JPH0943147A - 暗視野落射蛍光顕微鏡装置 - Google Patents

暗視野落射蛍光顕微鏡装置

Info

Publication number
JPH0943147A
JPH0943147A JP19313095A JP19313095A JPH0943147A JP H0943147 A JPH0943147 A JP H0943147A JP 19313095 A JP19313095 A JP 19313095A JP 19313095 A JP19313095 A JP 19313095A JP H0943147 A JPH0943147 A JP H0943147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
fluorescence
sample
dark
excitation light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19313095A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Tamura
雄一 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO, Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK filed Critical BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Priority to JP19313095A priority Critical patent/JPH0943147A/ja
Priority to DE1996130322 priority patent/DE19630322A1/de
Publication of JPH0943147A publication Critical patent/JPH0943147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/16Microscopes adapted for ultraviolet illumination ; Fluorescence microscopes
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/06Means for illuminating specimens
    • G02B21/08Condensers
    • G02B21/10Condensers affording dark-field illumination

Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料中の目的の蛍光物質から発生する蛍光の
光量測定あるいは蛍光像を高感度に観察することが可能
な暗視野落射蛍光顕微鏡装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 励起光が対物レンズを透過せず対物レンズの
外部を経由して試料へ照射される暗視野落射照明手段を
備えるとともに、試料表面から散乱される励起光成分を
吸収し試料中の蛍光物質から発生した蛍光を透過させる
吸収フィルタが対物レンズを構成する複数のレンズの
間、又は、対物レンズの試料側に配される構成として、
高感度の蛍光検出を可能とする。飽和蛍光強度よりも小
さい光量の励起光を試料に照射させて、試料中の蛍光物
質の定量測定をする。顕微鏡の分解能よりもそのパルス
幅の時間内における蛍光物質の平均移動距離が小さいパ
ルス状の励起光を試料に照射させて、蛍光試料から発せ
られる蛍光の像を観察する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光物質に励起光
を照射してその蛍光物質から発せられた蛍光を暗視野で
観察する暗視野落射蛍光顕微鏡装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光物質を含む試料に励起光を照
射して蛍光物質から発せられた蛍光を観察する蛍光顕微
鏡として、落射蛍光顕微鏡、外部照明型の蛍光顕微鏡、
暗視野透過蛍光顕微鏡、暗視野落射蛍光顕微鏡(「特開
平3−266809」)、および走査型共焦点蛍光顕微
鏡が知られている。
【0003】落射蛍光顕微鏡では、光源から発せられた
励起光は、励起フィルタを透過してダイクロイックミラ
ーで反射され対物レンズの中を透過して試料に照射され
る。一方、試料中の蛍光物質から発せられた蛍光は対物
レンズを通過しダイクロイックミラーと吸収フィルタを
透過して観察部まで導かれる。尚、励起フィルタは、光
源から発せられた光束の内の励起光成分を選択的に透過
させる。ダイクロイックミラーは、励起光を反射させ蛍
光を透過させる。吸収フィルタは、励起光を遮断し蛍光
を透過させる。
【0004】外部照明型の顕微鏡では、外部から励起光
が試料に照射され、試料中の蛍光物質から発せられた蛍
光は対物レンズと吸収フィルタを通過して観察部まで導
かれる。
【0005】走査型共焦点顕微鏡では、落射蛍光顕微鏡
と同様に、光源から発せられた励起光は、励起フィルタ
を透過してダイクロイックミラーで反射され対物レンズ
の中を通過して試料に照射され、一方、試料中の蛍光物
質から発せられた蛍光は対物レンズを通過しダイクロイ
ックミラーと吸収フィルタを透過して観察部まで導かれ
る。ピンホールを用いることにより落射蛍光顕微鏡に比
べて高コントラストの断層像の蛍光検出が可能である。
【0006】また、図16に示す「特開平3−2668
09」に開示されている暗視野落射蛍光顕微鏡では、光
源から試料に到達するまでの光路は、試料中の蛍光物質
から発せられた蛍光Bの光路と分離される。即ち、光源
10から発せられた励起光成分を含む光束は、コレクタ
レンズ11とフィールドレンズ14で平行光束に形成さ
れ、励起フィルタ15で励起光が選択的に透過され、遮
蔽板16で輪帯光Aに形成される。輪帯光Aは、ダイク
ロイックミラー17で反射され、対物レンズ30の外部
を通って試料1に到達する。一方、試料1中の蛍光物質
から発せられた蛍光Bは、対物レンズ30の内部を透過
してダイクロイックミラー17と吸収フィルタ31を透
過して観察部に向かう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】落射蛍光顕微鏡では、
観察部に到達する光は試料中の観察目的の蛍光物質から
発生する蛍光だけではなく多種のノイズ光も存在する。
図17は、従来の落射蛍光顕微鏡におけるノイズ光発生
の説明図である。例えば、蛍光検出部40に到達するノ
イズ光として以下のものがある。励起フィルタ15は、
光源10から発せられた光のうち励起光を選択的に透過
させるが、その他の波長成分を完全には遮断できないの
で一部を透過させる。またダイクロイックミラー17
は、励起フィルタ15から来た励起光を反射させるが、
その反射は完全ではなく一部を漏れ光として透過させ、
またダイクロイックミラー17においてノイズ蛍光を発
生させる。またダイクロイックミラー17からの励起光
が対物レンズ30を通過する際に、対物レンズ30にお
いてノイズ蛍光が発生する。また試料1において観察目
的の蛍光物質以外からノイズ蛍光が発生する。また試料
1で散乱された励起光は再び対物レンズ30を透過する
が、そこでもノイズ蛍光が発生する。また対物レンズ3
0から出力された励起光はダイクロイックミラー17で
反射されるが、その反射は完全ではなく、またダイクロ
イックミラー17を透過した励起光は吸収フィルタ31
で遮断されるが、その遮断も完全ではなく一部は透過し
て蛍光検出部40に到達する。また励起フィルタ15か
らの励起光の一部がダイクロイックミラー17を透過
し、本顕微鏡の鏡筒壁33Aに照射されると、その鏡筒
壁33Aにおいてノイズ蛍光が発生し、同時に励起光の
一部は反射・散乱される。以上のようなノイズ蛍光、及
び励起光の反射・散乱光や漏れ光は、試料1中の目的の
蛍光物質から発生した蛍光と共に蛍光検出部40に到達
するので、観察上のノイズとなり感度が低下するという
問題がある。特に、試料1中の蛍光物質の個数が少ない
場合や蛍光率が小さい場合には、目的の蛍光物質から発
生する蛍光の検出は不可能である。
【0008】外部照明型の顕微鏡では、試料表面で散乱
された励起光、及びその散乱された励起光が対物レンズ
等を透過する際に対物レンズ等から発生するノイズ蛍光
が観察上のノイズとなる。また、開口数の大きな対物レ
ンズの使用が困難で集光効率が低く低感度である。更に
外部から励起光を試料に照射させる操作が煩雑であると
いう問題点もある。
【0009】走査型共焦点顕微鏡では、既に述べた落射
蛍光顕微鏡が有する問題点に加えて、回折限界領域のみ
の照射のため、試料内の蛍光物質の探索に時間がかかる
ことや蛍光物質がブラウン運動などをする場合に動きの
様子を観察することが困難であるという問題点もある。
【0010】また図16に示した暗視野落射蛍光顕微鏡
では、励起光が対物レンズを経由せず試料表面に到達す
るので、試料照射以前における対物レンズのノイズ光の
発生は無くなる。しかし、光束の周辺部のみを利用して
いることや集光が困難で必要範囲より広く照明すること
などにより暗くなる問題がある。またダイクロイックミ
ラー17を漏れ光として透過した励起光が鏡筒内壁に照
射されて発生するノイズ蛍光や、試料表面で散乱された
励起光が対物レンズ等を透過する際に発生する蛍光が観
察部に到達し、これらは観察上のノイズとなり感度低下
の原因となるという問題点がある。
【0011】励起光として紫外光などの短波長がよく用
いられるが、この場合には上記のようなノイズ(いわゆ
る自己蛍光といわれる光学系自信から発生するノイズ蛍
光)は特に大きく、測定対象とする蛍光物質からの蛍光
の測定は不可能である。
【0012】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたものであり、試料中の目的の蛍光物質から発生す
る蛍光の光量測定あるいは蛍光を高感度に観察すること
が可能な暗視野落射蛍光顕微鏡装置を提供することを目
的とする。更には、蛍光物質の定量測定、動態観察、操
作・処理も可能な暗視野落射蛍光顕微鏡装置を提供する
ことをも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る暗視野落
射蛍光顕微鏡装置は、試料中の蛍光物質から発せられる
蛍光を暗視野で観察する暗視野落射蛍光顕微鏡装置であ
って、(1)試料に照射される励起光を発生する第1の
光源部と、(2)第1の光源部から発せられた励起光を
試料へ導き照射する暗視野落射照明手段と、(3)暗視
野落射照明手段によって励起光が照射された試料の部分
を視野に有し試料からの光を入力する第1の光学系と、
第1の光学系から出力された光を入力し励起光の波長と
略同一の波長の光を遮断する吸収フィルタと、吸収フィ
ルタから出力された光を入力して所定領域に集光する第
2の光学系とを有する対物レンズ部と、(4)対物レン
ズ部から出力された蛍光を検出する蛍光検出手段と、を
備えることを特徴とする。
【0014】第1の光源部から出力された励起光は、暗
視野落射照明手段により、試料へ導から試料に向けて照
射される。励起光が試料表面に照射されると、その試料
中の蛍光物質から蛍光が発生し、その蛍光は、対物レン
ズの第1の光学系、吸収フィルタおよび第2の光学系を
この順に経由して集光される。蛍光検出手段は、対物レ
ンズ部から出力された蛍光を検出する。尚、吸収フィル
タは励起光の波長と略同一の波長の光を遮断する。
【0015】請求項2に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、第1の光源部は、励起光を試料にパルス状に照射
させる手段を備え、第1の光源部から出力されたパルス
状の励起光が試料表面に照射される。
【0016】請求項3に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、試料に照射される励起光の光量を調整する手段を
備え、第1の光源部から出力された所定光量の励起光が
試料表面に照射される。
【0017】請求項4に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、暗視野落射照明手段は、(1)入射端で第1の光
