JP2016017876A - 蛍光検出用光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高検出感度且つ小型の蛍光検出用光学装置を提供する。
【解決手段】蛍光検出用光学装置10は、試料Sに対して励起光ELを照射し、該照射により試料Sから発生した蛍光FLを検出する。蛍光検出用光学装置10は、試料Sから発生した蛍光FLを直接受光する第1レンズ群20と、第1レンズ群20と同軸に配置され、軸外の一部が切除されて空隙部分が形成された第2レンズ群22と、励起光ELを出射する励起光光学系24とを備える。励起光光学系24は、出射した励起光ELが第1レンズ群20の軸外部分20aを通って試料Sに照射されるよう配置される。この蛍光検出用光学装置10においては、励起光光学系24の一部が該空隙部分30に配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検出物に励起光を照射して、該被検出物が発生した蛍光を検出する蛍光検出用光学装置に関する。
近年、ライフサイエンスの分野において、蛍光検出用光学装置が多く使われ始めている。蛍光検出用光学装置は簡便でかつ検出感度が高いため、時には増幅工程と併用して、蛍光を発する化学物質により標識されたDNAなどの核酸の定量的な検出をする際に有効である。
例えば特許文献1に開示された光検出装置は、レーザ光を第1光導波路により導光し、第1レンズで集光して略斜め上方より検体に照射する照射光学系と、照射光によって励起された検体からの蛍光を第2レンズによって集光し、第2光導波路によって測定器に導光する受光光学系とを備える。この光検出装置では、照射光学系と受光光学系は、別々の導光経路である。
国際公開第2007/091530号
しかしながら、特許文献1のように照射光学系と受光光学系を別個にした蛍光検出用光学装置は、以下のような問題点を有する。
図1は、従来の蛍光検出用光学装置の一例を示す。図1に示す蛍光検出用光学装置100は、容器C内の試料Sに励起光ELを照射するための照射光学系102と、試料Sから発生した蛍光FLを蛍光集光点103に集光するための受光光学系104とを備える。照射光学系102は、励起光源106と、励起光ELを試料Sに集光する励起光用レンズ108とを備える。受光光学系104は、対物レンズ110を備え、試料S上の蛍光出射点101から出射された蛍光FLを、蛍光出射点101と共役な蛍光集光点103に集光する。図1に示すように、照射光学系102の光軸112は、受光光学系104の光軸114に対して傾斜している(励起光ELの光軸112と受光光学系104の光軸114とのなす角をθiとする)。
図1のように構成された蛍光検出用光学装置100において、検出感度を向上させるためには、より多くの蛍光FLを受光光学系104に取り込む必要がある。そのためには受光光学系104の開口数(NA:numerical aperture)を大きくすることが要件となるが、蛍光検出用光学装置100においては限界がある。これは、受光光学系104のNAを増加させるためには対物レンズ110を大きくすればよいが、対物レンズ110をあまり大きくしすぎると角度θiで照射される励起光ELと対物レンズ110が干渉するためである。
また、受光光学系104の十分なNAを確保しつつ、励起光ELと対物レンズ110の干渉を回避しようとした場合、試料Sから離れた位置、または角度θiが大きくなるような位置に励起光源106および励起光用レンズ108を配置しなければならない。この場合、蛍光検出用光学装置100の小型化が難しくなる。
さらに、特に図1に示すように容器Cが深底である場合には、角度θiが大きいと容器Cの側壁によって励起光ELが遮られるおそれがある。この場合、容器Cの底に位置する試料Sに十分な励起光ELを照射できず、その結果試料Sから蛍光を検出できない可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、高検出感度且つ小型の蛍光検出用光学装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の蛍光検出用光学装置は、被検出物に対して励起光を照射し、該照射により被検出物から発生した蛍光を検出する。この蛍光検出用光学装置は、被検出物から発生した蛍光を直接受光する第1レンズ群と、第1レンズ群と同軸に配置され、第1レンズ群を通過した蛍光を受光する第2レンズ群であって、軸外の一部が切除されて空隙部分が形成された第2レンズ群と、励起光を出射する励起光光学系であって、出射した励起光が第1レンズ群の軸外を通って被検出物に照射されるよう配置される励起光光学系とを備える。この蛍光検出用光学装置においては、励起光光学系の一部が、前記第2レンズ群の前記空隙部分に配置される。
