JPH11209742A - 揮発性油状物質保持体および期間表示材料 - Google Patents

揮発性油状物質保持体および期間表示材料

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JPH11209742A
JPH11209742A JP10015177A JP1517798A JPH11209742A JP H11209742 A JPH11209742 A JP H11209742A JP 10015177 A JP10015177 A JP 10015177A JP 1517798 A JP1517798 A JP 1517798A JP H11209742 A JPH11209742 A JP H11209742A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
oily substance
volatile
impregnated
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JP10015177A
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English (en)
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Haruyoshi Funae
晴芳 船江
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防虫剤、芳香剤、消臭剤等の揮発性油状物質を
含浸する保持体、及び有効期限の終了時点を明瞭に表示
することができる期間表示材料を提供する。 【解決手段】本発明の揮発性油状物質保持体は、繊度が
2デニール以下の繊維、好ましくは1デニール以下の繊
維を5重量%以上含有する厚さ0.04〜0.50mm
の不織布をピッチ(P)が2〜10mm、高さ(H)が
1〜20mm、H/Dが3〜300、H/Pが0.2〜
10のプリーツ加工が施され、揮発性油状物質が含浸さ
れたものである。又、本発明の期間表示材料は、繊度が
2デニール以下の繊維、好ましくは1デニール以下の繊
維を5重量%以上含有し、厚さ0.04〜0.50mm
である、光に対して低屈折率の不織布の片面に、一部又
は全面が着色されている着色層が設けられ、プリーツ加
工が施され、揮発性の油状物質が含浸されたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭剤、芳香剤、
防カビ剤、殺虫剤、防虫剤等に用いられる揮発性油状物
質保持体および期間表示材料に係り、特に、不織布にプ
リーツ加工を施した揮発性油状物質保持体および期間表
示材料に関する。
【0002】
【従来の技術】常温揮発性または加温揮発性の油状物質
を有効成分として用い、当該有効成分を所定の保持体に
含浸させた消臭剤、芳香剤、防カビ剤、殺虫剤、防虫剤
等は、取扱い性が良い、性能が優れている等の利点によ
り、従来から用いられている揮発性のゲルまたは固体を
有効成分とするものに代わって用いられてきている。
【0003】しかしながら、従来の不織布では油状物質
に対する保液性は比較的低い。すなわち、不織布の不織
布空隙量と同量以下の油状物質を当該不織布に含浸させ
たときに、前記の油状物質が漏れ出ないようにこれを保
持する能力が比較的低い。このため、揮散期間が短か
く、長くするためには面積を広くする必要が有った。
【0004】又、上記の揮発性油状物質の中には無臭の
ものが多く、当該無臭の揮発性物質を保持体中に含浸さ
せて利用した場合、その残存量はおろかその消滅時点さ
えも人の嗅覚によって確認するのは困難である。又、臭
覚は人により、慣れによりその程度が異なるため、油状
物質の残存量や消滅時を視覚を通じて利用者に知らせる
ことが可能な表示材料が種々開発されている。このよう
な表示材料のうちで、上記の油状物質を不織布に含浸さ
せてその経時的揮散の程度を視覚を通じて利用者に知ら
せることが可能な表示材料としては、次の2つが提案さ
れている。
【0005】1つは、油液(油状物質)含有時に透明状
に変性される油液透過性の紙状材(不織布を含む)の一
片面を表示面とし、この紙状材の他面上に油液不透過性
の模様層を全面乃至は部分的に形成することによって基
材となし、この基材中に常温揮発性の油液性防虫剤を含
有させた防虫能表示兼用防虫材である(特公平4−36
122号公報参照)。
【0006】この防虫能表示兼用防虫材では、紙状材に
油液性防虫剤が含有されているときには当該紙状材が透
明状に変性することから、その背面に設けられている模
様層を目視し得るが、油液の揮散に伴って紙状材が徐々
に元来の不透明状態となることから、その背面に設けら
れている模様層が徐々に目視できなくなる。したがっ
て、紙状材側から目視することができる模様層の程度に
よって、その利用者は油液(防虫薬剤)の経時的揮散の
程度を視覚を通じて知ることが可能である。
【0007】他の1つは、常温揮散性液剤を含有する液
剤浸透性の基材シート(不織布を含む)の面上であって
上記含有液剤の揮散の早遅に対応した部分に順に、上記
液剤が浸透したときに透明状に変性される着色料を期間
表示層として層状に塗布した期間表示器である(実開平
5−14983号公報参照)。この期間表示器は、常温
