JPH0939423A - 熱転写材料およびその画像形成方法 - Google Patents

熱転写材料およびその画像形成方法

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JPH0939423A
JPH0939423A JP7215503A JP21550395A JPH0939423A JP H0939423 A JPH0939423 A JP H0939423A JP 7215503 A JP7215503 A JP 7215503A JP 21550395 A JP21550395 A JP 21550395A JP H0939423 A JPH0939423 A JP H0939423A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の被転写体に昇華画像を形成し、その画
像に、白抜けやムラがなく、また、画像のにじみや画像
の安定性、すなわち耐光性や定着性の優れた熱転写材料
とその画像形成方法を提供する。 【解決手段】 基材の一方の面に、剥離可能に設けられ
た受容層を有する熱転写材料において、受容層に金属イ
オン含有化合物を含んでいることを特徴とする。また、
基材の一方の面に、剥離可能に設けられた受容層を有す
る熱転写材料の受容層と、染料層とを互いに接するよう
に重ね合わせ、加熱することにより、受容層に画像を形
成し、その後、画像形成された受容層を被転写体上に転
写する画像形成方法において、受容層に金属イオン含有
化合物を含み、かつ、染料層にキレート化可能な熱拡散
性色素を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写材料および
その画像形成方法に関し、特に、熱転写方式では、直接
その表面に画像を形成できない被転写体に対して、画像
を形成し、画像保存性の優れた新規な熱転写材料および
その画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写方式により染料画像を設け
る場合、染料の染着効率を高める必要から、受像紙と呼
ばれる染料染着性樹脂を主とした受容層を塗布した特別
の被転写体を準備する必要があるため、任意の被転写体
へ画像を形成しうる手段が検討されている。第一の方法
として、熱転写方式により受容層の染料染着性樹脂層を
任意の被転写体上に転写し、その後に染料画像を形成す
る方法がある。第二の方法として、基材の上に剥離可能
に設けられた受容層に、染料画像を形成し、その後に画
像が形成された受容層を被転写体へ転写する方法があ
る。ところで、熱転写方式において、熱転写材料に用い
られる色素が重要であり、従来のものは、得られる画像
の安定性、すなわち耐光性や定着性が良くないという欠
点を有している。それを改良するため、キレート化可能
な熱拡散性色素を用い、被転写体の受容層にキレート化
された色素による昇華画像を形成する画像形成方法が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の熱転写
方式により受容層の染料染着性樹脂層を任意の被転写体
上に転写し、その後に染料画像を形成する方法では、被
転写体上の画像受容層は、被転写体の面質の影響を強く
受け、被転写体表面の凹凸によって、画像受容層表面が
凹凸になり、形成される画像に、白抜けやムラが発生し
たりする問題がある。また、上記の基材の上に剥離可能
に設けられた受容層に、染料画像を形成し、その後に画
像が形成された受容層を被転写体へ転写する方法では、
この熱転写記録において、染料画像が形成された受容層
を被転写体へ転写する際の加熱条件が厳しいことによ
り、画像のにじみが発生しやすい問題がある。さらに、
キレート化可能な熱拡散性色素を用い、被転写体の受容
層にキレート化された色素による昇華画像を形成する画
像形成方法では、画像形成時、染料を被転写体の受容層
へ転写染着させる加熱条件では、受容層での熱拡散性色
素が完全にキレート化せず、キレート化していない熱拡
散性色素が残存するため、画像の安定性、すなわち耐光
性や定着性が良くないという問題がある。本発明は、上
記の問題点を解決し、任意の被転写体に昇華画像を形成
し、その画像に、白抜けやムラがなく、また、画像のに
じみや画像の安定性、すなわち耐光性や定着性の優れた
熱転写材料とその画像形成方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、基材の一方の面に、剥離可能に設けら
れた受容層を有する熱転写材料において、受容層に金属
イオン含有化合物を含んでいることを特徴とする。ま
た、受容層に含まれる金属イオン含有化合物が、一般式
(1)と(3)の少なくとも1種であることを特徴とす
る。また、基材の同一面上に、キレート化可能な熱拡散
性色素を含有する染料層を設けたことを特徴とする。ま
た、染料層に含まれるキレート化可能な熱拡散性色素
が、一般式(5)と(6)の少なくとも1種であること
を特徴とする。また、基材と受容層との間に、離型層を
設けたことを特徴とする。また、基材の他方の面に、背
面層を設けたことを特徴とする。さらに、基材の一方の
面に、剥離可能に設けられた受容層を有する熱転写材料
の受容層と、染料層とを互いに接するように重ね合わ
せ、加熱することにより、受容層に画像を形成し、その
後、画像形成された受容層を被転写体上に転写する画像
形成方法において、受容層に金属イオン含有化合物を含
み、かつ、染料層にキレート化可能な熱拡散性色素を含
むことを特徴とする。
【0005】本発明の作用は、以下の通りである。基材
の一方の面に、受容層を剥離可能に設けているため、そ
の受容層に昇華画像を形成した後に、サーマルヘッド、
もしくは、ホットスタンパーなどの手段により、基材の
受容層面とは反対の、基材の他方の面より加熱すること
で、任意の被転写体に対し、また、任意の位置および大
きさで、画像形成が可能となる。さらに、受容層に含有
する金属イオン含有化合物と、染料層に含有するキレー
ト化可能な熱拡散性色素が、まず、受容層への昇華画像
の形成時の加熱で、キレート化し、その後、キレート化
しきれていない熱拡散性色素を、画像形成された受容層
を被転写体上に転写する時の加熱条件により、完全にキ
レート化することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施
例である熱転写材料を示す斜視図である。図1では、基
材の同一平面上に受容層部1、染料層部2、接着層部3
が面順次に設けられている。なお、使用する記録装置の
種類や記録方法によっては、基材シートの一方の面に染
料層部2のみを設け、他方の面に受容層部1と接着層部
3を設けた構成であってもよいし、或は、一方の面に受
容層部1のみを設け、他方の面に染料層部2と接着層部
3を設けた構成であってもよい。また、図1では受容層
部1、染料層部2、接着層部3に間隔を設けていない
が、これらの各部の間に間隔を設けてもよく、この場
合、熱転写記録装置の制御方法に合わせてその間隔を適
宜決めればよい。また、各部の頭出しを精度良く行うた
めに検知マークを設けることが好ましいが、設け方につ
いては特に限定されるものではない。図1では、基材の
同一平面上に受容層部と染料層部を設けたが、別個の基
材にそれぞれを設けてもよいことは、言うまでもない。
受容層部1の層構成は、図2に示すようであり、基材4
の一方の面に受容層5が設けられている。
【0007】(基材)基材4は、ポリオレフィン系やポ
リスチレン系の合成紙のようなミクロボイド層を有する
材料に限定されず、従来の熱転写シートに使用されてい
るものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限
定されるものではない。好ましい基材4の具体例として
