JP3292935B2 - 蛍光分光画像計測装置 - Google Patents
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Description
ムを照射し、それにより励起されてこの被検体から発せ
られた蛍光のスペクトルを被検体の各点毎に計測する蛍
光分光画像計測装置に関するものである。
する分光計測装置が種々提供されており、そしてその1
つとして、フーリエ分光計測装置も知られている。この
フーリエ分光計測装置は、被測定光を干渉計で干渉さ
せ、その干渉による光の明暗を検出した信号をフーリエ
変換して被測定光のスペクトルを計測するものである。
またこのフーリエ分光計測装置を利用して、2次元的広
がりを有する物体から発せられた光を、物体の各点毎に
分光計測するフーリエ分光画像計測法も研究され、既に
いくつかの方式が提案されている(例えば「レーザ研
究」誌 vol.15,No.10,21(1987)参照)。
ームを照射し、それにより励起されてこの被検体の一点
から発せられた蛍光を分光計測する装置や、2次元的広
がりを有する蛍光物質である被検体をレーザービームで
走査し、それにより励起されて被検体の各点から発せら
れた蛍光の強度を検出して該被検体の画像情報を得る装
置も既に提供されている。
光物質を不均一に含む生体試料等の被検体にあっては、
励起光を照射した際にそこから発せられる蛍光を被検体
の各点毎に分光計測して、2次元的分光画像情報を得た
いことがあるが、そのような蛍光分光画像計測を行ない
得る装置は未だ提供されていない。
光を被検体上の各点毎に分光計測して、2次元的分光画
像情報を得ることができる蛍光分光画像計測装置を提供
することを目的とするものである。
分光画像計測装置は、励起光としてのレーザービームを
発する励起光源と、このレーザービームを2次元的に偏
向させて被検体上で走査させる走査手段と、このレーザ
ービームの照射を受けることにより被検体から発せられ
た蛍光を上記レーザービームの光路から分離させる光学
系と、この光学系により上記光路から分離した蛍光に干
渉を生じさせ、この干渉による蛍光の明暗を検出して、
その検出信号をフーリエ変換するフーリエ分光計測系と
からなることを特徴とするものである。
装置は、線状の広がりを有する励起光としてのレーザー
ビームを発する励起光源と、このレーザービームを、そ
の広がりの方向と交差する方向に偏向させて被検体上で
走査させる走査手段と、このレーザービームの照射を受
けることにより被検体から発せられた蛍光を、上記レー
ザービームの光路から分離させる光学系と、この光学系
により上記光路から分離した蛍光に干渉を生じさせ、こ
の干渉によるレーザービーム照射位置毎の蛍光の明暗を
並列的に検出して、それらの検出信号を各々フーリエ変
換するフーリエ分光計測系とからなることを特徴とする
ものである。
ける励起光源としては、1つの発光点を有するレーザー
光源と、そこから発せられた通常の1本のレーザービー
ムをファンビーム状に整形する手段との組合わせからな
るものが用いられてもよいし、あるいは、アレイ状に並
設された複数の発光点を有するレーザー光源が用いられ
てもよい。
1の蛍光分光画像計測装置においては、レーザービーム
の偏向に伴なって被検体上のレーザービーム走査位置つ
まり励起位置が変化するので、被検体上の各点毎に蛍光
分光計測がなされ、被検体の2次元分光画像情報を得る
ことができる。
分光画像計測装置においても、基本的には上記第1の蛍
光分光画像計測装置と同様にして被検体の分光画像情報
を得ることができるが、特に本装置においては、線状の
広がりを有するレーザービームを被検体上で走査させる
ようにしているので、被検体上で一線に並ぶ各点につい
て並列的に蛍光分光計測がなされ得る。したがってこの
第2の蛍光分光画像計測装置によれば、第1の蛍光分光
画像計測装置を用いる場合と比べて、より短時間内に被
検体の分光画像情報を得ることができる。
詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例による蛍
光分光画像計測装置を示すものである。図示されるよう
にこの蛍光分光画像計測装置は、レーザー励起系1と、
