JP2016188346A - アゾ顔料着色組成物 - Google Patents

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英範 皆嶋
Hidenori Minashima
英範 皆嶋
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Abstract

【課題】アゾ顔料が持つ分光特性を変えない、耐光性に優れた着色組成物の提供。【解決手段】アゾ顔料と、下式で表される金属錯体化合物(例えば、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)ビス(2,4−ペンタンジオナト)バナジウム(IV)オキサイド等)と、バインダー樹脂とを含む着色組成物。アゾ顔料はアミドアリールとアミド結合を有するナフトールとを有するアゾ化合物。[R1及びR2は各々独立に置換/未置換のアルキル、アケニル、フルオロアルキル、アリール又はアミノ;Mは金属原子;mは0〜2の整数;nは1〜4の整数]【選択図】なし

Description

本発明は、耐光性を向上させたアゾ顔料着色組成物に関するものである。
アゾ顔料は、色相が鮮明で着色力も大きく比較的安価であるため、主に黄色から赤色系
の着色を行うのに用いられる。アゾ顔料は、印刷インキ、塗料、プラスチック、文具等に
幅広く使用されている。近年では、インクジェット方式のインキやディスプレイではLC
DやPDPにおいてカラー画像を記録、再現するためのカラーカラーフィルターにも使用
されている。
例えば、印刷インキ用途では、C.I.ピグメント・イエロー12、13、14、83
、C.I.ピグメント・レッド48:2、 48:3、 53:1、57:1等が、塗料用
途では、C.I.ピグメント・イエロー3、74、83、97、151、154、C.I
.ピグメント・オレンジ34、36、C.I.ピグメント・レッド3、5、48:4、1
12、170等が、プラスチック用途では、C.I.ピグメント・イエロー83、93、
151、183、C.I.ピグメント・オレンジ64、C.I.ピグメント・レッド16
6等が、文具用途では、C.I.ピグメント・イエロー14、17、65、74、81、
83、95、97、128、154、167、182、C.I.ピグメント・オレンジ1
3、16、34、36、62、C.I.ピグメント・レッド48:2、48:3、114
、146、170、185、188等が、インクジェット用途では、C.I.ピグメント
・イエロー74、150、180、C.I.ピグメント・レッド146、147、150
、176、184、269等が、カラーフィルター用途では、ピグメント・オレンジ36
、ピグメント・レッド176、242、269等が使用されている。
これらの用途で使用される顔料には、色再現上好ましい吸収特性を有していること、耐
光性や耐熱性、耐溶剤性が良好であること等の性質を具備していることが必要である。そ
の中でも、色特性の観点で好ましい吸収特性を有していること、保存安定性の観点から高
い耐光性を有している顔料が強く望まれている。
耐光性に関しては、顔料構造中にベンズイミダゾロン骨格を導入することで耐光性が改
善されることが知られている。(特許文献1、非特許文献1)しかしながら、顔料中にこ
のような骨格を導入するとその前後で色特性が変化するため、耐光性が向上しても色相変
化のためにその顔料が使用できない状況に陥る。さらに、顔料骨格中にベンズイミダゾロ
ン骨格を導入しても、用途によって耐光性は不十分である。
特開昭56−38354号公報
機能性顔料の技術 シーエムシー出版
本発明が解決しようとする課題は、本来のアゾ顔料が持つ分光特性を変えず、耐光性に
優れた着色組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アゾ顔料と、特定の金属錯体化合物を用いるこ
とで、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、アゾ顔料と、金属錯体化合物と、バインダー樹脂とを含む着色組成
物であって、金属錯体化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とす
る着色組成物に関する。
一般式(1)
Figure 2016188346
[一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基
、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフルオロアルキル基、置換
基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいアミノ基を表す。
Mは金属原子を表す。
mは0〜2の整数を表し、
nは1〜4の整数を表す。]
また、本発明は、アゾ顔料が下記一般式(2)で表されるナフトールアゾ顔料であるこ
とを特徴とする上記着色組成物に関する。
一般式(2)
Figure 2016188346
[一般式(2)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェ
ニル基、または、置換基を有してもよい複素環基を表す。
3は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、または
、−COOR10を表す。
4〜R8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフ
ルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR11、−COOR12、−CONHR13
、−NHCOR14、または、−SO2NHR15を表す。
9〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す
。]
また、本発明は、金属錯体化合物の中心金属Mが、銅(Cu)であることを特徴とする上記着色組成物に関する。
本発明の着色組成物により、本来のアゾ顔料が持つ色彩特性に優れ、かつ耐光性に優れ
た着色物を提供することが可能となった。ゆえに、本発明の着色組成物を用いることで、
オフセット、グラビア、フレキソ、スクリーン、インクジェットなどの各種印刷インキや
塗料、LCD、PDP、有機エレクトロルミネッセンス、電子紙などのディスプレイやC
CDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルターの色特性を維持しつつ、耐光性を大き
く向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)
アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した
場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」
、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アク
リレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミ
ド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する
本発明のアゾ顔料とは、顔料中にアゾ基を有している顔料である。アゾ顔料としては、
カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントレッド1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18
、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、42、
48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、60、61、6
2、63、64、65、66、67、68、69、70、77、93、95、99、10
0、112、114、115、117、119、133、141、144、146、14
7、148、150、151、162、163、164、166、170、171、17
5、176、183、184、185、187、188、193、200、201、20
8、210、211、212、213、214、220、221、222、223、24
2、243、245、247、248、256、258、261、266、267、26
8、269、273、274、C.I.イエロー1、3、4、5、6、7、9、10、1
2、13、14、15、16、17、49、55、60、61、62、63、65、73
、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、100、10
1、104、105、106、111、113、114、116、120、124、12
6、127、128、130、133、150、151、152、154、155、16
6、167、168、169、170、171、172、174、175、176、18
0、181、182、183、188、190、191、194、198、203、21
0、213、221、C.I.オレンジ1、2、3、4、5、6、13、14、15、1
6、17、18、19、20、22、24、31、34、36、38、44、45、46
、50、60、61、62、63、64、67、72、C.I.バイオレット7、8、1
3、25、32、43、44、50等が挙げられる。
本発明のアゾ顔料として好ましいものとしては、下記一般式(2)で表されるナフトー
ルアゾ顔料が挙げられる。
一般式(2)
Figure 2016188346
[一般式(2)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェ
ニル基、または、置換基を有してもよい複素環基を表す。
3は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、または
、−COOR10を表す。
4〜R8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフ
ルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR11、−COOR12、−CONHR13
、−NHCOR14、または、−SO2NHR15を表す。
9〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す
。]
一般式(2)で表されるアゾ顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバー
で示すと、C.I.ピグメントレッド30、31、32、146、147、170、18
4、187、188、210、238、245、247、266、267、268、26
9、等が挙げられる。
