JP2000206713A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2000206713A
JP2000206713A JP11002305A JP230599A JP2000206713A JP 2000206713 A JP2000206713 A JP 2000206713A JP 11002305 A JP11002305 A JP 11002305A JP 230599 A JP230599 A JP 230599A JP 2000206713 A JP2000206713 A JP 2000206713A
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Japan
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JP11002305A
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Masaru Takeuchi
勝 竹内
Osamu Nabeta
修 鍋田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期においては高感度で残留電位が低く、か
つオゾン、光、熱等に対して安定であり、繰り返し使用
においても疲労劣化の少ない電子写真用感光体を提供す
る。 【解決手段】 導電性基体上に有機材料を含む感光層を
設けた電子写真用感光体において、該感光層に、下記一
般式(I)、 (式中、Arは置換基を有してもよいアリール基、A
は置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン
基、ビフェニレン基、あるいはアントリレン基、R
水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基、X
は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置
換基を有してもよいアリール基、Yは置換基を有しても
よいアリール基を表わす)で示されるアミン化合物と酸
化防止剤とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真方式の
プリンター、複写機等に用いられる電子写真用感光体に
関し、特に繰り返し使用においても良好な画像品質を有
する感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真用感光体(以下「感
光体」とも称する)の感光物質としては、セレンまたは
セレン合金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは
硫化カドミウム等の無機光導電性物質を樹脂結着剤中に
分散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたは
ポリビニルアントラセン等の有機光導電性物質、フタロ
シアニン化合物あるいはビスアゾ化合物等の有機光導電
性物質を樹脂結着剤中に分散させたものや真空蒸着させ
たものなどが利用されている。
【0003】また、感光体には、暗所で表面電荷を保持
する機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光
を受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つ
の層でこれらの機能を合わせ持ったいわゆる単層型感光
体と、主として電荷発生に寄与する層と、暗所での表面
電荷と光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離し
た層を積層したいわゆる機能分離積層型感光体とがあ
る。
【0004】これらの感光体を用いた電子写真法による
画像形成には、例えばカールソン方式が適用される。こ
の方式での画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電
による帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や
絵などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナー
による現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への
転写により行われ、トナー像転写後の感光体は除電、残
留トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供さ
れる。
【0005】近年、可とう性、熱安定性、成膜性などの
利点により、有機材料を用いた電子写真用感光体が実用
化されてきている。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールと2,4,7−トリニトロフルオレン−9−オンと
からなる感光体(米国特許第3484237号明細書に
記載)、有機顔料を主成分とする感光体(特開昭47−
37543号公報に記載)、染料と樹脂とからなる共晶
錯体を主成分とする感光体(特開昭47−10785号
公報に記載)などである。
【0006】最近においては、感光層が電荷発生物質を
含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送
層とからなる機能分離積層型感光体が主流となってお
