JP2019119835A - インク及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物M1と、キレート可能な色素化合物P1を含有するインク。
[式中、Mは、2価の金属イオンを表す。R1及びR2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はシアノ基を表す。R1及びR2のうち、いずれか一方が電子吸引性の基である。R3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又は複素環基を表す。]
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1では、活性光線硬化型のインクに関し、光重合性モノマーが、インク中においてエマルジョン状態で存在することで、カラー画像の色再現性及び彩度に優れたインクを開示している。
しかしながら、特許文献1に記載のインクは、光重合性モノマーがエマルジョン状態で存在することから比表面積が高くなり凝集性が高いため、インク中での分散性が低下し、保存安定性が必ずしも良くないという問題がある。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.下記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物を含有することを特徴とするインク。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
前記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物は、理由は定かではないが、インクに含有されると分散剤のような働きをするため、インクに含まれる未反応の金属含有化合物や色素化合物などの安定性が増し、保存安定性が向上する。
すなわち、例えば図1に示すように、インク中に、前記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物M1とキレート可能な色素化合物P1を含有する場合、当該金属含有化合物M1は溶媒中で加熱することで前記色素化合物P1とキレート化し、金属キレート色素K1となり発色する。ここで、前記一般式(1)中のR1又はR2が電子吸引性基であるため、金属イオンMから電子を引き付けることで、前記金属含有化合物M1は求電子剤となる。そこに、非共有電子対を有する前記色素化合物P1が求核剤として働き、キレート化反応が進行する。
このように、前記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物と、前記色素化合物を含有することによって、未反応の色素化合物を低減することが可能となるので、熱、光に対する安定性が優れ、吸収スペクトルにおいて吸収がシャープで副吸収が少ない金属キレート色素となり、それを含有するインクは彩度が高くなる。彩度が高いと、Lab色座標空間において表現できる色再現領域が広くなる。
そして、上記のようにキレート化反応が進行することで、未反応の金属化合物や色素化合物が凝集することが抑制され、インク中での分散性が高まり、保存安定性も向上する。
これに対して、図2に示すように、インク中に、前記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物M1のような電子吸引性基が無い場合には、未反応の金属含有化合物M2や色素化合物P2がインク中に多く存在し、それぞれが単独で凝集したり、未反応の金属含有化合物M2を介して金属キレート色素K2が凝集したりすることで、インク中での分散性が低下し、保存安定性が悪化する(例えば、図2参照。)。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
特に、本発明の画像形成方法は、インクジェット法を用いることが、高画質・高解像度の点で好ましい。
本発明のインクは、下記一般式(1)で表される構造を有する金属含有化合物を含有することを特徴とする。
log(K/K0)=ρσp
におけるσpと定義される。なお、上記ハメット式では、安息香酸及びその誘導体の25℃の水溶液中における仮反応をρ=1としている。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207〜1216などを参考にできる。
なお、各置換基のσp値を以下に示す。
特に、前記R3の炭素数の合計が、20以上であることが好ましい。R3の炭素数の合計が20以上であることにより、さらに、インクがゲル化剤、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することにより、前記一般式(1)におけるR3の疎水性部分とゲル化剤とが疎水性相互作用で引き合うことで、ゲル化剤が画像表面に析出することを抑制できる。
本発明のインクは、前記金属含有化合物とキレート可能な色素化合物を含有することが好ましく、下記一般式(2)で表される構造を有する色素化合物を含有することがより好ましい。
本発明に係る色素化合物の平均分散粒子径とは、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値を意味する。なお、色材を含むインクは濃度が高く、この測定機器では光が透過しないので、インクを200倍で希釈してから測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
本発明のインクに水性溶媒を用いた場合、水性インクに適用することができる。
水性溶媒は、水(例えば、イオン交換水が好ましい。)と、水溶性有機溶媒を一般に使用することができる。
水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
前記油溶性ポリマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ビニルポリマーが好適に挙げられる。前記ビニルポリマーとしては従来公知のものが挙げられ、水不溶性型、水分散(自己乳化)型、水溶性型のいずれのものであってもよいが、着色微粒子の製造容易性、分散安定性等の点で水分散型のものが好ましい。
本発明のインクに油性溶媒を用いた場合、油性インクに適用することができる。
本発明のインクにゲル化剤(ワックス)を用いた場合、ゾル・ゲル転移型インクに適用することができる。
