JP2023158379A - 食品の型崩れ防止用組成物及び型崩れが防止された食品 - Google Patents

食品の型崩れ防止用組成物及び型崩れが防止された食品 Download PDF

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Yuri Yukimitsu
朋子 内山
Tomoko Uchiyama
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、野菜、魚肉、畜肉などの食材の形状は、調理工程、具体的には加熱工程、加圧工程、酵素処理工程などの物理的・化学的処理の工程を経ることにより崩れやすくなるところ、そのような調理工程による型崩れを防ぐための組成物、及び食材の形状が保持された調理食品を提供することにある。【解決手段】 少なくとも加熱工程を含む一次調理後の食材の表面に、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化された加工澱粉をα化したものをふりかけるなどし、食材表面を被覆しておくことにより、それ以降の調理工程(調味やレンジアップなどの再調理工程。二次調理ともいう。)によって生じる食材の型崩れが防止されるため、上記の課題は解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、食品の型崩れ防止用組成物、型崩れが防止された食品、並びにその食品の製造方法に関する。
野菜、魚肉、畜肉などの食材は、冷凍解凍したり調味液で煮込んだりするとその組織が壊れ、見た目が悪くなるだけでなく食材本来の好ましい食感が損なわれて商品価値が下がることがある。
そこで、そのような食材の型崩れを防止するための剤や製造方法が検討されている。例えば、特許文献1には、アラビアガム、大豆多糖類、プルラン、アラビノガラクタン、低粘性グアーガム、低粘性ローカストビーンガム、低粘性タラガム、低粘性タマリンドガム及び低粘性コンニャクマンナンのうち少なくとも1以上を含む、食品原材料の型崩れ防止剤が開示され、特許文献2には、ネイティブ型ジェランガム、未糊化でんぷん、キサンタンガム、カラギーナンのいずれか又はそれらの組み合わせを調味液に添加しておくことにより、凍結含浸による分解酵素反応や加熱を経ても、元の形状が保持されながら軟化された食材を提供できることが開示されている。
しかし、特許文献1、2に開示されるようなガム類を含む型崩れ防止剤は、食材を調理等する際に調味液にあらかじめ添加しておくことにより使用するものであるが、魚肉や芋類など元より柔らかく崩れやすい食材については、依然、元の形状を保持することは難しい。よって、柔らかく崩れやすい食材において、また、嚥下困難者が喫食しやすいよう軟化処理が施された食材においても、元の食材の形状を維持できる新たな型崩れ防止剤が望まれていた。
特開2002-315519号公報 特開2017-127222号公報
本発明の目的は、野菜、魚肉、畜肉などの食材の形状が、調理工程により崩れることを防ぐための組成物、及び食材の形状が保持された調理食品を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、一次調理後の食材の表面にα化された特定の加工澱粉をふりかけるなどして被覆しておくことにより、それ以降の調理工程によって生じる食材の型崩れが防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下の〔1〕~〔9〕から構成されるものである。
〔1〕一次調理後の食材の表面にヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされたα化澱粉をそのまま付着させ、二次調理されてなる食品。
[2]前記α化澱粉が一次調理後の食材に対して2.5%(w/w)以上である、前記[1]記載の食品。
[3]前記一次調理及び二次調理はそれぞれに少なくとも加熱工程を含む、[1]又は[2]に記載の食品。
[4]一次調理後の食材の表面にそのまま付着させて使用するための組成物であって、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされたα化澱粉を含むことを特徴とする、二次調理による食材の型崩れ防止用組成物。
[5]前記α化澱粉が一次調理後の食材に対して2.5%(w/w)以上で用いられる、前記[4]記載の組成物。
[6]前記一次調理及び二次調理はそれぞれに少なくとも加熱工程を含む、前記[4]又は[5]に記載の組成物。
[7]一次調理後の食材の表面にヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされたα化澱粉をそのまま付着させることを特徴とする、二次調理による食材の型崩れを防止する方法。