り、中でも有機顔料を電荷発生物質として蒸着した層ま
たは樹脂中に分散させた層を電荷発生層とし、有機低分
子化合物を電荷輸送物質として樹脂中に分散させた層を
電荷輸送層として用いた負帯電型感光体が数多く提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機材
料は無機材料にはない多くの長所を持つが、また同時に
電子写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満
足するものが得られていないのが現状である。即ち繰り
返し使用による帯電電位の低下、残留電位の上昇、感度
変化等により、画像品質の劣化が引き起こされる。この
劣化の原因については全て解明されているわけではない
が、いくつかの要因として、コロナ放電による帯電時に
発生するオゾン、NO等の活性ガス、像露光、除電ラ
ンプ光に含まれる紫外線及び熱による電荷輸送物質等の
分解などが考えられる。このような劣化の抑制のため
に、例えば特開平1−44946号公報ではヒドラゾン
誘導体と酸化防止剤の組み合わせ、特開平1−1188
45号公報ではブタジエン誘導体と酸化防止剤の組み合
わせが記載されているが、初期感度の良好なものは繰り
返し使用による劣化が改善されず、繰り返し使用による
劣化が少ないものは初期感度、帯電特性に問題があり、
これらの従来技術によってもいまだ充分な効果が得られ
ていないのが現状である。
【0008】そこで本発明の目的は、初期においては高
感度で残留電位が低く、かつオゾン、光、熱等に対して
安定であり、繰り返し使用においても疲労劣化の少ない
電子写真用感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この目的を
達成すべく鋭意検討を行った結果、前記電荷輸送物質と
して特定の有機化合物を用い、これと酸化防止剤とを組
み合わせて用いることにより、前記目的を達成し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の電子写真用感光体は、導電
性基体上に有機材料を含む感光層を設けた電子写真用感
光体において、該感光層に、下記一般式(I)、 (式中、Arは置換基を有してもよいアリール基を表
わし、Arは置換基を有してもよいフェニレン基、ナ
フチレン基、ビフェニレン基、あるいはアントリレン基
を表わし、Rは水素原子、低級アルキル基または低級
アルコキシ基を表わし、Xは水素原子、置換基を有して
もよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール
基を表わし、Yは置換基を有してもよいアリール基を表
わす)で示されるアミン化合物と酸化防止剤とを含有す
ることを特徴とするものである。
【0011】本発明においては、前記一般式(I)中の
Yが、下記一般式(II)、 (式中、Rは前記と同じ意味を表わす)で示される基
でもよく、また、下記一般式(III)、 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を表わし、Rは水素原子、ハロゲン原子、
または低級アルキル基を表わし、Zは水素原子、置換基
を有してもよいアリール基を表わし、m及びnは0〜4
の整数を表わす)で示される基でもよい。
【0012】本発明の電子写真用感光体においては、導
電性基体上に設けられた前記感光層が電荷発生層と電荷
輸送層とを有する積層型構造または単層型構造であり、
該感光層に前記一般式(I)で表わされるアミン化合物
を少なくとも1種と、酸化防止剤とを含有させる。
【0013】また、本発明の電子写真用感光体において
は、前記アミン化合物と併用する酸化防止剤がヒンダー
ドフェノール構造単位を有する化合物、ヒドロキシル基
を有するクロマン誘導体、有機イオウ系化合物、または
有機リン系化合物であることが特に有効である。
【0014】電子写真プロセスにおいて、帯電時のコロ
ナ放電により発生するオゾン及び露光光、除電光に含ま
れる紫外光は化学活性が強く電荷輸送物質を分解する。
しかし、本発明における前記一般式(I)の化合物は優
れた電荷輸送能を有し、低電荷輸送物質濃度においても
電荷保持力、感度、残留電位等の電子写真特性に優れて
いるため、前記の酸化防止剤を併用することにより、オ
ゾン、紫外光あるいは熱などにより電荷輸送物質が分解
し易い環境下においても、繰り返し使用において安定し
た特性を維持できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる前記一般式
(I)で表わされる化合物について詳述する。前記一般
式(I)において、Arが置換基を有するアリール基
である場合、置換基としては、炭素数が1〜4の低級ア
ルキル基、炭素数が1〜4の低級アルコキシ基、炭素数
が5〜6のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基
又はハロゲン原子などが挙げられ、置換基が低級アルキ
ル基あるいは低級アルコキシ基の場合は炭素数が1〜4
の低級アルコキシ基やハロゲン原子で更に置換されてい
てもよく、置換基がベンジル基あるいはフェニル基の場
合は炭素数が1〜4の低級アルキル基や炭素数が1〜4
の低級アルコキシ基又はハロゲン原子で更に置換されて
いてもよい。また、Arのアリール基としてはフェニ
ル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、ピ
レニル基などが挙げられる。Arが置換基を有するフ
ェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリ
レン基である場合、置換基としては、炭素数が1〜4の
低級アルキル基、炭素数が1〜4の低級アルコキシ基又
はハロゲン原子などが挙げられ、置換基が低級アルキル
基あるいは低級アルコキシ基の場合は炭素数が1〜4の
低級アルコキシ基やハロゲン原子で更に置換されていて
もよい。
【0016】前記式中のXやYあるいはZが置換基を有
するアリール基である場合、置換基としては、Ar
有することのできる前述した置換基と同じものが挙げら
れる。Xが置換基を有するアルキル基である場合、置換
基としては、炭素数が1〜4の低級アルコキシ基、炭素
数が5〜6のシクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙
げられる。また、X、YあるいはZのアリール基として
は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アント
リル基、ピレニル基などが挙げられる。
【0017】本発明に用いられる前記一般式(I)で表
わされる化合物の具体例としては次のようなものが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】本発明における酸化防止剤として好適に用
いられるヒンダードフェノール構造単位を有する化合物
の具体例としては次のようなものが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】また、本発明における酸化防止剤として好
適に用いられるヒドロキシル基を有するクロマン誘導体
の具体例としては次のようなものが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0029】
【0030】さらに、本発明における酸化防止剤として
好適に用いられる有機イオウ系化合物としては、イオウ
原子を含む有機化合物であれば特に限定はない。その代
表的な具体例としては次のようなものが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0031】
【0032】さらにまた、本発明における酸化防止剤と
して好適に用いられる有機リン系化合物としては、リン
原子を含む有機化合物であれば特に限定はない。その代
表的な具体例としては次のようなものが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。図1は負帯電の機能分離型電子
写真用感光体の概念的断面図を、図2は正帯電の機能分
離型電子写真用感光体の概念的断面図を、図3は主とし
て正帯電の単層型電子写真用感光体の概念的断面図を、
図4は他の負帯電の機能分離型電子写真用感光体の概念
的断面図を、図5は他の正帯電の機能分離型電子写真用
感光体の概念的断面を、また図6は他の主として正帯電
の単層型電子写真用感光体の概念的断面図を、夫々示し
ている。図中、1は導電性基体、2は下引き層、3は電
荷発生層、4は電荷輸送層、5は表面保護層、6は機能
分離型の感光層、6Aは単層型の感光層である。
【0037】導電性基体1は、感光体の電極としての役
目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板
状、フィルム状のいずれでもよく、アルミニウム、ステ
ンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂
等に導電処理を施したものでもよい。
【0038】下引き層2は、樹脂を主成分とする層やア
ルマイト等の酸化皮膜からなり、導電性基体から感光層
への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、感光
層の接着性の向上等の目的で必要に応じて設けられる。
樹脂バインダーとして、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共
重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能であ
る。また樹脂バインダー中に金属酸化物微粒子等を含有
させてもよい。金属酸化物微粒子としては、SiO
TiO、In、ZrO等を用いることが可能
である。
【0039】下引き層2の膜厚は、下引き層の配合組成
にも依存するが、繰り返し連続使用したときに残留電位
が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定でき
る。
【0040】電荷発生層3は、有機光導電性物質を真空
蒸着または有機光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中
に分散させた塗液を塗布して形成され、光を受容し電荷
を発生する。またその電荷発生効率が高いことと同時に
発生した電荷の電荷輸送層4への注入性が重要で、電場
依存性が少なく低電場でも注入の良いことが望ましい。
電荷発生層は電荷発生機能を有すればよいので、その膜
厚は電荷発生物質の光吸収係数により決まり、一般的に
は5μm以下であり、好適には1μm以下である。電荷
発生層は電荷発生物質を主体としてこれに電荷輸送物質
などを添加して使用することも可能である。電荷発生物
質としては無金属フタロシアニン、チタニルオキシフタ
ロシアニン、銅フタロシアニン、スズフタロシアニン等
のフタロシアニン系顔料、アゾ顔料、アントアントロン