本発明に使用されるゲル化剤(ワックス)は室温で固体であり、かつインクの加熱噴射時には溶融した液体状である。
本発明のインクは、活性光線硬化型インクに適用することが好ましい。
活性光線硬化型インクは、光重合性化合物。光重合開始剤及びゲル化剤を含むことができる。
光重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物が含まれる。
光重合性化合物は、上記活性光線を照射されることにより架橋又は重合し、インクを硬化させる作用を有する。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー又はこれらの混合物のいずれであってもよい。光重合性化合物は、本発明のインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステルであることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
光重合性化合物は、分子量が280〜1500の範囲内であり、かつ、ClogP値が4.0〜7.0の範囲内の(メタ)アクリレート化合物(以下、単に「(メタ)アクリレート化合物A」ともいう)を含むことが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物Aは、(メタ)アクリレート基を2以上有することがより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物Aの分子量は、上記のように280〜1500の範囲内であり、300〜800の範囲内であることがより好ましい。
インクジェット記録ヘッドからインクを安定に吐出するためには、80℃でのインク粘度を3〜20、好ましくは7〜14mPa・sの間にすることができる。
分子量が280以上の(メタ)アクリレート化合物とゲル化剤とをインク組成物に含ませることで、着弾後のインク粘度が高まり、基材へのインクの浸透を抑制することができるので、硬化性の低下を抑える効果が期待できる。一方、分子量が1500以下の(メタ)アクリレート化合物を含ませることで、インクのゾル粘度の過剰な高まりを抑えることができ、塗膜の光沢均一性の向上が期待できる。
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)、
ソフトウェアパッケージ2:ChemDraw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の二液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPで示す。すなわち、「logP値」とは、1−オクタノール/水の分配係数の対数値であり、分子の親疎水性を表す重要なパラメーターとして知られている。
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)、
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
本願明細書等に記載したClogP値の数値は、ソフトウェアパッケージ2を用いて計算した「ClogP値」である。
この化合物の具体例としては、
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Photomer 4072(分子量:471、ClogP:4.90、Cognis社製)、
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Miramer M360(分子量:471、ClogP:4.90、Miwon社製)
等が含まれる。
この化合物の具体例には、
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量:304、ClogP:4.69)、
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量:332、ClogP:5.12)
等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物Aの別の具体例としては、1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量:310、ClogP:5.75、新中村化学社製)なども含まれる。
その他の光重合性化合物には、例えば、ClogP値が4.0未満である(メタ)アクリレートモノマー、又はオリゴマー、ClogP値が7.0を超える(メタ)アクリレートモノマー、又はオリゴマー、その他の重合性オリゴマー等がある。
これらの(メタ)アクリレートモノマー、又はオリゴマーの例には、4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート(CD561、Sartomer社製、分子量358);3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR454、Sartomer社製、分子量429);4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494、Sartomer社製、分子量528);6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、Sartomer社製、分子量560);カプロラクトンアクリレート(SR495B、Sartomer社製、分子量344);ポリエチレングリコールジアクリレート(NKエステルA−400、新中村化学社製、分子量508)、(NKエステルA−600、新中村化学社製、分子量708);ポリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル9G、新中村化学社製、分子量536)、(NKエステル14G、新中村化学社製);テトラエチレングリコールジアクリレート(V#335HP、大阪有機化学社製、分子量302);ステアリルアクリレート(STA、大阪有機化学社製);フェノールEO変性アクリレート(M144、Miwon社製);ノニルフェノールEO変性アクリレート(M166、Miwon社製)等が含まれる。
その他の重合性オリゴマーの例には、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が含まれる。
