JP2739296B2 - 食肉用粉末調味料及びこれで処理した食用肉又は肉製品 - Google Patents
食肉用粉末調味料及びこれで処理した食用肉又は肉製品Info
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Description
これで処理した食用肉又は肉製品に関する。更に詳しく
は、本発明は、様々な味付けと共に、柔らかく、肉汁に
富んだ状態の肉料理を作ることができる食肉用粉末調味
料及びこれで処理した食用肉又は肉製品に関する。
を用いた肉料理は数多くあるが、これらの肉調理に際し
ての焼く、炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず、肉
は適度な柔らかさを有し、そしてうま味成分である肉汁
に富んだ状態(ジューシーな状態)で食べられることが
望ましい。特に、例えば加工品でないステーキや唐揚な
どの鳥獣等の比較的大きな肉片を用いた肉料理やこれら
の肉を原料とした挽き肉を主成分とするハンバーグなど
の成型食品においては、柔らかさやジューシーさまたふ
っくらした食感は肉をおいしく食べる重要な要素とな
る。しかし、一般に上記のような肉、特にある程度の大
きさを持つ肉片は加熱調理で固く締まる性質があり、ま
た肉汁も流出して失われる傾向にある。また低品質の肉
の場合には、上記の硬さと共にスジっぽさも加わり、更
に食感が低下するとの問題もある。従って、このような
肉を使用した料理においても柔らかく、良好な食感でお
いしく食べることができる肉の改質が望まれる。
保存性を高めたり等の肉を改質する方法には種々の方法
が知られている。例えば、有機酸モノグリセリド(例、
アセチル化モノグリセリド)を使用する方法(特開昭4
9−20353号公報)、レシチンを添加した植物性液
状油脂に肉を漬け込む方法(特開昭54−62356号
公報)、カルシウム塩に重炭酸ナトリウムとHLB10
以上の乳化剤(例、ショ糖脂肪酸エステル)との少なく
とも一方を加えた軟化剤を使用する方法(特開平4−1
48663号公報)、塩類等を使用する方法(特開平4
−36167号、及び特開昭61−239862号各公
報)、及び蛋白質分解酵素を使用する方法(特開昭59
−151839号、特開平4−278063号、同5−
7476号、及び同5−252911号各公報)などが
ある。
又はジューシー感に富んだ挽き肉を主成分とする成型食
品を得ることを目的として、例えば、成型食品に重炭酸
ナトリウム、酸性剤及び安定剤を配合する方法(特開昭
54−59359号公報)、食用油脂、天然ワックス及
び食用界面活性剤からなる組成物を使用する方法(特開
平1−228427号公報)、水中油滴型乳化液を成型
食品に配合する方法(特開平5−103632号公
報)、及び油中水中油滴型乳化物を成型食品に配合する
方法(特開平5−176721号公報)などの方法も知
られている。
の検討では、これらの方法ではなお充分満足できる程の
改良には至ってない。また肉料理に際しては、肉の味付
けのために調味料を使用する場合も多いが、このような
調味料に満足できる程の肉の改質機能を付与させた調味
料は今まで提案されていない。従って、本発明の目的
は、肉質が柔らかく、肉汁に富み、またふっくらした食
感のおいしい肉料理を作ることができる食肉用粉末調味
料及びこれで処理した食用肉又は肉製品を提供すること
である。
ドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸とのエステル
を含有することを特徴とする食肉の柔軟化用の粉末調味
料にある。
グリセリドとポリカルボン酸とのエステル、及びプロテ
アーゼを含有することを特徴とする食肉の柔軟化用の粉
末調味料にもある。
該エステルとプロテアーゼとを含有する食肉の柔軟化用
粉末調味料で処理されて柔軟化した食用肉又は肉製品に
もある。
ル、あるいは該エステルとプロテアーゼとを含む食肉用
粉末調味料を用いることで様々な肉料理において肉が柔
らかく、かつ肉汁に富んだおいしい肉が得られることが
判明した。この理由は明らかではないが、特に畜肉や鳥
肉から得られたある程度の大きさの肉片、あるいはこれ
らを原料として得た挽き肉を主成分とする成型食品にお
いては、腱等の硬質タンパク(コラーゲン)が比較的多
く含まれ、これが加熱調理に際して収縮、凝集し、その
結果、肉が締まり、固くなると考えられる。本発明の食
肉用粉末調味料を使用することにより、これに含まれる
エステル、あるいは該エステルとプロテアーゼにより、
これらのタンパク質の収縮が抑制され、その結果、柔ら
かな肉が得られると考えられる。また挽き肉を主成分と
