JP2023083444A - 冷凍鶏唐揚げの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の鶏の胸肉やササミを用いた冷凍唐揚げにおける解凍後のパサついた食感を改良し、解凍後のパサつき感が少なく、ジューシーで、柔らかく、味も良好な冷凍鶏唐揚げを提供する。【解決手段】鶏の胸肉及び/または鶏のササミと、有機酸モノグリセリドと、有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを含有し、油脂を含有しないか或いは油脂の含有量が鶏の胸肉及び/または鶏のササミ100重量部に対して30重量部未満である冷凍鶏唐揚げ。有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル及び/またはポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍鶏唐揚げ及びその製造方法に係り、詳しくは、鶏の胸肉やササミの冷凍唐揚げにおける解凍後のパサついた食感を改善した冷凍鶏唐揚げと、この冷凍鶏唐揚げを製造する方法に関する。
鶏の胸肉やササミは、これに含まれるたんぱく質が疲労回復に役立つアミノ酸をより多く含んでいることで注目されている。鶏の胸肉やササミの唐揚げは、レンジアップや自然解凍で食べられる便利さや調理時間短縮のため、しばしば冷凍保存が行われる。しかしながら、鶏の胸肉やササミは油分が少なくパサつき感が強いため、鶏の胸肉やササミを用いた冷凍鶏唐揚げは、解凍時に電子レンジなどで加熱すると水分が抜けてしまい、よりパサついた食感となり、ジューシーさが失われてしまう問題があった。
特許文献1では、冷凍唐揚げの解凍時のジューシーさを改善するため、油脂を添加することが開示されている。
一方で、特許文献2では、鶏の唐揚げに、乳化剤、糖類およびジアセチル酒石酸モノグリセリドのラメラ構造体を含有する食品用改質剤を用いることで、衣のサクサク感や衣の引きを向上させ、肉の臭みを抑えられることが開示されている。
特開2002-000231号公報 特開2011-172563号公報
特許文献1においては、油中水型乳化物の形で大量の油脂を添加しているため、乳化が不安定化すると肉の内部で油脂が分離し、油っぽい食感になる場合があった。
また、特許文献2においては、衣についての食感改良や鶏肉の臭み抑制については効果があるが、鶏肉として胸肉やササミを用いた場合のパサついた食感については検討されていなかった。
本発明は、従来の鶏の胸肉やササミを用いた冷凍唐揚げにおける解凍後のパサついた食感を改良し、解凍後のパサつき感が少なく、ジューシーで、柔らかく、味も良好な鶏唐揚げを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機酸モノグリセリドと有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを併用して冷凍鶏唐揚げに含有させることにより、解凍後のパサつき感を低減し、食感や味を向上させることができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 鶏の胸肉及び/または鶏のササミと、有機酸モノグリセリドと、有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを含有し、以下に定義される油脂を含有しないか或いは該油脂の含有量が鶏の胸肉及び/または鶏のササミ100重量部に対して30重量部未満である、冷凍鶏唐揚げ。
<冷凍鶏唐揚げ中の油脂の定義>
鶏の胸肉及び/または鶏のササミに本来含まれる油脂、並びに冷凍鶏唐揚げ製造時の油ちょうにより冷凍鶏唐揚げに含まれる油脂以外の油脂
[2] 有機酸モノグリセリドを、鶏の胸肉及び/または鶏のササミに対して0.0001~5重量%含有する、[1]に記載の冷凍鶏唐揚げ。
[3] 有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を、鶏の胸肉及び/または鶏のササミに対して0.0001~5重量%含有する、[1]または[2]に記載の冷凍鶏唐揚げ。
[4] さらに、糖類を含有する、[1]ないし[3]のいずれかに記載の冷凍鶏唐揚げ。
[5] 有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]ないし[4]のいずれかに記載の冷凍鶏唐揚げ。
[6] 自然解凍用途である、[1]ないし[5]のいずれかに記載の冷凍鶏唐揚げ。
[7] 45~100℃で有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を分散させる分散液の調製工程と、該分散液を含む下処理液で鶏の胸肉及び/または鶏のササミを下処理する工程と、下処理した鶏の胸肉及び/または鶏のササミに衣を付けて加熱する工程とを含む、[1]ないし[6]のいずれかに記載の冷凍鶏唐揚げの製造方法。