源部から出力された励起光を入力し、出射端が対物レン
ズ部の周囲に輪帯状に配された複数の光ファイバからな
り輪帯光を出力する輪帯光ファイバ束と、(2)輪帯光
ファイバ束の出射端から出力された輪帯光を集束して試
料に照射させる輪帯レンズとを備える。輪帯ファイバ束
の入射端に第1の光源部から出力された励起光が入力さ
れ、その出力端から輪帯レンズに向けて輪帯光が出力さ
れる。輪帯レンズは、その輪帯光を集束して試料に照射
させる。
【0018】請求項5に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、暗視野落射照明手段は、(1)円錐形状または円
錐台形状の側面に形成された第1の反射鏡と第1の反射
鏡に対面して配され円錐台内壁側面に形成された第2の
反射鏡とを有し、第1の光源部から発せられた励起光を
入力し輪帯光を出力する輪帯光束形成鏡と、(2)輪帯
光束形成鏡から出力された輪帯光を試料に向けて反射さ
せる輪帯反射鏡と、(3)輪帯反射鏡から反射された輪
帯光を集束して試料に照射させる輪帯レンズとを備え
る。第1の光源部から出力された励起光は、輪帯光束形
成鏡の円錐形状または円錐台形状の側面に形成された第
1の反射鏡で反射し、続いて第1の反射鏡に対面して配
され円錐台内壁側面に形成された第2の反射鏡で反射し
て、輪帯反射鏡に向けて輪帯光として出力される。輪帯
反射鏡はその輪帯光を輪帯レンズに向けて反射する。輪
帯レンズは、その輪帯光を集束して試料に照射させる。
【0019】請求項6に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、暗視野落射照明手段は、(1)瞳位置または瞳の
共役位置に配置され、円錐形状のプリズムと凹円錐形状
のプリズムとを有し、第1の光源部から発せられた励起
光を入力し輪帯光を出力する輪帯光束形成プリズムと、
(2)輪帯光束形成プリズムから出力された輪帯光を試
料に向けて反射させる輪帯反射鏡と、(3)輪帯反射鏡
から反射された輪帯光を集束して試料に照射させる輪帯
レンズと、を備える。第1の光源部から出力された励起
光は、輪帯光束形成プリズムの凹円錐形状のプリズムで
屈折され、続いて円錐形状のプリズムで屈折されて、輪
帯反射鏡に向けて輪帯光として出力される。輪帯反射鏡
はその輪帯光を輪帯レンズに向けて反射する。輪帯レン
ズは、その輪帯光を集束して試料に照射させる。
【0020】請求項7に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、暗視野落射照明手段は、(1)瞳位置または瞳の
共役位置に配置され、反射又は透過の回折現象を利用し
た輪帯状の回折格子であって向かい合わせた第1の回折
格子板と第2の回折格子板とを有し、第1の光源部から
発せられた励起光を入力し輪帯光を出力する輪帯光束形
成回折格子と、(2)輪帯光束形成回折格子から出力さ
れた輪帯光を試料に向けて反射させる輪帯反射鏡と、
(3)輪帯反射鏡から反射された輪帯光を集束して試料
に照射させる輪帯レンズと、を備える。第1の光源部か
ら出力された励起光は、輪帯光束形成回折格子の第1の
回折格子で回折され、続いて第2の回折格子で回折され
て、輪帯反射鏡に向けて輪帯光として出力される。輪帯
反射鏡はその輪帯光を輪帯レンズに向けて反射する。輪
帯レンズは、その輪帯光を集束して試料に照射させる。
【0021】請求項8に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、暗視野落射照明手段は、励起光が照射されても蛍
光を発しない無蛍光材料で形成される。この場合、暗視
野落射照明手段を励起光が通過する際に蛍光が発生する
ことはない、即ち、励起光が試料に照射される以前に蛍
光が発生することはない。
【0022】請求項9に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置
では、第1の光学系には光学部品が配されない。請求項
10に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置では、吸収フィル
タが第1の最終段の光学部品の表面に形成される。請求
項11に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置では、吸収フィ
ルタが第2の光学系の初段の光学部品の表面に形成され
る。これらの場合、試料表面で散乱された励起光が吸収
フィルタで吸収されるので第2の光学系での蛍光発生が
著しく低減される。
【0023】請求項12に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、第1の光学系の最終段の光学部品が光の回折現
象を利用するレンズである。この場合、その最終段の光
学部品はレンズ作用を果たすとともに励起光を吸収す
る。請求項13に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置では、
第2の光学系の初段の光学部品が光の回折現象を利用す
るレンズである。この場合、その初段の光学部品はレン
ズ作用を果たすとともに励起光を吸収する。
【0024】請求項14に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、第1の光学系が励起光が照射されても蛍光を発
しない無蛍光材料で形成される。この場合、第1の光学
系においても蛍光発生が抑制され、従って対物レンズ部
全体における蛍光発生が抑制される。
【0025】請求項15に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、第1の光源部から発せられる励起光を制御する
制御処理手段を更に備える。この処理制御手段は、試料
表面に照射される励起光の光量を制御したり、パルス状
の励起光の時にはパルス幅やパルス周期を所定値に制御
する。
【0026】請求項16に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、加えて、第1の光源部から発せられる励起光の
光量を測定する励起光検出手段を更に備え、処理制御手
段は、励起光検出手段で測定された励起光の光量と蛍光
検出手段で検出された蛍光とを処理するデータ処理部
と、処理の結果に基づいて第1の光源部から発せられる
励起光を制御する励起光制御部とを備える。第1の光源
部から発せられる励起光の光量、即ち試料表面に照射さ
れる励起光の光量は、励起光検出手段でモニタされる。
励起光検出手段で測定された励起光の光量と蛍光検出手
段で検出された蛍光とは、データ処理部で処理、例えば
除算処理される。第1の光源部から発せられる励起光
は、データ処理部における処理の結果に基づいて励起光
制御部により制御される。
【0027】請求項17に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、励起光検出手段は、第1の光源部から発せられ
た励起光の一部を入射端で入力し出射端から出力させる
光ファイバと、光ファイバの出射端から出力された励起
光の一部の光量を測定する光検出器と、を備える。光フ
ァイバの入射端に入力した第1の光源部から発せられた
励起光の一部は、その出射端から出力され、その光量
は、光検出器により測定され、励起光の光量がモニタさ
れる。
【0028】請求項18に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、処理制御手段は、蛍光物質の飽和蛍光強度に比
べて試料に照射される励起光の光量を小さく設定する。
蛍光検出手段で測定される蛍光強度は、試料に照射され
る励起光の強度と試料中の蛍光物質の個数に比例するの
で、蛍光検出手段で測定される蛍光強度を基に試料中の
蛍光物質の定量測定ができる。
【0029】請求項19に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、処理制御手段は、試料中の蛍光物質の平均移動
距離が蛍光検出手段における検出分解能(顕微鏡の分解
能)より小さくなる時間を第1の光源部に指示し、第1
の光源部は、処理制御手段から指示された時間のパルス
幅を有するパルス状の励起光を照射する。励起光の1パ
ルス時間内における蛍光物質の移動距離は、蛍光検出手
段の分解能よりも小さいので、蛍光検出手段がその1パ
ルス時間内に蛍光を検出することにより鮮明な画像を得
る。
【0030】請求項20に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、第1の光源部は、パルス状の励起光を発生する
とともに、蛍光検出手段は、パルス状の励起光のそれぞ
れのパルスが試料に照射された後の所定の時刻における
試料からの光の光量を測定する蛍光検出遅延手段を備え
る。パルス状の励起光のそれぞれのパルスが試料に照射
された後の所定の時刻における試料からの光の光量が、
蛍光検出手段により測定される。
【0031】請求項21に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、蛍光検出遅延手段は、(1)第1の光源部から
発せられた励起光の一部を反射させ、残部を暗視野落射
照明手段の入射端に向けて透過させるビームスプリッタ
と、(2)ビームスプリッタから反射された励起光の光
量を測定し、第1の光源部が励起光を出力した時刻を検
出して、励起光出力情報を出力する光検出器と、(3)
励起光出力情報を入力し、励起光が出力された時刻を基
準にして所定の時間後から所定の時間幅の遅延情報を出
力するディレイジェネレイタと、(4)蛍光物質から発
生する蛍光の光路上に設けられ、遅延情報を入力し、遅
延情報に基づいて所定の時間後から所定の時間幅の間だ
け蛍光を透過させるゲート素子と、を備える。第1の光
源から発せられた励起光の一部は、ビームスプリッタで
反射され、その光量変化は光検出器によって測定され
る。ディレイジェネレイタは、その測定結果に基づい
て、励起光が出力された時刻を基準にして、所定の時刻
から所定の時間幅の遅延情報を出力し、ゲート素子は、
その遅延情報に従ってゲートを開き、試料から発生した
蛍光を透過させる。このようにして、蛍光検出手段は、
試料表面に励起光パルスが照射された後の所定時刻にお
ける試料からの蛍光を検出する。ゲートの開閉時期及び
開閉時間を制御することにより、試料表面に励起パルス
が照射された後において試料からの光を蛍光検出手段が
検出する時刻及び時間間隔を所定値に設定することがで
きる.請求項22に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置で
は、(1)試料の表面に照射される操作光を出力する第
2の光源部と、(2)対物レンズ部と蛍光検出手段との
間にあって、操作光を対物レンズ部の方向に反射させ、
蛍光物質から発せられた蛍光を透過させる光分岐素子
と、を更に備える。第2の光源部から出力された操作光
は、光分岐素子で反射され、対物レンズ部を透過して、
試料の表面に照射される。同時に試料には暗視野落射照
明装置により励起光が照射され、蛍光物質から蛍光が発
生する。その蛍光は、対物レンズ部を透過し、光分岐素
子を透過し、蛍光検出手段にて検出される。この時、操
作光が照射された蛍光物質からの蛍光と操作光が照射さ
れなかった蛍光物質からの蛍光との差異などを観察す
る。
【0032】請求項23に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、加えて、操作光を光分岐素子で反射させた後に
対物レンズ部を透過させて試料の表面の所定の位置また
は範囲に照射させる光束操作手段を更に備える。第2の
光源部から発せられた操作光は、光束操作手段により、
光分岐素子で反射した後に対物レンズ部を透過して試料
上の所定の位置または範囲に照射される。或いは、操作
光が照射される試料上の位置または範囲は移動できる。
この操作光の操作により試料中の特定物質を固定または
移動させたりもする。
【0033】請求項24に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、第2の光源部から発せられ光分岐素子を透過し
た操作光の漏れ光を吸収する傾斜円錐内壁鏡を更に備え
る。傾斜円錐内壁鏡は、第2の光源部から発せられ光分