第1レンズ群は、被検出物から発生した蛍光を平行光にしてもよい。第2レンズ群は、第1レンズ群からの蛍光の平行光を集光してもよい。
空隙部分は、第2レンズ群の周縁部に形成されてもよい。
励起光光学系は、励起光を発出する励起光源と、励起光源からの励起光を平行光にして第1レンズ群の軸外に入射させる励起光用レンズ群とを備えてもよい。
励起光源は、励起光を発光する発光素子を備えてもよい。
励起光源は、励起光を導光する励起光用光ファイバの出射端面を備えてもよい。
励起光源は、第2レンズ群の像側空間に設けられた発光素子を備えてもよい。励起光用レンズ群は、発光素子の発光領域の中間像を空隙部分に形成するよう配置されたリレーレンズ系を備えてもよい。
複数の励起光光学系を備えてもよい。第2レンズ群に複数の空隙部分が形成され、複数の空隙部分のそれぞれに励起光光学系の一部が配置されてもよい。
本発明によれば、高検出感度且つ小型の蛍光検出用光学装置を提供できる。
従来の蛍光検出用光学装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る蛍光検出用光学装置を説明するための図である。 図3(a)〜(c)は、第2レンズ群に形成される空隙部分の形状および大きさを説明するための図である。 第1実施例に係る蛍光検出用光学装置を説明するための図である。 第2実施例に係る蛍光検出用光学装置を説明するための図である。 第3実施例に係る蛍光検出用光学装置を説明するための図である。 本発明の別の実施形態に係る蛍光検出用光学装置を説明するための図である。 図7に示す蛍光検出用光学装置において、第2レンズ群を光軸方向から見た平面図を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る蛍光検出用光学装置について説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図2は、本実施形態に係る蛍光検出用光学装置10を説明するための図である。蛍光検出用光学装置10は、被検出物としての試料Sに対して励起光を照射し、該照射により試料Sから発生した蛍光を検出するものである。試料Sは、容器C内に入れられている。
図2に示すように、蛍光検出用光学装置10は、容器C内の試料Sに励起光ELを照射するための照射光学系12と、試料Sから発生した蛍光FLを集光するための受光光学系14とを備える。蛍光検出用光学装置10は、照射光学系12と受光光学系14を一体的に保持するための保持部材(図示せず)を備えてもよい。このように照射光学系12と受光光学系14とが一体化された蛍光検出用光学装置10は「光学ヘッド」とも呼ばれる。
受光光学系14は、試料S上の蛍光出射点11から出射された蛍光FLを、蛍光出射点11と共役な蛍光集光点13に集光する。受光光学系14は、試料S上の蛍光出射点11から発生した蛍光FLを直接受光して、平行光にする第1レンズ群20と、第1レンズ群20を通過した蛍光FLの平行光を受光して、蛍光集光点13に集光する第2レンズ群22とから構成される。本明細書において、「レンズ群」とは1または複数のレンズを表す。本願明細書では、受光光学系14において、試料Sのある空間を物点側空間、受光光学系14によって試料Sの像が形成される空間を像側空間とし、さらに、ある基準や構成物からの方向を「物点側」または「像側」という用語により指定する。この場合、蛍光出射点11は第1レンズ群20の物点側焦点と略一致し、蛍光集光点13は第2レンズ群22の像側焦点と略一致する。
