JP5004744B2 - ケーキ用起泡性乳化剤組成物 - Google Patents
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Description
また、「共立て法」とは、卵を卵白と卵黄に分離せず全卵のまま使用するケーキ生地製法のことであり、例えば、スポンジケーキの場合は、卵、砂糖類、ケーキ用起泡性乳化剤組成物等を起泡させ、その後小麦粉等の穀粉類、水、油脂類、風味素材等を配合し軽く混合してケーキ生地とする。また、「別立て法」とは、卵を卵白と卵黄に分け、卵白の高い起泡力を利用するケーキ生地製法のことであり、例えば、スポンジケーキの場合は、卵白に砂糖を添加して起泡したメレンゲ生地と、卵黄や全卵、砂糖類、ケーキ用起泡性乳化剤組成物等を起泡させた生地とを混合し、その後小麦粉等の穀粉類、水、油脂類、風味素材等を配合し軽く混合してケーキ生地とする。
しかし、「オールインミックス法」で製造したケーキ、とくにスポンジケーキは、小麦粉等の穀粉類と水性成分とを同時に起泡させるため、起泡時間が長くなり、小麦粉のグルテン形成が起こり易く、その他の方法に比べ、食感(しとり感、ソフト性及び口溶け)が悪くなるという問題がある。
そのため、「オールインミックス法」における起泡時間を短縮することができ、且つ、泡沫安定性を高めるための研究が行われ、各種提案されてきた。
しかし、これらの文献は、その請求項にもあるとおり、ケーキの芯の形成を防止するための発明であり、また、特許文献5に記載の方法では、ケーキ用水中油型起泡性乳化油脂の分離防止のために多量の親水性のショ糖脂肪酸エステル、例えば炭素数18の飽和脂肪酸(ステアリン酸)を主要構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル等と併用する必要があり、その場合、得られるケーキの食感が重いものになってしまうという問題があった。
また、特許文献6に記載の方法では、起泡性の主体はグリセリンモノ脂肪酸エステルと記載されているように、炭素数22の飽和脂肪酸を主要構成脂肪酸とした乳化剤の起泡性の改良効果については全く述べられていない。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、下記成分(A)を0.5〜20質量%、下記成分(B)を1〜20質量%、下記成分(C)を0.5〜10質量%、及び下記成分(D)を0.5〜10質量%含有するケーキ用起泡性乳化剤組成物であって、該成分(C)及び(D)の構成脂肪酸の90質量%以上が炭素数22の飽和脂肪酸であることを特徴とするケーキ用起泡性乳化剤組成物を提供するものである。
(A)グリセリン脂肪酸エステル
(B)プロピレングリコール脂肪酸エステル
(C)ソルビタン脂肪酸エステル
(D)HLBが5〜15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
また、本発明は、上記ケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用したケーキを提供するものである。
(A)グリセリン脂肪酸エステル
(B)プロピレングリコール脂肪酸エステル
(C)ソルビタン脂肪酸エステル
(D)HLBが5〜15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物は、上記4種の乳化剤を上記条件となるように併用することで、起泡性と泡沫安定性が高まり、結果としてよりボリュームの大きなケーキが得られる。
上記(A)グリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸とのモノ、ジエステル、又はこれらの混合物であって、HLBが好ましくは1〜7、より好ましくは1〜6のものである。本発明では、グリセリンモノ脂肪酸エステルを使用することが好ましい。
また本発明では、上記グリセリン脂肪酸エステルの結合脂肪酸は、好ましくは炭素数12〜24の飽和脂肪酸、より好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数16〜20の飽和脂肪酸を使用する。
なお、本発明における、上記成分(A)の含有量は、0.5〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
また本発明では、上記プロピレングリコール脂肪酸エステルの結合脂肪酸は、好ましくは炭素数12〜24の飽和脂肪酸、より好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数18〜22の飽和脂肪酸を使用する。
なお、本発明における、上記成分(B)の含有量は、1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
である。
また本発明では、上記ソルビタン脂肪酸エステルの結合脂肪酸は、好ましくは炭素数12〜24の飽和脂肪酸、より好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数18〜22の飽和脂肪酸を使用する。
なお、本発明における、上記成分(C)の含有量は、0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
上記ショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖と脂肪酸とのモノ、ジ、トリ、トリ以上のポリエステル化物、又はこれらの混合物である。本発明では、ショ糖と脂肪酸とのエステル化率が好ましくは10〜100%、より好ましくは10〜90%、さらに好ましくは10〜80%のものを使用する。なおHLBについては、5〜15、好ましくはHLBが7〜15のものを使用する。
