JPH09329904A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH09329904A
JPH09329904A JP14962596A JP14962596A JPH09329904A JP H09329904 A JPH09329904 A JP H09329904A JP 14962596 A JP14962596 A JP 14962596A JP 14962596 A JP14962596 A JP 14962596A JP H09329904 A JPH09329904 A JP H09329904A
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JP
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substituent
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alkyl group
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JP14962596A
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English (en)
Inventor
Masaru Takeuchi
勝 竹内
Kenichi Okura
健一 大倉
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電荷輸送物質の組み合わせを最適にして、高感
度,低残留電位でかつ強光疲労特性に優れる電子写真用
感光体を得る。 【解決手段】感光層6が一般式〔I〕または一般式〔I
I〕で示されるヒドラゾン化合物と、一般式〔III 〕で
示されるスチリル化合物を電荷輸送物質として含有す
る。 〔上記一般式中、R〜R、R〜R11、R16
17はアルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環
基などを、R、R、R12〜R15は水素原子、ア
ルキル基またはアルコキシ基を表す。置換基Rは、アル
キル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ
基、水酸基またはハロゲン原子を、Arは、炭化水素基
または芳香族複素環基を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は導電性支持基体と
感光層からなり電子写真方式のプリンター,複写機など
に用いられる電子写真用感光体に係り、特に感光層に用
いられる電荷輸送物質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子写真用感光体(以下感光体
とも称する)の感光物質としてはセレンまたはセレン合
金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは硫化カド
ミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散さ
せたもの、ポリ‐N‐ビニールカルバゾールまたはポリ
ビニールアントラセンなどの有機光導電性物質、フタロ
シアニン化合物あるいはビスアゾ化合物などの有機光導
電性物質を樹脂結着剤中に分散させたものや真空蒸着さ
せたものなどが利用されている。
【0003】また感光体には暗所で表面電荷を保持する
機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を受
容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つの層
でこれらの機能をあわせもったいわゆる単層型感光体
と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷
と光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離した層
を積層したいわゆる機能分離積層型感光体とがある。
【0004】これらの感光体を用いた電子写真法による
画像形成には、例えばカールソン方式が適用される。こ
の方式での画像形成は暗所での感光体へのコロナ放電に
よる帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵
などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナーに
よる現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への定
着により行われ、トナー像転写後の感光体は除電、残留
トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供され
る。
【0005】近年、可とう性,熱安定性,成膜性などの
