JPH10151150A - 履物用発熱袋およびその製造方法 - Google Patents
履物用発熱袋およびその製造方法Info
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- JPH10151150A JPH10151150A JP32919296A JP32919296A JPH10151150A JP H10151150 A JPH10151150 A JP H10151150A JP 32919296 A JP32919296 A JP 32919296A JP 32919296 A JP32919296 A JP 32919296A JP H10151150 A JPH10151150 A JP H10151150A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 静止時、歩行時など使用状況に影響されず快
適な温度が得られるとともに、厚さが薄く、違和感を生
じない履物用発熱袋を得る。 【解決手段】 多数の空隙を有し、熱融着性を有する不
織布の積層体の空隙中に発熱組成物を保持させ、型圧縮
機で加熱圧縮して得られたシート状発熱体を通気性の袋
に収納する。
適な温度が得られるとともに、厚さが薄く、違和感を生
じない履物用発熱袋を得る。 【解決手段】 多数の空隙を有し、熱融着性を有する不
織布の積層体の空隙中に発熱組成物を保持させ、型圧縮
機で加熱圧縮して得られたシート状発熱体を通気性の袋
に収納する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状発熱体を
用いた履物用発熱袋に関し、さらに詳細には発熱組成物
の片寄りがなく、かつ発熱性能の優れた履物用発熱袋に
関する。
用いた履物用発熱袋に関し、さらに詳細には発熱組成物
の片寄りがなく、かつ発熱性能の優れた履物用発熱袋に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から鉄粉などの被酸化性金属を主成
分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を
通気性を有する袋に収納した発熱袋がかいろなどとして
広く利用されている。また、通気性を有する袋の形状を
馬蹄型や台形とし、靴やスリッパに用いる履物用発熱袋
なども提案されている(実開昭59−071618号公
報)。これらの履物用発熱袋はいずれも鉄粉、活性炭、
保水剤、および無機電解質水溶液などが混合されてなる
湿った粉体を通気性を有する袋に収納されたものであ
り、さらに使用されるまで非通気性の外袋に密封して保
存される。そして使用時には外袋を破って発熱袋を取り
出し、履物内に装着して用いられる。
分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を
通気性を有する袋に収納した発熱袋がかいろなどとして
広く利用されている。また、通気性を有する袋の形状を
馬蹄型や台形とし、靴やスリッパに用いる履物用発熱袋
なども提案されている(実開昭59−071618号公
報)。これらの履物用発熱袋はいずれも鉄粉、活性炭、
保水剤、および無機電解質水溶液などが混合されてなる
湿った粉体を通気性を有する袋に収納されたものであ
り、さらに使用されるまで非通気性の外袋に密封して保
存される。そして使用時には外袋を破って発熱袋を取り
出し、履物内に装着して用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の履物用
発熱袋を靴の中で使用した場合には、静止時には暖かく
快適であっても、歩行すると履物用発熱袋の温度が急上
昇し、熱くなるばかりでなく、火傷の危険性があった。
一方、歩行時において快適な温度となるように履物用発
熱袋の発熱温度を低めに設定した場合には、静止時に十
分な発熱が得られないという不都合があった。また従来
の履物用発熱袋は、靴内に装着する際によれたり、使用
中に発熱組成物の片寄りを生じ、違和感があるなどの不
都合があった。さらに、発熱組成物が片寄ったままで使
用すると発熱組成物の集まった部分が局部的に高温発熱
することがあり、火傷の危険性があった。これらのこと
から、発熱組成物の片寄りがなく違和感がないととも
に、使用状況に影響されず快適な温度が得られる履物用
発熱袋の開発が望まれていた。
発熱袋を靴の中で使用した場合には、静止時には暖かく
快適であっても、歩行すると履物用発熱袋の温度が急上
昇し、熱くなるばかりでなく、火傷の危険性があった。
一方、歩行時において快適な温度となるように履物用発
熱袋の発熱温度を低めに設定した場合には、静止時に十
分な発熱が得られないという不都合があった。また従来
の履物用発熱袋は、靴内に装着する際によれたり、使用
中に発熱組成物の片寄りを生じ、違和感があるなどの不
都合があった。さらに、発熱組成物が片寄ったままで使
用すると発熱組成物の集まった部分が局部的に高温発熱
することがあり、火傷の危険性があった。これらのこと
から、発熱組成物の片寄りがなく違和感がないととも
に、使用状況に影響されず快適な温度が得られる履物用
発熱袋の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、発熱組成物粉体の
混合物を熱融着性を有する不織布の空隙中に保持し、型
圧縮機で加熱圧縮して得られるシート状発熱体を通気性
を有する袋に収納することにより、これらの問題点を解
決しうることを見いだし、本発明に到達した。すなわち
本発明は、多数の空隙を有する熱融着性を有する不織布
を少なくとも一層含む複数枚の不織布から構成され、か
つ不織布の層間が部分的に熱接着されてなる積層体の、
空隙中および層間に発熱組成物が保持されてなるシート
状発熱体が、通気性を有する袋に収納されてなることを
特徴とする履物用発熱袋である。また本発明は、熱融着