等の多環キノン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、
スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、キナクリド
ン顔料などを用いることができ、またこれらの顔料を組
み合わせて用いてもよい。
【0041】また、電荷発生層に用いられる樹脂バイン
ダーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール
樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン
樹脂、メタクリル酸エステル樹脂およびこれらの共重合
体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。
【0042】電荷輸送層4は、樹脂バインダー中に電荷
輸送物質を分散させた膜であり、暗所では絶縁体層とし
て感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から
注入される電荷を輸送する機能を発揮する。
【0043】電荷輸送層4は、主成分として電荷輸送物
質、樹脂バインダーから構成されるが、本発明ではオゾ
ン、光あるいは熱等に対する安定性を向上させる目的で
酸化防止剤を添加する。
【0044】本発明に用いられる電荷輸送物質として
は、前記一般式(I)で表されるアミン化合物の1種又
は2種以上が挙げられるが、かかるアミン化合物と他の
電荷輸送物質との併用も可能である。併用される電荷輸
送物質としては、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、
ベンジジン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合
物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、他の
アミン化合物及びポリビニルカルバゾールなどの電荷輸
送性ポリマー等が挙げられる。
【0045】また、本発明における酸化防止剤として
は、ヒンダードフェノール構造単位を有する化合物、ヒ
ドロキシル基を有するクロマン誘導体、有機イオウ系化
合物又は有機リン系化合物が単独で、又は組み合わせて
用いられるが、他の酸化防止剤との併用も可能である。
【0046】電荷輸送層に酸化防止剤を添加する場合
は、電荷輸送物質とバインダー樹脂の合計100重量部
に対して0.001〜10重量部、より好適には0.0
05〜5重量部の範囲で用いられる。
【0047】樹脂バインダーとしては、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタク
リル酸エステルの重合体および共重合体などが用いられ
るが、機械的、化学的および電気的安定性、密着性など
のほかに電荷輸送物質との相溶性が重要である。
【0048】電荷輸送層の膜厚は実用的に有効な表面電
位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、
より好適には10〜40μmである。
【0049】表面保護層5は、必要に応じて設けること
ができ、機械的ストレスに対する耐久性に優れ、さらに
化学的に安定な物質で構成され、暗所ではコロナ放電の
電荷を受容して保持する機能を有しており、かつ電荷発
生層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を
透過し、電荷発生層に到達させ、発生した電荷の注入を
受けて表面電荷を中和消滅させることが必要である。
【0050】表面保護層は、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアリレート樹脂、変性シリコーン樹脂とし
てアクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコー
ン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、ポリエステル
変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂等の
他、さらにハードコート剤としてのシリコーン樹脂など
が適用できる。これら変性シリコーン樹脂は単独でも使
用可能であるが、より耐久性を向上させる目的でSiO
、TiO、In、ZrOを主成分とする被
膜を形成できる金属アルコキシ化合物の縮合物との混合
物が好適である。
【0051】表面保護層の膜厚は保護層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。
【0052】単層型の感光層6Aは、樹脂バインダー中
に電荷発生物質、電荷輸送物質を分散させた塗膜であ
り、上記の電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂バインダ
ー、酸化防止剤を同様に用いることができる。
【0053】単層型の感光層6Aの膜厚は実用的に有効
な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲、よ
り好適には10〜40μmである。
【0054】また、前記の積層型及び単層型の感光体の
感光層中に感度の向上や残留電位の減少あるいは繰り返
し使用時の特性変動を低減する目的で、必要に応じ電子
受容物質を含有させることができる。電子受容物質とし
