JPH10153561A - 光熱変換分光分析装置 - Google Patents

光熱変換分光分析装置

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JPH10153561A
JPH10153561A JP31218996A JP31218996A JPH10153561A JP H10153561 A JPH10153561 A JP H10153561A JP 31218996 A JP31218996 A JP 31218996A JP 31218996 A JP31218996 A JP 31218996A JP H10153561 A JPH10153561 A JP H10153561A
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JP
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light
sample
annular
light beam
detection
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JP31218996A
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Inventor
Tsuyoshi Makino
強 牧野
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BUNSHI BAIOHOTONIKUSU KENKYUSH
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
BUNSHI BAIOHOTONIKUSU KENKYUSH
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度検出が可能な光熱変換分光分析装置を
提供する。 【解決手段】 励起光源10から出力され輪帯光束形成
部12により輪帯光束とされた励起光Aは、ダイクロイ
ックミラー30を透過し、一方、検出光源20から出力
された検出光Bは、ダイクロイックミラー30により反
射され、励起光Aおよび検出光Bは、互いに光束が重な
ることなく同軸とされてダイクロイックミラー30から
出射される。励起光Aが試料40に照射されて生じた熱
レンズに検出光Bが入射すると信号光Cが発生する。こ
の信号光Cは、ダイクロイックミラー32、集光レンズ
50、ピンホール51およびフィルタ52を経て、検出
器53により検出されて電流信号とされ、アンプ54に
より電圧信号に変換され、そして、この電圧信号は、ロ
ックインアンプ55により、チョッパ11における励起
光Aの変調周期に同期して検波される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起光を試料に照
射することにより生じる光熱効果を利用し、検出光を試
料に照射して生じた信号光を検出して、これにより試料
を分析する光熱変換分光分析技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料に光を集光照射すると、その試料
は、光吸収により局所的に温度上昇し、この温度上昇に
応じて屈折率が変化し、熱レンズが形成される。これを
光熱効果という。多くの物質では、温度上昇に伴い屈折
率は小さくなるので、熱レンズとして凹レンズが形成さ
れる。したがって、この凹レンズの中央およびその周辺
に光を入射させると、その光は発散する。また、この凹
レンズの中央以外の部分に光を入射させると、その光は
偏向する。
【0003】従来より、この光熱効果を利用して試料を
分光分析することが行われており、この分析方法を光熱
変換分光法という。従来の入射光と透過光との比に基づ
いて試料分析する吸光法とは異なり、この光熱変換分光
法は、熱の拡散すなわち屈折率変化を観察するものであ
るので、吸光法に比べて極微量な試料濃度を検出するこ
とができる。それ故、光熱変換分光分析技術は、キャピ
ラリー電気泳動装置用の高感度分析装置としての利用
や、従来の吸光法の適用が困難な細胞等の生体試料への
応用が提案されている。
【0004】図7は、従来の光熱変換分光分析装置の構
成図である。この光熱変換分光分析装置では、励起光源
