茹卵に、小麦粉を水で溶いた衣生地を付けて揚げたものが一般的である。しかしながら、このような揚げ茹卵を、味付けや保存性の確保のために調味液に浸漬しておくと、揚げ衣が水分を吸収して剥がれ、外観が著しく損なわれるという問題がある。
これに対して、殻剥き茹卵をそのまま油ちょう(素揚げ)することが提案されている(特許文献1)。この素揚げ茹卵は表面がざらつき感のある粗面で表面積が大きいため、調味液に浸漬すると短時間で所望の味付けをすることが可能となる。また、この素揚げ茹卵の周りに挽肉などを被せる調理も容易となる。
しかしながら、素揚げ茹卵は、揚げ衣つきの揚げ茹卵に比べると、揚げ物特有のゴツゴツした表面の凹凸が小さく、表面の揚げ色が薄く、揚げ風味も物足りないという問題がある。
特許第3062971号公報
以上のような従来技術の問題に対し、本発明は、揚げ衣で被覆されている凝固卵の油ちょう品において、揚げ物特有の表面状態と揚げ色が良好で、香ばしい風味を付与し、調味液に浸漬しても揚げ衣が剥がれないようにすることを目的とする。
本発明者は、茹卵をはじめとする種々の凝固卵について、卵白液等の蛋白質を主成分とする衣生地を付けて油ちょうすると、表面にゴツゴツ感と良好な揚げ色と香ばしい風味を有し、調味液に浸漬しておいても揚げ衣が剥がれにくい揚げ凝固卵を得られることを見出した。
即ち、本発明は、凝固卵が、蛋白質を主成分とする衣生地を用いて形成された揚げ衣で被覆されてなる揚げ凝固卵を提供し、さらに、上述の揚げ凝固卵が調味液に浸漬されてなる調味液漬け揚げ凝固卵を提供する。
また、本発明は、凝固卵に、蛋白質を主成分とする衣生地を付着させ、油ちょうすることを特徴とする揚げ凝固卵の製造方法を提供し、こうして製造された揚げ凝固卵を調味液へ浸漬する調味液漬け揚げ凝固卵の製造方法を提供する。
本発明の揚げ凝固卵は、揚げ衣が揚げ物特有の焦げ色と揚げ物特有のゴツゴツしたあるいはざらざらした表面状態を有し、揚げ物特有の香ばしい風味も有する。
この揚げ凝固卵は、調味液に浸漬しておいても揚げ衣が剥がれにくく、良好な揚げ感を保持する。また、調味液がよく絡み、味がよくしみる。したがって、従来の液漬け凝固卵が、専らおでん等の和風だし味や、醤油ベースで味付けした油を使わない製品となっているのに対し、本発明によれば、新たな味の広がりを有する揚げ凝固卵の液漬け品を提供することも可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、「%」は特にことわりの無い限り「質量%」をいう。
本発明の揚げ凝固卵は、凝固卵に蛋白質を主成分とする衣生地を付着させ、油ちょうすることにより得られるもので、蛋白質を主原料とする揚げ衣で被覆されている。
ここで凝固卵とは、鶏、鶉、アヒル等の卵を湯、スチーム、焼成等で加熱凝固したものをいう。この具体的態様としては、茹卵のように殻付のまま卵を湯あるいはスチームで加熱凝固させたものの他、目玉焼きのように割卵後に加熱凝固させたものを含む。また、割卵後に凝固させたものには、型枠に入れて蒸煮、焼成、蒸し焼き、マイクロ波加熱等で加熱凝固させた所謂エッグパテや、厚焼き卵、オムレツ等も含む。さらに、本発明の凝固卵には、殻剥き茹卵を一旦素揚げしたものも含む。
凝固卵の形状に制限はなく、例えば、茹卵の場合、二つ割り、四つ割り、六つ割り等にカットしたものや、スライスしたものも含む。
凝固の程度は、外形を維持できる程度であればよい。例えば、茹卵の場合、卵黄は流れる程度から完全に凝固している程度まで任意の状態をとることができ、より具体的には、卵のサイズにもよるが、例えば、80〜100℃のお湯又はスチームで5〜17分間程度殻が剥ける程度まで加熱し、冷却したものを用いることができる。
凝固卵が、塩、砂糖、醤油、旨み調味料等で味付けされていてもよく、蛋白質類、糖類、澱粉類、増粘安定剤、界面活性剤、日持ち向上剤、食用油脂等を含有してもかまわない。