は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の薄
紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレン
サルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサル
ホンなどの耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、ポリエチレン
の誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテ
ン、アイオノマーなどプラスチックの延伸あるいは未延
伸フィルムや、これらの材料を積層したものなどが、あ
げられる。この基材の厚さは、強度、熱伝導性、耐熱性
などが適切になるように材料に応じて適宜選択すること
ができるが、通常は1〜100μm程度のものが好まし
く用いられる。
【0008】(受容層)受容層5は、基材の一方の面
に、剥離可能に設けられ、金属イオン含有化合物とバイ
ンダー樹脂と、必要に応じて離型剤などの各種添加剤か
ら構成されている。バインダー樹脂は、昇華染料が染料
しやすいものを用いることが好ましく、ポリプロピレン
などのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他の
ビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマーセルロー
ス誘導体などを用いることができる。受容層5は、染料
層との熱融着を防止するために、離型剤を添加すること
が好ましい。離型剤としては、反応硬化型シリコーン、
リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系化合物などを用
いることができるが、この中でも、特に反応硬化型シリ
コーン、具体的には、ビニル変性シリコーンやアミノ変
性シリコーンとエポキシ変性シリコーンの反応硬化物
が、好ましく用いられる。離型剤の添加量は、受容層固
形分に対し、0.5〜10重量%が好ましい。
【0009】金属イオン含有化合物(以下メタルソース
と略す)として、下記一般式(1)で表される化合物
が、あげられる。 一般式(1) M2+(X)n 2Y- (式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。Xは、遷
移金属イオンM2+に配位結合して錯体を形成することが
出来る配位化合物を表し、nは、2または3の整数を表
す。複数の配位化合物Xは互いに同じであっても異なっ
ていてもよい。また、Y- は遷移金属イオンM2+の対イ
オンを表す。) 前記一般式(1)で表される化合物において、M2+は2
価の遷移金属イオンを表すが、この遷移金属イオンとし
ては例えばコバルト(2+)、ニッケル(2+)、
銅(2+)、亜鉛(2+)、鉄(2+)、などをあげることが
できる。これらの中でも、とくにニッケル(2+)、銅(
2+)、亜鉛(2+)が好ましい。前記一般式(1)で表さ
れる化合物において、(X)n は遷移金属に配位結合し
て、錯体を形成することができる2又は3の配位化合物
を表すが、例えば「キレート化学(5)」(南雲堂編)
に記載されている配位化合物から選択することができ
る。これらの中でもエチレンジアミン誘導体、ピコリン
アミド誘導体、2−アイノメチルピペリジン誘導体、グ
リシンアミド誘導体が好ましく、特にエチレンジアミン
誘導体、グリシンアミド誘導体が好ましい。かかるエチ
レンジアミン誘導体としては、エチレンジアミン、1,
2−ジアミノプロパン、N−メチルエチレンジアミン、
N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレ
ンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミンなど
をあげることができる。かかるグリシンアミド誘導体と
しては下記一般式(2)で表される化合物をあげること
ができる。
【0010】一般式(2)
【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 は、それ
ぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、アラルキル基、ヘテロ環基を表す。ただし、R1
とR2 、R1 とR3 、R5 とR6 は、それぞれ結合して
5員または6員の環を形成してもよく、かかる5員また
は6員の環は、窒素原子を含み、ピロリジン環、ピペリ
ジン環、モルホリン環を表し、これらの中でも、ピロリ
ジン環、ピペリジン環が好ましい。〕 前記R1 〜R6 を構成するアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピ
ル基、ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オク
チル基などのようなC1 〜C8 の直鎖または分岐を有す
るアルキル基をあげることができる。これらの中でも、
特に、C1 〜C3 の直鎖または分岐を有するアルキル基
が好ましい。前記R1 〜R6 を構成するアリール基とし
ては、フェニル基が好ましい。前記R1 〜R6 を構成す
るシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基が好ましい。前記R1 〜R6 を構成するア
ラルキル基としては、ベンジル基が好ましい。前記R1
〜R6 を構成するヘテロ環基としては、例えばピリジル
基が好ましい。前記R1 〜R6 を構成する各基は、置換
基を有していてもよい。この置換基としては、メチル
基、エチル基、トリフルオロメチル基などのアルキル
基;フェニル基などのアリール基;メトキシ基、エトキ
シ基などのアルコキシ基;メチルアミノ基、エチルアミ
ノ基などのアミノ基;アセチル基などのアシルアミノ
基;メタンスルホニル基などのスルホニル基;メトキシ
カルボニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ
基;ニトロ基;塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原
子などをあげることができる。
【0011】前記 前記一般式(1)で表される化合物
において、Y- は遷移金属イオンM2+の対アニオンを表
すが、この対アニオンは有機、または無機のアニオンで
あり、特に、遷移金属イオンM2+と配位化合物(X)n
とにより形成される錯体を、例えばメチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン(THF)、などの有機溶媒に
溶解可能にする化合物が好ましい。この対アニオンの具
体例としては、アルキルカルボン酸、アリールカルボン
酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキ
ルリン酸、アリールリン酸、アリールホウ酸などの有機
塩をあげることができる。これらの中でも特に、アリー
ルホウ酸、アリールスルホン酸などの各塩が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例として遷移
金属イオンM2+がニッケル(2+)の時はnが3が好まし
く、M2+が銅(2+)、亜鉛(2+)の時はnが2が好まし
い。
【0012】以下に、一般式(1)で表される化合物の
具体例を示す。但し、MSは、メタルソースの略称とす
る。 MS−1; 〔Cu(NH2 CH2 CH2 NH2 2
2+ 〔(C6 5 4 B〕- 2 MS−2; 〔Ni(NH2 CH2 CH2 NH2 3
2+ 〔(C6 5 4 B〕- 2 MS−3; 〔Co(NH2 CH2 CH2 NH2 3