110から出力された励起光は、チョッパ111により
変調され、ダイクロイックミラー112を透過し、レン
ズ113により集光される。集光された励起光は、試料
130に照射され吸収されて、その照射位置を中心とし
て熱レンズが形成される。試料130に照射された励起
光のうち試料130により吸収されなかった光は、試料
130を透過するが、フィルタ141により吸収され、
検出器142には入射しない。
【0005】一方、検出光源120から出力された検出
光は、反射鏡121およびダイクロイックミラー112
それぞれにより順次反射され、レンズ113により集光
される。集光された励起光は、励起光により試料130
に形成された熱レンズに集光照射され、試料130を透
過して発散する。この試料130から発散して出射され
た信号光のうち、ピンホール140の開口部を通過した
光はフィルタ141を通過して、検出器142により検
出される。この検出器142により検出された信号光の
強度は、試料130において形成された熱レンズに応じ
たものであり、また、チョッパ111による励起光変調
周期に同期して変化するものである。そこで、この検出
器142からの出力信号は、ロックインアンプ150に
より、チョッパ111による励起光変調周期に同期して
検波され、そのロックインアンプ150からの出力信号
に基づいて試料130の分析がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように光熱変換
分光法は、従来の吸光法に比べれば検出感度が優れてい
る。しかしながら、上記従来例では、励起光が試料13
0に到るまでの光学系において信号光と同種のバックグ
ラウンドノイズ光が発生する。例えば、図7に示した従
来の光熱変換分光分析装置の光学系では、ダイクロイッ
クミラー112および集光レンズ113においても、励
起光の照射による温度上昇に伴い屈折率変化や膨張が起
こるので、検出光がこれらを経る際にバックグラウンド
ノイズ光が生じる。そして、このようなバックグラウン
ドノイズ光は、検出器142により検出されるため、信
号光の検出感度が低下するという問題点がある。
【0007】特に、試料130が生体試料である場合等
においては信号光強度が極めて微弱であり、従来の光熱
変換分光分析装置では検出感度が充分ではなく、検出感
度の更なる向上が望まれているところである。
【0008】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、更なる高感度検出が可能な光熱変換分
光分析装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光熱変換分
光分析装置は、励起光が試料に照射されて形成される熱
レンズに検出光を入射させ、検出光が熱レンズにより発
散または偏向されて出力された信号光に基づいて試料の
分光分析を行う光熱変換分光分析装置であって、(1) 励
起光を出力する励起光源と、(2) 検出光を出力する検出
光源と、(3) 励起光および検出光のうちの何れか一方の
光束を、他方の光束の外径よりも大きい内径の輪帯光束
に成形して出力する輪帯光束形成手段と、(4) 一方の光
束と他方の光束とを互いに重なることなく略同軸として
試料に集光照射する照射光学系と、(5) 検出光の試料へ
の照射に伴って発生する信号光を検出する検出器と、を
備えることを特徴とする。
【0010】この光熱変換分光分析装置によれば、励起
光源から出力された励起光および検出光源から出力され
た検出光のうちの何れか一方の光束は、輪帯光束形成手
段により、他方の光束の外径よりも大きい内径の輪帯光
束に成形されて出力される。その一方の光束および他方
の光束は、照射光学系により、互いに重なることなく略
同軸とされて試料に集光照射される。そして、励起光が
試料に照射されて形成された熱レンズへ検出光が照射さ
れることにより発生する信号光は、検出器により検出さ
れる。このように、励起光と検出光とは互いに光束が重
なることなく略同軸とされて試料に入射するので、照射
光学系において信号光と同種のバックグラウンドノイズ
光が発生することはなく、信号光は高感度に検出され
る。
【0011】また、励起光および検出光それぞれが照射
される試料上の領域を観察する観察手段を更に備える場
合には、照射光学系による励起光および検出光それぞれ
の試料上への照射の様子を観察することができ、また、
