JPH10232210A - 光熱変換分光分析装置 - Google Patents

光熱変換分光分析装置

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JPH10232210A
JPH10232210A JP3510597A JP3510597A JPH10232210A JP H10232210 A JPH10232210 A JP H10232210A JP 3510597 A JP3510597 A JP 3510597A JP 3510597 A JP3510597 A JP 3510597A JP H10232210 A JPH10232210 A JP H10232210A
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JP
Japan
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light
sample
excitation light
detection
signal
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JP3510597A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Makino
強 牧野
Takayuki Suga
隆之 菅
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BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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Publication of JPH10232210A publication Critical patent/JPH10232210A/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/171Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with calorimetric detection, e.g. with thermal lens detection
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/171Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with calorimetric detection, e.g. with thermal lens detection
    • G01N2021/1712Thermal lens, mirage effect

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の2次元像を短時間で分析することがで
きる光熱変換分光分析装置を提供する。 【解決手段】 励起光源10から出射された励起光Aお
よび検出光源20から出射された検出光Bは、ダイクロ
イックミラー30により同軸とされ、スキャナ31およ
び32により順次反射され、顕微鏡35により試料40
上に集光照射される。励起光Aおよび検出光Bは、スキ
ャナドライバ33により制御されたスキャナ31および
32により試料40上を2次元走査される。励起光Aの
集光照射により形成された熱レンズに検出光Bが集光照
射されると、検出光Bは熱レンズにより発散され、信号
光Cとなる。信号光Cは、集光レンズ50によりピンホ
ール51の開口部51Aに集光され、開口部51Aを通
過し、フィルタ52を透過して、検出器53により受光
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起光を試料に照
射することにより生じる光熱効果を利用し、検出光を試
料に照射して生じた信号光を検出して、これにより試料
を分析する光熱変換分光分析技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料に光を集光照射すると、その試料
は、光吸収により局所的に温度上昇し、この温度上昇に
応じて屈折率が変化し、熱レンズが形成される。これを
光熱効果という。多くの物質では、温度上昇に伴い屈折
率は小さくなるので、熱レンズとして凹レンズが形成さ
れる。したがって、この凹レンズの中央およびその周辺
に光を入射させると、その光は発散または集光する。ま
た、この凹レンズの中央以外の部分に光を入射させる
と、その光は偏向する。
【0003】従来より、この光熱効果を利用して試料を
分光分析することが行われており、この分析方法を光熱
変換分光法という。従来の入射光と透過光との比に基づ
いて試料分析する吸光法とは異なり、この光熱変換分光
法は、熱の拡散すなわち屈折率変化を観察するものであ
るので、吸光法に比べて極微量な試料濃度を検出するこ
とができる。それ故、光熱変換分光分析技術は、キャピ
ラリー電気泳動装置用の高感度分析装置としての利用