フーリエ分光計測系2とから構成されている。
と、そこから発せられた励起光としてのレーザービーム
11を高反射率で反射させる一方、一般にこのレーザービ
ーム11よりも長波長の後述する蛍光12を高透過率で透過
させるダイクロイックミラー13と、上記レーザービーム
11を水平方向(矢印X方向)に偏向させる水平ビーム偏
向器14と、この水平ビーム偏向器14を経たレーザービー
ム11をさらに垂直方向(矢印Y方向)に偏向させる垂直
ビーム偏向器15と、この垂直ビーム偏向器15を経たレー
ザービーム11を蛍光物質である被検体17上で収束させる
集光レンズ16とから構成されている。
発振波長が337 nmのN2 レーザー、発振波長が333 、
458 、488 あるいは515 nmのArレーザー、発振波長
が308 nmのXeClレーザー等が好適に用いられる。
一方水平ビーム偏向器14および垂直ビーム偏向器15とし
ては、ガルバノメータミラーやポリゴンミラー等の反射
式のビーム偏向器を2つ組み合わせて用いるのが好まし
い。そして集光レンズ16は、レーザービーム11の照射に
より励起されて被検体17から生じる蛍光12を集光するピ
ックアップレンズとしても作用するので、できるだけ大
きな受光立体角つまり大きな開口を有するものを用いる
のが好ましい。また当然ながら、この集光レンズ16は、
励起用レーザービーム11と蛍光12の双方に対して高い透
過率を有することが望ましい。
ックミラー13を透過した蛍光12が入射する位置に配され
たビームスプリッタ20と、このビームスプリッタ20で反
射した蛍光12を反射させるミラー21と、ビームスプリッ
タ20を透過した蛍光12を反射させるミラー22と、ミラー
21で反射した蛍光12を反射させてミラー22に入射させる
とともにミラー22で反射した蛍光12を反射させてミラー
21に入射させる傾斜ミラー23と、ビームスプリッタ20に
おいて上記のように分岐された後に再度このビームスプ
リッタ20により合成された蛍光12を一方向にのみ集光す
るシリンドリカルレンズ24と、このシリンドリカルレン
ズ24の集光の方向と直角な方向に延びるアレイ状の光検
出器(アレイセンサー)25と、このアレイセンサー25を
駆動するセンサー駆動部26と、アレイセンサー25の出力
信号を一時的に記憶するメモリー27と、信号処理部28と
を有している。
イオードアレイ、CCDアレイ等からなり、その駆動は
同期制御部29により、水平ビーム偏向器14および垂直ビ
ーム偏向器15によるレーザービーム11の2次元走査と同
期を取って制御される。
生体試料等であり、以上の構成の装置によりこの被検体
17の蛍光分光画像計測を行なう際には、励起用レーザー
10が駆動されるとともに、水平ビーム偏向器14および垂
直ビーム偏向器15が駆動されて、被検体17がレーザービ
ーム11によって2次元走査される。このレーザービーム
11の照射を受けた被検体17の部分からは、該レーザービ
ーム11により励起されて蛍光12が発せられる。
光され、レーザービーム11と逆の光路を辿ってダイクロ
イックミラー13を透過し、ビームスプリッタ20に入射す
る。この蛍光12は、ビームスプリッタ20→ミラー21→傾
斜ミラー23→ミラー22→ビームスプリッタ20の光路を辿
る成分と、ビームスプリッタ20→ミラー22→傾斜ミラー
23→ミラー21→ビームスプリッタ20の光路を辿る成分と
に分岐され、そしてこれら両成分はビームスプリッタ20
により合成されるが、傾斜ミラー23が、ミラー21からの
蛍光12の入射角とミラー22からの蛍光12の入射角とが僅
かに異なる向きに配置されていることにより、これらの
両成分は互いに小さな有限の角度をもって合成される。
れた蛍光12には、この集光の方向と直角な方向に亘り、
上記小さな有限の角度による位相差によって空間的な干
渉縞(インターフェログラム)が生じる。なお図中で
は、このインターフェログラムを概略的に30で示してあ
る。このインターフェログラム30はアレイセンサー25に
よって検出され、このアレイセンサー25の出力信号Sは
メモリー27に一時的に記憶される。そして、先に述べた
ようにアレイセンサー25の駆動がレーザービーム11の2
