JPH10330204A - 期間表示材料 - Google Patents

期間表示材料

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JPH10330204A
JPH10330204A JP14200497A JP14200497A JPH10330204A JP H10330204 A JPH10330204 A JP H10330204A JP 14200497 A JP14200497 A JP 14200497A JP 14200497 A JP14200497 A JP 14200497A JP H10330204 A JPH10330204 A JP H10330204A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
display material
oily substance
period display
colored layer
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JP14200497A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Takahiro Tsukuda
貴裕 佃
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防虫剤、芳香剤、消臭剤等の有効期限の終了時
点を明瞭に表示することができる期間表示材料を提供す
る。 【解決手段】本発明の期間表示材料の1つは、光に対し
て低屈折率不織布の片面に、一部又は全面が着色されて
いる着色層を設け、他の片面に有効期限の終了を示す文
字、記号等の凹部を設け、残った凸部に着色層と同系色
で印刷し、揮発性の油状物質を含浸せしめたものであ
る。他の1つは不織布と着色層の間に透明樹脂層を設け
たものである。好ましくは繊度が1デニール以下の繊維
を含むものである。特に凹部をエンボス加工により設
け、60〜160℃で加工したものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭剤、芳香剤、
防カビ剤、殺虫剤、防虫剤等に用いられる揮発性の油状
物質の有効期限を明示する期間表示材料に係り、特に、
油状物質を不織布に含浸させた期間表示材料に関する。
【0002】
【従来の技術】常温揮発性または加温揮発性の油状物質
を有効成分として用い、当該有効成分を所定の保持体に
含浸させた消臭剤、芳香剤、防カビ剤、殺虫剤、防虫剤
等は、取扱い性が良い、性能が優れている等の利点によ
り、従来から用いられている揮発性のゲルまたは固体を
有効成分とするものに代わって用いられてきている。上
記の油状物質の中には無臭のものが多く、当該無臭の油
状物質を保持体中に含浸させて利用した場合、その残存
量はおろかその消滅時点さえも人の嗅覚によって確認す
るのは困難である。又、臭覚は人により、慣れによりそ
の程度が異なるため、油状物質の残存量や消滅時を視覚
を通じて利用者に知らせることが可能な表示材料が種々
開発されている。このような表示材料のうちで、上記の
油状物質を不織布に含浸させてその経時的揮散の程度を
視覚を通じて利用者に知らせることが可能な表示材料と
しては、次の2つが提案されている。
【0003】1つは、油液(油状物質)含有時に透明状
に変性される油液透過性の紙状材(不織布を含む)の一
片面を表示面とし、この紙状材の他面上に油液不透過性
の模様層を全面乃至は部分的に形成することによって基
材となし、この基材中に常温揮発性の油液性防虫剤を含
有させた防虫能表示兼用防虫材である(特公平4−36
122号公報参照)。
【0004】この防虫能表示兼用防虫材では、紙状材に
油液性防虫剤が含有されているときには当該紙状材が透
明状に変性することから、その背面に設けられている模
様層を目視し得るが、油液の揮散に伴って紙状材が徐々
に元来の不透明状態となることから、その背面に設けら
れている模様層が徐々に目視できなくなる。したがっ
て、紙状材側から目視することができる模様層の程度に
よって、その利用者は油液(防虫薬剤)の経時的揮散の
程度を視覚を通じて知ることが可能である。
【0005】他の1つは、常温揮散性液剤を含有する液
剤浸透性の基材シート(不織布を含む)の面上であって
上記含有液剤の揮散の早遅に対応した部分に順に、上記
液剤が浸透したときに透明状に変性される着色料を期間
表示層として層状に塗布した期間表示器である(実開平
5−14983号公報参照)。この期間表示器は、常温
揮散性液剤を含有させた基材シートを水平に保持すると
常温揮散性液剤が当該基材シート面上の縁部から順に揮
散し易く、常温揮散性液剤を含有させた基材シートを鉛
直面に沿って保持すると常温揮散性液剤が基材シートの
上部から順に揮散し易いことを利用したものであるの
で、当該期間表示器について予め想定した設置方法に応
じて、所定形状の期間表示層が順に設けられる。
【0006】上記の期間表示器では、基材シートに液剤
が含有されているときには当該液剤が期間表示層にも浸
透することから期間表示層は透明状を呈するが、基材シ
ート中の液剤の揮散に伴って期間表示層に浸透する液剤
の量が減少し、これに伴って期間表示層が目視できるよ
うになる。したがって、どの期間表示層まで目視できる
ようになったかによって、その利用者は液剤の経時的揮
散の程度を視覚を通じて知ることが可能である。
【0007】しかしながら、従来の不織布に常温揮発性
または加温揮発性の油状物質を含浸させた場合、当該不
織布からの油状物質の揮散は均一には起こらない。この
ため、紙状材として従来の不織布を用いて上述した防虫
能表示兼用防虫材と同一構成の表示材料を作製した場合
には、油状物質の揮散に伴って紙状材の背面に設けられ
ている模様層が徐々に目視できなくなるものの、その見
え方は紙状材(不織布)の部分部分で異なり、斑に見え
る。そのため、このような表示材料では経時での油状物
質の揮散の程度を明瞭に表示することが困難である。
【0008】また、従来の不織布の油状物質に対する保
液性は比較的低い。すなわち、不織布の不織布空隙量と
同量以下の油状物質を当該不織布に含浸させたときに、
前記の油状物質が漏れ出ないようにこれを保持する能力
が比較的低い。このため、紙状材として従来の不織布を
