JP3694120B2 - シート状発熱体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状発熱体に関し、詳しくは発熱性粉体組成物の移動、片寄りが無く、薄型で使用しやすいシート状発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、暖を取る目的で被酸化性金属を主成分とし、空気中の酸素と接触して発熱する粉体組成物を通気性を有する袋に収納された発熱体が広く利用されている。しかしながら、人体に装着した場合には重力等により粉体組成物に片寄りが生じ違和感を感じるようになる他、発熱も片寄る事になる。
この欠点を解消する方法として支持体などに保持させ、シート状にする提案が種々なされている。
【0003】
例えば▲1▼発熱組成物を網状物に保持させる方法(特開昭53−84246号公報)、▲2▼活性炭繊維不織布等に酸化助剤を含浸し、金属箔を重ねる方法(特開昭63−37181号公報)、▲3▼和紙に酸化助剤を含浸させ、発熱剤を散布後加圧成形する方法(実開昭64−42018号公報)、▲4▼植物性繊維と熱融着性繊維の不織布を重ね合わせ、その中に化学発熱剤を分散する方法(特開平2−142561号公報)、▲5▼繊維が不規則に積層された高空隙シート状支持体に発熱剤を分散保持する方法(特開平3−152894号公報)、▲6▼高空隙不織布と不織布を接着剤で重ね合わせ、上面に発熱組成物粉体を散布、更に不織布を重ねて加熱圧着する方法(特開平8−112303号公報)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法で得られたシート状発熱体は以下の問題点がある。
▲1▼シート状発熱体の剛性が大きく、発熱組成物の粉体が離脱しやすい。
▲2▼金属箔の表面積が小さく充分な発熱特性が得られない。
▲3▼シート状発熱体の折曲げ等により発熱剤が剥がれやすい。
▲4▼保水性を出すための植物繊維により不織布同士が剥がれやすい。
▲5▼発熱組成物を分散保持した後で懸濁液を散布するために均一保持が難しい。
▲6▼高空隙不織布と不織布を接着剤で重ね合わせる為、人体に装着した場合に折り曲げ時にまだ違和感が有る他、充分に接着させるには不織布の空隙が接着剤で埋まる為、主として片面からしか酸素が供給されず、充分に発熱する量の発熱性組成物を散布した場合には保持性に劣るので均一な発熱性が得にくい。
【0005】
以上のように、発熱性粉体組成物が均一に保持され、粉体の漏れの無い折曲げや振動に安定な、使用時に違和感の少ないシート状発熱体の開発が望まれていた。
【0006】
【発明を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明のシート状発熱体は、少なくとも不織布Aと不織布Bをウォータージェットで交絡させ、不織布A上に発熱性粉体組成物を保持させ、更に発熱性粉体組成物の上面に不織布Cを重ね合わせ、圧縮又は加熱圧縮した後、水又は水系液体を含浸させる事により得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
第1の発明は、少なくとも上側に不織布Aを、下側に不織布Bを重ねてウォータージェット法により交絡させた後、不織布A側の上面に発熱性粉体組成物を保持させ、更に発熱性粉体組成物の上面に不織布Cを重ね合わせ、圧縮又は加熱圧縮した後、水又は水系液体を含浸させて得られるシート状発熱体である。
【0008】
本発明では、発熱性粉体組成物としては、純鉄、還元鉄、ニッケル等の酸化性金属粉を主成分とし、酸化促進剤の活性炭、食塩、塩化カルシウム等の無機電解質、パーライト、セビオライト、バーミキュライト、けいそう土、活性白土、ゼオライト、吸水性樹脂等の保水剤、水等が混合される。
【0009】