揮散性液剤を含有させた基材シートを水平に保持すると
常温揮散性液剤が当該基材シート面上の縁部から順に揮
散し易く、常温揮散性液剤を含有させた基材シートを鉛
直面に沿って保持すると常温揮散性液剤が基材シートの
上部から順に揮散し易いことを利用したものであるの
で、当該期間表示器について予め想定した設置方法に応
じて、所定形状の期間表示層が順に設けられる。
【0008】上記の期間表示器では、基材シートに液剤
が含有されているときには当該液剤が期間表示層にも浸
透することから期間表示層は透明状を呈するが、基材シ
ート中の液剤の揮散に伴って期間表示層に浸透する液剤
の量が減少し、これに伴って期間表示層が目視できるよ
うになる。したがって、どの期間表示層まで目視できる
ようになったかによって、その利用者は液剤の経時的揮
散の程度を視覚を通じて知ることが可能である。
【0009】しかしながら、従来の不織布に常温揮発性
または加温揮発性の油状物質を含浸させた場合、当該不
織布からの油状物質の揮散は均一には起こらない。この
ため、紙状材として従来の不織布を用いて上述した防虫
能表示兼用防虫材と同一構成の表示材料を作製した場合
には、油状物質の揮散に伴って紙状材の背面に設けられ
ている模様層が徐々に目視できなくなるものの、その見
え方は紙状材(不織布)の部分部分で異なり、斑に見え
る。そのため、このような表示材料では経時での油状物
質の揮散の程度を明瞭に表示することが困難である。
【0010】また、従来の不織布の油状物質に対する保
液性は比較的低い。すなわち、不織布の不織布空隙量と
同量以下の油状物質を当該不織布に含浸させたときに、
前記の油状物質が漏れ出ないようにこれを保持する能力
が比較的低い。このため、紙状材として従来の不織布を
用いて上述した防虫能表示兼用防虫材と同一構成の表示
材料を作製した場合には、比較的少量の油状物質しか表
示材料中に含有させることができない。又、揮散速度は
表面積に比例するので広い面積が必要となり、作業性が
悪く、シート状の表示材料を保護する容器も必要とな
る。
【0011】一方、基材シートとして従来の不織布を用
いて上述した期間表示器と同一構成の表示材料を作製し
た場合でも、油状物質の経時的揮散の程度は期間表示層
によって比較的明瞭には表示されない。また、当該表示
材料においても比較的少量の油状物質しか含有させるこ
とができない。さらに、当該表示材料の作製時に想定し
ていた設置方法以外の方法で設置された場合、例えば斜
めや上下逆に設置された場合には、実際に経過した期間
とは異なる期間を示す期間表示層が目視されることとな
るので、その設置場所や設置方法が制限される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】揮発性の油状物質に対
する保液性が高く、製造時の作業性の問題も無く、嵩張
らない、見栄えの良い揮発性油状物質保持体、および期
間表示材料の開発が望まれていた。
【0013】
【発明を解決するための手段】本発明の揮発性油状物質
保持体は、繊度2デニール以下の繊維を5重量%以上含
有し、JIS−P8118による厚さ(D)が0.04
〜0.50mmの不織布をピッチ(P)が2〜10m
m、高さ(H)が1〜20mm、かつH/Dが3〜30
0、H/Pが0.2〜10のプリーツ加工が施され、揮
発性油状物質が含浸されたものである。
【0014】又、本発明の揮発性油状物質保持体は、不
織布が繊度1デニール以下の繊維を5重量%以上含有す
るものである。
【0015】又、本発明の揮発性油状物質保持体は、不
織布が片面の一部または全面に透明樹脂層を設けたもの
である。
【0016】本発明の期間表示材料は、繊度2デニール
以下の繊維を5重量%以上含有し、JIS−P8118
による厚さ(D)が0.04〜0.50mmである光に
対して低屈折率の不織布の片面の一部または全面に着色
層を設け、ピッチ(P)が2〜10mm、高さ(H)が
1〜20mm、かつH/Dが3〜300、H/Pが0.
2〜10のプリーツ加工が施され、揮発性油状物質が含
浸されたものであり、前記不織布側から前記着色層側を
見たときに、前記揮散性物質の経時的揮散により前記着
色層が目視可能な状態から前記不織布によって隠ぺいさ
れた状態へと移行するものである。
【0017】又、本発明の期間表示材料は、不織布が繊
度1デニール以下の繊維を5重量%以上含有するもので
ある。
【0018】又、本発明の期間表示材料は、着色層が着
色された樹脂層であるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。先ず、本発明の揮発性油状物質保持
体(以下、「本発明の保持体」と記すことがある)につ
いて説明する。図1は、不織布1をプリーツ加工し、シ
ート状の板紙又は樹脂板2に接着剤で貼りつけた後に揮
発性油状物質(図示せず)を含浸させたものである。図
2は不織布1の片面に透明樹脂層3を設けた後プリーツ
加工し、シート状の板紙又は樹脂板2に接着剤で貼りつ
け、揮発性油状物質(図示せず)を含浸させたものであ
る。
【0020】続いて、本発明の期間表示材料について説
明する。図3は、光に対して低屈折率の不織布4に着色
層5を設けた後プリーツ加工した保持体をシート状の板
紙又は樹脂板2に接着剤で貼りつけ、揮発性油状物質
(図示せず)を含浸させたものである。
【0021】本発明の揮発性油状物質保持体及び期間表