する成型食品においては、肉の柔らかさやジューシーさ
と共に、ふっくらした食感も付与され、よりおいしい成
型食品となる。
る。 (1)モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステルが、粉末調味料中に、1〜60重量
%含有されている。 (2)プロテアーゼが、粉末調味料中に、0.01〜5
0重量%(更に好ましくは、0.05〜40重量%、特
に、0.1〜30重量)含有されていることが好まし
い。 (3)前記エステルとプロテアーゼの混合重量比が、5
00:1〜1:10の範囲(更に好ましくは100:1
〜1:5)にある。
て前記エステルが、0.05〜5重量%(更に好ましく
は、0.1〜3重量%、特に0.2〜2重量%)の範囲
の添加量となるような量で使用される。 (5)食肉用粉末調味料が、肉の量に対してプロテアー
ゼが、0.001〜5重量%(更に好ましくは0.00
5〜3重量%、特に0.01〜1重量%)の範囲の添加
量となるような量で使用される。
辛料が含有されている。 (7)上記食肉が肉片である。 (8)上記肉製品が、肉片を含む冷凍食品、冷蔵食品、
又はレトルト食品などの加熱調理済食品、あるいは加熱
調理用食品である。 (9)上記肉製品が、ハンバーグ、ミートボール、ミー
トローフ、メンチカツ、ギョーザ及びシューマイからな
る群より選ばれた挽き肉を主成分とする成型食品、ある
いはこれらの冷凍食品、冷蔵食品、又はレトルト食品な
どの加熱調理済食品、又は加熱調理用食品である。
下、粉末調味料、あるいは単に調味料と称する場合があ
る)について説明する。まず本発明の特徴であるモノグ
リセリドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸とのエ
ステルについて詳述する。本発明において、モノグリセ
リドを構成する脂肪酸残基としては、例えば、グルコン
酸残基、乳酸残基、そして炭素数2〜24の飽和又は不
飽和の脂肪酸残基を挙げることができる。またジグリセ
リドを構成する脂肪酸残基は、上記モノグリセリドを構
成する脂肪酸残基として挙げた脂肪酸残基、後述するポ
リカルボン酸残基あるいはこれらが混合されたものを挙
げることができる。本発明におけるモノグリセリドある
いはジグリセリドを構成する脂肪酸残基は、好ましく
は、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸残基(更
に好ましくは炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪
酸残基)である。
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸などの飽和
ジカルボン酸;マレイン酸、メチルマレイン酸、フマル
酸、メチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸;リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸;ヒ
ドロキシカルボン酸の水酸基が酢酸、あるいはシュウ酸
等の上記で挙げたカルボン酸で全部又は一部がエステル
化されたカルボン酸(例、ジアセチル酒石酸)を挙げる
ことができる。上記の中では、コハク酸又はジアセチル
酒石酸が特に好ましい。
とポリカルボン酸とで得られるエステルは、その反応に
関与しないカルボン酸のプロトンが、遊離状態にあって
も良いし、また塩を構成していても良い。塩を構成する
対イオンとしては、例えば、カリウム、ナトリウム、カ
ルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムなどのイオ
ンを挙げることができる。
ジグリセリドとポリカルボン酸との反応モル数、脂肪酸
残基の種類などによって数種の構造のものが得られ、通
常はこれらの混合物として得られる。本発明では、モノ
グリセリドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸との
反応モル数(混合比)が1:1により得られたものであ
ることが好ましい。
リセリドとポリカルボン酸とのエステル、及び/又はジ
グリセリドとポリカルボン酸とのエステルが含まれてい
るが、これらの両者が含まれている場合の両者の含有量
比は特に限定されない。本発明においては、上記モノグ
リセリドあるいはジグリセリドと飽和ジカルボン酸との
エステル、あるいはモノグリセリドあるいはジグリセリ
ドとヒドロキシカルボン酸の水酸基が酢酸で全部又は一
部がエステル化されたカルボン酸とのエステルが好まし