岐素子を透過した操作光の漏れ光を吸収するので、蛍光
検出手段にて検出される操作光の漏れ光の光量は僅かと
なる。
【0034】請求項25に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、試料の表面に照射され散乱されて対物レンズ部
を透過した操作光を吸収し、蛍光物質から発せられた蛍
光を透過させるフィルタを更に備える。フィルタは、試
料の表面に照射され散乱されて対物レンズ部を透過した
操作光等を吸収するので、蛍光検出手段にて検出される
操作光の散乱光の光量は僅かである。尚、フィルタは蛍
光物質から発せられる蛍光を透過させるので、蛍光検出
手段はその蛍光を検出することができる。
【0035】請求項26に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置では、試料に対して対物レンズ部の反対側に配され、
試料を透過した光を吸収する傾斜円錐内壁鏡を更に備え
る。この傾斜円錐内壁鏡は、試料を透過した光を吸収す
るので、蛍光検出手段にて検出される試料からの散乱光
の光量は僅かとなる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において
同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略
する。
【0037】先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。図2は、第1の実施形態に係る
暗視野落射照明手段の一部構成図である。
【0038】光源10は、試料1中の蛍光物質に蛍光B
を発生させるために照射される励起光の波長成分を含む
光束を発生させる。光源10として、例えば水銀灯、ハ
ロゲンランプ、キセノンランプ等が利用される。光源1
0から発生された光束は、コレクタレンズ11で略平行
光に形成され、シャッタ12で透過/遮断の制御を受
け、NDフィルタ13で透過時に適当に吸収されて試料
1に照射される励起光の光量に調整され、フィールドレ
ンズ14で輪帯光ファイバ束20の入射端20aに向け
て集束される。励起フィルタ15は、輪帯光ファイバ束
20の入射端20aの前面に配され、光源10から発せ
られた光束の内、励起光の波長成分を透過させる。従っ
て、光源10から発せられた光束の内、励起光成分が輪
帯光ファイバ束20の入射端20aに入射される。
【0039】尚、光源10としてレーザ光源も利用可能
である。また、蛍光測定の目的に応じて連続発振あるい
はパルス発振が用いられる。光源10としてレーザ光源
が用いられる場合に、レーザ光源から発せられた光束を
太い平行光束に変換する必要があれば、コレクタレンズ
11に替えてビームエキスパンダが使用される。励起光
成分のみを発生する光源が用いられる場合には、励起フ
ィルタ15は不要である。パルス幅やパルス周期を制御
できる光源が用いられる場合には、シャッタ12は不要
である。光量を調整することができる光源が用いられる
場合には、NDフィルタ13は不要である。
【0040】本実施形態に係る暗視野落射照明手段は、
輪帯光を形成する輪帯光ファイバ束20、輪帯光ファイ
バ束20から出射された輪帯光を略平行光に形成するコ
リメータレンズ21、および輪帯光を試料1表面上に集
束させる輪帯コンデンサレンズ22を備える。
【0041】輪帯光ファイバ束20は、複数の光ファイ
バからなる。これらの複数のファイバの一端は束ねられ
て輪帯光ファイバ束20の入射端20aとなり、他端は
本顕微鏡の鏡筒33の外部を取り巻いて輪帯状に配され
輪帯光ファイバ束20の出射端20bとなる。励起フィ
ルタ15を透過した励起光は、輪帯光ファイバ束20の
入射端20aから入射し、輪帯光ファイバ束20の内部
を導波し、輪帯光ファイバ束20の出射端20bから輪
帯光として試料1方向に向けて出射される。
【0042】輪帯コリメータレンズ21は、鏡筒33の
周囲、且つ輪帯光ファイバ束20の出射端20bの前面
に配された輪帯状のレンズであり、輪帯光ファイバ束2
0から出射された輪帯光Aを略平行光に形成する。
【0043】輪帯コンデンサレンズ22は、鏡筒33の
周囲に配された輪帯状のレンズであり、輪帯コリメータ
レンズ21から到達した輪帯光Aを試料1面上に集束し
照射させる。
【0044】尚、輪帯光ファイバ束20を形成する個々
の光ファイバとして、その出射端が球形状であって平行
光を出力する先球光ファイバを使用すれば、輪帯コリメ
ータレンズ21を省略できる。また、輪帯光ファイバ束
20、輪帯コリメータレンズ21および輪帯コンデンサ
レンズ22は、自己蛍光の少ない材料、例えば合成石英
等で形成されるのが望ましい。
【0045】試料1は、例えば、微弱蛍光物質または標
識蛍光分子を含む液体または細胞であり、或いは微弱蛍
光物質を含む固体である。これら蛍光物質を含む試料1
に励起光が照射されると、蛍光物質から蛍光Bが発生す
る。
【0046】対物レンズ30は、試料1表面上の励起光
が照射された範囲の全てまたは一部をその視野とする。
一般には複数のレンズの組で構成される。吸収フィルタ
31は、対物レンズ30を構成する複数のレンズに挟ま
れた位置に配される。吸収フィルタ31および補助吸収
フィルタ32は、試料1から反射してきた励起光成分を
遮断し、蛍光Bを透過させる。尚、補助吸収フィルタ3
2は省略可能である。
【0047】従って、蛍光物質から発生した蛍光Bは、
対物レンズ30、吸収フィルタ31および補助吸収フィ
ルタ32を透過して蛍光検出部40に到達する。しか
し、試料1表面で反射された励起光の一部は、吸収フィ
ルタ31および補助吸収フィルタ32で吸収されるの
で、蛍光検出部40には到達しない。即ち、蛍光検出部
40には蛍光成分のみが到達する。
【0048】対物レンズ30を構成するレンズは、自己
蛍光の少ない材料で形成されるのが望ましい。特に吸収
フィルタ31と試料1との間に存在するレンズは、自己
蛍光の無い材料で形成されるのが望ましい。
【0049】尚、顕微鏡の鏡筒33は、対物レンズ3
0、吸収フィルタ31および補助吸収フィルタ32をそ
の内部に含み、外部から励起光や外乱光が蛍光検出部4
0に到達しない構造に形成される。
【0050】蛍光検出部40は、蛍光検出部40に到達
した蛍光Bを検出する。蛍光検出部40として例えば冷
却CCDや光電子増倍管のような光子計数測定が可能な
高感度の検出器が使用される。蛍光Bの像を撮像する場
合には冷却CCDが用いられる。
【0051】本実施形態では、励起光が光源10から試
料1に至るまでの光路と、試料1中の蛍光物質から発せ
られた蛍光Bが蛍光検出部40に至るまでの光路とが分
離されるので、試料1に到達する以前の励起光が対物レ
ンズ30等に蛍光を発生させることはない。更に、試料
1で散乱された励起光を吸収する吸収フィルタ31が対
物レンズ30の中間に配されるので、試料1から吸収フ
ィルタ31に至るまでの光路上にある光学素子、即ち試
料1で散乱された励起光が到達する光学素子が従来例と
比較して少なく、従って試料1で散乱された励起光によ
るこれらの光学素子における蛍光の発生は少ない。従っ
て、蛍光検出部40に到達する蛍光成分は、試料1から
発せられた蛍光Bを高感度で検出する。
【0052】次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態と第1の実施形態とは暗視野落射照明手段が
異なる。図3は、第2の実施形態に係る暗視野落射蛍光
顕微鏡装置の構成断面図である。図4は、第2の実施形
態に係る暗視野落射照明手段の一部構成図である。図5
は、第2の実施形態に係る暗視野落射照明手段の一部断
面図である。
【0053】本実施形態に係る光源10から暗視野落射
照明手段に至るまでの構成と作用、および試料1から蛍
光検出部40に至るまでの構成と作用は、第1の実施形
態と同様である。
【0054】本実施形態に係る暗視野照明手段は、輪帯
光を形成する輪帯光束形成鏡24、その輪帯光を試料1
に向けて反射させる輪帯反射鏡23、および、輪帯コン
デンサレンズ22を備える。
【0055】輪帯光束形成鏡24は、図5の断面図で示
したように、円錐形状の側面に形成された反射鏡24A
とそれに対面する円錐台形状内壁の側面に形成された反
射鏡24Bとからなる。入射端24aから入射した光束
は、最初に円錐形状の側面に形成された反射鏡24Aで
反射され、次に円錐台形状内壁の側面に形成された反射
鏡24Bで反射され、出射端24bから輪帯光Aとして
出射される。
【0056】輪帯反射鏡23は、鏡筒33の周囲に鏡筒
33に対して斜めに配された輪帯状の反射鏡であり、輪
帯光束形成鏡24で形成された輪帯光Aを、試料1の方
向に向け反射させる。
【0057】鏡筒33は、輪帯光束形成鏡24から出力
された輪帯光Aが輪帯反射鏡23に到達できるよう、輪
帯光Aが通過する部分が透明あるいは途切れている。
【0058】輪帯コンデンサレンズ22は、対物レンズ
30の周囲に配された輪帯状のレンズであり、輪帯反射
鏡23から到達した輪帯光Aを試料1面上に集束し照射
させる。
【0059】尚、輪帯光束形成鏡24、輪帯反射鏡23
および輪帯コンデンサレンズ22は、自己蛍光の少ない
材料、例えば合成石英などで形成されるのが望ましい。
【0060】次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態と第1の実施形態とは暗視野落射照明手段が
異なる。図6は、第3の実施形態に係る暗視野落射蛍光
顕微鏡装置の構成断面図である。図7は、第3の実施形
態に係る暗視野落射照明手段の一部構成図であり、図7
(a)は断面図であり、図7(b)は斜視図であり、図
7(c)は出力側から見た図面であり、図7(d)は入
力側から見た図面である。
【0061】本実施形態に係る試料1から蛍光検出部4
0に至るまでの構成と作用は、第1の実施形態と同様で
ある。
【0062】本実施形態に係る暗視野落射照明手段は、
開口絞り80、輪帯光束形成プリズム27、視野絞り8
1、フィールドレンズ14、輪帯反射鏡23、および輪
帯コンデンサレンズ22を備える。更に、本実施形態で
は、フライアイレンズ(インテグレータレンズ)18を
も備える。
【0063】フライアイレンズ18は、均一な照明を行
うため多数の棒状のレンズを束ねたものであり、その入
射端はコレクタレンズ11の後段に配置される。開口絞
り80は、試料1に照射される励起光を必要な明るさに
制御する。また、開口絞り80と輪帯光束形成プリズム
27の入射端は、フライアイレンズ18の直後の位置
(瞳に共役な位置)に配置される。視野絞り81は試料
1に共役な位置に配置され試料1表面上の必要部位のみ
に励起光照射を限定する。このような光学的配置によ
り、可変な開口絞りと視野絞りとを機能させ、必要十分
な範囲と光量で最も効率的に試料1の励起を行い、低ノ
イズで高効率な目的蛍光物質の検出が可能となる。
【0064】輪帯光束形成プリズム27は、図7(a)
の断面図で示したように、凹円錐形状プリズム27Aと
それに対向する円錐形状のプリズム27Bとからなる。
入射端27aから入射した光束は、最初に凹円錐形状の
プリズム27Aで屈折され、次に対向する円錐形状のプ
リズム27Bで屈折され、出射端27bから光束が縮小
された輪帯光Aとして出射される。輪帯光束形成プリズ
ム27は輪帯光束Aの幅と径を任意に設計することがで
きる。輪帯光束形成プリズム27から出射された輪帯光
Aは、光量を適量に減光するNDフィルタ13、必要な
波長域のみを選択的に透過させる励起フィルタ15、及
びフィールドレンズ14を透過し、輪帯反射鏡23に向
けて出射される。
【0065】輪帯反射鏡23は、鏡筒33の周囲に鏡筒
33に対して斜めに配された輪帯状の鏡であり、輪帯光
Aを、試料1の方向に向けて反射させる。
【0066】鏡筒33は、輪帯光束形成プリズム27か
らの輪帯光Aが輪帯反射鏡23に到達できるよう、輪帯
光Aが通過する部分が透明あるいは途切れている。
【0067】輪帯コンデンサレンズ22は、鏡筒33の
周囲に配された輪帯状のレンズであり、輪帯反射鏡23
から到達した輪帯光Aを試料1面上に集束し照射させ
る。
【0068】本実施形態では、試料1の下部に傾斜円錐
内壁鏡73を設けている。試料1が透明である場合に
は、励起光の一部は試料1を透過するが、その透過した
励起光は、傾斜円錐内壁鏡73の内壁で繰り返し反射さ
れる。更に、傾斜円錐内壁鏡73の頂点に到達した励起