示材料は、繊度2デニール以下の繊維を5重量%以上含
む不織布を用いたものである。好ましくは不織布の5重
量%以上が繊度1デニール以下の繊維であり、より好ま
しくは30重量%以上が繊度1デニール以下の繊維を含
む不織布を用いたものである。
【0022】揮発速度は一般的には面積に比例するが、
従来は揮発性油状物質保持体及び期間表示材料は平面状
で使用されており、揮発速度を速くする為には、保持体
の面積を広げる必要が有り、取り扱いが不便であった
が、プリーツ加工することにより、見栄えが良く、嵩張
らないで同等の揮発速度が得られる。
【0023】揮発性油状物質保持体及び期間表示材料を
使用する際に横で広い平面を取れないで縦にして使用す
る場合が有る。その場合には油状物質が液垂れを起こす
以外に保持体の上部と下部で油状物質が不均一となる危
険が有るが、本発明の条件でプリーツ加工することによ
りそのような問題は大幅に改良される。
【0024】プリーツ加工した、揮発性油状物質を含浸
する前の保持体及び期間表示材料は元の平面状に戻らな
いように板紙、又は樹脂板に接着剤で貼りつけて固定す
る方が好ましく、取り扱いも容易になる。
【0025】プリーツ加工は表面温度が50〜160℃
のギヤ状凹凸ロールの間に不織布を通すことにより加工
される。50℃より低いと折れ目がはっきりせず、16
0℃より高いと不織布が密になりやすく、空隙が少なく
なるので油状物質の含浸量が少なくなる。
【0026】プリーツ加工時の加圧は一般的には線圧2
0kg/cm以上であり、凸部の高さ、表面温度や加工
速度、不織布で使用する繊維の種類等により適時決めら
れる。
【0027】本発明のプリーツ加工のピッチ(P)は2
〜10mmであり、高さ(H)は1〜20mmであり、
H/Pは0.2〜10である。
【0028】Pが2mmより小さいと均一なプリーツ加
工が難しく、きれいにひだ折りが出来ない。Hも1mm
より小さいと加工後に安定性が悪い。Pが10mmより
大きいと後加工で安定性が悪い。Hが20mmより大き
いと安定性が悪く、後加工しにくい。H/Pが0.2よ
り小さいとプリーツ加工することによる揮散速度を増や
す効果が小さく、10より大きいとひだ同士がくっつき
やすくなり、揮散速度の安定性に欠ける。
【0029】本発明の不織布の厚さ(D)とピッチ
(P)の比H/Dは3〜300である。
【0030】H/Dが3より小さい場合、即ちHと比較
してDが大きい場合やHが小さい場合にはプリーツ加工
しにくく、プリーツ効果が小さくなる。逆に300より
大きい場合、即ちHに比較してDが小さい場合やHが大
きい場合はひだ同士がくっつきやすくなる他、揮発性物
質の保持性に劣り、液垂れや局在化しやすくなる。
【0031】ここで、本発明の期間表示材料で「光に対
して低屈折率の不織布」とは、当該不織布を構成してい
る繊維の屈折率が低いことを意味し、屈折率の値として
は2.0以下が好ましく、より好ましくは1.7以下で
ある。
【0032】上記の不織布は、元来は不透明であるが後
述する揮散性の液状物質を含浸させたときには実質的に
透明化して、当該不織布の片面に設けられている着色層
の色を不織布側から容易に目視することができるもので
あれば良い。当該不織布を構成している繊維の屈折率
は、含浸させようとする油状物質の屈折率に近似してい
ることが好ましいが、油状物質を含浸させたときに不織
布全体が実質的に透明化しさえすれば、当該不織布は実
質的に不透明の繊維を含有していても良い。
【0033】本発明で用いる不織布には織度が2デニー
ル以下の細デニール繊維を5重量%以上含む。
【0034】本発明の保持体及び期間表示材料を構成す
る不織布に「繊度が2デニール以下の細デニール繊維を
5重量%以上含む不織布」が用いられる理由は、次の通
りである。すなわち、繊度が2デニールを超える繊維に
よって不織布が構成されている場合には、その繊維間に
油状物質を保持する能力が低いために、当該不織布に油
状物質を含浸させても油状物質が漏れ出てしまい易く、
特に地面に対して垂直に立てて置いたり、吊り下げたり
した場合は油状物質が下方向に垂れてしまい易い。しか
しながら、不織布中に上記の細デニール繊維を5重量%
以上含ませることにより油状物質をより強く、より均一
に保持させることが可能になり、これにより、不織布に
含浸させた油状物質をより均一に揮散させることが可能
になる。油状物質が均一に揮散した場合には、最終的に
得られる期間表示材料において着色層が目視可能な状態
から隠ぺい状態へと移行する過程が均一に起こり、期間
表示材料としての色変化が明瞭となる結果、経時での油
状物質の残量をより明瞭に表示することが可能になる。
【0035】本発明の不織布中に占める上記の「繊度が
2デニール以下の細デニール繊維」の割合は5〜100
重量%であり、特に30〜100重量%であることが好
ましい。また、上記の細デニール繊維は、繊度が1デニ
ール以下であることが好ましい。特に30〜100重量
%であれば最も好ましい。
【0036】細デニール繊維としては、後述する揮発性
の油状物質をできるだけ均一に保持することができる不
織布を得るうえから、形状が一定でストランド状である
人造繊維が好ましく、特にアクリル,ポリエステル,ポ
リプロピレン,ビニロン,ナイロン等の人造繊維が好ま
しい。
【0037】元来は不透明であるが油状物質を含浸させ