用いて上述した防虫能表示兼用防虫材と同一構成の表示
材料を作製した場合には、比較的少量の油状物質しか表
示材料中に含有させることができない。
【0009】一方、基材シートとして従来の不織布を用
いて上述した期間表示器と同一構成の表示材料を作製し
た場合でも、油状物質の経時的揮散の程度は期間表示層
によって比較的明瞭には表示されない。また、当該表示
材料においても比較的少量の油状物質しか含有させるこ
とができない。さらに、当該表示材料の作製時に想定し
ていた設置方法以外の方法で設置された場合、例えば斜
めや上下逆に設置された場合には、実際に経過した期間
とは異なる期間を示す期間表示層が目視されることとな
るので、その設置場所や設置方法が制限される。
【0010】本発明者らは、設置場所や設置方法を選ば
ず、油状物質の消滅時点のみならず経時での油状物質の
揮散の程度が明瞭に表示することができる表示材料につ
いて検討の結果、光に対して低屈折率の保持体の片面に
一部または全面が着色されている樹脂層を設け、保持体
中に常温揮発性または加温揮発性の油状物質を含浸せし
め、かつ、保持体側から樹脂層側をみたときに、油状物
質の経時的揮散により樹脂層が目視可能な状態から保持
体によって隠ぺいされた状態へと移行する表示材料であ
り、保持体が、繊度が2デニール以下の細デニール繊維
を含む不織布よりなる表示材料を特願平7−18672
8号で提案した。
【0011】また、同特願平7−186728号では更
に、光に対して低屈折率の保持体の片面に一部または全
面が着色されている樹脂層を設け、保持体中に常温揮発
性または加温揮発性の油状物質を含浸せしめたものであ
り、かつ、保持体側から樹脂層側をみたときに、油状物
質の経時的揮散により樹脂層が目視可能な状態から保持
体によって隠ぺいされた状態へと移行する表示材料であ
り、該保持体が、密度を部分的に変化させた不織布から
なる表示材料も提案している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、揮散性
の油状物質が揮散して期間表示材料にまだ油状物質が残
っているのに終点の表示が出る為に不経済であるのと終
点がはっきりしないという欠点を有していた。逆に終点
の表示が出た段階で油状物質の残量を減らす為に表示材
料の空隙を減らす対策により、密度を上げると油状物質
の可能な含有量が減るので終点までの有効期間が短くな
る。揮散性の油状物質を多量に含有し、揮散の終点が明
確に表示され、その時点で油状物質がほとんど残ってい
ない表示材料の開発が望まれていた。
【0013】
【発明を解決するための手段】本発明の期間表示材料
は、光に対して低屈折率の不織布の片面に着色層を設
け、その反対面に油状物質の揮散が終了したことを表示
する文字、絵又は記号の凹部を設け、油状物質の揮散が
明瞭になるように凹部以外の全面に着色層と同系色で印
刷した保持体に揮発性の油状物質を含浸させたものであ
り、油状物質の揮散の終点が明確になり、その状態での
油状物質がほとんど残っていない表示材料が得られる。
(以下「期間表示材料甲」とする)
【0014】又、本発明の期間表示材料は、光に対して
低屈折率の不織布の片面に着色層と透明樹脂層を設け、
その反対面に油状物質の揮散が終了したことを表示する
文字、絵又は記号の凹部を設け、油状物質の揮散が明瞭
になるように凹部以外の全面に着色層と同系色で印刷し
た保持体に揮発性の油状物質を含浸させたものであり、
油状物質の揮散の終点が明確になり、その状態での油状
物質がほとんど残っていない表示材料が得られる。(以
下「期間表示材料乙」とする)
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。先ず、本発明の期間表示材料甲につ
いて説明する。図1は、本発明の期間表示材料甲の概略
断面図である。図1で説明すると、光に対して低屈折率
の不織布1の片面に着色層2を設け、その反対面に油状
物質の揮散が終了したことを表示する文字、絵又は記号
の深さ10μm以上の凹部4を設け、凹部以外の全面に
着色層と同系色の印刷層3を設けた保持体に揮発性の油
状物質(図示せず)を含浸させたものである。
【0016】続いて、本発明の期間表示材料乙について
説明する。図2は、本発明の期間表示材料乙の概念断面
図である。図2で説明すると、光に対して低屈折率の不
織布1と着色層2の間に透明樹脂層5を設け、その反対
面に油状物質の揮散が終了したことを表示する文字、絵
又は記号の深さ10μm以上の凹部4を設け、凹部以外
の全面に着色層と同系色の印刷層3を設けた保持体に揮
発性の油状物質(図示せず)を含浸させたものである。
【0017】期間表示材料乙では、透明樹脂層を着色層
と不織布の間に設ける事により着色層が不織布の大きい
空隙に入り込むのを押さえて均一な着色層が得られる為
に油状物質の揮散の終点時には着色層の色が不織布で明
瞭に隠ぺいされる。
【0018】本発明の期間表示材料は、繊度2デニール
以下の繊維を含む不織布であり、好ましくは9重量%以
上含む不織布を用いたものである。好ましくは不織布の
9重量%以上が繊度1デニール以下の繊維である不織布
を用いたものである。
【0019】本発明の期間表示材料で、不織布の着色層
又は透明樹脂層を設ける面と反対面の凹部を設けるに
は、例えば、凹部を打ち抜いた不織布と打ち抜かない不
織布とを部分接着や熱融着により貼り合わせる方法、不
織布をエンボス板やエンボスロール等で圧着する方法等
が有る。
【0020】本発明の期間表示材料は、好ましくは不織
布の着色層又は透明樹脂層を設ける面と反対面の凹部を
エンボス加工により設けたものであり、より好ましくは
加工面の温度が60〜160℃でエンボス加工を行った
ものである。
【0021】エンボス加工により不織布凹部の密度が上
がり、空隙が少なくなる為、油状物質が無くなる間近で
急速に不織布本来の色に変化し、着色層を隠ぺいするの
で、終点が明瞭になり、終点での油状物質の残量も少な
くなるので好ましい。凹部以外の部分は密度が低いまま
であり、油状物質を含有する空隙が多く、多量に含有し
ても液漏れの問題も無い為、表示材料としての有効期間
が長く出来る。逆に、不織布凹部以外の部分は空隙が多
いので油状物質の初期の揮散で不織布自身の色に変わり
やすいが、その部分を印刷層により覆っている為に色変
化の問題が無くなり、印刷層を設けた部分は凹部の色変