ては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水コ
ハク酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−
ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリッ
ト酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイ
ミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノシノジメタン、クロラニル、ブロマニ
ル、o−ニトロ安息香酸などの電子親和力の大きな化合
物を挙げることができる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。以
下の例において、部は重要部を、%は重量%を夫々表
す。先ずこの実施例に用いたチタニルオキシフタロシア
ニンの合成例を以下に「合成例」として示す。合成例 フタロジニトリル128g、キノリン1000g中に、
窒素雰囲気下で四塩化チタン47.5gを滴下した。滴
下終了後、昇温し、加熱しながら200℃で8時間反応
させ、放冷し、130℃で熱時濾過し、130℃に加熱
したキノリン500g、さらに130℃に加熱したN−
メチル−2−ピロリドンで洗浄した。
【0056】次に、メタノール、水の順に洗浄した。得
られたウエットケーキを3%苛性ソーダ水溶液1000
gに分散し、4時間加熱後、濾液が中性になるまで濾過
水洗した。
【0057】次に、このケーキを3%の塩酸水溶液10
00gに分散し、4時間加熱後、濾液が中性になるまで
水洗し、さらにメタノールおよびアセトンで洗浄した。
このアルカリ−酸−メタノール−アセトンの精製の操作
を数回繰り返した後、乾燥した。収量は101.2gで
あった。
【0058】次に、このチタニルオキシフタロシアニン
50gを−10℃以下の濃硫酸750gに、液温が−5
℃以下で冷却攪拌しながら徐々に加えた。この液をさら
に2時間攪拌した後、0℃の氷水中に滴下した。析出し
た青色物質を濾過水洗した後、このケーキを2%苛性ソ
ーダ水溶液500gに分散した後加熱し、濾過後水洗し
乾燥した。得られたチタニルオキシフタロシアニンの収
量は47gであった。
【0059】次に、このチタニルオキシフタロシアニン
40g、食塩100g、水400gの混合物をジルコニ
アビーズが充填されたサンドミル(シンマルエンタプラ
イゼス社製;商品名「ダイノミル」)中で、室温下で、
3時間分散し、微粒子化した。この後、ジクロロトルエ
ン200gを加え、さらにサンドミルの稼働を続けた。
【0060】次に、内容物を取り出し、水蒸気蒸留でジ
クロロトルエンを留出させた後、残っているチタニルオ
キシフタロシアニンを水で濾過し、その後乾燥した。得
られたチタニルオキシフタロシアニンのCuKα線によ
るX線回折スペクトルは、ブラッグ角(2θ±0.2
°)7.22°、9.60°、11.60°、13.4
0°、14.88°、18.34°、23.62°、2
4.14°、27.32°に明瞭な回折ピークを有し、
かつ、9.60°の回折ピークが最大回折ピークであっ
た。
【0061】実施例1 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムのアルミ面上に以下の組成の下引き層用分散液をワ
イヤーバーを用いて塗工し、常圧下100℃で30分間
乾燥して膜厚4μmの下引き層を形成した。 アルコール可溶性ナイロン(東レ(株)製;CM8000) 5部 アミノシラン処理された酸化チタン微粒子 5部 メタノール、塩化メチレン混合溶剤(6/4) 90部 次に、以下の組成の電荷発生層用分散液を前記の下引き
層上にワイヤーバーを用いて塗工し、常圧下100℃で
30分間乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成し
た。 チタニルオキシフタロシアニン(合成例) 1部 塩化ビニル系共重合樹脂(日本ゼオン(株)製;MR−110) 1部 塩化メチレン 98部 次に、以下の組成の電荷輸送層用溶液中を前記の電荷発
生層上にワイヤーバーを用いて塗工し、常圧下100℃
で30分間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。 アミン化合物(前記式(I−14)) 10部 ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製:TS2050) 10部 添加化合物(前記式(II−2)) 0.1部 塩化メチレン 90部 以上の様にして電子写真用感光体を作製した。
【0062】実施例2 実施例1において添加化合物を前記式(III−9)のも
のとする以外は実施例1と同様にして感光体を作製し
た。
【0063】実施例3 実施例1において添加化合物を前記式(IV−8)のもの
とする以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0064】実施例4 実施例1において添加化合物を前記式(V−8)のもの
とする以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0065】実施例5 実施例1においてアミン化合物を前記式(I−1)のも
のとする以外は実施例1と同様にして感光体を作製し
た。
【0066】比較例1 実施例1において前記式(I−14)のアミン化合物を
下記構造式(A)で表されるヒドラゾン化合物とする以
