JP3773568B2 - 表示器兼用薬液剤揮散材及びこの表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薬液剤の揮散に用いられる表示器兼用薬液剤揮散材及びこの表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置に係り、特に含有薬液剤の残量の表示性を向上させた表示器兼用薬液剤揮散材及びこの表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、揮散性固形防虫剤自体をそのまま定形的に固化した防虫材に代って、常温揮散性の防虫薬液剤を合成樹脂材に含有させた構成の防虫材が、その加工性及び利用性上の利点から普及してきている。
【0003】
このような防虫薬液剤を合成樹脂材に含有させた防虫材は、揮散性固形防虫剤自体を用いたものと違って防虫薬液剤による防虫能が防虫材の大きさで確認できないため、防虫能を表示する手段を設けたものが各種開発されている。
【0004】
その一例として、下地色を呈する油液透過性の基板材とこの基板材の一片面上に形成した油性透過性で低い屈折率の地色層とによりなる紙状材を有し、紙状材の前記地色層面にガス不透過性乃至ガス半透過性であって透明乃至半透明のカバー材を積層して紙状体となし、この紙状体の前記紙状部分に常温揮散性の油性防虫剤を含有せしめてなる防虫能表示器兼用防虫材が開発されている(特公平4−36123号公報参照)。
【0005】
このような防虫能表示器兼用防虫材では、紙状体に薬液が浸透されている状態では、その地色層が低屈折率性により透明化され、基板材の一片面の下地色がカバー材を介して確認できる状態となる。紙状体から薬液が完全に放出された場合には、地色層が不透明化し、地色層の色がカバー材を介して確認できる状態となる。このような紙状体での色調の変化は、基板材からの薬液の残量にのみ依存し、防虫薬液剤の揮散ガスの存在に依存しないため、その色調の変化点は含有防虫薬液剤の消失点と一致し、その表示機能は極めて正確になる。
【0006】
しかしながら、このような防虫能表示器兼用防虫材では、表示は含有防虫薬液剤が残っている状態と完全消失の状態の2段階であるため、一般家庭で衣服の防虫に使用する場合、防虫能表示器兼用防虫材を新しいものと交換するのは、含有防虫薬液剤が完全消失してからとなる場合が多々あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の防虫能表示器兼用防虫材では、表示は含有防虫薬液剤が残っている状態と完全消失の状態の2段階であるため、一般家庭で衣服の防虫に使用する場合、防虫能表示器兼用防虫材を新しいものと交換するのは、含有防虫薬液剤が完全消失してからとなり、この間に防虫が行えない場合が多々あった。
【0008】
そこで本発明は、含有薬液剤の残量に対して、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態と所定量以下だけ残っている状態と完全消失の状態との3段階の表示が行える表示器兼用薬液剤揮散材の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の表示器兼用薬液剤揮散材は、常温揮発性薬液剤と、薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透している状態で第1の色を呈し、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色を呈する基板材と、ガス不透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の少なくとも一方に部分的に設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる模様部材と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の表示器兼用薬液剤揮散材は、常温揮発性薬液剤と、薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透している状態で第1の色を呈し、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色となる基板材と、ガス透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の少なくとも一方に、模様部分を除いて設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる揮散抑制部材と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の表示器兼用薬液剤揮散材は、常温揮発性薬液剤と、薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透している状態で第1の色を呈し、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色を呈する基板材と、ガス透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の少なくとも一方に部分的に設ける模様部材と、この模様部材よりもガス透過性が低くまたは高く、透明または半透明で、前記基板材の前記模様部材を取り付けた面における前記模様部材を取り付けなかった部分に設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる揮散抑制部材と、を具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の表示器兼用薬液剤揮散材は、有色で第1の色呈する常温揮発性薬液剤と、前記第1の色と異なる第2の色を呈し薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透する基板材と、ガス不透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の内少なくとも一方に設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる模様部材と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第1の発明の実施の形態を示す要部の断面図である。