性を有する不織布aの下面に熱融着性を有しない不織布
bを重ね合わせ、不織布aの上面から発熱組成物粉体を
散布して不織布aの空隙中に保持させ、次いで不織布a
の上面に熱融着性を有しない不織布cまたは熱融着性を
有する不織布dと熱融着性を有しない不織布cを順次重
ね合わせ、型圧縮機で加熱圧縮した後、水または電解質
水溶液を含浸させてなるシート状発熱体を通気性の袋に
収納することを特徴とする履物用発熱袋の製造方法であ
る。
課題を解決すべく鋭意検討した結果、発熱組成物粉体の
混合物を熱融着性を有する不織布の空隙中に保持し、型
圧縮機で加熱圧縮して得られるシート状発熱体を通気性
を有する袋に収納することにより、これらの問題点を解
決しうることを見いだし、本発明に到達した。すなわち
本発明は、多数の空隙を有する熱融着性を有する不織布
を少なくとも一層含む複数枚の不織布から構成され、か
つ不織布の層間が部分的に熱接着されてなる積層体の、
空隙中および層間に発熱組成物が保持されてなるシート
状発熱体が、通気性を有する袋に収納されてなることを
特徴とする履物用発熱袋である。また本発明は、熱融着
性を有する不織布aの下面に熱融着性を有しない不織布
bを重ね合わせ、不織布aの上面から発熱組成物粉体を
散布して不織布aの空隙中に保持させ、次いで不織布a
の上面に熱融着性を有しない不織布cまたは熱融着性を
有する不織布dと熱融着性を有しない不織布cを順次重
ね合わせ、型圧縮機で加熱圧縮した後、水または電解質
水溶液を含浸させてなるシート状発熱体を通気性の袋に
収納することを特徴とする履物用発熱袋の製造方法であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、主に靴、スリッパなど
の履物内に装着し、足の保温に用いる履物用発熱袋に適
用される。
の履物内に装着し、足の保温に用いる履物用発熱袋に適
用される。
【0006】本発明の履物用発熱袋は、不織布の積層体
に発熱組成物が保持されたものである。ここで発熱組成
物を不織布に保持させる方法としては、例えば鉄粉、
活性炭、無機電解質、水などを混合した状態のものを不
織布の上に分散させて、振動を与えるか押しつけるなど
の方法によって保持させてもよく、鉄粉、活性炭、無
機電解質などの粉体原料の混合物を不織布の上に散布
し、振動を与えて空隙に保持させた後、これに水を散布
してもよく、あるいは鉄粉、活性炭などの無機電解質
を除く粉体原料の混合物を不織布の上に広げて振動を与
えて空隙に保持させた後、これに無機電解質水溶液を散
布、含浸させてもよい。これらのうちでも、水分を含ま
ない状態のほうが不織布の空隙に保持しやすいことなど
の理由からおよびが好ましく、さらには、の方
法では無機電解質を全体に均一に浸透しにくいこと、被
酸化性金属粉の酸化が水を混合した時点から始まること
などの理由からがより好ましい。以上のことから、通
常はの方法によって発熱組成物が保持される。
に発熱組成物が保持されたものである。ここで発熱組成
物を不織布に保持させる方法としては、例えば鉄粉、
活性炭、無機電解質、水などを混合した状態のものを不
織布の上に分散させて、振動を与えるか押しつけるなど
の方法によって保持させてもよく、鉄粉、活性炭、無
機電解質などの粉体原料の混合物を不織布の上に散布
し、振動を与えて空隙に保持させた後、これに水を散布
してもよく、あるいは鉄粉、活性炭などの無機電解質
を除く粉体原料の混合物を不織布の上に広げて振動を与
えて空隙に保持させた後、これに無機電解質水溶液を散
布、含浸させてもよい。これらのうちでも、水分を含ま
ない状態のほうが不織布の空隙に保持しやすいことなど
の理由からおよびが好ましく、さらには、の方
法では無機電解質を全体に均一に浸透しにくいこと、被
酸化性金属粉の酸化が水を混合した時点から始まること
などの理由からがより好ましい。以上のことから、通
常はの方法によって発熱組成物が保持される。
【0007】以下、本発明を主にの方法による製造方
法で説明する。本発明において、不織布aは空気と接触
して発熱する発熱組成物原料のうち粉体で使用するもの
の混合物(以下発熱組成物粉体と記す)をその空隙中に
保持しうるものであり、熱融着性を有する不織布であ
る。不織布aを構成する繊維の材質としては、融点が7
0〜200℃程度のものが用いられ、たとえばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルな
どからなる単独繊維や、これらを2種以上組み合わせる
か、これらの繊維とナイロン、アクリル等のような融点
の高い材質とを組み合わせた複合繊維などを用いること
ができる。ここで、複合繊維とは、融点の異なる2種以
上の合成樹脂を一つの紡糸口から同時に紡糸し、2種以
上の樹脂が貼り合わせ構造とされた繊維、または融点の
高い樹脂を芯部分とし、表面に融点の低い樹脂を被覆
し、芯鞘構造とした繊維等である。また、熱融着性を失
わない程度に、パルプ、綿、麻、レーヨン、アセテー
ト、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、キ
ュプラなどの非熱融着性の繊維を融点が70〜200℃
程度の材質の繊維と混合した不織布を用いてもよい。不
織布aの厚さは発熱組成物粉体の保持量等によっても異
なるが、通常は0.5〜10mm、好ましくは1〜7m
mである。坪量は、通常は20〜150g/m2 、好ま
しくは30〜100g/m2 である。
法で説明する。本発明において、不織布aは空気と接触
して発熱する発熱組成物原料のうち粉体で使用するもの
の混合物(以下発熱組成物粉体と記す)をその空隙中に
保持しうるものであり、熱融着性を有する不織布であ
る。不織布aを構成する繊維の材質としては、融点が7
0〜200℃程度のものが用いられ、たとえばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルな
どからなる単独繊維や、これらを2種以上組み合わせる
か、これらの繊維とナイロン、アクリル等のような融点
の高い材質とを組み合わせた複合繊維などを用いること
ができる。ここで、複合繊維とは、融点の異なる2種以
上の合成樹脂を一つの紡糸口から同時に紡糸し、2種以
上の樹脂が貼り合わせ構造とされた繊維、または融点の
高い樹脂を芯部分とし、表面に融点の低い樹脂を被覆
し、芯鞘構造とした繊維等である。また、熱融着性を失
わない程度に、パルプ、綿、麻、レーヨン、アセテー
ト、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、キ
ュプラなどの非熱融着性の繊維を融点が70〜200℃
程度の材質の繊維と混合した不織布を用いてもよい。不
織布aの厚さは発熱組成物粉体の保持量等によっても異
なるが、通常は0.5〜10mm、好ましくは1〜7m
mである。坪量は、通常は20〜150g/m2 、好ま
しくは30〜100g/m2 である。
【0008】不織布bは不織布aの下面から発熱組成物
粉体が漏れるのを防ぐためのものであり、不織布aの下
面に重ね合わせて用いられる。通常は不織布aよりも密
な構造を有するものが用いられ、その素材としては、発
熱組成物散布後、加熱圧縮することから、加熱しても圧
縮機に付着しないものが好ましく、パルプ、綿、麻、レ
ーヨン、アセテート、ナイロン、アクリル、ビニロン、
キュプラなどの材質からなる不織布、あるいはそれら繊
維の混抄または異種繊維層の積層体が用いられる。ま
た、植物繊維と熱融着性繊維を抄き合わせることなどに
よって得られる、片面が熱融着性を有し、片面が熱融着
性を有しない不織布を用いてもよい。不織布bの厚さと
しては、通常は0.05〜5mm、好ましくは0.1〜
3mmである。また、坪量は通常は10〜70g/
m2 、好ましくは15〜40g/m2 である。
粉体が漏れるのを防ぐためのものであり、不織布aの下
面に重ね合わせて用いられる。通常は不織布aよりも密
な構造を有するものが用いられ、その素材としては、発
熱組成物散布後、加熱圧縮することから、加熱しても圧
縮機に付着しないものが好ましく、パルプ、綿、麻、レ
ーヨン、アセテート、ナイロン、アクリル、ビニロン、
キュプラなどの材質からなる不織布、あるいはそれら繊
維の混抄または異種繊維層の積層体が用いられる。ま
た、植物繊維と熱融着性繊維を抄き合わせることなどに
よって得られる、片面が熱融着性を有し、片面が熱融着
性を有しない不織布を用いてもよい。不織布bの厚さと
しては、通常は0.05〜5mm、好ましくは0.1〜
3mmである。また、坪量は通常は10〜70g/
m2 、好ましくは15〜40g/m2 である。
【0009】不織布cは、不織布aに保持しきれずに不
織布aの上面に残存している発熱組成物粉体を保持する
とともに、上面からの発熱組成物粉体の漏れを防ぐため
のものであり、不織布aの上面に重ね合わせて用いられ
る。その素材としては、不織布bと同様のものが用いら
れる。不織布cの厚さとしては、発熱組成物の保持量に
よっても異なるが、通常は0.2〜7mm、好ましくは
0.5〜5mmである。また、坪量は通常は10〜10
0g/m2 、好ましくは20〜80g/m2 である。
織布aの上面に残存している発熱組成物粉体を保持する
とともに、上面からの発熱組成物粉体の漏れを防ぐため
のものであり、不織布aの上面に重ね合わせて用いられ
る。その素材としては、不織布bと同様のものが用いら
れる。不織布cの厚さとしては、発熱組成物の保持量に
よっても異なるが、通常は0.2〜7mm、好ましくは
0.5〜5mmである。また、坪量は通常は10〜10
0g/m2 、好ましくは20〜80g/m2 である。
【0010】また、上記不織布a,b,cの3層構成の
ほか、不織布cにかえて、不織布aの上面に不織布d、
不織布cを順次重ね合わせた4層構造とすることもでき
る。この場合、不織布dは、不織布aに保持しきれなか
った発熱組成物粉体をその空隙中に保持しうるととも
に、熱融着性を有するものである。その素材としては、
不織布aと同様のものが用いられる。不織布dの厚さと
しては、発熱組成物粉体の保持量等によっても異なる
が、通常は0.5〜10mm、好ましくは1〜7mmで
ある。坪量は、通常は20〜150g/m2 、好ましく
は30〜100g/m2 である。
ほか、不織布cにかえて、不織布aの上面に不織布d、
不織布cを順次重ね合わせた4層構造とすることもでき
る。この場合、不織布dは、不織布aに保持しきれなか
った発熱組成物粉体をその空隙中に保持しうるととも
に、熱融着性を有するものである。その素材としては、
不織布aと同様のものが用いられる。不織布dの厚さと
しては、発熱組成物粉体の保持量等によっても異なる
が、通常は0.5〜10mm、好ましくは1〜7mmで
ある。坪量は、通常は20〜150g/m2 、好ましく
は30〜100g/m2 である。
【0011】発熱組成物粉体を構成する原料としては、
被酸化性金属粉、活性炭などである。また無機電解質は
固体のまま上記原料に混合される場合は発熱組成物粉体
の一成分であり、シート成形後に水溶液として含浸させ
る場合には発熱組成物粉体に含まれない。被酸化性金属
粉としては鉄粉、アルミニウム粉などであるが、通常は
鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄
粉などである。活性炭は反応助剤のほか、保水剤として
も使用され、通常は椰子殻炭、木粉炭、ピート炭などで
ある。無機電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、重金属の塩化物、およびアルカリ金属の硫酸塩
などが好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、
硫酸ナトリウムなどが用いられる。発熱組成物とは、上