光学系の調整を行うことができる。
【0012】輪帯光束形成手段は、円錐形状または円錐
台形状の側面に形成された円錐鏡と円錐台内壁側面に形
成された円錐台内壁鏡とを互いに対面させて備え、入射
した一方の光束を円錐鏡および円錐台内壁鏡で順次反射
させて輪帯光束として出力するものが好適である。ま
た、輪帯光束形成手段は、それぞれの光軸を一致させて
配された第1の円錐プリズムと第2の円錐プリズムとを
備え、入射した一方の光束を第1および第2の円錐プリ
ズムで順次屈折させて輪帯光束として出力するものも好
適である。また、輪帯光束形成手段は、入射端面が光軸
に対し斜めに形成され、出射端面が光軸に垂直に形成さ
れ、入射端面に入射した一方の光束を出射端面から発散
輪帯光束として出射する光ファイバと、光ファイバから
出射された発散輪帯光束を平行な輪帯光束として出力す
るコリメートレンズと、を備えるものも好適である。ま
た、輪帯光束形成手段は、入射した一方の光束のうちの
光軸付近を遮断する遮蔽マスクを備え、遮蔽マスクによ
り遮蔽されなかった光束の周辺部分を輪帯光束として出
力するものも好適である。何れの場合も、輪帯光束形成
手段に入射した光束は、輪帯光束に成形されて出力され
る。
【0013】また、輪帯光束の内径を調整する輪帯光束
径調整手段を更に備える場合には、照射光学系において
励起光の照射に伴い温度上昇が生じ屈折率変化や膨張が
発生する領域が、検出光が通過する領域にまで及ぶこと
のないようにすることができるので、信号光を高感度に
検出する上で好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。図1は、本発明に係る光熱変換分光分析装置の
構成図である。
【0015】励起光源10は、試料40に熱レンズを形
成するための励起光Aを出力するものである。励起光源
10として、指向性に優れるレーザ光源が好適に用いら
れる。この励起光源10から出力された励起光Aは、チ
ョッパ11、輪帯光束形成部12、ダイクロイックミラ
ー30および集光レンズ31を経て、試料40に照射さ
れる。すなわち、チョッパ11は、励起光Aを周期的に
透過/遮断の変調をし、輪帯光束形成部12は、チョッ
パ11により変調された励起光Aを輪帯光束に成形して
ダイクロイックミラー30に入射させる。ダイクロイッ
クミラー30は、その輪帯光束とされた励起光Aを透過
させ、集光レンズ31は、励起光Aを試料40に集光照
射する。
【0016】なお、ここで、輪帯光束とは、光軸を中心
に所定半径までは光束は存在しないが、その所定半径の
外側の一定幅だけ光束が存在するものである。また、こ
の輪帯光束の内径を、後述する検出光Bの光束の外径よ
りも大きいものとする。輪帯光束形成部12の具体的構
成については後述する。
【0017】その集光された励起光Aが試料40に照射
されると、その一部は試料40により吸収され、残部は
透過する。試料40では、励起光吸収に伴い、励起光A
が照射された位置を中心に温度が上昇し熱レンズが形成
される。励起光Aがチョッパ11により変調されている
ので、この熱レンズも励起光Aの変調周期と同一周期で
変調されたものとなる。また、試料40により吸収され
ることなく試料40を透過した励起光Aは、ダイクロイ
ックミラー32を透過し、ライトトラップ33に入射す
る。ライトトラップ33は、その入射した励起光Aを吸
収するものである。
【0018】一方、検出光源20は、試料40に形成さ
れた熱レンズに照射すべき検出光Bを出力するものであ
る。検出光源20として、同様にレーザ光源が好適に用
いられる。この検出光源20から出力された検出光B
は、ビームスプリッタ21、ダイクロイックミラー30
および集光レンズ31を経て、試料40に照射される。
すなわち、ビームスプリッタ21は、検出光源20から
出力された検出光Bの殆どを透過させ、ダイクロイック
ミラー30は、その検出光Bを反射させ、集光レンズ3
1は、その検出光Bを試料40に集光照射する。そし
て、その集光された検出光Bは、試料40に形成された
熱レンズに入射する。
【0019】検出光Bが試料40に入射すると、試料4
0に形成された熱レンズにより検出光Bは発散し信号光
Cとして出射する。この信号光Cの強度は、その発散の
度合い、即ち、熱レンズの形成度合いを示すものであ
り、更には試料40の濃度等を示すものである。ダイク
ロイックミラー32はその信号光Cを反射させ、集光レ
