JP7013137B2 - 試料分析装置、試料分析システムおよび試料の発光を測定する方法 - Google Patents
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前記試料分析用基板の回転角度を検出し、回転角度信号を生成する回転角度検出回路と、前記測定チャンバーの窓を透過する前記試料からの発光による光子を受け取り、光子数に応じた光子パルス信号を生成する光電子増倍素子と、基準クロック信号を生成する基準クロック回路と、前記基準クロック信号、前記回転角度信号および前記光子パルス信号を用いて、単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における光子カウント分布信号を算出する制御回路とを備える。
窓を有する測定チャンバーと、遮光部とを有する試料分析用基板を、回転させることによって、分析基板に導入された試料を前記測定チャンバーへ移送させ、前記測定チャンバーにおいて試料を発光させ、前記発光を測定する試料分析装置であって、
試料が導入された試料分析用基板を前記試料分析用基板の回転軸周りに回転させるモータと、
前記モータを駆動する駆動回路と、
前記試料分析用基板の回転角度を検出し、回転角度信号を生成する回転角度検出回路と、
前記測定チャンバーの窓を透過する前記試料からの発光による光子を受け取り、光子数に応じた光子パルス信号を生成する光電子増倍素子と、
基準クロック信号を生成する基準クロック回路と、
前記基準クロック信号、前記回転角度信号および前記光子パルス信号を用いて、単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における光子カウント分布信号を算出する制御回路と、
を備えた試料分析装置。
[項目2]
前記制御回路は、
前記回転角度信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、前記回転角度における光子カウント分布を算出し、
前記回転角度信号を基準として前記クロック信号をカウントし、前記回転角度におけるクロックカウント分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記クロックカウント分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウントの分布信号を算出する、項目1に記載の試料分析装置。
[項目3]
前記制御回路は、
前記基準クロック信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、時間軸における光子カウント分布を算出し、
前記基準クロック信号を基準として前記回転角度信号をカウントし、時間軸における回転角度分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記回転角度分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウント分布信号を算出する、項目1に記載の試料分析装置。
[項目4]
前記制御回路は、前記補正された光子カウント分布信号において、前記回転角度が第1の角度範囲であるときの第1の測定値を、前記回転角度が第2の角度範囲であるときの第2の測定値で補正することによって、前記試料の発光の測定値を算出する、項目1から3のいずれかに記載の試料分析装置。
[項目5]
窓を有する測定チャンバーと、遮光部とを有する試料分析用基板と、
項目1から4のいずれかに記載の試料分析装置と、
を備えた試料分析システム。
[項目6]
窓を有する測定チャンバーと、遮光部とを有する試料分析用基板に試料を導入する工程と、
基準クロック信号を生成し、かつ、前記試料が導入された試料分析用基板を回転させ、前記試料分析用基板の回転角度を検出し、回転角度信号を生成しながら、前記試料からの発光による光子を検出し、光子数に応じた光子パルス信号を生成する工程と、
前記基準クロック信号、前記回転角度信号および前記光子パルス信号を用いて、単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における光子カウント分布信号を算出する工程と、
を包含する、試料の発光を測定する測定方法。
[項目7]
前記算出する工程は、
前記回転角度信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、前記回転角度における光子カウント分布を算出し、
前記回転角度信号を基準として前記基準クロック信号をカウントし、前記回転角度におけるクロックカウント分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記クロックカウント分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウントの分布信号を算出する、項目6に記載の試料の発光を測定する測定方法。
[項目8]
前記算出する工程は、
前記基準クロック信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、時間軸における光子カウント分布を算出し、
前記基準クロック信号を基準として前記回転角度信号をカウントし、時間軸における回転角度分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記回転角度分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウント分布信号を算出する、項目6に記載の試料の発光を測定する測定方法。
[項目9]
前記算出する工程の後、
前記補正された光子カウント分布信号において、前記回転角度が第1の角度範囲であるときの第1の測定値を、前記回転角度が第2の角度範囲であるときの第2の測定値で補正することによって、前記試料の発光の測定値を算出する工程をさらに包含する、項目6から8のいずれかに記載の試料の発光を測定する測定方法。
