JP2002055050A - 蛍光画像検出方法並びにdna検査方法及びその装置 - Google Patents

蛍光画像検出方法並びにdna検査方法及びその装置

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JP2002055050A JP2000247896A JP2000247896A JP2002055050A JP 2002055050 A JP2002055050 A JP 2002055050A JP 2000247896 A JP2000247896 A JP 2000247896A JP 2000247896 A JP2000247896 A JP 2000247896A JP 2002055050 A JP2002055050 A JP 2002055050A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1スポットを走査するDNA検出では検査に時
間を要し、将来の集団検診等の多量サンプル処理が不可
能になる。また高分解の多量の絵素からなるサンプルを
高感度、高精度でかつ高速に検出することが従来困難で
あった。 【解決手段】マルチスポット又はシート状の励起光ビー
ムをサンプルに同時照射し、励起光とサンプルを相対移
動し、マルチチャンネルのフォトンカウント可能なフォ
トマルで同時検出する。得られたデータから蛍光画像を
構成する。高速、高感度でかつ広いダイナミックレンジ
で検出するため、フォトンカウント検出とアナログ積分
検出を条件に応じて切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は励起光を照射するこ
とにより微弱な蛍光を発する対象を高感度高速に蛍光検
出する方法に関する。またこの蛍光検出方法を用いてD
NA検査する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来励起光を照射して得られる微弱蛍光
を検出する方法として、1本のレーザビームを対象物に
絞り込み得られる蛍光を励起光から分離し高感度検出素
子で検出していた。また2次元的に検出するには照射励
起光ビームを試料面に対し相対的に走査し、検出してい
た。この際検出の信号対雑音比を大きくするため、対象
物と共役な関係にある位置に開口を設け共焦点検出して
いた。また2次元的に検出するために、スパイラル状に
微小円開口が開いたいわゆるニッポウディスクを用い
て、これに一様照射光を当て、円開口からの光を非対称
物上に 結像し、反射光或いは蛍光をこの開口の透過光
として検出することにより2次元的に共焦点画像或いは
蛍光画像を検出する方法があった。
【0003】またDNAチップあるいはDNAマイクロ
アレイを検査する方法として、上記の1スポットを用い
て蛍光検出し、この蛍光検出結果からDNAを検査する
方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の何れの方法も微
弱な蛍光を2次元的に検出しようとすると非常に長い時
間を要する。1ビームレーザ光を対象物に絞り込む方法
は1絵素ずつ時系列的に検出するため、蛍光が非常に微
弱な場合1絵素分の検出に時間を要し、2次元画像全体
を検出するにはかなりの時間を要する。微弱な蛍光を発
する対象を高速に検出するため、1ビームレーザの励起
光を強くしても、例えば6000×6000絵素を1分
で検出しようとすると1絵素当たりの検出時間は1〜2
μsec (マイクロ秒)となる。このような短い時間で検出
しようとすると、蛍光検出強度を広いダイナミックレン
ジ(例えば216)で検出することが困難になる。また通
常の蛍光は励起光を受光してから10-9〜10-5sec遅
延して蛍光を発するので、1絵素当たりの蛍光検出時間
が1から2μsecでは十分な蛍光検出ができない。他方
ニッポウディスクを用いる方法は一様光中の微小開口の
比率分しか光が有効に用いられないため、微弱蛍光を検
出するのにかなりの時間を要する。
【0005】本発明はこれら従来の課題を解決し、微弱
な蛍光を2次元の大きな解像本数を必要とする検出対象
物に対して、高速、高分解能にかつ高感度に検出する技
術を提供する。またこの技術を用いて、高感度高速にD
NAを検査する技術を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題の解決方法と
して本発明は以下の手段を用いている。
【0007】蛍光特性を有する対象物体に多数Mの微小
なスポットからなるマルチスポット励起光を照射する。
この励起光により得られる各マルチスポットからの蛍光
を励起光から分離し、この対象物体から発する蛍光像を
フォトンカウント可能な複数の微弱光検出素子で検出す
る。このようにすれば非常に微弱な蛍光でも検出でき
る。各検出素子から得られるフォトン信号をそれぞれ個
別にフォトンカウントし、各検出素子で検出されたフォ
トンカウント数Npmを個別に記憶する。さらにマルチ
スポット光と対象物体との位置を相対的に駆動系等によ
り変化させ、各検出器のフォトンカウント数を順次記憶
して行く。このようにして対象物体上の所望の範囲に亘
りフォトンカウント数データを記憶収集してゆけば、こ
の収集データから蛍光画像を構成することができる。
【0008】また上記マルチスポット光の代わりにシー
ト状励起光を用いる。このシート状励起光を照射するこ
とにより得られる長細い形状を有する照射領域からの蛍
光を励起光から分離し、該対象物体から発する蛍光像を
フォトンカウント可能な複数の微弱光検出素子で検出す
る。各検出素子から得られるフォトン信号をそれぞれ個
別にフォトンカウントし、各検出素子で検出されたフォ
トンカウント数Npmを個別に記憶する。シート状励起
光による細長い形状を有する照射領域と該対象物体との
位置を相対的に変化させ、各検出器のフォトンカウント
数を順次記憶して行く。このようにして対象物体上の所
望の範囲に亘りフォトンカウント数データを記憶収集し
てゆけば、この収集データから蛍光画像を構成すること
ができる。
【0009】マルチスポット又はシート状励起光を照射
し同時にM絵素の蛍光を検出することにより従来の課題
で示した上記1分で6000×6000画素を検出する
には1絵素当たりM〜2Mμsecの時間をかけることが
可能になる。例えばM=50ならこの時間は50〜10
0μsecとなり、上記の蛍光発生遅延の問題を解決でき
る。またダイナミックレンジを確保し、かつ高感度の検
出が下記理由により可能になる。
【0010】即ち、1絵素当たりの検出時間が1μsec
程度であると高感度検出を行うに必要なフォトンカウン
トの計数時間に足る検出時間が短くなり、ダイナミック
レンジの確保が困難になる。これは1フォトンを検出し
たときに発生するフォトンパルス信号のパルス幅が数十
nsであるため、1μsecの時間内ではせいぜい数十パ
ルスの信号しか検出できないためである。またこのよう
な短い時間で蛍光強度をアナログ的に検出しようとして
も、検出回路の周波数特性から十分なダイナミックレン
ジを確保して検出することは困難である。
【0011】上記の対象物として蛍光分子を付加したD
NA断片を対応するDNAに結合させたサンプルを用い
て以下のようにして検査する。一例として検査対象がD
NAチップの場合、先ず検査対象であるDNAから前処
理により作成したDNA断片に所望の蛍光体を付加した
ターゲットを上記DNAチップにハイブリダイゼーショ
ンする。このハイブリダイゼーションされた被検査DN
Aチップに、多数Mの微小なスポットからなるマルチス
ポット励起光を照射することにより得られる各マルチス
ポットからの蛍光を励起光から分離する。分離したDN
Aチップから発する蛍光の像をフォトンカウント可能な