2+ 〔(C6 5 4 B〕- 2 MS−4; 〔Zn(NH2 CH2 CH2 NH2 3
2+ 〔(C6 5 4 B〕- 2 MS−5; 〔Ni(C2 5 NHCH2 CH2
2 3 2+ 〔(C6 54 B〕- 2 MS−6; 〔Ni(C2 5 NHCH2 CH2 NHC
2 5 3 2+ 〔(C6 5 4 B〕- 2 MS−7; 〔Ni(NH2 CH2 CH2 NHCH2
2 NH2 2 2+ 〔(C6 5 4 B〕- 2
【0013】MS−8〜11;
【化2】 MS−12〜17;
【化3】 MS−18〜20;
【化4】 MS−21; 〔Ni(NH2 CH2 CH2 CH2 NH
2 3 2+ 〔(n−C4 9 4 B〕- 2 MS−22; 〔Ni(C2 5 NHCH2 CH2 NH
2 2 (NH2 CH2 CH2 NH2 )〕2+ 〔(C6
5 4 B〕- 2 MS−23〜24;
【化5】 MS−25〜34;
【化6】 MS−35〜40;
【化7】 MS−41〜49;
【化8】
【0014】また、本発明の受容層は、下記一般式
(3)で表されるメタルソースを含有することが、好ま
しい。 一般式(3) M2+(X- 2 (式中、M2+は2価の遷移金属イオンを表す。X- は、
前記一般式(1)で表された配位化合物を表す。また、
一般式(3)で表される化合物は中心金属に応じて中性
の配位子を有してもよく、代表的な配位子としてはH2
O、NH3 などがあげられる。) また、上記の一般式(3)のメタルソースにおいて、X
が下記の一般式(4)で表される配位化合物があげられ
る。 一般式(4)
【化9】
【0015】一般式(4)で表される化合物において、
Zはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、カルボモイル基、ハロゲン原子または水素原子を
表す。Zがアリールオキシカルボニル基、アルコキシカ
ルボニル基、ハロゲン原子などの電子吸引性基が金属イ
オン供給化合物を安定化させるため好ましいが、この中
でもアリールオキシカルボニル基およびアルコキシカル
ボニル基が溶解性の点で更に好ましい。そのアリールオ
キシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基が
あげられ、そのアルコキシカルボニル基としては、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、ペンチルオキシ
カルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基な
どの炭素数1〜20の直鎖または分岐を有するアルコキ
シカルボニル基をあげることができ、また、これらのア
ルコキシカルボニル基にはハロゲン原子、アリール基や
アルコキシ基などが置換していてもよい。
【0016】RおよびR′はアルキル基およびアリール
基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、Rと
ZまたはR′とZが結合して環を形成してもよいが、Z
が水素原子となる時にR、R′がともにメチル基となる
ことはない。また、Z、RおよびR′で表されるアルキ
ル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキ
シル、オクチル、2−エチルヘキシル基などの炭素数1
〜20の直鎖または分岐を有するアルキル基をあげるこ
とができ、また、これらのアルキル基にはハロゲン原
子、アリール基やアルコキシ基などが置換していてもよ
い。Z、RおよびR′で表されるアリール基としてはフ
ェニル、ナフチル基があげられ、置換基を有していても
よい。Zで表されるアルコキシ基としては、メトキシ、
エトキシ、ブトキシなど炭素数1〜20の直鎖または分
岐を有するアルコキシ基をあげることができる。Zで表
されるアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ク
ロロアセチル、フェナセチル、ベンゾイル基などをあげ
ることができる。Zで表されるハロゲン原子として、好
ましくは塩素原子をあげることができる。
【0017】本発明に用いられるメタルソースの添加量
は、通常、受容層固形分1m2 に対し、0.5〜20g
が好ましく、さらに1〜15gがより好ましい。以下
に、一般式(3)の化合物例をあげるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0018】MS−50〜53;
【化10】 MS−54〜60;
【化11】 MS−61〜67;
【化12】 MS−68〜74;
【化13】 MS−75〜81;
【化14】 MS−82〜88;
【化15】 MS−89〜95;
【化16】 MS−96〜99;
【化17】 本発明におけるメタルソースは、一般式(1)と一般式
(3)に限定されるものではない。
【0019】以上の受容層5は、基材4上に、バインダ
ー樹脂にメタルソースすなわち金属イオン含有化合物と
必要に応じて離型剤などの添加剤を加え、水または、有
機溶剤などの溶媒に溶解または分散させたインキを、バ
ーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラ
ビア版を用いたリバースロールコーティング法などの通
常の方法で塗布し、乾燥して形成することができる。ま
た、受容層5は、上記のように基材上に直接にインキを
塗布し、乾燥して形成するだけでなく、別の基材上に受
容層を予め形成してあるものから、基材4上に、受容層
5を転写形成してもよい。なお、上記の別の基材は、基
材4と同様の条件の材料が使用できる。その受容層5の
厚さは、塗布乾燥後の膜厚で0.1〜10μm程度が好
ましい。
【0020】受容層部1とサーマルヘッドのような加熱
デバイスとの熱融着を防止し、滑り性を向上させる目的
で、図3に示すように基材4の受容層5が設けられてい
る側の他方の面に背面層6を設けてもよい。
【0021】(背面層)この背面層6に使用されるバイ
ンダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、
硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、
ポリアクリルアミド、アクリロニトリル/スチレン共重
合体などのアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニルト
ルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、
フッ素変性ウレタン樹脂などが、あげられる。
【0022】また、これらの樹脂は混合して用いてもよ
い。背面層6の耐熱性をより高めるために、前記の樹脂
のうち、水酸基などの反応性基を有している樹脂を使用
し、架橋剤としてポリイソシアネートなどを併用して架
橋樹脂層としてもよい。さらに、サーマルヘッドのよう
な加熱デバイスとの滑り性を向上させるために、背面層
6に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて、耐
熱滑性をもたせてもよい。離型剤または滑剤としては、
例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスな
どの各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オレガノ
ポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界
面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フ
ッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、
フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカなど
の無機化合物の微粒子などを用いることができる。背面
層6への滑剤の好ましい添加量は、背面層6の全固形分
に対し、5〜50重量%であり、特に好ましくは、10
〜30重量%である。背面層6は、前記の受容層5と同
様の方法で形成することができ、その厚さは、塗布乾燥
後で、0.1〜10μm程度が好ましい。
【0023】受容層5の基材4からの剥離性能を制御す
るために、図4に示すように、基材4と受容層5との間
に離型層7を設けてもよく、この場合、受容層5は離型
層7との間で剥離し、離型層7は基材4側に残る。離型
層7はバインダー樹脂に必要に応じて離型性材料を添加
した組成物、または、離型性を有する樹脂から構成され
る。
【0024】(離型層)離型層7をバインダー樹脂に必
要に応じて離型性材料を添加して構成する場合、使用可
能なバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラールなどのビニル系樹脂、エ
チルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースな
どのセルロース誘導体、あるいは熱硬化性樹脂である不
飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、アミノアルキッド樹脂などがあげられ、離型
層7は上記の樹脂の1種あるいは2種以上からなる組成
物から構成することができる。また、離型性材料として
は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーンオイ
ル、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂な
どの離型性を有する樹脂、タルク、シリカの微粒子、界
面活性剤や金属セッケンなどの滑剤などが使用できる。
離型層7を離型性を有する樹脂から構成する場合、シリ
コーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などが使用
でき、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系
樹脂などの樹脂分子中にポリシロキサンセグメント、フ
ッ化炭素セグメントなどの離型性セグメントがグラフト
したグラフトポリマーを使用してもよく、上記の樹脂の
1種または2種以上からなる組成物から構成することが
できる。離型層7は、上記の受容層5と同様な方法で形
成することができ、その厚さは、塗布乾燥後で、0.1
〜5μmが好ましい。
【0025】被転写体上に画像と共に転写される受容層
5を保護する目的で、図5に示すように、基材4と受容
層5との間に保護層8を設けてもよい。この保護層8は
受容層5と共に被転写体上に転写されると、被転写体上
の受容層5の最表面に位置し、画像の耐侯性能や指紋や
薬品などに対する耐久性をより向上させる。保護層8は
少なくともバインダー樹脂から構成され、基材4と適当
な剥離性をもち、受容層5と共に被転写体に転写された
後は、受容層5の表面保護層として所望の物性をもつ樹
脂組成を選定する。一般的には、エチルセルロース、ニ
トロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導
体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビ
ニルブチラールなどのビニル重合体の熱可塑性樹脂や、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノア
ルキッド樹脂などの熱硬化型樹脂を保護層樹脂として用
いることができる。受容層5が転写された画像形成物に
対して、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求され
る場合は、保護層樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用
いることもできる。また、前記の樹脂に、画像形成物の
耐擦過性を向上させるための滑剤、汚染防止のための界
面活性剤、耐侯性能を向上させるための紫外線吸収剤、
酸化防止剤などを加えてもよい。保護層8は、上記の受
容層5同様の方法で形成することができ、その厚さは、
塗布乾燥後で、0.1〜20μmが好ましい。
【0026】(染料層)本発明における染料層部2は、
キレート化可能な熱拡散性色素とバインダー樹脂を主体
として、構成されている。本発明における熱拡散性色素
としては、前述の多価金属イオンと、錯形成可能な基を
有していれば、特に限定的ではないが、下記一般式
(5)または(6)で表される色素化合物が好ましい。 一般式(5)
【化18】 (ただし、一般式(5)中、X1 は少なくとも一つの環
が5〜7個の原子から構成されている芳香族の炭素環又
は複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表し、か
つアゾ結合に結合する炭素の隣接位の少なくとも一つが
(A)炭素原子、(B)窒素原子、酸素原子もしくは硫
黄原子であり、X2 は少なくとも一つの環が5〜7個の
原子から構成されている芳香族の炭素環または複素環を
完成するのに必要な原子の集まりを表し、Gはキレート
化基を表す。) 一般式(6)
【化19】 (ただし、一般式(6)中X1 は一般式(5)で定義さ
れたものと同義であり、Z1 は電子吸引基を表し、Z2
はアリール基を表す。) 前記一般式(5)及び一般式(6)で示される熱拡散性
色素の具体例としては、例えば、特開昭59−7889
3号、同59−109394号、同60−2398号の
公開公報に記載されているものをあげることができ。ま
た、これらの公報に開示された合成方法に準じて製造す
ることができる。
【0027】イエロー色素として、好ましくは、下記一
般式(7)があげられる。 一般式(7)
【化20】
【0028】式中、R11およびR12は各々、水素原子ま
たは置換基を表し、Y1 はOR13、SR13またはNR13
14を表し、Z11は2個の炭素原子とともに5〜6員の
芳香族環を構成するに必要な原子群を表す。R13および
14は各々、置換基を有してもよいアルキル基またはア
リール基を表す。
【0029】R11およびR12で表される置換基として
は、例えばハロゲン原子(フッ素、塩素など)、アルキ
ル基(メチル、i−プロピル、t−ブチル、トリフルオ
ロメチル、メトキシメチル、2−メチルスルホニルエチ
ル、2−メタンスルホンアミドエチルなど)、シクロア
ルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、ア
リール基(フェニル、3−メチルフェニル、4−t−ブ
チルフェニル、2−メトキシフェニル、3−アセトアミ
ノフェニルなど)、シアノ基、アシル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アニリノ基、
ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、
スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル
基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オ
キシ基、複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、イミド基、ホスホニル基などがあげられる。
13およびR14で表されるアルキル基およびアリール基
としては、R11およびR12で表されるアルキル基、アリ
ール基と同じものをあげることができる。
【0030】Z11と2個の炭素原子で構成される5〜6