い。中でも、炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪
酸のモノグリセリドとコハク酸とのエステル、又は炭素
数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリ
ドとジアセチル酒石酸とのエステルが好ましい。
エステルは、得られたエステルが、粉末状であればその
まま使用することができる。また得られたエステルが、
液状のエステルであれば、例えば、澱粉類、蛋白質類、
糖類、及び後述する調味成分などに含ませ、噴霧するな
どの方法で粉末状とすることができる。本発明の食肉用
粉末調味料には、調味料の種類によっても異なるが、前
記エステルが、0.1〜90重量%含まれていることが
好ましく、1〜60重量%含まれることが更に好まし
い。
テルの他にプロテアーゼを含む態様であってもよい。プ
ロテアーゼは特に限定はなく、種々の起源のものが使用
できる。例えば、パパインやブロメライン等の植物由来
のもの、すい臓抽出物等の動物由来のもの、あるいはか
び等の微生物由来のものなどを挙げることができる。こ
れらは単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良
い。これらの中では、麹菌由来のプロテアーゼが好まし
い。
法で粉末状とすることができるが、粉末状の市販品を使
用してもよい。前記のエステルの他にプロテアーゼを含
む態様における粉末調味料の該調味料中のエステルの含
有量は、前記のエステルを含有する粉末調味料の態様に
おける含有量と同様な量とすることができる。またプロ
テアーゼの粉末調味料における含有量は、0.01〜5
0重量%であることが好ましく、更に好ましくは、0.
05〜40重量%、特に、0.1〜30重量%である。
本発明の粉末調味料において、エステルとプロテアーゼ
との混合重量比は、500:1〜1:10の範囲(更に
好ましくは100:1〜1:5の範囲)にあることが好
ましい。
テル、あるいは該エステルとプロテアーゼとが含まれい
ることを特徴とする以外は、各種の粉末調味料とするこ
とができる。粉末調味料には、通常その基本成分として
食塩、及び香辛料が含まれるが、肉料理に応じて種々の
味付けが可能であり、使用する調味成分は特に限定され
ない。香辛料としては、例えば、マスタード、ナツメ
グ、キャラウエイ、胡椒、オールスパイス、コリアンダ
ー、クローブ、セージ、タイム、ローレル、ローズマリ
ー、バジル、セロリー、しそ、シナモン、ジンジャー、
ガーリック、オニオン、及びわさびなどを挙げることが
できる。また上記食塩及び香辛料以外に、例えば、酸味
成分(酢酸、乳酸、クエン酸など)、甘味成分(砂糖、
デンプン糖、ブドウ糖、糖アルコール、合成甘味料な
ど)、及びうま味成分(MSG、だし汁、畜肉、魚介類
あるいは野菜のストック類、蛋白加水分解物など)など
の調味成分、また野菜、海草などを適宜使用することが
できる。これらの調味成分は常法に従い粉末状として使
用する。なお、本発明の食肉用粉末調味料は、肉料理に
応じてその形態として顆粒状としてもよいし、あるいは
圧縮成型して、例えば、コンソメ、ブイヨンのようなキ
ューブ状(固形型)としてもよい。
は、例えば、ステーキ、焼き肉、焼き鳥、唐揚、生姜焼
き、ソテー、スペアリブ、ローストチキン、テリヤキ、
バーベキュー、野菜炒め用の調味料、すき焼き、肉じゃ
が、しゃぶしゃぶ用の調味料、和風、洋風ハンバーグ用
の調味料、餃子、シューマイ、春巻用の調味料、トンカ
ツ、ミンチカツ、ミートボール用の調味料、カレー、シ
チュー、ミートソース用の調味料を挙げることができ
る。
食肉用粉末調味料は、肉の量に対して前記エステルが
0.05〜5重量%(更に好ましくは、0.1〜3重量
%、特に0.2〜2重量%)の範囲の添加量となるよう
な量で使用されることが好ましい。また前記エステルと
プロテアーゼとを含む態様における本発明の食肉用粉末
調味料は、肉の量に対して前記プロテアーゼが0.00
1〜5重量%(更に好ましくは0.005〜3重量%、
特に0.01〜1重量%)の範囲の添加量となるような
量で使用されることが好ましい。
の対象となる肉は、例えば、牛、豚、羊などの畜肉、
鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等の鳥肉、あるいはアジ、
サケ、またはタラ、ヒラメなどの白身魚などの魚肉を挙
げることができるが、特に畜肉、鳥肉において効果が大
である。また肉の部位としては、カタ、モモ等の比較的
硬質のタンパク質を多く含む部位のものを用いるときに
特に効果がある。更に肉の形態としては、前述のように
肉片としての形状のあるもの(厚切り肉、薄切り肉、細