光は、その頂点に孔部を設けて接続された光ファイバ7
4に入射して、光ファイバ74を伝搬した後に光検出器
75によって強度が測定される。これによって、試料1
を透過した励起光の反射・散乱が除去され、測光され
る。更に、この測定値に基づいて、シャッタ12、ND
フィルタ13および開口絞り80を制御することが可能
であり、適正な励起光量と励起時間を設定することがで
きる。
【0069】尚、フィールドレンズ14、輪帯反射鏡2
3および輪帯コンデンサレンズ22は、自己蛍光の少な
い材料、例えば合成石英等で形成されるのが望ましい。
【0070】次に、第4の実施形態について説明する。
図8は、第4の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。図9は、第4の実施形態に係る
暗視野落射照明手段の一部構成図である。
【0071】本実施形態に係る暗視野落射照明手段は、
開口絞り80、輪帯光束形成回折格子28、視野絞り8
1、フィールドレンズ14、輪帯反射鏡23、輪帯コン
デンサレンズ22を備える。更に、本実施形態では、フ
ライアイレンズ(インテグレータレンズ)18、モニタ
用ビームスプリッタ82、および励起光検出部42をも
備える。
【0072】輪帯光束形成回折格子28は図9に示した
ように、断面形状が鋸歯状の輪帯格子からなる一対の反
射又は透過型の回折現象を利用した光学部品であり、輪
帯光束を形成することができる。図9(a)は、一対の
反射型の回折現象を利用した輪帯光束形成回折格子の断
面図であり、図9(b)は、その断面の形状を模式的に
拡大して示した図である。この場合、入射端28aに入
射した励起光は、一方の回折格子28Aの中央に設けら
れた孔部を通過して、他方の回折格子28Bで反射・回
折される。その回折した励起光は、回折格子28Aで反
射・回折されて、輪帯光Aとして出射端28bから出力
される。図9(c)は、一対の透過型の回折現象を利用
した輪帯光束形成回折格子の断面図であり、図9(d)
は、その断面の形状を模式的に拡大して示した図であ
る。この場合、入射端28aに入射した励起光は、一方
の回折格子28Cの中央に設けられた格子部分で透過・
回折され、その回折した励起光は、回折格子28Dで再
び透過・回折されて、輪帯光Aとして出射端28bから
出力される。
【0073】モニタ用ビームスプリッタ82は、励起光
の一部(例えば0.1%)を反射し励起光検出部42に
導き、その励起光の一部の光量は、励起光検出部42で
測定される。この測定結果に基づいて、シャッタ12、
NDフィルタ13および開口絞り80を制御することが
可能であり、適正な励起光量と励起時間を設定すること
ができる。
【0074】尚、光源10としてレーザを使用する場合
は、コレクタレンズ11の代わりにビームエキスパンダ
を使用し、励起フィルタ15は不要である。またモニタ
用ビームスプリッタ82、も蛍光の少ない材料で構成す
ることが望ましい。
【0075】以上に述べた第2ないし第4の実施形態で
も第1の実施形態と同様に、励起光が光源10から試料
1に至るまでの光路が、試料1から発せられた蛍光Bが
蛍光検出部40に至るまでの光路と分離されるので、試
料1に到達する以前の励起光が対物レンズ30等におい
て蛍光を発生させることはない。また、吸収フィルタ3
1に至るまでの光路上にある光学系において、試料1で
反射された励起光による蛍光の発生は少ない。また、試
料1で反射した励起光は吸収フィルタで遮断される。従
って、蛍光検出部40は、試料1から発生された蛍光B
を高感度で検出する。
【0076】次に、吸収フィルタ31および対物レンズ
30について更に詳しく説明する。図10は、本発明に
係る対物レンズの一部断面図である。
【0077】図10(a)は、対物レンズ30の試料1
側に、吸収フィルタ31が配された場合の断面図であ
る。対物レンズ30の開口数が小さい場合、即ち対物レ
ンズ30と試料1との間に比較的距離をとることができ
る場合に有効である。吸収フィルタ31と試料1との間
に光学素子が存在しないので、この間でノイズとなる蛍
光は発生しない。
【0078】図10(b)は、対物レンズ30を構成す
る複数のレンズ30a、30bおよび30cの内の第3
レンズ30cの試料1側の表面に、吸収フィルタ31が
形成された場合の断面図である。この場合、第1レンズ
30aおよび第2レンズ30bは無蛍光材料で形成され
るのが望ましい。
【0079】図10(c)は、対物レンズ30を構成す
る複数のレンズ30a,30b,30cおよび30dの
内の第3レンズ30cと第4レンズ30dとの間に、吸
収フィルタ31が配された場合の断面図である。この場
合、第1レンズ30aないし第3レンズ30cは無蛍光
材料で形成されるのが望ましい。
【0080】図10(d)は、対物レンズ30を構成す
る複数のレンズ30a,30b,30cおよび30dの
内の第3レンズ30cが光の回折現象を利用するレンズ
(例えば、フレネルゾーンプレート、フレネルレンズ)
であって、その第3レンズ30cの試料1側の表面に吸
収フィルタ31が形成された場合の断面図である。この
場合、第1レンズ30aと第2レンズ30bは無蛍光材
料で形成されるのが望ましい。
【0081】その他、吸収フィルタ31および対物レン
ズ30の構成の様態には種々のものがあり得るが、試料
1と吸収フィルタ31との間に存在する光学素子(対物
レンズ30を構成するレンズ)が少ない程、また試料1
と吸収フィルタ31との間に存在する光学素子から発生
する蛍光が少ないほど、目的の蛍光物質以外から発生す
る蛍光の光量は少ない。
【0082】次に、以上の第1ないし第4の実施形態に
係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置における試料1中の蛍光
物質から発生する蛍光Bの光量の測定感度が、「特開平
3ー266809」に開示されている従来の暗視野落射
蛍光顕微鏡の場合と比較して、如何に改善されるかにつ
いて説明する。尚、本発明に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の吸収フィルタ31は図10(a)に示される位置
とする。即ち、吸収フィルタ31は対物レンズ30と試
料1との間の位置に配されるとする。
【0083】両者ともに、試料1に照射される励起光は
単位強度[単位は、lx、W/m 2 、またはphotons/(s・
m2 ) など]であるとする。従来の落射蛍光顕微鏡にお
ける対物レンズの蛍光率(=蛍光光子数/励起光光子
数)F0 を10-5、本発明に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置における対物レンズ30の蛍光率F1 も10-5とする。
吸収フィルタ31の消光比(=励起光エネルギー透過率
/蛍光エネルギー透過率)γを10-5とする。散乱率(=
試料1で散乱されて対物レンズ30の開口部に向かう励
起光の光量/試料1に照射される励起光の光量)Rを10
-4とする。尚、これらの値は現在入手可能なこれらの部
品における典型的な値である。
【0084】これらの値を用いて計算すると、従来の落
射蛍光顕微鏡の対物レンズから発生する蛍光は、 F0 ×R=10-5×10-4=10-9 …(1) である。本発明に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置では、
励起光の殆どが吸収フィルタ31で吸収され、吸収フィ
ルタ31を透過して対物レンズ30の開口部に入射する
のは僅かである。本発明に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の対物レンズ30から発生する蛍光は、 F1 ×γ×R=10-5×10-5×10-4=10-14 …(2) である。
【0085】即ち、本発明に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の対物レンズ30から発生する蛍光は、従来の落射
蛍光顕微鏡の対物レンズから発生する蛍光と比べて5桁
小さい。
【0086】一方、試料1の中の蛍光物質が希薄である
場合には、試料1に照射される励起光を単位強度、蛍光
物質の個数をN、蛍光物質の量子収率をQ、試料におけ
る励起光の吸収断面積をσ[m 2 ]、顕微鏡の視野面積
をS[m 2 ]とすると、試料1中の蛍光物質から発生す
る蛍光If は、 If =N×Q×σ/S …(3) なる式で表される(例えば、J.R.Lakowicz: Principle
s of Fluorescence Spectroscopy;Plenum Press ,(1
983)を参照)。ここで、典型的な値として、 N=1,Q=1,σ=10-20 [m2 ] ,S=10-8[m2 ] …(4) とすると、 If =10-12 …(5) である。
【0087】従って、従来の落射蛍光顕微鏡では、試料
1中の蛍光物質から発生する蛍光Bの光量は、対物レン
ズから発生する蛍光の光量と比べて3桁も小さいので、
検出困難である。これに対して、本発明に係る暗視野落
射蛍光顕微鏡装置では、試料1中の蛍光物質から発生す
る蛍光Bの光量は、対物レンズ30から発生する蛍光の
光量と比べて2桁も大きいので、検出可能であることが
分かる。
【0088】また図10(b)ないし(d)に示される
位置に吸収フィルタ31が配される場合でも、対物レン
ズ30から発生する蛍光の光量は、従来の落射蛍光顕微
鏡における対物レンズから発生する蛍光の光量より少な
い。特に吸収フィルタ31と試料1との間にある対物レ
ンズ30を構成するレンズを無蛍光材料で形成すれば、
更に対物レンズ30から発生する蛍光の光量は少ない。
【0089】次に、第5の実施形態について説明する。
図11は、第5の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の構成断面図である。図12は、第5の実施形態に
係る暗視野落射照明手段および励起光検出手段の一部構
成図である。
【0090】本実施形態の構成では、第1の実施形態の
構成に加えて、励起光の一部を取り出す励起光測定用フ
ァイバ26、励起光の強度をモニタする励起光検出部4
2、励起光の強度やパルス形状を制御し蛍光強度の測定
結果等を演算処理する処理制御部50、および処理制御
部50で演算処理された結果を表示する表示部51が配
される。
【0091】励起光測定用ファイバ26の入射端26a
は、暗視野落射照明手段の一部である輪帯光ファイバ束
20の入射端と共に束ねられて配され、光源10側から
来た励起光の一部(例えば0.1%)を入射させる。
【0092】励起光検出部42は、励起光測定用ファイ
バ26の出射端26bから出射された光量を測定し、そ
の測定値でもって試料1に照射される励起光の光量の指
標とする。
【0093】尚、本実施形態においても、輪帯光ファイ
バ束20を形成する個々の光ファイバとして、その出射
端が球形状であって平行光を出力する先球光ファイバを
使用すれば、輪帯コリメータレンズ21を省略できる。
また、輪帯光ファイバ束20、輪帯コリメータレンズ2
1および輪帯コンデンサレンズ22は、自己蛍光の少な
い材料、例えば合成石英等で形成されるのが望ましい。
【0094】処理制御部50は、蛍光検出部40で測定
された蛍光光量と励起光検出部42で測定された励起光
光量とを演算処理、例えば両者の比を計算し、その処理
結果を表示部51に送り、表示部51はその処理結果を
表示する。また処理制御部50は、光源10から発せら
れ試料1に照射される励起光の光量を制御して所定値に
維持する。或いは、励起光パルスを発振させてそのパル
ス幅やパルス周期を制御して所定値に維持する。これら
の制御に際しては、光源10やシャッタ12の動作を制
御することにより行う。光源10が制御可能なパルス光
源であれば、光源10に対して直接にパルス幅およびパ
ルス周期を制御してもよい。励起光の光量の調節に際し
ては、NDフィルタ13を交換することにより行っても
よい。
【0095】また、励起光測定用ファイバ26に替えて
ビームスプリッタを用いて励起光の一部を反射させ、そ
の反射された励起光を励起光検出部42で測定し、その
測定値でもって試料1に照射される励起光の光量の指標
とすることとしてもよい。
【0096】次に、本実施形態に係る暗視野落射蛍光顕
微鏡装置を用いた蛍光物質の定量測定について説明す
る。
【0097】試料1に照射される励起光の強度がある一