ンズ50はその信号光Cを集光し、ピンホール51はそ
の開口部に信号光Cを通過させ、フィルタ52は信号光
Cを透過させ、そして、検出器53は信号光Cを検出し
て信号光強度に応じた電流信号を出力する。
【0020】ここで、ダイクロイックミラー32は、励
起光Aを透過させるが、信号光Cを反射させるものであ
る。また、フィルタ52は、信号光Cの波長成分を透過
させるが、励起光Aの波長成分を遮断するものである。
【0021】検出器53から出力された電流信号を入力
するアンプ54は、その電流信号を電圧信号に変換し増
幅して出力する。そして、ロックインアンプ55は、ア
ンプ54から出力された電圧信号を入力するとともに、
チョッパ11による励起光変調の同期信号を入力して、
アンプ54からの電圧信号を同期検波する。ロックイン
アンプ55からの出力信号を入力するコンピュータ56
は、その出力信号に基づいて試料40の分析を行う。ま
た、試料40は、試料ステージ41の上に置かれてお
り、この試料ステージ41は、互いに直交する3軸方向
の何れの方向にも移動可能であって、試料40を微動さ
せることにより励起光Aおよび検出光Bの照射位置を変
更することができる。
【0022】以上のように、試料40を走査する試料ス
テージ41およびロックインアンプ55からの出力信号
を入力し解析するコンピュータ56を備えたことによ
り、例えば、励起光Aおよび検出光Bの試料40への入
射方向と垂直な方向に試料ステージ41により試料40
を2次元走査しながら、試料40の位置とともにロック
インアンプ55からの出力信号をコンピュータ56に取
り込んで、コンピュータ56における演算により試料4
0の2次元分析を行うことができる。また、例えば、試
料40が電気泳動しているものであれば、各時刻におけ
るロックインアンプ55からの出力信号をコンピュータ
56に取り込んで、コンピュータ56における演算によ
り試料40の分析を行うことができる。
【0023】また、検出光Bの試料40上の照射位置お
よび集光状態は、カメラ(観察手段)61により確認す
ることができる。すなわち、カメラ61は、検出光Bが
照射された試料40を、集光レンズ31、ダイクロイッ
クミラー30、ビームスプリッタ21および結像レンズ
60を介して撮像し、励起光Aおよび検出光Bが試料4
0に照射された位置および集光状態を観察する。したが
って、検出光Bが試料40に照射される位置および集光
状態を確認しながら光熱変換分光分析を行うことができ
る。また、励起光Aの試料40上の照射位置および集光
状態の確認は、計測に先立って調整時に、ダイクロイッ
クミラー30をハーフミラーに交換することにより行う
ことができる。計測時には、ダイクロイックミラー30
に戻す。
【0024】次に、輪帯光束形成部12、ダイクロイッ
クミラー30および集光レンズ31それぞれの作用につ
いて詳細に説明する。図2は、輪帯光束形成部12、ダ
イクロイックミラー30および集光レンズ31それぞれ
の作用説明図である。ダイクロイックミラー30から試
料40までにおいて励起光Aの光軸と検出光Bの光軸と
は一致しており、この図は、励起光Aの光軸および検出
光Bの光軸の双方を含む断面を示すものである。
【0025】この図に示すように、輪帯光束形成部12
は、励起光源10から出力されチョッパ11により変調
された励起光Aを入力し、その励起光Aを輪帯光束に成
形して出力する。ダイクロイックミラー30は、輪帯光
束形成部12により輪帯光束とされた励起光Aを透過さ
せ、且つ、検出光Bを反射させ、その結果、励起光Aお
よび検出光Bを互いに同軸にして出力するものである。
同軸とは、励起光Aおよび検出光Bそれぞれの光軸が一
致することを意味する。また、ダイクロイックミラー3
0により同軸とされた励起光Aと検出光Bとは、互いに
光束が重なることはない。そして、集光レンズ31は、
ダイクロイックミラー30により同軸とされた励起光A
および検出光Bを、試料40上の同一位置に集光照射す
る。
【0026】以上のように、本発明に係る光熱変換分光
分析装置では、輪帯光束形成部12により励起光Aを輪
帯光束とし、ダイクロイックミラー30により励起光A
と検出光Bとを互いに光束が重なることなく同軸とし
て、集光レンズ31により試料40に集光照射すること
としたので、励起光Aおよび検出光Bが同一光軸となる
ダイクロイックミラー30から試料40に到る前までの