たときには実質的に透明化する不織布を得る場合には、
上記の細デニール繊維は白色顔料を含有した繊維(S
D:セミダル,D:ダル)のような不透明繊維であって
も良いが、二酸化チタン等の白色顔料を全く含まないか
または殆ど含まない実質的に透明な繊維(SB:スーパ
ーブライト,B:ブライト)であることが好ましい。実
質的に透明な繊維と不透明繊維とは、併用しても良い。
【0038】上述した細デニール繊維を含む不織布は、
如何なる方法により製造されたものでも良いが、比較的
低密度の不織布が製造できる乾式法よりも、非常に均一
な不織布を製造することができ、かつ、不織布の密度調
整が容易であるという点から、湿式抄紙法によって製造
されたものがより好ましい。ここでいう湿式抄紙法と
は、水中に繊維を低濃度で分散させ、必要に応じて分散
剤,粘剤,凝集剤等の添加剤を加えた後、円網抄紙機,
長網抄紙機,傾斜型抄紙機,あるいは2種以上の抄紙機
を組み合わせたコンビネーション型抄紙機を用いて不織
布を製造する方法をいう。湿式抄紙法により目的とする
不織布を製造した場合には、繊維分布の均一性つまり地
合いが非常に良い不織布を得ることができ、このような
不織布に後述する油状物質を含浸させた場合には当該油
状物質の分布がより均一となり、従って油状物質の揮散
の程度もより均一化する。その結果として、最終的な用
途として期間表示材料の場合は着色層が目視可能な状態
から隠ぺい状態へと移行する過程がより均一に起こり、
期間表示材料としての変化がより明瞭となる。
【0039】不織布の製造にあたっては、上述した細デ
ニール繊維のみを材料として用いてもよいし、上述した
細デニール繊維以外の繊維、例えば、バインダー機能を
有する繊維や繊度が2デニールを超える人造繊維、ある
いは木材パルプ,木綿,麻等の天然繊維を併用しても良
い。特に、バインダー機能を有する繊維の併用は不織布
に強度を持たせるうえから好ましい。バインダー繊維と
しては、熱により一部または全部が軟化ないし溶融して
隣接する繊維と融着する熱融着繊維,熱水によって一部
または全部が溶解し、乾燥する際に繊維同士を結合させ
るビニロン系バインダー繊維等が好ましく用いられる。
一方、天然繊維を併用する場合には、当該天然繊維は後
述する油状物質によって完全に濡らすことが困難であ
り、油状物質で濡れない部分は白く不透明化するので、
後述する油状物質を含浸させたときに実質的に透明化す
る不織布が得られるように、その使用量を適宜選択す
る。
【0040】なお、期間表示材料を構成する不織布中に
は、最終的に得られる期間表示材料において着色層が目
視可能な状態から隠ぺい状態へと移行する過程がより明
瞭に目視されるように、多孔性シリカに代表される無機
顔料等の光に対する屈折率が低い物質を含有させても良
い。また、製造した不織布には、所望の特性を有するよ
うに熱処理,樹脂含浸,カレンダー処理等の後処理を施
しても良い。湿式抄紙法により不織布を製造した場合に
は、不織布を構成している繊維同士を互いに絡み合わせ
ることによって当該不織布の強度を更に高めることを目
的として、カード法,ニードルパンチ法,スパンレース
法等による後処理(二次加工)を行ってもよい。
【0041】上述した本発明の油状物質保持体及び期間
表示材料に使用する不織布の目付は、厚さが0.04〜
0.50mmであれば特に制限は無いが、含浸させよう
とする油状物質の量に応じて異なり、一般に10〜15
0g/m2程度である。また、不織布の密度は0.1〜
0.5g/cm3が好ましい。密度が0.1g/cm3
りも低い場合には油状物質を保持する能力に劣り、液垂
れする恐れがあるので好ましくない。また、密度が0.
5g/cm3よりも高い場合には、油状物質を保持する
能力に問題はないが、単位面積当たりの油状物質の保液
量が少なくなるので、長期の期間表示材料を得るために
は非常に大きな面積の表示材料(不織布)が必要とな
る。不織布の単位面積当たりの油状物質の保液量は、概
ね当該不織布の持つ不織布空隙量以下であるので、期間
表示材料を構成する不織布の不織布空隙量は実用上30
cm3/m2程度以上であることが好ましく、特に50〜
1800cm3/m2であることが好ましい。ここで、不
織布空隙量とは次式によって求めた数値を意味する。
【0042】
【数1】NS=G(1/D−1/FD) NS:不織布空隙量(cm3/m2) G:不織布の坪量(g/m2) D:不織布の密度(g/cm3) FD:繊維の密度(g/cm3
【0043】本発明の期間表示材料においては、上述し
た光に対して低屈折率の不織布の片面又は透明樹脂層面
に着色された着色層が設けられている。この着色層は、
上述した不織布に含浸させる油状物質に対して耐性を有
する事が必要で、上述した不織布に含浸させる油状物質
に溶解する物質は好ましくない。着色層としては、有色
インクの印刷層を設ける場合の他、加工のし易さ、及び
着色または更に印刷する場合の印刷のし易さ等から熱可
塑性樹脂よりなる樹脂層を設けるのが好ましい。中でも
ポリオレフィン樹脂は、ほとんどあらゆる油状物質に対
して耐性を有し、かつ、溶融ラミネート適性および均一
なフィルム形成能を有するという点で、樹脂層の材料と
して好ましい。ポリオレフィン樹脂の中でもさらに好ま
しくは、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂であ
る。
