JPH10234768A - シート状発熱体 - Google Patents

シート状発熱体

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JPH10234768A
JPH10234768A JP3668297A JP3668297A JPH10234768A JP H10234768 A JPH10234768 A JP H10234768A JP 3668297 A JP3668297 A JP 3668297A JP 3668297 A JP3668297 A JP 3668297A JP H10234768 A JPH10234768 A JP H10234768A
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JP
Japan
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heat
nonwoven fabric
sheet
heating element
powder composition
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JP3668297A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装着時の違和感の無い、長時間安定で快適な温
度を保つ事が出来るシート状発熱体を提供する。 【解決手段】本発明のシート状発熱体は、湿式抄紙法の
抄き合わせで製造された不織布Aの下層を熱融着性繊維
を含有しない層とし、20重量%以上の熱融着性繊維を
含有する上層の上面に接着性粉体を含有しない発熱性粉
体組成物を散布、保持し、更に湿式抄紙法の抄き合わせ
で製造された不織布Bの熱融着性繊維を含有しない層を
上層とし、20重量%以上の熱融着性繊維を含有する層
を下層として重ね、70〜250℃の特定の熱エンボス
ロールで加熱圧縮したものであり、好ましくはシート状
発熱体の厚さが0.6〜3.5mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状発熱体に
関し、詳しくは発熱性に優れ、薄型で使用しやすいシー
ト状発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、暖を取る目的で被酸化性金属を主
成分とし、空気中の酸素と接触して発熱する粉体組成物
を通気性を有する袋に収納された発熱体が広く利用され
ている。しかしながら、人体に装着した場合には重力等
により粉体組成物に片寄りが生じ違和感を感じるように
なる他、発熱も片寄る事になる。この欠点を解消する方
法として支持体などに保持させ、シート状にする提案が
種々なされている。
【0003】例えば発熱組成物を網状物に保持させる
方法(特開昭53−84246号公報)、活性炭繊維
不織布等に酸化助剤を含浸し、金属箔を重ねる方法(特
開昭63−37181号公報)、和紙に酸化助剤を含
浸させ、発熱剤を散布後加圧成形する方法(実開昭64
−42018号公報)、植物性繊維と熱融着性繊維の
不織布を重ね合わせ、その中に化学発熱剤を分散する方
法(特開平2−142561号公報)、繊維が不規則
に積層された高空隙シート状支持体に発熱剤を分散保持
する方法(特開平3−152894号公報)、高空隙
不織布と不織布を接着剤で重ね合わせ、上面に発熱組成
物粉体を散布、更に不織布を重ねて加熱圧着する方法
(特開平8−112303号公報)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で得られたシート状発熱体は以下の問題点があ
る。 シート状発熱体の剛性が大きく、発熱組成物の粉体が
離脱しやすい。 金属箔の表面積が小さく充分な発熱特性が得られな
い。 シート状発熱体の折曲げ等により発熱剤が剥がれやす