また本発明では、上記ショ糖脂肪酸エステルの結合脂肪酸は、好ましくは炭素数12〜24の飽和脂肪酸、より好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸、さらに好ましくは、炭素数18〜22の飽和脂肪酸を使用する。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンの2以上の重合体と脂肪酸とのモノ、ジ、トリ、トリ以上のポリエステル化物、又はこれらの混合物である。本発明では、ポリグリセリンの重合度が好ましくは2〜12、より好ましくは4〜10、さらに好ましくは6〜10であり、また、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化率が好ましくは10〜100%、より好ましくは10〜90%、さらに好ましくは10〜80%のものを使用する。なおHLBについては、5〜15、好ましくはHLBが7〜15のものを使用する。
また本発明では、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの結合脂肪酸は、好ましくは炭素数12〜24の飽和脂肪酸、より好ましくは炭素数16〜22の飽和脂肪酸、さらに好ましくは、炭素数18〜22の飽和脂肪酸を使用する。
なお、本発明における、上記成分(D)の含有量は、0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
また、上記(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを併用する場合、前者:後者の質量比が、好ましくは90:10〜10:90で、より好ましくは70:30〜30:70で使用する
本発明で使用することができる増粘安定剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、寒天、カラギーナン、ファーセルラン、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、糊化澱粉等があげられる。本発明では、これらの増粘安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができるが、よりソフトでしっとりしたボリュームの大きなケーキを得られる点で、本発明ではこれらの増粘安定剤の中でもメチルセルロースを使用することが、よりソフトでしとり感の高いケーキが得られる点で好ましい。
該成分としては、例えば、糖類、澱粉類、穀粉類、無機塩及び有機酸塩、乳製品、卵製品、その他各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、酸化防止剤、着色料、保存料、pH調整剤等を挙げることができる。
上記有機酸塩としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリム、酒石酸水素カリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリム、リンゴ酸カリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
これら、その他の食品や食品添加物の含有量は一般的なケーキ用起泡性乳化剤組成物に準じたものであれば良く、本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物中、好ましくは70質量%以下とする。
本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物は、ケーキ用起泡性乳化剤組成物が水相を含まない組成物である場合は、下記成分(A)をケーキ用起泡性乳化剤組成物中0.5〜20質量%となる量、下記成分(B)をケーキ用起泡性乳化剤組成物中1〜20質量%となる量、下記成分(C)をケーキ用起泡性乳化剤組成物中0.5〜10質量%となる量、及び、下記成分(D)をケーキ用起泡性乳化剤組成物中0.5〜10質量%となる量を、油相に添加し、十分に溶解後、冷却することによって得ることができる。また、ケーキ用起泡性乳化剤組成物が水相を含有する組成物である場合は、下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を水相及び/又は油相に添加し、該水相と該油相とを乳化した後、冷却することにより得ることができる。
(A)グリセリン脂肪酸エステル
(B)プロピレングリコール脂肪酸エステル
(C)ソルビタン脂肪酸エステル
(D)HLBが5〜15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
まず水相及び油相を用意する。水相は、60〜85℃に加熱した水に糖類、有機酸塩、無機塩、上記成分(A)、(B)、(C)及び(D)のうち水溶性の乳化剤、水溶性蛋白質、水溶性食物繊維、水溶性色素、増粘安定剤等の水溶性成分を加えて、溶解させ水相とする。
次に、食用油脂を60〜80℃に加熱し、上記成分(A)、(B)、(C)及び(D)のうち油溶性の乳化剤、油溶性成分等を加えて、溶解させ、その後60〜75℃にして油相とする。また、吸湿性の高い増粘剤、蛋白質等は、油相に分散させてもかまわない。
また、上記成分(A)、(B)、(C)及び(D)のうち水溶性の乳化剤は、油相中に分散してもよい。
次いで、水中油型乳化型のケーキ用起泡性乳化剤組成物を得る場合は、水相に油相を徐々に加え、水中油型の乳化物とする。この乳化物を冷却し、水中油型のケーキ用起泡性乳化剤組成物が得られる。また、油中水型のケーキ用起泡性乳化剤組成物を得る場合は、油相に水相を徐々に加え、油中水型の予備乳化物とし、これを冷却し、油中水型のケーキ用起泡性乳化剤組成物を得る。なお、上記乳化は、攪拌羽根による攪拌、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を使用することができる。