化による終点を判断する場合の基準として効果的に働
く。
【0022】エンボス加工する際のエンボス板やエンボ
スロール表面の温度は60〜160℃が好ましい。その
理由は、不織布に含有される繊維の融点以上であまり高
い温度で加工する場合には、加工速度や加圧により、凹
部が空隙のほとんど無いフィルム状になってしまい、油
状物質の含浸に関係無く透明に近く、含浸された表示材
料中の油状物質の揮散に関係なく着色層の色のままで色
変化を起こさない。即ち、期間表示材料とはならない。
不織布に使用する繊維、不織布坪量、加工速度等により
最適な加工温度が存在するが、60℃より低いとエンボ
ス効果が得にくく、160℃より高いとフィルム状にな
りやすい。
【0023】エンボス処理時の加圧は一般的には線圧2
0kg/cm以上であり、エンボス凸部の高さ、表面温
度や加工速度、不織布で使用する繊維の種類等により適
時決められる。
【0024】ここで、「光に対して低屈折率の不織布」
とは、当該不織布を構成している繊維の屈折率が低いこ
とを意味し、屈折率の値としては2.0以下が好まし
く、より好ましくは1.7以下である。
【0025】上記の不織布は、元来は不透明であるが後
述する揮発性の油状物質を含浸させたときには実質的に
透明化して、当該不織布の片面に設けられている着色層
の色を不織布側から容易に目視することができるもので
あれば良い。当該不織布を構成している繊維の屈折率
は、含浸させようとする油状物質の屈折率に近似してい
ることが好ましいが、油状物質を含浸させたときに不織
布全体が実質的に透明化しさえすれば、当該不織布は実
質的に不透明の繊維を含有していても良い。
【0026】本発明の不織布に設ける凹部の深さは10
μm以上であり、好ましくは深さが20μm以上の不織
布を用いる。
【0027】凹部の深さが10μmより浅いと凸部への
印刷時に凹部も部分的に印刷され、油状物質の揮散の終
点が不明確となる他、凹部の空隙量が多い為に終点表示
の状態でも油状物質の残量が多くなる。
【0028】凹部の深さは20μm以上が好ましいが、
凹部の空隙量が少なくなりすぎない程度であり、不織布
の坪量、及び凹部の厚さから計算した密度が不織布に使
用した繊維等の材料の密度よりも小さい事が必要であ
る。
【0029】本発明で用いる、光に対して低屈折率の不
織布には織度が2デニール以下の細デニール繊維を含
む。
【0030】保持体を構成する不織布に「繊度が2デニ
ール以下の細デニール繊維を含む不織布」が用いられる
理由は、次の通りである。すなわち、繊度が2デニール
を超える繊維によって不織布が構成されている場合に
は、その繊維間に油状物質を保持する能力が低いため
に、当該不織布に油状物質を含浸させても油状物質が漏
れ出てしまい易く、特に地面に対して垂直に立てて置い
たり、吊り下げたりした場合は油状物質が下方向に垂れ
てしまい易い。しかしながら、不織布中に上記の細デニ
ール繊維を含ませることにより油状物質をより強く、よ
り均一に保持させることが可能になり、これにより、不
織布に含浸させた油状物質をより均一に揮散させること
が可能になる。油状物質が均一に揮散した場合には、最
終的に得られる期間表示材料において着色層が目視可能
な状態から隠ぺい状態へと移行する過程が均一に起こ
り、期間表示材料としての色変化が明瞭となる結果、経
時での油状物質の残量をより明瞭に表示することが可能
になる。
【0031】不織布中に占める上記の「繊度が2デニー
ル以下の細デニール繊維」の割合は好ましくは9〜10
0重量%であり、特に20〜100重量%であることが
好ましい。また、上記の細デニール繊維は、繊度が1デ
ニール以下であることが好ましい。
【0032】細デニール繊維としては、後述する揮発性
の油状物質をできるだけ均一に保持することができる不
織布を得るうえから、形状が一定でストランド状である
人造繊維が好ましく、特にアクリル,ポリエステル,ポ
リプロピレン,ビニロン,ナイロン等の人造繊維が好ま
しい。元来は不透明であるが油状物質を含浸させたとき
には実質的に透明化する不織布が最終的に得られさえす
れば、上記の細デニール繊維は白色顔料を含有した繊維
(SD:セミダル,D:ダル)のような不透明繊維であ
っても良いが、二酸化チタン等の白色顔料を全く含まな
いかまたは殆ど含まない実質的に透明な繊維(SB:ス
ーパーブライト,B:ブライト)であることが好まし
い。実質的に透明な繊維と不透明繊維とは、併用しても
良い。
【0033】上述した細デニール繊維を含む不織布は、
如何なる方法により製造されたものでも良いが、比較的
低密度の不織布が製造できる乾式法よりも、非常に均一
な不織布を製造することができ、かつ、不織布の密度調
整が容易であるという点から、湿式抄紙法によって製造
されたものがより好ましい。ここでいう湿式抄紙法と
は、水中に繊維を低濃度で分散させ、必要に応じて分散
剤,粘剤,凝集剤等の添加剤を加えた後、円網抄紙機,
長網抄紙機,傾斜型抄紙機,あるいは2種以上の抄紙機
を組み合わせたコンビネーション型抄紙機を用いて不織
布を製造する方法をいう。湿式抄紙法により目的とする
不織布を製造した場合には、繊維分布の均一性つまり地
合いが非常に良い不織布を得ることができ、このような
不織布に後述する油状物質を含浸させた場合には当該油
状物質の分布がより均一となり、従って油状物質の揮散
の程度もより均一化する。その結果として、最終的に得
られる期間表示材料において着色層が目視可能な状態か
ら隠ぺい状態へと移行する過程がより均一に起こり、期
間表示材料としての変化がより明瞭となる。
【0034】不織布の製造にあたっては、上述した細デ
ニール繊維のみを材料として用いてもよいし、上述した
細デニール繊維以外の繊維、例えば、バインダー機能を
有する繊維や繊度が2デニールを超える人造繊維、ある
いは木材パルプ,木綿,麻等の天然繊維を併用しても良
い。特に、バインダー機能を有する繊維の併用は不織布
に強度を持たせるうえから好ましい。バインダー繊維と
しては、熱により一部または全部が軟化ないし溶融して
隣接する繊維と融着する熱融着繊維,熱水によって一部
または全部が溶解し、乾燥する際に繊維同士を結合させ
るビニロン系バインダー繊維等が好ましく用いられる。
一方、天然繊維を併用する場合には、当該天然繊維は後
述する油状物質によって完全に濡らすことが困難であ
り、油状物質で濡れない部分は白く不透明化するので、
