JP3244382B2 - 食肉片の改質処理方法及び改質処理剤組成物 - Google Patents
食肉片の改質処理方法及び改質処理剤組成物Info
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- JP3244382B2 JP3244382B2 JP13506994A JP13506994A JP3244382B2 JP 3244382 B2 JP3244382 B2 JP 3244382B2 JP 13506994 A JP13506994 A JP 13506994A JP 13506994 A JP13506994 A JP 13506994A JP 3244382 B2 JP3244382 B2 JP 3244382B2
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Description
びこの方法で処理した食肉に関する。特に、本発明は、
焼く、揚げるなどの加熱調理によっても肉質が柔らか
く、肉汁に富み、良好な風味の肉を提供できる食肉の改
質処理方法、及びこれの方法で処理した食肉に関する。
を用いた肉料理は、数多くあるが、これらの調理に際し
ての焼く、炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず肉
は、適度な柔らかさを有し、そしてうま味成分である肉
汁に富んだ状態(ジューシーな状態)で食べられること
が望ましい。特に、例えばステーキやカツフライなどの
加工品でない比較的大きな塊の肉(肉片)を用いて調理
する場合にはこの柔らかさやジューシーさは肉をおいし
く食べるためには重要な要素である。しかし、一般に上
記のような肉は加熱調理で固く締まる性質があり、また
肉汁も流出して失われる傾向にあり、従って、肉のおい
しさを更に充分享受できるような改良が望まれる。
保存性を高めたり等の肉を改質する方法として、有機酸
モノグリセリド(例、アセチル化モノグリセリド)を使
用する方法(特開昭49−20353号公報)、レシチ
ン等の活性剤を使用する方法(特開昭54−62356
号、特開平4−148663号公報)、塩類等を使用す
る方法(特開平4−36167号、特開昭58−237
67号公報)、及び酵素を使用する方法(特開平4−2
78063号、同5−7476号、同5−252911
号公報)が知られている。しかしこれらの方法ではなお
充分満足できる程の改良には至っていない。
味、食感を改良する方法として、食肉中に油脂、あるい
は油脂と水を含む乳化物を注入し、食肉を霜降り状とす
る方法が知られている。上記乳化物には、例えばグリセ
リン脂肪酸モノエステル等の乳化剤が使用されている
(特開昭59−162853号、特開平2−22705
3号、特開平3−112464号、及び特開平3−27
7251号)。しかしながら、これらの方法は、注入す
る油脂によって肉を軟質化させており、乳化物は油脂の
注入を容易にするための一形態に過ぎず、また乳化剤
は、乳化物の調製をより安定に行うために補助的に使用
されており、従ってその添加量は極めて少量である。
調理によっても肉質が柔らかく、そして肉汁に富んだ状
態で食べることができる食肉の改質処理方法及びこの方
法で処理した食肉を提供することである。特に本発明で
は、有効成分である特定のエステルを油脂、乳化物、あ
るいは水中に含有させた態様の組成物を食肉中に注入す
ることによって食肉を改質する方法を提供することであ
る。
グリセリドとポリカルボン酸とのエステル及び/又はジ
グリセリドとポリカルボン酸とのエステルを含む組成物
を、食肉片中に上記エステルが、0.05〜10重量%
注入されるような量にて注入することを特徴とする食肉
片の改質処理方法にある。注入する組成物は、油脂及び
炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリ
セリドとコハク酸とのエステルを含む組成物、又は油脂
及び炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノ
グリセリドとジアセチル酒石酸とのエステルを含む組成
物であることが好ましい。
ドとポリカルボン酸とのエステル及び/又はジグリセリ
ドとポリカルボン酸とのエステルを含む乳化組成物を、
食肉片中に上記エステルが、0.05〜10重量%注入
されるような量にて注入することを特徴とする食肉片の
改質処理方法にある。注入する乳化組成物は、油脂、水
及び炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノ
グリセリドとコハク酸とのエステルを含む乳化組成物、
又は油脂、水及び炭素数12〜18の飽和又は不飽和の
脂肪酸のモノグリセリドとジアセチル酒石酸とのエステ
ルを含む乳化組成物であることが好ましい。
ボン酸とのエステル及び/又はジグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステルが水中に分散されてなる水性組成物
を、食肉片中に上記エステルが、0.05〜10重量%
注入されるような量にて注入することを特徴とする食肉
片の改質処理方法にある。注入する水性組成物は、炭素
数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリ
ドとコハク酸とのエステルが水中に分散されてなる水性
組成物、又は炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪
酸のモノグリセリドとジアセチル酒石酸とのエステルが
水中に分散されてなる水性組成物であることが好まし
い。
ポリカルボン酸とのエステル及び/又はジグリセリドと
ポリカルボン酸とのエステルを含み、食肉片中に上記エ
ステルが、0.05〜10重量%注入されるような量に
て注入して食肉片を改質するための組成物にもある。本
発明はまた、油脂、水及びモノグリセリドとポリカルボ
ン酸とのエステル及び/又はジグリセリドとポリカルボ
ン酸とのエステルを含み、食肉片中に上記エステルが、
0.05〜10重量%注入されるような量にて注入して
食肉片を改質するための乳化組成物にもある。 本発明は
また、モノグリセリドとポリカルボン酸とのエステル及
び/又はジグリセリドとポリカルボン酸とのエステルと
のエステルを含み、食肉片中に上記エステルが、0.0
5〜10重量%注入されるような量にて注入して食肉片
を改質するための水性組成物にもある。
ステルを含む組成物が肉の軟化等に特に有効であること
が判明した。この理由は明らかではないが、特に畜肉や
鳥肉の肉においては、腱等の硬質タンパク(コラーゲ
ン)が比較的多く含まれ、これが肉の加熱調理に際して
収縮、凝集し、その結果、肉が締まり、固くなると考え
られる。本発明の処理方法に従う、組成物の食肉中への
注入により、これに含まれるエステル成分が上記のよう
なタンパク質の収縮を抑制し、その結果、柔らかな肉が
得られると考えられる。
る。 (1)ポリカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸などの飽和ジカルボン酸;マレイン
酸、メチルマレイン酸、フマル酸、メチルフマル酸など
の不飽和ジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸な
どのヒドロキシカルボン酸;又はヒドロキシカルボン酸
の水酸基が酢酸あるいはシュウ酸等の上記で挙げたカル
ボン酸で全部又は一部がエステル化されたカルボン酸
(例、ジアセチル酒石酸)である。
0.1〜90重量%のモノグリセリドとポリカルボン酸
とのエステル及び/又はジグリセリドとポリカルボン酸
とのエステルを含む組成物である。
〜95重量%の水、及び0.1〜50重量%のモノグリ
セリドとポリカルボン酸とのエステル及び/又はジグリ
セリドとポリカルボン酸とのエステルを含む乳化組成物
である。
ドとポリカルボン酸とのエステル及び/又はジグリセリ
ドとポリカルボン酸とのエステルが10〜99.9重量
%の水中に分散されてなる水性組成物である。
1〜5重量%(更に好ましくは0.5〜3重量%)注入
されるような量にて注入する。 (6)食肉が、冷凍食品、冷蔵食品、又はレトルト食品
などの加熱調理済、あるいは加熱調理用の製品に含まれ
る肉である。
物について説明する。まず、本発明の処理方法に用いら
れる組成物に含有されているモノグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステル、あるいはジグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステル(以下、単にエステルと称する場合
がある。)について詳述する。モノグリセリドを構成す
る脂肪酸残基としては、例えば、グルコン酸残基、乳酸
残基、そして炭素数2〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸
残基を挙げることができる。またジグリセリドを構成す
る脂肪酸残基は、上記モノグリセリドを構成する脂肪酸
残基として挙げた脂肪酸残基、後述するポリカルボン酸
残基あるいはこれらが混合されたものを挙げることがで
