JPH0873301A - 期間表示機能付防虫材 - Google Patents

期間表示機能付防虫材

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JPH0873301A
JPH0873301A JP21338494A JP21338494A JPH0873301A JP H0873301 A JPH0873301 A JP H0873301A JP 21338494 A JP21338494 A JP 21338494A JP 21338494 A JP21338494 A JP 21338494A JP H0873301 A JPH0873301 A JP H0873301A
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JP
Japan
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insect repellent
resin layer
display function
liquid
period display
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Application number
JP21338494A
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Inventor
Tetsuya Ashida
哲也 芦田
Masayoshi Ikezawa
正義 池沢
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Hakugen Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Hakugen Co Ltd
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で液体防虫剤の消滅時点のみなら
ず、経時での液体防虫剤の残量を明確に表示しなおかつ
表示面が均一に変性する等の利点を有する期間表示機能
付防虫材を提供する。 【構成】 2デニール以下の細デニール繊維を含む不織
布よりなる光に対して低屈折率の保持体の片面に、一部
又は全体を着色した樹脂層を設け、前記保持体中に常温
または加温蒸散性の液体防虫剤を含浸せしめてなり、該
液体防虫剤の経時的蒸散により該樹脂層を目視可能な状
態から隠蔽状態へと移行させることを特徴とする期間表
示機能付防虫材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加温または常温蒸散性
の液体防虫剤の経時的蒸散の程度を明確に知らせる機能
を有する防虫材に関する。
【0002】
【従来の技術】常温または加温蒸散性の液体防虫剤はそ
の取扱いの良さ、性能が優れている等の利点により従来
から用いられている揮散性のゲルまたは固体に代わって
用いられてきている。しかし、この液体防虫剤は多くの
場合、無臭であることより保持体中に含有せしめて利用
した場合、その液体防虫剤の残存量はおろか、その消滅
時点さえも確認するのは困難である。そこで、この防虫
効果の消滅時点を消費者に知らせるために有効期間を記
したシール等を張り付ける方法が取られている。また、
特公平4−36122号公報には、油液含有時に透明状
に変性される油液透過性の紙状材の一片面を表示面と
し、この紙状材の他の片面上に油液透過性の模様層を全
面または部分的に形成することによって基材となし、こ
の基材中に常温揮散性の油液性防虫剤を含有させてなる
防虫能表示器兼用防虫材が提案されている。この防虫材
では、油液性防虫剤の揮散により紙状材が透明状から不
透明状に変性することにより防虫効果の期間を表示して
いる。
【0003】また、特公昭63−24961号公報に
は、油液透過性材からなる基板材と、この基板材面上に
積層された油液透過性で光に対し低屈折率の地色層とか
らなる紙状体に、常温揮発性の油状物質を含有せしめた
防虫材が、防虫剤の消滅時点を確実に表示し得る防虫材
として提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】有効期間を記したシー
ル等を張り付ける上記の方法ではその防虫剤の揮散状態
が季節によって大きく左右されるため、表示される有効
期間は単なる目安に過ぎなかった。
【0005】また、特公平4−36122号公報に記載
されている防虫能表示器兼用防虫材は、基材面から均一
に油液性防虫剤が揮散しないので、まだらに不透明に変
性することがあり、また油液性防虫剤の経時的揮散の程
度が従来の固形防虫剤の様に明確にはわからないという
欠点があった。
【0006】また、特公昭63−24961号公報に記