これらの中でも特に茹卵や、バンズ等の具材として使用されるエッグパテが好適である。茹卵やエッグパテの卵白の凝固面には、従前の衣生地は付着し難いのに対し、本発明の衣生地は良好に付着し、香ばしい揚げ衣を形成するので、本発明の効果を顕著に得ることができる。
本発明において、凝固卵を被覆する衣生地は、卵白蛋白、大豆蛋白、乳蛋白等の蛋白質を主成分とする。ここで、衣生地が、卵白蛋白、大豆蛋白、乳蛋白等の蛋白質を主成分とするとは、衣生地が専ら蛋白質とその分散媒である水からなり、蛋白質と水の合計が衣生地の70%以上であることをいう。この場合、蛋白質濃度は蛋白質の種類にもよるが、通常衣生地の約5%以上とすることが好ましい。
蛋白質を主成分とする衣生地の中でも、卵白蛋白を主成分とする衣生地が、風味と揚げ感が良好となるので好ましい。
卵白蛋白を主成分とする衣生地の主原料としては、卵白液や乾燥卵白をあげることができる。乾燥卵白は、粉末形態のまま凝固卵の表面に塗してもよいが、凝固卵の表面に衣生地を略均一の厚さに付け易くする点から、水戻し、希釈して用いることが好ましい。
卵白液としては、割卵により得られる本来の液卵白をそのまま用いてもよく、清水等で希釈して用いてもよい。清水等で希釈すると揚げ衣の食感をより柔らかくすることができる。割卵により得られる液卵白をそのまま使用する場合、予め家庭用ミキサー等で攪拌し、濃厚卵白をほぐして使用することが好ましい。また、清水等で希釈する場合に、その好ましい希釈の程度は、油ちょうの温度や時間、揚げ衣に付与したい食感等に応じて異なるが、通常、本来の液卵白換算で45%以上、より好ましくは50%以上(即ち、2倍程度までの希釈)である。これよりも卵白液中の液卵白濃度が低下すると、実質的に素揚げと変わらなくなる。一方、しっかりした揚げ衣にする場合には、液卵白に乾燥卵白を溶解する等して卵白蛋白濃度を高めた卵白液を用いてもよい。
卵白液には希釈水以外のものを添加することは特に必要ないが、風味を向上させるため、卵黄を添加してもよい。
また、澱粉の揚げ物特有の香ばしさを付与するため、卵白液には小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉)、馬鈴薯澱粉(片栗粉)等の一般に衣生地に用いられる粉類を少量添加してもよい。この添加量は、粉類を添加した卵白液を凝固卵に付着させ、油ちょう後、液漬けした場合に揚げ衣が少なくとも数日間は剥がれない程度とし、例えば、衣生地として、液卵白に粉類を添加した卵白液を茹卵に付着させる場合、粉類の添加量は30%以下とする。ただし、卵白液に粉類を添加して衣生地とするのではなく、凝固卵に卵白液を付着させる前に予め小麦粉等の粉類を塗したり、凝固卵に卵白液を付着した後、最表面に小麦粉等の粉類をまぶしたりすると揚げ衣が剥がれやすくなるので好ましくない。
その他、卵白液には、必要に応じて、塩、砂糖、醤油、旨み調味料、蛋白質類、糖類、澱粉類、増粘安定剤、界面活性剤、日持ち向上剤、食用油脂等を添加してもよい。例えば、増粘安定剤を使用することにより、揚げ衣を厚く形成することができる。
また、卵白液には、卵殻を微粉砕した卵殻粉末を分散させて用いてもよい。これにより、揚げ油の劣化を抑制し、揚げ衣のカリッとした食感を向上させることができる。卵殻粉末の好ましい平均粒径は、小さすぎると作業性が低下し、大きすぎると食感に悪影響がでる点から3〜30μmであり、5〜15μmがより好ましい。
衣生地を全卵から形成する場合、上述の液卵白を使用する場合と同様に、液全卵を適宜清水で希釈して用いることが好ましく、必要に応じて希釈水以外のものを添加してもよい。
衣生地を大豆蛋白から形成する場合、例えば、(株)光洋商会製「プロミンDS−TS」、不二製油(株)製「ニューフジプロ−1700」等を7〜9倍質量の清水で希釈して用いることが好ましい。
衣生地を乳蛋白から形成する場合、例えば、キユーピー(株)製「キユーラクトNo.8」、「キユーラクトNo.11」等を7〜9倍質量の清水で希釈して用いることが好ましい。
