JP3090317U - 複合期間表示器およびそれに用いる表示基板 - Google Patents

複合期間表示器およびそれに用いる表示基板

Info

Publication number
JP3090317U
JP3090317U JP2002003154U JP2002003154U JP3090317U JP 3090317 U JP3090317 U JP 3090317U JP 2002003154 U JP2002003154 U JP 2002003154U JP 2002003154 U JP2002003154 U JP 2002003154U JP 3090317 U JP3090317 U JP 3090317U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
liquid
substrate
period
contained
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002003154U
Other languages
English (en)
Inventor
光信 山本
請一 鈴木
Original Assignee
三島製紙株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三島製紙株式会社 filed Critical 三島製紙株式会社
Priority to JP2002003154U priority Critical patent/JP3090317U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3090317U publication Critical patent/JP3090317U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】期間終了時に加えて、含有液体が揮散している
途中の段階における有効期間中の表示も、期間終了時と
同様の明瞭な表示が可能となる複合期間表示器およびそ
の製造に適した表示基板を安価で提供する。 【解決手段】含有液体の揮散によって複数の期間表示を
発現する複合期間表示器において、液体透過性を呈する
基板材と、該基板材面上に部分的に積層された液体透過
性で液体含有時に光に対し低屈折率を呈する表示形成部
とからなる表示基板が、液体含有時に該表示基板の間で
液体の移動が生じない間隔を有して複数組み合わされて
なり、少なくとも2つの異なる期間を表示するよう該複
数の表示基板中に常温揮散性又は加温揮散性の液体が含
有されてなることを特徴とする複合期間表示器。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、含有液体の揮散によって期間の途中と終了を示す複数の期間表示機 能を有する複合期間表示器およびそれに用いる表示基板に関する。詳しくは表示 部間で液体の移動が生じない独立した複数の表示部を有し、含有液体の揮散によ って期間の途中および終了を表示することができる複合期間表示器およびその製 造に最適な表示基板であって複数の表示部域が各表示部域毎に切り離し可能に形 成されてなる表示基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
期間表示器には種々の形式があるが、含有液体量に応じて表示が発現するもの 、逆に消失するものが一般的に使用されている。これらは、構成が比較的単純で あり、製造が容易という利点がある一方で、期間終了を示すことはできるものの 、含有液体が揮散している途中の段階を明らかにできないという問題があった。
【0003】 本考案者らは、特許第3045651号に示したように期間の初期ないし有効 期間中の表示と期間終期における表示機能を有する期間表示器や特願2002− 14416号に示すように初期表示と終期における表示機能を有するもの、さら に中間表示機能を付加したものを種々開発しているが、構成が複雑になるととも に中間表示の明敏さを求めると製造時の表示形成部用の塗液の調製が難しくなる という問題があった。
【0004】 最近、液体状の防虫剤を用いた防虫効果の消滅時点を表示する機能を有する徐 放性防虫剤についても、ライフスタイルや住環境の変化を反映したのかまたは使 用者の手間を省く目的であるのか、衣替えに合わせた有効期間半年のものに加え て、有効期間が1年に伸びたものが店頭でかなり見られるようになってきている 。この1年型の場合、有効期間の途中に衣替えの時も含め衣類の出し入れが行わ れ、使用者が防虫効果の表示に注目する機会が多くなるため、防虫効果が継続し ていて残存する防虫薬液が揮散している途中の段階を明瞭に表示できる期間表示 器への要望が非常に強くなってきている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
そこで、本考案は、期間終了時に加えて、含有液体が揮散している途中の段階 における有効期間中の表示も、期間終了時と同様の明瞭な表示が可能となる複合 期間表示器およびその製造に適した表示基板を安価で提供することを目的とする 。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本考案者等は、基板材面上に部分的に積層された液 体透過性で液体含有時に光に対し低屈折率を呈する表示形成部が設けられた表示 基板に常温揮散性または加温揮散性の液体を含有した期間表示器は、揮散終期の 表示が最も明瞭であることおよび含有液体の量や基板材の表面積等を変化させる とその終了表示が発現するまでの期間もそれに従って変化することに着目し、種 々の期間表示器を組み合わせ複合期間表示器を構成することができるよう種々検 討し本考案を完成した。
【0007】 なお、本考案の複合期間表示器を構成する各構成要素については、複合期間表 示器の期間の途中や終了を表示する部分であって互いに他の部分と独立して液体 を含有し、その液体の揮散によって期間の途中や終了あるいは期間の初期をも表 示する各部分を表示部、含有液体とともに表示部を構成し含有液体を添加する前 の表示部用基材を表示基板、表示基板を構成する液体透過性の基材を基板材、基 板材面上に部分的に積層された液体透過性で液体含有時に光に対し低屈折率を呈 する形成材からなる部分や撥水撥油剤などが含まれてなる部分であって表示部中 の含有液体量によって基板材の他の表面部分と目視によって識別可能に形成され た部分を表示形成部と定義して、以下の説明を行う。
【0008】 本考案の複合期間表示器は、含有液体の揮散によって複数の期間表示を発現す る複合期間表示器において、液体透過性を呈する基板材と、該基板材面上に部分 的に積層された液体透過性で液体含有時に光に対し低屈折率を呈する表示形成部 とからなる表示基板が、液体含有時に該表示基板の間で液体の移動が生じない間 隔を有して複数組み合わされてなり、少なくとも2つの異なる期間を表示するよ う該複数の表示基板中に常温揮散性又は加温揮散性の液体が含有されてなること を特徴とする。
【0009】 本考案の複合期間表示器においては、表示基板の表面積、各表示基板中に含有 される液体の種類、各表示基板中に含有される液体量の内の少なくとも1つが異 なり、途中表示および終了表示機能を有することを特徴とする。