きる。本発明におけるモノグリセリドあるいはジグリセ
リドを構成する脂肪酸残基は、好ましくは、炭素数8〜
22の飽和又は不飽和の脂肪酸残基(更に好ましくは炭
素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸残基)であ
る。
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸などの飽和ジカル
ボン酸;マレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、メ
チルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸;リンゴ酸、酒
石酸、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸;ヒドロキ
シカルボン酸の水酸基が酢酸、あるいはシュウ酸等の上
記で挙げたカルボン酸で全部又は一部がエステル化され
たカルボン酸(例、ジアセチル酒石酸)を挙げることが
できる。上記飽和ジカルボン酸の中では、コハク酸が特
に好ましい。
とポリカルボン酸とで得られるエステルは、その反応に
関与しないカルボン酸のプロトンが、遊離状態にあって
も良いし、また塩を構成していても良い。塩を構成する
対イオンとしては、例えば、カリウム、ナトリウム、カ
ルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムなどのイオ
ンを挙げることができる。
あるいはジグリセリドとポリカルボン酸との反応モル
数、脂肪酸残基の種類などによって数種の構造のものが
得られ、通常はこれらの混合物として得られる。本発明
においては、モノグリセリドあるいはジグリセリドとポ
リカルボン酸との反応モル数(混合比)が1:1により
得られたものであることが好ましい。
は、モノグリセリドとポリカルボン酸とのエステル、及
び/又はジグリセリドとポリカルボン酸とのエステルが
含まれているが、これらの両者が含まれている場合の両
者の含有量比は特に限定されない。本発明においては、
上記モノグリセリドあるいはジグリセリドと飽和ジカル
ボン酸とのエステル、あるいはモノグリセリドあるいは
ジグリセリドとヒドロキシカルボン酸の水酸基が酢酸で
全部又は一部がエステル化されたカルボン酸とのエステ
ルが好ましい。中でも、炭素数12〜18の飽和又は不
飽和の脂肪酸のモノグリセリドとコハク酸とのエステ
ル、又は炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸の
モノグリセリドとジアセチル酒石酸とのエステルが好ま
しい。
の油性組成物について説明する。油脂は、特に制限は無
く、食用油脂として一般に使用されている動植物油脂が
使用できる。例えば、ナタネ油、大豆油、綿実油、コー
ン油、ヤシ油、及びパーム油等の植物油脂、牛脂、豚
脂、乳脂、及び魚油等の動物油脂を挙げることができ
る。またこれらの分別、水素添加、及びエステル交換し
た油脂などを利用しても良い。これらの油脂は、液状、
固形のいずれの形態でも良い。
当に加温した状態(50〜80℃)で行うことが好まし
い。なお、上記組成物の調製に際し、所望により肉料理
で使用する油溶性成分(例えば、香料、色素、ビタミン
等)を添加しても良い。
油脂10〜99.9重量%及びエステル0.1〜90重
量%の配合量となるように調製することが好ましい。更
に好ましくは、油脂30〜99重量%及びエステル1〜
70重量%、特に好ましくは、油脂50〜95重量%及
びエステル5〜50重量%である。
乳化物の態様にある組成物について説明する。乳化物を
調製するための油脂は、前述の油脂中にエステルが含ま
れてなる態様の組成物に用いることができる油脂を適宜
使用することができる。なお油脂中には前述の態様と同
様に所望により香料等の肉料理で使用する油溶性成分を
添加しても良い。また水にも、調味料、エキス類などの
肉料理に使用される水溶性成分を添加しても良い。
そして所望により上記成分を加えて公知の方法で調製す
ることができる。乳化物の調製に際しては、上記エステ
ルは油脂に溶解させて用いる。なお、より安定した乳化
物を得るために他の乳化剤、例えば、ショ糖脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどを用いること
もできる。この場合の乳化剤の添加量は、油相、水相の
構成比によって異なるが、通常0.001〜5重量%、
好ましくは、0.1〜2重量%である。本発明で用いら
