JPH0941473A - デザイン付きグレーチング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音や錆びの発生を伴うことなく、表面にデ
ザインを施すことができ、さらに強度的に優れているデ
ザイン付きグレーチングを提供する。 【構成】 格子状枠材１１によって多数の水落空間１０
が区画形成されたグレーチング本体１を備え、水落空間
のうちの一部の水落空間がコンクリートにより充填され
て、その充填コンクリート２の表面にデザイン３が施さ
れ、充填コンクリートの内部に鉄筋４が埋設されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に水落ち蓋と呼ば
れ、側溝や溜め桝の蓋として使用されるグレーチングに
おいて、その表面にデザインが施されたデザイン付きグ
レーチングに関する。

【０００２】

【従来の技術】グレーチングは、格子状枠材によって水
落空間が区画形成されたもので、その水落空間から雨水
を側溝や溜め桝に流入させるものである。近年、景観の
向上を意図して、このグレーチングの表面にデザインを
施したものが提案されている。

【０００３】従来、表面にデザインが施されたデザイン
付きグレーチングとしては、表面にデザインを施したデ
ザイン板をグレーチング本体の上面に張付けたものが知
られている。

【０００４】又、本出願人において、先行技術として、
水落空間のうちの一部の水落空間をコンクリートにより
充填し、その充填コンクリートの表面にデザインを施し
たデザイン付きグレーチングを既に提案した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のデザイン付きグレーチングは、そのデザイン板
が破損防止のために鉄製で作られているため、これを鉄
枠製のグレーチング本体に張付けると、そのガタツキに
よって異音が発生し、これが騒音の原因になっている。
又、鉄製であるため錆びが発生し、この錆びによってデ
ザインが汚れ、逆に景観を損なう結果になっているとい
う問題があった。

【０００６】又、上記した先行技術にあっては、充填コ
ンクリートが、水落空間に単にコンクリートを充填した
だけで、鉄筋を有していない無筋コンクリートで形成さ
れたものであった。このため、この上を通過する自動車
等によってグレーチング本体に衝撃等が加わった場合、
グレーチング本体に歪が生じることにより充填コンクリ
ートに加わる曲げ力や剪断力に対し、強度的に不安ある
という問題点を残していた。

【０００７】又、充填コンクリートが衝撃等によって破
壊した場合に、これがグレーチング本体から脱落してし
まうおそれがあるという問題点を残していた。

【０００８】本発明は、上述のような従来の問題点を解
消するためになされたもので、騒音や錆びの発生を伴う
ことなく、表面にデザインを施すことができ、又、先行
技術に比べ、強度的に優れているデザイン付きグレーチ
ング及び充填コンクリートが破壊したとしても、これが
グレーチング本体から脱落するのを防止できるデザイン
付きグレーチングを提供することを課題としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項１記載のデザイン付きグレーチングは、格
子状枠材によって多数の水落空間が区画形成されたグレ
ーチング本体を備え、前記水落空間のうちの一部の水落
空間がコンクリートにより充填されて、その充填コンク
リートの表面にデザインが施され、前記充填コンクリー
トの内部に鉄筋が埋設されている。

【００１０】又、請求項２記載のデザイン付きグレーチ
ングは、格子状枠材によって多数の水落空間が区画形成
されたグレーチング本体を備え、前記水落空間のうちの
一部の水落空間の底面を塞ぐように底板がグレーチング
本体に取り付けられ、この底板によって底面が塞がれた
水落空間がコンクリートにより充填されて、その充填コ
ンクリートの表面にデザインが施され、前記充填コンク
リートの内部に鉄筋が埋設されている。

【００１１】

【作用】グレーチング本体は、格子状枠材によって多数
の水落空間が区画形成されたもので、これの表面にデザ
インを施そうとする場合、格子状枠材の表面は幅が狭い
し、また、水落空間にはデザインを施すことができな
い。このため、水落空間を埋め、その上にデザインを施
す必要が生じる。

【００１２】本発明では、水落空間を埋めることに着目
し、この水落空間にコンクリートを充填して、その充填
コンクリートの表面にデザインを施したため、従来のよ
うなデザインパネルを用いることなく、表面にデザイン
を施したデザイン付きグレーチングを得ることができ
る。

【００１３】又、水落空間のうちの一部の水落空間にコ
ンクリートが充填されているため、コンクリートが充填
されていない水落空間によって、グレーチング本来の目
的である雨水の流入を確保することができる。

【００１４】又、充填コンクリートに鉄筋が埋設されて
いるため、この充填コンクリートが鉄筋コンクリートに
形成される。従って、グレーチングの上を通過する自動
車等からの衝撃によってグレーチング本体に歪が生じ、
充填コンクリートに曲げ力や剪断力が加わっても、これ
に対抗するだけの強度が得られ、充填コンクリートの割
れを防止することができる。