い。 保水性を出すための植物繊維により不織布同士が剥が
れやすい。 発熱組成物を分散保持した後で懸濁液を散布するため
に均一保持が難しい。 高空隙不織布と不織布を接着剤で重ね合わせる為、人
体に装着した場合に折り曲げ時にまだ違和感が有る他、
充分に接着させるには不織布の空隙が接着剤で埋まる
為、主として片面からしか酸素が供給されず、充分に発
熱する量の発熱性組成物を散布した場合には保持性に劣
るので均一な発熱性が得にくい。
【0005】以上のように、発熱性粉体組成物が均一に
保持され、粉体の漏れの無い折曲げや振動に安定な、操
業上の問題も無く、使用時に違和感の少ないシート状発
熱体の開発が望まれていた。
【0006】
【発明を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明のシート状発熱体は、湿式抄紙法により少なくとも
2層の抄き合わせで製造された積層の不織布A上に接着
性粉体を含有しない発熱性粉体組成物を保持させ、更に
発熱性粉体組成物の上面に湿式抄紙法により少なくとも
2層の抄き合わせで製造された積層の不織布Bを重ね合
わせ、熱エンボスロールにより加熱圧縮した後、水又は
水系液体を含浸させる事により得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、湿式抄紙法により少なく
とも2層の抄き合わせで製造された、熱融着性繊維を2
0重量%以上含有し、発熱性粉体組成物と接する層(以
下a1層とする)と熱融着性繊維を含有しない層(以下
a2層とする)からなる不織布Aのa1層面に接着性粉
体を含有しない発熱性粉体組成物を保持させ、更に発熱
性粉体組成物の上面に湿式抄紙法により少なくとも2層
の抄き合わせで製造された、熱融着性繊維を20重量%
以上含有し、発熱性粉体組成物と接する層(以下b1層
とする)と熱融着性繊維を含有しない層(以下b2層と
する)からなる不織布Bを重ね合わせ、表面温度が70
〜250℃、凸部の高さが100μm以上、表面1平方
cmに凸部が4個以上の熱エンボスロールにより加熱圧
縮した後、水又は水系液体を含浸させて得られるシート
状発熱体である。
【0008】本発明の不織布A及び不織布Bは湿式抄紙
法による少なくとも2層の抄き合わせで積層された不織
布であり、発熱性粉体組成物と接する面は熱融着性繊維
を20重量%以上含有する層(a1層及びb1層)と
し、反対面の層は熱融着性繊維を含有しない層(a2層
及びb2層)とする。不織布Aと不織布Bは同じ不織布
でも良い。
【0009】不織布A及び不織布Bの加熱圧縮処理時に
熱エンボスロールへ接触する層には熱融着性繊維を使用
していないので融着する問題も無く、熱エンボスロール
へ接触しない層には熱融着性繊維を使用して強度を上げ
ているので発熱性粉体組成物の散布時や加熱圧縮処理時
の破断の心配も無い。更に不織布A及び不織布Bは湿式
抄紙法の抄き合わせで積層して一体化している為に層間
の剥がれに対する抵抗も大きい。更に空気の透過性も接
着剤で貼り合わせて重層するより良好である。
【0010】本発明では、発熱性粉体組成物としては、
純鉄、還元鉄、ニッケル等の酸化性金属粉を主成分と
し、酸化促進剤の活性炭、食塩、塩化カルシウム等の無
機電解質、パーライト、セピオライト、バーミキュライ
ト、けいそう土、活性白土、ゼオライト、吸水性樹脂等
の保水剤、水等が混合される。
【0011】本発明では特に発熱性粉体組成物にはポリ
エチレン、ポリプロピレン等やそれらの酢酸ビニル等の
変性物である接着性粉体は添加しない。
【0012】発熱性粉体組成物に接着性粉体を添加しな
い事により、接着性粉体が溶融して鉄粉の表面を包み込
む事も無くなり、発熱性を安定化させる他、シート状発
熱体の柔らかさが増す。
【0013】本発明では特に、シート状発熱体のJIS
−L1096に準拠した荷重50gf/cm2での厚さ