利点により、有機物質を用いた電子写真用感光体が実用
化されてきている。例えばポリ‐N‐ビニルカルバゾー
ルと2,4,7‐トリニトロフルオレン‐9‐オンとか
らなる感光体(米国特許第3484237号明細書に記
載)、有機顔料を主成分とする感光体(特開昭47―3
7543号公報に記載)、染料と樹脂とからなる共晶錯
体を主成分とする感光体(特開昭47―10735号公
報に記載)などである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近においては感光層
として電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物
質を含有する電荷輸送層からなる機能分離積層型感光体
が主流となっており、中でも有機顔料を電荷発生物質と
して蒸着層または樹脂中に分散させた層を電荷発生層と
し、有機低分子化合物を電荷輸送物質として樹脂中に分
散させた層を電荷輸送層として用いた負帯電型感光体が
数多く提案されている。
【0007】例えば電荷発生物質としては、フタロシア
ニン系顔料,アゾ顔料,アントアントロン顔料,ペリレ
ン顔料,ペリノン顔料,スクアリリウム顔料,チアピリ
リウム顔料,キナクリドン顔料などの有機顔料が知られ
ている。また電荷輸送物質として、ピラゾリン化合物,
ピラゾロン化合物,ヒドラゾン化合物,オキサジアゾー
ル化合物,アリールアミン化合物,ベンジジン化合物,
スチルベン化合物、ブタジエン化合物などの有機低分子
化合物が知られている。これらの中でもヒドラゾン化合
物は感度や残留電位等の諸特性に優れた電荷輸送物質と
して特公平5―30866号公報,特公平2―6049
号公報,特開平2―103553号公報等に開示されて
いる。しかしヒドラゾン化合物を含有する感光体は一般
的に、明中放置にてヒドラゾン化合物の光劣化に伴い感
光体特性が劣化し、帯電位の低下又は残留電位の上昇等
の問題が生じる。これは前記一般式〔I〕で示されるヒ
ドラゾン化合物を用いた感光体においても例外ではな
い。一方、電荷輸送物質の中でもスチリル化合物は高感
度で耐久性に優れた化合物であり、特公昭58―577
44号公報等に開示されている。しかしスチリル化合物
は感度や耐久性では優れているものの、樹脂や溶剤に対
する溶解性,相溶性が悪いため、溶剤に溶解しきらな
い,成膜時に析出してしまう等の問題があり、前記一般
式〔III 〕で示されるスチリル化合物を用いた感光体に
おいても例外ではない。以上のように、これらの有機物
質は無機物質にはない多くの長所を持つが、また同時に
電子写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満
足するものが得られていないのが現状であり、感度,電
荷保持能力,残留電位等の電子写真特性に優れ、光劣化
等に強く,繰り返し安定性に優れた電子写真用感光体が
強く望まれている。
【0008】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的は電荷輸送物質の組み合わせを最適にして、高感度,
低残留電位でかつ強光疲労特性に優れる電子写真用感光
体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よれは導電性基体上に感光層を有する有機感光体におい
て、感光層中に一般式〔I〕または一般式〔II〕で示さ
れるヒドラゾン化合物と、一般式〔III 〕で示されるス
チリル化合物を電荷輸送物質として含有するとすること
により達成される。
【0010】
【化6】 〔R1,R2,R3,R4 はアルキル基, 置換基Rを有しても
よい芳香族炭化水素基,芳香族複素環基またはベンジル
基を表し、相互に同じであっても異なっていてもよい。
5,R6 は水素原子,アルキル基またはアルコキシ基を
表す。置換基Rは、アルキル基,アルコキシ基,アミノ
基,シアノ基,ニトロ基,水酸基またはハロゲン原子を
表す。〕
【0011】
【化7】 〔R7,R8,R9,R10, R11は、アルキル基, 置換基Rを
有してもよい芳香族炭化水素基,芳香族複素環基,ベン
ジル基またはテニル基を表し、相互に同じであっても異
なっていてもよい。R12, R13, R14, R15は水素原
子,アルキル基またはアルコキシ基を表す。置換基R
は、アルキル基,アルコキシ基,アミノ基,シアノ基,
ニトロ基,水酸基またはハロゲン原子を表す。〕
【0012】
【化8】 〔R16, R17は、アルキル基, 置換基Rを有してもよい
芳香族炭化水素基,芳香族複素環基または一般式〔IV〕
もしくは一般式〔V〕で示される基であり、相互に同じ
であっても異なっていてもよい。Arは、置換基Rを有
してもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表
す。置換基Rは、アルキル基,アルコキシ基,アミノ
基,シアノ基,ニトロ基,水酸基またはハロゲン原子を
表す。〕