[8]前記α化澱粉を一次調理後の食材に対して2.5%(w/w)以上で用いる、前記[7]記載の二次調理による食材の型崩れを防止する方法。
[9]前記一次調理及び二次調理はそれぞれに少なくとも加熱工程を含む、前記[7]又は[8]に記載の方法。
本発明によれば、工程が複数にわたる調理操作により生じる食材の型崩れを防止することができ、見た目が改善されるので、商品価値の高い食品を提供することができる。
本発明にいう「食材」は、植物性か動物性かの由来は問わず、ヒトが食品として摂取できる材料であればどのようなものであってもよい。植物性のものを例示するとすれば、大根、人参、芋、カボチャ、ごぼう、たけのこ、アスパラガス、小松菜、豆、きのこなどであり、動物性のものを例示するとすれば、牛肉、鶏肉、豚肉などの畜肉類、サバ、カツオ、サケ、タラ、カレイ、タコ、エビ、ホタテなどの魚介類などである。
上記の食材の形状は、とくに制限するものではないが、少なくともペーストや細かく刻んだ状態のものは意図せず、一口大又はそれ以上の大きさの塊状であることを要し、より大きい形状である場合に、本発明の型崩れ防止の効果が明確に認められる。
本発明にいう「一次調理」とは、食材の前処理、具体的には食材に水分を接触させて少なくとも加熱する工程であり、冷凍解凍、加圧、減圧、酵素処理などの軟化処理工程を付加することができる。ここで、「加熱」とは、食材の中心温度が60℃~121℃となってから30秒~30分間程度保持することを指し、例えば、焼く、茹でる、煮る、揚げる、蒸す、マイクロ波照射、レトルトなどの方法が挙げられる。また、「冷凍解凍」とは、食材が有する水を-80℃から-5℃付近の低温で氷結させてから、0℃から60℃付近の温度帯で当該氷結晶を融解させることをいう。一方、「加圧」とは、食材に圧力を加えることをいい、例えば、外液の細胞内への含浸を促進するには5~100MPa程度、細胞組織の破壊や酵素反応の促進のためには5~600MPa程度、タンパク質の変性には50~800MPa程度の圧力を加えるのが一般的である。「減圧」とは、食材にかかる圧力を減じることをいい、減圧すると食材内の液体は沸点が下がることにより容易に沸騰気化し、発生する膨脹力と収縮力により外液の物質との置換が可能となる。「酵素処理」とは、食材を構成する糖質やタンパク質などを分解して低分子化する処理のことをいう。なお、酵素処理を行う場合は、その後に加熱、加圧、pH調整などの酵素失活処理が必要となる。
本発明にいう「一次調理」とは、上述のとおりであるが、軟化処理を複数組み合わせて行うと食材は崩れやすくなり、次いで「二次調理」をすると、食材の形状はさらに崩壊しやすくなる。ここで、「二次調理」とは、一次調理された食材を調味又は加温することを目的とし、調味液に漬ける若しくは漬けないで、冷凍解凍し若しくはしないで、少なくとも加熱を含む調理工程を意味する。この加熱調理工程は、具体的には、蒸す、揚げる、焼く、煮る、レンジアップなどである。なお、嚥下困難者が食材を喫食・嚥下しやすいよう、加熱、冷凍解凍、減圧、酵素処理のすべてを施す「凍結含浸法」を一次調理として採用した場合、次いで「二次調理」を経ると食材は容易に崩壊するため、食材の形状を維持することがさらに難しくなる。
「α化澱粉」とは、一般には澱粉を水懸濁液として加熱糊化(α化)し、乾燥・粉砕したものをいう。本発明で用いるα化澱粉の原料はとくに問わないが、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉であることが好ましく、タピオカ澱粉であることがより好ましい。また、加工についていえば、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化されていることが好ましく、いずれかの処理が施されていれば、さらに架橋(リン酸架橋、アジピン酸架橋等)されたものであっても用いることができる。
上記のα化澱粉は、一次調理後に食材にふりかけたりまぶしたりするなどして付着させて用いることを必須とし、調味液にあらかじめ溶解する方法によっては、二次調理に起因する食材の崩壊を防止することができない。また、α化澱粉を食材に付着させるときは、その食材が完全に解凍された状態、すなわち、食材の表面から中心部に至るまで食品の水分が氷結していない状態であるか、加熱後十分に冷めた状態であることを要し、具体的には、3~30℃程度の常温帯であることを要する。
上記のα化澱粉は、型崩れ防止という機能の観点からは、食材100質量部に対して2.5質量部以上で付着させればよく、加えて、喫食のしやすさを考慮すれば、10質量部以下で付着させることが好ましいが、より好ましくは、3~7質量部、又は3~5質量部で付着させ、その後は、そのままの状態又は調味液に浸漬した状態で、常温、冷蔵、冷凍のいずれかの形態で保存する。当該食材は、その後、上述の「二次調理」が施される。