定値以上になると、試料1中にある蛍光物質から発生す
る蛍光Bの強度は飽和する。その飽和蛍光強度をIfsと
し、試料1に照射される励起光の強度をIi 、試料1中
の蛍光物質の個数をN、蛍光物質の量子収率をQ、試料
における励起光の吸収断面積をσ、顕微鏡の視野面積を
Sとすると、飽和を考慮した場合の蛍光Bの強度If
は、 If =(N×Q×σ/S)×Ii ×Ifs/(Ii +Ifs) …(6) なる式で表される(例えば、K.Visscher, G.J.Brakenho
ff & T.D.Visser, (1994), Fluorescense satuation in
confocal microscopy , Journal of Microscopy, Vol.
175, Pt.2, pp.162-165 を参照)。
【0098】ここで、試料1に照射される励起光の強度
Ii と飽和蛍光強度Ifsとの間に、 Ii Ifs …(7) なる関係があれば、(6)式は、 If =(N×Q×σ/S)×Ii …(8) となる。即ち、試料1に照射される励起光の強度Ii が
飽和蛍光強度Ifsに比べて小さければ、試料1中の蛍光
物質から発生する蛍光Bの強度If は、試料1に照射さ
れる励起光の強度Ii および試料1中の蛍光物質の個数
Nに比例する。
【0099】一方、蛍光検出部40における蛍光強度の
測定を感度よく行うためには、試料1に照射される励起
光の強度は大きいことが望ましい。しかし、試料1に照
射される励起光の強度が増大すると、退色や消光が起こ
り易くなる。
【0100】そこで、処理制御部50により、試料1に
照射される励起光の強度Ii が、飽和強度Ifsに比べて
小さく、且つ、退色や消光が起こらない程度に大きくな
るように光源10から発せられる光束の強度を調整し、
更に、処理制御部50により、蛍光検出部40で測定さ
れた蛍光強度を励起光検出部42で測定された励起光強
度で除算すると、表示部51に表示されたその除算結果
は試料1中の蛍光物質の量を表す。即ち、試料1中の蛍
光物質の定量測定が可能となる。
【0101】尚、実際の測定では、試料への照射強度I
i を直接測定することが困難である。そこで、予め、既
知の蛍光物質と条件(N,Q,σ,S)とを用いて、蛍
光強度If と励起光検出部42で測定した照射モニタ強
度Im とが比例する環境下で、蛍光強度If と照射モニ
タ強度Im とを測定する。そして、(8)式を変形した
関係式 If =(N×Q×σ/S)×(Im /ki ) …(8a) と Im =ki ×Ii …(8b) とから、本顕微鏡装置に係る比例係数ki を求める。以
後、この比例係数を利用して蛍光と照射モニタ強度が比
例する環境下で測定する。
【0102】次に、本実施形態に係る暗視野落射蛍光顕
微鏡装置を用いた蛍光物質の動態観察について説明す
る。尚、ここでは、蛍光検出部40として、蛍光像を撮
像可能な検出器、例えば冷却CCDを用いる。
【0103】試料1中で運動、例えばブラウン運動をす
る蛍光物質のシャープな蛍光画像を撮像するためには、
蛍光検出部40は適正な撮像時間tで撮像する必要があ
る。即ち、撮像時間tの時間内における蛍光物質の運動
の平均距離が顕微鏡の分解能以下である必要がある。試
料1中の蛍光物質の拡散係数をDとすると、撮像時間t
の時間内における蛍光物質の運動の平均距離(移動距離
の自乗平均根)は、(2×D×t)1/2 である。従っ
て、顕微鏡の分解能をδとすると、鮮明な蛍光画像を撮
像するための条件は、 (2×D×t)1/2 <δ …(9) 即ち、 t<δ2 /(2×D) …(10) で表される。
【0104】尚、顕微鏡の分解能δは、顕微鏡の対物レ
ンズの開口数NAおよび蛍光Bの波長λとから、 δλ/(2×NA) …(11) なる関係で決まる。また蛍光物質の拡散係数Dは、ボル
ツマン定数k、絶対温度T、蛍光物質の半径a、および
試料1の粘性係数ηとから、 D=k×T/(6×π×a×η) …(12) なる関係式で決まる(例えば、米沢富美子、「ブラウン
運動」(1986年)、共立出版 を参照)。
【0105】ここで、例えば典型的な値として試料1の
粘性係数ηを10-3Pa・s、絶対温度Tを300K、顕微鏡の分
解能δを200nm 、ボルツマン定数kを1.38×10-23 J/K
とすると、蛍光物質の直径1nm 、2nm 、4nm 、10nm、10
0nm に対して、それぞれ適正な撮像時間は、4.6 ×1
0-5、9.1 ×10-5、1.8 ×10-4、4.6 ×10-4、4.6 ×10
-3秒以下となる。
【0106】従って、処理制御部50により、シャッタ
12が開いている時間が(10)式で表される時間以下
となるようにシャッタ12の開閉を制御する。光源10
が制御可能なパルス光源であれば、直接に光源10から
発せられるパルス幅を制御する。また処理制御部50
は、励起光検出部42で測定された励起光強度の時間変
化から励起光のパルス幅を求め、その結果を励起光の制
御にフィードバックする。蛍光検出部40は、試料1内
の蛍光物質から発生した蛍光Bの像を撮像し、表示部5
1は、その蛍光像を表示する。
【0107】以上のようにすれば、表示部51上に表示
される蛍光像としてシャープな画像が得られる。更に上
記のような励起光パルスを繰り返し試料1に照射し、そ
のパルス毎に蛍光物質から発生する蛍光Bの像を撮像す
れば、試料1中の蛍光物質の運動の様子を観察すること
が出できる。
【0108】尚、試料1に照射される励起光を、(7)
式を満たす強度および(10)式を満たすパルス状のも
のとし、蛍光検出部40として例えば冷却CCDを用い
て蛍光Bの光量と像を同時に測定すれば、試料1中の蛍
光物質の定量測定と共に動態観測を同時に行うことが可
能である。
【0109】次に、第6の実施形態について説明する。
図13は、第6の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の構成断面図である。
【0110】本実施形態は、上述の第1ないし第4の実
施形態に加えて、励起光検出部42、処理制御部50、
表示部51、ビームスプリッタ60、光検出器61、デ
ィレイジェネレイタ62、ゲート素子63、およびリレ
イレンズ64が配される。尚、この図では、光源10か
ら暗視野落射照明手段を経て試料1に至るまでの光学系
2、および試料1から対物レンズ30と吸収フィルタ3
1を経てゲート素子63に至るまでの光学系3を省略し
て記している。また暗視野落射照明手段は、第1ないし
第4の実施形態において説明したいずれのものでも良
い。
【0111】光源10から発せられたパルス励起光は、
ビームスプリッタ60で大部分が透過し、光学系2を経
由して、試料1中の蛍光物質を励起し蛍光を発生させ
る。ビームスプリッタ60で反射した僅かな励起光は、
光検出器61で光量とその到達時刻が測定される。ディ
レイジェネレイタ62は、光検出器61の測定データを
受けて、励起光が光検出器61に到達した時刻を基準と
して、予め指定された時刻から予め指定された時間間隔
だけゲートを開くようゲート素子63に指示を送る。
【0112】ゲート素子63は、ディレイジェネレイタ
62で指定された時刻から指定された時間間隔だけゲー
トを開き蛍光像を受光する。リレイレンズ64はゲート
素子63上に形成された蛍光像を蛍光検出部40に転送
する。この様な方法によれば、十分に短いパルス励起光
(例えばピコセカンド程度のパルス幅)で励起し、所定
の遅延時間と時間間隔(例えば数ナノセカンド程度)だ
けの蛍光量を測定できる。尚、この遅延手段は上記の光
検出器61とディレイジェネレイタ62による電気的方
法以外に光学的なビームスプリッタと可動反射鏡を使用
し、ゲート素子63としてカー効果や可飽和吸収体等を
利用しても良い。
【0113】本実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置を用いて、試料1中の目的の蛍光物質以外からも蛍光
が発生し、その蛍光が目的の蛍光物質から発生する蛍光
Bの寿命より短い場合における目的の蛍光物質からの蛍
光Bの強度測定を以下のように行う。
【0114】目的の蛍光物質から発生する蛍光Bのピー
ク蛍光強度をIs 、蛍光寿命をτsとする。また目的の
蛍光物質以外から発生する蛍光のピーク蛍光強度をIn
、蛍光寿命をτn とする。試料1にパルス状の励起光
が照射された時点を基準とした時刻をtとすると、SN
比は、 S/N=(Is /In ) exp{−(1/τs −1/τn )t} …(13) で表される。ここで例えば、Is /In =0.1 、τs =
10ns、τn =1ns とすると、t≧2.6ns でSN比は1以
上になる。
【0115】従って、光源10からパルス励起光が発せ
られ、目的の蛍光物質から発生する蛍光Bの寿命が長い
ときには、ディレイジェネレイタ62を適切な遅延時間
に設定して、ゲート素子63のシャッタ(ゲート)を開
くことにより、目的物質からの蛍光Bの強度を蛍光検出
部40で測定することができる。即ち、目的の蛍光物質
からの蛍光Bの強度が、目的の蛍光物質以外からの蛍光
強度よりも大きくなる時刻に、ディレイジェネレイタ6
2からの信号がゲート素子63に到達して指定された時
刻及び時間間隔だけゲートが開き蛍光を透過させる。こ
れにより、目的の蛍光物質からの蛍光Bは、ゲート素子
63を透過し更にリレイレンズ64を透過し、蛍光検出
部40に到達してその蛍光像が撮像される。処理制御部
50は、蛍光検出部40で撮像された蛍光像を励起光検
出部42で測定された励起光強度で除算し、表示部51
はその結果を表示する。
【0116】更に、本実施形態に係る暗視野落射蛍光顕
微鏡装置によれば、蛍光検出部40に到達し得る光束が
試料1中の蛍光物質から発生する蛍光Bのみである場合
には、試料1に照射される励起光のパルス毎にゲート素
子63のゲートを開く時刻を変化させて、ゲート素子6
3を透過した蛍光Bの強度を蛍光検出部40で撮像する
ことにより、励起光パルス後の各時刻における蛍光像を
撮像することが出来、従って蛍光寿命分布を測定するこ
とができる。
【0117】次に、第7の実施形態について説明する。
図14は、第7の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の構成断面図である。図15は、傾斜円錐内壁鏡の
断面図である。
【0118】本実施形態の構成では、第1の実施形態の
構成に加えて、励起光測定用ファイバ26、励起光検出
部42、処理制御部50、表示部51、試料1表面に照
射される操作光を発生する操作光源70、試料1面上の
操作光照射位置を操作する操作光束操作部71、操作光
を反射させ蛍光Bを透過させる光分岐素子17、操作光
を遮断し蛍光成分を透過させるフィルタ64、操作光を
吸収し反射させない傾斜円錐内壁鏡72,73が配され
る。光分岐素子17として、例えば、ダイクロイックミ
ラーや偏光ビームスプリッタが用いられる。ダイクロイ
ックミラーが用いられる場合には、光の波長に依って透
過・反射が選択され、偏光ビームスプリッタが用いられ
る場合には、光の偏光方向に依って透過・反射が選択さ
れる。
【0119】光源10から発せられた励起光は、コレク
タレンズ11、シャッタ12、NDフィルタ13、フィ
ールドレンズ14、励起フィルタ15、輪帯光ファイバ
束20、輪帯コリメータレンズ21、および輪帯コンデ
ンサレンズ22を経由して試料1表面に照射される。試
料1から発せられた蛍光Bの像は、対物レンズ30、吸
収フィルタ31、光分岐素子17、およびフィルタ64
を透過して、蛍光検出部40で撮像され表示部51に表
示される。
【0120】一方、操作光源70は、例えば、レーザ光
源であり、長波長の操作光(レーザ光)を発生する。こ
のため光学系の自己蛍光は殆ど発生しない。この操作光
は、操作光束操作部71を経由し、光分岐素子17で反
射され、対物レンズ30と吸収フィルタ31を透過し
て、試料1表面上に照射される。操作光束操作部71
は、操作光が照射される試料1表面上の位置等を操作す
る。操作光が試料1表面に照射されると、その照射され
た範囲の試料1内の蛍光物質の特性は変化を受ける。蛍
光物質から発生した蛍光Bの像を蛍光検出部40で撮像
し表示部51で観察することにより、操作光が照射され
た蛍光物質の挙動と操作光が照射されなかった蛍光物質
の挙動とを比較することができる。即ち、蛍光物質の平
均的な情報だけでなく、微環境下での個々の蛍光物質の
挙動を観察できる。