【００１５】又、請求項２記載のデザイン付きグレーチ
ングでは、底板によって底面が塞がれた水落空間にコン
クリートを充填しているため、仮に充填コンクリートが
衝撃等によって破壊したとしても、底板によって下から
受け止められるため、充填コンクリートがグレーチング
本体から脱落するのを防止することができる。

【００１６】又、底板によって水落空間の底面が塞がれ
ているため、この底板が水落空間にコンクリートを充填
するときの受け部材となる。従って、この水落空間にそ
のままコンクリートを打設することができ、コンクリー
ト充填作業が簡単になる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。図１は第１実施例のデザイン付きグレーチングを示
す切欠斜視図である。

【００１８】図において、１はグレーチング本体で、格
子状枠材１１によって多数の水落空間１０が区画形成さ
れている。この場合、前記水落空間１０は、横方向に１
１列に形成され、かつ格子状枠材１１の上面に３本の連
結バー１２が設けられている。尚、このグレーチング本
体１は鉄製で、表面に亜鉛メッキが施されている。

【００１９】そして、前記水落空間１０のうちの一部の
水落空間１０がコンクリートにより充填されて、その充
填コンクリート２の表面にデザイン３が施されている。

【００２０】この場合、グレーチング本体１の中央部に
おいて、充填コンクリート２が横方向に５列に隣接する
ように形成され、他方、充填コンクリート２が形成され
ない水落空間１０がグレーチング本体１の両側におい
て、それぞれ３列ずつ残るように形成されている。

【００２１】又、前記充填コンクリート２の内部には、
鉄筋４が埋設されている。

【００２２】この場合、水落空間１０にコンクリートを
充填する方法としては、平板の上にグレーチング本体１
を天地反転して置き、その状態で充填コンクリート２を
形成しようとする水落空間１０内に途中の深さまでコン
クリートを充填する。次に、その上に鉄筋４を置き、こ
の鉄筋４の上から再びコンクリートを充填する。これに
よって、内部に鉄筋４が埋設された充填コンクリート２
を水落空間１０に形成することができる。

【００２３】又、実施例のデザイン３は、連続した充填
コンクリート２の表面の全面が下地色３１として１色で
着色塗装され、この下地色３１の上に数種の色で草花の
絵柄３２が着色塗装されたものとなっている。

【００２４】尚、この塗装に使用する塗料としては、耐
摩耗性に優れた塗料を用いるのが、タイヤ等によるデザ
インの摩耗を防止する上から好ましい。耐摩耗性に優れ
た塗料として、例えば、骨材含有塗料を用いる。この骨
材含有塗料には、例えば、セメントにセラミック系細骨
材や天然石細骨材（ガーネット、ダイヤモンド、クオッ
ク等）等を混ぜた細骨材を、アクリル樹脂やメチルメタ
アクリレート樹脂に混合したものが用いられる。又、顔
料には、変色のない無機系顔料が用いられる。又、塗装
方法としては、スプレー吹き付けでもよいし、刷毛塗り
でもよい。

【００２５】又、着色塗装面は、透明な上塗り剤で被膜
されている。この上塗り剤としては、耐候性及び防水性
に優れ、一般にトップコートと称されるものが用いられ
る。例えば、アクリルポリオールに添加剤及び溶剤を加
えた本剤に、ポリイソシアネートに溶剤を加えた硬化剤
を配合したもの（商標名トップコートクリア）が用いら
れる。

【００２６】上述のように、本実施例のデザイン付きグ
レーチングでは、水落空間１０にコンクリートを充填し
て、その充填コンクリート２の表面にデザイン３を施し
たため、デザインパネルを用いることなく、表面にデザ
イン３を施したデザイン付きグレーチングを得ることが
できる。

【００２７】又、充填コンクリート２は、一部の水落空
間１０に形成されているため、充填コンクリート２が形
成されていない水落空間１０からグレーチング本来の目
的である雨水の流入を確保することができる。

【００２８】又、充填コンクリート２の内部に鉄筋４が
埋設されているため、この充填コンクリート２が鉄筋コ
ンクリートに形成される。従って、グレーチングの上を
通過する自動車等からの衝撃によってグレーチング本体
１に歪が生じ、充填コンクリート２に曲げ力や剪断力が
加わっても、これに対抗するだけの強度が得られ、充填
コンクリート２の割れを防止することができる。

【００２９】次に、図２は第２実施例のデザイン付きグ
レーチングを示す断面図である。

【００３０】このデザイン付きグレーチングは、格子状
枠材１１によって区画形成された水落空間１０のうちの
一部の水落空間１０の底面を塞ぐように鉄板による底板
５がグレーチング本体１に取り付けられ、この底板５に
よって底面が塞がれた水落空間１０がコンクリートによ
り充填されている。