【0044】期間表示材料の不織布の一部または全面が
着色された着色層を形成する方法の具体例としては、例
えば下記(1)の着色された樹脂被覆層を設ける方法、
(2)の印刷による方法や、(3)の着色不織布による
方法が挙げられる。
【0045】(1)不織布の片面に、全面が着色された
樹脂被覆層を直接形成する方法 この方法での上記全面が着色された樹脂被覆層の形成
は、接着剤を用いる方法や溶融押出塗工法等によって行
うことができる。接着剤を用いる方法による上記全面が
着色された樹脂被覆層の形成は、例えば、着色された塗
布液による塗布法や、全面が着色されている樹脂フィル
ムをドライラミネート法やウェットラミネート法等によ
って不織布の片面に接着させることにより行うことがで
きる。また、溶融押出塗工法による上記全面が着色され
た樹脂被覆層の形成は、例えば、無色の熱可塑性樹脂と
群青,コバルトブルー等の有色顔料を高濃度に分散させ
たマスターバッチとを押出塗工機内で溶融混合し、この
混合物を不織布の片面に溶融押出塗工することによって
行うことができる。
【0046】上述した(1)の方法は、均一でピンホー
ルのない樹脂層が得られるという点から、溶融押出塗工
法がより好ましく用いられる。
【0047】(2)不織布の片面の一部か全面に有色イ
ンクによる印刷層を設ける方法 この方法では印刷層だけを設ける為、着色層の反対側か
らの色鮮明性は(1)の方法に若干劣るが、不織布の着
色印刷層を設けた面からも含浸する油性物質が揮散する
為、揮散速度が大きくなり、防虫等の効果の発現が早い
ので、用途によってはこの方法が好ましく選択される。
【0048】着色された印刷層を設ける方法に特に制限
はなく、いかなる印刷法を用いても良いが、スクリーン
印刷法,グラビア印刷法,オフセット印刷法,凸版印刷
法,インクジェット印刷法等が用いられる。有色インク
も市販のものが適時選択されるが、印刷層が、不織布に
含浸する油性物質により溶解しないようなインク組成を
選択する。
【0049】(3)着色された繊維を用いた不織布と着
色されていない無色の繊維を用いた不織布とを抄き合わ
せか貼り合わせにより着色層と不織布を複合化する方法 この方法では着色層の色鮮明性は(1)の方法に若干劣
るが、(2)と同様に、着色した不織布からも含浸する
油性物質が揮散する為、揮散速度が大きくなり、防虫等
の効果の発現が早いので、用途によってはこの方法が好
ましく選択される。
【0050】本発明でいう「揮発性油状物質」とは、最
終的に得た期間表示材料および当該期間表示材料が使用
される場所の雰囲気近辺で揮発する油状物質を意味す
る。
【0051】上記の揮発性油状物質としては特に制限は
ないが、目的とする揮発性油状物質を含浸させた保持体
や期間表示材料の用途に応じて、例えば冷蔵庫では−5
℃揮発性の油状性芳香剤,油状性消臭剤等が用いられ
る。
【0052】揮発性油状物質の具体例としては、ベンズ
アルデヒド,α−ピネン,ゲラニオール,シトロネラー
ル,リナロール,リモネン,ベンジルアルコール,メン
トール酢酸リナリル,アミルシンナミックアルデヒド,
アンスラニン酸メチル,イソオイゲノール,カプロン酸
アリル,酢酸イソブチル,酢酸ベンジル,サリチル酸イ
ソアミル,シトラール,デシルアルデヒド,ヒドロキシ
シトロネラール,酢酸イソアミル等を成分とするもの
や、芳香消臭効果のある植物精油、例えばビターアーモ
ンド油,ヒノキ油,ナツメグ油,ゼラニウム油,ラベン
ダー油,ライム油,ペパーミント油,ベチパー油,スウ
ィートオレンジ油,タイム油等が挙げられる。
【0053】又、揮散速度の調節の為の保留剤として安
息香酸エチル、安息香酸ベンジル、ピペロナール又はフ
タル酸ジエチル等が用いられ、特に揮発性の高い油状物
質の揮散速度を遅くし、揮発を安定化する場合に好まし
い。
【0054】不織布中に揮発性の油状物質を含浸させる
方法に特に制限はないが、油状物質に不織布を浸漬した
後にプレス等を用いて搾って所定の含浸量に調整する方
法、不織布に油状物質をシリンジ等を用いて直接滴下し
て所定の含浸量に調整する方法等が一般には用いられ
る。このときの油状物質の含浸量は、当該油状物質を含
浸させることによって不織布の凹部が実質的に透明化す
る量であれば良く、この量は、不織布の不織布空隙量や
目的とする表示材料の用途等に応じて、概ね当該不織布
の不織布空隙量以下の範囲内で適宜選択可能である。
【0055】本発明の揮発性油状物質保持体は上述のよ
うにして揮発性油状物質を含浸させて用いる。又、本発
明の期間表示材料は、保持体に上述のようにして揮発性
の油状物質を含浸させることにより得られる。当該期間
表示材料や、揮発性油状物質を含浸した保持体は、この
状態のまま用いても良いが、一般的には揮発性油状物質
と回りの物との接触を避けるために、プラスチック,
紙,不織布、金属等の容器や袋の中に入れた後に所望す
る場所へ設置して使用することが好ましい。期間表示材
料の場合、容器の外から期間表示材料の変化、すなわ
ち、不織布側から着色層側をみたときの色変化が見てと
れるように、容器の一部に窓等を設置することが好まし
い。
【0056】上述した期間表示材料は、例えば油状物質
が揮発性芳香剤である場合には、そのまま倉庫内、室
内、車内、冷蔵庫内等に設置して使用することができ
る。また、油状物質が揮発性消臭剤である場合には、そ
のまま室内,トイレ内,玄関内,車内等に設置して使用