【0121】尚、操作光束操作部71を経由した後の操
作光の一部は、光分岐素子17を漏れ光として透過し、
傾斜円錐内壁鏡72に到達する。傾斜円錐内壁鏡72に
入射した漏れ光は、その傾斜円錐内壁で殆どが吸収され
一部が反射される。しかし、その反射された一部漏れ光
も再び傾斜円錐内壁で殆どが吸収される。傾斜円錐内壁
鏡72はこれを繰り返す。従って、傾斜円錐内壁鏡72
は光分岐素子17からの漏れ光の大部分を吸収し、傾斜
円錐内壁鏡72で散乱され光分岐素子17裏面で反射さ
れて蛍光検出部40に向かう操作光の漏れ光は極めて少
ない。同様に、試料1の下部にも傾斜円錐内壁鏡73が
設けられ、試料1が透明試料である場合には、試料1に
照射され透過した励起光および操作光の殆どは、その傾
斜円錐内壁鏡73に到達し吸収される。従って、試料1
を透過して、傾斜円錐内壁鏡73で反射し、蛍光検出部
40に向かう散乱光は極めて少ない。具体例として例え
ば、斜入射で吸収率を90%、反射率を10%とする
と、10回反射では10-10に減衰し、単一吸収面への
直入射で吸収率99.99%(反射率0.01%)と比
較しても、10-6倍に反射ノイズが減少する。
【0122】これら傾斜円錐内壁鏡72,73は、図1
5(a)に示すように、その表面に円錐内壁形状が傾斜
して形成されていてもよいし、図15(b)に示すよう
に、円錐の軸が曲線状である円錐内壁形状であってもよ
いし、また、図15(c)に示すように、円筒形状と傾
斜円錐内壁の組み合わせ構造であってもよい。更に、円
錐内壁の頂点に孔部を設けて光ファイバ74を接続して
円錐内壁頂点に達した光を外部に取り出し、その光を廃
棄してもよいし、或いは、その光の光量を光検出器75
でモニタしてもよい。また、円筒が長くなって問題とな
る場合には、反射鏡で光路を曲げた後に光が傾斜円錐内
壁鏡に到達するようにしてもよい。
【0123】更に、フィルタ64は、傾斜円錐内壁鏡7
2で吸収されずに散乱され光分岐素子17裏面で反射さ
れて蛍光検出部40に向かう操作光、および試料1で反
射され対物レンズ30と吸収フィルタ31を透過して光
分岐素子17を漏れ光として透過する操作光の大部分を
吸収する。従って、フィルタ64を透過して蛍光検出部
40に到達する操作光はきわめて少なく、蛍光検出部に
送る感度低下の原因とはならない。
【0124】尚、本実施形態における操作光はレーザ光
に限定されるものでなく、任意の光源を使用してもかま
わない。また、例えば、パルスレーザにて光の回折限界
まで集光して2光子励起による蛍光や2光子励起による
ケージド物質の光分解などに使用しても良い。また、本
発明に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装置とスペクトル分析
器とを組み合わせて使用すれば、試料1から発生した蛍
光のスペクトルを高感度に解析できる。偏光解析器と組
み合わせて使用すれば、試料1から発生した蛍光の偏光
状態を高感度に解析できる。
【0125】以上説明したように、試料1中の蛍光物質
から発生する蛍光の寿命、スペクトル、偏光等を感度良
く解析することができ、また試料1中における蛍光物質
の運動の様子を観察することができるので、試料1中の
蛍光物質の同定、更には診断など応用することが可能で
ある。
【0126】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、吸収フィ
ルタが配される位置は、図10(a)ないし(d)に配
された位置に限られるものでなく、対物レンズを構成す
るレンズ群の間の任意の位置に配されても構わない。
【0127】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、励起光が対物レンズを透過せず対物レンズの外部
を経由して試料へ照射される暗視野落射照明手段を備え
るとともに、試料表面から散乱される励起光成分を吸収
し試料中の蛍光物質から発生した蛍光を透過させる吸収
フィルタが対物レンズを構成する複数のレンズの間、ま
たは、対物レンズの試料側に配される構成としたので、
試料中の蛍光物質以外からの蛍光の発生を抑制し、高感
度の蛍光検出が可能となり、更には単一蛍光分子からの
蛍光の検出も可能である。
【0128】特に、励起光が紫外光などの短波長である
場合には光学素子に励起光が照射されると蛍光が発生し
やすいが、この場合にも高感度の蛍光検出が可能とな
る。
【0129】また、高感度の蛍光検出が可能となるのに
伴い、飽和蛍光強度よりも小さい光量の励起光を試料に
照射させることにより、試料中の蛍光物質の定量測定も
可能となる。
【0130】また、顕微鏡の分解能よりもそのパルス幅
の時間内における蛍光物質の平均移動距離が小さいパル
ス状の励起光を試料に照射させることにより、非固定の
蛍光試料から発せられる蛍光の像の観察が可能となる。
更に、パルス状励起光を試料に連続して照射させ、パル
ス毎に蛍光試料から発せられる蛍光の像を撮像すれば、
蛍光物質の動態観察も可能となる。
【0131】また、試料中の蛍光物質から発生する蛍光
が蛍光検出部に至るまでの光路上にゲート素子を設け、
励起光発生時刻から所定の時間後に所定の時間幅だけそ
のゲート素子のゲートを開くことにより、目的の蛍光物
質から発生する蛍光の寿命が目的の蛍光物質以外から発
生する蛍光の寿命に比べて長い場合には、その寿命差を
利用して目的の蛍光物質からの蛍光を選択的に測定する
ことが可能となる。即ち、パルス状の励起光を試料に照
射させた後に、目的の蛍光物質以外から発生する蛍光の
強度より目的の蛍光物質から発生する蛍光の強度が大き
い時刻に、試料からの蛍光の強度を測定することによ
り、目的の蛍光物質からの蛍光を選択的に測定すること
が可能となる。また励起光パルス照射後の各時刻におけ
る蛍光強度を測定することにより、蛍光寿命を測定する
ことができる。
【0132】また、励起光とは別に操作光を試料に照射
させて試料中の蛍光物質の特性を変化させ、試料中の蛍
光物質から発生する蛍光の像を撮像することにより、操
作光が照射された蛍光物質の挙動と操作光が照射されな
かった蛍光物質の挙動とを比較することができる。即
ち、蛍光物質の平均的な情報だけでなく、微環境下での
個々の蛍光物質の挙動の観察が可能となる。
【0133】更には、蛍光物質の同定や診断への応用も
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る暗視野落射照明手段の一
部構成図である。
【図3】第2の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る暗視野落射照明手段の一
部構成図である。
【図6】第3の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。
【図7】第3の実施形態に係る暗視野落射照明手段の一
部構成図である。
【図8】第4の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡装
置の構成断面図である。
【図9】第4の実施形態に係る暗視野落射照明手段の一
部構成図である。
【図10】本発明に係る対物レンズ部の一部断面図であ
る。
【図11】第5の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の構成断面図である。
【図12】第5の実施形態に係る暗視野落射照明手段及
び励起光検出手段の一部構成図である。
【図13】第6の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の構成断面図である。
【図14】第7の実施形態に係る暗視野落射蛍光顕微鏡
装置の構成断面図である。
【図15】傾斜円錐内壁鏡の断面図である。
【図16】従来の暗視野落射蛍光顕微鏡の断面図であ
る。
【図17】従来の落射蛍光顕微鏡装置におけるノイズ光
発生の説明図である。
【符号の説明】
1…試料、10…光源、11…コレクタレンズ、12…
シャッタ、13…NDフィルタ、14…フィールドレン
ズ、15…励起フィルタ、16…遮蔽板、17…光分岐
素子、18…フライアイレンズ、20…輪帯光ファイバ
束、21…輪帯コリメータレンズ、22…輪帯コンデン
サレンズ、23…輪帯反射鏡、24…輪帯光束形成鏡、
26…励起光測定用ファイバ、27…輪帯光束形成プリ
ズム、28…輪帯光束形成回折格子、30…対物レン
ズ、31…吸収フィルタ、32…補助吸収フィルタ、3
3…鏡筒、40…蛍光検出部、42…励起光検出部、5
0…処理制御部、51…表示部、60…ビームスプリッ
タ、61…光検出器、62…ディレイジェネレイタ、6
3…ゲート素子、64…リレイレンズ、70…操作光
源、71…操作光束操作部、72,73…傾斜円錐内壁
鏡、74…光ファイバ、75…光検出器、A…輪帯光、
B…蛍光。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の蛍光物質から発せられる蛍光を
    暗視野で観察する暗視野落射蛍光顕微鏡装置であって、 前記試料に照射される励起光を発生する第1の光源部
    と、 前記第1の光源部から発せられた前記励起光を前記試料
    へ導き照射する暗視野落射照明手段と、 前記暗視野落射照明手段によって前記励起光が照射され
    た前記試料の部分を視野に有し前記試料からの光を入力
    する第1の光学系と、前記第1の光学系から出力された
    光を入力し前記励起光の波長と略同一の波長の光を遮断
    する吸収フィルタと、前記吸収フィルタから出力された
    光を入力して所定領域に集光する第2の光学系とを有す
    る対物レンズ部と、 前記対物レンズ部から出力された前記蛍光を検出する蛍
    光検出手段と、 を備えることを特徴とする暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の光源部は、前記励起光を前記
    試料にパルス状に照射させる手段を備えることを特徴と
    する請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の光源部は、前記試料に照射さ
    れる前記励起光の光量を調整する手段を備えることを特
    徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  4. 【請求項4】 前記暗視野落射照明手段は、 入射端で前記第1の光源部から出力された励起光を入力
    し、出射端が前記対物レンズ部の周囲に輪帯状に配され
    た複数の光ファイバからなり輪帯光を出力する輪帯光フ
    ァイバ束と、 前記輪帯光ファイバ束の前記出射端から出力された前記
    輪帯光を集束して前記試料に照射させる輪帯レンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍
    光顕微鏡装置。
  5. 【請求項5】 前記暗視野落射照明手段は、 円錐形状または円錐台形状の側面に形成された第1の反
    射鏡と前記第1の反射鏡に対面して配され円錐台内壁側
    面に形成された第2の反射鏡とを有し、前記第1の光源
    部から発せられた前記励起光を入力し輪帯光を出力する
    輪帯光束形成鏡と、 前記輪帯光束形成鏡から出力された前記輪帯光を前記試
    料に向けて反射させる輪帯反射鏡と、 前記輪帯反射鏡から反射された前記輪帯光を集束して前
    記試料に照射させる輪帯レンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍
    光顕微鏡装置。
  6. 【請求項6】 前記暗視野落射照明手段は、 瞳位置または瞳の共役位置に配置され、円錐形状のプリ
    ズムと凹円錐形状のプリズムとを有し、前記第1の光源
    部から発せられた前記励起光を入力し輪帯光を出力する
    輪帯光束形成プリズムと、 前記輪帯光束形成プリズムから出力された前記輪帯光を
    前記試料に向けて反射させる輪帯反射鏡と、 前記輪帯反射鏡から反射された前記輪帯光を集束して前
    記試料に照射させる輪帯レンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍
    光顕微鏡装置。
  7. 【請求項7】 前記暗視野落射照明手段は、 瞳位置または瞳の共役位置に配置され、反射又は透過の