複数の微弱光検出素子で検出する。各検出素子から得ら
れるフォトン信号をそれぞれ個別にフォトンカウント
し、各検出素子で検出されたフォトンカウント数Npm
を個別に記憶する。さらに上記マルチスポット光と該D
NAチップとの位置を相対的に変化させて上記各検出器
のフォトンカウント数を順次記憶していく。このように
して上記DNAチップ上の所望の範囲に亘りフォトンカ
ウント数データを記憶収集し、この収集データから蛍光
画像を構成することによりDNAを検査する。
【0012】上記マルチスポット光に代えてシート状ビ
ームを用いても、上記蛍光検出でシート状ビームを用い
る蛍光検出で説明したのと同様にターゲットDNAに付
加した蛍光を検出することにより、DNA検査を行うこ
とができる。
【0013】上記対象物体に照射されるマルチスポット
励起光又はシート状の励起光の最小絞り径となる位置に
ある物体面からの蛍光像の合焦点位置にマルチスポット
像またはシート状の細長い領域像のみを通過せしめるマ
ルチスポット開口または細長い開口を配置し、共焦点検
出する。このようにすることにより、信号対雑音比の大
きい共焦点画像が得られる。即ち、検出したいマルチス
ポット位置の蛍光、或いはシート状ビームの位置の蛍光
を、それ以外の光路中に存在する蛍光物質等の背景にあ
る蛍光雑音から影響を受けずに、低雑音で検出できる。
蛍光検出を行うサンプルが2次元平面内にあるときには
マルチスポットとサンプルをこの平面内で相対位置変化
させ共焦点検出を行えば、この平面外にある蛍光体によ
る雑音の影響を殆ど受けずに信号対雑音比の大きな蛍光
検出或いはDNA検査を行うことができる。
【0014】上記マルチスポット光を用いる蛍光画像検
出で、マルチスポットと対象物の相対位置変化を対象物
体面内の2方向と対象物体面に垂直な方向の計3方向の
うち少なくとも1方向に行う。特に上記の共焦点検出の
場合、マルチスポットの最小絞り込み位置、或いはシー
トビームの最小絞り込み位置から対象物を光軸方向に相
対位置変化させることにより、得られる蛍光像強度の変
化から合焦点位置を求め、この位置での蛍光強度から表
面に凹凸のある対象に対して、正しい蛍光強度情報と、
表面凹凸情報、或いは蛍光を発している3次元的な位置
情報を得ることが可能になる。
【0015】上記従来の1スポット励起光の場合におけ
る問題点で示したように、高速に蛍光画像を検出するた
めマルチスポット光の数は多いほど有利である。Mは1
0以上にするとこの時間内で検出できる最大のフォトン
カウント数は数百と大きくなり、高感度、広ダイナミッ
クレンジを実現する上で有効である。DNA検査等では
更に高速化を行うためスポットの複数化の効果は大き
く。Mを50以上にすると更に良い。即ちMを50以上
にすると例えば6000×6000絵素を1絵素当たり
数十μsかけて検出し、全画素を1分以内で検出するこ
とが可能になる。
【0016】上記マルチスポットは、複数の検出素子、
とりわけ1ないし2次元の直線上に配列した検出素子で
検出するため、また検出した複数の情報を対象物或いは
DNAチップの位置情報に対応させ蛍光画像として出力
するため1又は2次元の直線上に配列させる。
【0017】上記マルチスポット励起光またはシート状
励起光と対象物の相対位置変化を行い1絵素分の移動を
おこなう周期をTdとする。このとき上記フォトンカウ
ント信号の単独フォトン検出時のパルス幅Δt0で割っ
た値、即ちTd/Δt0に1以下0.1以上の所望の係
数αを掛けた値,即ちαTd/Δt0を求める。この値
が上記フォトンカウント数Npmに達していることを判
断基準にして、即ち、αTd/Δt0≧Npmの時上記
マルチスポット励起光またはシート状励起光の強度を変
化させる等の方法により、蛍光検出強度が小さくなるよ
うにしてフォトンカウントができるようにして検出を行
う。即ち1絵素を検出する時間をフォトンパルス時間幅
で割った値のα倍以上のフォトンカウントは精度の点で
不可能であるため、励起光を小さくしたり、或いは励起
光照射時間を短くし実効的に励起光強度を小さくした
り、或いは検出蛍光を小さくするため検出素子のゲイン
を小さくし、実効的にフォトンカウント可能なフォトン
カウント値にする。
【0018】上記マルチスポット光またはシート状励起
光を2波長以上の多色光にする。このようにすることに
より蛍光検出の情報を多くし、蛍光検出機能、DNA検
出機能を向上させる。
【0019】また、上記フォトンパルス信号がハイレベ
ルにある時間を1絵素分の検出時間Td以内の時間βT
dに亘り加算計測する。この値をTh′とするとき、1
以下の所定のγに対し、Th′≧γβTdの条件を満足
するか否かを判定する。仮にこの式を満たすとき、上記
検出素子の出力信号をアナログ的に積分する回路で積算
した結果を用いる。このようにすることにより強い蛍光
にたいしても検出できるようになる。即ち、フォトンカ
ウントが不可能な強い蛍光を検出しても、アナログ的に
積分することにより強い蛍光の検出が可能になる。しか
も、アナログ検出の時間をTd以内にすれば、1絵素当
たりの検出時間を変えずに全絵素に亘り検出できる。こ
の結果、フォトンカウントを用いる微弱な蛍光からこの
積分回路によるるアナログ積分検出を用いる強い検出強
度までの広いダイナミックレンジに亘り高精度にかつ、
高速に検出することが可能になる。また上記αが1に相
当する検出法として、フォトンカウントとアナログ積分
検出を同時に並行して行い、得られた両結果を比較判断
して、何れかの検出結果を用いる。
【0020】また、上記の励起光源としてレーザを用い
る。このレーザの共振器内にマルチスポット発生ホログ
ラム又はシートビーム発生ホログラムを配置し、レーザ
共振器内の強力なレーザ光でマルチスポットを発生させ
る。通常レーザの共振器内の光エネルギーは出射するビ
ームのエネルギーの10倍以上になっている。通常のレ
ーザでは出射ウィンドウのミラーの反射率は約90%に
し、残り約10%を出射光として取り出している。この
出射ウィンドウの反射率を100%にし、光を共振器内
に閉じこめ、この共振器内の光路にホログラムを配置す
ることにより、ホログラムの回折効率約10%をマルチ
スポット光もしくはシート状ビームとして利用すること
ができる。この結果従来のレーザ出射光路中にホログラ
ムを配置する場合に比べ、10倍近い強度のマルチスポ
ット光もしくはシート状ビームが得られ、高速高感度の
蛍光検出、並びにDNA検査を行うことが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態図であ
る。レーザ光源211,212,213……は635n
mの波長を有する半導体レーザから出射した拡散光を丸
い平行ビームにしたものである。各レーザ光源から出射
したK個の光ビームはピッチPの間隔でマルチビームス
プリッタ22に入射する。マルチビームスプリッタ22
はピッチPでK個並び、入射した各ビームを2分し、ピ
ッチP/2の2K個の平行に進むビームを形成する。こ
れらのビームは図示された座標のyz軸に±45度の方
向に長軸を有する楕円偏光又は直線偏光もしくは円偏光
になっている。
【0022】2K個のビームはピッチP/2で配列し、
マルチレンズ231に入射する。マルチレンズ231は
プリズム232に貼り付けられている。マルチレンズを
透過したビームはプリズム232を通過し、プリズム2
33との境界にあるマルチピンホールに入射する。
【0023】プリズム232及び233はそれぞれ厚さ
がわずかに異なる台形のガラスを底辺同士で接着してお
りこの接着面が偏光ビームスプリット面になっている。
この結果プリズム232を通過したビームはピッチP/
4で4K個のピンホールを有するピンホールアレイ23
4の各ピンホールにビームを収束させる。ピンホールア