本発明によれば、鶏の胸肉やササミを用いた冷凍鶏唐揚げであって、解凍後のパサつき感が少なく、ジューシーで、柔らかく、味も良好な鶏唐揚げを提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[メカニズム]
本発明によれば、有機酸モノグリセリドと有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを併用することで、解凍後の鶏唐揚げの食感や味を向上させることができる。
このような効果が奏されるメカニズムの詳細は明らかではないが、有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、鶏の胸肉やササミ中に均一に浸透し、強い保水効果を発現したため、解凍後のパサつき感が改善され、食感や味が向上したと推定される。
[冷凍鶏唐揚げ]
本発明の冷凍鶏唐揚げは、鶏の胸肉及び/または鶏のササミと、有機酸モノグリセリドと、有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを含有し、以下に定義される油脂を含有しないか或いは該油脂の含有量が鶏の胸肉及び/または鶏のササミ100重量部に対して30重量部未満であることを特徴とし、好ましくは更に糖類を含有する。
<冷凍鶏唐揚げ中の油脂の定義>
鶏の胸肉及び/または鶏のササミに含まれる油脂、並びに冷凍鶏唐揚げ製造時の油ちょうにより冷凍鶏唐揚げに含まれる油脂以外の油脂
通常、この油脂とは、鶏の胸肉及び/または鶏のササミの下処理に用いる下処理液中に含まれて、冷凍鶏唐揚げに含有されるものとなる。
<鶏の胸肉及び/または鶏のササミ>
本発明の冷凍鶏唐揚げは、唐揚げの具材となる鶏肉として、それ自体油分が少なく、解凍後にパサつきやすい鶏の胸肉及び/または鶏のササミ(以下、単に「鶏肉」と称す場合がある。)を用いたものである。
ただし、本発明の冷凍鶏唐揚げは具材として鶏肉以外に、若干量の野菜(根菜、葉菜等)や卵、豆類などを含むものであってもよい。
<油脂>
本発明の冷凍鶏唐揚げは、油脂を含まないか、或いは、油脂の含有量が鶏肉100重量部に対して30重量部未満であることを特徴とする。
該油脂の含有量が鶏肉100重量部に対して30重量部以上であると、油っぽい食感となり、具材として油分が少ない鶏の胸肉やササミを用いたことによる独特の食感や食味が損なわれる。
ここで、本発明の冷凍鶏唐揚げに含まれる油脂とは、鶏肉に本来含まれる油脂と、冷凍鶏唐揚げ製造工程における油ちょうにより冷凍鶏唐揚げに含まれるようになる油分以外の油脂であり、具体的には冷凍鶏唐揚げの製造時、鶏肉の下処理時に鶏肉に付着させる下処理液中に添加する油脂類が該当する。この油脂類としては、特に限定されないが、例えば、ナタネ油、ナタネ硬化油、コメ油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ヤシ硬化油等の植物油;バターオイル、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油等の動物油;それらの水素添加油、それらの1種以上の混合物によるエステル交換油;これら油脂類を用いて製造されるマーガリンやショートニング等の油中水型乳化物や水中油型乳化物等が挙げられる。
本発明では、これらの油脂類の使用量を少なくし、その含有量を低減した上で解凍後のパサつき感を改善することができる。
本発明の冷凍鶏唐揚げの油脂の含有量は、好ましくは鶏肉100重量部に対して20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
本発明の冷凍鶏唐揚げは油脂を含まない、即ち、鶏肉の下処理液中に油脂を添加しなくてもよいが、下処理液中に少量の油脂を添加してこれを鶏肉に揉み込むことで、唐揚げ後の鶏肉を柔らかくすることができる。この場合、油脂は、鶏肉100重量部に対して0.5~5重量部程度の割合で用いることが好ましい。
<有機酸モノグリセリド>
有機酸モノグリセリドは、グリセリン1分子に脂肪酸1分子と有機酸1分子が結合した構造を有し、一般的には、有機酸の酸無水物と脂肪酸モノグリセリドを反応させることにより得られる。反応は、通常、無溶媒条件下で行われ、例えば無水コハク酸と炭素数18のモノグリセリドの反応では、温度120℃前後において90分程度で反応が完了する。かくして得られた有機酸モノグリセリドは、通常、有機酸、未反応モノグリセリド、ジグリセリド、その他オリゴマーを含む混合物となっている。本発明においては、このような混合物をそのまま使用してもよく、有機酸モノグリセリドの純度を高めたい場合は、蒸留モノグリセリドとして市販されているものを使用してもよい。また、有機酸部分が一部中和されたものを使用してもよい。
有機酸モノグリセリドを構成する有機酸としては、例えば、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、乳酸などが挙げられる。これらの中では、食品用途に使用されるコハク酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸が好ましく、特に風味の点からコハク酸が好ましい。