    回折現象を利用した輪帯状の回折格子であって向かい合
    わせた第1の回折格子板と第2の回折格子板とを有し、
    前記第1の光源部から発せられた前記励起光を入力し輪
    帯光を出力する輪帯光束形成回折格子と、 前記輪帯光束形成回折格子から出力された前記輪帯光を
    前記試料に向けて反射させる輪帯反射鏡と、 前記輪帯反射鏡から反射された前記輪帯光を集束して前
    記試料に照射させる輪帯レンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍
    光顕微鏡装置。
  8. 【請求項8】 前記暗視野落射照明手段は、前記励起光
    が照射されても蛍光を発しない無蛍光材料で形成される
    ことを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の光学系には光学部品が配され
    ないことを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍光顕
    微鏡装置。
  10. 【請求項10】 前記吸収フィルタが前記第1の光学系
    の最終段の光学部品の表面に形成されることを特徴とす
    る請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  11. 【請求項11】 前記吸収フィルタが前記第2の光学系
    の初段の光学部品の表面に形成されることを特徴とする
    請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の光学系の最終段の光学部品
    が光の回折現象を利用するレンズであることを特徴とす
    る請求項10記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の光学系の初段の光学部品が
    光の回折現象を利用するレンズであることを特徴とする
    請求項11記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の光学系が前記励起光が照射
    されても蛍光を発しない無蛍光材料で形成されることを
    特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の光源部から発せられる前記
    励起光を制御する処理制御手段を更に備えることを特徴
    とする請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  16. 【請求項16】 前記第1の光源部から発せられる前記
    励起光の光量を測定する励起光検出手段を更に備え、 前記処理制御手段は、前記励起光検出手段で測定された
    前記励起光の光量と前記蛍光検出手段で検出された前記
    蛍光とを処理するデータ処理部と、前記処理の結果に基
    づいて前記第1の光源部から発せられる前記励起光を制
    御する励起光制御部とを備える、 ことを特徴とする請求項15記載の暗視野落射蛍光顕微
    鏡装置。
  17. 【請求項17】 前記励起光検出手段は、 前記第1の光源部から発せられた前記励起光の一部を入
    射端で入力し出射端から出力される光ファイバと、 前記光ファイバの前記出射端から出力された前記励起光
    の一部の光量を測定する光検出器と、 を備えることを特徴とする請求項16記載の暗視野落射
    蛍光顕微鏡装置。
  18. 【請求項18】 前記処理制御手段は、前記蛍光物質の
    飽和蛍光強度に比べて前記試料に照射される前記励起光
    の光量を小さく設定することを特徴とする請求項15記
    載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  19. 【請求項19】 前記処理制御手段は、前記試料中の前
    記蛍光物質の平均移動距離が前記蛍光検出手段における
    検出分解能より小さくなる時間を前記第1の光源部に指
    示し、 前記第1の光源部は、前記処理制御手段から指示された
    前記時間のパルス幅を有するパルス状の励起光を発生す
    る、 ことを特徴とする請求項15記載の暗視野落射蛍光顕微
    鏡装置。
  20. 【請求項20】 前記第1の光源部は、パルス状の励起
    光を発生するとともに、 前記蛍光検出手段は、前記パルス状の励起光のそれぞれ
    のパルスが前記試料に照射された後の所定の時刻におけ
    る前記試料からの光の光量を測定する蛍光検出遅延手段
    を備える、 ことを特徴とする請求項1記載の暗視野落射蛍光顕微鏡
    装置。
  21. 【請求項21】 前記蛍光検出遅延手段は、 前記第1の光源部から発せられた前記励起光の一部を反
    射させ、残部を前記暗視野落射照明手段の入射端に向け
    て透過させるビームスプリッタと、 前記ビームスプリッタから反射された前記励起光の光量
    を測定し、前記第1の光源部が前記励起光を出力した時
    刻を検出して、励起光出力情報を出力する光検出器と、 前記励起光出力情報を入力し、前記励起光が出力された
    時刻を基準にして所定の時間後から所定の時間幅の遅延
    情報を出力するディレイジェネレイタと、 前記蛍光物質から発生する蛍光の光路上に設けられ、前
    記遅延情報を入力し、前記遅延情報に基づいて前記所定
    の時間後から前記所定の時間幅の間だけ前記蛍光を透過
    させるゲート素子と、 を備えることを特徴とする請求項20記載の暗視野落射
    蛍光顕微鏡装置。
  22. 【請求項22】 前記試料の表面に照射される操作光を
    出力する第2の光源部と、 前記対物レンズ部と前記蛍光検出手段との間にあって、
    前記操作光を前記対物レンズ部の方向に反射させ、前記
    蛍光物質から発せられた蛍光を透過させる光分岐素子
    と、 を更に備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野落
    射蛍光顕微鏡装置。
  23. 【請求項23】 前記操作光を前記光分岐素子で反射さ
    せた後に前記対物レンズ部を透過させて前記試料の表面
    の所定の位置または範囲に照射させる光束操作手段を更
    に備えることを特徴とする請求項22記載の暗視野落射
    蛍光顕微鏡装置。
  24. 【請求項24】 前記第2の光源部から発せられ前記光
    分岐素子を透過した前記操作光の漏れ光を吸収する傾斜
    円錐内壁鏡を更に備えることを特徴とする請求項22記
    載の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
  25. 【請求項25】 前記試料の表面に照射され散乱されて
    前記対物レンズ部を透過した操作光を吸収し、前記蛍光
    物質から発せられた蛍光を透過させるフィルタを更に備
    えることを特徴とする請求項22記載の暗視野落射蛍光
    顕微鏡装置。
  26. 【請求項26】 前記試料に対して前記対物レンズ部の
    反対側に配され、前記試料を透過した光を吸収する傾斜
    円錐内壁鏡を更に備えることを特徴とする請求項1記載
    の暗視野落射蛍光顕微鏡装置。
JP19313095A 1995-07-28 1995-07-28 暗視野落射蛍光顕微鏡装置 Pending JPH0943147A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19313095A JPH0943147A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 暗視野落射蛍光顕微鏡装置
DE1996130322 DE19630322A1 (de) 1995-07-28 1996-07-26 Dunkelfeld-Auflicht-Fluoreszenzmikroskop

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19313095A JPH0943147A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 暗視野落射蛍光顕微鏡装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0943147A true JPH0943147A (ja) 1997-02-14

Family

ID=16302776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19313095A Pending JPH0943147A (ja) 1995-07-28 1995-07-28 暗視野落射蛍光顕微鏡装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH0943147A (ja)
DE (1) DE19630322A1 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001066253A (ja) * 1999-06-30 2001-03-16 Carl Zeiss Jena Gmbh レーザ走査顕微鏡におけるパルス形態の最適化のためのシステム
JP2001522996A (ja) * 1997-11-10 2001-11-20 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 複数の生物学的指示薬を読み取る装置
JP2002039943A (ja) * 2000-07-27 2002-02-06 Japan Science & Technology Corp 多光子励起蛍光寿命画像化システム
JP2002055050A (ja) * 2000-08-09 2002-02-20 Hitachi Ltd 蛍光画像検出方法並びにdna検査方法及びその装置
WO2002048693A1 (fr) * 2000-12-14 2002-06-20 Olympus Optical Co., Ltd. Analyseur fluorometrique et analyse fluorometrique
JP2006503283A (ja) * 2002-10-16 2006-01-26 パーキンエルマー・シンガポール・プライベート・リミテッド 画像化に関する改善
JP2006275794A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Toshiba Corp 分析装置
CN102004091A (zh) * 2009-08-31 2011-04-06 索尼公司 荧光图像产生方法、设备和程序
JP2014503073A (ja) * 2011-01-14 2014-02-06 ルーメンコア インコーポレイテッド 生物学的分析又は他のシステムにおける計量線量照明のためのシステム及び方法
JP2014071083A (ja) * 2012-10-01 2014-04-21 Ushio Inc 蛍光光度計
JP2015031682A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 東ソー株式会社 蛍光検出器
JP2016017876A (ja) * 2014-07-09 2016-02-01 日本板硝子株式会社 蛍光検出用光学装置
WO2020022038A1 (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 ソニー株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、およびプログラム
CN114690389A (zh) * 2022-05-07 2022-07-01 北京航空航天大学 一种基于复眼结构的大视场连续变倍显微系统及方法
WO2022264521A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 浜松ホトニクス株式会社 測定装置

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19927724A1 (de) * 1998-06-19 2000-01-20 Optiscan Pty Ltd Verfahren und Vorrichtung mit Zweiphotonen-Endoskop oder Mikroskop