後述する油状物質を含浸させたときに実質的に透明化す
る不織布が得られるように、その使用量を適宜選択す
る。
【0035】なお、期間表示材料甲又は乙を構成する不
織布中には、最終的に得られる期間表示材料において着
色層が目視可能な状態から隠ぺい状態へと移行する過程
がより明瞭に目視されるように、多孔性シリカに代表さ
れる無機顔料等の光に対する屈折率が低い物質を含有さ
せても良い。また、製造した不織布には、所望の特性を
有するように熱処理,樹脂含浸,カレンダー処理等の後
処理を施しても良い。湿式抄紙法により不織布を製造し
た場合には、不織布を構成している繊維同士を互いに絡
み合わせることによって当該不織布の強度を更に高める
ことを目的として、カード法,ニードルパンチ法,スパ
ンレース法等による後処理(二次加工)を行ってもよ
い。
【0036】上述した不織布の坪量は、当該不織布に含
浸させようとする油状物質の量に応じて異なるが、一般
に20〜200g/m2程度とすることが好ましい。ま
た、凹部以外の不織布の密度は0.1〜0.5g/cm
3が好ましい。密度が0.1g/cm3よりも低い場合に
は油状物質を保持する能力に劣り、液垂れする恐れがあ
るので好ましくない。また、密度が0.5g/cm3
りも高い場合には、油状物質を保持する能力に問題はな
いが、単位面積当たりの油状物質の保液量が少なくなる
ので、実用的な期間表示材料甲又は乙を得るためには非
常に大きな面積の表示材料(不織布)が必要となる。不
織布の単位面積当たりの油状物質の保液量は、概ね当該
不織布の持つ不織布空隙量以下であるので、期間表示材
料甲又は乙を構成する不織布の不織布空隙量は実用上3
0cm3/m2程度以上であることが好ましく、特に50
〜1800cm3/m2であることが好ましい。ここで、
本発明でいう不織布空隙量とは次式によって求めた数値
を意味する。
【0037】
【数1】 NS=G(1/D−1/FD) NS:不織布空隙量(cm3/m2) G:不織布の坪量(g/m2) D:不織布の密度(g/cm3) FD:繊維の密度(g/cm3
【0038】期間表示材料甲又は乙においては、上述し
た光に対して低屈折率の不織布の片面又は透明樹脂層面
に着色された着色層が設けられている。この着色層は、
上述した不織布に含浸させる油状物質に対して耐性を有
する事が必要で、上述した不織布に含浸させる油状物質
に溶解する物質は好ましくない。着色層としては、表示
材料甲の場合は着色層として有色インクの印刷層を設け
る場合の他、樹脂層を設ける場合には、加工のし易さ、
及び着色または更に印刷する場合の印刷のし易さ等から
熱可塑性樹脂よりなる樹脂層が好ましい。中でもポリオ
レフィン樹脂は、ほとんどあらゆる油状物質に対して耐
性を有し、かつ、溶融ラミネート適性および均一なフィ
ルム形成能を有するという点で、樹脂層の材料として好
ましい。ポリオレフィン樹脂の中でもさらに好ましく
は、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂である。
【0039】期間表示材料甲の、一部または全面が着色
された着色層を形成する方法の具体例としては、例えば
下記(1)の着色された樹脂被覆層を設ける方法、
(2)の印刷による方法や、(3)の着色不織布による
方法が挙げられる。
【0040】(1)不織布の片面に、全面が着色された
樹脂被覆層を直接形成する方法 この方法での上記全面が着色された樹脂被覆層の形成
は、接着剤を用いる方法や溶融押出塗工法等によって行
うことができる。接着剤を用いる方法による上記全面が
着色された樹脂被覆層の形成は、例えば、着色された塗
布液による塗布法や、全面が着色されている樹脂フィル
ムをドライラミネート法やウェットラミネート法等によ
って不織布の片面に接着させることにより行うことがで
きる。また、溶融押出塗工法による上記全面が着色され
た樹脂被覆層の形成は、例えば、無色の熱可塑性樹脂と
群青,コバルトブルー等の有色顔料を高濃度に分散させ
たマスターバッチとを押出塗工機内で溶融混合し、この
混合物を不織布の片面に溶融押出塗工することによって
行うことができる。
【0041】上述した(1)の方法は、均一でピンホー
ルのない樹脂層が得られるという点から、溶融押出塗工
法がより好ましく用いられる。
【0042】(2)不織布の片面の一部か全面に有色イ
ンクによる印刷層を設ける方法 この方法では印刷層だけを設ける為、着色層の反対側か
らの色鮮明性は(1)の方法に若干劣るが、不織布の着
色印刷層を設けた面からも含浸する油性物質が揮散する
為、揮散速度が大きくなり、防虫等の効果の発現が早い
ので、用途によってはこの方法が好ましく選択される。
【0043】着色された印刷層を設ける方法に特に制限
はなく、いかなる印刷法を用いても良いが、スクリーン
印刷法,グラビア印刷法,オフセット印刷法,凸版印刷
法,インクジェット印刷法等が用いられる。有色インク
も市販のものが適時選択されるが、印刷層が、不織布に
含浸する油性物質により溶解しないようなインク組成を
選択する。
【0044】(3)着色された繊維を用いた不織布と着
色されていない無色の繊維を用いた不織布とを抄き合わ
せか貼り合わせにより着色層と不織布を複合化する方法 この方法では着色層の色鮮明性は(1)の方法に若干劣
るが、(2)と同様に、着色した不織布からも含浸する
油性物質が揮散する為、揮散速度が大きくなり、防虫等
の効果の発現が早いので、用途によってはこの方法が好
ましく選択される。
【0045】期間表示材料乙の、一部または全面が着色
された着色層を設ける方法の具体例は、期間表示材料甲
での(1)の着色された樹脂被覆層を設ける方法、
(2)の印刷による方法が流用される。
【0046】期間表示材料乙の透明樹脂層を設ける方法
の具体例は、(4)の溶融押出塗布法、(5)の溶解液
塗布法や(6)接着剤を用いる方法等によって行う事が
できる。
【0047】(4)溶融押出塗工法による上記の透明樹
脂層の形成は、例えば、熱可塑性樹脂を不織布の片面に
溶融押出塗工することによって行うことができる。
【0048】(5)溶解液塗布法による上記の透明樹脂
層の形成は、例えば、溶媒に樹脂を溶解させることによ
って調製した塗液を不織布の片面に塗布し、乾燥させる
ことによって行うことができる。
【0049】(6)接着剤を用いる方法での透明樹脂層
の形成は、例えば、透明な樹脂フィルムをドライラミネ