レイはピンホール部以外に載る雑音となる迷光を除去
し、DNAチップに雑音の少ないマルチスポットを照射
する役割を持っている。
【0024】上記のプリズム232を通過する際偏光ビ
ームスプリット面を通過する光はP偏光(zに直交する
直線偏光)、反射する光はS偏光(z方向の直線偏光)
になっている。このためマルチスポットを通過した光の
半分はP偏光、残りの半分はS偏光になっている。
【0025】ピンホールアレイの直後には1/2波長板
もしくは1/4波長板がある。1/2波長板は光学軸が
上記のPおよびS偏光に対し22.5度傾いている。ま
た1/4波長板の場合には45度傾いている。ピンホー
ル通過後このような波長板を通過した上記PおよびS偏
光は1/2波長板の場合にはz軸に±45度傾いた直線
偏光に、1/4波長板の場合には右および左回りの円偏
光になる。
【0026】上記の波長板235を通過した光は前述の
台形貼り合わせプリズム233(但し台形プリズムの厚
さの差は前述の台形貼り合わせプリズム232の半分で
ある)に入射する。このプリズムの台形の底辺である貼
り合わせ面は偏光ビームスプリット面になっているた
め、上記のピンホールアレイおよび波長板を通過した4
K個の光は更に2倍に増え、ピッチがP/8で8K個に
なる。このためあたかも8K個の点光源(2次点光源)
がピンホールアレイ234の位置にあるようにプリズム
233から光が出射してくる。
【0027】このようにしてできた8K個の2次点光源
からの光はレンズ24、ミラー25、光量調整器26、
波長選択ビームスプリッタ30、高NA対物レンズ3を
通過し、DNAチップ5の検出面51にその8K個の点
光源像を結ぶ。なお光量調整器26は検出面51にある
蛍光体の量の多少に応じて蛍光検出の励起光の光量を調
整するためにある。即ち、蛍光体の濃度がDNAチップ
或いは蛍光検出サンプル全体に亘り大きいときには駆動
源260を駆動し、例えば10%のNDフィルタ262
が励起光光路に挿入されるようにする。しかしこのよう
な励起光全ビームの強度を代えることは検出のダイナミ
ックレンジを狭めることにもなるので、個々の励起光マ
ルチスポットの強度を、図示しない光変調器アレーで調
整することも可能である。
【0028】また例えば2Nのダイナミックレンジの検
出が必要な場合、NDフィルタ261は100%(ND
フィルタ無し)とし、262は100×2N/2%の透過
率にしておき、全画面をNDフィルタを交換して2画面
検出し、両画面を合成し2Nのダイナミックレンジの蛍
光画像を検出することも可能である。このように2画面
を検出すれば2倍の時間を要するが、マルチスポットを
用いる本発明は従来の方法に比べ5倍以上の速度で検出
することができる。
【0029】DNAチップの検出面に照射された8K個
の点光源像はプローブDNAにハイブリダイゼーション
された先端に蛍光体を持つターゲットDNAを照射し、
励起する。
【0030】図2はDNAチップ5のガラス51上のタ
ーゲットDNAがある領域50の詳細とマルチスポット
の関係を表した図である。501はセルである。このセ
ルはxy方向に一定ピッチで配列している。この各セル
にはその配列の番地毎に所望のDNA断片がガラスに付
着されており、プローブDNAとも呼ばれている。この
プローブDNAは通常各セル内では同じ塩基配列からな
るDNAであり、異なるセルでは通常異なるDNAがプ
ローブされている。このように用意されたDNAチップ
に検査対象である生物の検体から収集し、精製、増幅し
た複数種のDNA断片の端に蛍光体を付着させたターゲ
ットDNAサンプル液を流し、ハイブリダイゼーション
を起こさせる。即ち各セルのプローブDNAの塩基配列
に対応するターゲットDNAが結合、即ちハイブリダイ
ズする。図2のDNAチップは以上のようにしてできて
いる。
【0031】セル501に対し励起光であるマルチスポ
ット2001,2002,2003,……、20Mはセ
ルピッチの整数倍のピッチで並んでいる。図2の場合こ
の整数は2である。マルチスポットのビーム径はおよそ
Δ、マルチスポットのピッチはNΔで、図2の場合N=
10で、1セル当たり5×5の絵素に分割して検出して
いる。このような分割を行うのはセル内に異物等が付着
すると、この異物で強い蛍光を発生し検出データに誤差
が生じるため、強い蛍光検出強度以上の絵素は異物によ
るものと判断し、その部分を除いてセル内の平均蛍光強
度を求めるためである。
【0032】DNAチップを図2のAのごとくx方向に
走査し、マルチスポットがセルの右端まで走査すると1
絵素Δ分y方向に移動し、再びx方向に走査する。これ
を繰り返し、N絵素(図では10絵素)走査し終わる
と、MNΔ分y方向に移動し、上記動作を繰り返し、全
セルを走査する。図3は上記の動作を表したものであ
る。横軸に時間を取り、上のグラフは縦軸にyステージ
の移動量、下のグラフは縦軸にxステージの移動量を示
したものである。xステージは時間tsで走査検出し、
時間tt−tsで元の位置に戻る。往路のみで検出を行っ
ている。ステージの精度が十分良好な場合には復路でも
検出が可能である。
【0033】同時に検出されるM絵素分の蛍光検出は図
1に示すように励起光のマルチスポット照射で発生した
蛍光を対物レンズ3で受け、対物レンズを透過光した蛍
光は波長選択ビームスプリッタ30で、蛍光波長の67
0nm近傍の光を反射させる。ここで反射した蛍光は検
出系に導かれる。即ち、ミラーもしくは波長分離スプリ
ッタである32,34,35及び38と、結像レンズ3
3を通過し、マルチチャンネルフォトマル101及び1
02上の受光開口に結像する。各受光開口には励起光の
マルチスポットの像とほぼ同程度の径であるピンホール
が開いている遮光板が設けられており、このピンホール
を通過する蛍光のみが検出され、共焦点検出が行われ
る。
【0034】図4上のグラフは図3下のグラフの時間軸
を拡大したものである。1回の走査に要する時間tsを
更に細かく見ている。図4下のグラフは図4上のグラフ
と横軸の時間軸は等しく、縦軸はフォトマル等の微弱光
検出器によるフォトンカウント時間のタイミングを示し
ている。このグラフの意味は信号レベルが1の時間フォ
トンカウントを行っており、0の時はフォトンカウント
を行わない。一区切りの1の間は1絵素分の信号検出に
なっている。0になり、次に1が始まると次の絵素を検
出することになる。x方向の1走査の間にLx個の絵素
があるため1絵素当たりの検出時間はts/Lx以下とな
る。1絵素毎に行うフォトンカウントの時間はDNAチ
ップのセルの位置に対応している必要がある。従ってフ
ォトンカウントの開始の時間はxステージの位置測定用
測長器の信号に基づいて信号を作る。
【0035】1絵素のフォトンカウント終了時刻をステ
ージの位置測長器の情報に基づいて決定すると、ステー
ジが一様に動かないとき、フォトンカウント時間が絵素
毎にばらついてしまう。そのため、終了の時間は開始の
時間から一定の時間後になるようにする必要がある。こ
のため高周波(周波数νr)のパルス発生器のパルスを
計数し、フォトンカウントスタートから計数し、一定の
パルス数Nrになったらフォトンカウントを終了するよ
うにする。即ちどの絵素についてもNr/νr秒の時間
に亘りフォトンカウントを行う。図1の制御回路1は上
記の動作を制御する系であり、12はPC(パーソナル
コンピュータ)であり、ここで総ての動きのコントロー
ルを行っている。13は上記のステージ4の制御、駆動
信号を発生し、またステージ4の位置情報を測長器から
取り込んでいる。
【0036】以上のようにして64絵素同時に、かつス
テージの走査により次々にx方向の絵素の蛍光を検出し
ていく。各絵素で得られフォトンカウント信号SPMは図
5に示すようにして検出される。即ち、マルチチャンネ