外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0067】比較例2 比較例1において添加化合物を前記式(III−9)のも
のとする以外は比較例1と同様にして感光体を作製し
た。
【0068】比較例3 比較例1において添加化合物を前記式(IV−8)のもの
とする以外は比較例1と同様にして感光体を作製した。
【0069】比較例4 比較例1において添加化合物を前記式(V−8)のもの
とする以外は比較例1と同様にして感光体を作製した。
【0070】比較例5 実施例1において前記式(I−14)のアミン化合物を
下記構造式(B)で表されるヒドラゾン化合物とする以
外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0071】比較例6 実施例1において前記式(I−14)のアミン化合物を
下記構造式(C)で表されるブタジエン化合物とする以
外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0072】実施例6 アルミ蒸着PETフィルムのアルミ面上に以下の組成の
下引き層用分散液をワイヤーバーを用いて塗工し、常圧
下100℃で30分間乾燥して膜厚4μmの下引き層を
形成した。 アルコール可溶性ナイロン(東レ(株)製;CM8000) 5部 アミノシラン処理された酸化チタン微粒子 5部 メタノール、塩化メチレン混合溶剤(6/4) 90部 次に、以下の組成の単層型感光層用分散液を前記の下引
き層上にワイヤーバーを用いて塗工し、常圧下100℃
で30分間乾燥して膜厚20μmの単層型感光層を形成
した。 アミン化合物(前記式(I−47)) 8.5部 X型無金属フタロシアニン 0.5部 ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製:TS2050) 11部 添加化合物(前記式(II−2)) 0.5部 塩化メチレン 90部 以上の様にして電子写真用感光体を作製した。
【0073】実施例7 実施例6において添加化合物を前記式(III−9)のも
のとする以外は実施例6と同様にして感光体を作製し
た。
【0074】実施例8 実施例6において添加化合物を前記式(IV−8)のもの
とする以外は実施例6と同様にして感光体を作製した。
【0075】実施例9 実施例6において添加化合物を前記式(V−8)のもの
とする以外は実施例6と同様にして感光体を作製した。
【0076】実施例10 実施例6においてアミン化合物を前記式(I−34)の
ものとする以外は実施例6と同様にして感光体を作製し
た。
【0077】比較例7 実施例6において前記式(I−47)のアミン化合物を
前記ヒドラゾン化合物(A)とする以外は実施例6と同
様にして感光体を作製した。
【0078】比較例8 比較例7において添加化合物を前記式(III−9)のも
のとする以外は比較例7と同様にして感光体を作製し
た。
【0079】比較例9 比較例7において添加化合物を前記式(IV−8)のもの
とする以外は比較例7と同様にして感光体を作製した。
【0080】比較例10 比較例7において添加化合物を前記式(V−8)のもの
とする以外は比較例7と同様にして感光体を作製した。
【0081】比較例11 実施例6において前記式(I−47)のアミン化合物を
前記ヒドラゾン化合物(B)とする以外は実施例6と同
様にして感光体を作製した。
【0082】比較例12 実施例6において前記式(I−47)のアミン化合物を
前記ブタジエン化合物(C)とする以外は実施例6と同
様にして感光体を作製した。
【0083】電気特性評価として、得られた板状感光体
を用い、川口電機製作所(株)製静電複写紙試験装置E
PA−8100にて評価を行った。まず、23℃、51
%RHの環境下で、暗所にて、表面電位を約−650V
になるようにコロナ放電により帯電させ帯電直後の表面
電位Vを測定し、続いてコロナ放電を中止し暗所で5
秒間放置後、表面電位Vを測定し、電位保持率VK5
(%)を求めた。 電位保持率VK5(%)=V/V×100 V:帯電直後の表面電位 V:5秒間放置後の表面電位
【0084】次に、ハロゲンランプの光をフィルターに
て780nmに分光した1.0μW/cmの単色光を
5秒間露光し、表面電位が−100Vになるのに要する
露光量を感度E100(μJ/cm)として求め、露
光後5秒後の表面電位を残留電位Vr(V)として求め
た。さらに、同様の感光体に対し前記プロセスを1万回
繰り返し行い、繰り返し後の電位保持率VK5、感度E
100及び残留電位Vrを求めた。実施例1〜10およ
び比較例1〜12で作製した感光体の電気特性を下記の
表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】表1からわかるように、電荷輸送物質が前
記一般式(I)で表されるアミン化合物であり、かつヒ
ンダードフェノール構造単位を有する化合物、ヒドロキ
シル基を有するクロマン誘導体、有機イオウ系化合物又
は有機リン系化合物を添加した感光体は、電位保持力、
感度、残留電位などの電子写真特性に優れ、更に耐オゾ
ン性、耐光性に優れ、繰り返し使用においても電位保持
力の低下、感度の低下、残留電位の上昇等の疲労劣化が
抑制される。よって、高電荷輸送能を有する本発明に係
る電荷輸送物質に酸化防止剤、特には上記に示される化
合物をオゾン、光あるいは熱による劣化を抑制する目的
で用いた感光体の優位性は明らかである。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、電荷輸送物質として前