員の芳香族環としては、ベンゼン、ピリジン、ピリミジ
ン、トリアジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フ
ラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリア
ゾール、オキサゾール、チアゾールなどの環があげら
れ、これらの環は更に他の芳香族環と縮合環を形成して
もよい。
【0031】マゼンタ色素として好ましくは、下記一般
式(8)があげられる。 一般式(8)
【化21】
【0032】式中、R21はアルキル基、ハロゲン原子ま
たは水素原子を表し、R22はアルキル基または水素原子
を表し、R23およびR24は各々、置換基を有してもよい
アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基または
置換基を有してもよいアリール基を表す。ただし、R23
およびR24の少なくとも一つは、アルキル置換アリール
基またはアルキル置換アラルキル基である。R21が表す
ハロゲン原子としては塩素、臭素などがあげられ、R21
およびR22が表すアルキル基としてはメチル、エチル、
ブチルなどがあげられる。R23およびR24が表す、それ
ぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アラルキル基お
よびアリール基としては、メチル、エチル、プロピル、
i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルメチル、
ベンジル、フェネチル、4−メチルベンジル、フェニ
ル、m−トリル、p−トリルなどがあげられる。ただ
し、R23およびR24の少なくとも一方はアルキル置換ア
リール基(m−トリル、4−メトキシフェニルなど)ま
たはアルキル置換アラルキル基(メチルベンジル)であ
る。
【0033】シアン色素として好ましくは、下記一般式
(9)があげられる。 一般式(9)
【化22】
【0034】式中、R31は置換または未置換の芳香族環
を形成するのに必要な原子群を表し、Z32はそれぞれ置
換または未置換のチアゾール環、ベンゾチアゾール環ま
たはピリジン環を形成するのに必要な原子群を表し、R
31は置換されてもよいアルキル基を表す。R31で形成さ
れる芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環が好
ましい。R31が表す置換されてもよいアルキル基は、好
ましくは炭素原子数1〜12の直鎖または分岐のアルキ
ル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、iso
−プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチ
ルヘキシル、デシル、メトキシエチル、クロロメチル、
2−カルボキシエチル、ベンジルなどがあげられる。以
下に、一般式(7)、(8)および(9)で表される色
素の代表的化合物例をあげるが、これらに限定されるも
のではない。
【0035】イエロー色素の例として、Y−1〜5があ
げられる。
【化23】
【0036】マゼンタ色素の例として、M−1〜5があ
げられる。
【化24】
【0037】シアン色素の例として、C−1〜5があげ
られる。
【化25】 本発明に用いられるキレート化可能な熱拡散性色素の添
加量は、通常、染料層固形分1m2 に対し、0.1g〜
20gが好ましく、さらに、0.2g〜5gがより好ま
しい。
【0038】染料層に用いられるバインダー樹脂は、セ
ルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール
系、ポリビニルピロリドン系などの水溶性ポリマー、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセル
ロース、ニトロセルロースなどの有機溶媒に可溶のポリ
マーがある。有機溶媒に可溶のポリマーを用いる場合、
1種または2種以上を有機溶媒に溶解して用いるだけで
なく、ラテックス分散の形で使用してもよい。バインダ
ーの使用量としては、基材1m2 当たり0.1g〜50
gが好ましい。
【0039】接着層部3の接着層を転写する方法として
は、被転写体に接着層のみを先に転写した後、その上か
ら画像形成済みの受容層5を転写する場合と、画像形成
済みの受容層5上に接着層を転写した後、受容層5と共
に被転写体に転写する場合とがある。図6に先に被転写
体へ転写される場合に使用される接着層部3の層構成の
例を示す。接着層9は紙などの被転写体との接着性が良
好である材料が用いられる。被転写体に応じて適当な材
料を選択する必要があるが、一般的には熱可塑性樹脂、
天然樹脂、ゴム、ワックスなどを用いることができる。
例えば、エチルセルロース、酢酪酸セルロースなどのセ
ルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレ
ンなどのスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレー
トなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブ
チラールなどのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ナイ
ロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、アイオ
ノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリ
ル酸エステルなどの合成樹脂や、粘着付与剤としてのロ
ジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルゴム、ポリ
イソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴアクリルニトリルゴム、ポリアミド樹
脂、ポリ塩素化オレフィンなどがあげられ、前記の材料
の1種または2種以上よりなる組成物から接着層9を構
成することができる。この接着層9の厚さは、被転写体
と受容層との接着性能が良好になるように決定される
が、通常は、乾燥状態で0.1〜20μmが好ましい。
さらに、接着層9は、受容層5と同様な方法で塗布、乾
燥し、形成することができる。
【0040】接着層9の基材4からの剥離性能を制御す
るために、特に図示はしないが、離型層を設けてもよ
く、この場合、接着層9は離型層との間で剥離し、離型
層は基材側に残る。また、図7に示すように基材4と接
着層9との間に剥離層10を設けてもよく、剥離層10
は基材4との間で剥離して接着層9と共に被転写体に転
写される。被転写体へ転写された後、受容層5と接着さ
れるため、剥離層10には前述した受容層5と同様な材
料が用いられ、さらに、受容層5と同様な方法で塗布、
乾燥し、形成することができる。
【0041】図8には、先に受容層5へ転写される場合
に使用される接着層部3の層構成の例を示す。基材4上
に被転写体と接着するための被転写体用接着層11が設
けられ、その上に受容層と接着するための受容層用接着
層12が設けられている。被転写体接着層11は前述の
接着層9と同様な材料からなり、受容層用接着層12に
は受容層5と同様な材料が用いられる。それぞれの接着
層11,12の厚さは被転写体と受容層5との接着性能
が良好になるように決定されるが、通常は乾燥状態で
0.1〜20μmが好ましい。被転写体用接着層11の
基材4からの剥離性能を制御するために、図9に示すよ
うに基材4と被転写体用接着層11との間に、接着層用
離型層13を設けてもよく、この場合、前記接着層1
1,12は接着層用離型層13との間で剥離し、接着層
用離型層13は基材4側に残る。この接着層用離型層1