載されている防虫材は、変性するのが地色層であるため
防虫薬液剤を保持するために基板材が必要であるので構
造が複雑となり、また前記地色層では防虫薬液剤の移動
がないため紙状体の隅部及びその周縁部付近からより早
く防虫剤が揮散して、その中央部での揮散消失が遅くな
り、まだらに変色してしまうなどの欠点があった。
【0007】本発明の目的は以上のような従来の期間表
示機能付防虫材の欠点に鑑み、構造が簡単で液体防虫剤
の消滅時点のみならず、経時での液体防虫剤の残量を明
確に表示しなおかつ表示面が均一に変性する等の利点を
有する期間表示機能付防虫材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の目
的を達成するために鋭意研究した結果、2デニール以下
の細デニール繊維を含む不織布よりなる光に対して低屈
折率の保持体の片面に、一部又は全体を着色した樹脂層
を設け、前記保持体中に常温または加温蒸散性の液体防
虫剤を含浸せしめてなり、該液体防虫剤の経時的蒸散に
より樹脂層を目視可能な状態から隠蔽状態へと移行させ
る期間表示機能付防虫材が、構造が簡単で液体防虫剤の
消滅時点のみならず、経時での液体防虫剤の残量を明確
に表示し、なおかつ表示面が均一に変性するなどの利点
を有することを見出し、本発明に到達した。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
期間表示機能付防虫材に用いられる保持体は、(1)2
デニール以下の細デニール繊維を含む不織布よりなるこ
と、(2)光に対して低屈折率であることを要件とす
る。ここに(1)を要件としたのは、不織布が2デニー
ル以下の細デニール繊維を含むと、液体防虫剤を不織布
層中に強く均一に移動自在に保持することができるから
である。特に、2デニール以下の細デニール繊維の量と
しては、不織布中に10重量%以上が好ましい。また
(2)を要件としたのは、保持体が光に対して高屈折率
であると、液体防虫剤を含浸した際に透明化しないから
である。屈折率の値としては2.0以下が好ましく、よ
り好ましくは1.7以下である。
【0010】本発明の期間表示機能付防虫材において保
持体を構成する不織布としては、液体防虫剤を効率よく
保持するのに、適度な空隙を有する構造を持つ不織布を
用いるのが好ましい。特に、不織布空隙量が50cm3/m
2〜400cm3/m2であるのが好ましく、50cm3/m2
300cm3/m2がより好ましく、50cm3/m2〜200cm
3/m2が特に好ましい。ここでいう不織布空隙量とは不
織布1m2当たり不織布中の繊維が占める体積を除いた空
隙体積であり、次式で求められる。
【0011】 NS=G(1/D−1/FD) NS:不織布空隙量(cm3/m2) G:不織布坪量(g/m2) D:不織布密度(g/cm3) FD:繊維の密度(g/cm3
【0012】この不織布空隙量が50cm3/m2より少な
い場合は、不織布層が保持できる液体防虫剤の量が少な
く、多くの液体防虫剤を含浸できないため、所望の防虫
効果を出すには非常に大きな面積が必要となり好ましく
ない。また、防虫材としては表面積も非常に大きなもの
となり、結果として液体防虫剤の蒸散速度が早くなり、
液体防虫剤の防虫効果が所望の期間より短い期間しか得
られない。また、この不織布空隙量が400cm3/m2
り多い場合は、不織布層が保持できる液体防虫剤の量が
多くなり好ましいが、防虫材の表面積が非常に小さいも
のとなり、液体防虫剤の蒸散速度が遅くなり、所望の防
虫効果が得られないため好ましくない。
【0013】本発明の期間表示機能付防虫材において不
織布を構成する繊維としては、人造繊維が適度な空隙に
調整しやすいので好ましく、また、形状が一定でストラ
ンド状である人造繊維は液体防虫剤を均一に保持する点
で好ましい。特にアクリル、ポリエステル、ポリプロピ
レン、ビニロン、ナイロン等の合成繊維がさらに好まし
い。異形断面を有する木材パルプ、木綿、麻等の天然繊
維は、これを完全に液体防虫剤で濡らすことが困難で、
液体防虫剤で濡れない部分は白く不透明化して表示面の
変化を不鮮明なものとするので好ましくない。また、本
発明の期間表示機能付防虫材における不織布の中には、
表示面の目視可能な状態から隠蔽状態への移行を、より
明確にする為に、繊維以外に多孔性シリカに代表される
無機顔料等の光に対する屈折率が低い物質を含有させて
も良い。
【0014】本発明に用いられる光に対して低屈折率の
保持体の坪量としては、液体防虫剤の含浸量及び性質に
より変化するが、一般に20g/m2〜200g/m2が好ま
しい。また、保持体を構成する不織布の密度としては
0.1g/cm3〜0.5g/cm3が好ましい。ここで、密度
が0.1g/cm3よりも低い場合は保持する能力に劣り、
液垂れする恐れがあり好ましくない。また、密度が0.
