JPH09330027A - 表示材料 - Google Patents

表示材料

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JPH09330027A
JPH09330027A JP14922396A JP14922396A JPH09330027A JP H09330027 A JPH09330027 A JP H09330027A JP 14922396 A JP14922396 A JP 14922396A JP 14922396 A JP14922396 A JP 14922396A JP H09330027 A JPH09330027 A JP H09330027A
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JP
Japan
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woven fabric
oily substance
nonwoven fabric
resin layer
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Application number
JP14922396A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Takahiro Tsukuda
貴裕 佃
Masayoshi Ikezawa
正義 池沢
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Hakugen Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Hakugen Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
Application filed by Hakugen Co Ltd, Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Hakugen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置場所や設置方法を選ばず、油状物質の揮
散速度が速く、不織布表面が均一で、経時での油状物質
の揮散の程度を明瞭に表示することが出来、保持体の両
面からも油状物質の揮散の程度が目視可能な表示材料を
提供する。 【解決手段】 本発明の表示材料は、光に対して低屈折
率の不織布同士を着色樹脂層により貼り合わせた保持体
中に常温揮発性または加温揮発性の油状物質を含浸せし
めたものである。好ましくは、保持体が、少なくとも一
方の不織布の貼り合わせた面の反対面がエンボスロール
で加工された不織布よりなり、より好ましくは、繊度が
2デニール以下の細デニール繊維を含有する不織布より
なるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭剤、芳香剤、
防カビ剤、殺虫剤、防虫剤等において有効成分として用
いられる揮発性の油状物質の経時的揮散の程度を知らせ
る表示材料に係り、特に、前記の油状物質を不織布に含
浸させてその経時的揮散の程度を知らせる表示材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】常温揮発性または加温揮発性の油状物質
を有効成分として用い、当該有効成分を所定の保持体に
含浸させた消臭剤、芳香剤、防カビ剤、殺虫剤、防虫剤
等は、取扱い性が良い、性能が優れている等の利点によ
り、従来から用いられている揮発性のゲルまたは固体を
有効成分とするものに代わって用いられてきている。上
記の油状物質の中には無臭のものが多く、当該無臭の油
状物質を保持体中に含浸させて利用した場合、その残存
量はおろかその消滅時点さえも人の嗅覚によって確認す
るのは困難である。このため、油状物質の残存量や消滅
時を視覚を通じて利用者に知らせることが可能な表示材
料が種々開発されている。このような表示材料のうち
で、上記の油状物質を不織布に含浸させてその経時的揮
散の程度を視覚を通じて利用者に知らせることが可能な
表示材料としては、次の2つが提案されている。
【0003】1つは、油液(油状物質)含有時に透明状
に変性される油液透過性の紙状材(不織布を含む)の一
片面を表示面とし、この紙状材の他片面上に油液不透過
性の模様層を全面乃至は部分的に形成することによって
基材となし、この基材中に常温揮発性の油液性防虫剤を
含有させた防虫能表示兼用防虫材である。(特公平4−
36122号公報参照)
【0004】この防虫能表示兼用防虫材では、紙状材に
油液性防虫剤が含有されているときには当該紙状材が透
明状に変性することから、その背面に設けられている模
様層を目視し得るが、油液の揮散に伴って紙状材が徐々
に元来の不透明状態となることから、その背面に設けら
れている模様層が徐々に目視できなくなる。したがっ
て、紙状材側から目視することができる模様層の程度に
よって、その利用者は油液(防虫薬剤)の経時的揮散の
程度を視覚を通じて知ることが可能である。
【0005】他の1つは、常温揮散性液剤を含有する液
剤浸透性の基材シート(不織布を含む)の面上であって
上記含有液剤の揮散の早遅に対応した部分に順に、上記
液剤が浸透したときに透明状に変性される着色料を期間
表示層として層状に塗布した期間表示器である(実開平
5−14983号公報参照)。この期間表示器は、常温
揮散性液剤を含有させた基材シートを水平に保持すると
常温揮散性液剤が当該基材シート面上の縁部から順に揮
散し易く、常温揮散性液剤を含有させた基材シートを鉛
直面に沿って保持すると常温揮散性液剤が基材シートの
上部から順に揮散し易いことを利用したものであるの
で、当該期間表示器について予め想定した設置方法に応
じて、所定形状の期間表示層が順に設けられる。
【0006】上記の期間表示器では、基材シートに液剤
が含有されているときには当該液剤が期間表示層にも浸
透することから期間表示層は透明状を呈するが、基材シ
ート中の液剤の揮散に伴って期間表示層に浸透する液剤
の量が減少し、これに伴って期間表示層が目視できるよ
うになる。したがって、どの期間表示層まで目視できる
ようになったかによって、その利用者は液剤の経時的揮
散の程度を視覚を通じて知ることが可能である。
【0007】しかしながら、従来の不織布に常温揮発性
または加温揮発性の油状物質を含浸させた場合、当該不
織布からの油状物質の揮散は均一には起こらない。この
ため、紙状材として従来の不織布を用いて上述した防虫
能表示兼用防虫材と同一構成の表示材料を作製した場合
には、油状物質の揮散に伴って紙状材の背面に設けられ
ている模様層が徐々に目視できなくなるものの、その見
え方は紙状材(不織布)の部分部分で異なり、斑に見え
る。そのため、このような表示材料では経時での油状物
質の揮散の程度を明瞭に表示することが困難である。
【0008】また、従来の不織布の油状物質に対する保
液性は比較的低い。すなわち、不織布の不織布空隙量と
同量以下の油状物質を当該不織布に含浸させたときに、
前記の油状物質が漏れ出ないようにこれを保持する能力
が比較的低い。このため、紙状材として従来の不織布を
用いて上述した防虫能表示兼用防虫材と同一構成の表示
材料を作製した場合には、比較的少量の油状物質しか表
示材料中に含有させることができない。
【0009】一方、基材シートとして従来の不織布を用
いて上述した期間表示器と同一構成の表示材料を作製し
た場合でも、油状物質の経時的揮散の程度は期間表示層
によって比較的明瞭には表示されない。また、当該表示
材料においても比較的少量の油状物質しか含有させるこ
とができない。さらに、当該表示材料の作製時に想定し
ていた設置方法以外の方法で設置された場合、例えば斜
めや上下逆に設置された場合には、実際に経過した期間