また、本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物を製造する際、窒素、空気等を含気させてもよい。
さらに、得られたケーキ用起泡性乳化剤組成物は、スプレードライ等の方法で粉末化してもよい。
また、「後粉法」の場合は、ケーキ生地に含まれる穀粉類と澱粉類との合計量を100質量部とした場合、ケーキ用起泡性乳化剤組成物に含まれる乳化剤の合計量が、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜20質量部である。使用量が1%未満では起泡力及び泡沫安定性の改良効果が得られず、20質量部を超えると、得られるケーキに乳化剤の臭いが残存し、風味が悪く、またワキシーな口溶けの悪い食感のケーキとなりやすい。
本発明のケーキは、本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキ生地を使用して得られたものであり、本発明のケーキは、内相が良好でボリュームが大きく、食感も良好であるという特徴を有する。
その製法としては、卵類、糖類、穀粉類、水、油脂類等のケーキ原料、及び本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキ生地を、焼成又は蒸すことによって得られる。
なお、詳細なケーキの種類やケーキ製法については上述のとおりである。
また、上記ケーキ原料における、卵類、糖類、穀粉類、水、油脂類については、本発明のケーキ用起泡性乳化剤組成物の原料で述べたものと同様のものを使用することができる。
<ケーキ用起泡性乳化剤組成物の製造>
表1に記載の油相原料を80℃に加熱して各成分を均質に溶解し、65℃に調温し、油相とした。一方、表1に記載の水相原料を75℃に加熱して各成分を均質に溶解し、65℃に調温し、水相とした。該水相をホモミキサーで攪拌しながら、該水相に該油相を徐々に添加し、予備乳化物を得た。これを掻取式熱交換機にて55℃まで冷却した後、これを20℃まで室温で放冷し、さらに5℃の冷蔵庫で5℃まで冷却し、ケーキ用起泡性乳化剤組成物を得た。
なお、表1に記載の乳化剤の種類、主要結合脂肪酸の種類、及び構成脂肪酸中における炭素数22の飽和脂肪酸の含有量については表2に記載した。
また、得られたケーキ用起泡性乳化剤組成物の、油脂含有量、乳化剤含有量、増粘安定剤含有量、水含有量、及び水相含有量については、表3に記載した。
得られたケーキ用起泡性乳化剤組成物は、下記の起泡力評価、泡沫安定性試験、及び、スポンジケーキ製造試験に供した。
あらかじめ15℃に調温しておいた表4に記載の全ケーキ原料をミキサーボウルに投入し、軽く混合した後、キッチンエイドミキサーでワイヤーホイッパーを使用して、最高速(240回/分)で比重が0.45となるまでホイップし、ケーキ生地を得た。ここで、比重が0.45となるまでに要した時間を、下記評価基準により4段階に評価し、これを起泡力の評価とした。なお、結果については表5に記載した。
◎:100秒以下
○:100秒超150秒以下
△:150秒超300秒以下
×:300秒超
上記ケーキ用起泡性乳化剤組成物の起泡力評価で得られた比重0.45のケーキ生地90gを200mlのメスシリンダーに入れた。これを40℃の恒温槽に入れ、10分毎(120分まで)経時的に観察し、分離した水相が5mlとなるまでの時間を、下記評価基準により4段階に評価し、これを泡沫安定性の評価とした。なお、結果については表5に記載した。
◎:120分経過しても全く分離しなかった。
○:100分以上120分未満
△:80分以上100分未満
×:80分未満
(A)グリセリン脂肪酸エステル
(B)プロピレングリコール脂肪酸エステル
(C)ソルビタン脂肪酸エステル
(D)HLBが5〜15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
また、上記成分(A)の主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸であったり、上記成分(B)の主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である実施例9〜11のケーキ用起泡性乳化剤組成物に比べ、成分(A)の主要構成脂肪酸が炭素数20以下の飽和脂肪酸であり、且つ、成分(B)の主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である実施例1〜8のケーキ用起泡性乳化剤組成物は、ホイップ時間の点で優れていることがわかる。
なお、実施例6と実施例14とを比較するとわかるとおり、主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である乳化剤の含有量が0.5〜10質量%の範囲内である実施例6のケーキ用起泡性乳化剤組成物は、主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である乳化剤の含有量が10質量%を超える実施例14のケーキ用起泡性乳化剤組成物に比べ、起泡力が良好であった。
また、成分(C)又は(D)の主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸ではあるが、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の4種の全ての乳化剤を含有するものではない比較例7のケーキ用起泡性乳化剤組成物は、起泡力が不良であった。
上記ケーキ用起泡性乳化剤組成物の起泡力評価で得られた比重0.45のケーキ生地を6号のケーキ型に入れ、150℃に設定した固定オーブンで40分間焼成した。得られたスポンジケーキは室温(25℃)で60分放冷した後、袋に密封して25℃で24時間保管し、下記のボリューム評価、硬さ評価、内相評価、及び官能評価を行った。
焼成24時間後のスポンジケーキのボリュームをレーザー体積計にて測定。ボリュームは焼成したケーキの2個の平均値とした。このボリュームを下記評価基準により4段階に評価し、これをボリュームの評価とした。なお、結果については表6に記載した。
◎:1450ml超
○:1400ml超1450ml以下
△:1350ml超1400ml以下
×:1350ml以下
焼成24時間後のスポンジケーキの上部、下部、左右部を切り落とし、縦10cm×横10cm×高さ4cmの直方体状にした。これをTexture Analyser(stable micro systems社製)にて硬さを測定した。
硬さは、直径2cmのアダプターで、2cmまで押したときの硬さで、ケーキ2個の平均値とした。この硬さを下記評価基準により4段階に評価し、これを硬さの評価とした。 なお、結果については表6に記載した。
◎:400g以下
○:400g超500g以下
△:500g超600g以下
×:600g超
焼成24時間後のスポンジケーキをスライスし、下記の評価基準に従い評価を行った。なお、結果については表6に記載した。
◎:微細な泡が均質に存在している
○:やや粗い泡であるが均質に存在している
△:やや不均質な内相である
×:芯が発生している。
18人のパネラーに、焼成24時間後のスポンジケーキを試食させ、スポンジケーキの食感(ソフト性、しとり感及び口溶け)について、下記の3点評価をさせ、その合計点を評価点数とし、下記評価基準に当てはめ官能評価結果とした。
5点:非常にソフトで、極めて良好な食感である
3点:ソフトな食感で、ほぼ良好な食感である
1点:やや硬い食感で、不良な食感である
5点:非常にしとり感があり、極めて良好である。
3点:ややしとり感があり、ほぼ良好である。
1点:ドライな食感で、不良である。
5点:良好な口溶けである
3点:ほぼ良好な口溶けである
1点:ワキシーな食感であるか、又は、ケーキが口中でほぐれにくく、不良な口溶けである。
◎ :合計点/人数が4.1点以上5.0点以下
○ :合計点/人数が3.1点以上4.0点以下
△ :合計点/人数が2.1点以上3.0点以下
× :合計点/人数が1.1点以上2.0点以下
××:合計点/人数が1.0点
(A)グリセリン脂肪酸エステル
(B)プロピレングリコール脂肪酸エステル
(C)ソルビタン脂肪酸エステル
(D)HLBが5〜15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
また、実施例6と実施例9及び10とを比較するとわかるとおり、上記成分(B)の主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸ではない実施例9及び10のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキに比べ、成分(B)の主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である実施例6のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキは、内相、体積及び硬さともより良好であることがわかる。
また、実施例6、12及び13を比較するとわかるとおり、増粘安定剤を0.03〜10質量%含有する実施例12及び13のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキは、増粘安定剤を含有しない実施例6のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキに比べ、しとり感及び口溶けが優れていることがわかる。
また、実施例6及び14を比較するとわかるとおり、主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である乳化剤の含有量が0.5〜10質量%の範囲内である実施例6のケーキ用起泡性乳化剤組成物は、主要構成脂肪酸が炭素数22の飽和脂肪酸である乳化剤の含有量が10質量%を超える実施例14のケーキ用起泡性乳化剤組成物に比べ、触感及び食感ともソフトであった。
また、実施例6、15及び16を比較するとわかるとおり、油脂含有量が2〜40質量%の範囲内である実施例6及び16のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用したケーキは、油脂含有量が2質量%未満である実施例15のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用して得られたケーキに比べ、体積が良好であり、ソフト性が優れていることがわかる。
Claims (5)
- 下記成分(A)を0.5〜20質量%、下記成分(B)を1〜20質量%、下記成分(C)を0.5〜10質量%、及び下記成分(D)を0.5〜10質量%含有するケーキ用起泡性乳化剤組成物であって、該成分(C)及び(D)の構成脂肪酸の90質量%以上が炭素数22の飽和脂肪酸であることを特徴とするケーキ用起泡性乳化剤組成物。
(A)グリセリン脂肪酸エステル
(B)プロピレングリコール脂肪酸エステル
(C)ソルビタン脂肪酸エステル
(D)HLBが5〜15である、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル - 油脂を1〜40質量%含有することを特徴とする請求項1記載のケーキ用起泡性乳化剤組成物。
- 増粘安定剤を0.03〜10質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載のケーキ用起泡性乳化剤組成物。
- 上記増粘安定剤としてメチルセルロースを使用することを特徴とする請求項3記載のケーキ用起泡性乳化剤組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載のケーキ用起泡性乳化剤組成物を使用したケーキ。
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