することができる。
【0057】上述のようにして使用される本発明の期間
表示材料では、光に対して低屈折率の不織布に十分な量
の揮発性油状物質が含浸しているときには当該不織布が
実質的に透明化して、不織布の片面に設けられている着
色層の色が不織布側から見てはっきりと認識出来る。油
状物質の揮散により光に対して低屈折率の不織布が不透
明化して最終的には不透明状態となるので、不織布から
樹脂層側を見たときには、油状物質の揮散により、樹脂
層が目視可能な状態から不織布によって隠ぺいされた状
態へと変化する。そして、不織布から着色層側を見たと
きに目視される色は着色層の色から不織布自身の色へと
変化する。すなわち、表示材料は、不織布に含浸させた
揮発性油状物質が揮散によりある程度より少なくなった
ら、着色層の色から不織布自身の色へと変化する。明確
に変化した時点が目視での終点である。
【0058】本発明の期間表示材料の場合、エンボスロ
ール等での処理により不織布に凹部を設ける場合には、
凹部の空隙量が少ないので終点近くまで着色層の色が不
織布を通して明瞭に目視出来、終点で急激に不織布の色
へと変化するので好ましい。
【0059】以上説明した本発明の期間表示材料は、不
織布に含浸している揮発性の油状物質の揮散量を示すイ
ンジケーターの機能を有しているものである。
【0060】本発明の期間表示材料では油状物質の揮散
に伴って不織布が光に対して低屈折率の不織布に変化す
るわけであるが、上記の不織布による着色層の隠ぺい性
は比較的高いものである。これらのことから、本発明の
期間表示材料は、設置場所や設置方法を選ばず、油状物
質の消滅時点を明瞭に表示することができる。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は以下の実施例に限られるものではな
い。なお、部とあるのは重量部を意味する。
【0062】実施例1〜6(揮発性油状物質保持体) 表1、表2に示す繊維配合で、円網抄紙機を用いた湿式
抄紙法により抄紙した後、実施例および比較例毎にウエ
ットプレスパート、乾燥パート、カレンダーパートを適
宜調節して、保持体としての不織布をそれぞれ作製し
た。元の色は白色を呈しており、屈折率は全ての不織布
において1.7以下であった。作製した各不織布の坪
量、厚さ及び密度を表1、表2に示した。
【0063】得られた各不織布についてピッチ(P)が
4mmで高さ(H)が6mm、H/Pが1.5でロール
表面温度が100℃でプリーツ加工を行った。150g
/m2の板紙に、プリーツ加工した状態でポリ酢酸ビニ
ル系接着剤で貼りつけて固定した。板紙の面積として5
cm×5cmに切り取り、それぞれに揮発性の油状物質
であるゲラニオールを100mg含浸させて本発明に包
含される実施例1〜6の揮発性油状物質保持体を得た。
【0064】実施例7(揮発性油状物質保持体) 表3で示す繊維配合で実施例1と同様にして保持体とし
ての不織布を作製した。元の色は白色を呈しており、屈
折率は全ての不織布において1.7以下であった。作製
した不織布の坪量、厚さ及び密度を表3に示した。
【0065】得られた不織布をピッチ(P)が4mmで
高さ(H)が12mm、H/Pが3でロール表面温度が
100℃でプリーツ加工を行った。150g/m2の板
紙に、プリーツ加工した状態でポリ酢酸ビニル系接着剤
で貼りつけて固定した。板紙の面積として5cm×5c
mに切り取り、それぞれに揮発性の油状物質であるゲラ
ニオールを30mg含浸させて本発明に包含される実施
例7の揮発性油状物質保持体を得た。
【0066】実施例8〜13(揮発性油状物質保持体) 実施例1でプリーツ加工条件を表5に示すように代えた
以外は同様にして本発明に包含される実施例8から13
の揮発性油状物質保持体を得た。
【0067】実施例14(揮発性油状物質保持体) 実施例1で用いた不織布の片面に低密度ポリエチレン
(日本ユニカー社製NUC8008)を樹脂温度320
℃にて溶融押出塗工して、透明樹脂層を形成した。溶融
押出塗工にあたっては溶融押出塗工機を用い、樹脂塗工
量は20g/m2とした。以後は実施例1と同様にして
プリーツ加工を施し、本発明に包含される揮発性油状物
質保持体を得た。
【0068】実施例15〜21(期間表示材料) 実施例1〜7で使用した不織布それぞれの片面に、低密
度ポリエチレン(日本ユニカー社製NUC8008)に
青色群青を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃
にて溶融押出塗工して、全面が濃青色に着色された着色
層を形成した。溶融押出塗工にあたっては溶融押出塗工
機を用い、樹脂塗工量は20g/m2とした。後は実施
例1と同様にしてプリーツ加工を施し、着色層を板紙側
にして貼りつけて固定した後は実施例1と同様にして本
発明に包含される実施例15〜21の期間表示材料を得
た。実施例21のみゲラニオールを30mg含浸させ
た。
【0069】実施例22(期間表示材料) 実施例15で用いた不織布の片面に樹脂を塗工する代わ
りにオフセット印刷で藍色インク(東洋インキ社製TS
P202藍)を用いて2μm程度の着色層を設けた。後
は実施例15と同様にしてプリーツ加工を施し、本発明
に包含される実施例22の期間表示材料を得た。
【0070】比較例1(揮発性油状物質保持体) 不織布に使用する繊維配合を表4に変更した以外は実施