本発明のウォータージェット法とは、孔開きドラムや孔無しローラー上の織ベルト等の上の繊維ウエブに高圧ウォータージェットを当てて繊維を絡ませる方法であり、スパンレース法、ジェットレース法、ジェットパンチ法などとも呼ばれる。
【0010】
ウォータージェット法により不織布同士を交絡する事で、得られる不織布の通気性を低下せずに一体化する事が出来る。一体化した不織布の上に発熱性粉体組成物を保持させる場合に、保持させる面の反対面から吸引しながら行う方法は発熱性粉体組成物を不織布により強く保持されるが、本発明のようにウォータージェット法により不織布を交絡させた方が不織布の通気性が良好であり、効果的に吸引されるので好ましい。更に、不織布の通気性が良好である為に発熱反応に必要な酸素の供給が両面から可能となり、均一な発熱が得られる。
【0011】
更にウォータージェット法で処理することにより不織布の硬さが少なくなり、柔らかな感触となるために使用時の違和感が軽減される利点がある。
【0012】
本発明は特に、不織布Aと不織布Bをウォータージェット法により交絡させた不織布複合体の、不織布A側の上面に発熱性粉体組成物を散布する時に発熱性粉体組成物を保持させる面の反対面の不織布B側の面から吸引して得られるシート状発熱体が好ましい。
【0013】
吸引する事により不織布Aへの発熱性粉体組成物の保持性が強固になり、深い孔へ達するのでシート状発熱体を移動する場合や、使用する場合に片よりが少なくなる。更に単位面積当たりの強固に保持される発熱性粉体組成物量を多くすることが出来るので長時間の均一な発熱性が得られる。
【0014】
吸引の程度は特に制限はないが、一般的には差圧が5mmH2O〜200mmH2O程度である。あまり低すぎても発熱性粉体組成物の不織布への保持性に劣り、高すぎても活性炭が不織布A、Bを通り抜けるために好ましくない。
【0015】
本発明は特にJIS−L1096に準拠した目付と荷重50gf/cm2での厚さから算出した見かけ比重(以下単に見かけ比重とする)が0.15以下の不織布Aを上側とし、下側に見かけ比重が0.15以上の不織布Bを重ねて2層をウォータージェット法により交絡させた後、不織布A側の面に発熱性粉体組成物を保持させ、更に発熱性粉体組成物の上面に不織布Cを重ね合わせ、圧縮又は加熱圧縮した後、水又は水系液体を含浸させて得られるシート状発熱体が好ましい。
【0016】
不織布Aの見かけ比重が0.15以下が好ましい理由は、発熱性粉体組成物がその空隙部分に詰まった状態で保持されやすい為である。好ましくは電子顕微鏡や光学式顕微鏡で測定した不織布A表面の平均空隙径が50μm〜500μmである。
【0017】
不織布Bの見かけ比重が0.15以上が好ましい理由は、不織布Aを通って漏れてくる発熱性粉体組成物を保持する為である。好ましくは電子顕微鏡で測定した不織布B表面の平均空隙径が30μm以下である。
【0018】
本発明では特に、不織布Aの見かけ比重が0.10以下が好ましい。それは発熱性樹脂組成物がその空隙部分へより詰まりやすく、保持されやすくする為である。好ましくは電子顕微鏡か光学顕微鏡での平均空隙径が200μm以下である。
【0019】
本発明では特に、不織布AのJIS−L1096に準拠した荷重50gf/cm2での厚さが0.5〜5mmの場合が好ましい。
【0020】
不織布Aが0.5mmより薄いと発熱性粉体組成物の保持量が少なくなり、発熱量が小さく、短時間の使用しか出来なくなる。逆に5mmより厚いとシート状発熱体の剛度が高くなり、身体に装着して使用しにくい。
【0021】
本発明では特に、不織布Cとして下層の発熱性粉体組成物に接触する側の見かけ比重0.15以下の不織布Dと、上層の見かけ比重0.15以上の不織布Eをウォータージェット法により交絡させたものが好ましい。
【0022】
見かけ比重が0.15以下の不織布Dにより発熱性粉体組成物を保持しやすくなり、見かけ比重0.15以上の不織布Eにより発熱性粉体組成物の漏れを防ぐ効果が得られる。
【0023】
本発明では特に、不織布Aとして乾式不織布が好ましい。