一般式(2)中、Aにおいて、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」としては
、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基
、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基
、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキ
シル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩
、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。
したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メ
チルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキ
シフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモ
フェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−
4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ
−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニ
ル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェ
ニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、Aにおいて、置換基を有してもよい複素環基の「置換基」としては、ハロゲン原
子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオ
ロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモ
イル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基または
スルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩
、アルミニウム塩等)などが挙げられる。
また、「複素環」とは、環系を構成する原子の中に、炭素原子以外のヘテロ原子が1個
以上含まれるものを意味し、飽和環であっても不飽和環であっても良く、更に単環であっ
ても縮合環であっても良い。したがって、複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピ
リミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミ
ダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソ
チアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、
ベンゾフラン環、インドール環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒ
ドロフラン環などが挙げられる。
ゆえに、複素環基とは、これら複素環から水素原子を除いて誘導される一価の遊離基を
意味し、したがって、置換基を有してもよい複素環基の具体例としては、2−ピリジル基
、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピローリル基、3−ピローリル基、2−フリル
基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−オキサ
ゾリル基、2−チアゾリル基、ピペリジノ基、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2−モ
ルホリニル基、N−インドリル基、2−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾ
チエニル基、2−キノリノ基、N−カルバゾリル基などが挙げられる。
また、R4〜R8におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げら
れる。
また、R3〜R15における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも
よく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
本発明のアゾ顔料は、化学構造が一般式(2)のように示されるもの、またはその互変
異性体であっても良い。さらには、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわ
ゆる多型と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら
顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
本発明のアゾ顔料を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
(ナフトールアゾ顔料[A1])
一般式(2)で表されるアゾ顔料の中でも、好ましくは、R4〜R8のうち少なくとも1
つがトリフルオロメチル基であるナフトールアゾ顔料[A1]が、微細化が容易であり、
カラーフィルター用途では、明度およびコントラスト比に優れるために好ましい。
これらの中でも、R7が−トリフルオロメチル基であることが好ましく、R4が−Cl基
であることが、好ましい。これらを満たすことにより、顔料の微細化が可能となるため、
カラーフィルター用途での高コントラスト化を達成できる。
ナフトールアゾ顔料[A1]の具体例としては、下記に示すナフトールアゾ顔料等が挙
げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016188346
Figure 2016188346
Figure 2016188346
Figure 2016188346
(一般式(2)で表されるアゾ顔料の製造方法)
本発明の一般式(2)で表されるアゾ顔料は、顔料分野でよく知られているように、ジ
アゾニウム塩とβ−ナフトール類とをカップリング反応させることにより製造できる。ま
た、下記に述べるように、芳香族アミン類(ジアゾ成分)、またはβ−ナフトール類(カ
ップラー成分)、もしくはその両方を2種類反応に用いることにより、2種以上のナフト
ールアゾ顔料を同時に合成し、複数のナフトールアゾ顔料種を共に含むものとなっていて
もよい。
2種以上のナフトールアゾ顔料を同時に合成することにより、結晶成長を阻害し、微細
な顔料粒子が得られ、透明性が向上する等の理由からカラーフィルターに用いた場合に明
度が向上することもある。
ナフトールアゾ顔料[A1]の製造は、先ず、下記一般式(3)で表されるアミン類(
ジアゾ成分)を、塩酸、硫酸、または酢酸などを加えた酸性水溶液中、亜硝酸、亜硝酸塩
または亜硝酸エステルにより、ジアゾ化することによって得られる下記一般式(4)で表
されるジアゾニウム塩を製造する。
一般式(3)
Figure 2016188346
一般式(4)
Figure 2016188346
[一般式(3)および(4)中、AおよびR3は、一般式(2)におけるものと同義であ
る。X-は、無機または有機アニオンを表す。]
上記無機または有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン
、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH3COO-、C65COO-
などが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH3COO-が挙げられる。
次いで、上記一般式(4)で表されるジアゾニウム塩と、下記一般式(5)で表される
β−ナフトール類(カップリング成分)とを、通常、水性溶媒中5℃〜70℃で反応させ
、常法による後処理を行って、一般式(2)のアゾ顔料を製造する。また、界面活性剤、
樹脂、色素誘導体、または不活性溶剤の存在下で、カップリング反応を行っても良い。ま
た、本発明のアゾ顔料の製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
一般式(5)
Figure 2016188346
[一般式(5)中、R4〜R8は、一般式(2)におけるものと同義である。]
本発明のアゾ顔料は、着色組成物として用いる場合に、前処理を行ってもよい。その処
理方法としては、この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソル
トミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の摩砕処
理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による
表面処理工程が挙げられる。
本発明のアゾ顔料の前処理としては、溶媒加熱処理および/またはソルベントソルトミ
リングを行うことが好ましい。ここで、溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば
、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール、ブトキシエタ
ノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、氷酢酸、ピリジン、ま
たはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸ま
たは塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによ
って異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処
理時間は、30分〜24時間が好ましい。ソルベントソルトミリングとしては、例えば、
粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕
を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば
塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。ま
た、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使
用量は、粗顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのが
より好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇
により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このよ
うな有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール
、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール
、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチル
オキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリ
コール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有
機溶剤の使用量は、粗顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜1
30℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーや
ミックスマーラー等が使用できる。これら後処理によって顔料の平均粒子形を0.01μ
m〜1μmに調整することが好ましい。
〈金属錯体化号物〉
本発明の着色組成物は、下記一般式(1)で表される金属錯体化合物を含む
一般式(1)
Figure 2016188346
[一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基
、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフルオロアルキル基、置換
基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいアミノ基を表す。
Mは金属原子を表す。
mは0〜2の整数を表し、
nは1〜4の整数を表す。]
1およびR2における置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1から30の
直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から30であり
1個以上のエステル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を含む直
鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から30の
直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネ
オペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙
げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり1個以上のエステル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の
具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−C
3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3
、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH
2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH211−CH3、−CH2−CH2−CH2
CH−(COO−CH2−CH3) 2等を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
また、炭素数2から30であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキ
ル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−C
2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは
1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5であ
る)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり場合により1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多
環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
Figure 2016188346
さらに、炭素数3から30であり1個以上のエステル結合(−COO−)およびエーテ
ル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、アルキル基の具体例としては、−CH2−C
2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2
−CH3、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH
(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
1およびR2における置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数1から18
の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造
中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プ
ロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテ
ニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、
1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキ
セニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロ
ヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
1およびR2における置換基を有してもよいフルオロアルキル基としては炭素数1から
4のフルオロアルキル基が挙げられる。具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタ
フルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロ−
tert−ブチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロブ
チル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロブ
チル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1およびR2における置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜18を有
する置換もしくは未置換の単環または縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1
−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル
基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナント
リル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル
基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、
4−メチルビフェニル基、ターフェニル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−tert
−ブチル−1−ナフチル基、4−ナフチル−1−ナフチル基、6−フェニル−2−ナフチ
ル基、10−フェニル−9−アントリル基、スピロフルオレニル基、4−マレイミジルフ
ェニル基、2−ベンゾシクロブテニル基などが挙げられる。
1およびR2における置換基を有してもよいアミノ基としては、窒素が水素原子や炭素
数1から26のアルキル基、アリール基と結合しているアミノ基が挙げられる。具体例と
しては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N
−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N
−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N
,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−
トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基、ビス[4−(4−メチ
ル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−β−ナフ
チル−N−フェニルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
Mにおける金属原子としては、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、
マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、お
よび亜鉛(Zn)が挙げられる。
特に好ましい中心金属は、耐光性の観点から銅(Cu)である。
アゾ顔料と金属錯体化合物の合計に対する、金属錯体化合物の含有量は、0.01〜0
.5であることが、色相、耐光性とのバランスの観点で好ましく、より好ましくは、0.
01〜0.3である。
本発明の金属錯体化合物は、新実験化学講座8 無機化合部物の合成III(丸善株式会社
)に記載の方法で合成することが可能である。
本発明の金属錯体化合物の具体例としては、以下の金属錯体が挙げられるが、本発明の
金属錯体はこれらに限定されない。
テトラキス(2,4−ペンタンジオナト)チタン(IV)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)バ
ナジウム(IV)オキサイド、トリス(2,4−ペンタンジオナト)クロム(III)、ビス(2,4−