ルフォトマルの1個のフォトマルに着目すると、微弱な
検出蛍光の場合、フォトマル信号は図5の上のグラフに
示すように低い頻度でパルス時間幅が約30ns程度の
フォトン検出パルス信号が得られる。この信号の立ち上
がりから一定幅のパルス信号を発生させるか、或いはコ
ンパレータ回路により図5上グラフに示すように一定信
号レベルIT以上の場合に図5下グラフの信号SPCのよ
うに一定レベルの信号になるようにする。このようにし
て作られたパルス整形信号をカウンターで計数すること
により検出時間ts/Lx−Δt=Nr/νr時間内の
検出フォトン数を求めることができる。
【0037】図6は検出蛍光強度が大きい場合の例であ
る。フォトマル検出信号SPMとコンパレータ後の信号S
PCを示している。フォトンパルスが高頻度で検出される
ため一部分で2つ以上のパルスが重なって検出されてい
る。このためコンパレート後の信号の幅が広いものが現
れている。SPC は信号SPCの時刻Aと時刻Bの間の時
間を拡大した図である。検出信号が前後に重なって検出
されるとコンパレート後の信号はパルスの幅が広くな
る。この結果コンパレート後のパルス数を単純に数えた
のでは誤差が大きくなる。そこで図6の最下段のグラフ
に示すようにSPC をゲートにして、一定の高周波パル
ス信号を計数する。この計数信号SPWCを用いればSPC
信号のパルスを計数するより正確にフォトン数を求める
ことが可能になる。更にSPWC信号の計数値を下に凸な
1価関数F(SPWC)で補正することにより更に正確な
フォトン計数を行うことが可能である。
【0038】しかしDNA検査で要求される更に広いダ
イナミックレンジを実現するには、上記の方法では不十
分である。即ちDNA検査では1絵素を検出する時間内
で数フォトンパルスから10数万パルスまでのダイナミ
ックレンジが要求されている。ところがフォトン検出パ
ルスの幅は数十nsであるため、総てのダイナミックレ
ンジをフォトンパルスカウントで行おうとすると、1絵
素当たりに要する時間は数十ns×10数万=数msec
必要になる。
【0039】マルチスポット励起光の数が64として
も、絵素数が6000×6000あると、30分近く検
出にかかることになる。
【0040】図7はこの問題を解決する実施例である。
101のマルチチャンネルフォトマルの出力信号をアナ
ログスイッチ1Aに入力する。PC10によりアナログ
スイッチの初期状態はB即ちフォトンカウント回路1B
に接続されている。このことは蛍光検出を絵素毎に行う
とき、先ずフォトンカウントを行うことを意味する。図
8はフォトンカウント信号の経時変化を表しており
(a)及び(b)は蛍光が非常に小さく、フォトンカウ
ント検出で蛍光強度を求める場合である。
【0041】図8(a)はフォトマル検出したフォトン
パルス信号をコンパレータで2値化したパルス信号SPC
である。(b)は(a)のパルス信号のパルス数を計数
した計数信号NSPCである。この計数信号NSPCが計数
開始後α(ts/Lx)時間経った時点で決められた閾値
0を越えなければアナログスイッチはこのままの状態
でフォトンカウントを継続し、1絵素分の蛍光検出時間
s/Lx−Δtの間フォトンカウントを行う。この判断
を行う時点である計数開始後の時間α(ts/Lx)はα
として0.01から0.3程度で良い。即ちこの時間の
間にフォトンカウントパルスが最大で10前後以上入っ
て来る程度の時間以上であればよい。上記の最大でと言
う意味はこの時間内でパルス信号が最超密に発生した場
合 である。
【0042】図8(c)〜(d)は蛍光が大きくなりフ
ォトンカウントを行うと不都合を生じる場合である。即
ち2個以上のフォトンカウントパルスが同時或いは一部
重なってしまうような場合である。この場合コンパレー
タ後のパルス信号SPCは図8(c)の様に一部重なった
パルスは幅広くなる。図8(d)は(c)のパルス信号
の計数信号NSPCである。NSPCはα(ts/Lx)の時
点で閾値N0を越えており、フォトンカウントによる蛍
光検出に適さないことが分かる。この時点で図7のアナ
ログスイッチをCに接続し、回路1Cによりアナログ的
にフォトマル信号を積分する。このように各絵素毎にフ
ォトンカウントで検出するかアナログ積分で検出するか
を判断し、最適な方法をその都度選んで検出していく。
【0043】なお図には示さないが、図8の(c)より
更に蛍光が大きくなると(c)のパルスが連なってしま
い、パルス計数値は数個又は0個になる。このときには
図6の(d)のようにしてSPCを一定周波数の矩形の高
周波パルスでカウントする信号Spwcの信号を用いれ
ば、このパルスカウント信号NSPWCは図8(e)のよ
うになる。このNSPWC信号を用いることにより、閾値
N1よりこの値が大きいことを判断し、アナログスイッ
チをCに切り替えれば、更に強い蛍光検出の場合でも間
違えずにアナログ検出が可能になる。
【0044】アナログ検出に切り替えられれば、回路1
Cにより切り替えられた時点をスタート時点として積分
を開始する。図9(a)に示すように着目絵素検出開始
時刻を起点(仮にこの時刻を時刻0とする)にして時刻
α(ts/Lx)から積分を開始し、フォトンカウントの
場合同様に時刻ts/Lx−Δtまで積分を行い、この時
点で積分値を回路1CでAD変換する。AD変換された
ディジタル情報1C01は回路100に送られる。蛍光
強度が弱い場合にはフォトンカウントを継続し、時刻0
から時刻ts/Lx−Δt間での間のフォトンカウント信
号が計数され、このディジタル情報1B01も回路10
0に送られる。マルチチャンネルのフォトマル101の
各チャンネルから上記のようにして回路100に並列的
に転送されたフォトンカウントディジタル信号及びアナ
ログ積分ディジタル信号の結果をパソコンPCである1
1に転送する。各チャンネルでの検出がフォトンカウン
トかアナログ積分かは前記のように時刻α(ts/Lx
の時点で分かっているので、PC11で検出に適した方
を各くチャンネル毎に選択し採用する。即ち図7の1C
01、1C02……にはこの選択信号も同時に送られて
いる。
【0045】なお上記の実施例ではフォトンカウントを
選択するかアナログ積分を選択するかを時刻α(ts
x)で判断しているが、検出の初めから同時に両方式
で並列に検出しておき、(ts/Lx)−Δt後に選択を
行っても良い。
【0046】アナログ積分検出を実行するときの、積分
信号の変化を図9(a)に示す。アナログ積分検出をス
タートする時刻α(ts/Lx)から時刻ts/Lx−Δt
の間で蛍光検出光の強度の大きさに比例した傾きで積分
値が大きくなり、時刻ts/Lx−Δtにおける積分値が
サンプルホールドされ、AD変換される。こんのような
アナログ検出により2桁近いダイナミックレンジに亘る
信号強度変化を捕らえることが可能になる。
【0047】更に強い蛍光検出の範囲に亘り検出を可能
にする方法を図9(b)を用いて説明する。時刻ts
x−Δtに至る前に積分値が飽和しているので、この
時刻で検出することはできない。しかし、図6(d)で
用いている高周波パルス信号Shcを用いて積分をスター
トさせた時刻α(ts/Lx)から飽和する時刻tFまで
の時間(tF−α(ts/Lx))を計数すれば飽和値IF
が予め分かっているので、この検出強度Iが次式で求ま
る I=IF・((1−α)ts/Lx−Δt)/(tF−α
(ts/Lx)) このように積分開始から飽和時間までを計測することに
より更に1桁近くダイナミックレンジを広げることが可
能になる。
【0048】このような飽和の時刻を計数するには図7
に示すアナログ積分回路に以下の機能を追加すればよ
い。即ち、1Cの積分回路の積分信号を第1の入力と
し、予め決めておいた飽和値に相当する信号レベルを第