このように第1レンズ群20と第2レンズ群22を用いて受光光学系14を構成することにより、共役長の調整が容易となり、光学ヘッドの鏡筒長の設定がしやすく、さらにこのような構成は収差の低減にも有利である。第2レンズ群22は、第1レンズ群20と同軸に配置されることが好ましい。この場合、レンズ系による収差を低減させて、蛍光集光点13への集光効率を向上させることができる。第1レンズ群20と第2レンズ群22とは同一の仕様である必要はない。
照射光学系12は、励起光ELを出射する励起光光学系24と、励起光光学系24からの励起光ELを屈折して試料Sに集光させる第1レンズ群20の軸外部分20aとから構成される。励起光光学系24は、第1レンズ群20より像側に配置される。励起光光学系24は、出射した励起光ELが第1レンズ群20の軸外部分20aを通って試料Sの蛍光出射点11に集光されるよう配置される。蛍光出射点11に入射する励起光ELの光軸19は、第1レンズ群20の光軸17に対して傾斜している(励起光ELの光軸19と受光光学系14の光軸17とのに対する光軸19とのなす角をθiとする)。
励起光光学系24は、励起光ELを発出する励起光源16と、励起光源16からの励起光ELを平行光にして第1レンズ群20の軸外部分20aに入射させる励起光用レンズ群25とから構成される。励起光用レンズ群25は、その光軸21が第1レンズ群20の光軸17と平行となるように配置される。これにより、第1レンズ群20の軸外部分20aを通過した励起光ELを蛍光出射点11(すなわち第1レンズ群20の物点側焦点)に集光することができる。
本実施形態に係る蛍光検出用光学装置10において、第2レンズ群22の軸外の一部が切除されて空隙部分30が形成されている。そして、この空隙部分30に、励起光光学系24の一部である励起光源16が配置されている。励起光光学系24の励起光用レンズ群25は、第1レンズ群20と第2レンズ群22の間に配置されている。
以上のように構成された蛍光検出用光学装置10では、励起光源16から発出された励起光ELは、励起光用レンズ群25によって平行光とされた後、第1レンズ群20の軸外部分20aを通って試料Sの蛍光出射点11に角度θiで入射する。試料Sの蛍光出射点11で生じた蛍光FLは、第1レンズ群20に取り込まれて平行光とされた後、第2レンズ群22によって蛍光集光点13に集光される。蛍光集光点13に例えばPD(Photodiode)等の受光素子の受光面を置くことで、試料Sで生じた蛍光FLを検出することができる。
本実施形態に係る蛍光検出用光学装置10では、受光光学系14のNAを規定する第1レンズ群20の軸外部分20aを利用して、励起光ELを試料Sに集光している。言い換えると、受光光学系14内に照射光学系12が配置されている。この構成によれば、図1で説明した蛍光検出用光学装置100とは異なり、第1レンズ群20を大きくしても、第1レンズ群20と励起光ELが干渉することはない。言い換えると、照射光学系12の存在によって受光光学系14のNAが制限されることはない。従って、本実施形態に係る蛍光検出用光学装置10によれば、受光光学系14のNAを大きくすることができるため、多くの蛍光を受光光学系14に取り込むことが可能となり、その結果、蛍光の検出感度を向上できる。
また、本実施形態に係る蛍光検出用光学装置10では、第2レンズ群22の軸外の一部が切除されて空隙部分30が形成され、該空隙部分30に励起光光学系24の一部(ここでは励起光源16)が配置されている。仮に空隙部分が形成されていない第2レンズ群を用いた場合、第1レンズ群と第2レンズ群の間に励起光光学系を配置するためには第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を広くとらなければならず、蛍光検出用光学装置の小型化が難しくなる。本実施形態のように、第2レンズ群22の空隙部分30に励起光光学系24の一部を配置する構成をとることにより、第1レンズ群20と第2レンズ群22の間隔を狭くすることができるため、蛍光検出用光学装置10の小型化を実現できる。また、励起光光学系24の配置に余裕が生じるため、蛍光検出用光学装置10の組立を容易にすることができる。
本実施形態では、第2レンズ群22の空隙部分30に励起光源16を配置したが、空隙部分30には励起光光学系24の別の要素、例えば励起光用レンズ群25、励起光源16に必要な電力供給ライン、励起光源16を保持するための機械的構成などが配置されてもよい。