例1と同様にしてゲラニオールを含浸させた揮発性油状
物質保持体を得た。
【0071】比較例2(揮発性油状物質保持体) 実施例1で不織布をプリーツ加工しないで板紙に貼りつ
けて固定し、後は実施例1と同様にしてゲラニオールを
含浸させた揮発性油状物質保持体を得た。
【0072】比較例3(揮発性油状物質保持体) 実施例1でプリーツ加工条件をPが2mm、Hが25m
m、H/Dが86、H/Pが12.5とした以外は実施
例1と同様にしてゲラニオールを含浸させた揮発性油状
物質保持体を得た。
【0073】比較例4(揮発性油状物質保持体) 実施例1でプリーツ加工条件をPが10mm、Hが1m
m、H/Dが3.4,H/Pが0.1とした以外は実施
例1と同様にしてゲラニオールを含浸させた揮発性油状
物質保持体を得た。
【0074】比較例5(揮発性油状物質保持体) 実施例7でプリーツ加工条件をPが4mm、Hが13m
m、H/Dが325、H/Pが3.3とした以外は実施
例7と同様にしてゲラニオールを含浸させた揮発性油状
物質保持体を得た。
【0075】比較例6(期間表示材料) 不織布に使用する繊維配合を表4に変更した以外は実施
例15と同様にしてゲラニオールを含浸させた期間表示
材料を得た。
【0076】比較例7(期間表示材料) 実施例15で不織布をプリーツ加工しないで板紙に貼り
つけて固定し、後は実施例15と同様にしてゲラニオー
ルを含浸させた期間表示材料を得た。
【0077】比較例8(期間表示材料) 実施例15でプリーツ加工条件をPが2mm、Hが25
mm、H/Dが86.2、H/Pが12.5とした以外
は実施例15と同様にしてゲラニオールを含浸させた期
間表示材料を得た。
【0078】比較例9(期間表示材料) 実施例15でプリーツ加工条件をPが10mm、Hが1
mm、H/Dが3.4,H/Pが0.1とした以外は実
施例15と同様にしてゲラニオールを含浸させた期間表
示材料を得た。
【0079】実施例1〜14および比較例1〜5で得ら
れた各揮発性油状物質保持体の性能についてはそれぞれ
以下の方法により判定し、評価した。結果を表6に示
す。
【0080】[保液性]20℃の環境で揮発性油状物質
保持体を垂直に吊り下げ、油状物質が保持体中に保持さ
れる程度を判定した。 ○:保持体中から油状物質が全く漏れ出なかった。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:保持体の下に油状物質の溜まりが認められた。 △〜×:△と×の中間性能を有していた。 ×:保持体から油状物質が漏れ出てきた。
【0081】[揮発速度]20℃、65%RHの環境で
揮発性油状物質保持体を板紙を下にして放置し、一週間
毎に重量を測定した。試験前の重量との差より揮発量を
計算した。
【0082】実施例15〜22および比較例6〜9で得
られた各期間表示材料の性能については、それぞれ以下
の方法により判定し、評価した。結果を表7に示す。
【0083】[不織布側からの着色層目視性]20℃の
環境で期間表示材料について不織布側から着色層側をみ
たときに、着色層の色がどの程度明瞭に目視できたかを
判定した。 ○:着色層の色が明瞭に認識できた。 ○〜△:○と△の中間の特性を有していた。 △:着色層の色はやや白色がかっていたが認識できた。 ×:着色層の色は認識できなかった。
【0084】[目視での終点明瞭性]期間表示材料を2
0℃の環境に放置して、不織布側から着色層側をみたと
きの終点が明確に判断されるかを判定した。 ○:期間表示材料は明瞭に終点を示した。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:期間表示材料はやや不明瞭であるが終点を示した。 △〜×:△と×の中間性能を有していた(全く使用に供
し得ない×とは異なる)。 ×:期間表示材料はほとんど色変化を示さなかった。
【0085】[揮発速度]20℃、65%RHの環境で
期間表示材料を板紙を下にして放置し、2日毎に重量を
測定した。各測定値の差より1日当たりの揮発量を計算
した。
【0086】[目視終点でのゲラニオール残量]期間表
示材料を20℃、65%RHの環境に放置して、不織布
側から着色層側をみたときの目視終点での全量からゲラ
ニオール含浸前の重量を引いてゲラニオール残量とし
た。残量が少ない程良好。
【0087】[保液性]20℃の環境で期間表示材料を
垂直に吊り下げ、油状物質が表示材料中に保持される程
度を判定した。 ○:期間表示材料中から油状物質が全く漏れ出なかっ
た。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:期間表示材料の下に油状物質の溜まりが認められ
た。 △〜×:△と×の中間性能を有していた。 ×:期間表示材料から油状物質が漏れ出てきた。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】
【表7】
【0095】評価:実施例1〜7の場合、繊度2デニー
ル以下の繊維を5重量%以上含有する不織布を使用した
実施例の蒸発性油状物質保持体は2デニール以下の繊維
を含有しない不織布を使用した比較例1の保持体よりも
保液性に優れ、特に繊度1デニール以下の繊維を多量に
使用した実施例1は特に優れている。繊度0.1dの繊
維を用いた実施例4は繊度1.5dや2.0dの繊維を