3は前述した基材4と受容層5との間に設ける離型層7
と同じ材料を用いることができる。また、特に、受容層
用接着層12には感熱式の材料以外にも、感圧式の材料
を使用してもよい。また、接着層部3の基材4にも前述
したように背面層6をもうけてもよい。
【0042】また、上記の受容層、離型層、保護層、接
着層には、塗膜の箔切れを良くするために、有機顔料、
無機顔料などを添加してもよい。また、本発明の熱転写
材料は、受容層部、染料層部、接着層部に加えて、紫外
線吸収性や耐擦過性を有する材料を有する保護層を同一
の基材上に設けることも可能である。
【0043】次に、上記の構成の熱転写材料を用いた画
像形成方法について、図面を参照しながら説明する。図
10に熱転写記録装置の構成例を示す。この例では、受
容層部1、染料層部2および接着層部3を基材の同一面
に設けた一体型の熱転写材料20を使用している。な
お、同図では模式的に図示しているため、熱転写材料2
0における各部の長さなどは実際にものとは異なってい
る。熱転写材料20は供給ロール21から繰り出され、
巻取ロール22に巻き取られることで図の矢印の方向に
搬送される。受容層部1、染料層部2、接着層部3が形
成された面を内側にして、熱転写材料20を搬送し、第
1のサーマルヘッド31および第1のプラテンロール3
2により圧接および加熱して、受容層に染料層と接着層
を転写する。この転写の際、熱転写材料20は第1およ
び第2の搬送ロール33,34により、図の左方向に搬
送される。そして、上下可動ロール35により熱転写材
料20のたるみが除去され、皺の発生などが防止され
る。供給ロール21の駆動機構または第1のサーマルヘ
ッド31と供給ロール21との間に、もしくは巻取ロー
ル22の駆動機構または第1のプラテンロール32と巻
取ロール22との間にテンションコントロール機構を設
け、転写時にバックテンションが付与されるようにして
もよい。なお、これとは逆に転写時に熱転写材料20が
図の右方向に搬送されるようにし、上下可動ロール35
によりバックテンションを付与するようにしてもよい。
また、受容層部1、染料層部2、接着層部3の位置を検
出するために、各領域の先頭部分に検知マークを設けて
おいてもよい。続いて、第2のサーマルヘッド36およ
び第2のプラテンロール37により、画像が形成され接
着層が転写された受容層38を被転写体39に転写す
る。以上の方法で被転写体39に画像を形成する場合に
用いる熱転写材料20の接着層部は、図8または図9に
示した層構成のものである。
【0044】図10に示す構成の装置では、第1のサー
マルヘッド31および第1のプラテンロール32により
受容層に画像を形成した後、まず第2のサーマルヘッド
36および第2のプラテンロール37により被転写体3
9に接着層を転写し、その上に画像が形成された受容層
を転写するようにしてもよい。この方法で被転写体39
に画像を形成する場合に用いる熱転写材料20の接着層
部は、図6または図7に示した層構成のものである。
【0045】図11に他の装置の構成例を示す。この例
では、受容層部1のみを一方の面に設け、他方の面に染
料層部2と接着層部3を設けた一体型の熱転写材料20
を使用している。なお、この図では被転写体への転写部
分を省略している。また、同図も模式的に図示している
ため、熱転写材料20における各部の長さなどは実際の
ものとは異なっている。熱転写材料20は供給ロール2
1から繰り出されて図の矢印方向に搬送される。受容層
部1が形成された面を内側にして、熱転写材料20を搬
送し、第1のサーマルヘッド31および第1のプラテン
ロール32により、圧接および加熱して、受容層に染料
層と接着層を転写する。この転写の際、圧接および加熱
されたまま図示しない搬送ロールにより左方向もしくは
右方向に搬送される。そして、左右可動ロール35によ
り熱転写材料20のたるみが除去され、皺の発生などが
防止されるとともに、長さが調節される。また、この左
右可動ロールにより転写時のテンションをコントロール
することもでき、受容層部1、染料層部2、接着層部3
の各領域の先頭部分に検知マークを設けておけば、より
正確に位置合わせを行うこともできる。受容層上に染料
層と接着層が転写された後、図示しない転写部分により
画像形成された受容層を被転写体に転写する。この方法
で用いる熱転写材料の接着層部は図8または図9に示し
た層構成のものである。
【0046】受容層部と接着層部を同じ面上に設け、他
方の面に染料層部のみを設けた一体型の熱転写材料を用
いて、図11と同様に、受容層部が形成された面を内側
にして、熱転写材料を搬送してもよい。この場合、第1
のサーマルヘッド31および第1のプラテンロール32
により受容層に画像を形成した後、先に被転写体に接着
層を転写してから、画像が形成された受容層をその上に
転写することができる。この方法で用いる熱転写材料の
接着層部は図6または図7に示した層構成のものであ
る。染料を受容層に転写するときに熱エネルギーを与え
る手段は、従来から公知の方法はいずれも使用できる。
ただし、染料の転写は染料層部の背面から行ってもよい
し、受容層部の背面から行ってもよい。また、接着層の
転写も接着層部の背面から行ってもよいし、転写される
側の背面から行ってもよい。なお、最終的に得られる画
像は受容層上に形成した画像と鏡像関係となるので、受
容層上に形成する画像は、予め逆転像として形成してお
く必要がある。
【0047】
【実施例】以下に具体例をあげて、説明する。 (実施例1)背面処理の施された厚さ12μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、商品
名ルミラー)を基材とし、背面と反対側の面に下記組成
の保護層塗工液を乾燥時の塗布量が2g/m2 となるよ
うに塗布し、さらに下記メタルソースを含む下記組成の
受容層塗工液を乾燥時の塗布量が2g/m2 となるよう
に塗布し、100℃で5分間乾燥させて受容層部を形成
した。 [保護層塗工液の組成] ポリメチルメタクリレート 100重量部 (三菱レイヨン株式会社製 BR−83) メチルエチルケトン 500重量部 [メタルソース] 例示化合物No.MS−68
【0048】 [受容層塗工液の組成] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 100重量部 (ユニオンカーバイト社製 VYHD) メタルソース(例示化合物No.MS−68) 20重量部 エポキシ変性シリコーン 1重量部 (信越化学工業株式会社製 KF−393) アミノ変性シリコーン 1重量部 (信越化学工業株式会社製 KS−343) メチルエチルケトン 250重量部 トルエン 250重量部 次に、同一の基材の背面と反対側の面における受容層部
とは異なる領域に、下記組成の剥離層塗工液を乾燥時の
塗布量が1g/m2 となるように塗布し、さらに下記組
成の接着層塗工液を乾燥時の塗布量が3g/m2 となる
ように塗布し、100℃で5分間乾燥させて接着層転写
部を形成した。
【0049】 [剥離層塗工液の組成] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 100重量部 (電気化学工業株式会社製 1000A) メチルエチルケトン 500重量部 [接着層塗工液の組成] ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル白水社製 マイロメルト6240) メチルエチルケトン 500重量部 さらに、同一の基材の背面と反対側の面における受容層
部、接着層部とは異なる領域に、キレート化可能な熱拡
散性色素(Y−1、M−1、C−1)を含有するYMC
の染料層を面順次に設けて染料層部を形成し、一体型の
熱転写シートを作成した。染料層塗工液は、以下の配合
である。