また、本実施形態に係る蛍光検出用光学装置10では、受光光学系14内に照射光学系12が配置されていることにより、励起光ELの光軸19と受光光学系14の光軸17とのなす角度θiを小さく設定することができる。これにより、特に図2に示すように容器Cが深底である場合であっても、容器Cの側壁によって励起光ELが遮られ難くなる。その結果、容器Cの底に位置する試料Sに十分な励起光ELを照射できるようになるため、試料Sからの蛍光発生量が増大し、蛍光の検出感度を向上できる。受光光学系および励起光光学系は、レンズ系の中間に平行光が形成されるような本実施形態に限定されるものではなく、それらの光学系を適切に設計することにより受光光学系14内に照射光学系12が設置されるように構成されることにより、励起光ELの光軸と受光光学系14の光軸とのなす角度θiを小さく設定することができるという作用がもたらされる場合にも本願発明と同一の効果が得られることは云うまでもない。
図3(a)〜(c)は、第2レンズ群22に形成される空隙部分30の形状および大きさを説明するための図である。図3(a)〜(c)は、第2レンズ群22を光軸方向から見た平面図を示す。図3(a)〜(c)には励起光用レンズ群25もあわせて図示されている。
図3(a)は、第2レンズ群22の軸外部分を凵の字状に切除することにより形成された空隙部分30を示す。図3(a)に示す空隙部分30は、励起光用レンズ群25と略同等の大きさに形成されている。図3(b)は、第2レンズ群22の軸外部分を光軸に平行な面で切除することにより形成された空隙部分30を示す。図3(b)に示す空隙部分30は、励起光用レンズ群25よりも大きく形成されている。図3(c)は、第2レンズ群22の軸外部分を穿孔することにより形成された空隙部分30を示す。図3(c)に示す空隙部分30は、励起光用レンズ群25よりも小さく形成されている。
図3(a)〜(c)は空隙部分30の形状および大きさの一例を示しており、当然ながら空隙部分30の形状および大きさは図3(a)〜(c)に示す形状に限定されない。空隙部分30の形状および大きさは、空隙部分30に配置される要素の形状および大きさによって変わる。空隙部分30に入射した蛍光は蛍光集光点13に集光されずに損失されてしまうため、空隙部分30の大きさは必要最小限とすることが好ましい。
励起光用レンズ群25を構成するレンズの一部または全部は、ボールレンズであってもよい。励起光用レンズ群25については、その径や幅が小さければ小さいほどよい。しかしながら小径のレンズは一般的に高価である場合が多い。その点ボールレンズは比較的安価で大量に生産されており、多用な屈折率や透過特性を有する材料によるものや、小径のものが入手しやすいという利点がある。
空隙部分30は、第2レンズ群22の周縁部に形成されることが好ましい。これは、受光光学系14によって取り込まれるレンズ単位面積あたりの蛍光量は、通常光軸に近いほど大きくなるためである。光量密度が光軸付近に比べて低い周縁部に空隙部分30を形成することで、より多くの蛍光を蛍光集光点13に集光でき、蛍光の検出感度を向上することができる。
次に、蛍光検出用光学装置10の実施例を説明する。
図4は、第1実施例に係る蛍光検出用光学装置40を説明するための図である。図4に示す蛍光検出用光学装置40は、発光素子42を備える。この発光素子42は、少なくとも一部が第2レンズ群22の空隙部分30に位置するように配置される。本第1実施例では、発光素子42を図2に示す蛍光検出用光学装置10の励起光源16と見なすことができる。発光素子42は、試料Sの励起に適した波長を発光帯域に含むLED(Light-Emitting Diode)やLD(Laser Diode)などを用いることができる。
また、本第1実施例においては、受光光学系14により集光された蛍光は、入射端面44aから蛍光用ファイバ44内に入射し、受光ユニット46に導光される。受光ユニット46は、受光光学系14から離間して配置される。本第1実施例では、蛍光用ファイバ44の入射端面44aを図2に示す蛍光検出用光学装置10の蛍光集光点13と見なすことができる。