【0010】 本考案の複合期間表示器は、2つの表示基板に異なる量の液体が含有されてな り、途中表示および終了表示機能を有することを特徴とする。
【0011】 さらに、本考案の複合期間表示器は、少なくとも1つの表示基板には撥液性を 有する表示形成部が設けられてなり、初期表示、途中表示および終了表示機能を 有することを特徴とする。即ち、本考案の複合期間表示器の複数の表示部を構成 する各表示基板の内、少なくとも1つの表示基板には、前記液体含有時に光に対 し低屈折率を呈する表示形成部と撥液性を有する表示形成部の両方、または撥液 性を有する表示形成部のみが設けられてなり、初期表示、途中表示および終了表 示機能を有することを特徴とするものである。
【0012】 なお、複合期間表示器の製造に適した本考案の表示基板は、液体透過性を呈す る基板材と、該基板材面上に部分的に積層された液体透過性で液体含有時に光に 対し低屈折率を呈する複数の表示形成部と、基板材の少なくとも1つの表示形成 部を含む範囲を区切る少なくとも2つのつなぎを有する切り取り線からなる表示 基板であって、基板材の少なくとも1つの表示形成部を含む範囲毎に切り離し可 能であることを特徴とする。
【0013】 また、本考案の表示基板は、基板材の少なくとも1つの表示形成部を含む範囲 の少なくとも1つには撥液性を有する表示形成部が設けられてなることを特徴と する。
【0014】 上記のように、基板材面上に部分的に積層された液体透過性で液体含有時に光 に対し低屈折率を呈する表示形成部を設けた表示基板に揮散性の液体を含有させ た表示器は、従来から期間の終了を明敏に表示する機能を有するとして広く使用 されており、その表示形成部の構成を、本考案においても期間終了時および含有 液体が揮散している途中の段階における有効期間中の表示形成部の最適な構成と して選択した。
【0015】 かかる構成の表示形成部は、液体を含有させた後放置した場合、液体の揮散当 初は表示形成部の内部まで液体が浸透し光に対し低屈折率により透明化ないし基 板材面の呈色と同化し表示されず、ある程度揮散が進み基板材中の液体が減少し ても、基板材より高密度に構成されている表示形成部に液体が常に移行するため 透明化ないし同化状態が継続する。さらに揮散が進み、表示部形成部に移行して くる液体量が揮散量より少なくなると表示形成部の内部にも空隙が生じ始め、次 第に不透明化傾向になって、液体がほぼ消失するに至って不透明化状態になり視 覚で認識できるようになるため高感度な表示を呈するのである。
【0016】 従って、表示が出現し始めるのは表示形成部が透明化ないし同化状態が継続す るに足る液体量以下に減少し始めるとき以降であり、また、同じ液体であれば、 表示部に含有される液体量が多くなるほど表示が出現するまでの期間が長くなる ので、表示形成部が透明化ないし同化状態を示す液体量以上であれば所望の期間 を設定することが可能である。含有液体の種類を選択し組み合わせることにより 期間の設定の自由度をさらに高めることも可能である。
【0017】 本考案の複合期間表示器は、かかる特徴を有する表示形成部が設けられた表示 基板を複数設け、各表示基板に含有させる液体の種類、含有量を種々組み合わせ るなどして各々所定の期間を表示する表示部とし、液体の揮散によって、含有液 体量が早く消失する表示部から順次終了表示を発現させ、途中(中間)の有効期 間表示および終了表示を可能とするには、同種または異種の液体のどちらを使用 する場合でも各表示部間でこれら液体が移行するのを防がなければならない。表 示基板に液体を含有させる際は、表示期間の安定性、再現性を確保したり、液体 が表示基材から流れ出して周囲へ付着するのを防止するため表示基板の限界保持 量に達するほど大量の液体を含有させることはないが、表示基板の基板材は液体 透過性であるため接触したりして接続箇所があれば液体の移行によって表示期間 が異なってしまうおそれがあるため、各表示部を間隔を開けて並べるなどによっ て液体の移行を防止することが必要である。期間表示器収納容器の収納部毎に囲 いを設けられればさらに好ましい。
【0018】 各表示部の間隔は、液体の移行が生じない限り特に限定されるものではないが 、表示器製造時の作業性を考慮すると2mm以上が好ましく、3mm以上がより 好ましい。2mmより狭いと製造時に作業しにくく、接触が生じるおそれもある 。
【0019】 本考案の複合期間表示器が発現する表示は、途中表示と終了表示の2回の表示 に限られるものではなく、途中表示が段階的に表示され最後に終了表示されても よく回数は限定されない。従って、表示部の数も途中表示と終了表示用の2つに 限定されるものではなく、全体の表示期間、表示の多様性を考慮して決められ、 機能性蒸気の場合は必要揮散量等も考慮して決められる。
【0020】 本考案の複合期間表示器においては、各表示部の表示基板の表面積、各表示基 板中に含有される液体量、各表示基板中に含有される液体の種類の内の少なくと も1つが異なれば、期間の途中および終了を表示することが可能となる。含有液 体の揮散量は、特に揮散条件に違いがない場合、揮散が起きている面積に比例す るので、表示基板の大きさ(表面積)が大きくなるほど揮散量も大きくなる。含 有液体量については、揮散面積が同じであれば揮散量も同じとなるので、含有液 体量が多いほど表示が発現するまでの時間も長くなる。含有液体の種類について は、液体固有の蒸気圧により異なる。即ち、蒸気圧が高いものほど揮散量も多く なる。これら3つの可変要素は、1つに限らず、種々組み合わせることが可能で あり、商品設計の自由度が非常に高くなる。例えば、2つの表示基板の面積比が 2:1の場合、同じ液体を同量含有させれば、一般的に揮散量は表面積に比例す るので、表示期間の比は、ほぼ1:2と反比例する。
【0021】 本考案の複合期間表示器には、2つの表示基板に異なる量の液体が含有されて なり、期間の途中および終了を表示するものも含まれる。表示基板の表面積、液 体の種類が同じで含有される液体量だけ異なる場合、期間の途中は、終了表示ま での期間の半分に限られるものではなく、3分の1、5分の2など適宜所定の量 比に含有させることも可能である。このような複合期間表示器は、製造工程上の 制約も少なく安価に製造でき好ましい実施態様の1つといえる。
【0022】 各表示部を構成する表示基板についても、基板材の大きさや形、表示形成部の 大きさや形は、表示の多様性、必要揮散量等を考慮して決定される。また、組み 合わせる各表示基板の大きさや形も同じである必要はなく種々の大きさ、形を採 用し組み合わせることが可能である。表示基板の大きさ(表面積)、含有液体量 を変化させて組み合わせるだけで種々の表示期間を設定することが可能となる。 含有液体の種類が違えば揮散速度も大きく異なるので、異なる液体を組合せるこ とによって表示期間の設定範囲はさらに大きくとることが可能となり商品設計上 の自由度が増すことになる。