上記脂肪酸モノグリセリド由来の、有機酸モノグリセリドを構成する脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数8~22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中では風味の観点からステアリン酸を主成分とする脂肪酸が好ましく、特に構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸であるものが好ましい。
有機酸モノグリセリドとしては1種のみを用いてもよく、これを構成する有機酸や脂肪酸が異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
本発明の冷凍鶏唐揚げは、有機酸モノグリセリドを、鶏肉に対して0.0001~5重量%の割合で含有することが好ましい。有機酸モノグリセリドの含有量が上記下限以上であると、有機酸モノグリセリドを含むことによる本発明の効果を有効に得ることができる。有機酸モノグリセリドの含有量が上記上限以下であれば、風味に大きな影響を与えず、有機酸モノグリセリドを含むことによる本発明の効果を得ることができる。有機酸モノグリセリドの含有量は鶏肉に対して0.001~3重量%であることがより好ましく、0.01~1重量%であることが更に好ましい。
なお、有機酸モノグリセリドは、後述の通り、水分散液として冷凍鶏唐揚げの製造に用いることで、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体として冷凍鶏唐揚げに配合される。
<有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤>
有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤(以下、「その他の乳化剤」と称す場合がある。)としては特に制限されないが、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、親水性が高く(HLB値が通常5~18、好ましくは8~15である。)、水分散性に優れ、高温で高粘性の水分散液の状態となるものが好ましい。構成脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数14~22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中では、炭素数14~18の飽和脂肪酸が好ましい。また、構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸である脂肪酸が更に好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルは、それ自体既知の食品用乳化剤であり、市販されているものを使用できる。ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「リョートーシュガーエステルS-1670」、「リョートーシュガーエステルP-1670」、「リョートーシュガーエステルM-1695」、「リョートーシュガーエステルO-1570」、「リョートーシュガーエステルS-1170」、「リョートーシュガーエステルS-570」、「リョートーシュガーエステルS-370」、「リョートーシュガーエステルB-370」、「リョートーシュガーエステルS-170」、「リョートーシュガーエステルER-190」、「リョートーシュガーエステルPOS-135」(以上、三菱ケミカルフーズ社製、商品名);「DKエステルF-160」、「DKエステルF-140」、「DKエステルF-110」、「DKエステルF-70」、「DKエステルF-50」(以上、第一工業製薬社製、商品名)等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルも、ショ糖脂肪酸エステルと同様に、親水性が高く(HLB値が通常5~18、好ましくは9~16である。)、水分散性に優れ、高温で高粘性の水分散液の状態となるものが好ましい。斯かるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、ポリグリセリンの平均重合度は通常2~20、好ましくは3~10であるものが挙げられる。また、構成脂肪酸は、通常、炭素数14~22の飽和または不飽和の脂肪酸であり、構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンの重合度の揃ったものを用いることも出来、重合度が2のものはジグリセリン脂肪酸エステル、重合度が3のものはトリグリセリン脂肪酸エステルと呼ばれ、これらも本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルに包含される。