5g/cm3よりも高い場合には、該保持体の面積当たりの
液体防虫剤の保液量が少なくなり液体防虫剤が保持体か
ら溢れ出してしまい好ましくない。
【0015】本発明の期間表示機能付防虫材において不
織布を製造する方法に特に制限はないが、比較的低密度
の不織布が製造される乾式法よりも、非常に均一で密度
調整が容易な不織布が製造できる点から湿式抄紙法によ
り製造された不織布がより好ましい。ここで言う湿式抄
紙法とは水中に繊維を低濃度で分散させ、必要に応じて
分散剤、粘剤、凝集剤等の添加剤を加えた後、円網抄紙
機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、あるいは2種以上の抄
紙機を組み合わせたコンビネーション型抄紙機を用いて
不織布を製造する方法を含む。製造された不織布は、所
望の特性を有するように熱処理、樹脂含浸、カレンダー
処理等の後処理を施しても良い。湿式抄紙法により製造
された不織布を用いた場合は、繊維分布の均一性つまり
地合いが非常に良いために、液体防虫剤の分布が均一と
なり、従って蒸散の程度も均一化し、目視可能な状態か
ら隠蔽状態への以降が均一に起こり、表示面としての変
化が明瞭となる。
【0016】本発明の期間表示機能付防虫材において前
記保持体の片面に設けられる樹脂層としては特に制限は
ないが、加工のし易さ、着色または印刷のし易さ等から
熱可塑性樹脂よりなる層が好ましい。本発明の期間表示
機能付防虫材に用いられる液体防虫剤に溶解する樹脂は
好ましくない。熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィン系
樹脂は、ほとんどあらゆる液体防虫剤に耐性を有し、溶
融ラミネート適性、さらに均一なフィルム形成能を有す
る点で好ましい。ポリオレフィン系樹脂の中でもさらに
好ましいものはポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂
である。
【0017】本発明の期間表示機能付防虫材において樹
脂層は、一部または全体が着色されている。一部または
全体を着色する方法としては、樹脂層を設けた後、有色
インク等で樹脂層表面に印刷する方法が好ましいが、樹
脂層全体を着色する場合に樹脂層中に群青等の有色顔料
を均一に分散させる方法がより好ましい。また、着色し
た樹脂層をラミネート法により貼り合わせてもよい。特
に、熱可塑性樹脂を被覆する場合には、無色の熱可塑性
樹脂と、有色顔料を高濃度に分散させたマスターバッチ
とを溶融押出機内で溶融混合してもよい。
【0018】光に対して低屈折率の保持体上に樹脂層を
設ける方法としては特に制限は無いが、保持体と樹脂層
を接着剤等を用いて接着させる方法、例えばドライラミ
ネート法、ウエットラミネート法等が挙げられる。ま
た、保持体上に樹脂層を塗布す方法も用いられ、その具
体的方法としては、溶媒中に樹脂を溶かした塗液を保持
体に塗布、乾燥することにより樹脂層を設ける方法や、
熱可塑性樹脂の場合には樹脂を溶融押出塗工機を用いて
直接保持体上に塗布することにより樹脂層を設ける方法
等が挙げられるが、均一でピンホールの無い樹脂層が得
られることから溶融押出塗工法がより好ましく用いられ
る。
【0019】本発明の期間表示機能付防虫材に用いられ
る液体防虫剤としては特に制限はないが、例えばエムペ
ントリン、アレスリン、テラレトリン、プラレトリン等
の蒸散性ピレスロイド系薬剤や、防虫効果のあるナツメ
グ油、チョウジ油、セージ油、タイム油、ラベンダー
油、バジル油、ヒノキ油、レモングラス油、カッシャ
油、ピメント油、月挑油等の植物精油や、α−ピネン、
オイゲノール、ツヨン、チモール、ヒノキチオール、シ
ンナミックアルデヒド、カルバクロール等を成分とする
防虫剤が挙げられる。
【0020】保持体に液体防虫剤を含浸する方法として
は特に制限はないが、液体防虫剤に保持体を浸積した
後、プレス等を用いて搾ることにより所定の含浸量に調
整する方法、保持体に直接液体防虫剤をシリンジ等を用
いて直接滴下して所定の含量に調整する方法等が一般に
用いられる。