記の発熱組成物粉体と、水または電解質水溶液を加えて
いう。その他所望により、高分子保水剤、水素発生抑制
剤、固結防止剤などを加えることもできる。
被酸化性金属粉、活性炭などである。また無機電解質は
固体のまま上記原料に混合される場合は発熱組成物粉体
の一成分であり、シート成形後に水溶液として含浸させ
る場合には発熱組成物粉体に含まれない。被酸化性金属
粉としては鉄粉、アルミニウム粉などであるが、通常は
鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄
粉などである。活性炭は反応助剤のほか、保水剤として
も使用され、通常は椰子殻炭、木粉炭、ピート炭などで
ある。無機電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、重金属の塩化物、およびアルカリ金属の硫酸塩
などが好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、
硫酸ナトリウムなどが用いられる。発熱組成物とは、上
記の発熱組成物粉体と、水または電解質水溶液を加えて
いう。その他所望により、高分子保水剤、水素発生抑制
剤、固結防止剤などを加えることもできる。
【0012】発熱組成物粉体の粒度は、通常は60メッ
シュ以下、好ましくは100メッシュ以下のものを50
%以上含むものである。発熱組成物全体としての配合割
合は不織布の性状、目的とする発熱性能などによって異
なり一概に特定はできないが、例えば被酸化性金属粉1
00重量部に対し、活性炭が5〜20重量部、無機電解
質が1.5〜10重量部、水が25〜60重量部であ
る。
シュ以下、好ましくは100メッシュ以下のものを50
%以上含むものである。発熱組成物全体としての配合割
合は不織布の性状、目的とする発熱性能などによって異
なり一概に特定はできないが、例えば被酸化性金属粉1
00重量部に対し、活性炭が5〜20重量部、無機電解
質が1.5〜10重量部、水が25〜60重量部であ
る。
【0013】次に、本発明に係わる履物用発熱袋の構造
及び製造方法の一例を図面に基づいて説明するが、本発
明はこの例により限定されるものではない。図1は履物
用発熱袋1の平面図である。図2は履物用発熱袋1のA
−A線断面図である。2は通気性を有する袋、3はシー
ト状発熱体である。4は不織布a、5は不織布b、6は
不織布cを示す。7は発熱組成物、8は粘着剤、9は剥
離紙を示す。図3は本発明の製造工程の一例である。1
0は不織布aのロール、11は不織布bのロール、12
は水または接着剤散布部、13はロール部、14は発熱
組成物粉体散布部、15は不織布cのロール、16はロ
ール部、17は加熱圧縮部、18は切断部、19は水ま
たは電解質水溶液散布部、20は通気性を有する袋への
充填部を示す。
及び製造方法の一例を図面に基づいて説明するが、本発
明はこの例により限定されるものではない。図1は履物
用発熱袋1の平面図である。図2は履物用発熱袋1のA
−A線断面図である。2は通気性を有する袋、3はシー
ト状発熱体である。4は不織布a、5は不織布b、6は
不織布cを示す。7は発熱組成物、8は粘着剤、9は剥
離紙を示す。図3は本発明の製造工程の一例である。1
0は不織布aのロール、11は不織布bのロール、12
は水または接着剤散布部、13はロール部、14は発熱
組成物粉体散布部、15は不織布cのロール、16はロ
ール部、17は加熱圧縮部、18は切断部、19は水ま
たは電解質水溶液散布部、20は通気性を有する袋への
充填部を示す。
【0014】不織布a4の下面に水または接着剤散布部
12にて水または接着剤が散布され、ロール部13で不
織布a4の下面に不織布b5が重ね合わされる。次い
で、発熱組成物粉体散布部14において発熱組成物粉体
が散布されるとともに、振動が与えられ、不織布aの空
隙中に保持される。次に、この上面に不織布c6がロー
ル部16で重ね合わされ、さらに加熱圧縮部17で加熱
圧縮され、切断部18にて所望の大きさに切断される。
次に水または電解質水溶液散布部19にて水または電解
質水溶液が散布される。このようにしてシート状発熱体
3が作製される。さらに通気性を有する袋への充填部2
0にて通気性を有する袋に収納し、履物用発熱袋1とさ
れる。
12にて水または接着剤が散布され、ロール部13で不
織布a4の下面に不織布b5が重ね合わされる。次い
で、発熱組成物粉体散布部14において発熱組成物粉体
が散布されるとともに、振動が与えられ、不織布aの空
隙中に保持される。次に、この上面に不織布c6がロー
ル部16で重ね合わされ、さらに加熱圧縮部17で加熱
圧縮され、切断部18にて所望の大きさに切断される。
次に水または電解質水溶液散布部19にて水または電解
質水溶液が散布される。このようにしてシート状発熱体
3が作製される。さらに通気性を有する袋への充填部2
0にて通気性を有する袋に収納し、履物用発熱袋1とさ
れる。
【0015】不織布に対する発熱組成物の保持量は、不
織布の厚さ、目的とする発熱体の厚さ、および所望の発
熱性能等に応じて定められるが、通常は不織布aの1m
2 当たり300〜5000g、好ましくは700〜20
00gである。保持量が300gよりも少ないと発熱温
度、発熱持続時間が低下し、一方、保持量が5000g
よりも多くなると発熱体の厚みが増し、薄型で柔軟なシ
ートの形成が困難となる。
織布の厚さ、目的とする発熱体の厚さ、および所望の発
熱性能等に応じて定められるが、通常は不織布aの1m
2 当たり300〜5000g、好ましくは700〜20
00gである。保持量が300gよりも少ないと発熱温
度、発熱持続時間が低下し、一方、保持量が5000g
よりも多くなると発熱体の厚みが増し、薄型で柔軟なシ
ートの形成が困難となる。
【0016】加熱圧縮は、積層物を圧縮すると同時に熱
融着性繊維を溶融または軟化させることにより積層間を