本発明の揚げ凝固卵において凝固卵が揚げ衣で被覆されているとは、凝固卵表面が全体的に揚げ衣で覆われている状態をいい、必ずしも凝固卵の全表面が覆われている必要はない。ただし、本発明の効果を凝固卵で実効あらしめるため、凝固卵の表面の5割以上が揚げ衣で覆われるようにすることが好ましい。
また、被覆の厚さに特に限定はない。したがって、卵白液等の液状の衣生地を用いる場合には、その衣生地に凝固卵を1度浸せばよい。
なお、卵白液等の液状の衣生地に凝固卵を浸した後には、油ちょう前に液切りしておくことが好ましい。液切りは、金網や穴あきお玉等を用いることにより、凝固卵に付着した過剰の衣生地をしたたり落とす作業である。これにより、複数の揚げ凝固卵を製造する場合に、凝固卵を覆う揚げ衣を略一様な厚さにそろえることができ、また油ちょう時の揚げカスの発生も抑制することができる。
本発明において油ちょうとは、例えば、綿実油、菜種油、大豆油、コーン油、ゴマ油、ヤシ油等の食用植物油脂、バター、ラード等の食用動物油脂の、少なくとも一種以上の油脂を加熱し、この加熱油脂の中に被加熱物を投入し、所定時間加熱処理することをいう。油ちょうにおける好ましい加熱条件は、衣生地中の蛋白濃度、原料成分の種類や量等により異なるが、液卵白換算で濃度45〜100%の卵白液を使用する場合、140〜185℃で0.8〜9分加熱することにより、硬過ぎることなく、好ましい揚げ感を有する揚げ凝固卵を得ることができる。この範囲で油ちょう温度が高ければ油ちょう時間を短くし、油ちょう温度が低ければ油ちょう時間を長くすることが好ましい。また、衣生地中の蛋白濃度が高いほど加熱時間を短くすることができる。例えば、175〜180℃で加熱する場合に、衣生地が液卵白換算で濃度80〜100%の卵白液のときは0.8〜1.5分、濃度60〜85%の卵白液のときには1〜2分、濃度45〜70%の卵白液のときには1.5〜2.5分することが好ましい。
本発明の揚げ凝固卵は、凝固卵を油ちょうしたものと、油ちょう後さらに味付けや保存のための処理を施したものを含む。これらは容器に密封されていてもよい。
味付けや保管のための処理方法に特に制限はなく、例えば、調味液に浸漬した調味液漬け揚げ凝固卵も本発明の一態様である。
ここで調味液は、醤油のように粘度の低い液体から、シチューや餡かけの餡のように粘度の高い液体まで、種々の粘度をとることができる。
調味液には、味付けのために用いる液体の他、専ら、保存性を付与するための液体も含まれる。後者の場合、調味液には、クエン酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム等のpH調整剤や、グリシン、プロタミン、ポリリジン、リゾチーム等の日持ち向上剤等が含まれ、味付けのための成分は、必ずしも含まれない。
一方、調味液を味付けのために用いる場合、その具体的な成分としては、塩、砂糖、醤油、アミノ酸、核酸、ブイヨン、コンソメ、旨み調味料、あるいは食酢、乳酸等の酸味料、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンド種子ガム等の増粘剤、小麦粉、馬鈴薯澱粉、加工澱粉等の澱粉類、乳蛋白、大豆蛋白、卵蛋白等の蛋白質類、サラダ油、菜種油、オリーブ油等の油脂類、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン脂質、リゾリン脂質等の界面活性剤、胡椒、からし粉、バジル、ハーブ、香料等を始めとして、種々の原料を任意に用いることができる。
なお、従来食品工業で大量生産されている茹卵は、油を使用しないダシ、醤油、塩味等を用いた和風味の調味液に浸漬されているものが主体である。浸漬により茹卵に中華風あるいは洋風味(イタリアン、フレンチ風)の味をマッチングさせることが困難なため、茹卵を中華風や洋風の調味液に浸漬したものは製造されていない。しかしながら、本発明の揚げ凝固卵を用いることで、凝固卵に中華風や洋風の味をマッチングさせることが容易となる。したがって、本発明の揚げ凝固卵に用いる調味液には、和風味のものだけでなく、中華風味や洋風味のものも含まれる。