ート法やウェットラミネート法等によって不織布の片面
に接着させることにより行うことができる。溶融混合し
た層とを共押し出しや連続押し出し法により不織布の片
面に溶融押出塗工することによって行うことができる。
【0050】上述した(4)の方法は、不織布の表面に
均一でピンホールのない透明樹脂層が得られるという点
から、より好ましく用いられる。
【0051】特に、着色層、透明樹脂層共に溶融押出塗
布法で設ける場合が不織布表面の被覆性や製造上の効率
からは好ましい。
【0052】本発明の期間表示材料甲又は乙は、保持体
中に揮発性の油状物質を含浸させたものである。ここ
で、本発明でいう「揮発性の油状物質」とは、最終的に
得た期間表示材料および当該期間表示材料が使用される
場所の雰囲気近辺で揮発する油状物質を意味し、本発明
の期間表示材料甲及び乙に共通するものである。
【0053】上記の揮発性の油状物質としては特に制限
はないが、目的とする期間表示材料甲及び乙の用途に応
じて、例えば冷蔵庫では−5℃揮発性の油状性芳香剤,
油状性消臭剤等が用いられる。
【0054】揮発性の油状物質の具体例としては、ベン
ズアルデヒド,α−ピネン,ゲラニオール,シトロネラ
ール,リナロール,リモネン,ベンジルアルコール,メ
ントール酢酸リナリル,アミルシンナミックアルデヒ
ド,アンスラニン酸メチル,イソオイゲノール,カプロ
ン酸アリル,酢酸イソブチル,酢酸ベンジル,サリチル
酸イソアミル,シトラール,デシルアルデヒド,ヒドロ
キシシトロネラール,酢酸イソアミル等を成分とするも
のや、芳香消臭効果のある植物精油、例えばビターアー
モンド油,ヒノキ油,ナツメグ油,ゼラニウム油,ラベ
ンダー油,ライム油,ペパーミント油,ベチパー油,ス
ウィートオレンジ油,タイム油等が挙げられる。
【0055】又、揮散速度の調節の為の保留剤として安
息香酸エチル、安息香酸ベンジル、ピペロナール又はフ
タル酸ジエチル等が用いられ、特に揮発性の高い油状物
質の揮散速度を遅くする場合に好ましい。
【0056】不織布中に揮発性の油状物質を含浸させる
方法に特に制限はないが、油状物質に不織布を浸漬した
後にプレス等を用いて搾って所定の含浸量に調整する方
法、不織布に油状物質をシリンジ等を用いて直接滴下し
て所定の含浸量に調整する方法等が一般には用いられ
る。このときの油状物質の含浸量は、当該油状物質を含
浸させることによって不織布の凹部が実質的に透明化す
る量であれば良く、この量は、不織布の不織布空隙量や
目的とする表示材料甲、及び乙の用途等に応じて、概ね
当該不織布の不織布空隙量以下の範囲内で適宜選択可能
である。
【0057】本発明の期間表示材料甲又は乙は、保持体
に上述のようにして揮発性の油状物質を含浸させること
により得られる。当該期間表示材料甲又は乙は、この状
態のまま用いても良いが、一般的には揮発性の油状物質
と回りの物との接触を避けるために、プラスチック,
紙,金属等の容器の中に入れた後に所望する場所へ設置
して使用することが好ましい。この場合、容器の外から
期間表示材料甲又は乙の変化、すなわち、不織布側から
着色層側をみたときの色変化が見てとれるように、容器
の一部に窓等を設置することが好ましい。
【0058】上述した期間表示材料甲又は乙は、例えば
油状物質が揮発性芳香剤である場合には、そのまま倉庫
内、室内、車内、冷蔵庫内等に設置して使用することが
できる。また、油状物質が揮発性消臭剤である場合に
は、そのまま室内,トイレ内,玄関内,車内等に設置し
て使用することができる。
【0059】上述のようにして使用される期間表示材料
甲又は乙では、光に対して低屈折率の不織布に十分な量
の油状物質が含浸しているときには当該不織布の凹部が
実質的に透明化して、不織布の片面に設けられている着
色層の色が不織布側の凹部から見てはっきりと認識出来
る。油状物質の揮散により光に対して低屈折率の不織布
が不透明化して最終的には不透明状態となるので、不織
布の凹部から樹脂層側を見たときには、油状物質の揮散
により、樹脂層が目視可能な状態から不織布によって隠
ぺいされた状態へと変化する。そして、不織布凹部から
着色層側を見たときに目視される色は着色層の色から不
織布自身の色へと変化する。すなわち、表示材料甲又は
乙は、不織布に含浸させた揮発性の油状物質が揮散によ
りある程度より少なくなったら、凹部から見ると着色層
の色から不織布自身の色へと変化する。明確に変化した
時点が目視での終点である。不織布の凹部以外の部分が
着色層と同系色で印刷されている為により明確にこの変
化が認識でき、終点が一目で認識することができる。
【0060】即ち、不織布凹部の空隙量が少ない為に終
点近くまで着色層の色が不織布を通して明瞭に目視出
来、終点で急激に不織布の色へと変化する。
【0061】以上説明した期間表示材料甲又は乙は、不
織布に含浸している揮発性の油状物質の揮散量を示すイ
ンジケーターの機能を有しているものである。
【0062】期間表示材料甲又は乙では油状物質の揮散
に伴って不織布の凹部が光に対して低屈折率の不織布に
変化するわけであるが、上記の不織布による着色層の隠
ぺい性は比較的高いものである。これらのことから、本
発明の期間表示材料甲又は乙は、設置場所や設置方法を
選ばず、油状物質の消滅時点を明瞭に表示することがで
きる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は以下の実施例に限られるものではな
い。なお、部とあるのは重量部を意味する。
【0064】実施例1〜7(期間表示材料甲の作製) 表1、表2、表3に示す繊維配合で、円網抄紙機を用い
た湿式抄紙法により抄紙した後、実施例および比較例毎
にウエットプレスパート、乾燥パート、カレンダーパー
トを適宜調節して、保持体としての不織布をそれぞれ作
製した。元の色は白色を呈しており、屈折率は全ての不
織布において1.7以下であった。作製した各不織布の
坪量及び密度を表1、表2、表3に示した。
【0065】上記の不織布それぞれの片面に、低密度ポ
リエチレン(日本ユニカー社製NUC8008)に青色
群青を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて
溶融押出塗工して、全面が濃青色に着色された着色層を
形成した。溶融押出塗工にあたっては溶融押出塗工機を
用い、樹脂塗工量は20g/m2とした。