接着させてシート状物を形成するために行う。このと
き、発熱組成物は熱融着性を有する不織布の空隙中およ
びそれに接する他の不織布との層間に固定される。加熱
圧縮は、加熱プレス機、または加熱ロールを通すことに
より行うことができる。加熱圧縮は平面板あるいは平ロ
ールで行なうこともできるが、シート状物の柔軟性を保
持しながら形状固定効果を上げるために、圧縮面の少な
くとも片面をエンボス面とすることが好ましい。エンボ
ス目の形状としては特に限定はないが、通常は波状、亀
甲状、輪状、水玉状、網目模様状などであり、加熱圧縮
時に発熱組成物粉体が非圧縮部によけやすい形状が好ま
しい。
融着性繊維を溶融または軟化させることにより積層間を
接着させてシート状物を形成するために行う。このと
き、発熱組成物は熱融着性を有する不織布の空隙中およ
びそれに接する他の不織布との層間に固定される。加熱
圧縮は、加熱プレス機、または加熱ロールを通すことに
より行うことができる。加熱圧縮は平面板あるいは平ロ
ールで行なうこともできるが、シート状物の柔軟性を保
持しながら形状固定効果を上げるために、圧縮面の少な
くとも片面をエンボス面とすることが好ましい。エンボ
ス目の形状としては特に限定はないが、通常は波状、亀
甲状、輪状、水玉状、網目模様状などであり、加熱圧縮
時に発熱組成物粉体が非圧縮部によけやすい形状が好ま
しい。
【0017】プレス機またはロールの片面をエンボス面
とする場合、エンボス面の突起部面積比率に特に制限さ
れないが、通常は0.5〜60.0%であり、好ましく
は5.0〜40.0%である。加熱圧縮の温度および圧
力条件としては、不織布a、不織布b、不織布cおよび
不織布dの材質や軟化温度、発熱組成物粉体の保持量な
どによっても異なるが、例えば加熱ロールによる場合、
通常は温度70〜300℃、線圧0.1〜250kg/
cm程度である。
とする場合、エンボス面の突起部面積比率に特に制限さ
れないが、通常は0.5〜60.0%であり、好ましく
は5.0〜40.0%である。加熱圧縮の温度および圧
力条件としては、不織布a、不織布b、不織布cおよび
不織布dの材質や軟化温度、発熱組成物粉体の保持量な
どによっても異なるが、例えば加熱ロールによる場合、
通常は温度70〜300℃、線圧0.1〜250kg/
cm程度である。
【0018】シート状発熱体の厚さは、所望の発熱温
度、持続時間などの発熱性能を発揮するために必要な発
熱組成物量を保持しうる範囲であれば薄いほど好まし
い。シート状発熱体の大きさおよび形については通気性
を有する袋の中に入る大きさと形であれば特に限定され
ないが、例えば靴底のつま先形、長方形、正方形、円
形、半円形、楕円形、半楕円形などである。
度、持続時間などの発熱性能を発揮するために必要な発
熱組成物量を保持しうる範囲であれば薄いほど好まし
い。シート状発熱体の大きさおよび形については通気性
を有する袋の中に入る大きさと形であれば特に限定され
ないが、例えば靴底のつま先形、長方形、正方形、円
形、半円形、楕円形、半楕円形などである。
【0019】水または無機電解質水溶液を含浸させる量
は、発熱組成物の組成割合として設定された水または無
機電解質水溶液の合計量であり、これらは噴霧、滴下、
またはロール添着などによって供給、含浸せしめられ、
シート状発熱体となる。
は、発熱組成物の組成割合として設定された水または無
機電解質水溶液の合計量であり、これらは噴霧、滴下、
またはロール添着などによって供給、含浸せしめられ、
シート状発熱体となる。
【0020】本発明において通気性を有する袋とは、袋
の表裏二面の少なくとも一面が通気性を有する包材で構
成されている袋である。通気性包材はその通気孔が必ず
しも全面に均一に設けられている必要はなく、部分的に
設けられたものでもよい。
の表裏二面の少なくとも一面が通気性を有する包材で構
成されている袋である。通気性包材はその通気孔が必ず
しも全面に均一に設けられている必要はなく、部分的に
設けられたものでもよい。
【0021】通気性包材の材質としては特に制限はな
く、発熱組成物の発熱に必要な量の空気を供給しうると
ともに、使用時の摩擦や揉圧などに耐えうる程度の強度
を有するものであればよく、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどの合成
樹脂フィルムに不織布を貼り合わせ微細な孔をあけて通
気性を持たせたもの、あるいは多孔質フイルム単独、さ
らには多孔質フイルムに不織布等を貼り合わせたもの等
である。
く、発熱組成物の発熱に必要な量の空気を供給しうると
ともに、使用時の摩擦や揉圧などに耐えうる程度の強度
を有するものであればよく、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどの合成
樹脂フィルムに不織布を貼り合わせ微細な孔をあけて通
気性を持たせたもの、あるいは多孔質フイルム単独、さ
らには多孔質フイルムに不織布等を貼り合わせたもの等
である。
【0022】通気性を有する袋の形状としては、履物内
に収納されうる大きさ、形状であれば特に限定されず、
例えば長方形、正方形、円形、楕円形、半円形、半楕円
形、靴底形などいずれの形状とすることもできるが、靴
底のつま先形、半円形、半楕円形など履物内の装着位置
の形状に合わせたものが特に好ましい。
に収納されうる大きさ、形状であれば特に限定されず、
例えば長方形、正方形、円形、楕円形、半円形、半楕円
形、靴底形などいずれの形状とすることもできるが、靴
底のつま先形、半円形、半楕円形など履物内の装着位置
の形状に合わせたものが特に好ましい。
【0023】本発明においては装着部での履物用発熱袋
の固定性を高めるため、発熱袋の片面の全体または一部
に粘着剤層を設けることもできる。粘着剤としては発熱
袋を履物内に貼り付けたときに動かない程度の粘着性を
有し、かつ剥がすときには履物側に転着することのない