【００３１】そして、充填コンクリート２の表面にデザ
イン３が施されると共に、充填コンクリート２の内部に
鉄筋４が埋設されている。この場合の鉄筋４は、４本の
主筋４ａを４角位置に配し、これを配力筋４ｂで連結し
た鉄筋枠に形成されている。

【００３２】従って、この第２実施例のデザイン付きグ
レーチングでは、底板５によって底面が塞がれた水落空
間１０にコンクリートを充填しているため、仮に充填コ
ンクリート２が衝撃等によって破壊したとしても、底板
５によって下から受け止められるため、充填コンクリー
ト２がグレーチング本体１から脱落するのを防止するこ
とができる。

【００３３】又、底板５によって水落空間１０の底面が
塞がれているため、この底板５が水落空間１０にコンク
リートを充填するときの受け部材となる。従って、この
水落空間１０にそのままコンクリートを打設することが
でき、コンクリート充填作業が簡単になる。

【００３４】尚、図３は鉄筋の他例を示す斜視図で、こ
の鉄筋４は、２本の主筋４ａを上下位置に配し、これを
配力筋４ｂで連結した鉄筋枠に形成されている。

【００３５】以上、本発明の実施例を図面により説明し
たが、具体的な構成は実施例に限定されるものではな
い。

【００３６】例えば、水落空間のうち、どの水落空間を
コンクリートで充填するかについては、デザインとの関
係で決定するもので、第１実施例のように、充填コンク
リートを連続させれば、デザイン面積を広く形成するこ
とができる。また、充填コンクリートを点在状に配置す
れば、その配置パターンを要素としたデザインを表現で
きる。

【００３７】又、デザインについては、色彩は必ずしも
必要でなく、コンクリートの地肌に彫刻等で模様を表現
したものであってもよい。要は、色彩、模様（文字を含
む）、およびこれらを組合せたものであればよい。

【００３８】又、水落空間に充填するコンクリートに
は、軽量コンクリートや樹脂モルタル、レジンコンクリ
ートを含めるものとする。

【００３９】又、鉄筋の埋設方法については、鉄筋を水
落空間内に吊り、その状態でコンクリートを打設するよ
うにしてもよい。また、第２実施例の場合、底板５に水
落空間１０の間隔で鉄筋４を予め溶接によって固定して
おけば、底板５をグレーチング本体１に取り付けるのと
同時に鉄筋４をセットすることができる。

【００４０】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のデザ
イン付きグレーチングにあっては、水落空間にコンクリ
ートを充填して、その充填コンクリートの表面にデザイ
ンを施したため、従来のようなデザインパネルを用いる
ことなく、表面にデザインを施したデザイン付きグレー
チングを得ることができる。従って、騒音の発生を防止
できるし、錆びによるデザインの汚損を防止することが
できる。

【００４１】又、水落空間のうちの一部の水落空間にコ
ンクリートが充填されているため、コンクリートが充填
されていない水落空間によって、グレーチング本来の目
的である雨水の流入を確保することができる。

【００４２】又、充填コンクリートが鉄筋コンクリート
に形成されるため、自動車等からの衝撃によってグレー
チング本体に歪が生じ、充填コンクリートに曲げ力や剪
断力が加わっても、これに対抗するだけの強度が得ら
れ、充填コンクリートの割れを防止できるという効果が
得られる。

【００４３】又、請求項２記載のデザイン付きグレーチ
ングでは、底板が取り付けられているため、充填コンク
リートが衝撃等によって破壊したとしても、底板によっ
て下から受け止められ、充填コンクリートがグレーチン
グ本体から脱落するのを防止することができる。

【００４４】又、底板がコンクリートを充填するときの
受け部材となるため、水落空間にそのままコンクリート
を打設することができ、コンクリート充填作業が簡単に
なるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のデザイン付きグレーチングを示す
切欠斜視図である。

【図２】第２実施例のデザイン付きグレーチングを示す
断面図である。

【図３】鉄筋の他例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ グレーチング本体 １０ 水落空間 １１ 格子状枠材 ２ 充填コンクリート ３ デザイン ４ 鉄筋 ５ 底板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 格子状枠材によって多数の水落空間が区
   画形成されたグレーチング本体を備え、 前記水落空間のうちの一部の水落空間がコンクリートに
   より充填されて、その充填コンクリートの表面にデザイ
   ンが施され、 前記充填コンクリートの内部に鉄筋が埋設されているこ
   とを特徴としたデザイン付きグレーチング。
2. 【請求項２】 格子状枠材によって多数の水落空間が区
   画形成されたグレーチング本体を備え、 前記水落空間のうちの一部の水落空間の底面を塞ぐよう
   に底板がグレーチング本体に取り付けられ、 この底板によって底面が塞がれた水落空間がコンクリー
   トにより充填されて、その充填コンクリートの表面にデ
   ザインが施され、 前記充填コンクリートの内部に鉄筋が埋設されているこ
   とを特徴としたデザイン付きグレーチング。