2の入力としてコンパレータ回路に入力することによ
り、その信号出力の結果の変化から計数終了とすること
により可能である。
【0049】以上説明したようにマルチチャンネルフォ
トマル101及び102で検出される蛍光は64チャン
ネル並列に検出され100で並列に入力された信号を時
系列的な信号に変換しPC11に転送する。図1のxス
テージを走査し、図2に示すようにy方向に並ぶ64絵
素を同時に、かつx方向は順次検出していく。図1のx
yステージ4にはそれぞれ図示されていない光学的な測
長器が付いており、x及びyステージの移動量が測定さ
れる。DNAチップの蛍光検出絵素の寸法Δx及びΔy
は例えばそれぞれ2μmであるとする。各絵素の測定の
開始はxステージの測長器が2μm移動を計測する時点
から始まる。
【0050】本発明のマルチスポット蛍光検出或いはマ
ルチスポットDNA検査の具体的な実施例を以下に説明
する。x方向は走査の動作、y方向はxの1走査毎に1
絵素分シフトする動作、更にxは10走査毎にy方向に
大きくシフトし、これを繰り返すことにより、2次元的
に検出或いは検査を行う。
【0051】x方向の走査で計測開始のステージ位置測
長信号を検出すると、先ずフォトンカウントの計数を開
始する。x方向の検出絵素数Lxが6400、絵素ピッ
チが2μmとし、この2μmを走査する時間tsを60
μsecとする。フォトマルが1フォトンを受光し、発生
するパルスの幅は30nsec程度であるので1絵素をス
ポットが通過する時間60μsecのうち40μsecの間フ
ォトンカウントを行う場合、数百〜千のフォトンをフォ
トンカウント法で計数することが可能になる。これ以上
の強度の信号に対してはパルス信号が繋がってしまうた
めアナログ積分検出を行う。このアナログ検出のダイナ
ミックレンジはおよそ百程度ある。従ってフォトンカウ
ントとアナログ積分を上記の方法で切り替えて併用すれ
ばおよそ1万のダイナミックレンジが得られる。
【0052】更に図9の(b)で説明したアナログ積分
が飽和する時間から検出強度を求める方法を併用すると
更に1桁ダイナミックレンジを拡げることが可能にな
る。この結果およそ2の16乗、即ち65536の広い
ダイナミックレンジに亘り、即ち40μsecで数フォト
ンの微弱な検出光から10万フォトンに達する強い検出
光まで短時間で検出可能になる。
【0053】以上説明した蛍光強度がフォトンカウント
の領域、アナログ積分の領域、及びアナログ積分飽和時
間検出領域と3つの領域からなる時、それぞれの境界は
スムーズに繋がるようにするため、事前に境界領域に相
当する強度の検出光を用いてキャリブレーションを行
う。
【0054】上記図7の実施例ではフォトンカウントと
アナログ積分を時間分割して検出しているが、常時両方
を行い、蛍光検出の強度に応じて採用する信号を選択す
ることも可能である。
【0055】上記の検出方式の切り替えは蛍光検出に限
られたものではなく、一般に1絵素当たりの検出時間T
pが短く限られている場合に有効である。即ちTpとフ
ォトン検出パルス時間幅Δtの比Nrが要求される検出
のダイナミックレンジNdに比べ小さいとき、即ち Tp/Δt=Nr<Nd の時微弱なフォトンカウント領域からフォトンカウント
では計数不可能な強い光まで広い範囲で検出が可能にな
る。
【0056】60μsec/1絵素のスピードでx方向に
6000絵素分走査し、この際y方向に10絵素とばし
で同時に64絵素検出しているため、360msecかけ
て1走査が終了した時点で384000絵素が上記の広
いダイナミックレンジで検出されている。1走査が終了
するとy方向にステージを1絵素即ち2μm動かし隣の
絵素ラインを同様にして検出する。この動作を10回繰
り返し、640×6000絵素の検出を行う。ステージ
の戻りに要する加減速の時間を加えても、4から5秒で
上記の絵素数の検出が終わる。
【0057】次にy方向に640絵素分2μm×640
=1.28mmと大きく移動し、上記の動作を繰り返
す。この大きな移動を10回繰り返せば6400×60
00絵素が約40〜50秒で検出されることになる。即
ち2μmの解像度で6000×6000絵素の像をダイ
ナミックレンジが2の16乗で、最小検出強度が数フォ
トンの蛍光検出や微弱光検出が1分以内で実現する。
【0058】上記の実施例では1絵素当たりに要求され
る検出時間が短い場合であるが、1桁以上大きく、かつ
同じように2の16乗のダイナミックレンジが必要な場
合には図9の(b)に示す飽和時間を検出する方法は必
要でなくなる。またフォトマルのフォトン検出パルスの
幅が更に短くできればフォトンカウントのみ、或いはフ
ォトンカウントとアナログ積分検出の組み合わせで検出
できる。
【0059】DNA検査特にDNAチップを用いるDN
A検査を集団検診等の多数のサンプルを扱う用途に適用
しようとすると高感度、高分解能、広ダイナミックレン
ジでかつ高速の検査装置を実現することが重要になる。
上記の実施例で説明したマルチスポットもしくはシート
状ビームを用いて、同時に複数の絵素を蛍光検出し、励
起光とサンプルの相対位置を走査により変化させ次々と
蛍光検出していくことによりこれが可能になった。
【0060】6000×6000の絵素を64(M=6
4)絵素同時に検出することにより、(300マイクロ
秒/絵素)以下の時間で検出することで、即ち平均絵素
検出時間が(300マイクロ秒/M)以下で検出するこ
とができるようになり、一サンプル当たり3分以下で検
出が可能になった。従来上記の絵素数の蛍光像を検出す
るのに10分以上要していたので高速検査の需要に応え
うる。更にフォトンカウントとアナログ積分を併用する
ことにより50マイクロ秒/絵素の時間で検出可能にな
るり、1分以下で検出可能になる。
【0061】更に、上記のマルチスポットを用いる蛍光
検出でサンプル上のマルチスポット径を小さくすること
により、多数のMの直径が3μmより小さく0.3μm
より大きい微小なスポットからなるマルチスポット励起
光、又は絞り込み幅が3μmより小さく0.3μmより
大きいシート状の励起光を照射する。これにより得られ
る各マルチスポットまたはシート状の照射位置からの蛍
光を励起光から分離し、該サンプルから発する蛍光像を
複数の微弱光検出素子で検出する。各検出素子から得ら
れる信号を個別に記憶し、上記マルチスポット光または
シート状励起光とサンプルとの位置を相対的に変化さ
せ、上記信号を順次記憶して行く、このようにすればサ
ンプル上の所望の範囲に亘り信号が記憶収集でき、収集
データから蛍光画像を構成することによりDNAを検査
することが可能になる。このような方法を用いると、検
出像の分解能が高くなる。この高い分解能を用いれば例
えばサンプルとして所望のターゲットDNAに蛍光を付
加しておき、細胞中の1本鎖DNAのうち対応するDN
Aにハイブリダイズさせることにより細胞中の目標とす
るDNAを蛍光像として検出することができ、細胞のD
NA検査が可能になる。
【0062】図10は本発明の蛍光検出の実施例図であ
り、特にDNA検査に有効な蛍光検出の実施例である。
図2と同一番号は同一物を表す。図2で示された10絵
素おきに照射するマルチスポット光に代え、シート状の
励起光2000を用いている。励起光の照射で得られる
蛍光は図1の光学系同様にして励起光から分離して1次
元のフォトマルアレイ、或いは超高感度1次元センサで
検出される。シート状のビームでの励起は例えば隣り合
う1次元方向の50絵素に亘り同時に行われ、1次元の
高感度センサで同時に検出される。y方向に長いシート
状のビームに直交するx方向例えば500画素分にスキ
ャンすることにより、50×500絵素分の蛍光像が得
られる。次にy方向に50絵素分移動し、上記の1走査
を行う。これを10回繰り返せば、最終的には500×