【0050】 [イエロー染料層塗工液の組成] イエロー色素(例示化合物Y−1) 4重量部 ポリビニルブチラール樹脂 70重量部 メチルエチルケトン 13重量部 トルエン 13重量部 [マゼンタ染料層塗工液の組成] マゼンタ色素(例示化合物M−1) 4重量部 ポリビニルブチラール樹脂 70重量部 メチルエチルケトン 13重量部 トルエン 13重量部 [シアン染料層塗工液の組成] シアン色素(例示化合物C−1) 4重量部 ポリビニルブチラール樹脂 70重量部 メチルエチルケトン 13重量部 トルエン 13重量部
【0051】上述の手順で作成した熱転写材料の受容層
部と染料層部を重ね合わせ、解像度12dot/mm、
平均抵抗値3100Ωのサーマルヘッドとプラテンロー
ルで圧接し、5〜80mJ/mm2 の印加エネルギー範
囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度10
msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱し
て受容層上に画像を形成した。次いで、市販の上質紙と
熱転写材料の接着層部と重ね合わせ、上記と同種のサー
マルヘッドとプラテンロールとで圧接し、80mJ/m
2 の印加エネルギーを、送り速度10msec/li
neの条件で接着層部の背面から加熱して上質紙上に接
着層及び基材との間で剥離した剥離層を転写した。そし
て、接着層及び剥離層の転写された上質紙と画像の形成
された受容層とを重ね合わせ、上記と同種のサーマルヘ
ッドとプラテンロールとで圧接し80mJ/mm2 の印
加エネルギーを、送り速度10msec/lineの条
件で受容層部の背面から加熱して上質紙上の剥離層と受
容層とを接着させた後、受容層を保護層と共に基材から
剥離して画像形成物を得た。上記の手順で形成された上
質紙上の画像は、ステップパターンの各濃度について色
材が一様に転写されてムラ、滲みがなく、印字抜けの発
生は認められなかった。
【0052】(実施例2)実施例1と同様に受容層部を
形成した。次に同一の基材の背面と反対側の面における
受容層とは異なる領域に、下記組成の離型層塗工液を乾
燥時の塗布量が1g/m2 となるように塗布した。その
上に被転写体用接着層塗工液を実施例1の接着層と同様
に乾燥時の塗布量が3g/m2 となるように塗布し、さ
らに下記組成の受容層用接着層塗工液を乾燥時の塗布量
が4g/m2 となるように塗布した。100℃で5分間
乾燥させて接着層部を形成した。 [離型層塗工液の組成] ポリウレタン樹脂 100重量部 (大日本インキ化学工業株式会社製 クリスボン9004) エポキシ変性シリコーン 5重量部 (信越化学工業株式会社製 KF−393) [受容層用接着層塗工液の組成] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 100重量部 (電気化学工業株式会社製 1000A) メチルエチルケトン 500重量部 さらに、実施例1と同様に、染料層を面順次に設けて染
料部を形成し、一体型の熱転写材料を作成した。
【0053】上述の手順で作成した熱転写材料の受容層
部と染料層部を重ね合わせ、解像度12dot/mm、
平均抵抗値3100Ωのサーマルヘッドとプラテンロー
ルで圧接し、5〜80mJ/mm2 の印加エネルギー範
囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度10
msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱し
て受容層上に画像を形成した。次いで、熱転写材料の接
着層部と画像の形成された受容層とを重ね合わせ、上記
と同種のサーマルヘッドとプラテンロールとで圧接し、
80mJ/mm2 の印加エネルギーを、送り速度10m
sec/lineの条件で接着層部の背面から加熱して
受容層上に受容層用接着層及び離型層との間で剥離した
被転写体用接着層を転写した。そして、市販の上質紙と
熱転写材料の画像が形成され、かつ受容層用接着層およ
び被転写体用接着層が転写された受容層部とを重ね合わ
せ、上記と同種のサーマルヘッドとプラテンロールとで
圧接し80mJ/mm2 の印加エネルギーを、送り速度
10msec/lineの条件で受容層部の背面から加
熱して上質紙と被転写体用接着層とを接着させた後、受
容層を保護層と共に基材から剥離して画像形成物を得
た。上記の手順で形成された上質紙上の画像は、実施例
1の場合と同様に、ステップパターンの各濃度について
色材が一様に転写されてムラ、滲みがなく、印字抜けの
発生は認められなかった。
【0054】(比較例1)背面処理の施された厚さ12
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式
会社製、商品名ルミラー)を基材とし、背面と反対側の
面に下記組成の保護層塗工液を乾燥時の塗布量が、2g
/m2 となるように塗布し、さらに下記組成の受容層塗
工液を乾燥時の塗工量が2g/m2 となるように塗布
し、100℃で5分間乾燥させて受容層部を形成した。 [保護層塗工液の組成] ポリメチルメタクリレート 100重量部 (三菱レイヨン株式会社製 BR−83) メチルエチルケトン 500重量部 [受容層塗工液の組成] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 100重量部 (ユニオンカーバイト社製 VYHD) エポキシ変性シリコーン 1重量部 (信越化学工業株式会社製 KF−393) アミノ変性シリコーン 1重量部 (信越化学工業株式会社製 KS−343) メチルエチルケトン 500重量部
【0055】次に、同一基材の背面と反対側の面におけ
る受容層部とは異なる領域に、下記組成の剥離層塗工液
を乾燥時の塗布量が1g/m2 となるように塗布し、さ
らに下記組成の接着層塗工液を乾燥時の塗布量が3g/
2 となるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて
接着層転写部を形成した。 [剥離層塗工液の組成] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 100重量部 (電気化学工業株式会社製 1000A) メチルエチルケトン 500重量部 [接着層塗工液の組成] ポリアミド樹脂 100重量部 (ヘンケル白水社製 マイロメルト6240) メチルエチルケトン 500重量部 さらに、同一の基材の背面と反対側の面における受容層
部、接着層部とは異なる領域に、YMCの染料層を面順
次に設けて染料層部を形成し、一体型の熱転写材料を作
成した。
【0056】上述の手順で作成した熱転写材料の受容層
部と染料層部を重ね合わせ、解像度12dot/mm、
平均抵抗値3100Ωのサーマルヘッドとプラテンロー
ルとで圧接し、5〜80mJ/mm2 の印加エネルギー
範囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度1
0msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱
して受容層上に画像を形成した。次いで、市販の上質紙
と熱転写材料の接着層部と重ね合わせ、上記と同種のサ
ーマルヘッドとプラテンロールとで圧接し、80mJ/
mm2 の印加エネルギーを、送り速度10msec/l
ineの条件で接着層部の背面から加熱して上質紙上に
接着層及び基材との間で剥離した剥離層を転写した。そ
して、接着層及び剥離層の転写された上質紙と画像の形
成された受容層とを重ね合わせ、上記と同種のサーマル
ヘッドとプラテンロールとで圧接し80mJ/mm2
印加エネルギーを、送り速度10msec/lineの
条件で受容層部の背面から加熱して上質紙上の剥離層と
受容層とを接着させた後、受容層を保護層と共に基材か
ら剥離して画像形成物を得た。