切り肉)を用いるときに特に有効であるが、上記のよう
な肉の挽き肉を主体にした成型食品においても効果があ
る。本明細書において、肉片とは、畜肉等の生肉から切
り出した、比較的形状の大きな肉(例えば、肉片の表面
積が1cm2 程度以上のもの)を意味し、例えば、ステ
ーキ、焼き肉用の肉、唐揚、フライあるいは照り焼き用
の肉などの肉片を挙げることができる。
は、焼く、炒める、揚げる、煮る、蒸すなどの調理方法
によっては制限されない。特に、本発明においては、焼
く、炒める、揚げるなどの肉料理において顕著な効果が
得られる。適用できる肉料理の例としては、焼き肉、ス
テーキ、肉野菜炒め、生姜焼き、カツフライ、唐揚、竜
田揚げ、カレー、シチュー、しゃぶしゃぶなどの比較的
大きな肉片を用いた肉料理、あるいはまたハンバーグ、
ミートボール、ミートローフ、メンチカツ、ギョーザ、
シューマイ、ワンタン、春巻、及び肉まんなどの挽き肉
を主成分とした成型食品の肉料理を挙げることができ
る。
冷蔵、あるいはレトルトなどの常温保存可能な肉片を含
む肉製品、あるいはこれらの形態の挽き肉を主成分とし
た成型食品においても適用できる。本発明の食肉用粉末
調味料で処理された肉片を含む肉製品、あるいは挽き肉
を主成分とした成型食品は、既に加熱調理されているも
のでも良いし(加熱調理済食品)、あるいはまた食べる
ときに加熱調理するように調理されているものでも良い
(未加熱調理食品、加熱調理用食品)。すなわち、加熱
調理済食品においては、これを製造する際の加熱調理工
程で本発明の食肉用粉末調味料で処理されていれば良
く、一方未加熱調理食品においては、食べるときの加熱
調理する際に本発明の食肉用粉末調味料が作用するよう
に予め肉に付着させたり、食品中に含有させる等の処理
をしておけば良い。本発明の食肉用粉末調味料で処理さ
れた肉を含む肉製品は、保存後においても、肉の柔らか
さやジューシーさが維持され、良好な風味のものとな
る。また挽き肉を主成分とする成型食品においては、柔
らかさ等と共にふっくらとした食感も付与される。本発
明の粉末調味料で処理した肉片を含む肉製品としては、
例えば、カツフライ、唐揚、カレー、ハヤシ、シチュ
ー、肉ジャガ、酢豚などを挙げることができる。また挽
き肉を主成分とした成型食品で、冷凍、冷蔵、あるいは
レトルト食品の例も前述した、ハンバーグ等を挙げるこ
とができる。
本発明を更に具体的に説明する。なお、下記の「部」は
「重量部」を表す。
調味料(1)を調製した。 コハク酸モノグリセリド:(炭素数16〜18(炭素数
18を主体)の飽和モノグリセリドとコハク酸との混合
比が1:1のエステル、花王(株)製)焼き肉用の厚さ
5mmのオーストラリア産牛モモ肉100gに対して上
記の粉末調味料(1)1gを振りかけ、200℃のホッ
トプレート上で焼成した。なお、以下で使用したコハク
酸モノグリセリドは、すべて上記と同じものである。
料(1)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例1と同様にして肉を焼成した。
に、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(炭素数16〜1
8(炭素数18を主体)の飽和モノグリセリドとジアセ
チル酒石酸との混合比が1:1のエステル、太陽化学
(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様に本発明
に従う粉末調味料(2)を調製した。ステーキ用の厚さ
2cmのオーストラリア産牛サーロイン150gに、上
記の粉末調味料(2)3gを振りかけ、200℃のホッ
トプレート上で焼成した。
料(2)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例2と同様にしてステーキを作った。
100gに、上記の実施例1で用いた粉末調味料(1)
1gを振りかけ、次いで、この上に小麦粉、卵、及びパ
ン粉の順でまぶした後、180℃のサラダ油で揚げ、ト
ンカツを作った。
料(1)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例3と同様にしてトンカツを作った。
れ約50gにぶつ切りにし、実施例2で用いた粉末調味
料(2)2gを振りかけ、醤油、酒、小麦粉をまぶした
後、160℃のサラダ油で揚げ、唐揚を作った。
料(2)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例4と同様にしてトンカツを作った。
カツを冷まし、−20℃の冷蔵庫に1週間保管後、室温
で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