【0023】 本考案において、液体透過性を有する基板材としては、板紙、ろ紙、合成繊維 混抄紙等の紙材、不織布、フェルト状織物、無機繊維シート、セラミック系また はプラスチック系多孔質材など一般に多孔性構造材と称され、液体保持能力があ ると共に、液体の揮散状態に応じて順次残存する含有液体を表示形成部へ移行さ せることができ、含有液体に対して化学的に不活性なものであれば特に限定され ない。シート状が好ましいもののブロック状、円柱状なども含め特に限定されな い。なお、基板材は表示をより明瞭にさせるため、基板材全体またはその表面が 着色されていることが好ましい。着色される色相については、液体の含有時に濃 色化されたときの明度が低くなるほど好ましい。液体の保持、揮散、移行につい て本発明の目的に反しない限り、基板材の表面に着色層が形成される場合も本考 案の基板材に含まれる。
【0024】 本考案において、液体透過性を有する基板材の表面に設けられる表示形成部は 、液体含有時に光に対し低屈折率を呈する無定形シリカ、カオリン、炭酸カルシ ウム等の白色無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料の微粉粒体に、バ インダーを混合した形成材を用いて形成される。バインダーとしては、酢酸ビニ ル、EVA、NBR、SBR、アクリル系その他のラテックス等を用いることが できる。着色剤を加えることもできるが、液体を含有している時に表示されない よう基板材表面の呈色と同系色あるいは視覚的に認識できない色でなければなら ない。表示形成部から液体の揮散が終了し不透明化して表示が発現したときは基 板材とのコントラストが大きいことが望ましいため、表示形成部は白色ないし薄 い色が好ましい。
【0025】 表示形成部は、文字、数字、記号、図形またはそれらの組合せとして形成でき る。また、表示形成部は、基板材の表面に積層され上記形成材からなる平面形の 表示形成部内に、文字、数字、記号、図形またはそれらの組合せた形に基板材面 が露出させてなる部分が含まれるように形成されてもよい。この部分は、含有液 体の揮散が終了し液体が含有されていないとき、不透明化した上記表示形成部の 平面形に囲まれ、露出された基板材面の色を呈した文字、数字、記号、図形また はそれらの組合せた形がコントラストの強い、明瞭な表示として認識される。
【0026】 表示形成部に含まれる液体含有時に光に対し低屈折率を呈する微粉粒体として は、無定形シリカが好ましく使用される。混合されるバインダーは微粉粒体を十 分に固定でき、かつ液体透過性が得られる量であることが必要で、塗工方式の場 合、一般に微粉粒体100質量部に対してバインダー10〜30質量部、印刷方 式、特にスクリーン印刷では微粉粒体100質量部に対してバインダー50質量 部程度が好ましい。なお、粘度調整剤として高分子物質を添加することもでき、 通常、これら成分からなる形成材は、水に分散された塗液として準備される。
【0027】 表示形成部の形成方法は、種々の塗布方法を適宜選択できるが、シルクスクリ ーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷などの印刷法が好ましく用いられる。 また、表示形成部が設けられた表示基板には、その基板材のもう一方の表面にポ リプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂材、ガラス材等の液体不透過性のプレ ート状ないしフィルム状のカバー材を積層し、さらにこのカバー材面上に接着剤 ないし粘着剤の層を形成したものも含めることができる。また、基板材の表裏両 面に各表示形成部が設けられたものも同様である。
【0028】 本考案の複合期間表示器は、上記の表示基板に液体を含有させて作製する。使 用する含有液体については、当該表示基板に対して浸透性を有すると共に、化学 的に不活性な常温揮散性または加温揮散性の液体を、表示したい期間、使用目的 に応じて、添加量、液体の組合せを適宜選択できる。例えば、短期間表示には、 水、エタノール等のアルコール、酢酸イソアミル等、長期間表示には、グリセリ ン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール、リナロー ル、ゲラニオール等の芳香剤、更に1ヶ月以上にわたる長期間表示には、ラウリ ルアルコール、フタル酸ジメチル、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピ ル、シリコンオイル等、またはこれらの混合液を用いることができる。
【0029】 また、この含有液体については、常温揮散性または加温揮散性であって、それ 自体あるいはその蒸気が一定の機能、例えば殺虫作用、防虫作用等を有効に発揮 する液体であってもよい。例えば、O−(2,2−ジクロロビニル)−O,O− ジメチルホスフェイト、4−メチル−4−ヘプテン−1−イン−3−イル−d− シス,トランス−クリサンテマート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベン ジル、2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)−シクロプロパン −1−カルボキシレートなどの油液状剤を挙げることができる。この液体には、 ほぼ均一に混合できる揮発調整剤などの多機能成分を当該液体の機能に影響しな い範囲で適宜配合することができる。 また、付香性の液体等を含有液体として用いることも可能である。
【0030】 複数の表示部の内、終了表示する表示部に含有される液体はその蒸気が一定の 機能、例えば殺虫作用、防虫作用等を有効に発揮する液体、残りの表示部には前 者で列記した単に期間を表示するだけの液体が含有されていてもよい。
【0031】 液体を基材中に含有させる方法としては、浸漬法、注入法、滴下含浸法等既知 の手法により行うことができ、液体の含浸量、種類は、目的とする表示期間に従 って適宜調整される。
【0032】 さらに特別な実施態様として、防虫剤の期間表示を兼ねた複合期間表示器とし て使用する場合、複数の表示部の内の少なくとも1つの表示部を期間表示と無関 係に自由に利用できるユーティリティ部と称するような部分を設けることも可能 である。例えば、期間表示用の液体を含有させないで、基板材あるいはその称す る部分を明示する印刷がなされた表示基板のままとすれば、オーディコロン、香 水などを一時的に添加し、着用を予定しているドレスなどの衣料にその香りを移 したりするための一時的な液体揮散部としても利用できる。オーディコロン、香 水などは揮散が早いのでその都度異なる香りのものを使用することができる。
【0033】 本考案の複合期間表示器には、複数の表示基板を用いるが、複数の表示基板の 少なくとも1つには撥液性を有する表示形成部を設けることができる。撥液性と は、撥油性、撥水性、撥水撥油性を意味するものであり、基板材面に撥液性を付 与する物質、たとえばフッ素系撥水撥油剤を塗布して表面から一部浸透させて基 板材の表面近傍に液体の侵入できない空隙が形成されるように構成する。この表 示形成部は、液体が含有されたとき、その液体に濡れないため表示形成部内に浸 透することができない。その部分に空隙が形成され濃色化されないため淡色のま ま残り、液体が浸透して濃色化された他の基板材面に比べはっきりと認識される 。また、空隙であるため表示形成部下部の基板材中でも含有液体の揮散が可能で 揮散したガスが表示形成部を通って放散され表示形成部下部に液体が滞留するこ とがなく、そのため液体の揮散がすすみ基板材表面の含有液体量が減少し表示形 成部周辺の基板材表面が徐々に淡色化すると表示が認識できなくなるという特徴 がある。期間表示器として、最初は表示しているが揮散が進むにつれ表示が消え る初期表示に適している。初期表示は複数の表示部のうちの1つに限定されるも のではなくすべての表示部に設けることができ、また、撥液性を有する表示形成 部だけが設けられた表示基板が複数の表示基板の1つであっても構わない。