とは異なる期間を示す期間表示層が目視されることとな
るので、その設置場所や設置方法が制限される。
【0010】本発明者らは、設置場所や設置方法を選ば
ず、油状物質の消滅時点のみならず、経時での当該油状
物質の揮散の程度を明瞭に表示することができる表示材
料について検討の結果、光に対して低屈折率の保持体の
片面に一部または全面が着色されている樹脂層を設け、
保持体中に常温揮発性または加温揮発性の油状物質を含
浸せしめ、かつ、保持体側から樹脂層側をみたときに、
油状物質の経時的揮散により樹脂層が目視可能な状態か
ら保持体によって隠ぺいされた状態へと移行する表示材
料であり、保持体が、繊度が2デニール以下の細デニー
ル繊維を含む不織布よりなる表示材料を特願平7−18
6728号で提案した。
【0011】また、特願平7−186728号では更
に、光に対して低屈折率の保持体の片面に一部または全
面が着色されている樹脂層を設け、保持体中に常温揮発
性または加温揮発性の油状物質を含浸せしめたものであ
り、かつ、保持体側から樹脂層側をみたときに、油状物
質の経時的揮散により樹脂層が目視可能な状態から保持
体によって隠ぺいされた状態へと移行する表示材料であ
り、該保持体が、密度を部分的に変化させた不織布から
なる表示材料も提案している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不織布
からなる保持体の片面に着色された樹脂層を設ける場合
では、不織布に油状物質を含浸させ、着色された樹脂層
の反対面から不織布側の表面をみたとき、未だ不織布表
面の均一性が不十分であり、油状物質の揮散により斑状
になり、揮散状態が不明確になりやすい。又、油状物質
の揮散が主として不織布の樹脂層を設けた反対面のみで
あるので揮散速度が遅い他、樹脂層の反対面からしか揮
散状態が目視出来ない為、揮散速度が速く、両面から目
視出来る表示材料が望まれていた。
【0013】
【発明を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の表示材料は、保持体中に常温揮発性または加温揮
発性の油状物質を含浸させ、油状物質の経時的揮散によ
り保持体表面から見た色が変化する表示材料であり、保
持体が光に対して低屈折率の不織布同士を着色樹脂層に
より貼り合わせたことを特徴とする。(以下「表示材料
甲」とする)
【0014】更に、油状物質の揮散の程度を明瞭にする
為に、本発明の表示材料では貼り合わせた不織布の少な
くとも一方の不織布の貼り合わせた面の反対面が特定の
頻度で線状か点状の何れか、又は両方の凸部の有るエン
ボスロールで加工されることを特徴とする。(以下「表
示材料乙」とする)
【0015】本発明の表示材料で用いる不織布は、繊度
が2デニール以下の細デニール繊維を含むものである。
【0016】本発明の表示材料で用いる不織布は均一性
から湿式抄紙法によって製造されたものが好ましい。
【0017】本発明の表示材料は、揮散状態をより明確
にするために不織布の貼り合わせる面が5個/1cm以
上の頻度で凸部の有るエンボスロールで加工されている
不織布を材料とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。先ず、本発明の表示材料甲について
説明する。本発明の表示材料甲は、図5で説明すると、
光に対して低屈折率の不織布21と23を着色樹脂層2
2により貼り合わせた保持体中に常温揮発性または加温
揮発性の油状物質(図示せず)を含浸させたものであ
る。
【0019】続いて、本発明の表示材料乙について説明
する。本発明の表示材料乙は、図5で説明すると、光に
対して低屈折率の不織布21又は23の着色樹脂層22
を設ける反対面が5個/1cm以上の頻度で線状か点状
の何れか、又は両方の凸部の有るエンボスロールで加工
されている不織布である。
【0020】ここで、「光に対して低屈折率の不織布」
とは、当該不織布を構成している繊維の屈折率が低いこ
とを意味し、屈折率の値としては2.0以下が好まし
く、より好ましくは1.7以下である。
【0021】上記の不織布は、元来は不透明であるが後
述する常温揮発性または加温揮発性の油状物質を含浸さ
せたときには実質的に透明化して、当該不織布を貼り合
わせる着色樹脂層の色を不織布表面側から容易に目視す
ることができるものであれば良い。当該不織布を構成し
ている繊維の屈折率は、含浸させようとする油状物質の
屈折率に近似していることが好ましいが、油状物質を含
浸させたときに不織布全体が実質的に透明化しさえすれ
ば、当該不織布は実質的に不透明の繊維を含有していて
も良い。
【0022】好ましくは、不織布を加工する際のエンボ
スロールの加工面があらゆる方向で5個/1cm以上の
頻度で線状凸部が有るものである。特に10個/1cm
以上の頻度で線状か点状の何れか、又は両方の凸部が有
り、更にあらゆる方向で10個/1cm以上の頻度で線
状凸部の有るエンボスロールで処理するものである。1
00個/1cm以上の頻度の凸部では不織布の空隙量が
大きく減少する為かなり加圧を下げる必要があり、エン
ボス効果が得にくくなる。
【0023】より好ましくはエンボスロールの表面温度
が40℃以上である。不織布の空隙量をあまり低下させ
ないでエンボス効果をあげる点では温度は高い方が良い
が、あまり高いと不織布の繊維が軟化、溶融して、空隙
量が減ってしまう為、高耐熱性繊維を使用する以外では
上限は250℃程度である。
【0024】不織布を特定のエンボスロールで加工する
事により、不織布の空隙量に大きな影響を与えないで表
面の繊維状の凸部がエンボスロールの凸部により適度に
内部へ埋め込まれ、油状物質を含浸させた場合に含浸し
ないで表面に突き出た繊維が少なくなる為に不織布表面
が見た目で均一な色になると予想される。特にエンボス
ロール表面温度を40℃以上とする事で埋め込み効果が
大きくなる。
【0025】エンボスロールの凸部は繊維の埋め込み効
果の為には間隔を小さくし、線状の凸部の方が良い。特
にあらゆる方向で凸部の間隔を小さくすると、即ち、線
状の凸部で囲まれた模様を小さくする事で良好になり、
繊維を横切る方向の線状凸部の頻度が多ければ最も好ま
しい。
【0026】エンボスロールの凸部の高さはエンボス効
果の点から好ましくは30μm以上、より好ましくは5
0μm以上である。
【0027】エンボスロール処理時の加圧は一般的には
線圧20kg/cm以上であり、エンボスロール凸部の
頻度、ロール温度や加工速度、不織布で使用する繊維の
種類等により適時決められる。
【0028】表示材料を入れる容器が両側より見える場
合は、貼り合わせた保持体の両面をエンボスロールで加
工すれば両側より油状物質の揮散程度を明確に観察出来
る為、好ましい。
【0029】本発明のエンボスロールではなく、例えば
鏡面ロールで処理すると、ロールを加温した場合でも、
面の平滑性を出す為には、加圧をかなり上げなければな
らない為、不織布密度が上がり、少量の油性物質しか含
有させることが出来ないし、加圧を下げると経時での表
面平滑性の戻りが大きく、繊維状の凸部が再現しやすい
為、油状物質を含浸した後の表面の色変化が斑状になり
揮散状態が明確に観察出来ない。
【0030】本発明では更に好ましくは、繊度が2デニ
ール以下の細デニール繊維を含む不織布を用いる。
【0031】不織布に「繊度が2デニール以下の細デニ
ール繊維を含む不織布」が好ましい理由は、次の通りで
ある。すなわち、繊度が2デニールを超える繊維によっ
て不織布が構成されている場合には、その繊維間に油状
物質を保持する能力が低いために、当該不織布に油状物
質を含浸させても油状物質が漏れ出てしまい易く、特に
地面に対して垂直に立てて置いたり、吊り下げたりした
場合は油状物質が下方向に垂れてしまい易い。しかしな
がら、不織布中に上記の細デニール繊維を含ませること
により油状物質をより強く、より均一に保持させること