乾式不織布が好ましい理由は、見かけ比重が小さく空隙径の大きい不織布が得られる為である。
【0024】
本発明では特に、不織布Bとして湿式抄紙法で製造されたものが好ましい。
湿式不織布の好ましい理由は、均一で密な不織布が得られるので、発熱性粉体組成物が漏れるのを防ぐ効果が大きく、均一なシート状発熱体が得られる為である。
【0025】
本発明では特に、シート状発熱体のJIS−L1096に準拠した荷重50gf/cm2での厚さが0.5mm〜5mmが好ましい。
5mmより厚いと身体に装着して使用する場合、特に肌着に貼る場合では運動する時に違和感が有り、0.5mmより薄いと使用時の違和感は無いが発熱性粉体組成物の保持量の関係で使用可能な時間が短くなり、特定の目的で短時間使用する場合以外ではあまり好ましくない。
【0026】
シート状発熱体の厚さは、不織布複合体に発熱性粉体組成物を保持した上面に不織布Cを重ねあわせた後で圧縮することである程度の調節が可能である。その場合に加熱すれば圧縮効果とともに発熱性粉体組成物を不織布に固定化する効果も有り好ましい。
【0027】
本発明では、不織布を構成する繊維としては何を用いても良いが、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン、ナイロン等の人造繊維やパルプ、綿、麻、レーヨン等の植物繊維が好ましい。
【0028】
本発明で使用する不織布は、如何なる方法により製造されたものでも良いが、不織布Aや不織布Dは比較的低密度の不織布が製造できる乾式法で製造された乾式不織布、不織布Bや不織布Eは非常に均一な不織布を製造することが出来、かつ、不織布の密度調整が容易である、湿式抄紙法によって製造された湿式不織布が好ましい。
【0029】
乾式不織布は、紡糸したフィラメントから直接シート状にするスパンボンド法、紡糸直後に加圧熱風で溶融ポリマーを延伸して微細繊維にし、シート状にするメルトブロー法、パルプ等を機械的にほぐし単繊維化してパルプ繊維マットを形成した後水溶性バインダー等で繊維同士を固着させるエアレイ法などにより製造される。
【0030】
湿式抄紙法とは、水中に繊維を低濃度で分散させ、必要に応じて分散剤、粘剤、凝集剤、紙力増強剤、サイジング剤等を添加した後、丸網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、あるいは2種以上の抄紙機を組み合わせたコンビネーション型抄紙機を用いて不織布を製造する方法をいう。湿式抄紙法により目的とする不織布を製造した場合には、繊維分布の均一性つまり地合いが非常に良い不織布を得ることが出来、このような不織布に水系液体を含浸させた場合には分布がより均一となり、従って水系液体の吸収程度もより均一化する。
【0031】
不織布の製造にあたっては、上述の繊維以外の、例えば、バインダー機能を有する繊維であるバインダー繊維の併用は不織布に強度を持たせる上からや不織布同士を発熱性粉体組成物を挟んで加熱圧縮する場合が好ましい。バインダー繊維としては、熱により一部または全部が軟化ないし溶融して隣接する繊維と融着する熱融着繊維、熱水によって一部または全部が溶解し、乾燥する際に繊維同士を結合させるビニロン系バインダー繊維等が好ましく用いられる。
【0032】
又、製造した不織布には、所望の特性を有するように熱処理、又はウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン−ブタジェン系、でんぷん系、ポリビニルアルコール系バインダー等の含浸処理、カレンダー処理等の後処理を施しても良い。湿式抄紙法により不織布を製造した場合には、不織布を構成している繊維同士を互いに絡み合わせることによって当該不織布の強度を更に高めることを目的として、カード法、ニードルパンチ法、スパンレース法等による後処理(二次加工)を行ってもよい。
【0033】