れる乳化物は、種々の形態とすることができる。例え
ば、水中油型(O/W型)、油中水型(W/O型)、水
中油中水型(W/O/W型)、あるいは油中水中油型
(O/W/O型)を挙げることができる。
95重量%、水4.9〜95重量%、エステル0.1〜
50重量%の配合量となるように調製することが好まし
い。更に好ましくは、油脂7〜92重量%、水7〜92
重量%、及びエステル1〜40重量%、特に好ましく
は、油脂10〜85重量%、水10〜85重量%及びエ
ステル5〜30重量%である。
組成物について説明する。水には 例えば、だし汁、た
れ(ソース)などを肉料理に応じて含ませることができ
る。上記エステルの水への分散は、水を適当に加温した
状態(50〜80℃)で行うことが好ましい。本発明に
おいて、エステルが水に分散された態様の水性組成物
は、水10〜99.9重量%及びエステル0.1〜90
重量%の配合量となるように調製することが好ましい。
更に好ましくは、水30〜99重量%及びエステル1〜
70重量%、特に好ましくは、水50〜95重量%及び
エステル5〜50重量%である。
態様の組成物を肉に注入することで実施される。肉への
注入は、例えば、自動に又は手動によりシリンジなどで
行えば良い。なお、上記組成物が肉に充分浸透するよう
に注入後、例えば、一時間程度放置しても良いが必ずし
もその必要はない。本発明において、上記組成物の肉へ
の注入は、肉に対して上記エステルが0.05〜10重
量%(好ましくは、0.1〜5重量%、更に好ましくは
0.5〜3重%)注入される量にて行う。
は、例えば、牛、豚、羊などの畜肉、鶏、七面鳥、カ
モ、ガチョウ等の鳥肉を挙げることができるが、特に畜
肉、鳥肉において効果が大である。また肉の部位として
は、カタ、モモ等の比較的硬質のタンパク質を多く含む
部位のものを用いるときに効果がある。更に肉の形態と
しては、特に限定されないが、ある程度の大きさのある
肉片を用いた肉料理(ステーキ、焼き肉用の肉、唐揚、
フライあるいは照り焼き用の肉など)を行うときに効果
が大きい。ここで肉片とは、畜肉等の生肉から切り出し
た、比較的形状の大きな肉(例えば、肉片の表面積が1
cm2 程度以上のもの)を意味する。なお、本発明の食
肉の改質処理方法は、上記のような畜肉等以外に、硬い
魚肉に適用することもできる。
る際に、その調理前に肉を処理(組成物を肉に注入す
る)することでその効果が得られるが、焼く、炒める、
揚げる、煮る、蒸すなどの調理方法によっては制限され
ず何れの調理方法においても効果が得られる。特に、焼
く、揚げるなどの調理において顕著な効果が得られる。
適用できる肉料理の例としては、焼き肉、ステーキ、カ
ツフライ、唐揚、竜田揚げ、カレー、シチュー、すき焼
き、しゃぶしゃぶなどを挙げることができる。
蔵、あるいはレトルトなどの常温保存可能な肉を含む肉
製品においても適用できる。本発明に係る組成物で処理
された肉を含む肉製品は、既に加熱調理されているもの
でも良いし(加熱調理済食品)、あるいは食べるときに
加熱調理するように調理されているものでも良い(未加
熱調理食品、加熱調理用食品)。すなわち、加熱調理済
食品においては、これを製造する際の加熱調理を実施す
る前に、予め肉に本発明に係る組成物を注入することに
よって処理しておけば良く、一方未加熱調理食品におい
ては、加熱調理前でかつ保存前に予め本発明に係る組成
物で上記と同様な処理をしておけば良い。本発明の処理
方法で処理した肉を含む肉製品は、保存後、加熱調理し
た後においても、肉の柔らかさやジューシーさが維持さ
れ、良好な風味のものとなる。本発明の方法で処理した
肉を含む肉製品としては、例えば、カツフライ、唐揚、
カレー、ハヤシ、シチュー、肉ジャガ、酢豚などを挙げ
ることができる。
本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の「%」は
「重量%」を、「部」は「重量部」をそれぞれ表す。
ノグリセリド(炭素数16〜18(炭素数18を主体)
の飽和モノグリセリドとコハク酸との混合比が1:1の
エステル、花王(株)製)40部を添加し、70℃で溶
解して組成物を調製した。得られた組成物をオーストラ
リア産牛モモブロック肉1kgに対して50g(肉に対
してコハク酸モノグリセリドを2%)シリンジで注入し
た。このように処理したブロッック肉を焼き肉用に厚さ
5mmにスライスして、200℃のホットプレート上で
焼成した。
を攪拌しながら添加し、溶解して油相を調製した。一方
ショ糖ステアリン酸エステルを水に溶解して水相を調製
した。上記水相をホモミキサーを用い10000rpm