や、従来の吸光法の適用が困難な細胞等の生体試料への
応用が提案されている。
【0004】この光熱変換分光分析技術を応用した光熱
変換分光分析装置として、「熱レンズ顕微鏡」なるもの
が知られている(原田明、他、熱レンズ顕微鏡の開発と
毛髪計測への応用、色材、第68巻、第10号、pp.606-612
(1995) )。図2は、この従来の光熱変換分光分析装置
の構成図である。
【0005】この光熱変換分光分析装置では、励起光源
110から出力された励起光は、チョッパ111により
変調され、ダイクロイックミラー130を透過し、反射
鏡131により反射され、顕微鏡135に入射し、この
顕微鏡135により試料140に集光照射される。その
集光照射された励起光は、試料140上の焦点位置で吸
収されて、その照射位置を中心として熱レンズが形成さ
れる。試料140に照射された励起光のうち試料140
により吸収されなかった光は、試料140を透過する
が、フィルタ152により吸収され、検出器153には
入射しない。
【0006】一方、検出光源120から出力された検出
光は、ダイクロイックミラー130および反射鏡131
それぞれに順次反射され、顕微鏡135に入射し、この
顕微鏡135により試料140に集光照射される。顕微
鏡135から出射される検出光は、励起光により試料1
40に形成された熱レンズに集光照射され、試料140
を透過して発散または集光する。この試料140から発
散または集光して出射された光は信号光となり、その信
号光は、集光レンズ150およびフィルタ152を経て
検出器153により検出される。
【0007】この検出器153により検出された信号光
の強度は、試料140において形成された熱レンズに応
じたものであり、また、チョッパ111による励起光変
調周期に同期して変化するものである。そこで、この検
出器153から出力されプリアンプ160により増幅さ
れた信号は、ロックインアンプ161により、チョッパ
111による励起光変調周期に同期して検波され、その
ロックインアンプ161からの出力信号に基づいてコン
ピュータ170により試料140の分析がなされる。
【0008】さらに、この光熱変化分光分析装置は、X
YZステージ180を有している。このXYZステージ
180は、試料140を光軸方向(Z方向)に微動させ
て焦点調整するとともに、試料140を光軸方向に垂直
な平面(XY平面)上で2次元走査するためのものであ
る。そして、コンピュータ170は、XYZステージ1
80を駆動して試料140をXY平面上で2次元走査す
るとともに、ロックインアンプ161により同期検波さ
れて出力された信号を入力する。このようにすることよ
り、この光熱変換分光分析装置は、試料140の2次元
像を得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように光熱変換
分光法は、従来の吸光法に比べれば検出感度が優れてい
るものの、上記従来の光熱変換分光分析装置は、以下の
ような問題点がある。すなわち、試料140の2次元像
を得るために用いているXYZステージ180は、機械
的アクチュエータを使用しているため、振動が発生し易
い。この振動は、試料140を分析する上でノイズとな
る。この振動によるノイズを排除するには、コンピュー
タ170は、XYZステージ180により試料140を
所定の変位だけ駆動した後に振動が無くなるのを待って
ロックインアンプ161からの出力信号を入力する操作
を1ステップとして、このステップを試料140上の測
定点の数だけ繰り返して行うことも考えられる。しか
し、これでは、試料140の2次元像の獲得に時間を要
し、実用的ではない。
【0010】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、試料の2次元像を短時間で分析するこ
とができる光熱変換分光分析装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光熱変換分
光分析装置は、励起光が試料に照射されて形成される熱
レンズに検出光を入射させ、検出光が熱レンズにより発
散または集光されて出力された信号光に基づいて試料の
分光分析を行う光熱変換分光分析装置であって、(1) 励
起光を出力する励起光源と、(2) 検出光を出力する検出
光源と、(3) 励起光および検出光を互いに同軸として試
料に集光照射するとともに、試料上の集光位置を走査す
る照射光学系と、(4) 検出光の試料への照射に伴って発
生する信号光を所定点に集光する集光光学系と、(5) 所
定点に開口部を有するピンホールと、(6) ピンホールの
開口部を通過した信号光を検出する検出器と、を備える
ことを特徴とする。
【0012】この光熱変換分光分析装置によれば、励起
光源から出力された励起光と検出光源から出力された検
出光とは、照射光学系により、互いに同軸とされて試料
に集光照射されるとともに、試料上の集光位置が走査さ
れる。励起光が試料に集光照射されると熱レンズが形成
され、検出光がその熱レンズに入射すると、信号光が発
生する。この信号光は、集光光学系によりピンホールの
開口部に集光されて、その開口部を通過し、検出器によ
り検出される。