用いた実施例5,6に比較して保液性が良好である。
【0096】又、プリーツ加工を施した実施例1〜7の
場合はプリーツ加工を施さない比較例2と比べて揮発速
度が速いので、保持体を嵩張らない、よりコンパクトに
出来る。プリーツ加工条件のH/Pが0.2〜10の実
施例8〜13と比べ、0.1の比較例4はプリーツ加工
を施していない比較例2と同様に揮発速度が遅い。H/
Pが12.5の比較例3は揮発速度は速いが不織布のひ
だ同士がくっついて揮発速度が不安定であった。
【0097】H/Dが300の実施例7は保液性が下限
であった。H/Dが3の実施例8は揮発速度がやや遅か
った。H/Dが325の比較例5は保液性が悪く、使用
不可であった。
【0098】不織布に透明樹脂層を設けた実施例14は
プリーツ加工がしやすく、板紙との接着性も良好であ
る。保液性、揮発速度も、同じ不織布を用い、透明樹脂
層を設けない実施例1と同様に良好である。
【0099】実施例1〜7の不織布に着色層として着色
樹脂層を設けた実施例15〜21の期間表示材料は繊度
2デニール以下の繊維を含有しない比較例6と比べ、保
液性に優れ、目視での終点明瞭性に優れる。特に1デニ
ール以下の繊維を多量に使用した実施例15は特に優れ
ている。
【0100】プリーツ加工を施していない比較例7と比
べ、実施例15〜21の期間表示材料は揮発速度が速
く、嵩張らない、よりコンパクトな期間表示材料に出来
る。H/Pが12.5の比較例8は不織布のひだ同士が
くっついて揮発速度が不安定となる。H/Pが0.1の
比較例9はプリーツ加工していない比較例7と同様に揮
発速度が遅い。
【0101】着色層を印刷により設けた実施例22の期
間表示材料は着色樹脂層を設けた実施例15と比較して
目視での終点明瞭性に劣るが使用可能のレベルである。
【0102】
【発明の効果】以上、実施例および比較例を挙げて詳述
した様に、本発明の揮発性油状物質保持体は保液性に優
れ、揮発速度が速いのでより嵩張らなくコンパクトに出
来るものである。又本発明の期間表示材料は、設置場所
や設置方法を選ばず、油状物質の揮散終点を明瞭に目視
出来、嵩張らないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の揮発性油状物質保持体の概略図であ
る。
【図2】本発明の揮発性油状物質保持体の概略断面図で
ある。
【図3】本発明の期間表示材料の概略図である。
【符号の説明】 1 不織布 2 板紙又は樹脂板 3 透明樹脂層 4 不織布 5 着色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度2デニール以下の繊維を5重量%以
    上含有し、JIS−P8118による厚さ(D)が0.
    04〜0.50mmの不織布をピッチ(P)が2〜10
    mm、高さ(H)が1〜20mm、かつH/Dが3〜3
    00、H/Pが0.2〜10のプリーツ加工が施され、
    揮発性油状物質が含浸されていることを特徴とする揮発
    性油状物質保持体。
  2. 【請求項2】 不織布が繊度1デニール以下の繊維を5
    重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の揮
    発性油状物質保持体。
  3. 【請求項3】 不織布が片面の一部または全面に透明樹
    脂層を設けたものであることを特徴とする請求項1記載
    の揮発性油状物質保持体。
  4. 【請求項4】 繊度2デニール以下の繊維を5重量%以
    上含有し、JIS−P8118による厚さ(D)が0.
    04〜0.50mmである光に対して低屈折率の不織布
    の片面の一部または全面に着色層が設けられ、ピッチ
    (P)が2〜10mm、高さ(H)が1〜20mm、か
    つH/Dが3〜300、H/Pが0.2〜10のプリー
    ツ加工が施され、揮発性油状物質が含浸されており、前
    記不織布側から前記着色層側を見たときに、前記揮発性
    油状物質の経時的揮散により前記着色層が目視可能な状
    態から前記不織布によって隠ぺいされた状態へと移行す
    ることを特徴とする期間表示材料。
  5. 【請求項5】 不織布が繊度1デニール以下の繊維を5
    重量%以上含有することを特徴とする請求項4記載の期
    間表示材料。
  6. 【請求項6】 着色層が着色された樹脂層であることを
    特徴とする請求項4記載の表示材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016534826A (ja) * 2013-08-23 2016-11-10 アメリカン フェルト アンド フィルター カンパニー 芳香性ウエハー
JP2018103537A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 パイロットインキ株式会社 変色性芳香材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016534826A (ja) * 2013-08-23 2016-11-10 アメリカン フェルト アンド フィルター カンパニー 芳香性ウエハー
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