が可能になり、これにより、不織布に含浸させた油状物
質をより均一に揮散させることが可能になる。油状物質
が均一に揮散した場合には、最終的に得られる表示材料
において着色樹脂層が目視可能な状態から隠ぺい状態へ
と移行する過程が均一に起こり、表示材料としての色変
化が明瞭となる結果、経時での油状物質の残量をより明
瞭に表示することが可能になる。
【0032】不織布中に占める上記の「繊度が2デニー
ル以下の細デニール繊維」の割合は9〜100重量%で
あることが好ましく、特に20〜100重量%であるこ
とが好ましい。また、上記の細デニール繊維は、繊度が
1デニール以下であることが好ましい。
【0033】細デニール繊維としては、後述する常温揮
発性または加温揮発性の油状物質をできるだけ均一に保
持することができる不織布を得るうえから、形状が一定
でストランド状である人造繊維が好ましく、特にアクリ
ル、ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン、ナイロ
ン等の人造繊維が好ましい。元来は不透明であるが油状
物質を含浸させたときには実質的に透明化する不織布が
最終的に得られさえすれば、上記の細デニール繊維は白
色顔料を含有した繊維(SD:セミダル、D:ダル)の
ような不透明繊維であっても良いが、二酸化チタン等の
白色顔料を全く含まないかまたは殆ど含まない実質的に
透明な繊維(SB:スーパーブライト、B:ブライト)
であることが好ましい。実質的に透明な繊維と不透明繊
維とは、併用しても良い。
【0034】上述した細デニール繊維を含む不織布は、
如何なる方法により製造されたものでも良いが、比較的
低密度の不織布が製造できる乾式法よりも、非常に均一
な不織布を製造することができ、かつ、不織布の密度調
整が容易であるという点から、湿式抄紙法によって製造
されたものがより好ましい。ここでいう湿式抄紙法と
は、水中に繊維を低濃度で分散させ、必要に応じて分散
剤、粘剤、凝集剤等の添加剤を加えた後、円網抄紙機、
長網抄紙機、傾斜型抄紙機、あるいは2種以上の抄紙機
を組み合わせたコンビネーション型抄紙機を用いて不織
布を製造する方法をいう。湿式抄紙法により目的とする
不織布を製造した場合には、繊維分布の均一性つまり地
合いが非常に良い不織布を得ることができ、このような
不織布に後述する油状物質を含浸させた場合には当該油
状物質の分布がより均一となり、従って油状物質の揮散
の程度もより均一化する。その結果として、最終的に得
られる表示材料において着色樹脂層が目視可能な状態か
ら隠ぺい状態へと移行する過程がより均一に起こり、表
示材料としての変化がより明瞭となる。
【0035】不織布の製造にあたっては、上述した細デ
ニール繊維のみを材料として用いてもよいし、上述した
細デニール繊維以外の繊維、例えば、バインダー機能を
有する繊維や繊度が2デニールを超える人造繊維、ある
いは木材パルプ、木綿、麻等の天然繊維を併用しても良
い。特に、バインダー機能を有する繊維の併用は不織布
に強度を持たせるうえから好ましい。バインダー繊維と
しては、熱により一部または全部が軟化ないし溶融して
隣接する繊維と融着する熱融着繊維、熱水によって一部
または全部が溶解し、乾燥する際に繊維同士を結合させ
るビニロン系バインダー繊維等が好ましく用いられる。
一方、天然繊維を併用する場合には、当該天然繊維は後
述する油状物質によって完全に濡らすことが困難であ
り、油状物質で濡れない部分は白く不透明化するので、
後述する油状物質を含浸させたときに実質的に透明化す
る不織布が得られるように、その使用量を適宜選択す
る。
【0036】なお、表示材料甲又は乙を構成する不織布
中には、最終的に得られる表示材料において着色樹脂層
が目視可能な状態から隠ぺい状態へと移行する過程がよ
り明瞭に目視されるように、多孔性シリカに代表される
無機顔料等の光に対する屈折率が低い物質を含有させて
も良い。また、製造した不織布には、所望の特性を有す
るように熱処理、樹脂含浸、カレンダー処理等の後処理
を施しても良い。湿式抄紙法により不織布を製造した場
合には、不織布を構成している繊維同士を互いに絡み合
わせることによって当該不織布の強度を更に高めること
を目的として、カード法、ニードルパンチ法、スパンレ
ース法等による後処理(二次加工)を行ってもよい。
【0037】上述した不織布の坪量は、当該不織布に含
浸させようとする油状物質の量に応じて異なるが、一般
に20〜200g/m2とすることが好ましい。また、
不織布の密度は0.1〜0.5g/cm3が好ましい。
密度が0.1g/cm3よりも低い場合には油状物質を
保持する能力に劣り、液垂れする恐れがあるので好まし
くない。また、密度が0.5g/cm3よりも高い場合
には、油状物質を保持する能力に問題はないが、単位面
積当たりの油状物質の保液量が少なくなるので、実用的
な表示材料甲又は乙を得るためには非常に大きな面積の
表示材料(不織布)が必要となる。不織布の単位面積当
たりの油状物質の保液量は、概ね当該不織布の持つ不織
布空隙量以下であるので、表示材料甲又は乙を構成する
不織布の不織布空隙量は実用上50cm3/m2程度以上
であることが好ましく、特に50〜1800cm3/m2
であることが好ましい。ここで、本発明でいう不織布空
隙量とは下記数1によって求めた数値を意味する。
【0038】
【数1】NS=G(1/D−1/FD) NS:不織布空隙量(cm3/m2) G:不織布の坪量(g/m2) D:不織布の密度(g/cm3) FD:繊維の密度(g/cm3
【0039】表示材料甲又は乙においては、上述した不
織布同士を着色樹脂層で貼り合わせている。この着色樹
脂層は、上述した不織布に含浸させる油状物質に対して
耐性を有する事が必要で、上述した不織布に含浸させる
油状物質に溶解する物質は好ましくない。加工のし易さ
等から熱可塑性樹脂よりなる着色樹脂層が好ましい。中
でもポリオレフィン樹脂は、ほとんどあらゆる油状物質
に対して耐性を有し、かつ、溶融ラミネート適性および
均一なフィルム形成能を有するという点で、着色樹脂層
の材料として好ましい。ポリオレフィン樹脂の中でもさ
らに好ましくは、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹
脂である。
【0040】不織布の一部または全面が着色された着色
樹脂層により貼り合わせる方法の具体例としては、不織
布の片面に、全面が着色された樹脂被覆層を直接形成す
る方法が有る。この方法での上記全面が着色された樹脂
被覆層の形成は、接着剤を用いる方法や溶融押出塗工法
等によって行うことができる。
【0041】接着剤を用いる方法による上記全面が着色
された樹脂被覆層の形成は、例えば、着色された樹脂含
有塗布液により不織布同士を貼り合わせ、加圧、乾燥さ
せる塗布法や、全面が着色されている樹脂フィルムをド
ライラミネート法やウェットラミネート法等によって加
熱、乾燥することにより樹脂フィルムを間にして不織布
同士を貼り合わせることにより行う事が出来る。また、
溶融押出塗工法による上記全面が着色された樹脂被覆層
の形成は、例えば、群青、コバルトブルー等の有色顔料
を熱可塑性樹脂とともに高濃度に分散させたマスターバ
ッチと無色の熱可塑性樹脂とを押出塗工機内で熱溶融混
合し、この混合物を熱溶融押出しで不織布上に塗工し、
直後に他の不織布を貼り合わせ、ロールにより加圧する
ことによって行うことが出来る。
【0042】上述した方法の中では、均一でピンホール
のない着色樹脂層が得られるという点から、溶融押出塗
工法がより好ましく用いられる。
【0043】表示材料甲又は乙は、前述した不織布同士
を着色樹脂層により貼り合わせた保持体であり、かつ、
保持体中に常温揮発性または加温揮発性の油状物質を含
浸させたものである。ここで、本発明でいう「常温揮発
性の油状物質」とは、最終的に得た表示材料および当該
表示材料が使用される場所の雰囲気を人為的に加熱しな