が0.6〜3.5mmが好ましい。3.5mmより厚い
と身体に装着して使用する場合、特に肌着に貼る場合で
は運動する時に違和感が有り、0.6mmより薄いと使
用時の違和感は無いが発熱性粉体組成物の保持量の関係
で使用可能な時間が短くなり、特定の目的で短時間使用
する場合以外ではあまり好ましくない。
【0014】シート状発熱体の厚さは、不織布Aに発熱
性粉体組成物を保持した上面に不織布Bを重ね合わせた
後で圧縮することである程度の調節が可能である。その
場合に加熱すれば圧縮効果とともに発熱性粉体組成物を
不織布に固定化する効果も有るので好ましい。
【0015】本発明の加熱圧縮処理時の熱エンボスロー
ルの表面温度は70〜250℃であり、凸部の高さが1
00μm以上、凸部が表面1平方cmに4個以上であ
る。不織布に使用する熱融着性繊維の比率や熱特性によ
り可能な温度範囲は変化するが、好ましくは100〜2
00℃である。
【0016】熱エンボスロールによる加熱圧縮でロール
の凸部により不織布Aのa1層の熱融着性繊維と不織布
Bのb1層の繊維、不織布Bのb1層の熱融着性繊維と
不織布Aのa1層の繊維とが接触することにより融着し
て部分的な接着が得られる為に、全体に加熱圧縮を加え
る場合と比較して発熱性粉体組成物の空隙部分の減少が
少ないので、水が全体に行き渡るのに抵抗が少なく、保
水量も多くなり、酸素も通りやすく短時間の発熱が得ら
れる。
【0017】熱エンボスロールの表面温度が70℃より
低いと充分なエンボス効果、接着効果が得にくい。25
0℃より高いと不織布を構成している繊維の融着等によ
りエンボスロール表面にくっついて切断や汚れの原因と
なり操業性が悪くなる。250℃より高い融点の繊維の
みを使用する場合には不織布の強度が低く操業時の切断
が発生しやすい。
【0018】本発明では、熱エンボスロールの凸部の高
さは100μm以上であり、不織布の厚さや使用繊維の
種類、熱エンボスロールの表面温度により異なるが、2
00μm以上が好ましい。上限は特に無いが、一般的に
は3000μmより高くしてもエンボス効果は3000
μmと同じである。
【0019】本発明では、熱エンボスロールの凸部の存
在する密度は表面1平方cm当たりで4個以上が必要で
あり、好ましくは1平方cm当たりで8個以上である。
【0020】凸部の存在する密度が表面1平方cm当た
り4個より少ないと十分な発熱性粉体組成物の保持性が
得られない。
【0021】ここで凸部の形状は点状でも線状でも良
く、線状であれば1つの直線を1個と数え、2本の直線
が交差している場合は2個とする。
【0022】熱エンボスロールの加圧時の線圧はエンボ
ス効果からは一般的には20〜200kg/cmが好ま
しい。
【0023】線圧が20kg/cmより小さいとエンボ
ス効果が得にくく不織布Aと不織布Bとが剥がれやす
い。200kg/cmより大きいと熱エンボスロールの
凸部が不織布Aに孔を開け、発熱性粉体組成物が漏れや
すくなる。
【0024】本発明では、不織布を構成する繊維として
は何を用いても良いが、アクリル、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ビニロン、ナイロン等の人造繊維やパル
プ、綿、麻、レーヨン等の植物繊維が好ましい。
【0025】本発明の熱融着性繊維とは熱により一部ま
たは全部が軟化ないし溶融して隣接する繊維と融着する
繊維である。
【0026】本発明では、熱融着性繊維としては200
℃程度以下の温度で融着する繊維であれば何を用いても
良いが、ポリオレフィンやポリエステル繊維、鞘部分に
ポリエチレン等の低融点のポリマーを用い、芯部分にポ
リプロピレン、ポリエステル等の高融点のポリマーを用
いた芯鞘繊維が好ましく用いられる。
【0027】本発明では熱融着性繊維は不織布Aのa1
層や不織布Bのb1層の20重量%以上含有するが、2
0重量%より少ないと不織布Aと不織布Bとの接着性に