光学系(すなわち、ダイクロイックミラー30および集
光レンズ31)において、励起光Aおよび検出光Bそれ
ぞれの光束の経路は互いに異なるものとなる。したがっ
て、ダイクロイックミラー30および集光レンズ31に
励起光Aが照射されて屈折率変化や膨張が発生する領域
とは異なる領域を検出光Bが通過するので、信号光Cと
同種のバックグラウンドノイズ光が発生することはな
く、信号光Cを高感度に検出することができる。
【0027】なお、ダイクロイックミラー30および集
光レンズ31それぞれを輪帯光束の励起光Aが通過する
領域と検出光Bが通過する領域とが互いに接近している
場合には、励起光Aの照射に伴い温度上昇が生じ屈折率
変化や膨張が発生する領域が、検出光Bが通過する領域
にまで及ぶこともある。したがって、励起光Aが通過す
る領域と検出光Bが通過する領域とは、充分に離れてい
る必要がある。そこで、輪帯光束の内径を調整する手段
を更に備えれば更に好適である。
【0028】次に、輪帯光束形成部12の具体的構成の
好適な例について説明する。
【0029】図3は、二重円錐鏡からなる輪帯光束形成
部12の断面図である。この輪帯光束形成部12は、そ
れぞれ共通の回転対称軸を中心とする回転対称体であっ
て、円錐形状の側面に形成された円錐鏡12Aと、これ
に対面する円錐台形状の内壁に形成された円錐台内壁鏡
12Bとからなり、この図は、回転対称軸を含む断面図
を示すものである。この輪帯光束形成部12は、その回
転対称軸と励起光Aの光軸とが一致するよう配され、輪
帯光束形成部12に入射した励起光Aは、最初に円錐形
状の側面に形成された円錐鏡12Aにより反射され、続
いて円錐台形状の内壁に形成された円錐台内壁鏡12B
により反射されて、輪帯光束として出射される。
【0030】図4は、1対の円錐プリズムからなる輪帯
光束形成部12の断面図である。この輪帯光束形成部1
2は、それぞれ共通の回転対称軸を中心とする回転対象
体であって互いに頂点を対向させた1対の円錐プリズム
12Cと円錐プリズム12Dとからなり、この図も、回
転対称軸を含む断面図を示すものである。この輪帯光束
形成部12も、その回転対称軸と励起光Aの光軸とが一
致するよう配され、輪帯光束形成部12に入射した励起
光Aは、最初に円錐プリズム12Cにより屈折され、続
いて円錐プリズム12Dにより屈折されて、輪帯光束と
して出射される。
【0031】図5は、光ファイバとコリメートレンズと
からなる輪帯光束形成部12の断面図である。この輪帯
光束形成部12は、共通の光軸を有する光ファイバ12
Eとコリメートレンズ12Fとからなり、光ファイバ1
2Eは、その入射端面がその光軸に対し斜めに形成さ
れ、出射端面が垂直に形成され、また、コリメートレン
ズ12Fは、光ファイバ12Eから焦点距離だけ隔てて
配されている。この図は、光ファイバ12Eおよびコリ
メートレンズ12Fの共通の光軸を含む断面図を示すも
のである。この輪帯光束形成部12も、その光軸と励起
光Aの光軸とが一致するよう配され、光ファイバ12E
の入射端面に入射した励起光Aは、光ファイバ12Eの
出射端面から発散する輪帯光束として出射され、その発
散輪帯光束は、コリメートレンズ12Fにより平行な輪
帯光束とされて出射される。
【0032】図6は、遮蔽マスクからなる輪帯光束形成
部12の断面図である。この輪帯光束形成部12は、透
明平板12Gの一面の中央に円形の遮蔽マスク12Hが
設けられたものである。この輪帯光束形成部12は、遮
蔽マスク12Hの中心点が励起光Aの光軸上であって、
遮蔽マスク12Hが励起光Aの光軸に垂直になるように
配される。この輪帯光束形成部12に励起光Aが入射す
ると、その励起光Aの中心部は、遮蔽マスク12Hによ
り遮蔽されるが、励起光Aの周辺部は、透明平板12G
を透過して輪帯光束として出射される。なお、励起光源
10として用いられるレーザ光源から出射される励起光
Aの光束径は細いので、光束径を拡大するビームエクス
パンダ(図示せず)を励起光源10と輪帯光束形成部1
2との間に設けるのが好適である。
【0033】以上に好適例として説明した輪帯光束形成
部12の具体的構成のうち、二重円錐鏡からなるもの
(図3)、1対の円錐プリズムからなるもの(図4)、
および、光ファイバとコリメートレンズとからなるもの
(図5)は、励起光源10から出射された励起光Aを無
駄無く効率良く利用することができる点で好適である。