【0066】片面に着色樹脂層を設けた上記の不織布の
着色層を設けた面と反対面にエンボス加工した。エンボ
スロールには不織布にエンボス加工すると「おわり」の
凹部となるように各文字の縦が1cm、横1cm、高さ
が100μmの凸部を設け、ロール表面温度は110℃
で線圧を調整して凹部の深さが50μmになるようにし
てエンボス加工を行った。
【0067】不織布の凹部を除いて全面にオフセット印
刷用の藍色インク(東洋インキ社製TSP202藍)を
用いて着色層とほぼ同濃度になるように印刷を行った。
【0068】片面に樹脂層を設け、他面にエンボス加
工、印刷を行った上記の不織布で「おわり」の凹部が入
るように6cm×3cmに切り取り、それぞれに揮発性
の油状物質であるゲラニオールを80mg含浸させて本
発明に包含される期間表示材料甲を得た。
【0069】実施例8 実施例1でエンボスロールの温度を40℃とした以外は
同様にして期間表示材料甲を得た。
【0070】実施例9 実施例1でエンボスロールの温度を60℃とした以外は
同様にして期間表示材料甲を得た。
【0071】実施例10 実施例1でエンボスロールの温度を160℃とした以外
は同様にして期間表示材料甲を得た。
【0072】実施例11 実施例1でエンボスロールの温度を180℃とした以外
は同様にして期間表示材料甲を得た。
【0073】実施例12 実施例1でエンボス加工時の線圧を調整して凹部の深さ
を20μmになるようにした以外は同様にして期間表示
材料甲を得た。
【0074】実施例13 実施例1でエンボス加工時の線圧を調整して凹部の深さ
を10μmになるようにした以外は同様にして期間表示
材料甲を得た。
【0075】実施例14 表1の実施例1の繊維配合で厚みを50μmにした不織
布で「おわり」の文字部分を打ち抜き、厚みが200μ
mの打ち抜かない不織布とを120℃の熱カレンダーで
一体化させた。その後、実施例1と同様にして打ち抜か
ない不織布面に溶融押出塗工を行って着色層を設け、打
ち抜いた不織布の面に印刷し、ゲラニオールを含浸させ
た期間表示材料甲を得た。
【0076】比較例1 不織布に使用する繊維配合を表4に変更した以外は実施
例1と同様にしてゲラニオールを含浸させた期間表示材
料を得た。
【0077】比較例2 実施例1と同様にして片面に着色樹脂層を設けた不織布
の着色層を設けた面と反対面に「おわり」の凹部の深さ
が40μmになるようにしてエンボス加工を行った。
【0078】印刷を行わない以外は実施例1と同様にし
てゲラニオールを含浸させ期間表示材料を得た。
【0079】比較例3 実施例1と同様にして片面に着色樹脂層を設けた不織布
の着色層を設けた面と反対面に「おわり」の凹部の深さ
が6μmになるようにしてエンボス加工を行った。
【0080】実施例1と同様にして印刷を行い、ゲラニ
オールを含浸させ期間表示材料を得た。
【0081】実施例1〜14および比較例1〜3で得ら
れた各期間表示材料の性能については、それぞれ以下の
方法により判定し、評価した。結果を表5に示す。
【0082】[不織布凹部からの着色層目視性]20℃
の環境で期間表示材料について不織布側から着色層側を
みたときに、着色層の色がどの程度明瞭に目視できたか
を判定した。 ○:着色層の色が明瞭に認識できた。 ○〜△:○と△の中間の特性を有していた。 △:着色層の色はやや白色がかっていたが認識できた。 ×:着色層の色は認識できなかった。
【0083】[不織布凹部からの着色層隠ぺい性]期間
表示材料を20℃の環境に放置して完全に油状物質を揮
散させた時点で不織布側から着色層側をみたときの、不
織布層による着色層の隠ぺい性を判定した。 ○:不織布層の隠ぺい性は完全で着色層の色は認識でき
なかった。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:不織布層の隠ぺい性はやや不完全で着色層の色がや
や認識できた。 △〜×:△と×の中間性能を有していた(全く使用に供
し得ない×とは異なる)。 ×:不織布層の隠ぺい性は不完全で着色層の色が認識で
きた。
【0084】[目視での終点明瞭性]期間表示材料を2
0℃の環境に放置して、不織布側から着色層側をみたと
きの終点が明確に判断されるかを判定した。 ○:期間表示材料は明瞭に終点を示した。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:期間表示材料はやや不明瞭であるが終点を示した。 △〜×:△と×の中間性能を有していた(全く使用に供
し得ない×とは異なる)。 ×:期間表示材料はほとんど色変化を示さなかった。
【0085】[目視終点でのゲラニオール残量]期間表
示材料を20℃の環境に放置して、不織布凹部側から着
色層側をみたときの目視終点での全量からゲラニオール
含浸前の重量を引いてゲラニオール残量とした。残量が
少ない程良好。
【0086】[保液性]20℃の環境で期間表示材料を
垂直に吊り下げ、油状物質が表示材料中に保持される程
度を判定した。 ○:期間表示材料中から油状物質が全く漏れ出なかっ
た。 ○〜△:○と△の中間性能を有していた。 △:期間表示材料の下に油状物質の溜まりが認められ
た。 △〜×:△と×の中間性能を有していた。 ×:期間表示材料から油状物質が漏れ出てきた。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】実施例15(期間表示材料乙の作製) 実施例1と同様にして保持体としての不織布を作製し、
不織布の片面に、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製NUC8008)単独で樹脂温度320℃にて20g
/m2になるように溶融押出塗工した後、低密度ポリエ
チレン(日本ユニカー社製NUC8008)に青色群青
を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて20
g/m2になるように溶融押出塗工して、全面が濃青色
に着色された着色層を形成した。後は実施例1と同様に
してゲラニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0093】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0094】実施例16(期間表示材料乙の作製) 実施例2と同様にして保持体としての不織布を作製し、
不織布の片面に、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製NUC8008)単独で樹脂温度320℃にて20g
/m2になるように溶融押出塗工した後、低密度ポリエ
チレン(日本ユニカー社製NUC8008)に青色群青
を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて20
g/m2になるように溶融押出塗工して、全面が濃青色
に着色された着色層を形成した。後は実施例4と同様に
してゲラニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0095】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0096】実施例17(期間表示材料乙の作製) 実施例3と同様にして保持体としての不織布を作製し、
不織布の片面に、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製NUC8008)単独で樹脂温度320℃にて20g
/m2になるように溶融押出塗工した後、低密度ポリエ
チレン(日本ユニカー社製NUC8008)に青色群青
を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて20
g/m2になるように溶融押出塗工して、全面が濃青色
に着色された着色層を形成した。後は実施例4と同様に
してゲラニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0097】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0098】実施例18(期間表示材料乙の作製) 実施例4と同様にして保持体としての不織布を作製し、
不織布の片面に、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製NUC8008)単独で樹脂温度320℃にて20g
/m2になるように溶融押出塗工した後、低密度ポリエ
チレン(日本ユニカー社製NUC8008)に青色群青
を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて20
g/m2になるように溶融押出塗工して、全面が濃青色
に着色された着色層を形成した。後は実施例4と同様に
してゲラニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0099】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0100】実施例19(期間表示材料乙の作製) 実施例7と同様にして保持体としての不織布を作製し、
不織布の片面に、低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製NUC8008)単独で樹脂温度320℃にて20g
/m2になるように溶融押出塗工した後、低密度ポリエ
チレン(日本ユニカー社製NUC8008)に青色群青
を2%混合した樹脂組成物を樹脂温度320℃にて20
g/m2になるように溶融押出塗工して、全面が濃青色
に着色された着色層を形成した。後は実施例4と同様に
してゲラニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0101】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0102】実施例20(期間表示材料乙の作製) 実施例15でエンボス加工時のロール温度を40℃とし
た以外は実施例15と同様にしてゲラニオールを含浸さ
せた期間表示材料乙を得た。
【0103】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0104】実施例21(期間表示材料乙の作製) 実施例15でエンボス加工時のロール温度を60℃とし
た以外は実施例15と同様にしてゲラニオールを含浸さ
せた期間表示材料乙を得た。
【0105】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0106】実施例22(期間表示材料乙の作製) 実施例15でエンボス加工時のロール温度を160℃と
した以外は実施例15と同様にしてゲラニオールを含浸
させた期間表示材料乙を得た。
【0107】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0108】実施例23(期間表示材料乙の作製) 実施例15でエンボス加工時のロール温度を180℃と
した以外は実施例15と同様にしてゲラニオールを含浸
させた期間表示材料乙を得た。
【0109】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0110】実施例24(期間表示材料乙の作製) 実施例15でエンボス加工時の線圧を調整して凹部の深
さを20μmとした以外は実施例15と同様にしてゲラ
ニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0111】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0112】実施例25(期間表示材料乙の作製) 実施例15でエンボス加工時の線圧を調整して凹部の深
さを10μmとした以外は実施例15と同様にしてゲラ
ニオールを含浸させた期間表示材料乙を得た。
【0113】得られた期間表示材料乙の性能を実施例1
と同様にして判定し、評価した。
【0114】比較例4 不織布に使用する繊維配合を表4に変更した以外は実施
例15と同様にしてゲラニオールを含浸させた期間表示
材料を得た。
【0115】比較例5 実施例15と同様にして片面に着色樹脂層、透明樹脂層
を設けた不織布の透明樹脂層を設けた面と反対面に「お
わり」の凹部の深さが40μmになるようにしてエンボ
ス加工を行った。
【0116】印刷を行わない以外は実施例15と同様に
してゲラニオールを含浸させ期間表示材料を得た。
【0117】比較例6 実施例15と同様にして片面に着色樹脂層、透明樹脂層
を設けた不織布の透明樹脂層を設けた面と反対面に「お
わり」の凹部の深さが6μmになるようにしてエンボス
加工を行った。
【0118】実施例15と同様にして印刷を行い、ゲラ
ニオールを含浸させ期間表示材料を得た。
【0119】実施例15〜25および比較例4〜6で得
られた各表示材料の性能については、それぞれ実施例1
〜14と同じ方法により判定し、評価した。結果を表6
に示す。
【0120】
【表6】
【0121】評価:着色層と不織布で構成された実施例
1〜15の場合、繊度2デニール以下の繊維を含有する
不織布を使用した実施例の表示材料は含有しない不織布
を使用した比較例1の表示材料よりも保液性に優れ、特
に繊度1デニール以下の繊維を多量に使用した実施例1
は特に優れている。
【0122】不織布の凹部の深さが6μmの比較例3は
印刷時に凹部も一部印刷される為に凹部の深さが10μ
mの実施例13と比較しても終点がわかりにくい。又、
凹部の密度の増加が少ない為にゲラニオール残量も多く
なる。凹部の深さが20μmの実施例12、50μmの
実施例1は実施例13より終点がわかりやすくなり、ゲ
ラニオール残量も少なくなる。
【0123】エンボス加工時のロール表面温度が110
℃の実施例1、60℃の実施例9、160℃の実施例1
0は、40℃の実施例8や180℃の実施例11よりも
特に目視での終点明瞭性や目視終点でのゲラニオール残
量に優れている。
【0124】同様に、ロール表面温度が110℃の実施
例15、60℃の実施例21、160℃の実施例22
は、40℃の実施例20や180℃の実施例23よりも
特に目視での終点明瞭性や目視終点でのゲラニオール残
量に優れる。
【0125】不織布の凸部に印刷を施した実施例1は印
刷しない他は同じ素材を用いた比較例2と比較して終点
明瞭性に優れている。
【0126】不織布同士を熱カレンダーで複合化させた
実施例15と比較してエンボス加工で凹部を設けた実施
例1は特に不織布凹部の着色層隠ぺい性、目視での終点
明瞭性で優れている。
【0127】着色層と不織布の間に透明樹脂層を設けた
実施例15〜実施例25の場合、比較例4との比較で繊
度2デニール以下、更に1デニール以下の繊維含有によ
り保液性に優れる。比較例6と実施例24、実施例25
との比較で不織布凹部の深さが10μm以上、更に20
μm以上で終点明瞭性に優れる。比較例5と実施例15
の比較で不織布の凸部への印刷により終点明瞭性に優れ
る。
【0128】
【発明の効果】以上、実施例および比較例を挙げて詳述
した様に、本発明の期間表示材料は、設置場所や設置方
法を選ばず、油状物質の揮散終点を明瞭に目視出来る。
特に、不織布の凹部をエンボス加工により設ける事によ
り、60〜160℃の熱エンボスにより揮発性の油状物
質の目視終点での残量も少なくする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の期間表示材料甲の概略断面図である。
【図2】本発明の期間表示材料乙の概略断面図である。
【符号の説明】
1 不織布 2 着色層 3 印刷層 4 文字、絵又は記号の凹部 5 透明樹脂層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光に対して低屈折率の不織布の片面に一
    部または全面に着色層を設けた保持体中に揮散性の油状
    物質を含浸せしめ、前記不織布側から前記着色層側を見
    たときに、前記油状物質の経時的揮散により前記着色層
    が目視可能な状態から前記不織布によって隠ぺいされた
    状態へと移行する期間表示材料において、前記不織布の
    着色層を設ける面と反対面に前記油状物質の揮散が終了
    したことを表示する文字、絵又は記号の10μm以上の
    凹部を設け、凹部以外の全面に着色層と同系色の印刷層
    を設けることを特徴とする期間表示材料。
  2. 【請求項2】 光に対して低屈折率の不織布、樹脂層及
    び着色層の順に積層された少なくとも3層からなる保持
    体中に揮散性の油状物質を含浸せしめ、前記不織布側か
    ら前記着色層側を見たときに、前記油状物質の経時的揮
    散により前記着色層が目視可能な状態から前記不織布に
    よって隠ぺいされた状態へと移行する期間表示材料にお
    いて、前記樹脂層が透明樹脂層であり、前記不織布の樹
    脂層を設ける面と反対面に前記油状物質の揮散が終了し
    たことを表示する文字、絵又は記号の深さ10μm以上
    の凹部を設け、凹部以外の全面に着色層と同系色の印刷
    層を設けることを特徴とする期間表示材料。
  3. 【請求項3】 不織布が繊度2デニール以下の繊維を含
    むことを特徴とする請求項1又は2記載の期間表示材
    料。
  4. 【請求項4】 不織布が繊度2デニール以下の繊維を9
    重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか
    1項に記載の期間表示材料。
  5. 【請求項5】 不織布が繊度1デニール以下の繊維を9
    重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか
    1項に記載の期間表示材料。
  6. 【請求項6】 不織布の着色層又は透明樹脂層を設ける
    面と反対面に設ける凹部をエンボス加工により設けるこ
    とを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の期間
    表示材料。
  7. 【請求項7】 エンボス加工を加工面の温度が60〜1
    60℃で行うことを特徴とする請求項6記載の期間表示
    材料。
  8. 【請求項8】 不織布の着色層又は透明樹脂層を設ける
    面と反対面に設ける凹部の深さが20μm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の期間
    表示材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004013828A1 (ja) * 2002-08-05 2004-02-12 Mishima Paper Co., Ltd. 期間インジケーター

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