劣り製造工程上や取り扱い時に剥がれやすくなる。
【0028】本発明では不織布A及び不織布Bは湿式抄
紙法の抄き合わせで製造されるが、湿式不織布の好まし
い理由は、均一で密な不織布が得られるので、発熱性粉
体組成物が漏れるのを防ぐ効果が大きく、均一なシート
状発熱体が得られ、水系液体を含浸させた場合には分布
がより均一となり、従って水系液体の吸収程度もより均
一化する為である。
【0029】湿式抄紙法とは、水中に繊維を低濃度で分
散させ、必要に応じて分散剤、粘剤、凝集剤、紙力増強
剤、サイジング剤等を添加した後、丸網抄紙機、長網抄
紙機、傾斜型抄紙機、あるいは2種以上の抄紙機を組み
合わせたコンビネーション型抄紙機を用いて不織布を製
造する方法をいう。
【0030】本発明の2層以上の抄き合わせで製造され
る不織布A及び不織布Bは、2種以上の抄紙機を組み合
わせたコンビネーション型抄紙機や積層が可能な長網抄
紙機等により製造される。
【0031】又、製造した不織布には、熱エンボスロー
ルへの熱による融着を考慮しながら所望の特性を有する
ように熱処理、又はウレタン系、アクリル系、酢酸ビニ
ル系、スチレン−ブタジェン系、でんぷん系、ポリビニ
ルアルコール系バインダー等の含浸処理、カレンダー処
理等の後処理を施しても良い。不織布を構成している繊
維同士を互いに絡み合わせることによって当該不織布の
強度を更に高めることを目的として、カード法、ニード
ルパンチ法、スパンレース法等による後処理(二次加
工)を行ってもよい。
【0032】不織布A及び不織布Bの目付は、シート状
発熱体の厚みが薄い方が使用上好ましいので少ない方が
良いが、発熱性粉体組成物を強固に保持する為には下限
が有り、一般的には10〜100g/m2である。
【0033】発熱性粉体組成物を不織布Aに保持させる
方法はいかなる方法でも良いが、例えば、回転している
エンボスロールに発熱性粉体組成物を単位時間に一定量
を振りかけ、エンボスロールから不織布Aに落として保
持させる方法、スリット状の開口部から連続的に単位時
間に一定量を不織布Aに落とす方法、振動ふるいに落と
す方法等が有り、落とした後で不織布Aに振動を加える
方法も有るが、発熱性粉体組成物を保持させる面の反対
面から吸引すればより好ましい。
【0034】発熱性粉体組成物の保持される量は、通常
は1m2当たり200〜5000g程度である。200
gより少ないと発熱時間が短く、5000gより多いと
シート状発熱体の厚みが増加し、重くなるので特定の用
途以外では好ましくない。
【0035】本発明のシート状発熱体は用途により、厚
さ、発熱時間、等が選択されるが、適宜形状、大きさ等
も目的に応じて切断され、加工されて非通気性の袋に詰
めて密閉され、使用されるまで保存される。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明は以下の実施例に限られるものではない。
尚、%、部とあるのは重量%、重量部を表す。
【0037】実施例1〜5 不織布Aのa1層、a2層及び不織布Bのb1層、b2
層の組成、物性を表1〜表5に示す。
【0038】湿式抄紙法で作製する不織布A、不織布B
は2台の丸網抄紙機により抄き合わせで積層して抄造し
た後、ウェットプレスパート、乾燥パート、カレンダー
パートを適宜調節して、目標の厚さの不織布を作製し
た。
【0039】得られた不織布Aの熱溶融性繊維を含有し
ないa2層を下層にしてa1層上面に鉄粉(平均粒径8
0μm)80部、活性炭(平均粒径30μm)20部の
混合された発熱性粉体組成物を1000g/m2の割合
で開口部から落下させて保持させた。この不織布の上に
不織布Bの熱融着性繊維を含有しないb2層を上層とし
てb1層を発熱性粉体組成物側にして重ね合わせ、18
0℃、線圧40kg/cmで熱エンボスロール加熱圧着
機(凸部の高さ500μm、凸部の存在する密度は1平
