JP2021003044A - 冷凍豚肉食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特に冷凍豚肉食品に適用した場合、解凍後にバサツキ、柔らかさやジューシー感が損なわれる問題もあった。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明によれば、有機酸モノグリセリドと有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを併用することで、解凍後の冷凍豚肉食品の食感や味を向上させることができる。
このような効果が奏されるメカニズムの詳細は明らかではないが、有機酸モノグリセリド及び有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が水中で形成するラメラ構造体が、豚肉中の水分を強い保水効果で保持し、さらに冷凍時に氷結晶を小さくするため、解凍後のバサツキ感が改善され、柔らかさやジューシー感が向上したと推定される。
本発明に係る冷凍豚肉食品の豚肉の種類としては、特に限定されないが、もも、そともも、ロース、肩ロース、バラ、ヒレ、肩、タン、豚足、レバー、ガツ、腸等が挙げられる。これらのうち、加工食品、中でも冷凍豚肉食品に良く使用される点からロースが好ましい。
本発明で言うピックル液とは、豚肉を加熱処理する前段階で漬け込む調味液のことである。
本発明で用いるピックル液(以下、「本発明のピックル液」と称す場合がある。)は、有機酸モノグリセリドと、有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを含有し、好ましくは更に糖類を含有すること以外は、従来の一般的に用いられているピックル液と同様の配合成分を用いて調製することができる。
有機酸モノグリセリドは、グリセリン1分子に脂肪酸1分子と有機酸1分子が結合した構造を有し、一般的には、有機酸の酸無水物と脂肪酸モノグリセリドを反応させることにより得られる。反応は、通常、無溶媒条件下で行われ、例えば無水コハク酸と炭素数18のモノグリセリドの反応では、温度120℃前後において90分程度で反応が完了する。かくして得られた有機酸モノグリセリドは、通常、有機酸、未反応モノグリセリド、ジグリセリド、その他オリゴマーを含む混合物となっている。本発明においては、このような混合物をそのまま使用してもよく、有機酸モノグリセリドの純度を高めたい場合は、蒸留モノグリセリドとして市販されているものを使用してもよい。また、有機酸部分が一部中和されたものを使用してもよい。
有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤(以下、「その他の乳化剤」と称す場合がある。)としては特に制限されないが、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明のピックル液中のその他の乳化剤の含有量は0.001〜3重量%であることがより好ましく、0.01〜2重量%であることが更に好ましい。
また、本発明のピックル液中の有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の合計の含有量は0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましく、1〜3重量%であることがさらに好ましい。
本発明のピックル液は、糖類の1種又は2種以上を含んでいてもよく、糖類を含むことにより、後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の分散安定性が良好となる。
オリゴ糖としては、マルトオリゴ糖(好ましくは重合度3〜7)、ニゲロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パノースオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、それらのシラップ等が挙げられる。
本発明のピックル液は、有機酸モノグリセリド、その他の乳化剤および必要に応じて配合される糖類の他、その他の成分を含有するものであってもよい。
その他の成分については特に制限はなく、冷凍豚肉食品の種類に応じて適宜配合される。
これらのうち、より好ましくは、リン酸塩類、有機酸塩であり、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、クエン酸3ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の冷凍豚肉食品の製造方法は、豚肉に、有機酸モノグリセリド及びその他の乳化剤を含有するピックル液を含ませる工程と、ピックル液を含んだ豚肉を加熱する工程とを含む。豚肉にピックル液を含ませる工程の前に、45〜100℃で水に有機酸モノグリセリドおよびその他の乳化剤を分散させる分散液の調製工程を含むことが好ましい。
ノンフライ用衣材を用いて油ちょうすることなく、オーブン加熱やスチーム加熱で製造してもよい。