500絵素の蛍光画像が得られる。本実施例では孤立し
た、或いは隔たって分離したスポット光を照射する前記
の実施例に比べ若干背景ノイズが大きくなるが、2次元
平面的に大きく照射する場合に比べ、ノイズが小さい蛍
光検出を行うことが可能である。フォトマル又は超高感
度1次元センサから得られる信号は微弱光であるのでフ
ォトンカウント検出を行う。
【0063】図11は蛍光検出、或いは蛍光検出を用い
るDNA検査のマルチスポット励起光発生方法を示す実
施例である。レーザ27はレーザ媒体が封入されたレー
ザチューブ271の両端はブリュースタ角の窓があり、
ここから出たレーザ光は両端にある100%反射ミラー
272及び273で折り返される。この共振器ミラーの
間を往復するレーザ光は通常レーザの共振器内の光エネ
ルギーから出射窓を脱げて共振器が外に取り出されるビ
ームのエネルギーの10倍以上になっている。この共振
機内にマルチスポット又はシートビーム発生ホログラム
板270を挿入すると、ホログラム2701はマルチス
ポット、またはシート状ビームが発生するように予め作
られているため、図に示すようにレンズ274を介して
マルチスポット2702が再生される。なおホログラム
に照射したレーザ光は約10%の回折効率でマルチスポ
ット像を形成する。残りの光は0次光としてそのまま透
過し、共振器内を往復する。このマルチスポットは図1
で説明したマスク状の円開口アレー透過直後のマルチス
ポット光と全く同一のスポットであるため、レンズ24
を用いて図1の構成により検査対象にマルチスポットを
照射することが可能になる。この結果従来のレーザ出射
光路中にホログラムを配置する場合に比べ、10倍近い
強度のマルチスポット光もしくはシート状ビームが得ら
れ、高速高感度の蛍光検出、並びにDNA検査を行うこ
とが可能になる。
【0064】上記の実施例では励起光として1つの波長
の場合について説明したが、本発明は励起光として2波
長、或いは3波長以上を励起光として用いる場合にも効
果を発揮する。この場合には、従来複数波長で検出しよ
うとすると非常に長い時間を要してしまうが、本発明の
マルチスポット光を用いてフォトンカウント検出を行え
ば高感度、高速に検出することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明により、1絵
素から数カウントのフォトンパルスが得られるような微
弱な蛍光検出物体、とりわけDNA検査で用いられるD
NAマイクロアレイを高速に高分解能、高感度で検出す
ることが可能になった。またアナログ積分検出をも可能
にし、非常に広いダイナミックレンジを有する検出が可
能になった。即ち、例えば6000×6000絵素の蛍
光画像を216のダイナミックレンジで1分の検出時間で
検出することも可能になった。この結果DNAチップな
どの検査対象を1分程度の検査時間で検出することが可
能になり、広く行われている集団検診で採取される大量
の検体サンプルを短時間でかつ正確に検査することが可
能になる。
【0066】また本発明はDNA検査にのみ適用される
わけではなく、蛍光検出顕微法に広く使われる。従来長
い時間を要していた観察や、検査の時間を大幅に短縮す
る。即ち数フォトンしか検出されない微弱光まで短時間
で検出できるようになった。また微弱光から強い検出光
まで広い範囲に亘り短時間で高精度に検出できるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるDNAチップの検査装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】本発明によるDNAチップのセルと励起光の関
係を表すセルの平面図である。
【図3】本発明によるDNAチップのxy方向の走査を
説明する図である。
【図4】本発明によるDNAチップのx方向の走査とフ
ォトン検出の関係を示す図である。
【図5】微弱光のフォトンカウント信号を示す図であ
る。
【図6】強い検出光の場合のフォトンパルス信号を示す
図である。
【図7】本発明による広いダイナミックレンジを検出す
る回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明による弱い検出光と強い検出光の判定方
法を示す図である。
【図9】本発明による更に強い検出光を検出する方法を
示す図である。
【図10】本発明によるシート状の励起光を用いた場合
を示すDNAチップのセルの平面図である。
【図11】本発明によるマルチスポットをレーザ共振器
内のホログラムで形成する例を示す光学系の一部の斜視
図である。
【符号の説明】 1…制御回路 1A…アナログスイッチ 1B…フ
ォトンカウント回路 211,212,213…レーザ光源 22…マルチ
ビームスプリッタ 231…マルチレンズ 232…プリズム 3…対
物レンズ 4…xyステージ 5…サンプル 3
3…レンズ 36,37…干渉フィルタ 101,
102…マルチアノードフォトマル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 31/22 121P 4B029 G01N 31/22 121 33/53 M 4B063 33/53 33/566 33/566 33/58 A 33/58 37/00 102 37/00 102 35/00 Z // G01N 35/00 35/02 F 35/02 C12N 15/00 F (72)発明者 保田 健二 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BD12 BD20 DA08 FA11 FB05 FC01 HA07 2G043 AA03 BA16 CA03 DA02 EA01 FA02 FA06 GA07 GB19 HA01 HA07 HA09 HA15 JA02 JA03 KA02 KA05 KA07 KA09 LA02 NA14 2G045 AA35 DA12 DA13 DA14 FA11 FB02 FB07 FB12 GB10 GC15 HA09 HA14 JA07 2G058 AA09 CC09 GA02 4B024 AA20 CA01 CA04 HA19 4B029 AA07 AA23 FA12 4B063 QA01 QQ42 QR32 QR55 QR58 QS32 QX02

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光特性を有する対象物体に多数Mの微小
    なスポットからなるマルチスポット励起光を照射するこ
    とにより得られる各マルチスポットからの蛍光を励起光
    から分離し、該対象物体から発する蛍光像をフォトンカ
    ウント可能な複数の微弱光検出素子で検出し、各検出素
    子から得られるフォトン信号をそれぞれ個別にフォトン
    カウントし、各検出素子で検出されたフォトンカウント
    数Npmを個別に記憶し、上記マルチスポット光と該対
    象物体との位置を相対的に変化せしめて上記各検出器の
    フォトンカウント数を順次記憶して行き、上記対象物体
    上の所望の範囲に亘りフォトンカウント数データを記憶
    収集し、当該収集データから蛍光画像を構成する蛍光画
    像検出方法。
  2. 【請求項2】蛍光特性を有する対象物体にシート状の励
    起光を照射することにより得られる長細い形状を有する
    照射領域からの蛍光を励起光から分離し、該対象物体か
    ら発する蛍光像をフォトンカウント可能な複数の微弱光
    検出素子で検出し、各検出素子から得られるフォトン信
    号をそれぞれ個別にフォトンカウントし、各検出素子で
    検出されたフォトンカウント数Npmを個別に記憶し、
    上記シート状励起光による細長い形状を有する照射領域