【0034】また、以上の輪帯光束形成部12の具体的
構成のうち、二重円錐鏡からなるもの(図3)は、円錐
鏡12Aと円錐台内壁鏡12Bとを励起光Aの光軸に沿
って相対的に移動させることにより、また、1対の円錐
プリズムからなるもの(図4)は、円錐プリズム12C
と円錐プリズム12Dとを励起光Aの光軸に沿って相対
的に移動させることにより、何れも、輪帯光束の内径を
調整することができる点で好適である。また、光ファイ
バとコリメートレンズとからなるもの(図5)は、コリ
メートレンズ12Fとして焦点距離の異なるものに交換
することにより、また、遮蔽マスクからなるもの(図
6)は、遮蔽マスク12Hを径の異なるものに交換する
ことにより、何れも、輪帯光束の内径を調整することが
できる。このように、励起光Aの輪帯光束の内径を調整
することにより、ダイクロイックミラー30および集光
レンズ31それぞれにおいて、励起光Aの照射に伴い温
度上昇が生じ屈折率変化や膨張が発生する領域が、検出
光Bが通過する領域にまで及ぶことのないようにするこ
とができるので、信号光Cと同種のバックグラウンドノ
イズ光が発生することはなく、信号光Cを高感度に検出
することができる。
【0035】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形
態の説明では、ダイクロイックミラー30から試料40
に到るまでの光学系において、励起光Aおよび検出光B
それぞれの光軸を完全に一致させて完全に同軸とした
が、これに限られるものではなく、完全同軸から僅かに
ずれていても構わない。ただし、ダイクロイックミラー
30および集光レンズ31において励起光Aおよび検出
光Bそれぞれの光束が互いに重ならないことが重要であ
る。この場合において、検出光Bは、励起光Aが試料に
照射されて形成された熱レンズの中央ではなく、この熱
レンズの中央以外の部分に入射する場合には、その検出
光Bは熱レンズにより偏向されて、信号光Cが出力され
ることになる。
【0036】また、輪帯光束形成部12の具体的構成は
上述したものに限られず、反射型または透過型の円盤形
状の1対の回折格子を備えたものであってもよく、この
場合、励起光Aは、この1対の回折格子により順次回折
されて輪帯光束とされる。
【0037】また、励起光Aを輪帯光束にするのではな
く、検出光Bを輪帯光束としてもよい。この場合、輪帯
光束形成部は、励起光源10とダイクロイックミラー3
0との間の励起光Aの光路上ではなく、検出光源20と
ビームスプリッタ21との間の検出光Bの光路上に設け
られ、ダイクロイックミラー30は、励起光Bをそのま
ま透過させ、輪帯光束とされた検出光Bを反射させ、互
いに光束が重なることなく同軸として出射させる。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、励起光源から出力された励起光および検出光源か
ら出力された検出光のうちの何れか一方の光束は、輪帯
光束形成手段により、他方の光束の外径よりも大きい内
径の輪帯光束に成形されて出力される。その一方の光束
および他方の光束は、照射光学系により同軸とされて試
料に集光照射される。そして、励起光が試料に照射され
て形成された熱レンズへ検出光が照射されることにより
発生する信号光は、検出器により検出される。
【0039】このような構成としたことにより、励起光
と検出光とは互いに光束が重なることなく同軸とされて
試料に入射するので、照射光学系において励起光が照射
されて屈折率変化や膨張が発生する領域とは異なる領域
を検出光が通過することとなり、照射光学系において信
号光と同種のバックグラウンドノイズ光が発生すること
はなく、したがって、信号光は高感度に検出される。特
に、試料が生体試料である場合等においても、充分な検
出感度で分光分析を行うことができる。
【0040】また、励起光および検出光それぞれが照射
される試料上の領域を観察する観察手段を更に備える場
合には、照射光学系による励起光および検出光それぞれ
の試料上への照射の様子を観察することができ、また、
光学系の調整を行うことができる。
【0041】また、輪帯光束の内径を調整する輪帯光束
径調整手段を更に備える場合には、照射光学系において
励起光の照射に伴い温度上昇が生じ屈折率変化や膨張が
発生する領域が、検出光が通過する領域にまで及ぶこと
のないようにすることができるので、信号光を高感度に