カチオン重合性化合物は、活性光線硬化型インクジェットインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド又は脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましい。
反応させる多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。
アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセン又はシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。
脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましい。
光重合開始剤は、前記光重合性化合物がラジカル重合性の官能基を有する化合物であるときは、光ラジカル開始剤を含み、前記光重合性化合物がカチオン重合性の官能基を有する化合物であるときは、光酸発生剤を含む。
光重合開始剤は、本発明のインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。
光ラジカル開始剤には、開裂型ラジカル開始剤及び水素引き抜き型ラジカル開始剤が含まれる。
アセトフェノン系の開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンが含まれる。
ベンゾイン系の開始剤の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
アシルホスフィンオキシド系の開始剤の例には、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドが含まれる。
ベンゾフェノン系の開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルスルフィド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンが含まれる。
チオキサントン系の開始剤の例には、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントンが含まれる。
アミノベンゾフェノン系の開始剤の例には、ミヒラーケトン及び4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンが含まれる。
光重合開始剤の含有量は、インクが十分に硬化できる範囲であればよく、例えば、本発明のインクの全質量に対して0.01〜10質量%の範囲内とすることができる。
本発明に係るゲル化剤は、記録媒体に着弾したインクの液滴をゲル状態にして仮固定(ピニング)することができる。インクがゲル状態でピニングされると、インクの濡れ広がりが抑えられて隣り合うドットが合一しにくくなるため、より高精細な画像を形成することができる。ゲル化剤は、本発明のインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
カードハウス構造が形成されると、液体のインク媒体が前記空間内に保持されるため、インク液滴がより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、記録媒体に着弾したインク液滴同士が合一しにくくなり、より高精細な画像を形成することができる。
カードハウス構造を形成するには、インク中の溶媒、光重合性化合物等のインク媒体とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中の溶媒、光重合性化合物等のインク媒体とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
上記エステルワックスの市販品の例には、EMALEXシリーズ、日本エマルジョン社製(「EMALEX」は同社の登録商標)、リケマールシリーズ及びポエムシリーズ、理研ビタミン社製(「リケマール」及び「ポエム」はいずれも同社の登録商標)が含まれる。
上記植物系ワックスの例には、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ及びホホバエステルが含まれる。
上記動物系ワックスの例には、ミツロウ、ラノリン及び鯨ロウが含まれる。
上記鉱物系ワックスの例には、モンタンワックス及び水素化ワックスが含まれる。
上記変性ワックスの例には、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体及びポリエチレンワックス誘導体が含まれる。
上記高級アルコールの例には、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが含まれる。ベヘニルアルコールの市販品の例には、1−ドコサノール、高級アルコール工業社製が含まれる。
上記ヒドロキシステアリン酸の例には、12−ヒドロキシステアリン酸が含まれる。
上記脂肪酸アミドの例には、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド及び12−ヒドロキシステアリン酸アミドが含まれる。
上記脂肪酸アミドの市販品の例には、ダイヤミッドY、ニッカアマイドシリーズ、日本化成社製(「ダイヤミッド」、「ニッカアマイド」は同社の登録商標)、ITOWAXシリーズ、伊藤製油社製、及びFATTYAMIDシリーズ、花王社製が含まれる。
上記特殊脂肪酸アミドの例には、N,N′−エチレンビスステアリルアミド、N,N′−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド及びN,N′−キシリレンビスステアリルアミドが含まれる。
上記高級アミンの例には、ドデシルアミン、テトラデシルアミン及びオクタデシルアミンが含まれる。
上記ショ糖脂肪酸のエステルの市販品の例には、リョートーシュガーエステルシリーズ、三菱ケミカルフーズ社製(「リョートー」は同社の登録商標)が含まれる。
上記合成ワックスの例には、ポリエチレンワックス及びα−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックスが含まれる。
上記合成ワックスの市販品の例には、UNILINシリーズ、Baker−Petrolite社製(「UNILIN」は同社の登録商標)が含まれる。
上記ジベンジリデンソルビトールの市販品の例には、ゲルオールD、新日本理化株式会社製(「ゲルオール」は同社の登録商標)が含まれる。