で攪拌しながら油相を滴下した。油相を添加後、更にホ
モミキサーを10000rpmで5分間混合した。その
後、ホモゲナイザーに100/0(一次/二次圧:以下
同様)kgf/cm2 の条件で1パスしてO/W型乳化
組成物を調製した。
O/W型乳化組成物を100g用いた(肉に対してコハ
ク酸モノグリセリドを1%注入した)以外は、実施例1
と同様に焼き肉を作った。
リセリド(炭素数16〜18(炭素数18を主体)の飽
和モノグリセリドとコハク酸との混合比が1:1のエス
テル、花王(株)製)40部を添加し、70℃でホモミ
キサーを用いて8000rpmで攪拌しながら分散して
組成物を調製した。上記実施例1において、上記で調製
した組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして焼き
肉を作った。
〜3において、上記組成物を使用しなかった以外は、上
記実施例1〜3と同様にしてそれぞれに対応する焼き肉
を作った。
(炭素数18を主体)の飽和モノグリセリドとジアセチ
ル酒石酸との混合比が1:1のエステル、太陽化学
(株)製 (調製法)菜種油に、60℃でジアセチル酒石酸モノグ
リセリドを攪拌しながら添加し、溶解して油相を調製し
た。これにホモミキサーを用い10000rpmで攪拌
しながら水を滴下した。水を添加後、更にホモミキサー
を10000rpmで5分間混合した。その後、ホモゲ
ナイザーに100/0kgf/cm2 の条件で1パスし
てW/O型乳化組成物を調製した。
1kgに対して上記で得たW/O型乳化組成物200g
(肉に対してジアセリチル酒石酸モノグリセリドを2
%)をシリンジで注入した。このブロッック肉をステー
キ用に厚さ2cmにスライスして、適当量の食塩、胡椒
を振った後、200℃のホットプレート上で焼成した。
リセリドを攪拌しながら添加し、溶解して油相を調製し
た。一方ショ糖ステアリン酸エステルを水に溶解して水
相を調製した。上記水相にホモミキサーを用い1000
0rpmで攪拌しながら油相を滴下した。油相を添加
後、更にホモミキサーを10000rpmで5分間混合
した。その後、ホモゲナイザーに100/0kgf/c
m2 の条件で1パスしてO/W型乳化組成物を調製し
た。
化組成物を調製した。 O/W型乳化組成物 60 菜種油 29.8 実施例1で用いたコハク酸モノグリセリド 10 ポリグリセリン縮合リシノレート 0.2 ───────────────────────────── 合計 100.0 菜種油にコハク酸モノグリセリドとポリグリセリン縮合
リシノレートを添加し、溶解させて油相を調製した。こ
れに上記で得たW/O型乳化組成物をホモミキサーを用
い6000rpmで攪拌しながら滴下し、O/W/O型
乳化組成物を調製した。
/W/O型乳化組成物を100g用いた(肉に対してコ
ハク酸モノグリセリドを1%、及びジアセチル酒石酸モ
ノグリセリドを1.2%注入した)以外は、実施例4と
同様にステーキを焼いた。
〜5において、上記組成物を使用しなかった以外は、上
記実施例4〜5と同様にしてステーキを焼いた。
とポリグリセリン縮合リシノレートとを攪拌しながら添
加し、溶解して油相を調製した。これにホモミキサーを
用い10000rpmで攪拌しながら水を滴下した。水
を添加後、更にホモミキサーを10000rpmで5分
間混合した。その後、ホモゲナイザーに100/0kg
f/cm2 の条件で1パスしてW/O型乳化組成物を調
製した。
化組成物を調製した。 上記W/O型乳化組成物 60 水 39.8 ショ糖脂肪酸エステル(HLB11) 0.2 ───────────────────────────── 合計 100.0 ショ糖脂肪酸エステルを水に溶解させた水溶液に、上記
で得たW/O型乳化組成物をホモミキサーを用い600
0rpmで攪拌しながら滴下し、W/O/W型乳化組成
物を調製した。
記で調製した、W/O/W型乳化組成物100g(肉に
対してコハク酸モノグリセリドを1.8%)をシリンジ
で注入した。このブロック肉を厚さ1cmにスライスし
て、適当量の食塩、胡椒を振った後、小麦粉、卵、及び
パン粉の順で衣をつけ、これを180℃に加熱したサラ
ダ油で揚げた。
組成物を使用しなかった以外は、上記実施例6と同様に
して肉を揚げ、カツフライを作った。
ダ油で揚げたカツフライを冷まし、−20℃の冷凍庫に
1週間保管した。その後、取り出し、室温で解凍し、オ
ーブントースターで再加熱した。
例6で得たカツフライを用いた以外は、上記実施例7と
同様にしてカツフライを作った。
gに対して実施例6で調製した、W/O/W型乳化組成
物100g(肉に対してコハク酸モノグリセリドを1.