【0016】
図1において、表示器兼用薬液剤揮散材10は、基板材11と、屈折率変化層12と、模様部材13とから構成されている。基板材11は第1の色(例えば青色)を呈しており、薬液剤透過性の材料でシート状に形成されている。基板材11の一面には、前記第1の色と異なる第2の色(例えば白色)を地色として呈し、薬液剤透過性で薬液剤が浸透している状態で相対的に低屈折率となり、薬液剤が消失した状態で相対的に高屈折率となる屈折率変化層12が形成されている。模様部材13は、ガス不透過性またはガス半透過で透明または半透明の材料で層状に形成され、屈折率変化層12の基板材11側とは反対側の面に部分的に取付けられることにより設けられている。
【0017】
基板材11及び屈折率変化層12には、無色透明の薬液剤が浸透されている。これにより基板材11と屈折率変化層12とは、薬液剤透過性で薬液剤が浸透している状態で第1の色となり、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色となるシート材を構成している。
【0018】
このような第1の発明の実施の形態によれば、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態では、屈折率変化層12の全面が相対的に低屈折率となり透明となり、基板材11の第1の色が屈折率変化層12が形成された面の全体で確認できる。
【0019】
屈折率変化層12の模様部材13が取付けられた部分は、模様部材13に対応する部分に対して薬液剤が揮散しにくくなるので、含有薬液剤が所定量以下だけ残っている場合には、屈折率変化層12の模様部材13に対応する部分だけ低屈折率となり透明となり、基板材11の第1の色が屈折率変化層12の模様部材13に対応する部分だけ確認でき、残りの屈折率変化層12の部分は高折率となり不透明となり地色である第2の色が確認できる。
【0020】
含有薬液剤が完全消失の状態では、屈折率変化層12の全面が相対的に高屈折率となり不透明となり地色である第2の色が確認される。
【0021】
図2は図1の表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置の第1の例を示す斜視図である。
【0022】
図2において、薬液剤揮散装置20は、筐体21の内部に表示器兼用薬液剤揮散材10を収納した構造になっている。
【0023】
筐体21には、前記模様部材13が確認できるとともに前記屈折率変化層12の模様部材13が取り付けられていない部分の少なくとも一部が確認できる窓部22が形成されている。この窓部22は、貫通部となっており、ここから表示器兼用薬液剤揮散材10の薬液剤が揮散したものが放出するようになっている。
【0024】
筐体21の上側にはフック23が形成されている。
【0025】
図3は図2の表示器兼用薬液剤揮散材10の全体を示す平面図である。
【0026】
図3において、表示器兼用薬液剤揮散材10の模様部材13は、屈折率変化層12の表側に“そろそろ”の文字を形成している。
【0027】
このような薬液剤揮散装置20の使用方法を薬液剤としてたんす用防虫剤を用いた場合を例にして説明する。
【0028】
まず新品の薬液剤揮散装置20を服とともタンスに収納する。この状態では、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態となり、上述したように、基板材11の第1の色が屈折率変化層12が形成された面の全体で確認でき、模様部材13による“そろそろ”の文字は、ほとんど見えない状態となる。即ち、窓部22からは第1の色のみが確認できる状態となる。この状態で所定期間、基板材11及び屈折率変化層12に浸透された無色透明の薬液剤は、除々に揮散して放出され、服に対して防虫効果を発揮することになる。ここで、屈折率変化層12の模様部材13が取付けられた部分は、他の部分に対して薬液剤が揮散しにくくなる。
【0029】
この後、含有薬液剤が所定量以下だけ残っている状態になると、基板材11の第1の色が屈折率変化層12の模様部材13に対応する部分だけ確認でき、残りの屈折率変化層12の部分は第2の色が確認できる状態となる。このため模様部材13による“そろそろ”の文字は、はっきり見える状態となる。このような文字が、はっきり見える状態となると、薬液剤揮散装置20を新品と交換するか、または、新品の薬液剤揮散装置20を追加してタンスに収納する。
【0030】
新品の薬液剤揮散装置20を追加してタンスに収納した場合において、旧い方の薬液剤揮散装置20の含有薬液剤が完全消失の状態では、屈折率変化層12の全面が相対的に高屈折率となり不透明となり地色である第2の色が確認され、模様部材13による“そろそろ”の文字は、ほとんど見えない状態となる。即ち、窓部22からは第2の色のみが確認できる状態となる。このような状態の薬液剤揮散装置20は、防虫効果が全く無いので破棄する。
【0031】
このような薬液剤揮散装置によれば、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態と所定量以下だけ残っている状態と完全消失の状態との3段階の表示が行えるので、薬液剤の完全消失する前に新品との交換や新品の追加が可能であり、薬液剤の効果が失われる期間を無くすことができる。
【0032】