方cm当たり9個)により加熱圧縮して融着させてシー
ト状にした。
【0040】10cm×10cmに切断後8.5%の食
塩水を400g/m2の割合で散布しシート状発熱体を
作製した。このものを片面がポリプロピレン製微多孔性
フィルムとナイロン不織布の複合シート、片面がポリエ
チレンフィルムとナイロン不織布のラミネートシートの
通気性偏平状袋に収納し、更に非通気性袋に密閉し、2
日後に発熱性の評価を行った。その結果を表10に示
す。
【0041】実施例6 実施例1で、熱エンボスロールの表面温度を250℃と
した以外は同様にしてシート状発熱体を作製した。評価
結果を表10に示す。
【0042】実施例7 実施例1で、熱エンボスロールの表面温度を70℃とし
た以外は同様にしてシート状発熱体を作製した。評価結
果を表10に示す。
【0043】実施例8 実施例1で、熱エンボスロールの凸部の高さを100μ
mとした以外は同様にしてシート状発熱体を作製した。
評価結果を表10に示す。
【0044】実施例9 実施例1で、熱エンボスロールの凸部の表面1平方cm
に存在する密度を4個とした以外は同様にしてシート状
発熱体を作製した。評価結果を表10に示す。
【0045】実施例10 実施例1で、不織布の組成、物性を表6のように変え、
発熱性粉体組成物を500g/m2とした以外は同様に
してシート状発熱体を作製した。評価結果を表10に示
す。
【0046】実施例11 実施例1で、不織布の組成、物性を表7のように変え、
発熱性粉体組成物を1300g/m2とした以外は同様
にしてシート状発熱体を作製した。評価結果を表10に
示す。
【0047】実施例12 実施例1で、不織布A、不織布Bの組成、物性を表8の
ように変え、発熱性粉体組成物を1500g/m2とし
た以外は同様にして発熱体を作製した。評価結果を表1
0に示す。
【0048】比較例1 実施例1で、不織布A、不織布Bの組成、物性を表9の
ように変えた以外は同様にしてシート状発熱体を作製し
た。評価結果を表10に示す。
【0049】比較例2 実施例1で、熱エンボスロールの表面温度を50℃とし
た以外は同様にしてシート状発熱体を作成した。評価結
果を表10に示す。
【0050】比較例3 実施例1で、熱エンボスロールの代わりに250℃で線
圧40kg/cmで鏡面ロール圧着機により圧縮した以
外は同様にしてシート状発熱体を作製した。評価結果を
表10に示す。
【0051】比較例4 実施例1で、熱エンボスロールの凸部の高さを50μm
とした以外は同様にしてシート状発熱体を作製した。評
価結果を表10に示す。
【0052】比較例5 実施例1で、熱エンボスロールの凸部の表面に存在する
密度を1平方cmに2個とした以外は同様にしてシート
状発熱体を作製した。評価結果を表10に示す。
【0053】比較例6 目付24g/m2のティッシュペーパーと厚さ1.9m
m、目付57g/m2、空隙率97.9%の木材パルプ
製不織布の2種類をエチレン−酢酸ビニル系水性接着剤
を10g/m2の割合で網点状に塗布し、加熱しながら
重ね合わせた。得られた不織布に鉄粉90部、活性炭8
部、高分子保水剤2部の発熱性粉体組成物を1100g
/m2の割合で散布、上下振動を与えて保持させた。こ
の不織布の上に厚さ1.2mm、目付40g/m2、空
隙率97.5%の木材パルプ製不織布を重ね合わせ、2
00℃、線圧40kg/cmでロール加熱圧着機により
加熱圧縮してシート状にした。
【0054】10cm×10cmに切断後8.5%の食
塩水を520g/m2の割合で散布し厚さが約2mmの
シート状発熱体を作鉄粉(平均粒径80μm)80部、
活性炭(平均粒径30μm)20部の混合された発熱性
粉体組成物を1000g/m2の割合で開口部から落下
させて保持させた。製した。このものを実施例1と同様
に通気性偏平袋と非通気性袋に収納し、2日後に発熱性
の評価を行った。その結果を表10に示す。(特開平8