くても当該表示材料が使用される雰囲気温度下で揮発す
る油状物質を意味し、「加温揮発性の油状物質」とは、
最終的に得た表示材料が使用される場所の雰囲気におい
て適当な加熱手段により加熱しないと揮発しない油状物
質を意味する。常温揮発性の油状物質および加温揮発性
の油状物質についての意味は、本発明の表示材料甲、乙
に共通するものである。
【0044】上記の常温揮発性または加温揮発性の油状
物質としては、目的とする表示材料甲、及び乙の用途に
応じて、例えば常温揮発性または加温揮発性の油状性芳
香剤、油状性消臭剤、油状性防虫剤、油状性殺虫剤等が
用いられる。
【0045】常温揮発性または加温揮発性の油状性芳香
剤や油状性消臭剤の具体例としては、ベンズアルデヒ
ド、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、リナ
ロール、リモネン、メントール酢酸リナリル、アミルシ
ンナミックアルデヒド、アンスラニン酸メチル、イソオ
イゲノール、カプロン酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸
ベンジル、サリチル酸イソアミル、シトラール、デシル
アルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、酢酸イソアミ
ル等を成分とするものや、芳香消臭効果のある植物精
油、例えばビターアーモンド油、ヒノキ油、ナツメグ
油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ライム油、ペパーミ
ント油、ベチパー油、スウィートオレンジ油、タイム油
等が挙げられる。
【0046】また、常温揮発性または加温揮発性の油状
性防虫剤もしくは油状性殺虫剤の具体例としては、α−
ピネン、オイゲノール、ツヨン、チモール、ヒノキチオ
ール、シンナミックアルデヒド等を成分とするものや、
防虫効果または殺虫効果のある植物精油、例えばナツメ
グ油、チョウジ油、セージ油、タイム油、ラベンダー
油、バジル油、ヒノキ油等が挙げられる。
【0047】不織布中に常温揮発性または加温揮発性の
油状物質を含浸させる方法に特に制限はないが、油状物
質に不織布を浸漬した後にプレス等を用いて搾って所定
の含浸量に調整する方法、不織布に油状物質をシリンジ
等を用いて直接滴下して所定の含浸量に調整する方法、
グラビアコーター等により一定量の油状物質を不織布に
転写する方法等が有る。油状物質の含浸量は、当該油状
物質を含浸させることによって不織布が実質的に透明化
する量であれば良く、この量は、不織布の不織布空隙量
や目的とする表示材料甲、乙及び丙の用途等に応じて、
概ね当該不織布の不織布空隙量以下の範囲内で適宜選択
可能である。
【0048】本発明の表示材料甲、又は乙は、所定の着
色樹脂層により不織布を貼り合わせた保持体に上述のよ
うにして常温揮発性または加温揮発性の油状物質を含浸
させることにより得られる。当該表示材料甲、又は乙
は、この状態のまま用いても良いが、一般的には常温揮
発性または加温揮発性の油状物質と回りの物との接触を
避けるために、プラスチック、紙、金属等の容器の中に
入れた後に所望する場所へ設置して使用することが好ま
しい。この場合、容器の外から表示材料甲、又は乙の変
化、すなわち、不織布表面側からみたときの色変化が見
てとれるように、容器の両面の一部に窓等を設置するこ
とが好ましい。
【0049】上述した表示材料甲、又は乙は、例えば揮
発性の油状物質が常温揮発性防虫剤である場合には、そ
のまま洋服タンス内等に設置して使用することができ
る。また、揮発性の油状物質が常温揮発性消臭剤である
場合には、そのまま室内、トイレ内、玄関内、車内、冷
蔵庫内等に設置して使用することができる。揮発性の油
状物質が常温揮発性芳香剤である場合には、そのまま室
内、トイレ内、玄関内、車内等に設置して使用すること
ができる。そして、揮発性の油状物質が加温揮発性の殺
虫剤である場合は、電気蚊取り器等で利用されている加
熱手段と組み合わせて、室内に設置して使用することが
できる。
【0050】上述のようにして使用される表示材料甲、
又は乙では、不織布に十分な量の油状物質が含浸してい
るときには当該不織布が実質的に透明化して、不織布の
間に設けられている着色樹脂層における着色部分の色が
不織布表面側から見た場合でもはっきりと認識出来る。
しかしながら、不織布中の油状物質の揮散は両側の不織
布表面から起こり、油状物質の経時的揮散により不織布
が徐々に不透明化して最終的には不透明状態となるの
で、両側の不織布表面から間の着色樹脂層を見たときに
は、油状物質の経時的揮散により、着色樹脂層が目視可
能な状態から不織布によって隠ぺいされた状態へと徐々
に移行する。そして、この移行に伴って、不織布側から
着色樹脂層を見たときに目視される色は着色樹脂層の色
から不織布自身の色へと徐々に変化する。すなわち、表
示材料甲、又は乙は、不織布に含浸させた常温揮発性ま
たは加温揮発性の油状物質の揮散の程度に応じて、着色
樹脂層の色から不織布自身の色へと徐々に連続的に変化
していく。したがって、この色の変化を見る事により、
保持体の両側から常温揮発性または加温揮発性の油状物
質の揮散の程度を一目で認識することができる。
【0051】さらに、本発明の表示材料甲又は乙におい
ては、図6に示す様に、不織布21の面21bに、着色
樹脂層22における着色部分より淡い濃度の同系色で、
不織布21中に含浸させた常温揮発性または加温揮発性
の油状物質(図示せず)の揮散が終了した(消失した)
旨を表示する文字、印等からなる印刷部24を印刷法等
によって設けることにより、不織布21、23に含浸さ
せた油状物質の揮散(消失)をより効果的に知らせるこ
とが可能になる。ここで、「着色樹脂層における着色部
分より淡い濃度の同系色」とは、着色樹脂層の色と同じ
色もしくは同じ色調で、濃度が薄い色を意味する。な
お、図6において図5と共通する部材については、図5
と同じ符号を付してある。
【0052】尚、図6の不織布23の面21aにも着色
樹脂層22より淡い濃度の同系色で印刷部24と同様の
印刷部を設けることにより保持体の両面からの目視も可
能である。
【0053】上記の印刷部24は、文字、記号、絵等、
何でもよく、例えば文字としては「おとりかえくださ
い」、「揮発終了」、「おわり」、「END」等が、記
号では「×」等が用いられる。また、当該印刷部24を
設ける方法に特に制限はなく、いかなる印刷法を用いて
も良いが、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセ
ット印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法等が用
いられる。
【0054】印刷部24は、着色樹脂層22における着
色部分より淡い濃度の同系色で設けられているので、油
状物質を含浸させたことによって不織布21が透明化し
ている場合には、不織布21側から着色樹脂層22側を
見ても着色樹脂層22の着色部分の色と同化するために
判読できない。しかしながら、油状物質が揮散(消失)
するに従って不織布21が徐々に不透明化して着色樹脂
層22における着色部分の色が薄く目視されるようにな
り、これに伴って不織布21上に設けられている印刷部
24が徐々に判読できるようになる。これにより、不織
布21に含浸させた常温揮発性または加温揮発性の油状
物質の揮散(消失)をより効果的に知らせることができ
る。
【0055】なお、表示材料甲、又は乙においては、不
織布に含浸させた常温揮発性または加温揮発性の油状物
質の揮散の程度を効果的に知らせるうえから、不織布の
色(不織布自身を目視したときに視認される色。以下同
じ。)を白色もしくは白色に近い有色にし、着色樹脂層
の色を黒、青、赤、緑、紫等のなるべく濃い色にするこ
とが好ましい。不織布の色と着色樹脂層の色とを前述の
ように選択することにより両者の色のコントラストが大