    と該対象物体との位置を相対的に変化せしめて上記各検
    出器のフォトンカウント数を順次記憶して行き、上記対
    象物体上の所望の範囲に亘りフォトンカウント数データ
    を記憶収集し、当該収集データから蛍光画像を構成する
    蛍光画像検出方法。
  3. 【請求項3】上記対象物体に照射されるマルチスポット
    励起光又はシート状の励起光の最小絞り径となる位置に
    ある物体面からの蛍光像の合焦点位置にマルチスポット
    像またはシート状の細長い領域像のみを通過せしめるマ
    ルチスポット開口または細長い開口を配置し、共焦点検
    出することを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光
    画像検出方法。
  4. 【請求項4】上記マルチスポットまたはシート状の励起
    光と対象物の相対位置変化は対象物面内方向と対象物体
    面に垂直な方向の計3方向の内少なくとも1方向とする
    ことにより、2次元又は3次元の蛍光画像を検出するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光画像検出
    方法。
  5. 【請求項5】上記マルチスポット励起光またはシート状
    励起光と対象物の相対位置変化を行い、1絵素分の移動
    をおこなう周期Tdを上記フォトンカウント信号の単独
    フォトン検出時のパルス幅Δt0で割った値に1以下の
    所望の係数αを掛けた値以上に上記フォトンカウント数
    Npmが達していることを判断基準にして、上記マルチ
    スポット励起光またはシート状励起光の強度を変化せし
    めるか、蛍光検出強度が小さくなるようにすることを特
    徴とする請求項1または2に記載の蛍光画像検出方法。
  6. 【請求項6】上記マルチスポット光またはシート状励起
    光は2波長以上の多色光であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の蛍光画像検出方法。
  7. 【請求項7】上記フォトンパルス信号がハイレベルにあ
    る時間を上記相対的な位置変化に伴う1絵素分の検出時
    間Td以内の時間βTdに亘り加算計測した値Th′が
    1以下の所定のγに対し、Th′≧γβTdの条件を満
    たすとき、上記検出素子の出力信号をアナログ的に積分
    する回路で積算した信号を用いることにより強い蛍光信
    号に対しても検出可能にする請求項1または2に記載の
    蛍光画像検出方法。
  8. 【請求項8】蛍光分子が付加されたDNA断片を対応す
    るDNAに結合させたサンプルに励起光を照射し、蛍光
    を検出するDNA検査方法において、上記サンプルに多
    数Mの微小なスポットからなるマルチスポット励起光を
    照射することにより得られる各マルチスポットからの蛍
    光を励起光から分離し、該サンプルから発する蛍光像を
    フォトンカウント可能な複数の微弱光検出素子で検出
    し、各検出素子から得られるフォトン信号をそれぞれ個
    別にフォトンカウントし、各検出素子で検出されたフォ
    トンカウント数Npmを個別に記憶し、上記マルチスポ
    ット光と該サンプルとの位置を相対的に変化せしめて上
    記各検出器のフォトンカウント数を順次記憶して行き、
    上記サンプル上の所望の範囲に亘りフォトンカウント数
    データを記憶収集し、当該収集データから蛍光画像を構
    成し、DNA検査することを特徴とするDNA検査方
    法。
  9. 【請求項9】蛍光分子が付加されたDNA断片を対応す
    るDNAに結合させたサンプルに励起光を照射し、蛍光
    を検出するDNA検査方法において、上記サンプルにシ
    ート状の励起光を照射することにより得られる長細い形
    状を有する照射領域からの蛍光を励起光から分離し、該
    サンプルから発する蛍光像をフォトンカウント可能な複
    数の微弱光検出素子で検出し、各検出素子から得られる
    フォトン信号をそれぞれ個別にフォトンカウントし、各
    検出素子で検出されたフォトンカウント数Npmを個別
    に記憶し、上記シート状励起光による細長い形状を有す
    る照射領域と該サンプルとの位置を相対的に変化せしめ
    て上記各検出器のフォトンカウント数を順次記憶して行
    き、上記サンプル上の所望の範囲に亘りフォトンカウン
    ト数データを記憶収集し、当該収集データから蛍光画像
    を構成し、DNA検査することを特徴とするDNA検査
    方法。
  10. 【請求項10】上記サンプルはDNAチップであること
    を特徴とする請求項8または9に記載のDNA検査方
    法。
  11. 【請求項11】上記DNAサンプルに照射されるマルチ
    スポット励起光又はシート状の励起光の最小絞り径とな
    る位置にある物体面からの蛍光像の合焦点位置にマルチ
    スポット又はシート状の励起光像のみを通過せしめるマ
    ルチスポット開口または細長い開口を配置し、共焦点検
    出することを特徴とする請求項8または9に記載のDN
    A検査方法。
  12. 【請求項12】上記Mは10以上であることを特徴とす
    る請求項8記載のDNA検査方法。
  13. 【請求項13】上記Mは50以上であることを特徴とす
    る請求項12記載のDNA検査方法。
  14. 【請求項14】上記マルチスポットは1又は2次元の直
    線上に配列していることを特徴とする請求項8記載のD
    NA検査方法。
  15. 【請求項15】上記マルチスポット光またはシート状励
    起光とDNAサンプルとの1絵素分の相対位置変化を行
    う周期Tdを上記フォトンカウント信号の単独フォトン
    検出時のパルス幅Δt0で割った値に1以下の所望の係
    数αを掛けた値以上に上記フォトンカウント数Npmが
    達していることを判断基準にして、上記マルチスポット
    励起光またはシート状励起光の強度を変化せしめるか、
    蛍光検出強度が小さくなるようにすることを特徴とする
    請求項8または9に項記載のDNA検査方法。
  16. 【請求項16】上記マルチスポット光またはシート状励
    起光は2波長以上の多色光であることを特徴とする請求
    項8または9に記載のDNA検査方法。
  17. 【請求項17】上記フォトンパルス信号がハイレベルに
    ある時間を1絵素分の検出時間Td以内の時間βTdに
    亘り加算計測した値Th′が1以下の所定のγに対し、
    Th′≧γβTdの条件を満たすとき、上記検出素子の
    出力信号をアナログ的に積分する回路で積算した信号を
    用いることにより強い蛍光信号に対しても検出可能にす
    る請求項8または9に記載のDNA検査方法。
  18. 【請求項18】蛍光分子が付加されたDNA断片を対応
    するDNAに結合させたサンプルに励起光を照射し、蛍
    光を検出するDNA検査方法において、多数Mの微小な
    スポットからなるマルチスポット励起光又はシート状の
    励起光を照射することにより得られる各マルチスポット
    またはシート状の照射位置からの蛍光を励起光から分離
    し、該サンプルから発する蛍光像を複数Mの微弱光検出
    素子で平均絵素検出時間が(300マイクロ秒/M)以
    下で検出し、各検出素子から得られる信号を個別に記憶
    し、上記マルチスポット光またはシート状励起光と該サ
    ンプルとの位置を相対的に変化せしめて上記信号を順次