また、本発明において、調味液には肉や野菜等の固形物である具材が入っていてもよい。かかる調味液に漬け込まれた揚げ凝固卵は、具材といっしょに食べる惣菜として利用される。
揚げ凝固卵を調味液に浸漬する場合に、その浸漬状態は、揚げ凝固卵全体を完全に調味液中に漬け込んでもよく、半分程度が漬かるようにしたり、ドレッシングを野菜にかけるように、調味液を揚げ凝固卵にかけるようにしてもよい。
揚げ凝固卵に調味液をかける場合、揚げ凝固卵と調味液の好ましい比率は、調味液の種類にもよるが、揚げ凝固卵1質量部に対し調味液0.1〜0.6質量部程度、容器に充填密封する場合には揚げ凝固卵1質量部に対し調味液0.7〜1.5質量部程度、肉や野菜等の具材を多く含む調味液の場合には揚げ凝固卵1質量部に対し調味液1〜3質量部程度と、好みに応じて任意に設定すればよい。
揚げ凝固卵あるいは調味液に浸漬した揚げ凝固卵を容器に密封する場合に、容器としては、食品に用いることができる種々の容器を使用でき、材質、形状等には特に制限はない。例えば、容器の形成素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単層材料、あるいは、酸素透過性の低いエチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン、その他のガスバリア材料とポリエチレン又はポリプロピレンとからなる多層材料等をあげることができる。
容器詰めして製品にするにあたり、揚げ凝固卵のみを充填してもよく、揚げ凝固卵を調味液や具材と共に充填してもよい。調味液あるいは具材を揚げ凝固卵と別個に充填し、それを揚げ凝固卵を容器詰めしたものに添付してもよい。容器に揚げ凝固卵のみを充填した製品は、ユーザーが好みの味付けで利用できる料理材料となる。また、揚げ凝固卵を調味液や具材と共に充填した製品は、そのまま美味しく食することのできる調理済み食品となる。
容器詰めの具体的手法としては、セミアセプティック充填等を行う。容器詰めに際し、窒素や炭酸ガス等の不活性ガスで容器内の気体を置換した後に密封すると、長期間にわたり風味の良い揚げ凝固卵を保存できるので好ましい。また、必要に応じて、密封後レトルト加熱殺菌等の加熱殺菌を施してもよい。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1(冷凍液卵白を原料にした衣生地の揚げ茹卵)
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)200個を、95℃の湯中で15分間加熱後10℃の冷水にて冷却した。冷却後、殻を剥き、型崩れしないように水中に保管し、殻剥き茹卵を得た。
一方、業務用で販売されているキユーピー(株)製「凍結卵白(P)」を解凍し、卵白液とした。そして、上述の茹卵を順次卵白液に浸して液切りし、175℃〜180℃に加熱した菜種油で1.5分間、油ちょうし、本発明の揚げ茹卵を得た。
対照として、殻剥き茹卵を卵白液に浸すことなく揚げした素揚げ茹卵を製造した。
本実施例の揚げ茹卵と対照品とを比較したところ、対照品は表面の揚げ感が足りず、香ばしさも欠けているのに対し、本実施例の揚げ茹卵は、表面にゴツゴツした凹凸があり、表面の揚げ感がしっかりしており、香ばしい風味が良好であった。
実施例2(生姜醤油液漬け揚げ茹卵)
醤油15%、おろし生姜3%、清水82%の調味液を一煮立ちさせた後、この調味液を実施例1の揚げ茹卵と質量比1:1で容器に充填密封し、冷却後、調味液漬け揚げ茹卵を得た。
容器詰め後、10℃で3日間保管し、開封し試食評価したところ、揚げ衣は剥がれておらず、揚げ風味が香ばしい生姜醤油味になっていた。この味と風味は、調味液に茹卵を浸漬した従来の油を使用していない茹卵では味わうことができない、新たな美味しさであった。
実施例3(冷蔵液卵白を原料にした衣生地の揚げ茹卵)