きくなり、常温揮発性または加温揮発性の油状物質の揮
散の程度に応じた色変化がより明瞭になる。
【0056】以上説明した表示材料甲、又は乙は、不織
布に含浸している常温揮発性または加温揮発性の油状物
質を揮散させる揮散装置として機能する他、前記の油状
物質の揮散量を示すインジケーターの機能をも有してい
るものである。そして、保持体である不織布は、常温揮
発性または加温揮発性の油状物質の収容器として機能す
る。
【0057】表示材料甲、又は乙では油状物質の揮散に
伴って着色樹脂層が徐々に不織布によって隠ぺいされて
ゆくわけであるが、上記の不織布による着色樹脂層の隠
ぺい性は比較的高いものである。これらのことから、本
発明の表示材料甲、又は乙は、設置場所や設置方法を選
ばず、油状物質の消滅時点のみならず、経時での当該油
状物質の揮散の程度を明瞭に保持体の両側でも目視可能
である。
【0058】また、保持体の不織布の少なくとも片面
に、不織布間の着色樹脂層の色より濃いかもしくは同濃
度の同系色で、または不織布と同系色で、油状物質が揮
散途中である旨を表示する印刷部(以下、この印刷部を
「印刷部ii」という。)を設けても良い。この印刷部ii
は文字、記号、絵等、何でもよく、例えば文字としては
「使用中です」、「揮発途中」、「効いてます」等が、
記号では「→→→」等が用いられる。
【0059】また、表示材料甲、又は乙で繊度が2デニ
ール以下の細デニール繊維を含んでいる不織布は、細デ
ニール繊維を含んでいない不織布よりも油状物質を強
く、均一に保持することができ、不織布に含浸させた油
状物質をより均一に揮散させることができる。
【0060】ここで、不織布の着色樹脂層により貼り合
わせる面の反対面から密度を少なくとも0.2cm2
面積を単位として部分的に変化させる事により油状物質
の揮散程度を明瞭に感知出来る。尚、0.2cm2以上
とする理由は、目視で高密度部分と低密度部分とを区別
可能な最低面積として0.2cm2としたものである。
【0061】表示材料を構成する不織布においてはその
密度が少なくとも0.2cm2の面積を単位として部分
的に変化しているので、この不織布には相対的に密度の
高い部分と相対的に密度の低い部分とが存在する。当該
不織布における「密度の高い部分」(以下「高密度部
分」という。)の密度は0.3〜1.0g/cm3が好
ましく、「密度の低い部分」(以下「低密度部分とい
う。)の密度は0.1〜0.5g/cm3が好ましい。
ここで、密度が0.1g/cm3よりも低い場合は揮発
性の油状物質を保持する能力に劣り、液垂れする恐れが
ありあまり好ましくない。また、密度が1.0g/cm
3よりも高い場合には、油状物質を保持する能力に問題
はないが、着色樹脂層が目視可能な状態から不織布によ
って隠ぺいされた状態へと移行することによって発現す
る表示機能が明瞭でなくなる。不織布の単位面積当たり
の油状物質の保液量は、概ね当該不織布の持つ不織布空
隙量以下であるので、表示材料に使用する不織布の不織
布空隙量は、不織布全体で50cm3/m2程度以上であ
ることが好ましく、特に50〜1800cm3/m2であ
ることが好ましい。なお、上記において高密度部分と低
密度部分とで密度の範囲が一部重複しているが、前者の
密度が後者の密度よりも低くなることはないことはもち
ろんである。
【0062】また、不織布における密度の部分的な変化
を設ける場合は、低密度部分と高密度部分の2段階であ
っても良いし、低密度部分、中密度部分および高密度部
分の3段階であっても良いし、4段階以上であっても良
い。
【0063】密度を部分的に変化させた上述の不織布
は、乾式法や湿式抄紙法等によって密度が実質的に均一
な不織布を得た後、当該不織布の表面の所望箇所を部分
的に毛羽立たせることにより、あるいは、当該不織布の
所望箇所をプレスロール、熱プレスロール、エンボスロ
ール、型押し等によって押圧することにより得ることが
できる。さらには、密度の異なる不織布同士をつなぎ合
わせることによっても得ることができる。不織布の所望
箇所を押圧することによって密度が部分的に変化した不
織布を得るという方法は、押圧した部分だけその密度が
高くなるため加工が容易であり、また密度を変化させた
い部分の形状を自由に設定することができることから、
不織布の密度を部分的に変化させる方法として好適であ
る。
【0064】上述のようにして使用される密度差をつけ
た表示材料では、不織布に十分な量の油状物質が含浸し
ているときには当該不織布が実質的に透明化して、貼り
合わされた不織布の間に設けられている着色樹脂層の色
が不織布表面側から見た場合でもはっきりと認識出来
る。しかしながら、油状物質の経時的揮散により不織布
が徐々に不透明化して最終的には不透明状態となるの
で、不織布表面側から着色樹脂層側を見たときには、油
状物質の経時的揮散により、着色樹脂層が目視可能な状
態から不織布によって隠ぺいされた状態へと徐々に移行
する。この移行に伴って、不織布表面側から着色樹脂層
側を見たときに目視される色は着色樹脂層の色から不織
布自身の色へと徐々に変化する。そして、この色変化
は、不織布における高密度部分においてよりも低密度部
分においてより早く進行する。したがって、高密度部分
における色変化と低密度部分における色変化とを比較し
て確認することができ、これにより油状物質の揮散の程
度がより一層明瞭に認識することができる。
【0065】密度差をつけた表示材料では、不織布に含
浸させた油状物質の揮散(消失)をより効果的に知らせ
るために、不織布において貼り合わせる面とは反対側の
面のうちで当該不織布における密度の高い部分の面に、
着色樹脂層における着色部分より淡い濃度の同系色で、
油状物質の揮散が終了した旨を表示する印刷部(以下、
この印刷部を「印刷部i」という。)を設けても良い。
この印刷部iは文字、記号、絵等、何でもよく、例えば
文字としては「おとりかえください」、「揮発終了」、
「おわり」、「END」等が、記号では「×」等が用い
られる。
【0066】また、不織布において貼り合わせる面とは
反対側の面のうちで当該不織布における密度の低い部分
の面に、着色樹脂層における着色部分より濃いかもしく
は同濃度の同系色で、または不織布と同系色で、油状物
質が揮散途中である旨を表示する印刷部(以下、この印
刷部を「印刷部ii」という。)を設けても良い。この印
刷部iiは文字、記号、絵等、何でもよく、例えば文字と
しては「使用中です」、「揮発途中」、「効いてます」
等や記号が用いられる。
【0067】さらに、不織布における低密度部分と高密
度部分にそれぞれ別個に、または低密度部分と高密度部
分の両方に跨るようにして、記号や所望の文字、絵等か
らなる印刷部iiを不織布と同系色で設けても良い。
【0068】上述した印刷部iおよび印刷部iiを設ける
方法に特に制限はなく、いかなる印刷法を用いても良い
が、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印
刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法等が用いられ
る。
【0069】以上説明した表示材料は、不織布に含浸し
ている常温揮発性または加温揮発性の油状物質を揮散さ
せる揮散装置として機能する他、前記の油状物質の揮散
量を示すインジケーターの機能をも有しているものであ
る。そして、保持体である不織布は、常温揮発性または
加温揮発性の油状物質の収容器として機能する。
【0070】また、上記の不織布として繊度が2デニー
ル以下の細デニール繊維を含んでいる不織布を用いた場
合には、前述した表示材料甲又は乙と同様に、不織布に
含浸させた油状物質をより均一に揮散させることが可能
になると共に、不織布による着色樹脂層の隠ぺい性が高
まることから、設置場所や設置方法を選ばず、油状物質
の消滅時点のみならず、経時での当該油状物質の揮散の