蛍光用ファイバ44としては、シングルモードファイバやマルチモードファイバを使用することができる。受光ユニット46は、蛍光を光電変換する光電変換素子と、電気信号に増幅等の所定の処理を行う電気回路とを備える。光電変換素子としては、PD(Photodiode)、APD(Avalanche Photodiode)、PMT(Photomultiplier Tube)等を利用することができる。
図5は、第2実施例に係る蛍光検出用光学装置50を説明するための図である。図5に示す蛍光検出用光学装置50は、励起光光学系24から離間して配置された光源ユニット52と、光源ユニット52から出射された励起光を導光する励起光用ファイバ54とを備える。
光源ユニット52は、LED、LD、キセノンランプ等の光源と、該光源に給電するための電気回路とを備える。励起光用ファイバ54としては、シングルモードファイバやマルチモードファイバを使用することができる。
本第2実施例において、励起光用ファイバ54の出射端面54aは、第2レンズ群22の空隙部分30に配置されており、励起光用ファイバ54の出射端面54aから出射された励起光は、励起光用レンズ群25に入射する。本第2実施例では、励起光用ファイバ54の出射端面54aを図2に示す蛍光検出用光学装置10の励起光源16と見なすことができる。
本第2実施例に係る蛍光検出用光学装置50によれば、レンズや光ファイバ等の光学系のみを備える部分(すなわち「光学ヘッド」)と、電気回路や光電変換型の発光/受光素子とを別体とすることができる。この第2実施例の構成によれば、以下の作用効果が得られる。
(a)励起光用ファイバ54の出射端面54aを励起光源とし、蛍光用ファイバ44の入射端面44aを蛍光集光点としている。光ファイバの直径は通常1mm以下であるため、光電変換型の発光/受光素子そのものを光学ヘッドに搭載した場合よりも光学ヘッドを小型化することができる。
(b)電気的なノイズを生じやすい電気回路や発光/受光素子を光学ヘッドから離しているため、ノイズの影響を抑えることができる。外乱によるノイズの影響を受けやすい電気系を光学ヘッドと別体としているため、測定環境を選ばない。
(c)蛍光検出の分野では単色性が求められる。その場合は別体となる光源/受光ユニットに所定のフィルタを搭載させることにより、希求レベルの調整を容易に図ることができ、設計仕様の自由度が高くなる。
(d)通常直径1mm以下の光ファイバの先端が配置可能な程度に第2レンズ群22に空隙部分30を設ければよいため、第2レンズ群22の切除領域をより小さく設定することができ、検出される蛍光量を増加させることができる。
図6は、第3実施例に係る蛍光検出用光学装置60を説明するための図である。図6に示す蛍光検出用光学装置60の励起光光学系24は、第2レンズ群22の像側に設けられた発光素子42と、発光素子42からの励起光を平行光にして第1レンズ群20の軸外部分20aに入射させるリレーレンズ系62とを備える。リレーレンズ系62は、第2レンズ群22を間に挟むように配置された第1レンズ62aと第2レンズ62bから構成される。リレーレンズ系62は、発光素子42の発光領域の中間像64を第2レンズ群22の空隙部分30に形成する。
上述した第1実施例に係る蛍光検出用光学装置40(図4参照)では、発光素子42の少なくとも一部を第2レンズ群22の空隙部分30に配置した。しかしながら、たとえば砲弾型LEDを発光素子42として用いる場合、その外径は3mmくらいあるため、空隙部分30が大きくなりがちであり、集めることのできる蛍光量が減る可能性がある。そこで、本発明者は、LEDの発光領域が例えば0.3×0.3mmといった小さいものであることに着目し、リレーレンズ系62を使って空隙部分30に発光素子42の発光領域の中間像を作ることを想到した。本第3実施例に係る蛍光検出用光学装置60によれば、第2レンズ群22の空隙部分30を小さくすることができ、検出される蛍光量を増加させることができる。
図7は、本発明の別の実施形態に係る蛍光検出用光学装置70を説明するための図である。図8は、図7に示す蛍光検出用光学装置70において、第2レンズ群22を光軸方向から見た平面図を示す。