非転着性の粘着剤であればよく、例えばゴム系、アクリ
ル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系などの有機溶剤型あるいは
水性型の非転着性粘着剤が好適に用いられる。
の固定性を高めるため、発熱袋の片面の全体または一部
に粘着剤層を設けることもできる。粘着剤としては発熱
袋を履物内に貼り付けたときに動かない程度の粘着性を
有し、かつ剥がすときには履物側に転着することのない
非転着性の粘着剤であればよく、例えばゴム系、アクリ
ル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系などの有機溶剤型あるいは
水性型の非転着性粘着剤が好適に用いられる。
【0024】また、粘着剤層を設ける場合は、使用され
るまでの間他の物に粘着しないように剥離紙がその上に
重ね合わされる。剥離紙としては、一般に市販されてい
る粘着シート、テープ、ステッカーなどに使用されてい
るものと同様な性状を有するものが使用でき、表面にシ
リコン系などの離型剤が塗布され、粘着剤層面からの剥
離性を良くしたものである。
るまでの間他の物に粘着しないように剥離紙がその上に
重ね合わされる。剥離紙としては、一般に市販されてい
る粘着シート、テープ、ステッカーなどに使用されてい
るものと同様な性状を有するものが使用でき、表面にシ
リコン系などの離型剤が塗布され、粘着剤層面からの剥
離性を良くしたものである。
【0025】本発明による履物用発熱袋は、使用される
時まで被酸化性金属の酸化を防止する目的で、非通気性
の外袋に密封して保存される。
時まで被酸化性金属の酸化を防止する目的で、非通気性
の外袋に密封して保存される。
【0026】図2,図3には不織布が3層に積層された
シート状発熱体を用いた履物用発熱袋および製造方法の
例を示したが、本発明は不織布a、不織布cの2層構成
あるいは不織布a、不織布b、不織布c、不織布dの4
層構成でもよく、さらには2層構成、3層構成、4層構
成の積層体を単独あるいは組み合わせて重ね合わせた積
層体とすることもできる。
シート状発熱体を用いた履物用発熱袋および製造方法の
例を示したが、本発明は不織布a、不織布cの2層構成
あるいは不織布a、不織布b、不織布c、不織布dの4
層構成でもよく、さらには2層構成、3層構成、4層構
成の積層体を単独あるいは組み合わせて重ね合わせた積
層体とすることもできる。
【0027】このように、多数の空隙を有する熱融着性
を有する不織布に発熱組成物を保持させ、加熱圧縮する
ことによりシート状に成形した発熱体を通気性の袋に収
納することにより、静止時、歩行時など使用状態に影響
されることのない快適な温度が得られ、発熱組成物の片
寄りを生じることがなく、違和感がない履物用発熱袋が
得られるようになった。次に本発明を実施例によってよ
り具体的に説明するが、本発明はこれにより限定される
ものではない。
を有する不織布に発熱組成物を保持させ、加熱圧縮する
ことによりシート状に成形した発熱体を通気性の袋に収
納することにより、静止時、歩行時など使用状態に影響
されることのない快適な温度が得られ、発熱組成物の片
寄りを生じることがなく、違和感がない履物用発熱袋が
得られるようになった。次に本発明を実施例によってよ
り具体的に説明するが、本発明はこれにより限定される
ものではない。
【0028】
実施例1 コットン65%、熱融着性ポリエステル35%からなる
坪量75g/m2 、厚さ3.0mmの不織布の下面に、
坪量23g/m2 のティシュペーパーを重ね合わせ、そ
の上から、鉄粉90部、活性炭8部、高分子保水剤2部
の混合物を1500g/m2 の割合で散布するととも
に、振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次に不
織布の上面に熱融着性ポリエステル50%、ポリエステ
ル50%からなる坪量40g/m2 、厚さ1.9mmの
不織布を重ね合わせ、さらにその上に坪量23g/m2
のティシュペーパーを重ね合わせたのち、上ロール面に
は網目状にエンボスが設けられており、200℃、線圧
133kg/cmにセットされたロール加熱圧縮機に通
し、シート状に成形した。このシート状物を大きさ約6
0mm×80mmの靴底のつま先形に切断し、20%食
塩水溶液を570g/m2 の割合で散布し、シート状発
熱体を得た。
坪量75g/m2 、厚さ3.0mmの不織布の下面に、
坪量23g/m2 のティシュペーパーを重ね合わせ、そ
の上から、鉄粉90部、活性炭8部、高分子保水剤2部
の混合物を1500g/m2 の割合で散布するととも
に、振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次に不
織布の上面に熱融着性ポリエステル50%、ポリエステ
ル50%からなる坪量40g/m2 、厚さ1.9mmの
不織布を重ね合わせ、さらにその上に坪量23g/m2
のティシュペーパーを重ね合わせたのち、上ロール面に
は網目状にエンボスが設けられており、200℃、線圧
133kg/cmにセットされたロール加熱圧縮機に通
し、シート状に成形した。このシート状物を大きさ約6
0mm×80mmの靴底のつま先形に切断し、20%食
塩水溶液を570g/m2 の割合で散布し、シート状発
熱体を得た。
【0029】次に、坪量50g/m2 のナイロン製不織
布と厚さ50μのポリエチレンフイルムを貼り合わせた
シートの不織布面側にアクリル酸エステル系粘着剤を塗
布した。この粘着剤塗布面にシリコン処理された剥離紙
を重ね合わせて非通気性シートとした。この非通気性シ
ートに、ASTM D762で規定されるガーレ式透気
度が20秒/100ccのポリエチレン製多孔質膜(デ
ュポン( 株 )製、タイベック1073B)をポリエチレ
ン側が互いに接するように重ね合わせた後、大きさ約8
0mm×100mmの靴底のつま先形に切断し、靴底の