程度をより明瞭に表示することができる表示材料が得ら
れる。同時に、不織布による油状物質の保液性が比較的
高くなるので、比較的多量の油状物質を含有することが
できる表示材料が得られる。
【0071】また、本発明の表示材料の保持体である不
織布の貼り合わせる面が5個/1cm以上の頻度で線状
か点状又は両方の凸部の有るエンボスロールで加工され
ている不織布を材料とする場合では、着色樹脂層の均一
性が向上し、目視での油状物質の揮散の程度判定が容易
になる。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は以下の実施例に限られるものではな
い。なお、部及び%とあるのは重量部及び重量%を意味
する。
【0073】実施例1〜15(表示材料甲の作製) 表1〜表4に示す繊維配合で、円網抄紙機を用いた湿式
抄紙法により抄紙した後、実施例および比較例毎にウエ
ットプレスパート、乾燥パート、カレンダーパートを適
宜調節して、保持体としての不織布をそれぞれ作製し
た。ただし、実施例13のみ乾式法(カード法)により
不織布を作製した。これらの不織布の元色は白色を呈し
ており、屈折率は全ての不織布において1.7以下であ
った。作製した各不織布の坪量、密度および不織布空隙
量を表1〜表4に示した。
【0074】表1〜表4に示した不織布を用いて貼り合
わせを行った。即ち、低密度ポリエチレン(日本ユニカ
ー社製NUC8008)80部に青色群青を20%含有
したマスターバッチ20部を混合した樹脂組成物を樹脂
温度320℃にて不織布の片面に溶融押出塗工し、直後
に同じ不織布を貼り合わせてロール加圧(線圧20kg
/cm)する方法で全面が濃青色に着色された着色樹脂
層により貼り合わされた保持体を得た。溶融押出塗工に
あたっては溶融押出塗工機を用い、樹脂塗工量は20g
/m2とした。
【0075】実施例16〜30(表示材料乙の作製) 着色樹脂層により貼り合わせた実施例1〜実施例15の
保持体の両方の不織布の貼り合わせ面とは反対面にエン
ボス加工し、実施例16〜実施例30の保持体を得た。
エンボスロールは線状凸部の頻度がエンボスロール円周
方向、それと直交する方向共に15本/1cmで凸部の
高さが100μmの絹目状のエンボスであり、ロール表
面温度は60℃、線圧50kg/cmの条件で行った。
【0076】実施例31 実施例16でエンボスロールの線状凸部の頻度がエンボ
スロール円周方向、それと直交する幅方向共に3本/1
cmで凸部の高さが100μmの絹目状のエンボスロー
ルを用いた以外は同様にして表示材料を得た。
【0077】実施例32 実施例16でエンボスロールの間隔がエンボスロール円
周方向、幅方向共に7本/1cmで線状凸部が100μ
mの絹目状のエンボスロールを用いた以外は同様にして
表示材料乙を得た。
【0078】実施例33 実施例16でエンボス加工でのロール温度を20℃とし
た以外は同様にして表示材料乙を得た。
【0079】実施例34 実施例16でエンボス加工でのロール温度を40℃とし
た以外は同様にして表示材料乙を得た。
【0080】比較例1 保持体としての不織布を、アクリル繊維(三菱レイヨン
社製、0.1d、3mm)50部と熱融着繊維(大和紡
社製、NBF−E、2d、5mm)50部の配合で、円
網抄紙機を用いた湿式抄紙法により作製した。作製した
不織布の坪量は100g/m2であり、密度は0.24
g/cm3であった。得られた不織布の片面に、実施例
1で用いた低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製NU
C8008)と青色群青を20%含有したマスターバッ
チ20部を混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて
溶融押出塗工、加圧(線圧20kg/cm)して20g
/m2の着色樹脂層を設けた。その後実施例1と同様に
して酢酸イソブチルを含浸させ表示材料を得た。
【0081】比較例2 比較例1で不織布の片面をエンボスロールの線状凸部の
頻度がエンボスロール円周方向、それと直交する幅方向
共に15本/1cmで凸部の高さが100μmの絹目状
のエンボスロールを用いて処理した以外は同様にして表
示材料を得た。
【0082】比較例3 比較例1と同様にして保持体としての不織布を作製し、
着色樹脂層を設けないで、片面にオフセット印刷用の藍
色インク(東洋インキ社製TSP202藍)を用いて、
インキ濃度を上げる為に重ね印刷を行った。
【0083】比較例4 実施例16と同様にして保持体としての不織布を作製、
エンボス加工し、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製NUC8008)に青色群青を混合せずに当該低密度
ポリエチレンのみを樹脂層の材料として貼り合わせた以
外は実施例1と同様にして、不織布同士を貼り合わせ
た。この後、藍色インク(東洋インキ社製TSP202
藍)を用いたオフセット印刷法によって、保持体の不織
布層の表面を藍色に印刷した。
【0084】不織布を着色樹脂層により貼り合わせる面
の反対面にエンボス加工を行った上記の不織布、及びエ
ンボス加工を行わなかった不織布のそれぞれを用いた保
持体に、常温揮発性の油状物質である酢酸イソブチルを
100g/m2含浸させて、実施例1〜15においては
本発明に包含される表示材料甲を、実施例16〜34に
おいては本発明の表示材料乙を得た。比較例1〜4にお
いては本発明に包含されない表示材料をそれぞれ得た。
【0085】これらの表示材料のうち、本発明に包含さ
れる表示材料甲、乙はいずれも、水平に載置しても、斜
めに載置しても、あるいは垂直に吊り下げても、経時で
の油状物質(酢酸イソブチル)の揮散の程度を表示材料
の両面から明瞭に表示することができた。このことか
ら、当該表示材料は設置場所や設置方法を選ばず使用可
能であることが確認された。なお、実施例1〜34およ
び比較例1〜4で得られた各表示材料の性能について
は、それぞれ以下の方法により判定し、評価した。
【0086】〈着色樹脂層目視性〉表示材料乙について
不織布側から貼り合わせ着色樹脂層側をみたときに、着
色樹脂層の色がどの程度明瞭に目視できたかを判定し
た。 ◎:着色樹脂層の色が鮮明に認識できた。 ○:着色樹脂層の色が充分に認識できた。 △:着色樹脂層の色はやや白色がかっていたが認識でき
た。 ×:着色樹脂層の色は認識できなかった。
【0087】〈着色樹脂層隠ぺい性〉表示材料乙を常温
下に放置して完全に油状物質を揮散させた時点で不織布
側から着色樹脂層側をみたときの、不織布層による着色
樹脂層の隠ぺい性を判定した。 ○:不織布層の隠ぺい性は完全で着色樹脂層の色は認識
できなかった。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:不織布層の隠ぺい性はやや不完全で着色樹脂層の色
がやや認識できた。 △〜×:△と×の中間性能を有していた(全く使用に供
し得ない×とは異なる)。 ×:不織布層の隠ぺい性は不完全で着色樹脂層の色が認
識できた。
【0088】〈表示移行性〉表示材料乙を常温下に放置
して、不織布側から着色樹脂層側をみたときの経時的な
色変化を判定した。 ○:表示材料は明瞭な色変化を示した。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:表示材料はやや不明瞭であるが色変化を示した。 △〜×:△と×の中間性能を有していた(全く使用に供
し得ない×とは異なる)。 ×:表示材料はほとんど色変化を示さなかった。
【0089】〈保液性〉表示材料乙を垂直に吊り下げ、
油状物質が表示材料中に保持される程度を判定した。 ○:表示材料中から油状物質が全く漏れ出なかった。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:表示材料の下に油状物質の溜まりが認められた。 △〜×:△と×の中間性能を有していた。 ×:表示材料から油状物質が漏れ出てきた。