【0034】 撥液性を付与する物質としてフッ素系撥水撥油剤は含有液体の種類を問わず、 少量でも機能を発揮でき、ほぼ無色透明で基板材の風合いを損なわないため、表 示基板から液体が揮散した後はほとんど認識できないという特徴があり好ましい 。逆に塗付量が多すぎ、基板材の空隙を埋めてしまったり、基板材の表面に層状 の樹脂皮膜を形成したりすると揮散終了後も表示が消えず認識されてしまい好ま しくない。
【0035】 基板材表面にフッ素系樹脂を用いて撥油性または撥水撥油性を有する表示形成 部を設ける際、液体の含有時にフッ素系樹脂が塗布された箇所が文字、記号ない しはその組み合わせとし表示基板の表面に表示されてもよく、逆に、文字、記号 ないしはその組み合わせになるようフッ素系樹脂の塗布されてない箇所を設定し 、その周囲の部分にフッ素系樹脂を塗布して表示されるようにしてもよい。いず れにしても液体含有時にそのフッ素系樹脂塗布部分には液体が浸透しないため濃 色化しないで淡色を呈し、フッ素系樹脂の塗布されてない部分は液体が浸透して 濃色化して、そのコントラストによって文字、記号ないしはその組み合わせとし て視覚的に認識できる表示となる。
【0036】 撥液性を有する表示形成部の形成方法は、種々の塗布方法を適宜選択できるが 、ステンシルを用いたスプレー法やシルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グ ラビア印刷などの印刷法が好ましく用いられる。表示形成部のフッ素系樹脂の塗 布量としては、基板材の材料、表面形状等により適宜調整されるが、基板材の表 面近傍に撥油性または撥水撥油性の空隙を形成するのに必要な量であれば足りる 。スクリーン印刷の場合、固形分15質量%のフッ素系樹脂を用いてスクリーン メッシュ200〜60が適切な範囲である。塗布量としては溶剤型フッ素系樹脂 の場合、3.0〜15.0g/m(固形分換算0.45〜2.25g/m) の範囲、より好ましくは5.0〜10.0g/m(固形分換算0.75〜1. 5g/m)であり、水溶性樹脂タイプの場合、0.2〜10.0g/m(固 形分換算0.03〜1.5g/m)の範囲、より好ましくは1.5〜6.0g /m(固形分換算0.225〜0.9g/m)である。
【0037】 複数の表示部の1つまたは全ての表示部に撥液性の表示形成部を設けられた本 考案の複合期間表示器は、フッ素系の撥水撥油剤の塗布部に液体が浸透できない ので含有液体の揮散初期は淡色の表示部が発現し、いわゆる初期表示機能、中間 表示機能、終了表示機能を有するので、撥液性の表示形成部を設けられていない 前記複合期間表示器と同様に、各表示部の表示基板の表面積、各表示基板中に含 有される液体量を変数として各種組合せることによって、さらに多様な期間表示 器を製造することができる。
【0038】 また、本考案の表示基板は、複合期間表示器を製造する際のトラブル防止のた め種々検討し完成したものである。即ち、本考案の複合期間表示器は、複数の表 示基板を組み合わせて1つのセットに構成し、各表示基板に液体を含有させてか ら容器に入れ、あるいは表示基板を容器に収納と同時に液体を添加する工程を経 るため、あらかじめ製造された表示基板を使用することは可能であるが、それら 表示基板がバラバラにつくられていると製造する際に組み合わせる手間が生じ、 その組み合わせが複雑になるほど、セットの組み間違いが発生しやすくなるから である。
【0039】 即ち、含有液体の揮散によって途中表示や終期表示などの各期間表示を発現さ せることが可能な複合期間表示器に用いることができる本考案の表示基板は、液 体透過性を呈する基板材と、該基板材面上に部分的に積層された液体透過性で液 体含有時に光に対し低屈折率を呈する複数の表示形成部と、基板材の少なくとも 1つの表示形成部を含む範囲を区切る少なくとも2つのつなぎを有する切り取り 線からなる表示基板であって、基板材の少なくとも1つの表示形成部を含む範囲 毎に切り離し可能であることを特徴とするもので、切り離された各片は各々設定 された期間を表示する表示基板として使用される。複数の表示形成部は、それら が製造時に切り離して複合期間表示器として使用できるよう表示器の製造工程に 合わせてあらかじめ1枚の表示基板にまとめられているものが好ましい。例えば 、含有液体を分注方式で添加した後収納容器に収納させる工程では、途中表示か ら終期表示に至る一連の表示に該当して組み合わせられていると最適な組合せの 1つといえる。
【0040】 表示形成部の数は、2つ以上であれば特に限定されるものではなく、複合期間 表示器の所定の期間表示の数、即ち、表示部の数により決定される。
【0041】 なお、前記特別な実施態様の例として述べた複数の表示部の内の1つの表示部 を期間表示と無関係に自由に利用できるユーティリティ部として設ける場合は、 切り取り線で区切られた範囲をさらに1つ設ける必要がある。
【0042】 表示基板内に設けられ液体透過性で液体含有時に光に対し低屈折率を呈する複 数の表示形成部は、前記表示基板と同様に形成することができる。
【0043】 表示形成部を含む範囲毎に切り離し可能としている少なくとも2つのつなぎを 有する切り取り線は、ミシン目と同様に切れ目が形成されており、切り離し作業 が行われるまでに取り扱いで切れてしまわないよう、「つなぎ」と称する接続点 が形成されており、接続点の長さは可能な限り短く、その数も可能な限り少ない 方が好ましい。切り取り線は、印刷機で目打ちすることによってミシン目を形成 させることもできるが、本考案に使用されるような基板材は、比較的厚さのある シート状のものが多用されるため打ち抜きなどによって形成することがより好ま しい。接続点の長さは、切り離し可能であれば特に限定されないが1mm以内が 好ましい。接続点の数や間隔は、特に限定されるものではないが、取り扱いで切 れてしまわないよう切り取り線1本当たり2点以上が好ましい。但し、周囲を囲 むような場合は、4点以下が好ましい。
【0044】 また、本考案の表示基板は、基板材面上に部分的に積層された液体透過性で液 体含有時に光に対し低屈折率を呈する複数の表示形成部以外に、撥液性を有する 表示形成部が設けられてなるものも含まれる。つなぎを有する切り取り線で区切 られた基板材の少なくとも1つの表示形成部を含む範囲(以下「表示部域」と称 する)を、複数の表示部域の少なくとも1つの表示部域内に撥液性を有する表示 形成部が設けられてなるものである。
【0045】 撥液性を有する表示形成部は前記のように初期表示に適しており、初期表示は 複数の表示部域の1つに限定されるものではなくすべての表示部域に設けること ができ、また、撥液性を有する表示形成部だけが設けられた表示部域が複数の表 示部域の1つであっても構わない。撥液性を有する表示形成部は、基板材面に撥 液性を付与する物質、たとえばフッ素系撥水撥油剤を塗布して前記と同様に形成 することができる。