上記ダイマージオールの市販品の例には、PRIPORシリーズ、CRODA社製(「PRIPOR」は同社の登録商標)が含まれる。
下記一般式(G1)で表されるケトンワックス及び下記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、インク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。また、下記一般式(G1)で表されるケトンワックス及び下記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、インク中に、いずれか一方のみが含まれていてもよいし、双方が含まれていてもよい。
一般式(G1)において、R11及びR12は、いずれも炭素数が12以上である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。前記炭素数は、好ましくは12〜26の範囲内である。
一般式(G2):R13−COO−R14
一般式(G2)において、R13及びR14は、いずれも炭素数が12以上である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。前記炭素数は、好ましくは12〜26の範囲内である。
また、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が26以下であるため、ゲル化剤の融点が過度に高まらないため、インクを出射するときにインクを過度に加熱する必要がない。
上記観点からは、R11及びR12、又は、R13及びR14は炭素原子数13以上23未満の直鎖状の炭化水素基であることが特に好ましい。
また、インクのゲル化温度を高くして、着弾後により急速にインクをゲル化させる観点からは、R11若しくはR12のいずれか、又はR13若しくはR14のいずれかが飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることが好ましい。
上記観点からは、R11及びR12の双方、又は、R13及びR14の双方が飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることがより好ましい。
これらの市販品は、2種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してインクに含有させてもよい。これらのゲル化剤のうち、よりピニング性を高める観点からは、ケトンワックス、エステルワックス、高級脂肪酸、高級アルコール及び脂肪酸アミドが好ましい。
また、前記ゲル化剤の1種が、モンタン酸由来の構造と重合性基を有する化合物であることが、画像保存性の点で好ましい。モンタン酸由来の構造と重合性基を有する化合物としては、例えば、TP Licomont ER 165(CLAEIANT社製)等が挙げられる。
本発明のインクは、本発明の効果が得られる範囲において、重合禁止剤及び界面活性剤を含むその他の成分をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、本発明のインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム及びシクロヘキサノンオキシムが含まれる。
重合禁止剤の量は、インクの全質量に対して、例えば0.001質量%以上1.0質量%未満とすることができる。
界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類及び脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、及び第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、並びにシリコーン系やフッ素系の界面活性剤が含まれる。
フッ素系の界面活性剤の例には、Megafac F、DIC社製(「Megafac」は同社の登録商標)、Surflon、AGCセイケミカル社製(「Surflon」は同社の登録商標)、Fluorad FC、3M社製(「Fluorad」は同社の登録商標)、Monflor、インペリアル・ケミカル・インダストリー社製、Zonyls、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社製、Licowet VPF、ルベベルケ・ヘキスト社製、及びFTERGENT、ネオス社製(「FTERGENT」は同社の登録商標)が含まれる。
本発明のインクの80℃における粘度は、3〜20mPa・sの範囲内であることが好ましく、7〜9mPa・sの範囲内であることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明のインクをインクジェット用インクとして用いた場合、インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点から好ましい。
また、本発明のインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明のインクにゲル化剤を含有させた場合、着弾して常温に降温した際にインクを十分にゲル化させることができる。
より低温でインクを吐出可能にし、画像形成装置への負荷を低減させる観点からは、本発明のインクのゲル化温度は、40〜60℃の範囲内であることがより好ましい。
本発明において、これらの粘度及びゲル化温度は、以下の方法によって得られた値である。
本発明のインクを100℃に加熱し、ストレス制御型レオメータPhysica MCR301(コーンプレートの直径:75mm、コーン角:1.0°)、Anton Paar社製によって粘度を測定しながら、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃までインクを冷却して、粘度の温度変化曲線を得る。
80℃における粘度及び25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
本発明の画像形成方法は、本発明のインクを用いることを特徴とする。本発明の画像形成方法は、インクジェット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等を用いることができ、中でも、本発明の画像形成方法は、インクジェット法を用いることが好ましい。
(1)の工程では、インクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。
オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型及びシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(登録商標)(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
吐出される際のインクの液滴量は、記録速度及び画質の面から、2〜20pLの範囲内であることが好ましい。
(2)の工程では、(1)の工程で記録媒体に着弾させたインクに活性光線を照射して、該インクが硬化してなる画像を形成する。
活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができるが、好ましくは紫外線である。
紫外線の照射は、例えばPhoseon Technology社製の水冷LEDを用いて、波長395nmの条件下で行うことができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることによるインクの硬化不良を抑制することができる。
活性光線の照射は、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に行うことが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001〜0.5秒の間に行うことがより好ましい。
まず、インクが着弾した後0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射してインクを仮硬化させ、全印字終了後、さらに活性光線を照射してインクを本硬化させてもよい。活性光線の照射を2段階に分けることで、インク硬化の際に起こる記録材料の収縮がより生じにくくなる。
<水性インク用の着色剤分散液の作製>
表Iに示す金属含有化合物及び一般式(1)で表される金属含有化合物とキレート可能な色素化合物の混合物(1/1モル比)、又は、表Iに示す金属含有化合物及び一般式(1)で表される金属含有化合物とキレート不可能な色素化合物の混合物(1/1モル比)10g、メチルエチルケトン20g、グリセリン5g、共重合ポリマー(スチレン/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=80/5/15の共重合比である中和済み樹脂)6g、イオン交換水40gの混合液に、平均粒子径が0.5mmのジルコニアビーズ250gを加え、メディア分散機(システムゼータ;(株)アシザワ製)を用いて4時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを濾別して分散液を得た。この分散液に水40mLを加えて希釈した後、減圧留去によりメチルエチルケトンを除去し、着色剤分散液を得た。
表Iに示す金属含有化合物及び色素化合物の混合物の含有量が、インクの仕上がり量に対して3質量%になるように、上記着色微粒子分散物を秤量し、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール465を0.3質量%、残りが純水になるように調製し、混合分散した。次いで、2μmのメンブレンフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して、表Iに示すようにインク1〜17及び21〜23を得た。
<活性光線硬化型インク用の着色剤分散液の作製>
表Iに示す金属含有化合物及び一般式(1)で表される金属含有化合物とキレート可能な色素化合物の混合物(1/1モル比)10質量部、分散剤(アジスパーPB824:味の素ファインテクノ社製)9質量部、活性光線硬化性化合物(APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート):新中村化学社製)70質量部及び重合禁止剤(Irgastab UV10:BASFジャパン社製)0.02質量部を、ステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌して溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、着色剤分散液を調製した。
ワックス(脂肪族ジケトン:カオーワックスT1:花王社製)3.0質量部、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A−400:新中村化学社製)26.8質量部、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494:SARTOMER社製)17.0質量部、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499:SARTOMER社製)28.0質量部、重合禁止剤(Irgastab UV10:BASFジャパン社製)0.1質量部、重合開始剤(IRGACURE TPO:BASFジャパン社製)6.0質量部、着色剤分散液19.1質量部を混合して得た混合物を80℃に加熱して撹拌した。得られた溶液を加熱下において#3000の金属メッシュフィルターで濾過した後、冷却してインク18,19及び24を得た。
<オフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスAの製造>
コンデンサー、温度計、及び撹拌機を装着した四つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製:重量平均分子量15万、酸価20、軟化点160℃)38.5質量部、大豆油30質量部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製)30質量部を仕込み、180℃に昇温して、同温で30分間撹拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0質量部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み、180℃で30分間撹拌してオフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスA(以下ゲルワニスAと称す)を得た。
ゲルワニスAを68質量部、AFソルベント5号を7質量部、大豆油を10質量部、表Iに示す金属含有化合物と、一般式(1)で表される金属含有化合物とキレート可能な色素化合物の混合物(1/1モル比)15質量部をニーダー中で温度75℃の条件下、ゲルワニスAを徐々に添加して混練して一次脱水を行った。