次元走査と同期を取って制御されることにより、上記イ
ンターフェログラム30が被検体17のレーザービーム照射
位置毎に求められる。
出されて、信号処理部28に送られる。信号処理部28は例
えば公知のコンピュータからなり、レーザービーム照射
位置毎のインターフェログラムを示す信号Sをフーリエ
変換する。このフーリエ変換は、従来からなされている
ものと同様であり、このフーリエ変換処理により蛍光12
のスペクトルが各画素毎に、つまり被検体17のレーザー
ビーム照射位置毎に求められる。このようにして被検体
17の2次元分光画像情報を得ることができ、この分光画
像情報は図示しないCRT表示装置等の表示手段あるい
は記録手段において、表示あるいは記録される。
について説明する。なおこの図2において、図1中の要
素と同等のものには同番号を付し、それらについての説
明は必要のない限り省略する。
例装置の水平ビーム偏向器14に代わるものとしてファン
ビーム生成光学系40が設けられており、励起用レーザー
10からから発せられたレーザービーム11は、このファン
ビーム生成光学系40により水平面(矢印Xを含む面)内
で広がる形状のファンビームに整形された上で、ダイク
ロイックミラー41を透過する。このレーザービーム11は
集光レンズ42により、水平面内では平行光となり垂直面
内では収束するように集光される。被検体17はこの収束
の位置に配されており、したがって、被検体17の水平方
向に延びる線状の部分が同時にレーザービーム11の照射
を受ける。そしてこのレーザービーム11は垂直ビーム偏
向器15により垂直方向(矢印Y方向)に偏向され、被検
体17がレーザービーム11によって2次元的に走査され
る。
平面内でのみパワーを有する凹または凸のシリンドリカ
ルレンズやシリンドリカルミラー等から構成されるもの
である。また集光レンズ42の代表的なものとしては、図
3の(1)および(2)にそれぞれ水平面内形状、垂直
面内形状を示すように、ファンビーム状のレーザービー
ム11の収束点(実の場合も、また虚の場合もあり得る)
に前側焦点が、そして被検体17の部分に後側焦点が位置
するように配された軸対称の凸レンズが挙げられる。な
おこの図3において、f1 が集光レンズ42の焦点距離で
あり、またこの図ではミラー類を省略してある。
の線状の部分からは、蛍光12が発せられる。この蛍光12
の一部は集光レンズ42により集光され、レーザービーム
11と逆の光路を辿ってダイクロイックミラー41で反射す
る。こうしてレーザービーム11の光路から分離した蛍光
12は、シリンドリカルレンズ43を通過してビームスプリ
ッタ20に入射する。また、レーザービーム11の光路から
分離した蛍光12は、上記矢印Xに対して垂直となる垂直
面内では、平行光状態のままビームスプリッタ20に入射
する。この蛍光12はビームスプリッタ20により2つの成
分に分離され、そしてミラー21、22、傾斜ミラー23によ
り互いに小さな有限の角度をもつようにされ、ビームス
プリッタ20により合成された後、アナモルフィックレン
ズ44により水平および垂直方向に集光される。
限の角度による位相差によって、垂直方向に亘って空間
的なインターフェログラム30が生じる。このインターフ
ェログラム30は、レーザービーム11の照射を受けた被検
体17の線状部分の各点毎に生じ、それら各点毎のインタ
ーフェログラム30が2次元アレイセンサー45上で矢印X
方向に並ぶことになる(なお図2では、1つのインター
フェログラム30のみを概略的に示してある)。このよう
に並ぶ複数のインターフェログラム30は、フォトダイオ
ードアレイ、CCDアレイ等からなる2次元アレイセン
サー45によって並列的に検出される。
しては、図4の(1)および(2)にそれぞれ水平面内
形状、垂直面内形状を示すものが挙げられる。なおこの
図4において、f1 は集光レンズ42の焦点距離、f2 は
シリンドリカルレンズ43の焦点距離、f3 はアナモルフ
ィックレンズ44の水平面内焦点距離である。またこの図
4においても、ミラー類は省略してある。要するに、水
平面内では被検体17と2次元アレイセンサー45とが共役
の関係になり、また垂直面内では、レーザービーム11が
垂直方向に偏向されても2次元アレイセンサー45上で蛍