第2の発明は少なくとも上側に不織布Aを、下側に不織布Bを重ねてウォータージェット法により交絡させた後、不織布A側の上面に発熱性粉体組成物を保持させ、更に発熱性粉体組成物の上面に不織布Cを重ね合わせ、熱エンボスロールにより加熱圧縮した後、水又は水系液体を含浸させて得られるシート状発熱体である。
【0034】
熱エンボスロールにより加熱圧縮することで部分的な接着が得られる為に発熱性粉体組成物があまり密にならないので水が全体に行き渡るのに抵抗が少なく短時間の発熱が得られる。
【0035】
本発明は特に、熱エンボスロールの表面温度が100〜250℃である場合が好ましい。
【0036】
熱エンボスロールの表面温度が100℃より低いと充分なエンボス効果、接着効果が得られない。250℃より高いと不織布を構成している繊維が融解する為エンボスロール表面にくっついて切断や汚れの原因となり操業性が悪くなる。250℃より高い融点の繊維を使用する場合には不織布の強度が低く操業時の切断が発生しやすい。
【0037】
本発明は特に、熱エンボスロールの凸部の高さが100μm以上が好ましい。
【0038】
熱エンボスロールの凸部の高さが100μm以上であれば不織布Cを不織布Aと不織布Bからなる不織布複合体に接着させるに充分である。100μmより小さいと不織布Cと不織布複合体が発熱性粉体組成物の層から剥がれやすくなる。
【0039】
本発明は特に熱エンボスロールの加圧時の線圧が20〜200kg/cmが好ましい。
【0040】
線圧が20kg/cmより小さいとエンボス効果が得にくく不織布Cと不織布複合体とが剥がれやすい。200kg/cmより大きいと熱エンボスロールの凸部が不織布Cに孔を開け、発熱性粉体組成物が漏れやすくなる。
【0041】
本発明では特に発熱性粉体組成物に接着性粉体を添加する方が好ましい。
【0042】
発熱性粉体組成物へ添加する接着性粉体としてはポリエチレン、ポリプロピレン等の粉体やその変性物が挙げられ、更に接着性粉体の溶融温度以上の熱エンボスロール加工により発熱性粉体組成物の不織布への固定化効果が向上する。好ましい接着性粉体の量は発熱性粉体組成物の10〜50重量%であり、少ないと固定化効果が得にくく、多すぎると発熱効果が低下し、シート状発熱体の厚みが増加する。
【0043】
不織布Bや不織布Eの目付は、使用のしやすさからは最終のシート状発熱体の厚みが薄い方が好ましく、発熱性粉体組成物の漏れ防止からは厚い方が好ましい為に制限されるが一般的には10g/m2〜100g/m2程度である。
【0044】
不織布Aや不織布Dの目付も少ない方が好ましいが、発熱性粉体組成物を強固に保持する為の下限が有り、一般的には10g/m2〜200g/m2である。
【0045】
発熱性粉体組成物を不織布複合体に保持させる方法はいかなる方法でも良いが、例えば、回転している熱エンボスロールに発熱性粉体組成物を単位時間に一定量を振りかけ、熱エンボスロールから不織布複合体に落として保持させる方法、スリット状の開口部から連続的に単位時間に一定量を不織布複合体に落とす方法等が有り、同時に振動を加える方法も有るが、発熱性粉体組成物を保持させる面の反対面から吸引すればより好ましい。
【0046】
発熱性粉体組成物の保持される量は、通常は1m2当たり200g〜5000g程度である。200gより少ないと発熱時間が短く、5000gより多いとシート状発熱体の厚みが増加し、重くなるので特定の用途以外では好ましくない。
【0047】
本発明のシート状発熱体は用途により、厚さ、発熱時間、等が選択されるが、適宜形状、大きさ等も目的に応じて切断され、加工されて非通気性の袋に詰めて密閉され、使用されるまで保存される。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限られるものではない。尚、%、部とあるのは重量%、重量部を表す。
【0049】
実施例1〜10