本実施形態に係る蛍光検出用光学装置70は、4つの励起光光学系24を備える。また、第2レンズ群22の周縁部に90°間隔で4つの空隙部分30が形成されている。これら4つの空隙部分30のそれぞれに、励起光光学系24の一部である励起光源16が配置されている。図8には凵の字状の空隙部分30を示したが、空隙部分30の形状は特に限定されない。
本実施形態に係る蛍光検出用光学装置70では、4つの励起光光学系24を、波長などの光学特性が同一の光学系とすることができる。この場合、励起光量を増大させることができ、絶対的な蛍光出射量が少ない試料についても、検出可能なレベルの蛍光を発生させることが可能となる。
あるいは、4つの励起光光学系24を、波長などの光学特性が相互に異なった光学系とすることもできる。異なった波長の励起光の照射により試料から出射される蛍光を検出することで、より多面的な試料の分析が可能となる。
図7に示す実施形態では、4つの励起光光学系24を4つの空隙部分30にそれぞれ配置したが、励起光光学系24および空隙部分30の数は特に限定されない。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10、40、50、60、70 蛍光検出用光学装置、 11 蛍光出射点、 12 照射光学系、 13 蛍光集光点、 14 受光光学系、 16 励起光源、 20 第1レンズ群、 22 第2レンズ群、 24 励起光光学系、 25 励起光用レンズ群、 30 空隙部分、 42 発光素子、 44 蛍光用ファイバ、 46 受光ユニット、 52 光源ユニット、 54 励起光用ファイバ、 62 リレーレンズ系。

Claims (8)

  1. 被検出物に対して励起光を照射し、該照射により前記被検出物から発生した蛍光を検出する蛍光検出用光学装置であって、
    前記被検出物から発生した蛍光を直接受光する第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群と同軸に配置され、前記第1レンズ群を通過した蛍光を受光する第2レンズ群であって、軸外の一部が切除されて空隙部分が形成された第2レンズ群と、
    励起光を出射する励起光光学系であって、出射した励起光が前記第1レンズ群の軸外を通って前記被検出物に照射されるよう配置される励起光光学系と、
    を備え、
    前記励起光光学系の一部が、前記第2レンズ群の前記空隙部分に配置されることを特徴とする蛍光検出用光学装置。
  2. 前記第1レンズ群は、前記被検出物から発生した蛍光を平行光にし、
    前記第2レンズ群は、前記第1レンズ群からの蛍光の平行光を集光する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出用光学装置。
  3. 前記空隙部分は、前記第2レンズ群の周縁部に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光検出用光学装置。
  4. 前記励起光光学系は、
    励起光を発出する励起光源と、
    前記励起光源からの励起光を平行光にして前記第1レンズ群の軸外に入射させる励起光用レンズ群と、
    を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蛍光検出用光学装置。
  5. 前記励起光源は、励起光を発光する発光素子を備えることを特徴とする請求項4に記載の蛍光検出用光学装置。
  6. 前記励起光源は、励起光を導光する励起光用光ファイバの出射端面を備えることを特徴とする請求項4に記載の蛍光検出用光学装置。
  7. 前記励起光源は、前記第2レンズ群の像側空間に設けられた発光素子を備え、
    前記励起光用レンズ群は、前記発光素子の発光領域の中間像を前記空隙部分に形成するよう配置されたリレーレンズ系を備えることを特徴とする請求項4に記載の蛍光検出用光学装置。
  8. 複数の前記励起光光学系を備え、
    前記第2レンズ群に複数の前記空隙部分が形成され、
    複数の前記空隙部分のそれぞれに前記励起光光学系の一部が配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の蛍光検出用光学装置。
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