【0013】また、さらに、励起光および検出光それぞ
れが照射される試料上の領域を観察する観察手段を更に
備えることを特徴とする。この場合には、観察手段によ
り、照射光学系により励起光および検出光が集光照射さ
れるべき試料上の領域を確認することができ、また、集
光照射の状況を確認することにより照射光学系を調整す
ることができる。
【0014】また、さらに、励起光源は、試料を2光子
励起し得る波長の光を励起光として出力することを特徴
とする。この場合には、試料中の光軸方向のごく限られ
た領域にのみが励起されるので、優れた分解能で試料を
分析することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。図1は、本発明に係る光熱変換分光分析装置の
構成図である。
【0016】励起光源10は、試料40に熱レンズを形
成するための励起光Aを出力するものである。励起光源
10として、指向性に優れピーク強度が高いレーザ光源
が好適に用いられ、例えば、フェムト秒パルス光を出力
するチタンサファイアレーザ光源(波長715nm、繰
り返し周波数76MHz、パルス幅130fs)や、モ
ードロックレーザ光励起の色素レーザ光源が用いられ
る。この励起光源10から出力された励起光Aは、チョ
ッパ11により強度変調され、ビームエクスパンダ12
により光束径が調整され、ダイクロイックミラー30、
スキャナ31および32により順次反射され、瞳投影レ
ンズ34を経て、顕微鏡35に入射する。
【0017】一方、検出光源20は、試料40に形成さ
れた熱レンズに照射すべき検出光Bを出力するものであ
る。検出光源20として、同様にレーザ光源が好適に用
いられ、例えば、He−Neレーザ光源が用いられる。
この検出光源20から出力された検出光Bは、ビームエ
クスパンダ22により光束径が調整され、ダイクロイッ
クミラー30を透過し、スキャナ31および32により
順次反射され、瞳投影レンズ34を経て、顕微鏡35に
入射する。
【0018】ここで、チョッパ11は、励起光Aを周期
的に透過/遮断の変調をする。ビームエクスパンダ12
および22それぞれは、励起光Aおよび検出光Bそれぞ
れの試料40上での光軸方向集光位置の相対的位置関係
を調整して、感度調整等するためにも使用される。ダイ
クロイックミラー30は、励起光Aを反射させるととも
に、検出光Bを透過させ、また、反射した励起光Aおよ
び透過した検出光Bを互いに略同軸にして出力する。
【0019】また、スキャナ31および32それぞれ
は、スキャナドライバ33による制御に従い反射面の傾
きが設定され、これにより、ダイクロイックミラー30
から到達した励起光Aおよび検出光Bの反射方向を調整
する。このスキャナ31および32として、例えば、1
対のガルバノメータミラー、ガルバノメータミラーとポ
リゴンミラーとの組合せ、ガルバノメータミラーとレゾ
ナントミラーとの組合せ、ガルバノメータミラーとAO
D(Acoust-Optical Deflector)との組合せ、等が好適
である。
【0020】また、顕微鏡35は、励起光Aおよび検出
光Bそれぞれを試料40上に集光照射するものであり、
カメラ36を備えている。このカメラ36は、試料40
自体だけでなく、試料40上の励起光Aおよび検出光B
の照射位置および集光状態を確認するものである。した
がって、分光分析に先だって試料40の配置を決定する
とともに、励起光Aおよび検出光Bが試料40に照射さ
れる位置および集光状態を確認しながら光熱変換分光分
析を行うことができる。
【0021】顕微鏡35から出射された励起光Aは、試
料40に集光照射される。その励起光Aの一部は試料4
0により吸収され、残部は透過する。試料40では、励
起光吸収に伴い、励起光Aが照射された位置を中心に温
度が上昇し熱レンズが形成される。励起光Aがチョッパ
11により変調されているので、この熱レンズも励起光
Aの変調周期と同一周期で変調されたものとなる。
【0022】同様に、顕微鏡35から出射された検出光
Bは、試料40に熱レンズが形成されている領域に照射
される。そして、検出光Bが試料40に入射すると、試
料40に形成された熱レンズにより検出光Bは発散また
は集光し信号光Cとして出射する。この信号光Cの強度
は、その発散または集光の度合い、即ち、熱レンズの形
成度合いを示すものであり、更には、励起光Aが集光照
射された位置における試料40の濃度等を示すものであ
る。
【0023】試料40から発生した信号光Cは、集光レ
ンズ50、ピンホール51およびフィルタ52を順次経
て、検出器53により検出される。ここで、集光レンズ
50およびピンホール51は、集光レンズ50の前側焦
点位置が検出光Bの試料40上の集光位置に一致し、且
つ、後側焦点位置がピンホール51の開口部51Aに一
致するように配置される。したがって、集光レンズ50
は、試料40から発生した信号光Cを入力し、その信号
光Cをピンホール51の開口部51Aに集光する。ま
た、フィルタ52は、ピンホール51の開口部51Aを
通過した信号光Cを透過させるが、試料40を透過し更
に開口部51Aを通過した励起光Aを反射または吸収す
る。検出器53は、フィルタ52を透過した信号光Cを