【0057】(比較例2)実施例1と同様に受容層部を
形成した。次に、同一の基材の背面と反対側の面におけ
る受容層部とは異なる領域に、下記組成の離型層塗工液
を乾燥時の塗布量が1g/m2 となるように塗布した。
その上に被転写体用接着層塗工液を実施例1の接着層と
同様に乾燥時の塗布量が、3g/m2 となるように塗布
し、さらに下記組成の受容層用接着層塗工液を乾燥時の
塗布量が、4g/m2 となるように塗布した。100℃
で5分間乾燥させて接着層部を形成した。 [離型層塗工液の組成] ポリウレタン樹脂 100重量部 (大日本インキ化学工業株式会社製 クリスボン9004) ジメチルホルムアミド 300重量部 エポキシ変性シリコーン 5重量部 (信越化学工業株式会社製 KF−393) [受容層用接着層塗工液の組成] 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 100重量部 (電気化学工業株式会社製 1000A) メチルエチルケトン 500重量部 さらに、実施例1と同様に、染料層を面順次に設けて染
料層部を形成し、一体型の熱転写材料を作成した。
【0058】上述の手順で作成した熱転写材料の受容層
部と染料層部を重ね合わせ、解像度12dot/mm、
平均抵抗値3100Ωのサーマルヘッドとプラテンロー
ルとで圧接し、5〜80mJ/mm2 の印加エネルギー
範囲で順次増加させるステップパターンを、送り速度1
0msec/lineの条件で染料層部の背面から加熱
して受容層上に画像を形成した。次いで、熱転写材料の
接着層部と画像の形成された受容層とを重ね合わせ、上
記と同種のサーマルヘッドとプラテンロールとで圧接
し、80mJ/mm2 の印加エネルギーを、送り速度1
0msec/lineの条件で接着層部の背面から加熱
して受容層上に受容層用接着層及び離型層との間で剥離
した被転写体用接着層を転写した。そして、市販の上質
紙と熱転写材料の画像が形成され、かつ受容層用接着層
および被転写体用接着層が転写された受容層部とを重ね
合わせ、上記と同種のサーマルヘッドとプラテンロール
とで圧接し80mJ/mm2 の印加エネルギーを、送り
速度10msec/lineの条件で受容層部の背面か
ら加熱して上質紙と被転写体用接着層とを接着させた
後、受容層を保護層と共に基材から剥離して画像形成物
を得た。
【0059】この画像について耐光性、白抜け、滲みに
ついて下記の方法により評価して、下記の表1に示す結
果が得られた。 (耐光性の評価方法)前記に述べた実施例および比較例
で得られた画像の耐光性テストを、キセノンフェードメ
ーター(アトラス社製、Ci35A)で実施し、次の条
件(ブラックパネル温度50℃、50時間照射、50K
Lux)で変褪色の有無を確認した。記録濃度は米国マ
クベス社製のデンシトメーターRD−918で測定し、
濃度1.0付近の残存率を表示した。 (白抜けの評価方法)目視により、以下の評価基準にて
評価した。 評価基準; ○:画像表面が平滑で、画像自体に普通紙の繊維目がみ
られない。 ×:画像に普通紙の繊維目が現れ、周囲と比較して濃度
が高いスジ状の模様または、濃度が低いスジ状の模様が
みられる。 (滲みの評価方法)受容層転写時の滲みを、以下の評価
基準にて、目視により評価した。 評価基準; ○:ドットの滲みが殆ど無く、画像のシャープさが殆ど
失われない。 ×:ドットの滲みがみられ、画像のシャープさが失わ
た。 (以下余白)
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、基材の一方の面に、受
容層を剥離可能に設けているため、その受容層に昇華画
像を形成した後に、サーマルヘッド、もしくは、ホット
スタンパーなどの手段により、基材の受容層面とは反対
の、基材の他方の面より加熱することで、任意の被転写
体に対し、また、任意の位置および大きさで、白抜けや
ムラのない画像形成が可能となる。さらに、受容層に含
有する金属イオン含有化合物と、染料層に含有するキレ
ート化可能な熱拡散性色素が、まず、受容層への昇華画
像の形成時の加熱で、キレート化し、その後、キレート
化しきれていない熱拡散性色素を、画像形成された受容
層を被転写体上に転写する時の加熱条件により、完全に
キレート化し、画像のにじみや画像の安定性、すなわち
耐光性や定着性の優れた熱転写材料とその画像形成方法
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写シートの構成例を示す斜視
図である。
【図2】受容層部の構成例を示す断面図である。
【図3】受容層部の他の構成例を示す断面図である。
【図4】受容層部の他の構成例を示す断面図である。
【図5】受容層部の他の構成例を示す断面図である。
【図6】接着層部の構成例を示す断面図である。
【図7】接着層部の他の構成例を示す断面図である。
【図8】接着層部の他の構成例を示す断面図である。
【図9】接着層部の他の構成例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る熱転写記録装置の一例を示す概
略構成図である。
【図11】熱転写記録装置の他の例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 受容層部 2 染料層部 3 接着層部 4 基材 5 受容層 6 背面層 7 離型層 8 保護層 9 接着層 10 剥離層 11 被転写用接着層 12 受容層用接着層 13 接着層用離型層 20 熱転写材料 21 供給ロール 22 巻取ロール 31、36 サーマルヘッド 32、37 プラテンロール 39 被転写体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に、剥離可能に設けられ
    た受容層を有する熱転写材料において、受容層に金属イ
    オン含有化合物を含んでいることを特徴とする熱転写材
    料。
  2. 【請求項2】 受容層に含まれる金属イオン含有化合物
    が、一般式(1)と(3)の少なくとも1種であること
    を特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写材料。
  3. 【請求項3】 基材の一方の面に、剥離可能に設けられ
    た受容層を有する熱転写材料において、基材の同一面上
    に、キレート化可能な熱拡散性色素を含有する染料層を
    設けたことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転
    写材料。
  4. 【請求項4】 染料層に含まれるキレート化可能な熱拡
    散性色素が、一般式(5)と(6)の少なくとも1種で
    あることを特徴とする上記の請求項3に記載する熱転写
    材料。
  5. 【請求項5】 基材と受容層との間に、離型層を設けた
    ことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写材
    料。
  6. 【請求項6】 基材の他方の面に、背面層を設けたこと
    を特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写材料。
  7. 【請求項7】 基材の一方の面に、剥離可能に設けられ
    た受容層を有する熱転写材料の受容層と、染料層とを互
    いに接するように重ね合わせ、加熱することにより、受
    容層に画像を形成し、その後、画像形成された受容層を
    被転写体上に転写する画像形成方法において、受容層に
    金属イオン含有化合物を含み、かつ、染料層にキレート
    化可能な熱拡散性色素を含むことを特徴とする画像形成
    方法。
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