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、それ自体既知の食品用乳化剤であり、市販されているものを使用できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「リョートーポリグリエステルS-10D」、「リョートーポリグリエステルM-10D」、「リョートーポリグリエステルS-24D」、「リョートーポリグリエステルS-28D」、「リョートーポリグリエステルO-50D」、「リョートーポリグリエステルB-100D」(以上、三菱ケミカルフーズ社製、商品名);「SYグリスターMSW-7S」、「SYグリスターMS-5S」、「SYグリスターMS-3S」、「SYグリスターTS-3S」、「SYグリスターMO-5S」、「SYグリスタML-750」、「SYグリスターHB-750」、「SYグリスターCR-500」(以上、阪本薬品工業社製、商品名);「サンソフトQ-18S」、「サンソフトQ-14S」、「サンソフトQ-12S」、「サンソフトA-141E」、「サンソフトA-17E」(以上、太陽化学社製、商品名)、「ポエムDP-95RF」、「ポエムTRP-97RF」(以上、理研ビタミン社製、商品名)等が挙げられる。
上記のショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルは1種を単独で用いてもよく、ショ糖脂肪酸エステルの1種または2種以上と、ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種または2種以上を併用してもよい。
なお、その他の乳化剤としては、上記のショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルのほか、例えば、レシチン、リゾレシチン、モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等を用いることもできるが、ショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましく、その他の乳化剤のうちの少なくとも30重量%以上は、ショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
本発明の冷凍鶏唐揚げに含まれるショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等のその他の乳化剤の含有量は、鶏肉に対して0.0001~5重量%であることが好ましい。その他の乳化剤の含有量が上記範囲内であると、本発明の冷凍鶏唐揚げの製造に用いられる後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散性、安定性を高め、本発明による効果を有効に発揮させることができる。
鶏肉に対するその他の乳化剤の含有量は0.001~3重量%であることがより好ましく、0.01~1重量%であることが更に好ましい。
また、有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤とを併用することによる本発明の効果をより一層有効に得る上で、冷凍鶏唐揚げ中の有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤との含有量比は、有機酸モノグリセリド:その他の乳化剤(重量比)=500:1~1:500、特に100:1~1:100、とりわけ3:1~1:3の範囲であることが好ましい。有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の含有量(重量比)は、1:1であることがより好ましい。
また、本発明の冷凍鶏唐揚げ中の有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の合計の含有量は、鶏肉に対して0.01~20重量%であることが好ましく、0.1~10重量%であることがより好ましく、1~5重量%であることがさらに好ましい。
<糖類>
本発明の冷凍鶏唐揚げは、糖類の1種又は2種以上を含んでいてもよく、糖類を含むことにより、後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の分散安定性が良好となる。また、冷凍鶏唐揚げの製造時に、後述の有機酸モノグリセリド含有水分散液と共に別途糖類を添加することで有機酸モノグリセリド含有水分散液のみの場合よりも食感や味が良くなるため、好ましい。
糖類としては、例えば上白糖、粉糖、液糖、砂糖、麦芽糖、乳糖、転化糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、水飴、トレハロース、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、はちみつ等の糖および糖アルコール、各種オリゴ糖、それらの混合物を使用することができる。
これらの中ではオリゴ糖が好ましい。