カツを冷まし、−20℃の冷蔵庫に1週間保管後、室温
で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
の衣付き豚ロース肉を調製した後、これを−20℃の冷
蔵庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解凍
し、180℃のサラダ油で揚げ、トンカツを作った。
の衣付き豚ロース肉を調製した後、これを−20℃の冷
蔵庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解凍
し、180℃のサラダ油で揚げ、トンカツを作った。
50gに、パン粉18g、牛乳15g、卵35g、及び
粉末調味料(1)7gを混合して充分に練った。1個4
0gのハンバーグに成型し、200℃のホットプレート
上で焼成した。
料(1)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例7と同様にしてハンバーグを作った。
記のようにして得られた各種肉料理を20人のパネルに
より官能評価を行った。評価は、実施例と比較例で得ら
れた各肉料理の「柔らかさ」、「ジューシーさ」を比較
し、比較例に比べ実施例の方が、「明らかに柔らかい
(又はジューシー)」、「やや柔らかい(又はジューシ
ー)」、そして何れも「変わらない」の3段階で行っ
た。また、得られた各種肉料理の肉の物性値を測定し、
肉を評価した。「柔らかさ」は、ミートシェア(ワーナ
ーブラッツラー社製)による剪断応力値で表した。値が
小さい程、肉が柔らかいことを示す。「ふっくら感」
は、レオメーター(不動工業(株)製)による圧縮応力
値で表した。値が小さい程、ふっくらした食感であるこ
とを示す。結果を以下の表1に示す。
ノグリセリド又はジアセチル酒石酸モノグリセリドを含
有する本発明の粉末調味料を用いた場合(実施例1〜
4)には、該エステルを含まない粉末調味料を用いた場
合(比較例1〜4))に比べ更に肉が柔らかく、かつ肉
汁に富んだ肉料理を作ることができる。また挽き肉を使
った肉料理(ハンバーグ)においては(実施例7)、柔
らかさやジューシーさと共に、ふっくらした食感も加わ
り、非常においしくなった。更に本発明の粉末調味料を
使用して加熱調理した後、一旦冷凍庫に保管したような
肉片を含む肉製品(加熱調理済食品)(実施例5)ある
いは予め本発明の粉末調味料を使用して処理し、一旦冷
凍庫に保管し、後に加熱調理して食べるような肉片を含
む肉製品(未加熱調理食品)(実施例6)においても肉
は柔らかく、かつ肉汁に富んでおり、肉の改質効果は維
持されている。
調味料(3)を調製した。
18(炭素数18を主体)の飽和モノグリセリドとコハ
ク酸との混合比が1:1のエステル、花王(株)製) 麹菌由来のプロテアーゼ:スミチームLP−20、酵素
含有量:23重量%、新日本化学工業(株)製) 焼き肉用の厚さ5mmのオーストラリア産牛モモ肉10
0gに対して上記の粉末調味料(3)1gを振りかけ、
200℃のホットプレート上で焼成した。なお、以下で
使用したコハク酸モノグリセリドは、すべて上記と同じ
ものである。
料(3)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例8と同様にして肉を焼成した。
に、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(炭素数16〜1
8(炭素数18を主体)の飽和モノグリセリドとジアセ
チル酒石酸との混合比が1:1のエステル、太陽化学
(株)製)を使用した以外は、実施例8と同様に本発明
に従う粉末調味料(4)を調製した。ステーキ用の厚さ
2cmのオーストラリア産牛サーロイン150gに、上
記の粉末調味料(4)3gを振りかけ、200℃のホッ
トプレート上で焼成した。
料(4)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、実施
例9と同様にしてステーキを作った。
肉100gに、上記の実施例8で用いた粉末調味料
(3)1gを振りかけ、次いで、この上に小麦粉、卵、
及びパン粉の順でまぶした後、180℃のサラダ油で揚
げ、トンカツを作った。
調味料(3)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、
実施例10と同様にしてトンカツを作った。
切れ約50gにぶつ切りにし、実施例9で用いた粉末調
味料(4)2gを振りかけ、醤油、酒、小麦粉をまぶし
た後、160℃のサラダ油で揚げ、唐揚を作った。