8%)をシリンジで注入した後、−20℃の冷凍庫に1
週間保管し、その後、ブロック肉を厚さ1cmにスライ
スして、適当量の食塩、胡椒を振った後、小麦粉、卵、
及びパン粉の順で衣をつけ、これを180℃に加熱した
サラダ油で揚げた。
O/W型乳化組成物を注入しなかった以外は、実施例8
と同様にしてカツフライを作った。
うにして得られた各種肉料理を20人のパネルにより官
能評価を行った。評価は、実施例と比較例で得られた各
肉料理の「柔らかさ」、「ジューシーさ」を比較し、比
較例に比べ実施例の方が、『明らかに柔らかい(又はジ
ューシー)』、『やや柔らかい(又はジューシー)』、
そして『変わらない』の3段階で行った。また、得られ
た各種肉料理の肉の物性値を測定し、肉の柔らかさを評
価した。『柔らかさ』は、ミートシェア(ワーナーブラ
ッツラー社製)による剪断応力値で表した。値が小さい
程、肉が柔らかいことを示す。結果を以下の表1に示
す。
に、本発明に係る組成物を注入した肉を用いて作った肉
料理(実施例1〜6)は、該組成物で処理しない肉を用
いて作った肉料理(比較例1〜6))に比べ肉が柔らか
く、かつジューシーである。また、剪断応力値の結果か
らも本発明に係る組成物で処理することにより肉が柔ら
かくなることがわかる。更に、本発明に係る組成物で肉
を処理し、この肉を加熱調理した後、一旦冷凍庫に保管
した場合(加熱調理済食品)(実施例7)や予め本発明
に係る組成物を使用して肉を処理し、一旦冷凍庫に保管
し、その後加熱調理した場合(未加熱調理食品)(実施
例8)でも肉は柔らかく、かつジューシーであり、その
効果は維持されている。
た食肉は、加熱調理後においても肉質は柔らかく、そし
て肉汁に富んだ状態で食べることができる。特に、ステ
ーキなどのある程度の大きさを持つ肉片の加熱調理に際
して有効である。また本発明に係る組成物で処理された
食肉を含む冷凍食品、冷蔵食品、あるいはレトルト食品
のような保存可能な肉製品においても、その保存後でも
肉質が柔らかく、ジューシーさも維持され、かつ良好な
風味で食べることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 油脂及びモノグリセリドとポリカルボン
酸とのエステル及び/又はジグリセリドとポリカルボン
酸とのエステルを含む組成物を、食肉片中に上記エステ
ルが、0.05〜10重量%注入されるような量にて注
入することを特徴とする食肉片の改質処理方法。 - 【請求項2】 油脂、水及びモノグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステル及び/又はジグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステルを含む乳化組成物を、食肉片中に上
記エステルが、0.05〜10重量%注入されるような
量にて注入することを特徴とする食肉片の改質処理方
法。 - 【請求項3】 モノグリセリドとポリカルボン酸とのエ
ステル及び/又はジグリセリドとポリカルボン酸とのエ
ステルが水中に分散されてなる水性組成物を、食肉片中
に上記エステルが、0.05〜10重量%注入されるよ
うな量にて注入することを特徴とする食肉片の改質処理
方法。 - 【請求項4】 注入する組成物が、油脂及び炭素数12
〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリドとコ
ハク酸とのエステルを含む組成物、又は油脂及び炭素数
12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリド
とジアセチル酒石酸とのエステルを含む組成物である請
求項1に記載の食肉片の改質処理方法。 - 【請求項5】 注入する乳化組成物が、油脂、水及び炭
素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセ
リドとコハク酸とのエステルを含む乳化組成物、又は油
脂、水及び炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸
のモノグリセリドとジアセチル酒石酸とのエステルを含
む乳化組成物である請求項2に記載の食肉片の改質処理
方法。 - 【請求項6】 注入する水性組成物が、炭素数12〜1
8の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグリセリドとコハク
酸とのエステルが水中に分散されてなる水性組成物、又
は炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸のモノグ
リセリドとジアセチル酒石酸とのエステルが水中に分散
されてなる水性組成物である請求項3に記載の食肉片の
改質処理方法。 - 【請求項7】 油脂及びモノグリセリドとポリカルボン
酸とのエステル及 び/又はジグリセリドとポリカルボン
酸とのエステルを含み、食肉片中に上記エステルが、
0.05〜10重量%注入されるような量にて注入して
食肉片を改質するための組成物。 - 【請求項8】 油脂、水及びモノグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステル及び/又はジグリセリドとポリカル
ボン酸とのエステルを含み、食肉片中に上記エステル
が、0.05〜10重量%注入されるような量にて注入
して食肉片を改質するための乳化組成物。 - 【請求項9】 モノグリセリドとポリカルボン酸とのエ
ステル及び/又はジグリセリドとポリカルボン酸とのエ
ステルとのエステルを含み、食肉片中に上記エステル
が、0.05〜10重量%注入されるような量にて注入
して食肉片を改質するための水性組成物。
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JP13506994A JP3244382B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 食肉片の改質処理方法及び改質処理剤組成物 |
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