    記憶して行き、上記サンプル上の所望の範囲に亘り上記
    信号を記憶収集し、当該収集データから蛍光画像を構成
    し、DNAを検査することを特徴とするDNA検査方
    法。
  19. 【請求項19】蛍光分子を付加したDNA断片を対応す
    るDNAに結合させたサンプルに励起光を照射し、蛍光
    を検出するDNA検査方法において、多数Mの直径が又
    は絞り込み幅が3μmより小さく0.3μmより大きい
    微小なスポットからなるマルチスポット励起光、3μm
    より小さく0.3μmより大きい幅を有するシート状の
    励起光を照射することにより得られる各マルチスポット
    またはシート状の照射位置からの蛍光を励起光から分離
    し、該サンプルから発する蛍光像を複数の微弱光検出素
    子で検出し、各検出素子から得られる信号を個別に記憶
    し、上記マルチスポット光またはシート状励起光と該サ
    ンプルとの位置を相対的に変化せしめて上記信号を順次
    記憶して行き、上記サンプル上の所望の範囲に亘り上記
    信号を記憶収集し、当該収集データから蛍光画像を構成
    することによりDNAを検査することを特徴とするDN
    A検査方法。
  20. 【請求項20】励起光源と、蛍光分子が付加されたDN
    A断片を対応するDNAに結合させたサンプルを保持す
    る機構と、該光源から出射する光を径がdで複数Mのマ
    ルチスポット励起光として該サンプル上に同時に発生さ
    せるマルチスポット励起光発生光学系と、当該マルチス
    ポット励起光を該サンプル上のDNA断片に付加した蛍
    光物体に同時に上記寸法dで照射せしめる対物レンズ
    と、得られる蛍光を当該対物レンズを介して蛍光検出光
    路に導くビームスプリッタと、上記マルチスポット励起
    光により発生した各マルチスポット光からの蛍光を分離
    して検出する蛍光検出手段と、当該蛍光検出手段で得ら
    れた各マルチスポット光からの蛍光のフォトンパルス信
    号を個別にフォトンカウントする回路からなるフォトン
    カウント手段と、該サンプルの所望の領域に亘りマルチ
    スポット光を照射し蛍光検出するように上記マルチスポ
    ット光の位置とサンプルの位置を相対的に変化せしめる
    駆動手段と、当該駆動手段並びにフォトンカウント手段
    により検出されたサンプルの所望領域のフォトンカウン
    ト情報とフォトンカウント位置情報を保存する手段と、
    該フォトンカウント情報とフォトンカウント位置情報か
    ら被検査サンプルのDNA情報を求める手段とからなる
    DNA検査装置。
  21. 【請求項21】励起光源と、蛍光分子が付加されたDN
    A断片を対応するDNAに結合させたサンプルを保持す
    る機構と、該光源から出射する光を長径D、短径dのシ
    ート状の励起光を該サンプル上に発生せしめるシート状
    励起光発生光学系と、当該シート状励起光をサンプル上
    のDNA断片に付加した蛍光物体に短径が上記寸法dに
    なるように照射せしめる対物レンズと、得られる蛍光を
    当該対物レンズを介して蛍光検出光路に導くビームスプ
    リッタと、上記シート状の励起光により発生したシート
    状の光からの蛍光を分離して検出する蛍光検出手段と、
    当該蛍光検出手段で得られたシート状の光からの蛍光の
    フォトンパルス信号を個別にフォトンカウントする回路
    からなるフォトンカウント手段と、該サンプルの所望の
    領域に亘りシート状の光を照射し蛍光検出するように上
    記シート状の光の位置とサンプルの位置を相対的に変化
    せしめる駆動手段と、当該駆動手段並びにフォトンカウ
    ント手段により検出されたサンプルの所望領域のフォト
    ンカウント情報とフォトンカウント位置情報を保存する
    手段と、該フォトンカウント情報とフォトンカウント位
    置情報から被検査サンプルのDNA情報を求める手段と
    からなるDNA検査装置。
  22. 【請求項22】上記DNAチップに照射されるマルチス
    ポット励起光またはシート状励起光の最小絞り径dとな
    る位置にある物体面からの上記対物レンズによる蛍光像
    の合焦点位置にマルチスポット像又はシート像のみを通
    過せしめるマルチスポット開口を配置し、共焦点検出す
    ることを特徴とする請求項20または21に記載のDN
    A検査装置。
  23. 【請求項23】上記Mは10以上であることを特徴とす
    る請求項20記載のDNA検査装置。
  24. 【請求項24】上記Mは50以上であることを特徴とす
    る請求項20記載のDNA検査装置。
  25. 【請求項25】上記マルチスポット光またはシート状励
    起光とDNAチップの相対位置変化を行う周期Tdを上
    記フォトンカウント信号の単独フォトン検出時のパルス
    幅Δt0で割った値に1以下の所望の係数αを掛けた値
    以上に上記フォトンカウント数Npmが達していること
    を判断基準にして、上記マルチスポット励起光の強度を
    変化せしめる手段を具備したことを特徴とする請求項2
    0または21に記載のDNA検査装置。
  26. 【請求項26】上記マルチスポット光またはシート状励
    起光を2波長以上の多色光とする、上記励起光源、上記
    マルチスポット発生光学系又はシート状励起光発生光学
    系、上記蛍光検出手段、並びに上記フォトンカウント手
    段とからなることを特徴とする請求項20または21に
    記載のDNA検査装置。
  27. 【請求項27】上記フォトンパルス信号がハイレベルに
    ある時間を1絵素分の検出時間Td以内の時間βTdに
    亘り加算計測した値Th′が1以下の所定のγに対し、
    Th′≧γβTdの条件を満たすか否かを判断する手段
    と、上記検出素子の出力信号をアナログ的に積分する回
    路で積算する手段と、上記フォトンカウント手段により
    得られた結果と、当該アナログ的積分回路手段で得られ
    た結果とを用いて当該絵素の蛍光検出結果を決定する手
    段を具備した請求項20または21に記載のDNA検査
    装置。
  28. 【請求項28】レーザからなる励起光源と、蛍光分子が
    付加されたDNA断片を対応するDNAに結合させたサ
    ンプルを保持する機構と、当該レーザの共振器内にマル
    チスポット発生ホログラム又はシートビーム発生ホログ
    ラムを配置し、レーザ共振器内の強力なレーザ光でマル
    チスポットまたはシートビームを発生させるマルチスポ
    ットまたはシートビーム励起光発生光学系と、当該励起
    光を該サンプル上のDNA断片に付加した蛍光物体に照
    射せしめる対物レンズと、得られる蛍光を当該対物レン
    ズを介して蛍光検出光路に導くビームスプリッタと、上
    記励起光により発生した蛍光を励起光から分離して検出
    する蛍光検出手段と、該サンプルの所望の領域に亘り励
    起光を照射し蛍光検出するように上記励起光の位置とサ
    ンプルの位置を相対的に変化せしめる駆動手段と、当該
    駆動手段並びに蛍光検出手段により検出されたサンプル
    の所望領域の蛍光検出情報と蛍光検出位置情報を保存す
    る手段と、該蛍光検出情報と蛍光検出位置情報から被検
    査サンプルのDNA情報を求める手段からなるDNA検
    査装置。
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