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】 スチリル化合物を電荷輸送物質として用いる電子写真用
感光体は良好な特性を示すがスチリル化合物は一般に樹
脂や溶剤に対する溶解性,相溶性が悪い。しかしスチリ
ル化合物とともにヒドラゾン化合物を併用するときはス
チリル化合物の溶解性,相溶性がが向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施例に係る負
帯電の機能分離型電子写真用感光体を示す断面図であ
る。図2はこの発明の実施例に係る正帯電の機能分離型
電子写真用感光体を示す断面図である。
【0016】図3はこの発明の実施例に係る主として正
帯電の単層型電子写真用感光体を示す断面図である。1
は導電性基体、2は下引き層、3は電荷発生層、4は電
荷輸送層、5は表面保護層、6は感光層である。導電性
基体1は感光体の電極としての役目と同時に他の各層の
支持体となっており、円筒状,板状,フィルム状のいず
れでも良く、アルミニウム,ステンレス鋼,ニッケルな
どの金属、あるいはガラス,樹脂などの上に導電処理を
施したものでも良い。
【0017】下引き層2は樹脂を主成分とする層やアル
マイト等の酸化皮膜からなり、導電性基体から感光層へ
の不要な電荷の注入防止、支持基体表面の欠陥被覆、感
光層の接着性の向上等の目的で必要に応じて設けられ
る。樹脂バインダーとしてポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリスチレン,アクリル樹脂,塩化ビニル樹脂,酢
酸ビニル樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂,ポリ
エステル樹脂,メラミン樹脂,シリコン樹脂,ポリブチ
ラール樹脂,ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体な
どを適宜組み合わせて使用することが可能である。また
樹脂バインダー中に金属酸化物微粒子等が含有してもよ
い。金属酸化物微粒子としては、SiO2 , TiO2,
2 3,ZrO2 等を用いることが可能である。
【0018】下引き層の膜厚は、下引き層の配合組成に
も依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増
大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。
電荷発生層3は有機光導電性物質を真空蒸着または有機
光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中に分散させたも
のを塗布して形成され、光を受容して電荷を発生する。
またその電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷
の電荷輸送層4への注入性が重要で電場依存性が少なく
低電場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生層は電
荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物
質の光吸収係数より決まり一般的には5μm以下であ
り、好適には1μm以下である。電荷発生層は電荷発生
物質を主体としてこれに電荷輸送物質などを添加して使
用することも可能である。電荷発生物質としてフタロシ
アニン系顔料,アゾ顔料,アントアントロン顔料,ペリ
レン顔料,ペリノン顔料,スクアリリウム顔料,チアピ
リリウム顔料,キナクリドン顔料などを用いることがで
き、またこれらの顔料を組み合わせて用いてもよい。
【0019】樹脂バインダ−としてはポリカ−ボネ−ト
樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリウレタ
ン樹脂,エポキシ樹脂,ポリブチラール樹脂,塩ビ系共
重合体,フェノキシ樹脂,シリコン樹脂,メタクリル酸
エステル樹脂およびこららの共重合体などを適宜組み合
わせて使用することが可能である。電荷輸送層4は樹脂
バインダー中に電荷輸送物質を分散させたものからなる
塗膜であり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保
持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸
送する機能を発揮する。
【0020】電荷輸送物質としては、化学式(I―1)
ないし化学式(I―33),化学式(I―68)ないし
化学式(I―78),化学式(II―1)ないし化学式
(II―48)で示されるヒドラゾン化合物と、化学式
(III ―1)ないし化学式(III―34)で示されるス
チリル化合物が組み合わせて用いられる。この際に他の
電荷輸送物質を前記の組み合わせに併用してもよい。併
用される電荷輸送物質としては、ピラゾリン化合物,ピ
ラゾロン化合物,オキサジアゾール化合物,アリールア