オリゴ糖としては、マルトオリゴ糖(好ましくは重合度3~7)、ニゲロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パノースオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、それらのシラップ等が挙げられる。
本発明の冷凍鶏唐揚げが糖類を含む場合、後述の有機酸モノグリセリド含有水分散液に用いる糖類の量は、鶏肉に対する糖類の含有量として、0.001~30重量%、特に0.01~20重量%、とりわけ0.1~10重量%で、有機酸モノグリセリドに対する糖類の含有量は、有機酸モノグリセリド:糖類(重量比)=10:7~1:850の範囲であることが好ましく、1:4~1:20の範囲であることが好ましい。糖類の含有量が上記下限以上であることにより、後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の分散安定性が向上し、上記上限以下であることにより、糖の種類によって結晶が析出し、粘度が高くなるなどの問題点が生じ難くなる。
冷凍鶏唐揚げの製造時に有機酸モノグリセリド含有水分散液と共に更に糖類を添加混合する場合の糖類の添加量については、後述する。
<衣材>
唐揚げ用衣材には小麦粉や馬鈴薯澱粉等を主成分とするバッターミックスやブレッダーミックス等を使用することができる。
この衣材に、ナッツ類やコーンフレーク等を配合することもできる。
<その他の成分>
本発明の冷凍鶏唐揚げは、鶏肉、有機酸モノグリセリド、その他の乳化剤および必要に応じて配合される糖類や油脂類、上記衣材の他、その他の成分を含有するものであってもよい。
その他の成分は、通常鶏肉の下処理に用いる下処理液に配合されて冷凍鶏唐揚げに含有される調味料等である。
調味料としては、食塩(塩類を兼ねる。)、砂糖(糖類を兼ねる。)、コショウ、醤油、酒、みりん、味噌、だし(かつおだし、昆布だし)、化学調味料などが挙げられる。
塩類としては、食塩、重曹、重炭酸アンモニウムなどの1種または2種以上が挙げられる。
また、pH調整剤を用いる場合もあり、pH調整剤とは、食品に利用可能なpH調整剤であればよく、適宜選択することができるが、水溶解性や味などの観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム等のリン酸塩類;クエン酸3ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、コハク酸2ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、フマル酸1ナトリウム等の上記以外の有機酸塩等が好ましいものとして挙げられる。
これらのうち、より好ましくは、リン酸塩類、有機酸塩であり、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、クエン酸3ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウムなどが挙げられる。
下処理液に卵を用いる場合、卵は、特に限定はしないが、全卵、生卵黄、生卵白、凍結卵黄、凍結卵白等が挙げられる。
また、下処理液には、必要に応じて、甘味料、香料、ビタミン、抗酸化剤、着色剤、食品繊維、増粘多糖類、膨張剤などの公知の配合剤を加えてもよい。
下処理液に添加する任意の配合成分としては、例えば、ゲル形成物質(例えば、グルコマンナン、ガラクトマンナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム、タマリンドガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸類、ポリグルタミン酸類等)、衣材とは別添の澱粉(例えば、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、さご澱粉、馬鈴薯澱粉、葛澱粉、甘藷澱粉等の天然澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、過ヨウ素酸酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉等の化工澱粉、粒状化澱粉、アルファ化澱粉、湿熱処理澱粉などの加工澱粉等)、有機酸(例えば、フマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸等)、リポ蛋白(例えば、乳性蛋白とレシチンと水の混合物、卵黄蛋白とレシチンと水の混合物、大豆蛋白とレシチンと水の混合物、トウモロコシ蛋白とリン脂質と水の混合物等)、甘味料、香料、ビタミン、抗酸化剤などが挙げられる。
[冷凍鶏唐揚げの製造方法]
本発明の冷凍鶏唐揚げの製造方法には特に制限はないが、例えば以下の(1)~(5)の工程を順次行う方法が挙げられる。
(1) 45~100℃で水に有機酸モノグリセリドおよびその他の乳化剤を分散させて分散液(以下、「有機酸モノグリセリド含有水分散液」と称す場合がある。)を調製する(有機酸モノグリセリド含有水分散液調製工程)。