図2Aおよび図2Bは、試料分析用基板100の平面図および分解斜視図である。試料分析用基板100は、回転軸101および回転軸101に平行な方向に所定の厚さを有する板形状の基板110と、遮光キャップ120を備える。本実施形態では、試料分析用基板100の基板110は円形形状を有しているが、多角形形状、楕円形形状、扇形形状等を有していてもよい。基板110は、2つの主面110c、110dを有している。本実施形態では、主面110cおよび主面110dは互いに平行であり、主面110cおよび主面110dの間隔で規定される基板110の厚さは、基板110のどの位置でも同じである。しかし、主面110c、110dは、平行でなくてもよい。例えば、2つの主面の一部分が非平行または平行であってもよいし、全体的に非平行であってもよい。また、基板110の主面110c、110dの少なくとも一方に凹部または凸部を有する構造を備えていてもよい。試料分析用基板100は、基板110内に位置する反応チャンバー102と、測定チャンバー103と、回収チャンバー107と、流路104と流路105とを有する。
図3Aおよび図3Bは試料分析装置200の外観の一例を示す斜視図である。また、図4Aは、試料分析装置200の構成例を示すブロック図である。試料分析装置200は、開閉可能なドア251を有する筐体250を備える。筐体250は、試料分析用基板100を回転可能に収納する収納室250cを有し、収納室250c内に、ターンテーブル201tを有するモータ201が配置されている。ドア251を開けた状態で収納室250c内のターンテーブル201tに試料分析用基板100を着脱可能である。ドア251を閉じることにより、ドア251は収納室250cに外部から光が入射しないように、収納室250cを遮光する。筐体250には、試料分析装置200を起動/停止する電源スイッチ252と、後述する表示装置210が設けられている。
図1から図7を参照しながら、試料分析システム500の動作を説明する。図7は、試料分析システム500の動作を示すフローチャートである。
[ステップS1]
まず、試料分析用基板100の反応チャンバー102において、磁性粒子固定化抗体305と、抗原306を含む試料と、標識抗体308とを同時に反応させて、複合体310を形成させる。例えば、反応チャンバー102に磁性粒子固定化抗体305を含む液体が保持されており、抗原306を含む試料と、標識抗体308を含む液体をシリンジなどによって、開口109から反応チャンバー102へ導入してもよい。試料分析用基板100に、抗原306を含む試料および標識抗体308を保持する図示しないチャンバーが設けられている場合には、試料をそのチャンバーへ導入する。標識抗体308は予めチャンバーに導入されていてもよい。
試料分析装置200の電源スイッチ252をONにする。試料分析装置200のドア251を開け、ターンテーブル201tに試料分析用基板100を取り付ける。ドア251を閉める。
[ステップS3]
表示装置210に表示された情報に従い、操作者が表示装置210をタッチすることにより、入力デバイス211から指令が制御回路205に入力され、試料分析装置200が動作する。まず、モータ201が回転し、試料分析用基板100の原点を原点検出器203が検出する。検出した原点の位置を用いて、試料分析用基板100を揺動させるようにモータ201が回転し、反応チャンバー102において抗原抗体反応が進む。反応チャンバー102において、複合体310が生成した後、試料分析用基板100を回転させ、複合体310および未反応の磁性粒子固定化抗体305を含む溶液を測定チャンバー103へ移動させる。
[ステップS4]
シャッター202を開き、試料分析用基板100を回転させる。試料分析用基板100を回転させ回転が一定になった後、シャッター202を開いてもよい。
光検出器209を用いて磁性粒子311に含まれる複合体310に結合した標識抗体308の標識物質307の発光を検出する。具体的には、光検出器209の光電子増倍素子207が発光による光子に応じてパルス信号を生成し、光子カウンタ208が、回転角度検出回路204から出力される回転角度信号を用いて、位相範囲θ0~θkごとに光子数および基準クロック数を計測する。制御回路205は、位相範囲θ0~θkごとの光子数および基準クロック数の測定値を逐次受け取り、メモリに記憶する。
一定の時間発光を検出した後、シャッター202を閉じ、検出を終了する。
[ステップS7]
制御回路205は、メモリから、位相範囲θ0~θk、つまり、回転角度における光子カウント分布の値およびクロックカウント分布の値を読み出し、上述したように、試料分析用基板の単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における光子カウント分布信号を算出する。
[ステップS8]
表示装置210に求めた測定値C’(C)および/または測定値C’(C)を用いて決定された抗原の量、濃度等に関する指標値を表示する。
本実施形態の試料分析装置、試料分析システムおよび発光を測定する測定方法によれば、基準クロック信号、回転角度信号および光子パルス信号を用いて、単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における光子カウント分布信号を算出する。このため、試料分析用基板の回転角速度が1回転の間で変化する場合でも角速度変化の影響を抑制し、微弱な試料の発光強度を正確に測定することが可能となる。また、遮光時の測定値を用いて、試料の発光による測定値を補正することによって、光電子増倍素子の温度変化による測定値結果のばらつきや測定時の試料の発光以外の迷光等の影響を抑制し、精度の高い測定を行うことができる。
上記実施形態では、制御回路205は、回転角度信号を基準として、光子パルス信号および基準クロック信号をそれぞれカウントし、回転角度における光子カウント分布をおよびクロックカウント分布を算出していた。しかし、光子カウンタ208は、基準クロック信号を基準として光子パルス信号および回転角度信号をカウントし、時間軸における光子カウント分布および回転角度分布を算出してもよい。この場合も、制御回路205は、光子カウント分布を、回転角度分布を用いて補正することにより、補正された光子カウント分布信号を算出することができる。
101 回転軸
102 反応チャンバー
103 測定チャンバー
103c 同心円
104、105 流路
106 磁石
107 回収チャンバー