ミン化合物,ベンジジン化合物,スチルベン化合物,上
述のヒドラゾン化合物とは異なる他のヒドラゾン化合物
や他のスチリル化合物、ポリビニルカルバゾールなどの
電荷輸送性ポリマー等がある。
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】 樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート, ポリエス
テル, ポリスチレン,メタクリル酸エステルの重合体お
よび共重合体などが用いられるが機械的、化学的及び電
気的安定性、密着性などのほかに電荷輸送物質との相溶
性が重要である。
【0035】電荷輸送層の膜厚は実用的に有効な表面電
位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、
より好適には10〜40μmが用いられる。単層型感光
層の場合は、樹脂バインダー中に電荷発生物質と電荷輸
送物質を分散させた塗膜により感光層が形成され、上記
電荷発生層3及び電荷輸送層4に用いられる物質を同様
に用いることができる。膜厚は実用的に有効な表面電位
を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、よ
り好適には10〜40μmである。
【0036】これら感光層中には、感度の向上や残留電
位の減少、あるいは繰り返し使用時の特性変動を低減す
る目的で、必要に応じ電子受容物質を含有することがで
きる。電子受容物質としては、無水琥珀酸,無水マレイ
ン酸,ジブロム無水琥珀酸,無水フタル酸,3‐ニトロ
無水フタル酸,4‐ニトロ無水フタル酸,無水ピロメリ
ット酸,ピロメリット酸,トリメリット酸,無水トリメ
リット酸,フタルイミド,4‐ニトロフタルイミド,テ
トラシアノエチレン,テトラシアノシノジメタン,クロ
ラニル,ブロマニル,o‐ニトロ安息香酸などの電子親
和力の大きな化合物を挙げることができる。
【0037】また感光層中には、耐環境性や有害な光に
対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤や光安定
剤などの劣化防止剤を含有させることもできる。このよ
うな目的に用いられる化合物としては、トコフェロール
などのクロマノール誘導体およびエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物,ポリアリールアルカン化合物,
ハイドロキノン誘導体およびそのエーテル化化合物もし
くはジエーテル化化合物,ベンゾフェノン誘導体,ベン
ゾトリアゾール誘導体,チオエーテル化合物,フェニレ
ンジアミン誘導体,ホスホン酸エステル,亜リン酸エス
テル,フェノール化合物,ヒンダードフェノール化合
物,直鎖アミン化合物,環状アミン化合物,ヒンダード
アミン化合物などが挙げられる。
【0038】表面被覆層5は必要に応じて設けることが
でき、機械的ストレスに対する耐久性に優れ、さらに化
学的に安定な物質で構成され、暗所ではコロナ放電の電
荷を受容して保持する機能を有しており、かつ電荷発生
層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を透
過し、電荷発生層に到達させ、発生した電荷の注入を受
けて表面電荷を中和消滅させることが必要である。また
被覆物質は前述の通り電荷発生物質の光の吸収極大の波
長領域においてできるだけ透明であることが望ましい。
【0039】表面被覆層は変成シリコン樹脂として、ア
クリル変成シリコン樹脂、エポキシ変成シリコン樹脂、
アルキッド変成シリコン樹脂、ポリエステル変成シリコ
ン樹脂、ウレタン変成シリコン樹脂等、またハ−ドコ−
ト剤としてのシリコン樹脂などが適用できる。これら変
成シリコン樹脂は単独で使用可能であるが、より耐久性
を向上させる目的でSiO2 、TiO2 、In2 3
ZrO2 を主成分とする被膜を形成できる金属アルコキ
シ化合物の縮合物との混合物質が好適である。
【0040】表面被覆層の膜厚は被覆層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。以
下に本発明の実施例について説明する。
【0041】
【実施例】以下の例において、部は重量部を、%は重量
%をそれぞれ表す。実施例に用いるチタニルオキシフタ
ロシアニンの合成法を〔合成例1〕に示す。 〔合成例1〕フタロジニトリル128g,キノリン10
00g中に、窒素雰囲気下で四塩化チタン47.5gを
滴下し、滴下が終了した後に昇温し、加熱しながら20
0℃で8時間反応させ、放冷し、130℃で熱時濾過
し、130℃に加熱したキノリン500g、さらに13
0℃に加熱したN‐メチル‐2‐ピロリドンで洗浄し
た。次にメタノール、水の順に洗浄を行った。得られた
ウェットケーキを3%苛性ソーダ水溶液1000gに分
散し、4時間加熱後、濾液が中性になるまで濾過水洗す
る。次にこのケーキを3%の塩酸水溶液1000gに分