次に、ニーダー温度100〜120℃、減圧度76mmHgの条件下で1時間バキュームし、ベースインキ中の水分を0.5%以下になるように二次脱水を行った。脱水後、残りのゲルワニスA、AFソルベント5号、大豆油を添加して混練して希釈し、ニーダーより未分散ベースインキを取り出した。取り出したベースインキをロール温度60℃の3本ロールを用いて、分散粒子系測定機(グラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉し、ベースインキを得た。
次いで、ベースインキ63質量部に対して、ゲルワニスAを10質量部、大豆油を5質量部、コンパウンドを20質量部、AFソルベント5号を2質量部添加しインク20のオフセットインク(油性インク)を得た。
表Iに示す金属含有化合物に変更する以外は、インク20と同様にして、インク25のオフセットインク(油性インク)を得た。
<水性インクを用いた画像試料の作製>
上記で得た水性インク1〜17及び21〜23を市販のエプソン製インクジェットプリンター(PM−800)を用いてコニカミノルタフォトジェットペーパーPhotolike QP 光沢紙(コニカミノルタ社製)にプリントし、得られた画像試料について、下記に示す画像の色再現性の評価及びインクの保存安定性の評価を行った。
上記で得た活性光線硬化型インク18、19及び24で、ライン型インクジェット記録装置を用いて単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製))に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像、又は濃度階調パッチを印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化し、得られた画像試料について、下記に示す画像の色再現性の評価及びブルーミングの評価を行った。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5pLとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記のオフセットインク20及び25について、下記印刷条件の下、ベタにて印刷し、印刷物の評価を実施した。
(印刷条件)
印刷機:LITHOPIA BT2−800 NEO(三菱重工業(株))
用紙:新聞用更紙:超軽量紙(秤量43g/m2)(日本製紙(株))
湿し水:NEWSKING ALKY(東洋インキ(株))0.5%水道水溶液
印刷速度:10万部/時
各インクで使用した金属含有化合物の配位子1分子のlogP値を表Iに示した。また、前記一般式(1)におけるR1及びR2のσp値の合計についても表Iに示した。
上記で得られた画像試料について、色成分をL*a*b*表色系におけるa*b*を測定し、下記式(1)にて彩度を算出した。
式(1):彩度(C*)=〔(a*)2+(b*)2〕1/2
なお、「L*a*b*表色系」は、色を数値化して表すのに有用に用いられる手段であり、L* 軸方向が明度を示し、a*軸方向が赤−緑方向の色相を表し、b*軸方向が黄−青方向の色相を示すものである。a*及びb*は、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパーチャとしてφ4mmのものを用い、測定波長域380〜730nmを10nm間隔で、視野角を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件において測定するものとする。
上記で得た各インクについて、分散3日後のインク中の顔料の粒径及びインクの粘度を測定した。さらに、各インクを60℃で3週間の保存を行い、再び粒径及び粘度の測定を行い、粒径変動及び粘度変動を求めた。
粘度については振動式粘度計、ビスコメーターVM−1G(ニッカトー社製)、粒径についてはゼータサイザーナノS(マルバーン社製)により測定を行った。
上記「活性光線硬化型インクを用いた画像試料の作製」によって、記録媒体である印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)に形成した5cm×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1か月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
○:画像表面に析出物が認められない。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
P1、P2 色素化合物
K1、K2 金属キレート色素
M2 電子吸引性基を有さない金属含有化合物
Claims (10)
- 前記一般式(1)におけるR1及びR2が表す基は、R1及びR2のσp値の合計が0.2〜2.0の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のインク。
- 前記一般式(1)における配位子1分子のlogP値が、3〜8の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインク。
- 前記一般式(1)におけるMが、Cu2+であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインク。
- 前記金属含有化合物とキレート可能な色素化合物を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインク。
- 前記一般式(1)におけるR3の炭素数の合計が、20以上であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のインク。
- ゲル化剤、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインク。
- 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のインクを用いることを特徴とする画像形成方法。
- インクジェット法を用いることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
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