DE19923822A1 (de) * 1999-05-19 2000-11-23 Zeiss Carl Jena Gmbh Scannende Anordnung, vorzugsweise zur Erfassung von Fluoreszenzlicht
DE19926037A1 (de) * 1999-05-28 2000-11-30 Zeiss Carl Jena Gmbh Mikroskop mit mindestens einem Strahlteiler
DE19939183C1 (de) 1999-08-20 2000-10-05 Daimler Chrysler Ag Elektrische Verstelleinrichtung für einen Vordersitz eines Kraftfahrzeugs
DE10135320A1 (de) * 2001-07-19 2003-03-13 Zeiss Carl Jena Gmbh Mikroskopobjektiv und Verwendung eines solchen Mikroskopobjektivs bei einem Mikroskop
JP4678516B2 (ja) * 2002-08-16 2011-04-27 アヴァントラ バイオサイエンスィズ コーポレーション 材料の分離、反応、および顕微鏡分析のための基板
DE102004034957A1 (de) * 2004-07-16 2006-02-02 Carl Zeiss Jena Gmbh Anordnung zur mikroskopischen Beobachtung und/oder Detektion und Verwendung
DE102004034958A1 (de) * 2004-07-16 2006-02-09 Carl Zeiss Jena Gmbh Anordnung zur mikroskopischen Beobachtung und/oder Detektion in einem Lichtrastermikroskop mit linienförmiger Abtastung und Verwendung
DE102005011979B4 (de) * 2005-03-14 2010-05-12 Leica Microsystems Cms Gmbh Mikroskop
DE102011018725A1 (de) * 2011-04-20 2012-10-25 Carl Zeiss Jena Gmbh Optische Anordnung zur Erfassung der Lumineszenz von Proben

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2010540A1 (de) * 1969-03-12 1970-12-17 Olympus Optical Co. Ltd., Tokio PR 12.03.69 Japan 21559-69 Fluoreszenzmikroskop
DE3100662A1 (de) * 1980-01-31 1981-11-26 Jenoptik Jena Gmbh, Ddr 6900 Jena "vorrichtung zur dunkelfeldbeleuchtung in auflichtmikroskopen"
ATE23752T1 (de) * 1980-08-21 1986-12-15 Oriel Scient Ltd Optische analyseeinrichtung.
DE3333471A1 (de) * 1983-09-16 1985-04-04 Fa. Carl Zeiss, 7920 Heidenheim Operationsmikroskop fuer zwei operateure
DE3409657A1 (de) * 1984-03-16 1985-09-19 Fa. Carl Zeiss, 7920 Heidenheim Dunkelfeldbeleuchtungseinrichtung fuer mikroskope
DE4228366C2 (de) * 1992-08-26 1995-05-24 Rainer Dr Uhl Fluoreszenz-Meßvorrichtung

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001522996A (ja) * 1997-11-10 2001-11-20 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 複数の生物学的指示薬を読み取る装置
JP2001066253A (ja) * 1999-06-30 2001-03-16 Carl Zeiss Jena Gmbh レーザ走査顕微鏡におけるパルス形態の最適化のためのシステム
JP4593739B2 (ja) * 2000-07-27 2010-12-08 独立行政法人科学技術振興機構 多光子励起蛍光寿命画像化システム
JP2002039943A (ja) * 2000-07-27 2002-02-06 Japan Science & Technology Corp 多光子励起蛍光寿命画像化システム
WO2002010727A1 (fr) * 2000-07-27 2002-02-07 Japan Science And Technology Corporation Systeme d'imagerie de temps de vie de fluroescence a pompage multiphotonique
JP2002055050A (ja) * 2000-08-09 2002-02-20 Hitachi Ltd 蛍光画像検出方法並びにdna検査方法及びその装置
WO2002048693A1 (fr) * 2000-12-14 2002-06-20 Olympus Optical Co., Ltd. Analyseur fluorometrique et analyse fluorometrique
JP4829499B2 (ja) * 2002-10-16 2011-12-07 パーキンエルマー・シンガポール・プライベート・リミテッド 画像化に関する改善
JP2006503283A (ja) * 2002-10-16 2006-01-26 パーキンエルマー・シンガポール・プライベート・リミテッド 画像化に関する改善
US8289620B2 (en) 2002-10-16 2012-10-16 Perkinelmer Singapore Pte Ltd. Imaging
JP2006275794A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Toshiba Corp 分析装置
CN102004091A (zh) * 2009-08-31 2011-04-06 索尼公司 荧光图像产生方法、设备和程序
JP2014503073A (ja) * 2011-01-14 2014-02-06 ルーメンコア インコーポレイテッド 生物学的分析又は他のシステムにおける計量線量照明のためのシステム及び方法
JP2014071083A (ja) * 2012-10-01 2014-04-21 Ushio Inc 蛍光光度計
JP2015031682A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 東ソー株式会社 蛍光検出器
JP2016017876A (ja) * 2014-07-09 2016-02-01 日本板硝子株式会社 蛍光検出用光学装置
WO2020022038A1 (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 ソニー株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、およびプログラム
CN112469991A (zh) * 2018-07-24 2021-03-09 索尼公司 信息处理装置、信息处理方法、信息处理系统以及程序
JPWO2020022038A1 (ja) * 2018-07-24 2021-09-09 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、およびプログラム
US11579090B2 (en) 2018-07-24 2023-02-14 Sony Corporation Information processing apparatus, information processing method, information processing system, and computer program
WO2022264521A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 浜松ホトニクス株式会社 測定装置
CN114690389A (zh) * 2022-05-07 2022-07-01 北京航空航天大学 一种基于复眼结构的大视场连续变倍显微系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE19630322A1 (de) 1997-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0943147A (ja) 暗視野落射蛍光顕微鏡装置
US8718106B2 (en) Nonlinear imaging using passive pulse splitters
US6202493B1 (en) Methods and apparatus for determining a first parameter(s) of an object
JP4791625B2 (ja) 分光光度・比濁検出ユニット
US9766174B2 (en) Optical measuring device and optical measuring method
US5434901A (en) Soft X-ray microscope
Trigo et al. Laser photolysis of caged compounds at 405 nm: photochemical advantages, localisation, phototoxicity and methods for calibration
US5399866A (en) Optical system for detection of signal in fluorescent immunoassay
JP2002098896A (ja) 対象物の照明方法および装置
JP2001235684A (ja) 共焦点走査型顕微鏡
JPH06160724A (ja) フラッシュフォトリシス用顕微鏡
US10823948B2 (en) Microscope for imaging an object
Chen et al. Optical monitoring of protein crystals in time‐resolved x‐ray experiments: Microspectrophotometer design and performance
JP2002286639A (ja) 時間分解蛍光検出装置
JP2010286381A (ja) フローサイトメーター
JP2021503608A (ja) 落射蛍光測定用の光学フローサイトメータ
JP4981460B2 (ja) レーザ顕微鏡
JP2021051074A (ja) 分光分析装置
JPH10186240A (ja) 暗視野落射顕微鏡装置
JP2756298B2 (ja) 検体検査装置
JPH10153561A (ja) 光熱変換分光分析装置
JP2006300808A (ja) ラマン分光測定装置
JP2003185928A (ja) 照明装置及び該装置を備えた蛍光顕微鏡
JPH09210906A (ja) 近接場顕微鏡
Deutsch et al. Fluorescence polarization as a functional parameter in monitoring living cells: theory and practice