−112303号公報の実施例に準拠)
【0055】比較例7 表1の繊維配合で実施例1と同様にして不織布Aのa1
層、a2層を別々に湿式抄紙により作成し、比較例4と
同様にしてエチレン−酢酸ビニル系水性接着剤により塗
布、加熱して重ね合わせた。不織布Bのb1層、b2層
も同様にして別々に湿式抄紙法により作成し、同様にエ
チレン−酢酸ビニル系水性接着剤により塗布、加熱して
重ね合わせた。その後実施例1と同様にして不織布Aの
2層を重ね合わせた不織布上に発熱性粉体組成物を保持
させ、不織布Bの2層を重ね合わせた不織布を重ね合わ
せ、加熱圧縮処理後食塩水を散布してシート状発熱体を
作製し、実施例1と同様に通気性偏平袋と非通気製袋に
収納し、2日後に発熱性の評価を行った。その結果を表
10に示す。
【0056】比較例8 実施例1で、発熱性粉体組成物の組成を鉄粉(平均粒径
80μm)80部、活性炭(平均粒径30μm)20
部、ポリエチレン−ポリ酢酸ビニル粒子(平均粒径20
0μm)10部に変更し、発熱性粉体組成物を1100
g/m2の割合で保持させた以外は同様にしてシート状
発熱体を作製した。その評価結果を表10に示す。
【0057】尚、表1〜表9中の2d×5mmは2デニ
ールで長さ5mmを意味し、NBF−Eはポリプロピレ
ン/ポリ酢酸ビニルの熱融着性繊維(芯鞘繊維、大和紡
績社製)を意味し、PET繊維はポリエステル繊維を意
味する。PET4080はPETの熱融着性繊維(芯鞘
構造、ユニチカ社製)、VPBはビニロン系の熱水溶解
性繊維(溶解温度99℃、クラレ社製)、VPWもビニ
ロン系の熱水溶解性繊維(溶解温度60℃、クラレ社
製)を意味する。NBKPは針葉樹晒しクラフトパルプ
を意味する。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
【表9】
【0067】
【表10】
【0068】結果:これらのシート状発熱体のうち、本
発明に包含されるものはいずれも、良好な発熱性を有
し、身体に装着した場合に違和感の無いものであった。
発熱性粉体組成物に接する層に熱融着性繊維を20重量
%含有している実施例3は10重量%含有している比較
例1よりも発熱性粉体組成物の保持性、発熱性が良好で
ある。又、熱エンボスロールの表面温度が180℃の実
施例1と比較して250℃の実施例6はやや装着性、発
熱性に劣り、70℃の実施例7はやや発熱性粉体保持性
と発熱性に劣るが、50℃の比較例2は発熱性粉体組成
物の保持性、発熱性が悪く実使用に耐えない。又、エン
ボスロールの代わりに鏡面ロールを使用した比較例3は
シートの堅さが増すため装着性が悪く発熱性も劣る。
【0069】シート状発熱体の厚さが1800μmの実
施例1と比較して650μmの実施例10は発熱性粉体
の量が少なく、温度保持時間が短く、均一に保持させる
のが難しい為かやや発熱性が劣る。厚さが3800μm
の実施例12は発熱性粉体保持性、装着性、発熱性がや
や劣るが実使用の範囲内である。
【0070】熱エンボスロールの凸部の高さを実施例1
の500μmから100μmに変えた実施例8は発熱性
粉体組成物の保持性が劣り、実使用下限であり、粉体組
成物の均一性に劣る為か装着性、発熱性もやや劣る。凸
部の高さが50μmの比較例4は発熱性粉体組成物の保
持性が大幅に劣り、実使用不可である。
【0071】熱エンボスロール表面の1平方cmに存在
する凸部の密度が8個の実施例1と比較して4個の実施
例9は発熱性粉体組成物の保持性が大幅に劣り、実用下
限であり、発熱性もやや劣る。凸部の1平方cmの密度
が2個の比較例5は発熱性粉体組成物の保持性、装着性
が悪く実用不可である。
【0072】実施例1等と比較して発熱性粉体組成物を
保持させるものとして不織布同士を接着剤で重ね合わせ
た不織布複合体を用いた比較例6、7は装着性にやや難
が有り、比較例7は水や酸素の透過性の低下により発熱
性に劣る。