検出する上で好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光熱変換分光分析装置の構成図で
ある。
【図2】輪帯光束形成部12、ダイクロイックミラー3
0および集光レンズ31それぞれの作用説明図である。
【図3】二重円錐鏡からなる輪帯光束形成部12の断面
図である。
【図4】1対の円錐プリズムからなる輪帯光束形成部1
2の断面図である。
【図5】光ファイバとコリメートレンズとからなる輪帯
光束形成部12の断面図である。
【図6】遮蔽マスクからなる輪帯光束形成部12の断面
図である。
【図7】従来の光熱変換分光分析装置の構成図である。
【符号の説明】
10…励起光源、11…チョッパ、12…輪帯光束形成
部、20…検出光源、21…ビームスプリッタ、30…
ダイクロイックミラー、31…集光レンズ、32…ダイ
クロイックミラー、33…ライトトラップ、40…試
料、41…試料ステージ、50…集光レンズ、51…ピ
ンホール、52…フィルタ、53…検出器、54…アン
プ、55…ロックインアンプ、56…コンピュータ、6
0…結像レンズ、61…カメラ、A…励起光、B…検出
光、C…信号光。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光が試料に照射されて形成される熱
    レンズに検出光を入射させ、前記検出光が前記熱レンズ
    により発散または偏向されて出力された信号光に基づい
    て前記試料の分光分析を行う光熱変換分光分析装置であ
    って、 前記励起光を出力する励起光源と、 前記検出光を出力する検出光源と、 前記励起光および前記検出光のうちの何れか一方の光束
    を、他方の光束の外径よりも大きい内径の輪帯光束に成
    形して出力する輪帯光束形成手段と、 前記一方の光束と前記他方の光束とを互いに重なること
    なく略同軸として前記試料に集光照射する照射光学系
    と、 前記検出光の前記試料への照射に伴って発生する前記信
    号光を検出する検出器と、 を備えることを特徴とする光熱変換分光分析装置。
  2. 【請求項2】 前記励起光および前記検出光それぞれが
    照射される前記試料上の領域を観察する観察手段を更に
    備える、ことを特徴とする請求項1記載の光熱変換分光
    分析装置。
  3. 【請求項3】 前記輪帯光束形成手段は、円錐形状また
    は円錐台形状の側面に形成された円錐鏡と円錐台内壁側
    面に形成された円錐台内壁鏡とを互いに対面させて備
    え、入射した前記一方の光束を前記円錐鏡および前記円
    錐台内壁鏡で順次反射させて輪帯光束として出力する、
    ことを特徴とする請求項1記載の光熱変換分光分析装
    置。
  4. 【請求項4】 前記輪帯光束形成手段は、それぞれの光
    軸を一致させて配された第1の円錐プリズムと第2の円
    錐プリズムとを備え、入射した前記一方の光束を前記第
    1および前記第2の円錐プリズムで順次屈折させて輪帯
    光束として出力する、ことを特徴とする請求項1記載の
    光熱変換分光分析装置。
  5. 【請求項5】 前記輪帯光束形成手段は、 入射端面が光軸に対し斜めに形成され、出射端面が光軸
    に垂直に形成され、前記入射端面に入射した前記一方の
    光束を前記出射端面から発散輪帯光束として出射する光
    ファイバと、 前記光ファイバから出射された発散輪帯光束を平行な輪
    帯光束として出力するコリメートレンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の光熱変換分光
    分析装置。
  6. 【請求項6】 前記輪帯光束形成手段は、入射した前記
    一方の光束のうちの光軸付近を遮断する遮蔽マスクを備
    え、前記遮蔽マスクにより遮蔽されなかった光束の周辺
    部分を輪帯光束として出力する、ことを特徴とする請求
    項1記載の光熱変換分光分析装置。
  7. 【請求項7】 前記輪帯光束の内径を調整する輪帯光束
    径調整手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載
    の光熱変換分光分析装置。
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