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)200個を、98℃の湯中で8分間加熱後10℃の冷水にて冷却した。冷却後、凝固卵の殻を剥き、型崩れしないように水中に保管し、殻剥き茹卵を得た。
一方、業務用で販売されている冷蔵品の「液卵白(殺菌)」キユーピー(株)製と、清水を混合し液卵白濃度70%の卵白液とした。そして、上述の茹卵を順次液卵白濃度70%の卵白液に浸して液切りし、175℃〜180℃に加熱した菜種油で2分間、油ちょうした。これを、油切りし、そのまま無菌的にナイロン−ポリエチレン製の軟質多層容器に充填し、窒素置換して容器内の気体の酸素濃度を1%以下にした後密封し、本発明の容器詰め揚げ茹卵とした。
これを4℃で3日間保管し、開封し、試食評価したところ、実施例1の揚げ茹卵と同様に表面の揚げ感がしっかりついて、香ばしい風味が良好であった。
実施例4(揚げ目玉焼き)
目玉焼き用の円形の小型鍋に薄くサラダ油を塗り、殻付生卵(鶏卵、Mサイズ)を1個ずつ割り入れて、金属製のバットに並べ、95℃に設定したスチーマーで9分間蒸し、目玉焼き200個を得た。
一方、業務用で販売されている「凍結卵白(P)」キユーピー(株)製を解凍し、卵白液とした。そして、目玉焼きを順次卵白液に浸して液切りし、170℃〜175℃に加熱した菜種油で1.5分間、油ちょうし、揚げ目玉焼きを得た。この揚げ目玉焼きをそのまま無菌的にナイロン−ポリエチレン製の軟質多層容器に充填し、窒素置換して容器内の気体の酸素濃度を1%以下にした後密封した。
これを10℃で1日間保管し、開封し、試食評価したところ、表面のゴツゴツした凹凸と揚げ感がしっかりしており、香ばしい風味が良好であった。
実施例5(ミートソース漬け揚げ茹卵及びミートソース漬け揚げ目玉焼き)
実施例3及び4で得られた容器詰め揚げ茹卵及び揚げ目玉焼きを10℃で一晩保管した後、開封し、お弁当のおかずの一品としてとして盛り合わせ、市販のキユーピー(株)製「ミートソース (アルミレスパウチ)」を開封してそのミートソースを揚げ茹卵及び揚げ目玉焼きにかけ、ミートソース漬け揚げ茹卵及びミートソース漬け揚げ目玉焼きを得た。半日保管後、試食し評価したところ、これらの衣は剥がれておらず、ミートソースがよくからみ、コク、旨みが奥深い揚げ凝固卵であった。
実施例6(乳蛋白を原料にした衣生地の揚げ茹卵及びその調味液漬け品)
キユーピー(株)製「凍結卵白(P)」に代えて、7倍質量の清水で希釈したキユーピー(株)製「キューラクトNo.8」を使用した以外は、実施例1と同様に揚げ茹卵を製造した。また、得られた揚げ茹卵を実施例2と同様に調味液に漬け、容器に充填密封した。
これを10℃で1日間保管後、開封して試食し、評価したところ、表面のゴツゴツした凹凸と揚げ感は、卵白液を衣生地にした場合に及ばないが、ほどよく焦げ色が付き、調味液漬け後に揚げ衣の剥がれはなかった。
実施例7(全卵を原料にした衣生地の揚げ凝固卵)
キユーピー(株)製「凍結卵白(P)」に代えて、キユーピー(株)「液全卵(殺菌)」を使用した以外は、実施例1と同様に揚げ茹卵を製造した。また、得られた揚げ茹卵を実施例2と同様に調味液に漬け、容器に充填密封した。
これを10℃で1日間保管後、開封して試食し、評価したところ、実施例2の調味液漬け揚げ茹卵と同様に、表面にゴツゴツした凹凸と良好な揚げ感と香ばしい風味を有し、生姜醤油がよく染みて美味しかった。
試験例1
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を95℃スチームで15分間加熱した後、4℃の水で冷却した。冷却後、殻を剥き、型崩れしないように水中に保管した。この茹卵を水切り後、表1に示した配合の衣生地で被覆し、175〜180℃の菜種油で1分間油ちょうし、油切りして揚げ茹卵とした。
得られた揚げ茹卵と、調味液として予め準備しておいた2%食塩水を、1:0.8の重量比で、ナイロン−ポリエチレン製の軟質多層容器に充填密封し、加速試験のため、90℃のお湯で10分間容器ごとに加熱し、水中で冷却し、調味液漬けの容器詰め揚げ茹卵とした。10℃で12時間以上保管後、ザルにあけて液切りし、表面全体を指で軽く2回撫で、揚げ衣の剥がれの有無を観察した。結果を表1に示す。





