【0021】図1に本発明の期間表示機能付防虫剤の断
面図を示す。同図より明らかなように、本発明の期間表
示機能付防虫剤は、不織布層1と樹脂層2とからなり、
不織布層1には液体防虫剤が含浸しており、一方樹脂層
2は一部又は全体が着色している。図1に示す本発明の
防虫材において、不織布層1の樹脂層2を設けていない
面が表示面となる。
【0022】本発明の期間表示機能付防虫剤において
は、図2に示すように蒸散終了である旨を表示する印刷
部3を保持体の樹脂塗布面と反対の面に設けることがで
き、この印刷部としては、文字や記号や絵でも何でもよ
く、例えば文字として「おとりかえください」「蒸散終
了」、「おわり」、「END」など、記号では「×」な
どが用いられる。蒸散終了表示印刷部は着色樹脂層より
淡い濃度の同系色とするのが好ましい。
【0023】本発明の期間表示機能付防虫材において
は、液体防虫剤が蒸散途中である旨を表示する印刷部を
保持体の樹脂塗布面と反対の面に印刷することもでき、
この印刷部としては、文字や記号や絵でも何でもよく、
例えば文字として「使用中です」、「蒸散途中」、「効
いてます」など、記号では「→→→」などが用いられ
る。この蒸散途中表示印刷部は保持体と同色とするのが
好ましい。
【0024】本発明の期間表示機能付防虫材における印
刷部を設ける方法としては、特に制限はなく、いかなる
印刷法を用いても良いが、スクリーン印刷法、グラビア
印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、インクジェッ
ト印刷法などが用いられる。本発明の期間表示機能付防
虫材は、液体防虫剤が含浸された状態そのままで用いて
もよいが、一般的には液体防虫剤と周囲の物との接触を
避けるために、期間表示機能付防虫材をプラスチック、
紙、金属等の容器の中に入れた後、所望する場所へ設置
する。この場合、容器の外から表示面の変化が見れるよ
うに容器の一部に窓等を設置して容易にその変化が見て
取れるようにすることが好ましい。例えば、液体防虫剤
が加温蒸散性の防虫剤である場合、電気蚊取器等で利用
されている加熱手段と組み合わせて室内に設置して使用
できる。
【0025】
【作用】上記のように構成された期間表示機能付防虫材
は、その保持体が液体防虫剤の収納容器として機能する
と共に、その保持体が含有する液体防虫剤を蒸散させる
蒸散装置としても機能するものである。この液体防虫剤
の蒸散により防虫効果を発揮する。
【0026】さらに、樹脂層を積層することにより液体
防虫剤の蒸散量を示すインジケーターの機能をも有して
いる。
【0027】液体防虫剤が含浸された保持体は、それぞ
れが有している屈折率がほぼ近いために保持体が有して
いる空隙を液体防虫剤が満たしてしまうことにより透明
化する。この透明化により、一部又は全体を着色した樹
脂層の色が表示面(保持体の樹脂層を設けていない面)
から見た場合でも明瞭に視認出来るようになる。すなわ
ち、この着色された樹脂層の色が視認できる限りは液体
防虫剤がまだ保持体中に残存していることを示してい
る。
【0028】液体防虫剤の蒸散は、表示面から一様に起
こるためにこの色の変化は徐々に起こる。すなわち、液
体防虫剤の蒸散の程度に応じて、着色された樹脂層の色
から保持体の色へと徐々に段階的に変化していくので、
この色の変化を見ることにより、液体防虫剤の蒸散の程
度が一目で認識することができる。
【0029】そして液体防虫剤が完全に蒸散したときに
は樹脂層の色は隠蔽されて保持体自身の色が見えるよう
になり、取り換え時期が判明できる。
【0030】さらに、表示面上に液体防虫剤が蒸散終了
である旨を表示する印刷部(蒸散終了表示印刷部)を樹
脂層より淡い同系色で印刷しておけば、液体防虫剤を含
浸した時点では、表示面上の印刷部は樹脂層の色と同化
するために目視できないが、液体防虫剤が消失するに従
って樹脂層の色が薄くなって表示面上の印刷部が目視で
きるようになり、よりきめ細かく液体防虫剤の蒸散の程
度を表示することができる。
【0031】さらに、前記蒸散終了表示印刷部ととも
に、表示面上に液体防虫剤の蒸散途中である旨を表示す