本発明の食材の型崩れ防止用組成物は、上述のα化澱粉を有効成分として含み、当該効果を害しない範囲で副材としてのその他の澱粉、調味料、ガム類などを含むことができる。
本発明の食材の型崩れ防止方法は、上述のα化澱粉を含む組成物を一次調理された食材に付着させる工程を必須とする。当該方法を採用すれば、その後の冷凍解凍や加熱といった二次調理による食材の型崩れが防止され、本来的に型崩れしやすい魚肉や芋類においては型崩れが有利に防止されることとなる。
本発明の食品は、上述の組成物や方法によって調理工程における食材の型崩れが防止された食品であって、特に、本来的に型崩れしやすい食材を用いて調理された食品のほか、嚥下・咀嚼困難者用のために調製された、例えば、凍結含浸法など酵素利用により形状を保持したままやわらかく調製された食品である。
以下、本発明の実施形態を記載するが、実施例に特に限定されるものではない。
(一次調理)
「一次調理」のうち、食材がもっとも崩れやすくなる調理例である「凍結含浸タラ」で本発明の効果を確認することとし、広島県立総合技術研究所・食品工業技術センターが監修する「凍結含浸法ガイドブック」及びそこに記載される特許文献(特許第4986188号、特許第5751526号、特許第6920706号など)を参照して、凍結含浸タラを調製した。詳細には、まず、タラの1.5cm幅の切身(30g前後)を複数用意し、スチームコンベクション(100℃、10分)で加熱し、室温まで冷ましてから家庭用冷凍庫で一晩冷凍した。翌日、冷蔵庫に移して完全に解凍したタラを、0.5%(w/v)タンパク質分解酵素(植物由来プロテアーゼ)の水溶液が入った容器に投入し、容器ごと真空チャンバーに入れて真空ポンプで減圧し、0.005MPaで5分間維持した。真空状態を開放してから切身だけを取り出しバットに並べ、10℃の恒温槽に移して18時間の酵素反応を行った。最後に、酵素失活のためにスチームコンベクション(100℃、10分)で加熱した。
(二次調理)
含浸液から取り出した一次調理済みのタラに各澱粉をまぶし、表1記載の配合の煮魚調味液200gの入った容器に一切れずつ投入して容器ごと急速冷凍した。翌日、電子レンジ(500W、5分)で解凍調理し、容器を軽く揺らした後の身崩れの様子を観察した。表2、表3及び表4に、電子レンジによる加熱前後の身崩れの様子写真等結果を示す。
α化されていない澱粉をまぶしても、二次調理による身崩れの防止効果は認められず、また、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされていない澱粉をまぶしても、二次調理による身崩れの防止効果は認められなかった。また、食材に対する澱粉の付着率が2.4%では当該効果は認められなかった。一方、最も効果が認められた試験区は、タピオカ澱粉を原料としてヒドロキシプロピル化したα化澱粉(マツノリンTG-600)を用いた試験区であり、身崩れがほとんど認められなかった。

Claims (9)

  1. 一次調理後の食材の表面にヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされたα化澱粉をそのまま付着させ、二次調理されてなる食品。
  2. 前記α化澱粉が一次調理後の食材に対して2.5%(w/w)以上である、請求項1記載の食品。
  3. 前記一次調理及び二次調理はそれぞれに少なくとも加熱工程を含む、請求項1又は2に記載の食品。
  4. 一次調理後の食材の表面にそのまま付着させて使用するための組成物であって、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされたα化澱粉を含むことを特徴とする、二次調理による食材の型崩れ防止用組成物。
  5. 前記α化澱粉が一次調理後の食材に対して2.5%(w/w)以上で用いられる、請求項4記載の組成物。
  6. 前記一次調理及び二次調理はそれぞれに少なくとも加熱工程を含む、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. 一次調理後の食材の表面に、ヒドロキシプロピル化又はアセチル化の加工がされたα化澱粉をそのまま付着させることを特徴とする、二次調理による食材の型崩れを防止する方法。
  8. 前記α化澱粉を一次調理後の食材に対して2.5%(w/w)以上で用いる、請求項7記載の二次調理による食材の型崩れを防止する方法。
  9. 前記一次調理及び二次調理はそれぞれに少なくとも加熱工程を含む、請求項7又は8に記載の方法。
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