散し、4時間加熱後、濾液が中性になるまで水洗し、次
いでメタノールおよびアセトンを用いて洗浄する。この
アルカリ―酸―メタノール―アセトンの精製の操作を数
回繰り返した後乾燥する。収量は101.2gであっ
た。
【0042】次にこのチタニルオキシフタロシアニン5
0gを−10℃以下の濃硫酸750gに液温が−5℃以
下で冷却攪拌しながら徐々に加えた。この液をさらに2
時間攪拌した後、0℃の氷水中に滴下した。析出した青
色物質を濾過水洗した後、このケーキを2%苛性ソーダ
水溶液500gに分散した後加熱し、ろ過し、水洗し、
乾燥した。得られたチタニルオキシフタロシアニンの収
量は47gであった。
【0043】次にこのチタニルオキシフタロシアニン4
0g、食塩100g,水400gの混合物をジルコニア
ビーズが充填されたサンドミル(シンマルエンタプライ
ゼス社製;商品名「ダイノミル」)中で、室温下に3時
間分散,微粒子化した。次に、ジクロロトルエン200
gを加え、さらにサンドミルを稼働を続ける。次に内容
物を取り出し、水蒸気蒸留でジクロロトルエンを留出さ
せた後、残っているチタニルオキシフタロシアニンを水
でろ過し、その後乾燥する。得られたチタニルオキシフ
タロシアニンのCuKα線によるX線回折スペクトル
は、ブラッグ角(2θ±0.2゜)7.22°,9.6
0°,11.60°,13.40°,14.88°,1
8.34°,23.62°,24.14°,27.32
゜に明瞭な回折ピークを有し、且つ9.60゜の回折ピ
ークが最大回折ピークであった。 〔実施例1〕電気特性評価用としてドラム感光体(30
φ)を作製した。アルミニウム素管上に以下の組成の下
引き層分散液を浸漬塗工し、100℃で30分乾燥して
膜厚4μmの下引き層を形成した。
【0044】 アルコール可溶性ナイロン(東レ :CM8000) 5部 アミノシラン処理された酸化チタン微粒子 5部 メタノール,塩化メチレン混合溶剤(6/4) 90部 次に以下の組成の電荷発生層分散液を浸漬塗工し、10
0℃で30分乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形
成した。 チタニルオキシフタロシアニン(合成例1) 1部 塩化ビニル系共重合樹脂(日本ゼオン :MR−110) 1部 塩化メチレン 98部 次に以下の組成の電荷輸送層溶液を浸漬塗工し、100
℃で30分乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。 ヒドラゾン化合物 〔I−1〕 8部 スチリル化合物 〔III ―5〕 2部 ポリカーボネート樹脂(帝人化成 :K1300) 10部 塩化メチレン 90部 以上のようにして電子写真用感光体を作製した。 〔実施例2〕実施例1で使用したスチリル化合物〔III
―5〕に替えて、前記具体例に示したスチリル化合物
〔III −1〕を用いる以外は実施例1と同様に感光体を
作製した。 〔実施例3〕実施例1で使用したスチリル化合物〔III
−5〕に替えて、前記具体例に示したスチリル化合物
〔III −3〕を用いる以外は実施例1と同様に感光体を
作製した。 〔実施例4〕実施例1で使用したヒドラゾン化合物〔I
−1〕に替えて、前記具体例に示したヒドラゾン化合物
〔II−3〕を用いる以外は実施例1と同様に感光体を作
製した。 〔実施例5〕実施例1で使用したヒドラゾン化合物〔I
−1〕に替えて、前記具体例に示したヒドラゾン化合物
〔I−34〕を用いる以外は実施例1と同様に感光体を
作製した。 〔比較例1〕実施例1においてスチリル化合物〔III −
5〕を使用せず、電荷輸送物質にヒドラゾン化合物〔I
−1〕を10部用いる以外は実施例1と同様に感光体を
作製した。 〔比較例2〕実施例1においてヒドラゾン化合物〔I−
1〕とスチリル化合物〔III −5〕に替えて、ヒドラゾ
ン化合物〔II−3〕を10部用いる以外は実施例1と同
様に感光体を作製した。 〔比較例3〕実施例1で使用したヒドラゾン化合物〔I
−1〕を使用せず、スチリル化合物〔III −5〕を10
部用いる以外は実施例1と同様に感光体を作製した。 〔比較例4〕実施例1においてヒドラゾン化合物〔I−
1〕とスチリル化合物〔III −5〕に替えて、スチリル
化合物〔III −3〕を10部用いる以外は実施例1と同
様に感光体を作製しようとしたがスチリル化合物〔III
−3〕が塩化メチレンに溶解せず感光体の作製は不可能
であった。電気特性の測定は、感光体ドラム電気特性評
価装置を用いて行った。暗所で、コロトロン方式のコロ
ナ帯電で、感光体表面を帯電位V0 が約−650Vにな
るよう帯電して帯電位V0 を測定し、続いてコロナ放電
を中止し暗所で5秒間放置後、表面電位VD を測定し、
下記の数式により電位保持率VK5(%)を求めた。
【0045】
【数1】電位保持率VK5(%)=( V0 −VD )/V
0 ×100 また同様にV0 を約−650Vに帯電させ、780n
m,1μW/cm2 の光を照射し続け、電位が−600