【0090】〈揮散速度〉20℃、65%RHでの表示
材料からの油状物質の揮散速度を測定した。各保持体に
含浸させた油状物質(酢酸イソブチル)100g/m2
の半量が揮散するに要する日数で評価した。 ○:30日以下。 ○〜△:30日より上〜60日以下。 △:60日より上〜90日以下。 △〜×:90日より上〜120日以下。 ×:120日より上。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】実施例1〜34および比較例1〜4につい
て着色樹脂層目視性、着色樹脂層隠ぺい性、表示移行
性、保液性、揮散速度を判定した結果を表5、表6に示
す。なお、実施令1〜34については両面からの評価の
平均を示す。又、各特性判定中に別途判明した事項に付
いては備考欄に示した。
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】実施例35(表示材料乙の作製) 不織布を着色樹脂層で貼り合わせた保持体を実施例16
と同様にして作製、エンボス加工を行った後、貼り合わ
せる面と反対面、すなわち不織布面に、着色樹脂層の色
と同系色でより淡い色である淡青色のインク(東洋イン
キ社製TSP202藍)を用いて、オフセット印刷法に
より「おわり」という文字の印刷部を設けた。この後、
実施例1と同様にして酢酸イソブチルを不織布に含浸さ
せて、表示材料乙を作製した。
【0099】この表示材料乙の作製直後においては「お
わり」という文字を認識することができなかったが、酢
酸イソブチルの揮散に伴って「おわり」という文字が徐
々に認識できるようになり、酢酸イソブチルが完全に揮
散した(消失した)時点では「おわり」という文字が明
瞭に判読できた。その結果、酢酸イソブチルの消滅をよ
り明瞭に認識することができた。なお、この表示材料乙
は、実施例16で得た表示材料乙と同様に、設置場所や
設置方法を選ばず、経時での油状物質(酢酸イソブチ
ル)の揮散の程度を明瞭に表示することができるもので
あった。
【0100】実施例36(表示材料乙の作製) 不織布を着色樹脂層で貼り合わせた保持体を実施例16
と同様にして作製し、エンボス加工した後、貼り合わせ
着色樹脂層とは反対側の面、すなわち不織布面に、不織
布の色と同系色である白色のインク(東洋インキ社製T
SP202白)を用いて、オフセット印刷法により「揮
散中」という文字の印刷部を設けた。この後、実施例1
6と同様にして酢酸イソブチルを不織布に含浸させて、
表示材料乙を作製した。
【0101】この表示材料乙の作製直後においては「揮
散中」という文字が着色樹脂層の色である濃青色の中に
明瞭に判読できたが、酢酸イソブチルの揮散に伴って
「揮散中」という文字が徐々に判読しづらくなり、酢酸
イソブチルが完全に揮散した(消失した)時点では「揮
散中」という文字を全く判読することができなかった。
このように、当該表示材料乙では酢酸イソブチルの揮散
状態をより明瞭に認識することができた。なお、この表
示材料乙は、設置場所や設置方法を選ばず、経時での油
状物質(酢酸イソブチル)の揮散の程度を明瞭に表示す
ることができるものであった。
【0102】実施例37 保持体としての不織布を、アクリル繊維(三菱レイヨン
社製、0.5d、3mm)50重量部と熱融着繊維(大
和紡社製、NBF−E、3d、5mm)50重量部の配
合で、円網抄紙機を用いた湿式抄紙法により作製した。
作製した不織布の坪量は50g/m2で、密度は0.3
g/cm3であった。
【0103】貼り合わせた不織布の片面に実施例16と
同様にしてエンボス加工を行った後、エンボス加工面と
反対面の上面のほぼ半分にプレスロールをかけ、プレス
ロールによってこの部分を押圧することにより当該部分
の密度を高くして、不織布に高密度部分と低密度部分と
を形成した。この押圧により形成した高密度部分の密度
は0.5g/cm3であり、低密度部分(押圧していな
い部分)の密度は0.3g/cm3であった。なお、こ
の不織布の元色は白色を呈している。
【0104】図1は、このようにして得られた不織布−
着色樹脂積層物1の斜視図を示す。同図において、不織
布−着色樹脂積層物1は、着色樹脂層2と不織布3、4
とからなり、不織布3は、高密度部分3aと低密度部分
3bとからなる。上記のように作製した不織布−着色樹
脂積層物1の不織布3に、酢酸イソブチルを実施例1と
同様にして含浸させて、表示材料を得た。この表示材料
の斜視図を図2に示す。図2より、この表示材料におい
ては、不織布3が、油状物質含浸後の高密度部分3cと
低密度部分3dとからなり、高密度部分3c、低密度部
分3dのいずれにおいても着色樹脂層2の濃青色が保持
体である不織布3側から明瞭に見ることができた。
【0105】次に、この表示材料を水平にして室内に放
置したところ、酢酸イソブチルの揮散に伴って、図3に
示すように、不織布3の低密度部分3dが濃青色から青
色に変色していったが、不織布3の高密度部分3cは濃
青色を呈したままの状態であった。さらに放置すると、
不織布3の低密度部分3dは青色から淡青色に変色し、
一方、不織布3の高密度部分3cは濃青色から青色に変
化していった。さらに放置すると、不織布3の低密度部
分3dは淡青色から白色に変化して、この部分での酢酸
イソブチルの揮散はほぼ終了した。一方、不織布3の高
密度部分3cは青色から淡青色へ変化していった。最終
段階である酢酸イソブチルの芳香臭が消失した時点で
は、不織布3全面が不織布3の元色である白色へ変化し
た。また、この表示材料丙を斜めに載置して、または垂
直に吊り下げて観察したところ、高密度部分3cの色変
化と低密度部分3dの色変化とは、上述したと同様に前
後して起こることが確認された。
【0106】このように、上記の表示材料では、段階的
に青色、淡青色、白色に変化するのが保持体である不織
布3の左半分、右半分で前後して起こるため、変色の程
度を比較して確認でき、油状物質(酢酸イソブチル)の
揮散の程度を明瞭に表示できた。また、この表示材料は
設置場所や設置方法を選ばず使用可能であった。
【0107】実施例38 不織布における高密度部分を、当該不織布における平面
視上の略中央部に円形に形成した以外は実施例37と同
様にして、表示材料15を作製した。図4に示すよう
に、上記の表示材料15においては、不織布16が、油
状物質含浸後の高密度部分16aと低密度部分16bと
からなる。不織布16の高密度部分16aは平面視上円
形を呈し、当該高密度部分16aは不織布16の平面視
上の略中央部に形成されている。一方、不織布16の低
密度部分16bは高密度部分16aの周囲にあり、当該
低密度部分16bは高密度部分16aを囲繞している。
高密度部分16a、低密度部分16bのいずれにおいて
も、不織布16の片面に設けられている着色樹脂層17
の濃青色が保持体である不織布16側から明瞭に見るこ
とができた。
【0108】上記の表示材料15においては、不織布1
6に含浸させた酢酸イソブチル(図4中には図示せず)
は高密度部分16aおよび低密度部分16bの双方から
揮散するわけであるが、高密度部分16aからの酢酸イ
ソブチルの揮散に伴って、低密度部分16bに含浸して
いた酢酸イソブチルが高密度部分16aへ自然に効率よ
く移行する。そのため、不織布16側から着色樹脂層1
7側をみたとき、高密度部分16aは実施例24におけ
る高密度部分3cよりも長期に亘って濃青色に目視され
た。さらに、低密度部分16bにおいて酢酸イソブチル
が消失し終えて当該低密度部分16bが白色に目視され
るようになった後でも、高密度部分16aはしばらくの
間、濃青色に目視されたが、その後急速に白色へと変化
した。高密度部分16aの色変化と低密度部分16bの
色変化とは、この表示材料15を水平に載置しても、斜
めに載置しても、あるいは垂直に吊り下げても、上述の
ように前後して起こることが確認された。尚、高密度部