(2) 有機酸モノグリセリド含有水分散液と、調味料やその他の添加剤とを水と共に混合して下処理液を調製して鶏肉に揉み込む(下処理工程)。
(3) 下処理した鶏肉に衣材を付ける(衣付け工程)。
(4) 衣材を付けた鶏肉を油ちょうする(油ちょう工程)。
(5) 油ちょうした鶏唐揚げを冷凍する(冷凍工程)。
<有機酸モノグリセリド含有水分散液調製工程>
本発明において、有機酸モノグリセリドおよびその他の乳化剤を直接鶏肉の下処理液に分散させて下処理液としてもよいが、好ましくは、有機酸モノグリセリドおよびその他の乳化剤を水に分散させて以下の通り有機酸モノグリセリドのラメラ構造体を形成させ、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体を形成させた有機酸モノグリセリド含有水分散液を用いて下処理液を調製することが、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の形成、形成されたラメラ構造体の安定化の面で好ましい。
以下においては、水に有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤を分散させて有機酸モノグリセリド含有水分散液を製造し、これを用いて下処理液を製造する方法について説明するが、何らこの方法に限定されるものではない。
有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤を45~100℃で水に分散させると、水分散液中に有機酸モノグリセリドのラメラ構造体(ラメラ液晶構造体)が形成される。
ラメラ構造体とは、有機酸モノグリセリドを水に分散させた際に有機酸モノグリセリド2分子が親水基部分を水側に向け、疎水基部分(脂肪酸)が互いに向き合い、これが2次元的に広がった構造のことである。
有機酸モノグリセリドは低濃度から高濃度領域の広い範囲でラメラ構造を形成し易いことが知られている。例えば、コハク酸ステアリン酸モノグリセリドは、ナトリウム塩の状態において、濃度が約35~85重量%のような高濃度領域で且つ温度が50℃以上の条件でラメラ構造体を形成する。この場合、ラメラ構造体が何層にも重なった状態が認められ、水溶液の粘度も高くなる。濃度が85重量%よりも高い場合は固体状態となり、濃度が35重量%よりも低い場合は水溶液にラメラ構造体が分散して粘性が比較的小さい状態となる。作業性などを考慮すると、低濃度かつ高温領域でラメラ構造体を形成させることが好ましい。
ラメラ構造体は、有機酸モノグリセリドを水などの分散媒中に分散させ、物理的に撹拌し加熱することにより、分散液として調製することができる。この際の加熱温度は、分散液の温度で、通常45℃以上、好ましくは50℃以上、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。上記の物理的分散には、例えば、気泡の混入を避けるため、アンカーミキサー等を使用してゆっくりと撹拌することが好ましい。
このようにして得られるラメラ構造体を製造するための分散液(以下、ラメラ構造体分散液という場合がある)中の有機酸モノグリセリドの含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、通常99.9重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
上記の通り、有機酸モノグリセリドを水に分散させる際に、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等その他の乳化剤の1種又は2種以上を用いることで、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の安定性が高められ、また、水中での分散性が向上する。安定化されたラメラ構造体は、親水基部分の強い水和力により層間に多量の水を保持する。
その他の乳化剤は、エタノール、水、糖類の水溶液などの分散媒に分散させた分散液として、上記ラメラ構造体水分散液とを混合させてもよいし、直接、ラメラ構造体水分散液にその他の乳化剤を添加してもよい。
有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の水分散液である有機酸モノグリセリド含有水分散液中の有機酸モノグリセリドの含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。有機酸モノグリセリドの含有量が過度に少ない場合は、本発明による効果が不十分となり、過度に多い場合は、有機酸モノグリセリドが水(分散媒)中に均一に分散しなくなる場合がある。