調味料(4)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、
実施例11と同様にしてトンカツを作った。
ースカツを冷まし、−20℃の冷蔵庫に1週間保管後、
室温で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
ースカツを冷まし、−20℃の冷蔵庫に1週間保管後、
室温で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
成前の衣付き豚ロース肉を調製した後、これを−20℃
の冷蔵庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解
凍し、180℃のサラダ油で揚げた。
成前の衣付き豚ロース肉を調製した後、これを−20℃
の冷蔵庫に1週間保管した。1週間後、これを室温で解
凍し、180℃のサラダ油で揚げた。
350g、パン粉18g、牛乳15g、卵35g、及び
上記の実施例8で用いた粉末調味料(3)7gを混合し
て充分に練った。1個40gのハンバーグに成型し、2
00℃のホットプレート上で焼成した。
調味料(3)の代わりに、食塩、胡椒を用いた以外は、
実施例14と同様にしてハンバーグを作った。
記のようにして得られた各種肉料理について、前記と同
様な方法で官能評価、及び物性評価を行った。結果を以
下の表2に示す。
ノグリセリド又はジアセチル酒石酸モノグリセリドから
なるエステルとプロテアーゼとを含有する本発明の粉末
調味料を用いた場合(実施例8〜11)には、これらの
成分を含まない粉末調味料を用いた場合(比較例8〜1
1))に比べ更に肉が柔らかく、かつ肉汁に富んだ肉料
理を作ることができる。また挽き肉を使った肉料理(ハ
ンバーグ)においては(実施例14)、上記のような肉
質が柔らかく、かつ肉汁に富み、またふっくらとした食
感も加わり、非常においしくなった。更に本発明の粉末
調味料を使用して加熱調理した後、一旦冷凍庫に保管し
たような肉片を含む肉製品(加熱調理済食品)(実施例
12)あるいは予め本発明の粉末調味料を使用して処理
し、一旦冷凍庫に保管し、後に加熱調理して食べるよう
な肉片を含む肉製品(未加熱調理食品)(実施例13)
においても肉は柔らかく、かつ肉汁に富んでおり、肉の
改質効果は維持されている。
により、肉質が柔らかく、かつ肉汁に富み、また挽き肉
を主体とした料理においては、ふっくらした食感やなめ
らかな食感も加わり、各種の肉料理をよりおいしく作る
ことができる。そしてプロテアーゼを併用することで、
柔らかさも増し、スジっぽさも消え、非常に食べ易くな
る。特に、ある程度の大きさを持つ肉片を用いる肉料理
に有効である。また本発明の食肉用粉末調味料を使用す
ることにより、冷凍食品、冷蔵食品、あるいはレトルト
食品のような保存可能な肉を含む肉製品においても、そ
の保存後でも上記のような食感は維持され、肉をおいし
く食べることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 モノグリセリドあるいはジグリセリドと
ポリカルボン酸とのエステルを含有することを特徴とす
る食肉の柔軟化用粉末調味料。 - 【請求項2】 上記モノグリセリドあるいはジグリセリ
ドとポリカルボン酸とのエステルが、炭素数12〜18
の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリドとコハク酸
とのエステル、又は炭素数12〜18の飽和又は不飽和
の脂肪酸のモノグリセリドとジアセチル酒石酸とのエス
テルである請求項1に記載の食肉の柔軟化用粉末調味
料。 - 【請求項3】 モノグリセリドあるいはジグリセリドと
ポリカルボン酸とのエステル、及びプロテアーゼを含有
することを特徴とする食肉の柔軟化用粉末調味料。 - 【請求項4】 上記プロテアーゼが麹菌由来のプロテア
ーゼである請求項3に記載の食肉の柔軟化用粉末調味
料。 - 【請求項5】 モノグリセリドあるいはジグリセリドと
ポリカルボン酸とのエステルが、粉末調味料中に0.1
〜90重量%含有されている請求項1〜4のいずれかの
項に記載の食肉の柔軟化用粉末調味料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311216A JP2739296B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | 食肉用粉末調味料及びこれで処理した食用肉又は肉製品 |
Applications Claiming Priority (1)
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