る印刷部(蒸散途中表示印刷部)を保持体自身と同色で
設けると、次のような段階的な表示状態を達成できる。
すなわち、第1段階において表示面はその全面が着色し
た樹脂層の色を呈しており液体防虫剤が含浸しているの
が確認できる。また、保持体と同色の蒸散途中表示印刷
部も確認できる。そして使用開始後しばらくの間を第2
段階とすると、この第2段階では蒸散途中である旨を表
示し続ける。次の第3段階では、表示面はその全面が液
体防虫剤の蒸散に伴い、着色樹脂層より淡い濃度の同系
色に変化しており依然蒸散途中である旨を表示し続ける
が、蒸散終了である旨の表示は依然目視できない。そし
て最終段階では、含浸した液体防虫剤が蒸散してしま
い、保持体自身の元色を呈し蒸散途中である旨の表示は
消失している。一方着色樹脂層より淡い濃度の同系色の
印刷部が確認でき蒸散終了である旨を表示することがで
きる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例に限られるものではない。なお、部
とあるのは重量部を意味する。
【0033】実施例1〜13および比較例1〜4 保持体として、表1、2、3および4に示す繊維配合
で、円網抄紙機を用いて湿式抄紙法により不織布を作成
した。但し、実施例11のみ乾式法により不織布を作成
した。作成した不織布の坪量、不織布の密度、繊維の密
度、不織布空隙量は表1、2、3および4に示した。こ
の不織布の元色は白色を呈している。この不織布に、低
密度ポリエチレン(日本ユニカー製NUC8008)に
青色群青を1%混合した樹脂組成物を溶融押出塗工機を
用いて樹脂温度320℃にて溶融押出塗工した。樹脂塗
工量は20g/m2であった。実施例1〜13の不織布は
全て、屈折率が1.7以下であった。
【0034】さらに、実施例12では上記のように作成
した保持体の表示面に蒸散終了である旨を表示する印刷
部として、樹脂層より淡い濃度である淡青色で「おとり
かえください」の文字をオフセット印刷した。
【0035】さらに、実施例13では前記実施例12の
印刷部とともに、蒸散途中である旨を表示する印刷部と
して「使用中です」の文字を不織布の元色である白色で
オフセット印刷法で印刷した。
【0036】上記のように作成した樹脂塗工不織布に液
体防虫剤であるエムペントリンを不織布空隙量と同量
(cm3/m2)だけ樹脂非塗工面から含浸させて防虫材試
料とした。得られた試料の性能は、以下の方法により判
定した。
【0037】
【樹脂層目視性】実施例および比較例にて作成した樹脂
塗工不織布に所定量の液体防虫剤を含浸させた場合に、
表示面で着色樹脂層の色がどの程度明瞭に目視できたか
を判定した。 〇:樹脂層の色が明瞭に認識できた。 △:樹脂層の色はやや白色がかっていたが認識できた。 ×:樹脂層の色は認識できなかった。
【0038】
【樹脂層隠蔽性】実施例および比較例にて作成した樹脂
塗工不織布に、所定量の液体防虫剤を含浸させた後、常
温放置して完全に液体防虫剤を蒸散させた時点での不織
布層の隠蔽性を判定した。 〇:不織布層の隠蔽性は完全で樹脂層の色は認識できな
かった。 △:不織布層の隠蔽性はやや不完全で樹脂層の色がやや
認識できた。 ×:不織布層の隠蔽性は不完全で樹脂層の色が認識でき
た。
【0039】
【表示移行性】実施例および比較例にて作成した樹脂塗
工不織布に、所定量の液体防虫剤を含浸させた後、常温
放置して経時的に表示面の色変化を判定した。 〇:表示面は明確な色変化を示した。 △:表示面はやや不明確であるが色変化を示した。 ×:表示面はほとんど色変化を示さなかった。
【0040】
【保液性】実施例および比較例にて作成した防虫材に、
所定量の液体防虫剤を含浸させた後、垂直に吊り下げ、
液体防虫剤が防虫材中に保持される程度を判定した。 〇:防虫材中から液体防虫剤が全く漏れ出なかった。 △:防虫材の下に液体防虫剤の溜まりが認められた。 ×:防虫材から液体防虫剤が漏れ出てきた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】表1、2、3および4に示した実施例およ