光12が移動しないように、P面と2次元アレイセンサー
45とが共役の関係になるようにする。すなわち、アナモ
ルフィックレンズ44の垂直面内焦点距離をf3 ’、a=
2(f2+f3 )、b=2f3 として、1/a+1/b
=1/f3 ’の関係を満足させればよい。
は、メモリー27に一時的に記憶される。メモリー27に記
憶された信号Sは逐次、1つのインターフェログラム30
に関する信号毎に(つまり2次元アレイセンサー45の垂
直方向に1列に並ぶ受光素子からの信号毎に)読み出さ
れて、信号処理部28に送られる。信号処理部28は、1つ
のインターフェログラム30に関する信号Sをフーリエ変
換する。このフーリエ変換処理により蛍光12のスペクト
ルが各画素毎に、つまり被検体17の線状のレーザービー
ム照射部分の各点毎に求められる。
ーフェログラム30に関する信号Sについて行なわれ、そ
れにより被検体17の1次元分光画像情報が得られる。そ
して、レーザービーム11が垂直ビーム偏向器15によって
垂直方向に所定ピッチ偏向される毎に上述の処理が行な
われ、被検体17の2次元分光画像情報が得られることに
なる。この分光画像情報は図示しないCRT表示装置等
の表示手段あるいは記録手段において、表示あるいは記
録される。
いては、被検体17の線状のレーザービーム照射部分の各
点についてのインターフェログラム30が並列的に検出さ
れるので、第1実施例装置を用いる場合と比べて、より
短い時間内に被検体17の2次元分光画像情報を得ること
ができる。
は、傾斜ミラー23の作用により空間的なインターフェロ
グラムを生じさせているが、ビームスプリッタ20で分岐
され再び合成される間の光路をこれらの実施例のように
四角とせずに三角とし、その頂点のミラーの1つを往復
運動させて蛍光12の光路長を変調する方法を用いること
もできる。その場合は、時間的なインターフェログラム
が生じるので、図1の構成においては1次元アレイセン
サー25に代えて単一の光検出器を用い、そして図2の構
成においては2次元アレイセンサー45に代えて水平方向
に延びる1次元アレイセンサーを用いて、この時間的な
インターフェログラムを検出すればよい。またその場
合、図1の構成においてはシリンドリカルレンズ24に代
えて通常の軸対称レンズを用いればよい。
は、例えば励起レーザーパワーの不均一や、集光レンズ
16、42の蛍光集光効率の不均一等に起因して光学系のシ
ェーディングが生じ得るので、1次元アレイセンサー25
あるいは2次元アレイセンサー45の出力信号Sに、この
シェーディングを補正する処理を施してもよい。また、
1次元アレイセンサー25あるいは2次元アレイセンサー
45においては、受光素子間の感度バラツキや分光特性バ
ラツキが存在することもあるので、それらからの出力信
号Sにこのような特性バラツキを補正する処理を施して
もよい。
図、(2)はその側面図
平面図、(2)はその側面図
Claims (2)
- 【請求項1】 励起光としてのレーザービームを発する
励起光源と、 このレーザービームを2次元的に偏向させて被検体上で
走査させる走査手段と、 このレーザービームの照射を受けることにより前記被検
体から発せられた蛍光を前記レーザービームの光路から
分離させる光学系と、 この光学系により前記光路から分離した前記蛍光に干渉
を生じさせ、この干渉による蛍光の明暗を検出して、そ
の検出信号をフーリエ変換するフーリエ分光計測系とか
らなる蛍光分光画像計測装置。 - 【請求項2】 線状の広がりを有する励起光としてのレ
ーザービームを発する励起光源と、 このレーザービームを、その広がりの方向と交差する方
向に偏向させて被検体上で走査させる走査手段と、 このレーザービームの照射を受けることにより前記被検
体から発せられた蛍光を、前記レーザービームの光路か
ら分離させる光学系と、 この光学系により前記光路から分離した前記蛍光に干渉
を生じさせ、この干渉によるレーザービーム照射位置毎
の蛍光の明暗を並列的に検出して、それらの検出信号を
各々フーリエ変換するフーリエ分光計測系とからなる蛍
光分光画像計測装置。
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