図4は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第2の発明の実施の形態を示す要部の断面図であり、図1の発明の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
図4において、表示器兼用薬液剤揮散材30は、図1の場合と同様の基板材11及び屈折率変化層12と、図1の場合と異なる模様部材33とから構成されている。
【0034】
模様部材33は、ガス不透過性またはガス半透過であるとともに透明または半透明の材料で形成されており、屈折率変化層12の基板材11側とは反対側の面に部分的に取付けらている。また、模様部材33は、屈折率変化層12側に凹部34が形成されるとともに、屈折率変化層12との間の一部に隙間35が形成されている。
【0035】
図5は図4の表示器兼用薬液剤揮散材30の薬液剤の揮散を示す説明図である。
【0036】
図5において、この状態で所定期間、模様部材33が取付けられた部分の基板材11及び屈折率変化層12から揮散した薬液剤36は、模様部材33の一端凹部34に溜まり、隙間35から外に放出することになる。
【0037】
このような発明の実施の形態によれば、図1の実施例と同様の効果があるとともに、模様部材33による模様の大きさを変えることなく、凹部34や隙間35の大きさを調整することにより、模様部材33が取付けられた部分の基板材11及び屈折率変化層12から揮散する薬液剤の揮散速度を調整することが可能であり、含有薬液剤が所定量以下だけ残っている状態から含有薬液剤が完全消失するまでの時間を調整することができる。
【0038】
図6は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第3の発明の実施の形態を示す要部の断面図であり、図1の発明の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
図6において、表示器兼用薬液剤揮散材40は、図1に示した前記屈折率変化層12及び模様部材13を前記基板材11の一面及び反対側の面の両方に形成している。
【0040】
このような発明の実施の形態によれば、図1の発明の実施の形態と同様の効果があるとともに、表示器兼用薬液剤揮散材40の両面で含有薬液剤の3段階の表示が行える。
【0041】
尚、図6の発明の実施の形態では、図1に示した前記屈折率変化層12及び模様部材13を前記基板材11の一面及び反対側の面の両方に形成したが、図4に示した前記屈折率変化層12及び模様部材33を前記基板材11の一面及び反対側の面の両方に形成するように構成してもよい。
【0042】
図7は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第4の発明の実施の形態を示す要部の断面図であり、図1の発明の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0043】
図7において、表示器兼用薬液剤揮散材50は、図1に示した前記屈折率変化層12及び模様部材13を前記基板材11の一面のみに形成し、前記基板材11の反対側の面にガス不透過性またはガス半透過性のカバー層51を形成している。
【0044】
このような実施例によれば図1の実施例と同様の効果があるとともに、基板材11から揮散する薬液剤の揮散速度を低下させることができる。
【0045】
尚、図7の発明の実施の形態では、図1に示した前記屈折率変化層12及び模様部材13を前記基板材11の一面に形成したが、図4に示した前記屈折率変化層12及び模様部材33を前記基板材11の一面に形成するように構成してもよい。
【0046】
図8は図1の表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置の第2の例を示す斜視図である。
【0047】
図8において、薬液剤揮散装置60は、枠状部材61に表示器兼用薬液剤揮散材10を取付けた構造になっている。
【0048】
枠状部材61は、枠状に形成され、この枠の内側に表示器兼用薬液剤揮散材10の外周を取付けている。
【0049】
このような薬液剤揮散装置の第2の例によれば、図2の例と同様の効果があるとともに、薬液剤揮散装置の薄型化が可能となる。
【0050】
尚、図2及び図8に示した薬液剤揮散装置には、図1に示した表示器兼用薬液剤揮散材の代わりに図4乃至図7に示した表示器兼用薬液剤揮散材を用いることも可能である。
【0051】
図9は図1乃至図8に示した表示器兼用薬液剤揮散材における模様部材のパターンの他の例を示す平面図である。
【0052】
図9において、表示器兼用薬液剤揮散材70の模様部材73は、屈折率変化層72の表側に“☆”と“○”の模様を形成している。
【0053】
このように、図1乃至図8に示した表示器兼用薬液剤揮散材における模様部材のパターンは、文字、記号、絵等各種用いることが可能である。
【0054】
図10は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第5の発明の実施の形態を示す要部の断面図であり、図1の発明の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0055】
表示器兼用薬液剤揮散材80は、図1の場合と同様のシート材を構成する基板材11及び屈折率変化層12と、図1の場合と異なる揮散抑制部材84とから構成されている。
【0056】
揮散抑制部材84は、ガス不透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、屈折率変化層12の基板材11側とは反対側の面に取付けられ、前記シート材に設定した模様部分に相対する部分にガス透過部であるころの削除部83を形成している。
【0057】
このような発明の実施の形態によれば、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態では、基板材11の第1の色が屈折率変化層12が形成された面の全体で確認でき、含有薬液剤が所定量以下だけ残っている場合には、第1の色が屈折率変化層12の揮散抑制部材84に対応する部分で確認でき、削除部83では薬液剤が消失して第2の色が確認され、含有薬液剤が完全消失の状態では、屈折率変化層12の全面で薬液剤が消失して第2の色が確認される。