分16aの表面の面積を0.2cm2より小さくすると
目視での色変化が明瞭には識別出来なかった。
【0109】このように、上記の表示材料15では、油
状物質(酢酸イソブチル)の揮散に伴う色変化の度合い
が高密度部分16aと低密度部分16bとで大きく異な
るため、油状物質(酢酸イソブチル)の揮散の程度をよ
り明瞭に表示できた。また、この表示材料15は、設置
場所や設置方法を選ばず使用可能なものであった。
【0110】実施例39 保持体としての不織布を、アクリル繊維(三菱レイヨン
社製、2d、3mm)50重量部と熱融着繊維(大和紡
社製、NBF−E、3d、5mm)50重量部の配合
で、円網抄紙機を用いた湿式抄紙法により作製した。作
製した不織布の坪量は50g/m2で、密度は0.3g
/cm3であった。
【0111】得られた不織布の片面にエンボス加工を行
った。エンボスロールは線状凸部の頻度がエンボスロー
ル円周方向、それと直交する方向共に15本/1cmで
凸部の高さが100μmの絹目状のエンボスであり、ロ
ール表面温度は60℃、線圧50kg/cmの条件で行
った。
【0112】得られた不織布のエンボス加工された面同
士を実施例16と同様に着色樹脂層により貼り合わせ、
得られた保持体の片面に実施例16と同様にエンボス加
工を行い、実施例1と同様にして油状物質(酢酸イソブ
チル)を含浸させ、表示材料乙を得た。評価結果を表6
に示す。
【0113】
【発明の効果】以上、実施例および比較例を挙げて詳述
した様に、本発明によれば、設置場所や設置方法を選ば
ず、表示材料の両面から油状物質の揮散が可能である為
に揮散速度が速く、両面から揮散状態が目視出来る表示
材料を提供することが出来る。特に表面がエンボス加工
されている場合では、油状物質の消滅時点のみならず、
経時での当該油状物質の揮散状態が斑状にならず明瞭に
両面からも表示することが出来る表示材料を提供するこ
とが出来る。特に、繊度が2デニール以下の細デニール
繊維を含む不織布を保持体として用いた本発明の表示材
料では、油状物質の液漏れの問題無く比較的多量の油状
物質を含有することが出来、揮散の程度も明瞭に表示す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例37で作製した不織布−着色層積層物の
概略を示す斜視図である。
【図2】実施例37で作製した表示材料の概略を示す斜
視図である。
【図3】実施例37で作製した表示材料の使用時におけ
る部分的な変色状態を概略的に示す斜視図である。
【図4】実施例38で作製した表示材料の概略を示す斜
視図である。
【図5】表示材料甲又は乙の好ましい具体例の概略を示
す断面図である。
【図6】表示材料甲又は乙の他の好ましい具体例の概略
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 不織布−着色層積層物 2 着色樹脂層 3 不織布 3a 高密度部分 3b 低密度部分 3c 油状物質含浸後の高密度部分 3d 油状物質含浸後の低密度部分 4 不織布 11 表示材料乙 15 表示材料乙 16 不織布 16a 油状物質含浸後の高密度部分 16b 油状物質含浸後の低密度部分 17 着色樹脂層 21 不織布 21a 着色樹脂層が設けられている側の不織布面 21b 着色樹脂層が設けられている側とは反対の側の
不織布面 22 着色樹脂層 23 不織布 24 印刷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 C09K 3/00 Y D21H 27/00 D21H 5/00 Z (72)発明者 池沢 正義 東京都台東区東上野2丁目21番14号株式会 社白元内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持体中に常温揮発性または加温揮発性
    の油状物質を含浸せしめ、前記油状物質の経時的揮散に
    より保持体表面から見た色が変化する表示材料におい
    て、前記保持体が光に対して低屈折率の不織布同士を着
    色樹脂層により貼り合わせたものであることを特徴とす
    る表示材料。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の不織布の貼り合わせた
    面の反対面が5個/1cm以上の頻度で線状か点状の何
    れか、又は両方の凸部の有るエンボスロールで加工され
    ていることを特徴とする請求項1記載の表示材料。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の不織布の貼り合わせた
    面の反対面があらゆる方向で5個/1cm以上の頻度で
    線状凸部の有るエンボスロールで加工されている不織布
    よりなることを特徴とする請求項2記載の表示材料。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の不織布の貼り合わせた
    面の反対面が10個/1cm以上の頻度で線状か点状の
    何れか、又は両方の凸部の有るエンボスロールで加工さ
    れている不織布よりなることを特徴とする請求項2記載
    の表示材料。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方の不織布の貼り合わせた
    面と反対側の面があらゆる方向で10個/1cm以上の
    頻度で線状凸部の有るエンボスロールで加工されている
    不織布よりなることを特徴とする請求項2記載の表示材
    料。
  6. 【請求項6】 エンボスロールの表面温度が40℃以上
    であることを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか1
    項に記載の表示材料。
  7. 【請求項7】 不織布が、繊度が2デニール以下の細デ
    ニール繊維を含む不織布よりなることを特徴とする請求
    項1〜請求項6の何れか1項に記載の表示材料。
  8. 【請求項8】 不織布が、繊度が2デニール以下の細デ
    ニール繊維を9〜100重量%含む、請求項1〜請求項
    7のいずれか1項に記載の表示材料。
  9. 【請求項9】 不織布が、繊度が2デニール以下の細デ
    ニール繊維を20〜100重量%含む、請求項1〜請求
    項8のいずれか1項に記載の表示材料。
  10. 【請求項10】 不織布が、繊度が1デニール以下の細
    デニール繊維を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1
    項に記載の表示材料。
  11. 【請求項11】 不織布が熱融着繊維を含む、請求項1
    〜請求項10のいずれか1項に記載の表示材料。
  12. 【請求項12】 不織布が湿式抄紙法によって製造され
    た不織布を材料とするものである、請求項1〜請求項1
    1のいずれか1項に記載の表示材料。
  13. 【請求項13】 不織布の貼り合わせる面が5個/1c
    m以上の頻度で凸部の有るエンボスロールで加工されて
    いる不織布を材料とするものである、請求項1〜請求項
    12のいずれか1項に記載の表示材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021000989A (ja) * 2020-09-17 2021-01-07 東洋紡株式会社 自動車内装材およびその製造方法

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JP2021000989A (ja) * 2020-09-17 2021-01-07 東洋紡株式会社 自動車内装材およびその製造方法

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