HLB11のショ糖ステアリン酸エステル(三菱ケミカルフーズ社製「リョートー(登録商標)シュガーエステルS−1170」)3.5部を室温で糖類の水溶液としてマルトオリゴ糖水溶液(三和澱粉工業社製「オリゴトース」、マルトオリゴ糖固形分72重量%)60部と水8部の混合液68部に分散し、撹拌しながら加温して75℃まで昇温した(以下「オリゴ糖液」と呼ぶ)。
一方、コハク酸モノグリセリド(理研ビタミン社製「ポエムB−30」、脂肪酸としてステアリン酸を用いたもの)3.5部を脱塩水25部に分散し、60℃まで昇温しながら撹拌し、ラメラ構造体の水分散液を得た。
前記のオリゴ糖液を55℃まで冷却し、上記のコハク酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散液を加えて20分間撹拌した。次いで、45℃まで冷却することにより、ラメラ構造体の水分散液を調製した(以下「組成物A」と呼ぶ)。なお、組成物Aのコハク酸モノグリセリドのラメラ構造体の確認は偏光顕微鏡による観察によって行った。偏光顕微鏡の写真中に偏光十字が観察され、組成物Aがラメラ構造体を有していることがわかった。
この組成物Aは、ショ糖ステアリン酸エステルを3.5重量%、マルトオリゴ糖を43重量%、コハク酸モノグリセリドのラメラ構造体を3.5重量%含むものである。
<実施例1,2、比較例1,2>
以下の手順で冷凍とんかつを製造し、その評価を行った。
1.厚さ約1.5cmの豚ロース肉を肉たたき(肉の筋繊維を十分にほぐす目的)でほぼ元の1/2の厚さまでたたきのばしたものと、下記表1に示す配合でそれぞれ調製したピックル液24gとをジップロックの袋に入れ5分間手もみし、冷蔵庫で24時間放置した。
ピックル液漬け込み前後の豚肉の重量は表1に示す通りであり、漬け込み後の豚肉の重量から漬け込み前の豚肉の重量を差し引いた値が、豚肉に含まれたピックル液の量とすると、ピックル液の歩留り(用いたピックル液のうち、豚肉に含有されたピックル液の割合)は表1に示す通りであった。
3.油ちょう後のとんかつは粗熱を取ってからラップに包み−18℃で冷凍した。
4.冷凍後室温で5時間自然解凍したものと、この解凍品をオーブントースターで加熱したものについて、柔らかさ、バサツキ感、ジューシー感、衣の剥がれ、味の評価を行い、結果を表2,3に示した。
なお、表2,3中の評価において「+」の数は多い程その評価の程度が大きいことを示す。
従って、柔らかさ、ジューシー感については+の値が大きい程好ましく、バサツキ感、衣の剥がれは+の値が小さい程好ましい。
各表には、総合評価の順位付けを示す。この順位付けはNo.1が最もよく、No.4が最も劣る。
Claims (6)
- 豚肉に、有機酸モノグリセリド及び有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を含有するピックル液を含ませる工程と、該ピックル液を含んだ豚肉を加熱する工程とを含む、冷凍豚肉食品の製造方法。
- 前記ピックル液が有機酸モノグリセリドを0.0001〜5重量%含有する、請求項1に記載の冷凍豚肉食品の製造方法。
- 前記ピックル液が有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を0.0001〜5重量%含有する、請求項1または2に記載の冷凍豚肉食品の製造方法。
- 前記ピックル液がさらにオリゴ糖を含有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の冷凍豚肉食品の製造方法。
- 前記有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の冷凍豚肉食品の製造方法。
- 前記冷凍豚肉食品が、とんかつ、かつ煮、生姜焼き、味噌漬け焼き、カルビ焼き、豚丼、角煮、唐揚げ、肉焼売、ポークソテー、チャーシュー、スペアリブ、ローストポーク、豚足、または豚しゃぶである、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の冷凍豚肉食品の製造方法。
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CN115428906A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-12-06 | 上海暾昊餐饮有限公司 | 一种宝塔肉的制作方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07313105A (ja) * | 1994-05-25 | 1995-12-05 | Kao Corp | 食肉の改質処理方法、及びこの方法で処理した食肉 |
JP2017042130A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 三菱化学フーズ株式会社 | 冷凍フリッターの製造方法 |
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