つま先形の曲線部周辺をヒートシールして通気性を有す
る袋状物を作製した。この袋状物の中に上記シート状発
熱体を収納し、開口部をヒートシールして厚さ約3mm
の履物用発熱袋を作製した。
布と厚さ50μのポリエチレンフイルムを貼り合わせた
シートの不織布面側にアクリル酸エステル系粘着剤を塗
布した。この粘着剤塗布面にシリコン処理された剥離紙
を重ね合わせて非通気性シートとした。この非通気性シ
ートに、ASTM D762で規定されるガーレ式透気
度が20秒/100ccのポリエチレン製多孔質膜(デ
ュポン( 株 )製、タイベック1073B)をポリエチレ
ン側が互いに接するように重ね合わせた後、大きさ約8
0mm×100mmの靴底のつま先形に切断し、靴底の
つま先形の曲線部周辺をヒートシールして通気性を有す
る袋状物を作製した。この袋状物の中に上記シート状発
熱体を収納し、開口部をヒートシールして厚さ約3mm
の履物用発熱袋を作製した。
【0030】該履物用発熱袋をさらに非通気性の外袋中
に密封し、2日間保存した後、該履物用発熱袋を外袋か
ら取り出し、多孔質膜側が上面となるように運動靴内の
つま先側の底部に貼り付け、履物用発熱袋の発熱性能を
以下のとおり測定した。履物用発熱袋上面の中央部に銅
−コンスタンタン熱電対を貼り付け、気温10℃、湿度
60%の環境下で、20分間椅子に座った後、毎時5k
mの速度で30分間歩行し、さらに10分間椅子に座
り、静止時および歩行時における履物用発熱袋の温度変
化を測定した。結果を図4に示す。
に密封し、2日間保存した後、該履物用発熱袋を外袋か
ら取り出し、多孔質膜側が上面となるように運動靴内の
つま先側の底部に貼り付け、履物用発熱袋の発熱性能を
以下のとおり測定した。履物用発熱袋上面の中央部に銅
−コンスタンタン熱電対を貼り付け、気温10℃、湿度
60%の環境下で、20分間椅子に座った後、毎時5k
mの速度で30分間歩行し、さらに10分間椅子に座
り、静止時および歩行時における履物用発熱袋の温度変
化を測定した。結果を図4に示す。
【0031】その結果、装着後2分後には30℃に達
し、静止時には40℃付近で一定の温度を保ち、快適で
あった。さらに歩行時も急激な温度上昇は見られず、4
0℃から45℃付近で一定しており、快適であった。な
お、この履物用発熱袋は装着の際、発熱組成物が片寄る
こともなく容易に装着することができた。また歩行した
場合においても発熱組成物の片寄ることがなく、違和感
も生じなかった。
し、静止時には40℃付近で一定の温度を保ち、快適で
あった。さらに歩行時も急激な温度上昇は見られず、4
0℃から45℃付近で一定しており、快適であった。な
お、この履物用発熱袋は装着の際、発熱組成物が片寄る
こともなく容易に装着することができた。また歩行した
場合においても発熱組成物の片寄ることがなく、違和感
も生じなかった。
【0032】比較例1 鉄粉6.8g、活性炭0.7g、食塩0.7g、水2
g、高分子保水剤0.3gを窒素雰囲気中で混合して得
られた発熱組成物を実施例1と同様の通気性を有する袋
内に充填し、厚さ約3mmの履物用発熱袋を作製した。
この発熱袋を非通気性の外袋に密封し、2日間保存した
後、該履物用発熱袋を外袋から取り出し、多孔質膜側が
上面となるように実施例1と同一の運動靴内のつま先側
の底部に貼り付け、実施例1と同様にして履物用発熱袋
の発熱性能を測定した。結果を図4に示す。
g、高分子保水剤0.3gを窒素雰囲気中で混合して得
られた発熱組成物を実施例1と同様の通気性を有する袋
内に充填し、厚さ約3mmの履物用発熱袋を作製した。
この発熱袋を非通気性の外袋に密封し、2日間保存した
後、該履物用発熱袋を外袋から取り出し、多孔質膜側が
上面となるように実施例1と同一の運動靴内のつま先側
の底部に貼り付け、実施例1と同様にして履物用発熱袋
の発熱性能を測定した。結果を図4に示す。
【0033】その結果、装着後2分後には30℃に達
し、静止状態では快適であったものの、歩行時には最高
62℃にまで達し、非常に熱く、ひりひりとした痛みを
感じた。また、歩行後の静止時においても50℃までし
か下がらず、かなり熱かった。履物用発熱袋脱着後も足
裏には痛みが残った。なお、この履物用発熱袋は装着時
および歩行中に発熱組成物に片寄りを生じ、違和感があ
った。また使用後、発熱組成物は固化していた。
し、静止状態では快適であったものの、歩行時には最高
62℃にまで達し、非常に熱く、ひりひりとした痛みを
感じた。また、歩行後の静止時においても50℃までし
か下がらず、かなり熱かった。履物用発熱袋脱着後も足
裏には痛みが残った。なお、この履物用発熱袋は装着時
および歩行中に発熱組成物に片寄りを生じ、違和感があ
った。また使用後、発熱組成物は固化していた。
【0034】
【発明の効果】本発明により、静止時および歩行時など
の使用状況に影響されることがなく安定した温度が得ら
れるとともに、内容物の片寄りを生じることがなく、違
和感を生じない履物用発熱袋が得られるようになった。
また、製造工程においてシート状物からの粉こぼれがな
く、安定した製造ができるようになった。
の使用状況に影響されることがなく安定した温度が得ら
れるとともに、内容物の片寄りを生じることがなく、違
和感を生じない履物用発熱袋が得られるようになった。
また、製造工程においてシート状物からの粉こぼれがな
く、安定した製造ができるようになった。
【図1】履物用発熱袋の平面図。
【図2】履物用発熱袋のA−A線断面図。
【図3】履物用発熱袋の製造工程の例。
【図4】実施例1および比較例1における履物用発熱袋
の発熱特性図。
の発熱特性図。