ペンタンジオナト)マンガン(II)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)マンガン(III)、ト
リス(2,4−ペンタンジオナト)鉄(III) 、ビス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(II)
、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニ
ッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)亜
鉛(II)、テトラキス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオナト)チタン(IV)、ビス(トリフ
ルオロ-2,4−ペンタンジオナト)バナジウム(IV)オキサイド、トリス(トリフルオロ-2,
4−ペンタンジオナト)クロム(III)、ビス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオナト)マン
ガン(II)、トリス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオナト)マンガン(III)、トリス(トリ
フルオロ-2,4−ペンタンジオナト)鉄(III) 、ビス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオ
ナト)コバルト(II)、トリス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ビ
ス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオナト)ニッケル(II)、ビス(トリフルオロ-2,4−
ペンタンジオナト)銅(II)、ビス(トリフルオロ-2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)テト
ラキス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)チタン(IV)、ビス(ヘキサフルオロアセチル
アセトナト)バナジウム(IV)オキサイド、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ク
ロム(III)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)マンガン(II)、トリス(ヘキサフル
オロアセチルアセトナト)マンガン(III)、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄
(III) 、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)コバルト(II)、トリス(ヘキサフルオ
ロアセチルアセトナト)コバルト(III)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケ
ル(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチ
ルアセトナト)亜鉛(II)
Figure 2016188346
Figure 2016188346
金属錯体化合物は、アゾ顔料の合成時や前処理時、分散時や分散後のどこでも添加する
ことができる。
《バインダー樹脂》
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂は、アゾ顔料を分散するものであって、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂としては、可視光領域の4
00〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好まし
くは95%以上の樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン
酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニ
ル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム
系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、および
ポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例え
ば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性
樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイ
ン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸
共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、
酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれ
る少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いた
め、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデ
ヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応
させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂
が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の
水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも好
ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン
変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノ
ール樹脂等が挙げられる。
樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量を基準(100重量%
)として、30重量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特
性を発現できることから、500重量%以下の量で用いることが好ましい。
着色剤を好ましく分散させるためには、樹脂の重量平均分子量(Mw)は5,000〜
100,000が好ましく、さらに好ましくは5,000〜80,000の範囲である。
また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの
値は10以下であることが好ましい。
本発明の着色組成物は、水系であっても非水系であっても良い。本発明の着色組成物に
おいてアゾ顔料を分散する媒体としては、水、有機溶剤、重合性モノマー等が使用できる
。本発明の着色組成物が水性着色組成物の場合には、水を主成分とし、所望により親水性
有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。親水性有機溶剤としては、例えば、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブ
チルアルコール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ペン
タノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコ
ール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等のグリコール誘導体
、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノ
ールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、
テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン類、その他、ホルムアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チオジエタノ
ール、チオジグリセロール、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン
、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等の水溶性溶媒が挙げられる。
さらに、本発明の水系着色組成物には水性樹脂を含んでいても良い。水性樹脂としては
、水に溶解する水溶解性の樹脂、水に分散する水分散性の樹脂、コロイダルディスバーシ
ョン樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂としては具体的には、アクリル
系、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素系
等の樹脂が挙げられる。
さらに、アゾ顔料の分散および画質の品質を向上させるため、界面活性剤および分散剤
を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン
性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いても良いが、アニオン性、または
非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば
、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホ
ン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロッ
クコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコ
ン系等が挙げられる。
非水系着色組成物は、アゾ顔料を媒体として非水系バインダーに分散してなるものであ
る。非水系バインダーに使用される樹脂は、例えば、石油系樹脂、カゼイン、セラック、
ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロース
アセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、ア
ルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、
ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/
マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂等が挙げられる。非水系バインダーとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
また、非水系バインダーに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メ
トキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢
酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリ
ドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶
剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン
酸エステル等が挙げられる。
《光重合性単量体》
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化
して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アク
リレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル
、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルお
よびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエ
チルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリ
ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上
混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であること
が好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ま
しい。
《光重合開始剤》
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィ
ー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型ある
いはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジ
クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[
4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系
化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベ
ンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフ
ェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’
−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパー
オキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−
クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,
4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキ
サントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−
ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−
ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン
、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2
−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−
トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合
物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオ
キシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−
メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物
;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノ
ン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あ
るいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混
合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが
好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
《増感剤》
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類
、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導
体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体
、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、
ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポ
リメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、
インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポル
フィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テト
ラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘
導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナ
フタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム
誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジ
ン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒ
ラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフ
ェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノ
ン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4
,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチ
ルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して
用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大
河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及
び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収
を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜6
0重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であること
がより好ましい。
《酸化防止剤》
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、特にカラ
ーフィルター用途に用いられる場合に含まれている光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱
硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率
を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による
黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過
酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダード
フェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾ
フェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合
物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものと
しては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸
化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル
〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベ
ンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6
−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6
−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチ
ルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、
2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−
メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−
ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−
6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他
ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使
用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1
,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラ
メチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキ
サメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジ
メチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル
−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−
トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。
その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も
使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシ
ル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォス
ファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスフ
ァイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、
トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソ
プロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイ
ト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル
)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェ
ニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4
'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキ
サトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォ
スファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト
、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファ
イト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビ
ス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォス
ファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが
出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ
)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾー
ル等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイ
プの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマ
ータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ
ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−
テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオ
リゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフ
ェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴ
マータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オク
チルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル
酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用すること
が出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合
して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重
量%の場合、色相的により好ましい。
《アミン系化合物》
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合
物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルア
ミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチル
パラトルイジン等が挙げられる。
《レベリング剤》
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベ
リング剤を含有させることができる。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造ま
たはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造
を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−212
2、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有す
るジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−3
70などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖に
ポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング
剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0
.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわ
ゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物
に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が
低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥
が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。この
ような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有す
るジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位として
は、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリ
シロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有
していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリ
アルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダ
ント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサン
と交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリ
アルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株
式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130
、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を
補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない

レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸
共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、
ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモ
ノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げら
れる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニ
ウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加え
るノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン
などのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系
やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
《硬化剤、硬化促進剤》
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬
化剤、硬化促進剤などを含有させることができる。硬化剤としては、フェノール系樹脂、
アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物な
どが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るも
のであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個
以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記
硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメ
チルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ
−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)
、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、
ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環
式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−
エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール
、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2
−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、ト
リフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセト
グアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ
−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−
S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加
物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以
上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対
し、0.01〜15重量部が好ましい。
《その他の添加剤成分》
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させること
ができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上
剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシア
ミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチル
エーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォス
フィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100
重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ
シラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等の
チオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着
色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量
で用いることができる。
本発明の着色組成物は、アゾ顔料、バインダー樹脂、および水系もしくは非水系の媒体
を分散装置により分散することで得られる。アゾ顔料を分散する方法は特に制限は無い。
分散には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混
合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイル
ダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、
TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工
業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイデ
ィーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好まし
い。その他、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモ
ゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社
、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔
Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルテ
ィマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名
〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナ
イザー等を用いて分散する方法が挙げられる。これらの中では、小粒子径化の観点から、
ロールミル、ビーズミル、ニーダー及び高圧ホモジナイザーが好ましい。これらの装置は
複数を組み合わせることもできる。
このような方法で着色組成物を得た後、沈殿物や粗大粒子を除去するために、更に遠心
分離して、沈殿物を分離する工程を含んでも良い。遠心分離に使用する装置としては、一
般に、無孔の回転ボウルを高速回転させることによって懸濁物質を遠心沈降させる遠心沈
降機、及び側壁に細孔又はスリットを有する回転バスケットが用いられた遠心濾過・脱水
機が知られている。本発明では、これらのうち、遠心沈降機を好適に用いることができる
〔例えば、化学工学会編「化学装置便覧」、改訂二版第2刷、丸善株式会社、平成8年4
月5日、798頁参照〕。遠心沈降機としては、例えば、遠心沈降管型、円筒型、分離板
型、バスケット型、スクリデカンター型等の遠心沈降機が挙げられる。
本発明の着色組成物に含まれるアゾ顔料の濃度は、1〜35質量%の範囲であることが
好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。濃度が1質量%に満たない
と、インキとして着色組成物を単独で用いるときに十分な画像濃度が得られない場合があ
る。濃度が35質量%を超えると、分散安定性が低下する場合がある。
本発明の着色組成物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録
材料が挙げられ、具体的には、オフセット、グラビア、フレキソ、スクリーン、インクジ
ェットなどの各種印刷インキや塗料、LCD、PDP、有機エレクトロルミネッセンス、
電子紙などのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルターに適用
できる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるもの
ではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれ
ぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トを意味する。
また、顔料の平均一次粒子径の測定方法、アゾ顔料の同定方法の測定方法は以下の通り
である。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真か
ら一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子
の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上
の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して
求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(アゾ顔料の同定方法)
本発明のアゾ顔料の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置au
toflex III(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの分
子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって同定した。
<アゾ顔料の製造方法>
(アゾ顔料(a−1)の製造)
N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンカルボアミド189部、25%水酸化ナトリウム水溶液1344部をメタノール35
00部に溶解させ、カップラー溶液とした。
一方、3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド125部を水2000部に分散させ、
氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液205部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸
ナトリウム37.5部を水110部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。
80%酢酸水溶液380部、25%水酸化ナトリウム水溶液418部、および水413部
からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。
カップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリン
グ反応を行った。この時のpHは4.4であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消
失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(A1
−1)で表されるアゾ顔料を307部得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(A
1−1)で記載されるナフトールアゾ顔料であることを同定した。
続いて、ソルトミリング処理を行った。式(A1−1)で示されるナフトールアゾ顔料
を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステン
レス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミ
リング処理した。得られた混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1
時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレン
グリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部の微細化ナフトールアゾ顔料(a