【0046】 本考案の複合期間表示器は、あらかじめ作製された複数の表示基板を用いて製 造できるが、本考案の表示基板から切り離された各切片を表示基板として用い、 常温揮散性または加温揮散性の液体を含有させても同様に製造できるので本考案 の複合期間表示器の表示機構は特にどちらと限定しないで次のように説明できる 。
【0047】 即ち、複数の表示基板に常温揮散性または加温揮散性の液体が含有された後、 放置し揮散が開始されると、各表示部の液体透過性で液体含有時に光に対し低屈 折率を呈する各表示形成部内の液体も揮散するが、基板材内の液体が充分にある 間は徐々に各表示形成部に移行して供給は十分なされるため透明化状態が継続さ れる。さらに揮散が進み終了時に近づき基板材内の液体が僅かになり液体の供給 量が揮散量に追いつかなくなり空隙が生じて不透明化が進み終了表示を発現する 表示形成部が出現し始めると、含有液体量が早く消失する表示部から順次終了表 示が発現され、途中(中間)の有効期間表示および終了表示が可能となるのであ る。
【0048】 複合期間表示器の表示部の変化は各表示部の含有液体量の変化に従って進行す るので、表示発現時の各表示器の単位面積当たりの残存液体量は、各表示器の大 きさ(表示基板の表面積)が異なってもほぼ同じとなる。一定の厚さを有するシ ートを基板材として用いた場合、本考案の複合期間表示器の各表示部は互いに液 体の移動が生じない間隔を持って配置されているので、各表示部を含有液体の容 器とみなすと、この容器の深さは同じで表面積が容器の大きさを決定するものと なる。同じ液体を含有する期間表示部をいくつか使用するとき、いずれかの表示 部表面に液体の揮散を阻害する液体不透過性層が設けられていない限り、全ての 表示部の揮散量(速度)は単位面積あたりほぼ同じとみなせることから、各表示 部の単位面積あたりの含有液体量が表示される期間を決定する。従って、単位面 積あたりの含有液体量の少ない表示部から、それぞれ設定された終了表示を次々 に示すことにより、複合期間表示器としてそれぞれ該当する期間の途中を表わす ことになり、最も多い表示部が最後に終了を表示することになるのである。
【0049】 初期表示のための表示形成部は、表示基板に液体が含有されてもその液体に濡 れないため液体は表示形成部内に浸透することができない。その部分に空隙が形 成され濃色化されないため淡色のまま残り、液体が浸透して濃色化された他の基 板材面に比べはっきりと認識される。また、空隙であるため表示形成部下部の基 板材中でも含有液体の揮散が可能で揮散したガスが表示形成部を通って放散され 表示形成部下部に液体が滞留することがなく、そのため液体の揮散がすすみ基板 材表面の含有液体量が減少し表示形成部周辺の基板材表面が徐々に淡色化すると 表示が認識できなくなるという特徴があり、最初は表示しているが揮散が進むに つれ表示が消える初期表示機能を有するが、複合期間表示器の表示部の内、含有 液体量が減少し表示形成部周辺の基板材表面が徐々に淡色化して、もとの淡色の 初期表示形成部と識別ができなくなった表示部から初期表示が消えていくのであ る。従って、全ての表示部に初期表示形成部が設けられていると各表示部の終了 表示が遅くなる表示部ほど初期表示の消えるのも遅くなるのである。
【0050】 このように、本考案の複合期間表示器は、各表示部の含有液体量、液体の種類 、または表示部の表面積を変えたものを組み合わせるだけで、表示の発現時期を 自在に調節可能となり、更に表示も明瞭であるため、利用者に終点のみでなく、 途中経過を分かり易く示すことができる複合期間表示器を提供することができる 。さらに初期表示を加えることもできるのでデザイン性の高いものを提供するこ ともできる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本考案を説明するが、本考案はこれらに限定されるもので はない。
【0052】 実施例1 図1は、同じ表面積の2つの表示部A1、A2からなる複合期間表示器を示す 。基板材とした青色湿式不織布(150g/m、20mm×27mm×400 μm)の片面に、無定形シリカ+アクリル系バインダー(固形分比1/0.5) に分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、粘度調整剤(カルボキシメチルセル ロースナトリウム)を添加して調製した塗液を用いてスクリーン印刷により塗布 量25g/mで塗工して作製され、表示形成部a1の矢印および文字「→→お 」の設けられた表示基板と表示形成部a2の文字表示「取替え」の設けられた表 示基板、後述する本考案の表示基板を切り離して得た2つの表示部域を各々表示 基板として使用したもので、この表示基板に各々フタル酸ジメチル(図示せず) を10mg、20mg含有させた表示部A1、A2が各々、収納容器(窓あきカ バーは図示せず)Acの収納部ac1、ac2に収納され、揮散を開始する前の 2つの表示部の表示形成部a1、a2が液体によって透明化して認識できず、基 板材の濃青色だけが観察されている状態を示している。
【0053】 実施例1の複合期間表示器を23℃の恒温室内に放置し揮散を開始した。揮散 を開始して3日を経過した時点で、表示部A1の表面はやや淡色化しているが、 表示部A1の表示形成部a1も、表示部A2の表示形成部a2もともに表示の発 現は見られなかった。揮散開始後4日目に入り4時間経過した頃、表示部A1の 表示形成部a1の表示が発現し始め、ほぼ3.5日経過時に、矢印および文字「 →→お」の表示が明瞭な白色で観察され、表示部A2は基板材の濃青色が見られ るだけで、その状態を図2に示した。
【0054】 さらに揮散を続け、7日を経過する直前に、表示部A2の表示形成部a2の表 示が発現し始め、8日目に入ると、表示形成部a2の文字表示「取替え」の表示 も明瞭な白色で観察され、表示部A1、A2の表示形成部a1、a2の「→→お 」「取替え」の終了の表示が認識された。その状態を図3に示した。
【0055】 本考案の複合期間表示器は、期間の途中および終了をともに明瞭に表示できる ことが確認された。なお、使用した収納容器Acの収納部ac1、ac2は、図 4に示したように凹部状で、表示部A1、A2はともに収納部ac1、ac2内 に収まっており、表示部A1とA2が接触することはなかった。
【0056】 実施例2 図5は、表面積の比1:1.4:1(各表面積4cm、5.6cm、4c m)の3つの表示部B1、B2、B3からなる複合期間表示器を示す。基板材 と個々の形状に打ち抜いて作製した青色湿式不織布(150g/m、400μ m、裏面100μPPフィルムラミネート)の表面に、無定形シリカ+アクリル 系バインダー(固形分比1/0.5)に分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム) 、粘度調整剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して調製した塗 液を用いてスクリーン印刷により塗布量25g/mで塗工して図5に示す表示 形成部b1の文字表示「お」を設けた表示基板、表示形成部b1と同じ形成材を 用いた表示形成部b2の文字表示「とり」と溶剤型フッ素系撥水撥油剤(ダイキ ン工業(株)製ユニダインTG−652、15質量%濃度)をスプレー塗布して 表示形成部b0の文字表示「開始」を設けた表示基板、表示形成部b1と同じ形 成材を用いた表示形成部b3の文字表示「かえ」を設けた表示基板に、各々フタ ル酸ジメチル(図示せず)を10mg、20mg、20mg含有させた表示部B 1、B2、B3が、各々収納容器(窓あきカバーは図示せず)Bcに貼り付けら れ、揮散を開始する前の3つの表示部のうち表示部B2の表示形成部b0に液体 が浸透できないため濃色化されないで淡色の文字の表示「開始」だけが初期表示 として認識された状態を示している。