1 履物用発熱袋 2 通気性を有する袋 3 シート状発熱体 4 不織布a 5 不織布b 6 不織布c 7 発熱組成物 8 粘着剤 9 剥離紙 10 不織布aのロール 11 不織布bのロール 12 水または接着剤散布部 13 ロール部 14 発熱組成物粉体散布部 15 不織布cのロール 16 ロール部 17 加熱圧縮部 18 切断部 19 水または電解質水溶液散布部 20 通気性を有する袋への充填部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 美奈子 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】 多数の空隙を有する熱融着性を有する不
織布を少なくとも一層含む複数枚の不織布から構成さ
れ、かつ不織布の層間が部分的に熱接着されてなる積層
体の、空隙中および層間に発熱組成物が保持されてなる
シート状発熱体が、通気性を有する袋に収納されてなる
ことを特徴とする履物用発熱袋。 - 【請求項2】 熱融着性を有する不織布aと、不織布a
の下面に重ねられた熱融着性を有しない不織布bと、不
織布aの上面に重ねられた熱融着性を有しない不織布c
からなり、不織布aの空隙内および不織布aと不織布c
の層間に発熱組成物粉体が保持され、型圧縮機の加熱圧
縮により不織布aと不織布aに接する他の不織布の少な
くとも一部が接着され、水または無機電解質水溶液を含
浸させたシート状発熱体が、通気性の袋に収納されてな
ることを特徴とする履物用発熱袋。 - 【請求項3】 熱融着性を有する不織布aと、不織布a
の下面に重ねられた熱融着性を有しない不織布bと、不
織布aの上面に重ねられた熱融着性を有する不織布d
と、その上面に重ねられた熱融着性を有しない不織布c
からなり、不織布aおよび不織布dの空隙内および不織
布aと不織布dの層間に発熱組成物粉体が保持され、型
圧縮機の加熱圧縮により不織布aと不織布aに接する他
の不織布の少なくとも一部が接着され、水または無機電
解質水溶液を含浸させたシート状発熱体が、通気性の袋
に収納されてなることを特徴とする履物用発熱袋。 - 【請求項4】 熱融着性を有する不織布aの下面に熱融
着性を有しない不織布bを重ね合わせ、不織布aの上面
から発熱組成物粉体を散布して不織布aの空隙中に保持
させ、次いで不織布aの上面に熱融着性を有しない不織
布cまたは熱融着性を有する不織布dと熱融着性を有し
ない不織布cを順次重ね合わせ、型圧縮機で加熱圧縮し
た後、水または電解質水溶液を含浸させてなるシート状
発熱体を通気性の袋に収納することを特徴とする履物用
発熱袋の製造方法。 - 【請求項5】 発熱組成物が、鉄粉、活性炭、無機電解
質、水を主成分とするものである請求項1に記載の履物
用発熱袋。 - 【請求項6】 発熱組成物粉体が、鉄粉、活性炭、また
は鉄粉、活性炭、無機電解質を主成分とするものである
請求項2、3に記載の履物用発熱袋。 - 【請求項7】 発熱組成物粉体が、鉄粉、活性炭、また
は鉄粉、活性炭、無機電解質を主成分とするものである
請求項4に記載の履物用発熱袋の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32919296A JPH10151150A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 履物用発熱袋およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32919296A JPH10151150A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 履物用発熱袋およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10151150A true JPH10151150A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18218690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32919296A Pending JPH10151150A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 履物用発熱袋およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10151150A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007044100A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Genchi Kenkyusho:Kk | 発熱体の製造方法および製造装置 |
JP2008220788A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Kao Corp | 被酸化性シート及び被酸化性物品 |
KR101160987B1 (ko) | 2009-05-25 | 2012-06-29 | 이철수 | 삼중초배지 및 그 제조장치 |
-
1996
- 1996-11-25 JP JP32919296A patent/JPH10151150A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007044100A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-02-22 | Genchi Kenkyusho:Kk | 発熱体の製造方法および製造装置 |
JP2008220788A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Kao Corp | 被酸化性シート及び被酸化性物品 |
KR101160987B1 (ko) | 2009-05-25 | 2012-06-29 | 이철수 | 삼중초배지 및 그 제조장치 |
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