108 空気孔
109 開口
110 基板
110a ベース基板
110b カバー基板
120 遮光キャップ
120a 遮光部
120c 連結部
120e、120f エッジ
200 試料分析装置
201 モータ
201a 回転軸
201t ターンテーブル
202 シャッター
203 原点検出器
203a 光源
203b 受光素子
203c 原点検出回路
204 回転角度検出回路
205 制御回路
206 駆動回路
207 光電子増倍素子
208 光子カウンタ
209 光検出器
210 表示装置
211 入力デバイス
250 筐体
250c 収納室
251 ドア
252 電源スイッチ
302 磁性粒子
304 一次抗体
305 磁性粒子固定化抗体
306 抗原
307 標識物質
308 標識抗体
310 複合体
311 磁性粒子
401 基準時間発生部
402 ライトイネーブル信号生成部
403 書き込みアドレス切換部
404 取込用アドレス生成部
405、415 加算回路
407 光子カウントデータRAM
407 クロックカウントデータRAM
500 試料分析システム
1200 遮光キャップ
Claims (9)
- 窓を有する測定チャンバーと、遮光部とを有する試料分析用基板を、回転させることによって、分析基板に導入された試料を前記測定チャンバーへ移送させ、前記測定チャンバーにおいて試料を発光させ、前記発光を測定する試料分析装置であって、
試料が導入された試料分析用基板を前記試料分析用基板の回転軸周りに回転させるモータと、
前記モータを駆動する駆動回路と、
前記試料分析用基板の回転角度を検出し、回転角度信号を生成する回転角度検出回路と、
前記測定チャンバーの窓を透過する前記試料からの発光による光子を受け取り、光子数に応じた光子パルス信号を生成する光電子増倍素子と、
基準クロック信号を生成する基準クロック回路と、
前記基準クロック信号、前記回転角度信号および前記光子パルス信号を用いて、単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における補正された光子カウント分布信号を算出する制御回路と、
を備えた試料分析装置。 - 前記制御回路は、
前記回転角度信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、前記回転角度における光子カウント分布を算出し、
前記回転角度信号を基準として前記基準クロック信号をカウントし、前記回転角度におけるクロックカウント分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記クロックカウント分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウント分布信号を算出する、請求項1に記載の試料分析装置。 - 前記制御回路は、
前記基準クロック信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、時間軸における光子カウント分布を算出し、
前記基準クロック信号を基準として前記回転角度信号をカウントし、時間軸における回転角度分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記回転角度分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウント分布信号を算出する、請求項1に記載の試料分析装置。 - 前記制御回路は、前記補正された光子カウント分布信号において、前記回転角度が第1の角度範囲であるときの第1の測定値を、前記回転角度が第2の角度範囲であるときの第2の測定値で補正することによって、前記試料の発光の測定値を算出する、請求項1から3のいずれかに記載の試料分析装置。
- 窓を有する測定チャンバーと、遮光部とを有する試料分析用基板と、
請求項1から4のいずれかに記載の試料分析装置と、
を備えた試料分析システム。 - 窓を有する測定チャンバーと、遮光部とを有する試料分析用基板に試料を導入する工程と、
基準クロック信号を生成し、かつ、前記試料が導入された試料分析用基板を回転させ、前記試料分析用基板の回転角度を検出し、回転角度信号を生成しながら、前記試料からの発光による光子を検出し、光子数に応じた光子パルス信号を生成する工程と、
前記基準クロック信号、前記回転角度信号および前記光子パルス信号を用いて、単位回転角度あたりの光子数のカウント時間が等しくなるように補正された回転角度における補正された光子カウント分布信号を算出する工程と、
を包含する、試料の発光を測定する測定方法。 - 前記算出する工程は、
前記回転角度信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、前記回転角度における光子カウント分布を算出し、
前記回転角度信号を基準として前記基準クロック信号をカウントし、前記回転角度におけるクロックカウント分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記クロックカウント分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウント分布信号を算出する、請求項6に記載の試料の発光を測定する測定方法。 - 前記算出する工程は、
前記基準クロック信号を基準として前記光子パルス信号をカウントし、時間軸における光子カウント分布を算出し、
前記基準クロック信号を基準として前記回転角度信号をカウントし、時間軸における回転角度分布を算出し、
前記光子カウント分布を、前記回転角度分布を用いて補正することにより、前記補正された光子カウント分布信号を算出する、請求項6に記載の試料の発光を測定する測定方法。 - 前記算出する工程の後、
前記補正された光子カウント分布信号において、前記回転角度が第1の角度範囲であるときの第1の測定値を、前記回転角度が第2の角度範囲であるときの第2の測定値で補正することによって、前記試料の発光の測定値を算出する工程をさらに包含する、請求項6から8のいずれかに記載の試料の発光を測定する測定方法。
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