記一般式(I)で表されるアミン化合物を用い、かつ酸
化防止剤、特にはヒンダードフェノール構造単位を有す
る化合物、ヒドロキシル基を有するクロマン誘導体、有
機イオウ系化合物又は有機リン系化合物を含有させるこ
とにより、化学活性の強い紫外光やオゾンガスによる電
荷輸送物質の分解が抑制されるため、耐オゾン性、耐光
性に優れ、繰り返し使用においても電位保持力の低下、
感度の低下、残留電位の上昇等の疲労劣化のない電子写
真用感光体が得られる。よって、本発明における電子写
真用感光体は、コロトロン、スコロトロン等の非接触帯
電方式、ローラー、ブラシ等の接触帯電方式、さらには
磁性一成分、非磁性一成分、二成分現像方式を具備する
各種複写機、プリンターに適用され、顕著な効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る負帯電の機能分離型
電子写真用感光体を示す概念的断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る正帯電の機能分離型
電子写真用感光体を示す概念的断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る主として正帯電の単
層型電子写真用感光体を示す概念的断面図である。
【図4】本発明の異なる実施の形態に係る負帯電の機能
分離型電子写真用感光体を示す概念的断面図である。
【図5】本発明の異なる実施の形態に係る正帯電の機能
分離型電子写真用感光体を示す概念的断面図である。
【図6】本発明の異なる実施の形態に係る主として正帯
電の単層型電子写真用感光体を示す概念的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引き層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 表面保護層 6 感光層 6A 感光層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に有機材料を含む感光層を
    設けた電子写真用感光体において、該感光層に、下記一
    般式(I)、 (式中、Arは置換基を有してもよいアリール基を表
    わし、Arは置換基を有してもよいフェニレン基、ナ
    フチレン基、ビフェニレン基、あるいはアントリレン基
    を表わし、Rは水素原子、低級アルキル基または低級
    アルコキシ基を表わし、Xは水素原子、置換基を有して
    もよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール
    基を表わし、Yは置換基を有してもよいアリール基を表
    わす)で示されるアミン化合物と酸化防止剤とを含有す
    ることを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)中のYが、下記一般式
    (II)、 (式中、Rは前記と同じ意味を表わす)で示される請
    求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)中のYが、下記一般式
    (III)、 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または低級ア
    ルコキシ基を表わし、Rは水素原子、ハロゲン原子、
    または低級アルキル基を表わし、Zは水素原子、置換基
    を有してもよいアリール基を表わし、m及びnは0〜4
    の整数を表わす)で示される請求項1記載の電子写真用
    感光体。
  4. 【請求項4】 導電性基体上に設けられた前記感光層が
    電荷発生層と電荷輸送層とを有する積層型構造である請
    求項1〜3のうちいずれか一項記載の電子写真用感光
    体。
  5. 【請求項5】 導電性基体上に設けた前記感光層が単層
    型構造である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の電
    子写真用感光体。
  6. 【請求項6】 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノー
    ル構造単位を有する化合物、ヒドロキシル基を有するク
    ロマン誘導体、有機イオウ系化合物及び有機リン系化合
    物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含
    有することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一
    項記載の電子写真用感光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194141A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Sumitomo Chem Co Ltd ブタジエン重合体成形品の製造法
US7169519B2 (en) 2002-10-28 2007-01-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Double-layered positively-charged organic photoreceptor

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