【0058】
図11は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第6の発明の実施の形態を示す要部の断面図であり、図10の発明の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
表示器兼用薬液剤揮散材85は、図10の場合と同様の基板材11,屈折率変化層12及び揮散抑制部材84と、図1の場合と異なる模様部材86とから構成されている。
【0060】
模様部材86は、ガス透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明の材料で形成されており、屈折率変化層12の基板材11側とは反対側の面に部分的に取付けらている。
【0061】
揮散抑制部材87は、この模様部材86よりもガス透過性が低く、透明または半透明で、前記屈折率変化層12の前記模様部材86を取付けた面における前記模様部材86を取付なかった部分に取付けられている。
【0062】
このような発明の実施の形態によれば、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態では、基板材11の第1の色が屈折率変化層12が形成された面の全体で確認でき、含有薬液剤が所定量以下だけ残っている場合には、第1の色が屈折率変化層12の揮散抑制部材87に対応する部分で確認でき、模様部材86の部分は薬液剤が消失して第2の色が確認され、含有薬液剤が完全消失の状態では、屈折率変化層12の全面で薬液剤が消失して第2の色が確認される。
【0063】
これにより、図10の発明の実施の形態と同様の効果がえられる。
【0064】
図12は図10及び図11に示した表示器兼用薬液剤揮散材におけるパターンの例を示す平面図である。
【0065】
図12において、表示器兼用薬液剤揮散材80(図11の場合85)の削除部83(模様部材86)は、屈折率変化層12の表側に“そろそろ”の文字を太めの線で形成するとともに、“そろそろ”の文字を囲んだ外周に枠状のパターンを形成している。削除部83(模様部材86)を形成しなかった部分には揮散抑制部材84(87)が形成されている。このように形成することにより、削除部83(模様部材86)と揮散抑制部材84(87)の割合を含有薬液剤が実用上適切な所定量以下だけ残っている状態を表示するのに適切な値にすることができる。
【0066】
尚、図10及び図11の発明の実施の形態では、前記屈折率変化層12及び揮散抑制部材84,87を前記基板材11の一面に形成したが、一面及び反対側の面の内少なくとも一方に形成すればよい。揮散抑制部材84,87としては、図4に示した模様部材33と同様の凹部と隙間を形成したものを用いてもよい。図10に示した削除部83(図11に示した模様部材86)のパターンは、文字、記号、絵等各種用いることが可能である。
【0067】
図13は本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第7の発明の実施の形態を示す要部の断面図である。
【0068】
図13において、表示器兼用薬液剤揮散材90は、有色で第1の色(例えば青)を呈する薬液剤と、第2の色を呈し薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透する基板材91と、ガス不透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、この基板材91の一面及び反対側の面の内少なくとも一方に部分的に設ける模様部材92とから構成される。
【0069】
基板材91は、薬液剤透過性で薬液剤が浸透している状態で第1の色となり、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色となるシート材を構成している。
【0070】
尚、模様部材92としては、図4に示した模様部材33と同様の凹部と隙間を形成したものを用いてもよい。
【0071】
このような表示器兼用薬液剤揮散材90において、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態では、薬液剤の第1の色が基板材91の全体で確認でき、含有薬液剤が所定量以下だけ残っている場合には、薬液剤の第1の色が基板材の模様部材に対応する部分だけ確認でき、残りの基板材91の部分は薬液剤が消失して第2の色が確認され、含有薬液剤が完全消失の状態では、基板材91の全面で薬液剤が消失して第2の色が確認される。
【0072】
このような薬液剤揮散装置90によれば、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態と所定量以下だけ残っている状態と完全消失の状態との3段階の表示が行えるので、薬液剤の完全消失する前に新品との交換や新品の追加が可能であり、薬液剤の効果が失われる期間を無くすことができる。
【0073】
図1乃至図11に示した表示器兼用薬液剤揮散材において、基板材としては、前記した機能に対応して、紙、板紙、合成繊維混抄紙、不織布あるいはフェルト状織物等を用いることができる。屈折率変化層としては、例えば白色系着色料について無定型シリカ、カリオン、炭酸カルシュームまたはバルブ粉末等を適用でき、このような屈折率変化層を基板材に定着させるための結合剤の混合比重を適切に設定するとこにより、薬液剤の透過性を設定できる。この結合剤としては、酢酸ビニル等を用いることができる。
【0074】
図1乃至図9に示した表示器兼用薬液剤揮散材において、模様部材としては、ポリエステル等のガス不透過性の材料やポリエチレン等のガス半透過性の材料を用いることができる。
【0075】
図10及び図11に示した表示器兼用薬液剤揮散材において、揮散抑制部材としては、ポリエステル等のガス不透過性の材料やポリエチレン等のガス半透過性の材料を用いることができ、図11に示した模様部材としては、透明の繊維を使った不織布等のガス透過性の材料を用いることができる。
【0076】
また、図1乃至図11に示した表示器兼用薬液剤において、基板材の第1の色と、屈折率変化層の第2の色の組合わせは、「青と白」,「白と黒」、「黒と黄」、「赤と青」等の色相差が大きい組合わせを用いるのが望ましい。図13に示した表示器兼用薬液剤において、薬液剤の第1の色と、基板材の第2の色の組合わせは、色相差が大きい組合わせを用いるのが望ましい。
【0077】
さらに、図1乃至図13に示した表示器兼用薬液剤揮散材に用いられるたんす用防虫剤以外の薬液剤としては、たんす用防虫剤以外の防虫剤、消臭剤、防かび剤、芳香剤等各種を用いることができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、含有薬液剤が所定量よりも多く残っている状態と所定量以下だけ残っている状態と完全消失の状態との3段階の表示が行えるので、薬液剤の完全消失する前に新品との交換や新品の追加が可能であり、薬液剤の効果が失われる期間を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第1の発明の実施の形態を示す断面図。
【図2】図1の表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置の第1の例を示す斜視図。
【図3】図2の表示器兼用薬液剤揮散材の全体を示す平面図。
【図4】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第2の発明の実施の形態を示す断面図。
【図5】図4の表示器兼用薬液剤揮散材の薬液剤の揮散を示す説明図。
【図6】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第3の発明の実施の形態を示す断面図。
【図7】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第4の発明の実施の形態を示す要部の断面図。
【図8】図1の表示器兼用薬液剤揮散材を用いた薬液剤揮散装置の第2の例を示す斜視図。
【図9】図1乃至図8に示した表示器兼用薬液剤揮散材における模様部材のパターンの他の例を示す平面図。
【図10】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第5の発明の実施の形態を示す要部の断面図。
【図11】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第6の発明の実施の形態を示す要部の断面図。
【図12】図10及び図11に示した表示器兼用薬液剤揮散材におけるパターンの例を示す平面図。
【図13】本発明に係る表示器兼用薬液剤揮散材の第7の発明の実施の形態を示す要部の断面図。
【符号の説明】
10 表示器兼用薬液剤揮散材
11 基板材
12 屈折率変化層
13 模様部材
Claims (4)
- 常温揮発性薬液剤と、
薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透している状態で第1の色を呈し、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色を呈する基板材と、
ガス不透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の少なくとも一方に部分的に設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる模様部材と、
とを具備したことを特徴とする表示器兼用薬液剤揮散材。 - 常温揮発性薬液剤と、
薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透している状態で第1の色を呈し、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色となる基板材と、
ガス透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の少なくとも一方に、模様部分を除いて設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる揮散抑制部材と、
を具備したことを特徴とする表示器兼用薬液剤揮散材。 - 常温揮発性薬液剤と、
薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透している状態で第1の色を呈し、前記薬液剤が消失した状態で前記第1の色と異なる第2の色を呈する基板材と、
ガス透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の少なくとも一方に部分的に設ける模様部材と、
この模様部材よりもガス透過性が低くまたは高く、透明または半透明で、前記基板材の前記模様部材を取り付けた面における前記模様部材を取り付けなかった部分に設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる揮散抑制部材と、
を具備したことを特徴とする表示器兼用薬液剤揮散材。 - 有色で第1の色呈する常温揮発性薬液剤と、
前記第1の色と異なる第2の色を呈し薬液剤透過性で前記薬液剤が浸透する基板材と、
ガス不透過性またはガス半透過性であるとともに透明または半透明で、前記基板材の一面及び反対側の面の内少なくとも一方に設けて前記薬液剤の揮散を抑制して前記薬液剤が浸透した低屈折率の状態を相対的に長引かせる模様部材と、
を具備したことを特徴とする表示器兼用薬液剤揮散材。
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