不織布A、不織布B、及び不織布Cの組成、物性を表1〜表10に示す。不織布Aと不織布Bは不織布B側から水圧100kg/cm2、速度20m/分の条件でウォータージェットにより交絡させた。また、不織布Cが不織布Dと不織布Eから成る場合も不織布A、Bと同様にしてウォータージェットにより交絡させた。
【0050】
湿式抄紙法は円網抄紙機を用いて抄造した後、ウェットプレスパート、乾燥パート、カレンダーパートを適宜調節して、目標の厚さの不織布を作製した。
【0051】
乾式法の不織布は市販のものを使用した。
【0052】
得られた不織布に反対側から差圧15mmH2Oで吸引しながら鉄粉90部、活性炭10部の混合された発熱性粉体組成物を1100g/m2の割合で開口部から落下させて保持させた。
この不織布の上に不織布Cを重ね合わせ、160℃、線圧40kg/cmで鏡面ロール加熱圧着機により加熱圧縮してシート状にした。
【0053】
10cm×10cmに切断後8.5%の食塩水を520g/m2の割合で散布しシート状発熱体を作製した。このものを片面がポリプロピレン製微多孔性フィルムとナイロン不織布の複合シート、片面がポリエチレンフィルムとナイロン不織布のラミネートシートの通気性偏平状袋に収納し、更に非通気性袋に密閉し、2日後に発熱性の評価を行った。その結果を表25に示す。
【0054】
実施例11
実施例1で、発熱性粉体組成物の散布を吸引しないで行った以外は同様にしてシート状発熱体を作製した。評価結果を表25に示す。
【0055】
実施例12
実施例1で、保持した発熱性粉体組成物の上に不織布Cを重ね合わせ、常温の20℃で線圧40kg/cmで鏡面ロール圧着機により圧縮した以外は同様にしてシート状発熱体を作製した。評価結果を表25に示す。
【0056】
実施例13〜23
不織布A、不織布B、及び不織布Cの組成、物性を表14〜表24に示す。不織布Aと不織布Bは不織布B側から水圧100kg/cm2、速度20m/分の条件でウォータージェットにより交絡させた。また、不織布Cが不織布Dと不織布Eから成る場合も不織布A、Bと同様にしてウォータージェットにより交絡させた。
【0057】
湿式抄紙法は円網抄紙機を用いて抄造した後、ウェットプレスパート、乾燥パート、カレンダーパートを適宜調節して、目標の厚さの不織布を作製した。
【0058】
乾式法の不織布は市販のものを使用した。
【0059】
得られた不織布に反対側から差圧15mmH2Oで吸引しながら鉄粉80部、活性炭10部、ポリプロピレン粒子(平均粒径8μm)10部の混合された発熱性粉体組成物を1200g/m2の割合で開口部から落下させて保持させた。この不織布の上に不織布Cを重ね合わせ、表14〜表24の条件で熱エンボスロールによる加熱圧着機により加熱圧縮してシート状にした。
【0060】
10cm×10cmに切断後8.5%の食塩水を520g/m2の割合で散布しシート状発熱体を作製した。このものを片面がポリプロピレン製微多孔性フィルムとナイロン不織布の複合シート、片面がポリエチレンフィルムとナイロン不織布のラミネートシートの通気性偏平状袋に収納し、更に非通気性袋に密閉し、2日後に発熱性の評価を行った。その結果を表26に示す。
【0061】
比較例1
表11の構成で、目付24g/m2のティシュペーパーと厚さ1.9mm、目付57g/m2、空隙率97.9%の木材パルプ製不織布(ハピックス(株)製、Jソフト)の2種類をエチレン−酢酸ビニル系水性接着剤を10g/m2の割合で網点状に塗布し、加熱しながら重ね合わせた。得られた不織布に鉄粉90部、活性炭8部、高分子保水剤2部の発熱性粉体組成物を1100g/m2の割合で散布、上下振動を与えて保持させた。この不織布の上に厚さ1.2mm、目付40g/m2、空隙率97.5%の木材パルプ製不織布(本州製紙(株)製、キノクロス)を重ね合わせ、200℃、線圧40kg/cmでロール加熱圧着機により加熱圧縮してシート状にした。
【0062】