【0073】発熱性粉体組成物に接着性粒子を含有した
比較例8は含有しない実施例1と比較して発熱性粉体保
持性は良好であるが装着性がやや劣り、発熱性が悪い。
【0074】評価方法はそれぞれ以下により判定し、評
価した。
【0075】[不織布及びシート状発熱体の厚さ]JI
S−L1096に準拠して荷重50gf/cm2で測
定。
【0076】[発熱性粉体組成物の保持性]シート状発
熱体中の発熱性粉体組成物の片寄りやすさと両面や切断
面からの漏れを肉眼で判定した。 ○ :全く片寄り、漏れ無いが数度手で強く振れば若干
の片寄り有り。 ○〜△:若干の片寄りか漏れ有り。 △ :片寄りか漏れあるが継続しての漏れ無し。 △〜×:片寄りか漏れ多いが継続しての漏れ無し。 × :片寄りか漏れ多く実使用不可。
【0077】[装着性]通気性偏平袋に収納したシート
状発熱体を人体の腰部にアクリル系粘着剤により貼り付
けて10時間装着した場合の違和感の程度で判定した。 ○ :違和感無し。 ○〜△:違和感やや有り。 △ :違和感有るが問題の無い程度。 △〜×:違和感有り、長時間の使用に耐えない。 × :違和感が大きく短時間の使用にも耐えない。
【0078】[発熱性]室温20℃、相対湿度65%の
雰囲気でJIS S−4100に基づいて測定した。試
験試料の数は各10個とし、発熱開始から40℃迄昇温
するのに要する立ち上がり時間、及び40℃以上での持
続時間の振れと温度安定性について各試料を4等分して
計40箇所で測定して評価した。 ○ :40箇所共立ち上がり時間10分以下、持続時間
の最大と最小の差が30分以内、温度安定性が±2℃以
内。 ○〜△:少なくとも1箇所で立ち上がり時間10分より
大で15分以内、又は持続時間の最大と最小の差が30
分より大で1時間以内、又は温度安定性が±2℃より大
で±3℃以内の何れか1項目か2項目を満たす場合。 △ :少なくとも1箇所で立ち上がり時間10分より大
で15分以内、及び持続時間の最大と最小の差が30分
より大で1時間以内、及び温度安定性が±2℃より大で
±3℃以内の3項目を満たす場合。 △〜×:少なくとも1箇所で立ち上がり時間15分より
大、又は持続時間の最大と最小の差が1時間より大、又
は温度安定性が±3℃より大の何れか1項目を満たす場
合。 × :少なくとも1箇所で以上で立ち上がり時間15分
より大、及び持続時間の最大と最小の差が1時間より
大、及び温度安定性が±3℃より大の3項目を満たす場
合。
【0079】
【発明の効果】以上、実施例および比較例を挙げて詳述
した様に、本発明によれば、人体への装着の問題が無
く、違和感の無い発熱性粉体組成物の散布、保持工程等
の製造工程での問題も無く、長時間快適な温度を保つ、
シート状発熱体を提供することが可能になる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布A上に発熱性粉体組成物を保持さ
    せ、更にその上面に不織布Bを重ね合わせ、加熱圧縮し
    た後、水又は水系液体を含浸させたシート状発熱体にお
    いて、不織布A及び不織布Bが湿式抄紙法により少なく
    とも2層に抄き合わされ、熱融着性繊維を20重量%以
    上含有し、発熱性粉体組成物と接する層、及び該熱融着
    性繊維を含有しない層からなり、該発熱性粉体組成物が
    接着性粉体を含有せず、表面温度が70〜250℃、凸
    部の高さが100μm以上で、表面1平方cmに凸部が
    4個以上の熱エンボスロールにより加熱圧縮してなるこ
    とを特徴とするシート状発熱体。
  2. 【請求項2】 シート状発熱体のJIS−L1096に
    準拠した荷重50gf/cm2での厚さが0.6〜3.
    5mmであることを特徴とする請求項1記載のシート状
    発熱体。
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