Vから−100Vに減衰するのに必要な露光量E 100
測定した。さらに照射5秒後の残留電位VR5を測定し
た。
【0046】また強光疲労特性は、感光体に1500lx
・s の蛍光灯光を10分間照射し、その直前,直後の電
位を感光体ドラム電気特性評価装置を用いて測定した。
強光疲労特性における電位は、ドラムを回転させながら
帯電位V0 が約−600Vになるように帯電して帯電位
0 を測定し、続いて780nm,2μW/cm 2 の光
を0.25秒間照射し明部電位VL を測定した。
【0047】以下に実施例1〜6および比較例1〜5で
作製した感光体の電気特性を上記に述べた方法により測
定した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 表1からわかるように、この発明に基づく電荷輸送物質
を用いた感光体は、感度,保持率に優れ、低い残留電位
を示し、強光疲労特性も良好である。この発明のヒドラ
ゾン化合物とスチリル化合物とを組み合わせて電荷輸送
物質として用いた感光体の優位性は明らかである。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、感光層中に一般式
〔I〕または一般式〔II〕で示されるヒドラゾン化合物
と、一般式〔III 〕で示されるスチリル化合物を電荷輸
送物質として含有するので感度,保持率に優れ、低い残
留電位を示し、強光疲労特性も良好な電子写真用感光体
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る負帯電の機能分離型電
子写真用感光体を示す断面図
【図2】この発明の実施例に係る正帯電の機能分離型電
子写真用感光体を示す断面図
【図3】この発明の実施例に係る主として正帯電の単層
型電子写真用感光体を示す断面図
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引き層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 表面保護層 6 感光層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に感光層を有する有機感光体
    において、感光層中に一般式〔I〕または一般式〔II〕
    で示されるヒドラゾン化合物と、一般式〔III 〕で示さ
    れるスチリル化合物を電荷輸送物質として含有すること
    を特徴とする電子写真用感光体。 【化1】 〔R1,R2,R3,R4 はアルキル基, 置換基Rを有しても
    よい芳香族炭化水素基,芳香族複素環基またはベンジル
    基を表し、相互に同じであっても異なっていてもよい。
    5,R6 は水素原子,アルキル基またはアルコキシ基を
    表す。置換基Rは、アルキル基,アルコキシ基,アミノ
    基,シアノ基,ニトロ基,水酸基またはハロゲン原子を
    表す。〕 【化2】 〔R7,R8,R9,R10, R11はアルキル基, 置換基Rを有
    してもよい芳香族炭化水素基,芳香族複素環基,ベンジ
    ル基またはテニル基を表し、相互に同じであっても異な
    っていてもよい。R12, R13, R14, R15は水素原子,
    アルキル基またはアルコキシ基を表す。置換基Rは、ア
    ルキル基,アルコキシ基,アミノ基,シアノ基,ニトロ
    基,水酸基またはハロゲン原子を表す。〕 【化3】 〔R16, R17はアルキル基, 置換基Rを有してもよい芳
    香族炭化水素基,芳香族複素環基または一般式〔IV〕も
    しくは一般式〔V〕で示される基であり、相互に同じで
    あっても異なっていてもよい。Arは、置換基Rを有し
    てもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表
    す。置換基Rは、アルキル基,アルコキシ基,アミノ
    基,シアノ基,ニトロ基,水酸基またはハロゲン原子を
    表す。〕 【化4】 【化5】
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000206716A (ja) * 1998-11-13 2000-07-28 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカ―トリッジ及び電子写真装置
EP1184683A1 (en) * 2000-03-28 2002-03-06 Kabushiki Kaisha Toshiba X-ray plane detector
JP2007293372A (ja) * 2007-08-10 2007-11-08 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び電子写真方法

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