Figure 0004548600
表1から、衣生地として液卵白を使用すると、液漬けしても揚げ衣の剥がれがなく、揚げ感も良好であるが(試験No.1-1)、素揚げでは、揚げ感が足りず(試験No.1-2)、粉体の澱粉を塗した後に液卵白をつけたり(試験No.1-3)、衣生地の最表面に粉体の澱粉を塗したり(試験No.1-4)、澱粉を主体とする衣生地を使用すると(試験No.1-5、1-6)、液漬け後に揚げ衣が剥がれ、外観が著しく損なわれることがわかる。
試験例2
試験例1と同様にして得た茹卵を水切り後、表2に示した配合の衣生地で被覆し、175〜180℃の菜種油で1分間又は2分間油ちょうして揚げ茹卵を得た。得られた揚げ茹卵を試食すると共に外観を観察し、以下の基準で評価した。












Figure 0004548600
評価基準:
+++ : 若干表面に歯ごたえがあり、揚げ感と香ばしい風味が良好。
++ : 揚げ感、香ばしい風味が非常に良好。
+ : 若干揚げ感、香ばしさが劣るが、揚げ凝固卵として良好。
− : 対照と実質的に同等。揚げ感、香ばしさが足りない。
表2より、衣生地中、液卵白濃度が30%以下になると、実質的に対照(素揚げ)と変わらず、油ちょう処理をしているにもかかわらず揚げ感や香ばしさが足りないことがわかる。また、油ちょうする温度と時間によって変わるが、液卵白濃度が45%以上、より好ましくは50%以上の衣生地を用いると、表面の揚げ感が良好で、香ばしさも得られる。なお、液卵白濃度が80%以上で油ちょう時間が2分間になると、揚げ感と香ばしさは良好であるが、若干歯ごたえがあり、用いる料理や好みの影響を受けると考えられる。
試験例3
表3に示した配合の衣生地を使用し、油ちょう時間を1分又は2分とする以外は試験例1-1と同様にして調味液漬けの容器詰め揚げ茹卵を製造し、揚げ衣の剥がれ具合を観察し、以下の基準で評価した。












Figure 0004548600
衣の剥がれ具合の評価基準:
2:全く剥がれておらず、外観上良好である。
1:若干剥がれ易い部分があるが、外観上問題ない。
0:衣が膨潤し剥がれており、見た目が悪い。
表3より、衣生地の配合が、液卵白70%以上かつ薄力粉等の粉体類30%以下、より好ましくは、液卵白80%以上かつ粉体類20%以下であれば、調味液に漬けても揚げ衣が剥がれないことがわかる。
本発明の揚げ凝固卵は、末端ユーザーの他、外食産業、食品メーカー、食品販売業者等の種々の食品取り扱い分野において、洋風、和風、中華などの食品区分にとらわれず、そのまま食べられる食品として、あるいはさらに調理される食品材料として、有用となる。

Claims (5)

  1. 凝固卵が、蛋白質と水とを含有する衣生地を用いて形成された揚げ衣で被覆されてなる揚げ凝固卵であって、衣生地の70%以上が蛋白質と水であり且つ蛋白質濃度が衣生地の5%以上であり、蛋白質が卵白蛋白、大豆蛋白又は乳蛋白である揚げ凝固卵
  2. 凝固卵が、卵白液又は乾燥卵白の水戻し液からなる衣生地を用いて形成された揚げ衣で被覆されてなる揚げ凝固卵。
  3. 卵白液中の液卵白濃度が45〜100質量%である請求項2記載の揚げ凝固卵。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の揚げ凝固卵が調味液に浸漬されてなる調味液漬け揚げ凝固卵。
  5. 凝固卵に、蛋白質と水とを含有する衣生地を付着させ、油ちょうを140〜185℃で0.8〜9分間行う揚げ凝固卵の製造方法であって、衣生地の70%以上が蛋白質と水であり且つ蛋白質濃度が衣生地の5%以上であり、蛋白質が卵白蛋白、大豆蛋白又は乳蛋白である製造方法
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