10cm×10cmに切断後8.5%の食塩水を520g/m2の割合で散布し厚さが約2mmのシート状発熱体を作製した。このものを実施例1と同様に通気性偏平袋と非通気性袋に収納し、2日後に発熱性の評価を行った。その結果を表14に示す。(特開平8−112303号公報の実施例追試)
【0063】
比較例2、3
表11、表12の繊維配合で湿式不織布を作成し、不織布Aと不織布B及び不織布Dと不織布Eを比較例1と同様にしてエチレン−酢酸ビニル系水性接着剤により塗布、加熱して重ね合わせた。その後実施例1と同様にして発熱性粉体組成物を保持させ、不織布Dと不織布Eを積層した不織布Cを重ね合わせ、加熱圧縮処理後食塩水を散布してシート状発熱体を作製し、実施例1と同様に通気性偏平袋と非通気製袋に収納し、2日後に発熱性の評価を行った。その結果を表25に示す。
【0064】
比較例4
不織布Bを用いずに表13の構成で不織布Aに実施例1と同様にして発熱性粉体組成物を保持させ、不織布Cを重ね合わせ、加熱圧縮処理後食塩水を散布してシート状発熱体を作製し、通気性偏平袋と非通気性袋に収納し、2日後に発熱性の評価を行った。その結果を表25に示す。
【0065】
尚、表1〜表24中の2d×5mmは2デニールで長さ5mmを意味し、熱融着繊維EはNBF−E(ポリプロピレン/ポリ酢酸エチルの芯鞘繊維、大和紡績社製)を意味し、PET繊維はポリエステル繊維を意味する。
【0066】
【表1】
Figure 0003694120
【0067】
【表2】
Figure 0003694120
【0068】
【表3】
Figure 0003694120
【0069】
【表4】
Figure 0003694120
【0070】
【表5】
Figure 0003694120
【0071】
【表6】
Figure 0003694120
【0072】
【表7】
Figure 0003694120
【0073】
【表8】
Figure 0003694120
【0074】
【表9】
Figure 0003694120
【0075】
【表10】
Figure 0003694120
【0076】
【表11】
Figure 0003694120
【0077】
【表12】
Figure 0003694120
【0078】
【表13】
Figure 0003694120
【0079】
【表14】
Figure 0003694120
【0080】
【表15】
Figure 0003694120
【0081】
【表16】
Figure 0003694120
【0082】
【表17】
Figure 0003694120
【0083】
【表18】
Figure 0003694120
【0084】
【表19】
Figure 0003694120
【0085】
【表20】
Figure 0003694120
【0086】
【表21】
Figure 0003694120
【0087】
【表22】
Figure 0003694120
【0088】
【表23】
Figure 0003694120
【0089】
【表24】
Figure 0003694120
【0090】
【表25】
Figure 0003694120
【0091】
【表26】
Figure 0003694120
【0092】
結果:
これらのシート状発熱体のうち、本発明に包含されるものはいずれも、良好な発熱性を有し、身体に装着した場合に違和感の無いものであった。特に不織布Bの見かけ比重が0.15以上で不織布Aの見かけ比重が0.15以下、特に0.10以下であれば発熱性粉体組成物の保持性が良好である。
【0093】
シート状発熱体の厚さが0.5〜5mmであれば装着性が良好となる。
不織布Aが乾式不織布であれば発熱性粉体組成物の保持性、発熱性が良好であり、不織布Bが湿式抄紙法で製造されたものであれば発熱性粉体組成物の保持性が良好となる。
【0094】
不織布複合体に保持させた発熱性粉体組成物の上に不織布Cを重ね合わせた後で常温で圧縮処理した実施例12の場合は加熱圧縮処理した実施例1の場合と比較して発熱性粉体組成物の保持性と装着性にやや劣るが充分に実用可能である。