−1)を得た。平均一次粒子径は43nmであった。
(アゾ顔料(C.I.ピグメントレッド269)の製造)
カップラー溶液作製の際に、N−[2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル]−
3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミドの代わりに、N−[5−クロロ−2−メト
キシフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミドを170部使用した以外
は、ナフトールアゾ顔料(a−1)の製造と同様の操作を行い、C.I.ピグメントレッ
ド269を286部得た。TOF−MSによる質量分析の結果、目的のアゾ顔料であるこ
とを同定した。
得られたアゾ顔料を、ナフトールアゾ顔料(a−1)と同様のソルトミリング処理を行
った。平均一次粒子径は42nmであった。
<金属錯体の製造方法>
金属錯体Cu−1
Figure 2016188346
1.1部の塩化銅(II)(関東化学製)を10部の水に溶解させ、次に2.5部の2,
6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン(東京化成製)を3部のメタノールに溶解させた
ものを添加した。さらに、1.3部の酢酸ナトリウム(関東化学製)を水5部に溶解させ
たものを添加し、30分間還流した。冷却後、目的物をろ過、水洗した。80℃で24時
間乾燥させ、金属錯体Cu−1を2.3部得た。
金属錯体Cu−2
Figure 2016188346
0.8部の塩化銅(II)(関東化学製)を10部の水に溶解させ、次に2.2部の2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(東京化成製)を3部のメタノール
に溶解させたものを添加した。さらに、1.0部の酢酸ナトリウム(関東化学製)を水5
部に溶解させたものを添加し、30分間還流した。冷却後、25部の酢酸エチルを添加し
、有機層を抽出した。有機層を水10部で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、eva
p.で目的物を得た。そして、40℃の減圧乾燥機で24時間乾燥した。金属錯体Cu−
2を1.8部得た。
金属錯体Cu−3
Figure 2016188346
0.7部の塩化銅(II)(関東化学製)を5部の水に溶解させ、次に2.3部の1,3
−ジフェニル−1,3−プロパンジオン(東京化成製)を5部のテトラヒドロフランに溶
解させたものを添加した。さらに、0.8部の酢酸ナトリウム(関東化学製)を水5部に
溶解させたものを添加し、30分間還流した。冷却後、目的物をろ過、水洗した。80℃
で24時間乾燥させ、金属錯体Cu−3を2.4部得た。
<顔料分散体の製造方法>
(a−1・顔料分散体(P−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)
で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が14重量%の顔料分
散体(P−1)を作製した。

a−1アゾ顔料 :6.6部
マレイン酸変性樹脂(マルキードNo.32 荒川化学工業製) :6.7部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :81.7部
(PR269・顔料分散体(PR269−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR269に変更した
以外は顔料分散体(P−1)と同様の方法でPR269・顔料分散体(PP269−1)
を作製した。
(PR31・顔料分散体(PR31−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR31(野間化学工
業製)に変更した以外は顔料分散体(P−1)と同様の方法でPR31・顔料分散体(P
R31−1)を作製した。
(PR32・顔料分散体(PR32−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR32(野間化学工
業製)に変更した以外は顔料分散体(P−1)と同様の方法でPR32・顔料分散体(P
R32−1)を作製した。
(PR147・顔料分散体(PR147−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR147(クラリア
ントジャパン製商品名PERMANENT PINK F3B 01)に変更した以外は
顔料分散体(P−1)と同様の方法でPR147・顔料分散体(PR147−1)を作製
した。
(PR176・顔料分散体(PR176−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR176(クラリア
ントジャパン製商品名GRAPHTOL CARMINE HF3C)に変更した以外は
顔料分散体(P−1)と同様の方法でPR176・顔料分散体(PR176−1)を作製
した。
(PR213・顔料分散体(PR213−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR213(DIC製
商品名SYMULER Fast Red 4134−A)に変更した以外は顔料分散体
(P−1)と同様の方法でPR213・顔料分散体(PR213−1)を作製した。
(PR220・顔料分散体(PR220−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR220(BASF
ジャパン製商品名Cromophtal Red G)に変更した以外は顔料分散体(P
−1)と同様の方法でPR220・顔料分散体(PR220−1)を作製した。
(PR221・顔料分散体(PR221−1))
顔料分散体(P−1)の製造方法におけるアゾ顔料(a−1)をPR221(BASF
ジャパン製商品名Cromophtal Red K 4035)に変更した以外は顔料
分散体(P−1)と同様の方法でPR220・顔料分散体(PR221−1)を作製した
<金属錯体化合物>
用いた金属錯体化合物の構造等を下記に示す。合成例に示したCu−1、Cu−2、C
u−3以外は、市販の試薬を使用した。
表1
Figure 2016188346
[実施例1]
(着色組成物(T−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)
で10分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が14.3重量%の着色
組成物(T−1)を得た。

顔料分散体(P−1) :90部
金属錯体化合物(B−1) :0.3部
[実施例2〜17、比較例1〜10]
(着色組成物(T−2〜17))
顔料分散体(P−1)と金属錯体化合物(B−1)を表2記載のように変更した以外は
、着色組成物(T−1)と同様の方法で着色組成物(T−2〜18)を作製した。また、
比較例には金属錯体化合物を添加していない顔料分散体を使用した。
表2
Figure 2016188346
[着色組成物の評価]
<塗膜作製>
得られた着色組成物と顔料分散体を上質紙(日本製紙製ニューNPi)に、自動塗工装
置(テスター産業製PI−1210)でバーコーター(テスター産業製RODNo.12
)を用いて塗布し、60℃で10分乾燥させ、赤色塗膜を作成した。
<耐光性評価>
作製した塗膜の色度を色度計(X−rite社製i1BasicPro)を用いて色度
[L*(1)、a*(1)、b*(1)]を測定した後、太陽光同等の分光分布となるキ
セノンランプを用いて、470W/m2での促進暴露試験(東洋精機製SUNTEST
CPS+)を100時間行った。光照射後の色度[L*(2)、a*(2)、b*(2)
]を測定し、下記式により色差ΔE*abを算出した。

ΔE*ab= √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)

色差ΔE*abが小さい方が、光照射での変色が小さく、耐光性良好な着色組成物となる
。表3に色差ΔEを示す。
表3
Figure 2016188346
実施例1−17と比較例1−10よりアゾ顔料に本発明の金属錯体化合物を添加すること
で耐光性が向上している。また、実施例2、10−17と比較例10より本発明の特定の
金属錯体が耐光性の向上に有効である。また、実施例2、10−13より中心金属は銅(
Cu)が最も耐光性の向上に有効である。

Claims (3)

  1. アゾ顔料と、金属錯体化合物と、バインダー樹脂とを含む着色組成物であって、
    金属錯体化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする着色組成
    物。
    一般式(1)
    Figure 2016188346


    [一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル
    基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフルオロアルキル基、置
    換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよいアミノ基を表す。
    Mは金属原子を表す。
    mは0〜2の整数を表し、
    nは1〜4の整数を表す。]
  2. アゾ顔料が、下記一般式(2)で表されるナフトールアゾ顔料であることを特徴とする
    請求項1記載の着色組成物。
    一般式(2)
    Figure 2016188346


    [一般式(2)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェ
    ニル基、または、置換基を有してもよい複素環基を表す。
    3は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、または
    、−COOR10を表す。
    4〜R8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフ
    ルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR11、−COOR12、−CONHR13
    、−NHCOR14、または、−SO2NHR15を表す。
    9〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す
    。]
  3. 金属錯体化合物の中心金属Mが、銅(Cu)であることを特徴とする請求項1または2記載の着色組成物。
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