【0057】 実施例2の複合期間表示器を23℃の恒温室内に放置し揮散を開始した。揮散 を開始して1日を経過した時点で、初期表示として認識された表示部B2の表示 形成部b0の文字表示「開始」が少しぼやけ始め、2日目半ばで認識できなくな り初期表示が消失した。その後、揮散を開始して4日を経過した時点でも、表示 部B1の表面は少し淡色化しているが、表示部B1の表示形成部b1および表示 部B2、B3の表示形成部b2、b3もともに表示の発現は見られなかった。
【0058】 揮散開始後5日目の半ばで表示部B1の表示形成部b1の表示が発現し始め、 5日目の終わり頃に文字「お」の表示が明瞭な白色で観察され、表示部B2、B 3は基板材のまだまだ濃い青色が見られるだけで、表示部B2の表示形成部b2 も、表示部B3の表示形成部b3もともに表示の発現は見られなかった。その状 態を図6に示した。
【0059】 揮散開始後7日目に入り約0.7日が経過した頃、表示部B2の表示形成部b 2の表示が発現し始め、7日目の終わり近くに、文字「とり」の表示が明瞭な白 色で観察され、表示部B1とB2の表示形成部b1とb2の文字「お」「とり」 の2つの表示が認識された。その状態を図7に示した。
【0060】 揮散開始後10日目に入り半ばが経過した頃、表示部B3の表示形成部b3の 表示が発現し始め、10日目の後半の半ばに、文字「かえ」の表示が明瞭な白色 で観察され、表示部B1、B2、B3の表示形成部b1、b2、b3の文字「お 」「とり」「かえ」の終了の表示が認識された。その状態を図8に示した。
【0061】 本考案の複合期間表示器は、期間の初期、2回の途中および終了をともに明瞭 に表示できることが確認された。なお、使用した収納容器Bcは、平らな面であ ったが、3つの表示部は含有液体量が、最大保液量(手で触れても付着しない限 界とされる液量)の5分の1以下にすぎず、表示部は互いに5mmの間隔を開け て貼り付けられ、表示部B1、B2、B3が接触することも液が流れ出すような ことはなかった。
【0062】 実施例3 図9に本考案の他の実施例の複合期間表示器を示す。表示部C1、C2、C3 が各々収納容器Ccの凹状の収納部cc1、cc2、cc3内に配置された以外 に、収納部cc4に使用者が自由に利用するためのユーティリティ部Cfを配置 したものである。ユーティリティ部Cfには何も添加されていないが、表示部C 1、C2、C3にはエンペントリン系防虫剤各々10mg、20mg、30mg が含有され、表示部C2の初期表示「開始」のみが発現し、期間の途中を示す表 示および終了表示である「お」、「とり」、「かえ」は含有液体によって透明化 され認識できない揮散開始前の状態を示す。
【0063】 表示部C1、C2、C3の各表示基板は、同じ大きさ(表面積4cm)の青 色湿式不織布(150g/m、400μm)の片面に、無定形シリカ+アクリ ル系バインダー(固形分比1/0.5)に分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム )、粘度調整剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して調製した 塗液を用いてスクリーン印刷により塗布量25g/mで塗工され、各々文字表 示「お」、「とり」、「かえ」の表示形成部c1、c2、c3が設けられ、表示 部C2には、ステンシルを用いて溶剤型フッ素系撥水撥油剤(ダイキン工業(株 )製ユニダインTG−652、15質量%濃度)をスプレー塗布した文字表示「 開始」の表示形成部c0も設けられている。
【0064】 液体の含有されていない収納部cc4のユーティリティ部Cfは、約3分の1 の大きさ(表面積4cm)の青色湿式不織布(150g/m、400μm) の片面に使用者が自由に利用できることを示す印刷が施されているだけで、ユー ザーの好みの付香剤等を添加できる。
【0065】 実施例4 図10に本考案の表示基板Dを示す。表示基板Dは、青色基板材dの片面に、 液体含有時に光に対し低屈折率を呈する形成材からなる白色の表示形成部d1、 d2が設けられ、2つの表示形成部の間が2箇所のつなぎを有する切り取り線p で区切られてなるもので、表示形成部d1の設けられた表示基板部分(表示部域 )D1と表示形成部d2が設けられた表示基板部分(表示部域)D2が形成され てなり、切り取り線から2つに切り離し可能な表示基板である。
【0066】 表示基板Dは、基板材とした青色湿式不織布(150g/m、20mm×5 4mm×400μm)の片面に、無定形シリカ+アクリル系バインダー(固形分 比1/0.5)に分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、粘度調整剤(カルボ キシメチルセルロースナトリウム)を添加して調製した塗液を用いてスクリーン 印刷により塗布量25g/mで塗工して矢印および文字「→→お」からなる表 示形成部d1と文字表示「取替え」からなる表示形成部d2を設けた後、2つの 表示形成部の間を区切る切り取り線を2箇所のつなぎを形成する抜き型で打ち抜 き加工して作製することができる。
【0067】 表示基板Dは、切り取り線pから容易に切り離すことができ、切り離された2 片をフタル酸ジメチル液に浸漬したところ表示形成部d1と表示形成部d2は透 明化して認識できなくなり、実施例1の複合期間表示器の製造に適した表示基板 として使用できることが確認された。
【0068】 実施例5 図11に本考案の表示基板Eを示す。表示基板Eは、青色基板材eの片面に、 液体含有時に光に対し低屈折率を呈する形成材からなる白色の表示形成部e1、 e2、e3および目で見てほとんど認識できない撥液性を有する表示形成部e0 が設けられ、表示形成部e1を含む範囲、表示形成部e2と表示形成部e0を含 む範囲、表示形成部e3を含む範囲の3つの範囲に2箇所のつなぎを有する切り 取り線pで区切られてなるもので、表示形成部e1の設けられた表示基板部分( 表示部域)E1、表示形成部e2と表示形成部e0が設けられた表示基板部分( 表示部域)E2、表示形成部e3の設けられた表示基板部分(表示部域)E3が 形成されてなり、切り取り線pから3つに切り離し可能な表示基板である。