【0095】
実施例13〜19、21、22の熱エンボスロールでの加熱圧縮により発熱性粉体組成物の保持性、発熱性は実施例2の鏡面ロールによる加熱圧縮よりも良好となる。実施例20の熱エンボスロールの凸部の高さが100μmより小さい場合、実施例23の線圧が20kg/cmより低い場合は実施例2と同等の発熱性粉体組成物の保持性であるが発熱性は良好となる。
【0096】
発熱性粉体組成物を保持させるものとして不織布同士を接着剤で重ね合わせた不織布複合体を用いた比較例1〜3の内、比較例1、比較例3では装着性にやや難が有り、不織布複合体の厚さを薄くした比較例2では、発熱性粉体組成物の保持性に劣る。不織布複合体を用いずに、乾式不織布だけを用いた比較例4では発熱性粉体組成物の保持性、発熱性に劣る。
【0097】
評価方法はそれぞれ以下により判定し、評価した。
【0098】
[不織布及びシート状発熱体の厚さ]
JIS−L1096に準拠して荷重50gf/cm2で測定。
【0099】
[発熱性粉体組成物の保持性]
シート状発熱体中の発熱性粉体組成物の片寄りやすさと両面や切断面からの漏れを肉眼で判定した。
◎:全く片寄り、漏れ無し。数度手で強く振っても片寄り無し。
○:全く片寄り、漏れ無いが数度手で強く振れば若干の片寄り有り。
○〜△:若干の片寄りか漏れ有り。
△:片寄りか漏れあるが継続しての漏れ無し。
△〜×:片寄りか漏れ多いが継続しての漏れ無し。
×:片寄りか漏れ多く実使用不可。
【0100】
[装着性]
通気性偏平袋に収納した発熱性シートを人体の腰部にアクリル系粘着剤により貼り付けて10時間装着した場合の違和感の程度で判定した。
○:違和感無し。
○〜△:違和感やや有り。
△:違和感有るが問題の無い程度。
△〜×:違和感有り、長時間の使用に耐えない。
×:違和感が大きく短時間の使用にも耐えない。
【0101】
[発熱性]
室温20℃、相対湿度65%の雰囲気でJIS S−4100に基づいて測定した。試験試料の数は各10個とし、発熱開始から40℃迄に昇温するのに要する立ち上がり時間、及び40℃以上の持続時間を試料面を4等分して計4箇所で測定して平均で評価した。尚、持続時間に関しては用途により短時間でも良い場合があるので10時間以上が必須条件ではない。
○:4箇所共立ち上がり時間10分以下で持続時間10時間以上。
○〜△:4箇所共立ち上がり時間10分から20分で持続時間10時間以上。
△:1箇所が立ち上がり時間20分より大きいか、1箇所以上で持続時間10時間より少ないかの何れか。
△〜×:1箇所が立ち上がり時間20分より大きく持続時間10時間より少 ない。又は2箇所以上で立ち上がり時間が20分より大きい。
×:2箇所以上で立ち上がり時間20分より大きく持続時間10時間より少 ない。
【0102】
【発明の効果】
以上、実施例および比較例を挙げて詳述した様に、本発明によれば、人体への装着の問題が無く、違和感の無い発熱性粉体組成物の散布、保持工程等の製造工程での問題も無く、長時間快適な温度を保つ、シート状発熱体を提供することが可能になる。

Claims (1)

  1. JIS−L1096に準拠した目付と荷重50gf/cm 2 での厚さとから算出した見かけ比重が0.15以下である不織布Aと0.15以上である不織布Bとをウォータージェット法により交絡させた不織布複合体の不織布A側上に発熱性粉体組成物を保持させ、更にその上面に見かけ比重が0.15以下の不織布Dと見かけ比重が0.15以上である不織布Eとをウォータージェット法により交絡させた不織布Cを、不織布D側が発熱性粉体組成物に接触するようにして重ね合わせ、圧縮又は加熱圧縮した後、水又は水系液体を含浸させたことを特徴とするシート状発熱体。
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