また、有機酸モノグリセリド含有水分散液中のショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等のその他の乳化剤の含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。その他の乳化剤の含有量がこの範囲にあることにより、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散性がより向上する。
この有機酸モノグリセリド含有水分散液には糖類を含むことがラメラ構造体の分散安定性の向上の観点から好ましい。
糖類を用いる場合、その他の乳化剤の乳化剤の分散液と糖類の水溶液を混合した後、ラメラ構造体水分散液などの有機酸モノグリセリドが分散した水分散液と混合してもよいし、その他の乳化剤の分散液に糖類を添加または糖類の水溶液にその他の乳化剤を添加した後に、これらの分散液または水溶液とラメラ構造体水分散液などの有機酸モノグリセリドが分散した水分散液とを混合してもよい。
ラメラ構造体水分散液などの有機酸モノグリセリドが分散した水分散液と、その他の乳化剤の分散液、糖類の水溶液またはこれらの混合物とを混合する場合は、その他の乳化剤の分散液、糖類の水溶液またはこれらの混合物を通常45℃以上、好ましくは50℃以上、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下に加熱して用いてもよい。
糖類を用いる場合、有機酸モノグリセリド含有水分散液中の糖類の含有量は、通常35重量%以上、好ましくは40重量%以上、通常85重量%以下、好ましくは60重量%以下である。糖類の含有量が上記下限以上であることにより、よりラメラ構造体の分散安定性が向上し、上記上限以下であることにより、糖の種類によって結晶が析出したり、粘度が高くなるなどの問題点が生じ難くなる。
有機酸モノグリセリド含有水分散液中の有機酸モノグリセリドに対するその他の乳化剤、糖類の含有割合は、前述の本発明の冷凍鶏唐揚げ中の有機酸モノグリセリドに対するその他の乳化剤、糖類の含有割合と同様である。
<下処理工程>
上記のようにして調製した有機酸モノグリセリド含有水分散液と、調味料やその他の添加剤の所定量を水と混合して下処理液を調製する。この下処理液に油脂類を用いる場合は、前述の油脂含有量未満となるように用いる。
この下処理液の調製に際しては、有機酸モノグリセリド含有水分散液中の糖類とは別に糖類を添加、混合することで食感や味をより良くすることができ、好ましい。この場合、風味の観点から、有機酸モノグリセリド含有水分散液とは別に添加混合する糖類は、鶏肉に対する含有量として0.1~30重量%、特に1~10重量%とすることが好ましい。
このようにして、有機酸モノグリセリド含有水分散液を用いて調製した下処理液を鶏肉に揉み込み、場合によっては所定時間放置して下処理液を十分に鶏肉に浸み込ませて鶏肉の下処理を行う。
<衣付け工程>
上記の通り下処理した鶏肉に衣を付ける。衣付けは、前述の衣材を水で溶いたものを用いて、常法に従って行うことができる。
<油ちょう工程>
衣を付けた鶏肉は、通常の方法で油ちょうする。
なお、本発明の冷凍鶏唐揚げに供する鶏唐揚げは、ノンフライ用衣材を用いて油ちょうすることなく、オーブン加熱やスチーム加熱で製造したものであってもよい。
<冷凍工程>
上記の通り製造された鶏唐揚げは、常法に従って-15℃~-30℃に冷却して冷凍し、冷凍鶏唐揚げとする。この際、緩慢冷凍、急速冷凍のいずれをも採用することができるが、急速冷凍の方が氷晶の粗大化を抑制できることから好ましい。
<解凍方法>
本発明の冷凍鶏唐揚げの解凍・加熱方法としては、室温での放置による自然解凍、冷蔵庫の中で一晩から一昼夜置く庫内解凍した後、電子レンジで加熱する方法などを採用することができる。また、予め解凍を行うことなく、直接上記のように加熱して解凍と共に加熱を行うこともできる。
本発明の冷凍鶏唐揚げは、特にその食感、食味の改善効果から、自然解凍に適しており、食に供する数時間前に冷凍庫から取り出しそのまま放置するのみで食することができ、利便性に優れる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において「%」および「部」は何れも重量基準を意味する。
[製造例1:有機酸モノグリセリド含有水分散液の製造]
HLB11のショ糖ステアリン酸エステル(三菱ケミカルフーズ社製「リョートー(登録商標)シュガーエステルS-1170」)3.5部を室温で糖類の水溶液としてマルトオリゴ糖水溶液(三和澱粉工業社製「オリゴトース」、マルトオリゴ糖固形分72重量%)60部と水8部の混合液68部に分散し、撹拌しながら加温して75℃まで昇温した(以下「オリゴ糖液」と呼ぶ)。
一方、コハク酸モノグリセリド(理研ビタミン社製「ポエムB-30」、脂肪酸としてステアリン酸を用いたもの)3.5部を脱塩水25部に分散し、60℃まで昇温しながら撹拌し、ラメラ構造体の水分散液を得た。
前記のオリゴ糖液を55℃まで冷却し、上記のコハク酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散液を加えて20分間撹拌した。次いで、45℃まで冷却することにより、ラメラ構造体の水分散液を調製した(以下「組成物A」と呼ぶ)。なお、組成物Aのコハク酸モノグリセリドのラメラ構造体の確認は偏光顕微鏡による観察によって行った。偏光顕微鏡の写真中に偏光十字が観察され、組成物Aがラメラ構造体を有していることがわかった。
この組成物Aは、ショ糖ステアリン酸エステルを3.5重量%、マルトオリゴ糖を43重量%、コハク酸モノグリセリドのラメラ構造体を3.5重量%含むものである。
[冷凍鶏唐揚げの製造と評価]
<実施例1,2、比較例1,2>
以下の手順で冷凍鶏唐揚げを製造した。なお、下処理液の糖類としては、三和澱粉工業社製「オリゴトース」(マルトオリゴ糖固形分72重量%)を用いた。
また、唐揚げバッター液としては、日本食研社製「衣サクサクから揚げの素」120gを水120gに溶いたもの)を用いた。
1.表1に示す量の鶏胸肉を麺棒でたたき、肉の繊維をほぐした。
2.さらに1.の処理をした鶏胸肉をテンダライザーで処理した。
3.水に組成物Aとオリゴトース、日清オイリオ社製「日清サラダ油」(食用大豆油と食用なたね油の混合物)、馬鈴薯澱粉、食塩等を表1に示す下処理液配合の割合で加えて下処理液を調製した。
4.樹脂袋に2.の鶏胸肉塊と3.の下処理液を入れ、手で1分間揉み込んだ。
5.4.の樹脂袋を冷蔵庫内で18時間保存し、途中1回取り出して肉を揉み込んだ。
6.5.の鶏胸肉を一度ザルで漉したのち、一口大の大きさにカットした。
7.表1に示す量の唐揚げバッター液に、6.のカットした肉を入れ、衣を絡めた。
8.7.の衣付き鶏胸肉を165~175℃の油で3分30秒間油ちょうした。
油ちょうに用いたフライ油は、日清オイリオ社製「日清キャノーラ油」(食用なたね油(シリコーン入り)である。
Figure 2023083444000001
なお、上記5.の工程で下処理液に漬け込んだ鶏胸肉をザルで濾したが、下処理に用いた下処理液と濾し取られた液との重量から鶏胸肉に付着した下処理液を求めることができ、その結果、実施例1の鶏唐揚げは、鶏胸肉に対して、有機酸モノグリセリドを0.081重量%、その他の乳化剤を0.081重量%、有機酸モノグリセリド含有水分散液中の糖類を0.717重量%含み、実施例2の鶏唐揚げは、鶏胸肉に対して、有機酸モノグリセリドを0.066重量%、その他の乳化剤を0.066重量%、有機酸モノグリセリド含有水分散液中の糖類を0.586重量%、有機酸モノグリセリド含有水分散液中の糖類とは別に添加した糖類を1.892重量%含むものであることを確認した。
製造された鶏唐揚げを油ちょう直後に食した場合と、-18℃で8日間冷凍した後、弁当用を想定して4時間室温で自然解凍して食した場合とで、それぞれ食感や食味の評価を行い、結果を表2,3に示した。
なお、表2,3中の評価において「+」の数は多い程その評価の程度が大きいことを示し、+3>+2>+1>±である。パサつき感の評価では+が少ない程好ましく、カリカリ感とジューシー感の評価では+が多い程好ましい。硬さの評価では+が少ない程好ましく、味の評価では+が多い程好ましい。
各表には、総合評価の順位付けを示す。この順位付けはNo.1が最もよく、No.4が最も劣る。
Figure 2023083444000002
Figure 2023083444000003
以上の結果から、本発明の冷凍鶏唐揚げは、解凍後のパサつき感が少なく、ジューシー感があり、柔らかく、味も好ましいことが分かる。

Claims (4)

  1. 鶏の胸肉及び/または鶏のササミを、下処理液で下処理する下処理工程1、
    前記工程1で下処理した鶏の胸肉及び/または鶏のササミに衣材を付ける衣付け工程2、
    前記工程2で衣材を付けた鶏の胸肉及び/または鶏のササミを油ちょうする油ちょう工程3、
    前記工程3で油ちょうした鶏の胸肉及び/または鶏のササミを冷凍する冷凍工程4
    を含む冷凍鶏唐揚げの製造方法であって、
    前記下処理液が、
    有機酸モノグリセリドと前記有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤と糖類とを含む有機酸モノグリセリド含有水分散液と、前記有機酸モノグリセリド含有水分散液中の前記糖類とは別に添加、混合した糖類とを含む、
    冷凍鶏唐揚げの製造方法。
  2. 前記下処理液中の、前記有機酸モノグリセリド含有水分散液中の前記糖類とは別に添加、混合した糖類の、鶏の胸肉及び/または鶏のササミ肉に対する含有量が0.1~30重量%である、請求項1に記載の冷凍鶏唐揚げの製造方法。
  3. 前記有機酸モノグリセリド含有水分散液中の前記糖類、及び前記有機酸モノグリセリド含有水分散液中の前記糖類とは別に添加、混合した前記糖類が、オリゴトースである、請求項1又は請求項2に記載の冷凍鶏唐揚げの製造方法。
  4. 前記有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷凍鶏唐揚げの製造方法。
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