【0069】 表示基板Eは、基板材とした青色湿式不織布(150g/m、20mm×5 4mm×400μm)の片面に、無定形シリカ+アクリル系バインダー(固形分 比1/0.5)に分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、粘度調整剤(カルボ キシメチルセルロースナトリウム)を添加して調製した塗液を用いてスクリーン 印刷により塗布量25g/mで塗工して文字「お」からなる表示形成部e1、 文字「とり」からなる表示形成部e2、文字「かえ」からなる表示形成部e3を 設けた後、さらにステンシルを用いて溶剤型フッ素系撥水撥油剤(ダイキン工業 (株)製ユニダインTG−652、15質量%濃度)をスプレー塗布した文字表 示「開始」の表示形成部e0を設ける。次に、つなぎを形成しない楕円と2箇所 のつなぎを形成する直線2本が組み合わされた抜き型で打ち抜き加工して作製す ることができる。
【0070】 表示基板Eは、切り取り線pから容易に切り離すことができ、切り離された表 示形成部e1の設けられた表示基板部分(表示部域)E1、表示形成部e2と表 示形成部e0が設けられた表示基板部分(表示部域)E2、表示形成部e3の設 けられた表示基板部分(表示部域)E3をフタル酸ジメチル液に浸漬したところ 表示形成部e1、e2、e3は透明化して認識できなくなり、表示形成部e0が 淡青色の文字「開始」として表示され、実施例2の複合期間表示器の製造に適し た表示基板として使用できることが確認された。
【0071】 実施例6 図12に本考案の表示基板Fを示す。表示基板Fは、青色基板材fの片面に、 液体含有時に光に対し低屈折率を呈する形成材からなる白色の表示形成部f1、 f2、f3、f4、f5が設けられ、5つの表示形成部の間が各々2箇所のつな ぎを有する4本の切り取り線pで区切られてなるもので、表示形成部f1の設け られた表示基板部分(表示部域)F1、表示形成部f2が設けられた表示基板部 分(表示部域)F2、表示形成部f3の設けられた表示基板部分(表示部域)F 3、表示形成部f4の設けられた表示基板部分(表示部域)F4、表示形成部f 5の設けられた表示基板部分(表示部域)F5が形成されてなり、各切り取り線 pから5つに切り離し可能な表示基板である。
【0072】 表示基板Fは、基板材とした青色湿式不織布(150g/m、20mm×1 00mm×400μm)の片面に、無定形シリカ+アクリル系バインダー(固形 分比1/0.5)に分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、粘度調整剤(カル ボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して調製した塗液を用いてスクリー ン印刷により塗布量25g/mで塗工して文字「お」、「と」、「り」、「か 」、「え」からなる表示形成部f1、f2、f3、f4、f5を設けた後、5つ の表示形成部の間を区切る切り取り線を2箇所のつなぎを形成する抜き型で打ち 抜き加工して作製することができる。
【0073】 表示基板Fをフタル酸ジメチル液に浸漬したところ表示形成部f1、f2、f 3、f4、f5は透明化して認識できなくなった。表示基板Fを液から引き上げ 、ろ紙の間に挟んで強くプレスした後は手で触れても液体の付着はほとんど感じ られなかった。4本の切り取り線pのどの切り取り線からでも容易に切り離すこ とができ、複合期間表示器の製造に適した表示基板として使用できることが確認 された。
【0074】 表示基板Fのようなタイプの表示基板は、4本の切り取り線のすべてで切り離 すだけでなく、1本だけ、または2本だけ、また3本の切り取り線から自在に選 択して切り離すことができ、各表示形成部の形状を組み合わせることや切り取ら れた表示部域の表面積を自在に選択できるので複合期間表示器の設計の自由度が 高くなり好ましい。
【0075】
【発明の効果】
本考案によれば、期間終了時に加えて、含有液体が揮散している途中の段階に おける有効期間中の表示も、期間終了時と同様の明瞭な表示が可能な複合期間表 示器を提供するとともにその製造に適した表示基板を安価で提供することができ る。
【0076】 さらに、複数の表示部から構成されるため、表示部の大きさ、形状、含有液体 の種類、含有量を種々組み合わせることによって表示期間の設定範囲を広くとる ことが可能で、含有する液体が防虫機能等を発揮する場合には、期間表示、有効 期間表示とともにそれらの作用を併用することも可能である。
【0077】 また、一時的な液体揮散部とするなど表示機能以外の役割を持たせて商品設計 上の自由度の高い複合期間表示器を提供することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の複合期間表示器の揮散開始前の状態
を示す模式平面図
【図2】実施例1の複合期間表示器の期間の途中の状態
を示す模式平面図
【図3】実施例1の複合期間表示器の期間の終了の状態
を示す模式平面図
【図4】実施例2の複合期間表示器の揮散開始前の状態
を示す模式平面図
【図5】実施例2の複合期間表示器の期間の途中の状態
を示す模式平面図
【図6】実施例2の複合期間表示器の期間のもう1つの
途中の状態を示す模式平面図
【図7】実施例2の複合期間表示器の期間の終了の状態
を示す模式平面図
【図9】実施例3の複合期間表示器の揮散開始前の状態
を示す模式平面図
【図10】実施例4の表示基板Dの模式平面図
【図11】実施例5の表示基板Eの模式平面図
【図12】実施例6の表示基板Fの模式平面図
【符号の説明】
D、E、F・・・・・表示基板 Ac、Bc、Cc・・・・・複合期間表示器の収納容器 ac1、ac2、cc1、cc2、cc3、cc4・・・・
・収納容器の収納部 A1、A2、B1、B2、B3、C1、C2、C3・・・・
・表示部 a1、a2、b1、b2、b3、c1、c2、c3、d
1、d2、e1、e2、e3、f1、f2、f3、f
4、f5・・・・・液体含有時に光に対し低屈折率を呈する
形成材からなる表示形成部 b0、c0、e0・・・・・撥液性を有する表示形成部 d、e、f・・・・・基板材 p・・・・・2つのつなぎを有する切り取り線
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月8日(2002.8.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の複合期間表示器の揮散開始前の状態
を示す模式平面図
【図2】実施例1の複合期間表示器の期間の途中の状態
を示す模式平面図
【図3】実施例1の複合期間表示器の期間の終了の状態
を示す模式平面図
【図4】実施例1の複合期間表示器の表示部を収納する
ための収納容器(窓あきカバーは図示せず)の斜視図
【図5】実施例2の複合期間表示器の揮散開始前の状態
を示す模式平面図
【図6】実施例2の複合期間表示器の期間の途中の状態
を示す模式平面図
【図7】実施例2の複合期間表示器の期間のもう一つの
途中の状態を示す模式平面図
【図8】実施例2の複合期間表示器の期間の終了の状態
を示す模式平面図
【図9】実施例3の複合期間表示器の揮散開始前の状態
を示す模式平面図
【図10】実施例4の表示基板Dの模式平面図
【図11】実施例5の表示基板Eの模式平面図
【図12】実施例6の表示基板Fの模式平面図
【符号の説明】 D、E、F・・・・・表示基板 Ac、Bc、Cc・・・・・複合期間表示器の収納容器 ac1、ac2、cc1、cc2、cc3、cc4・・・・
・収納容器の収納部 A1、A2、B1、B2、B3、C1、C2、C3・・・・