び比較例について樹脂目視性、樹脂隠蔽性、表示移行
性、保液性を判定した結果を表5に示す。尚、各特性判
定中に別途判明した事項については備考欄に示した。
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】以上、詳述した様に本発明における期間
表示機能付防虫材は、使用範囲が広く、液体防虫剤を保
持し、その防虫効果を長期に渡り十分発揮させると同時
に液体防虫剤の消滅時点のみならず、経時での液体防虫
剤の残量を明瞭に表示することができる。さらに、この
期間表示機能付防虫材の交換時期を明瞭に表示すること
ができるなどの種々の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の期間表示機能付防虫材の好ましい具体
例の断面図(表面字紋印刷無し)である。
【図2】本発明の期間表示機能付防虫材の好ましい具体
例の断面図(表面字紋印刷有り)である。
【符号の説明】
1 保持体層 2 樹脂層 3 字紋印刷

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2デニール以下の細デニール繊維を含む
    不織布よりなる光に対して低屈折率の保持体の片面に、
    一部又は全体を着色した樹脂層を設け、前記保持体中に
    常温または加温蒸散性の液体防虫剤を含浸せしめてな
    り、該液体防虫剤の経時的蒸散により前記樹脂層を目視
    可能な状態から隠蔽状態へと移行させることを特徴とす
    る期間表示機能付防虫材。
  2. 【請求項2】 不織布空隙量が50cm3/m2〜400cm3
    /m2であることを特徴とする請求項1に記載の期間表示
    機能付防虫材。
  3. 【請求項3】 不織布を構成する繊維の中で少なくとも
    10重量%が2デニール以下の細デニール繊維であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の期間表示機能
    付防虫材。
  4. 【請求項4】 不織布を構成する繊維が人造繊維である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    期間表示機能付防虫材。
  5. 【請求項5】 光に対して低屈折率の保持体が湿式抄紙
    法により製造された不織布よりなることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項に記載の期間表示機能付防虫
    材。
  6. 【請求項6】 一部または全体を着色した樹脂層が熱可
    塑性樹脂層であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の期間表示機能付防虫材。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項6に記載の期間表示機能付
    防虫材。
  8. 【請求項8】 樹脂層が有色顔料を樹脂層中に含有する
    ことにより着色されていることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか一項に記載の期間表示機能付防虫材。
  9. 【請求項9】 保持体の樹脂層を設けていない面に、着
    色した樹脂層より淡い濃度の同系色で液体防虫剤の蒸散
    終了である旨を表示する印刷部を印刷したことを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか一項に記載の期間表示機能
    付防虫材。
  10. 【請求項10】 保持体の樹脂層を設けていない面に、
    保持体と同色で液体防虫剤の蒸散途中である旨を表示す
    る印刷部を印刷したことを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか一項に記載の期間表示機能付防虫材。
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