検出して、信号光強度に応じた電流信号を出力する。
【0024】なお、瞳投影レンズ34、顕微鏡35、集
光レンズ50、ピンホール51、フィルタ52および検
出器53からなる光学系は、本装置により試料40を分
光分析している間は固定配置されているものである。ま
た、試料40も、分光分析中は位置固定されたままであ
り、走査されることはない。
【0025】検出器53から出力された電流信号を入力
するプリアンプ60は、その電流信号を電圧信号に変換
し増幅して出力する。そして、ロックインプリアンプ6
1は、プリアンプ60から出力された電圧信号を入力す
るとともに、チョッパ11による励起光変調の同期信号
をも入力して、プリアンプ60からの電圧信号を同期検
波する。このロックインアンプ61からの出力信号は、
コントローラ62を経て、コンピュータ70に入力す
る。
【0026】コンピュータ70は、スキャンコントロー
ラ71およびフレームグラバ72を有し、スキャナドラ
イバ33およびコントローラ62に接続されている。ス
キャンコントローラ71は、鋸波信号を発生し、その鋸
波信号をスキャナドライバ33に送り、スキャナドライ
バ33は、その鋸波信号に基づいて、スキャナ31およ
び32それぞれを駆動制御し、試料40上の励起光Aお
よび検出光Bの照射位置を2次元走査する。同時に、ス
キャンコントローラ71は、その鋸波信号をコントロー
ラ62にも送り、コントローラ62は、入力したロック
インアンプ61からの出力信号を鋸波信号に同期してサ
ンプリングしホールドする。また、フレームグラバ72
は、コントローラ62によりサンプリングされホールド
された信号を入力し、試料40上の励起光Aおよび検出
光Bの照射位置に対応付けて、その信号を記憶する。そ
して、コンピュータ70は、フレームグラバ72に記憶
された試料40の2次元像を、そのまま或いは画像処理
して表示部73に表示する。
【0027】本実施形態に係る光熱変換分光分析装置は
以上のように構成されているので、以下のように作用す
る。すなわち、励起光源10から出射された励起光A
は、チョッパ11により強度変調され、ビームエクスパ
ンダ12により光束径が調整され、ダイクロイックミラ
ー30により反射される。一方、検出光源20から出射
された検出光Bは、ビームエクスパンダ22により光束
径が調整され、ダイクロイックミラー30を透過する。
ダイクロイックミラー30で反射された励起光Aおよび
透過した検出光Bは、同軸とされ、スキャナ31および
32により順次反射され、瞳投影レンズ34を経て顕微
鏡35に入射し、顕微鏡35により試料40上に集光照
射される。このとき、励起光Aおよび検出光Bは、スキ
ャナドライバ33により制御されたスキャナ31および
32により、試料40上を2次元走査される。
【0028】試料40上に励起光Aが集光照射される
と、その位置を中心に熱レンズが形成され、また、その
熱レンズに検出光Bが集光照射されると、その検出光B
は熱レンズにより発散または集光され、その光線は信号
光Cとなる。この信号光Cは、集光レンズ50によりピ
ンホール51の開口部51Aに集光されて、その開口部
51Aを通過し、フィルタ52を透過して、検出器53
により受光される。信号光Cを受光した検出器53から
出力される電流信号は、プリアンプ60により電圧信号
に変換され、その電圧信号は、ロックインアンプ60に
より、チョッパ11における励起光Aの変調に同期して
検波される。
【0029】このロックインアンプ61から出力される
信号は、信号光Cの強度に応じたものであり、試料40
における熱レンズの形成度合いに応じたものであり、さ
らには、励起光Aが集光照射された位置における試料4
0の濃度等を示すものである。そして、ロックインアン
プ61から出力された信号は、スキャナドライバ33を
介してスキャナ31および32をも制御するスキャンコ
ントローラ71による指示により、コントローラ62を
介してコンピュータ70に入力され、試料40上の励起
光Aおよび検出光Bの照射位置に対応付けられてフレー
ムグラバ72に記憶される。このようにして、試料40
の2次元像は、フレームグラバ72に記憶され、表示部
73に表示される。
【0030】以上のように、本実施形態に係る光熱変換
分光分析装置によれば、試料40を走査することなく位
置固定し、スキャナ31および32を用いて励起光Aお
よび検出光Bを試料40上で走査することにしたので、
従来の振動の問題を解消することができ、したがって、
短時間で試料40を光熱変換分光分析することができ
る。また、試料40で発生した信号光Cを集光レンズ5
0によりピンホール51の開口部51Aの位置に集光す
ることにしたので、試料40上の検出光Bの照射位置す
なわち信号光Cの発生位置に依らず、同一条件で信号光
Cを検出することができ、試料40の2次元像を得るこ
とができる。
【0031】また、本実施形態に係る光熱変換分光分析
装置によれば、顕微鏡35を用いて励起光Aを試料40
上に集光照射することにしたので、励起光Aの集光領域
は極めて微小な領域となり、その集光領域では励起光A
は極めて高い強度になる。このように励起光Aの強度が
高い領域においては、2光子励起が起こる確率が高い。
一般に、2光子励起は、或波長の1個の光子を吸収して
励起される分子が、その倍の波長の2個の光子を同時に
吸収することにより励起されることであり、この2光子
励起の起こる確率は、光強度の2乗に比例する。したが
って、試料40上において2光子励起が起こる確率が高
くなる領域は、焦点近傍の極めて限られた微小な領域と
なる。
【0032】このように2光子励起を採用すれば、試料
40上の焦点近傍の極めて微小な領域のみが励起される
ことから、光軸に垂直な方向だけでなく、光軸方向にも
優れた分解能で試料40を分析することができる。ま
た、紫外域や可視域に吸収を有する分子を、赤外域の励
起光により励起することができ、例えば、励起光源10
として、大出力の近赤外レーザ光を出射し得るYAGレ
ーザ光源等を使用することができる。また、2光子励起
を採用することにより、光学系由来のバックグラウンド
を低減することができ、検出感度を向上させることがで
きる。さらに、試料40が蛍光色素を標識としたもので
ある場合、2光子励起が焦点位置のみで起こることか
ら、その他の部分では光褪色が起こらず、試料40全体
としての光褪色を少なく抑えることができる。
【0033】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、励起光源から出力された励起光と検出光源から出
力された検出光とは、照射光学系により、互いに同軸と
されて試料に集光照射されるとともに、試料上の集光位
置が走査される。励起光が試料に集光照射されると熱レ
ンズが形成され、検出光がその熱レンズに入射すると、
信号光が発生する。この信号光は、集光光学系によりピ
ンホールの開口部に集光されて、その開口部を通過し、
検出器により検出される。
【0034】以上のように、試料を走査することなく位
置固定し、励起光および検出光を試料上で走査すること
にしたので、従来の振動の問題を解消することができ、
したがって、短時間で試料を光熱変換分光分析すること
ができる。また、試料で発生した信号光を集光光学系に
よりピンホールの開口部の位置に集光することにしたの
で、試料上の検出光の照射位置すなわち信号光の発生位
置に依らず、同一条件で信号光を検出することができ、
試料の2次元像を得ることができる。
【0035】また、励起光および検出光それぞれが照射
される試料上の領域を観察する観察手段を更に備える場
合には、照射光学系により励起光および検出光が集光照
射されるべき試料上の領域を確認することができ、ま
た、集光照射の状況を確認することにより照射光学系を
調整することができる。
【0036】また、試料を2光子励起し得る波長の光を
励起光として用いる場合には、試料中の光軸方向のごく
限られた領域にのみが励起されるので優れた分解能で試
料を分析することができ、検出感度が向上し、また、光
褪色の問題が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光熱変換分光分析装置の構成
図である。
【図2】従来の光熱変換分光分析装置の構成図である。
【符号の説明】
10…励起光源、11…チョッパ、12…ビームエクス
パンダ、20…検出光源、22…ビームエクスパンダ、
30…ダイクロイックミラー、31,32…スキャナ、
33…スキャナドライバ、34…瞳投影レンズ、35…
顕微鏡、36…カメラ、40…試料、50…集光レン
ズ、51…ピンホール、52…フィルタ、53…検出
器、60…プリアンプ、61…ロックインアンプ、62
…コントローラ、70…コンピュータ、71…スキャン
コントローラ、72…フレームグラバ、73…表示部、
A…励起光、B…検出光、C…信号光。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光が試料に照射されて形成される熱
    レンズに検出光を入射させ、前記検出光が前記熱レンズ
    により発散または集光されて出力された信号光に基づい
    て前記試料の分光分析を行う光熱変換分光分析装置であ
    って、 前記励起光を出力する励起光源と、 前記検出光を出力する検出光源と、 前記励起光および前記検出光を互いに同軸として前記試
    料に集光照射するとともに、前記試料上の集光位置を走
    査する照射光学系と、 前記検出光の前記試料への照射に伴って発生する前記信
    号光を所定点に集光する集光光学系と、 前記所定点に開口部を有するピンホールと、 前記ピンホールの前記開口部を通過した前記信号光を検
    出する検出器と、 を備えることを特徴とする光熱変換分光分析装置。
  2. 【請求項2】 前記励起光および前記検出光それぞれが
    照射される前記試料上の領域を観察する観察手段を更に
    備える、ことを特徴とする請求項1記載の光熱変換分光
    分析装置。
  3. 【請求項3】 前記励起光源は、前記試料を2光子励起
    し得る波長の光を前記励起光として出力する、ことを特
    徴とする請求項1記載の光熱変換分光分析装置。
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