・表示部 a1、a2、b1、b2、b3、c1、c2、c3、d
1、d2、e1、e2、e3、f1、f2、f3、f
4、f5・・・・・液体含有時に光に対し低屈折率を呈する
形成材からなる表示形成部 b0、c0、e0・・・・・撥液性を有する表示形成部 d、e、f・・・・・基板材 p・・・・・2つのつなぎを有する切り取り線

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含有液体の揮散によって複数の期間表示
    を発現する複合期間表示器において、液体透過性を呈す
    る基板材と、該基板材面上に部分的に積層された液体透
    過性で液体含有時に光に対し低屈折率を呈する表示形成
    部とからなる表示基板が、液体含有時に該表示基板の間
    で液体の移動が生じない間隔を有して複数組み合わされ
    てなり、少なくとも2つの異なる期間を表示するよう該
    複数の表示基板中に常温揮散性又は加温揮散性の液体が
    含有されてなることを特徴とする複合期間表示器。
  2. 【請求項2】 表示基板の表面積、各表示基板中に含有
    される液体の種類、各表示基板中に含有される液体量の
    内の少なくとも1つが異なり、途中表示および終了表示
    機能を有することを特徴とする請求項1記載の複合期間
    表示器。
  3. 【請求項3】 2つの表示基板に異なる量の液体が含有
    されてなり、途中表示および終了表示機能を有すること
    を特徴とする請求項1または2記載の複合期間表示器。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの表示基板には、撥液性
    を有する表示形成部が設けられてなり、初期表示、途中
    表示および終了表示機能を有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の複合期間表示器。
  5. 【請求項5】 液体透過性を呈する基板材と、該基板材
    面上に部分的に積層された液体透過性で液体含有時に光
    に対し低屈折率を呈する複数の表示形成部と、基板材の
    少なくとも1つの表示形成部を含む範囲を区切る少なく
    とも2つのつなぎを有する切り取り線からなる表示基板
    であって、少なくとも1つの表示形成部を含む範囲毎に
    切り離し可能であることを特徴とする表示基板。
  6. 【請求項6】 基板材の少なくとも1つの表示形成部を
    含む範囲の少なくとも1つには撥液性を有する表示形成
    部が設けられてなることを特徴とする請求項5記載の表
    示基板 。
JP2002003154U 2002-05-28 2002-05-28 複合期間表示器およびそれに用いる表示基板 Expired - Fee Related JP3090317U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002003154U JP3090317U (ja) 2002-05-28 2002-05-28 複合期間表示器およびそれに用いる表示基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002003154U JP3090317U (ja) 2002-05-28 2002-05-28 複合期間表示器およびそれに用いる表示基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3090317U true JP3090317U (ja) 2002-12-06

Family

ID=43241540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002003154U Expired - Fee Related JP3090317U (ja) 2002-05-28 2002-05-28 複合期間表示器およびそれに用いる表示基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3090317U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076607A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Sumitomo Chemical Co Ltd 期間表示器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076607A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Sumitomo Chemical Co Ltd 期間表示器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1773411B1 (en) Volatile material expiration indicating system
TWI251182B (en) Period indicator
JP3090317U (ja) 複合期間表示器およびそれに用いる表示基板
JP2020005884A (ja) 発香シート
TWI225772B (en) Chemical-transpiring body, device for heating and transpiring chemical and indicator for chemical to be heated and vaporized
JP4212823B2 (ja) 期間インジケーター
JPS60224603A (ja) 表示器兼用防虫材
JPH05938Y2 (ja)
JPH11319061A (ja) 液体用揮散装置
JP3045651B2 (ja) 期間表示器
JPWO2004013828A1 (ja) 期間インジケーター
JP3773568B2 (ja) 表示器兼用薬液剤揮散材及びこの表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置
JP3730293B2 (ja) 表示器兼用薬液剤揮散材及びこの表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置
JP3096777U (ja) 複合期間表示器およびそれに用いる複合表示基板
JP3601879B2 (ja) 表示材料
JPH11319062A (ja) 液体揮散装置
JPH0436122B2 (ja)
JP2571164Y2 (ja) 期間表示器
JP2604345Y2 (ja) タイムインジケーター
JPH11209742A (ja) 揮発性油状物質保持体および期間表示材料
JP5431696B2 (ja) 香り付き使い捨てカイロ
JPH10330204A (ja) 期間表示材料
JPH09142543A (ja) 表示器兼用薬液剤揮散装置
JPH0880691A (ja) 芳香カレンダー
JPH0521950U (ja) 芳香器

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees