JPH0932371A - 引戸調整用受け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２以上の部品を１つの部品に共通化し、部品
点数の減少を図ること。 【構成】 前壁に開口を有するストライクボックスと、
このストライクボックスに回動可能に横設された調整ね
じと、この調整ねじに螺合するメネジ部材に縦方向に固
着され、かつ、ストライクボックス内に完全挿入された
鎌片を係止する調整板とから成る引戸調整用受け装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は鎌片を備えた引戸の
チリ（ここでは、受け装置側に完全挿入された引戸側の
鎌片と受け装置側の係止部材との隙間、と定義する。）
を調整することができる引戸調整用受け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一対の引戸同士、あるいは一枚の
引戸と枠の間に於いて、いわゆる鎌錠を用いて引戸を係
止固定している。例えば引戸側に鎌片を有する鎌錠本体
を設け、一方、枠側にストライクボックスを有する受け
装置を設け、前記ストライクボックスに鎌片を完全挿入
し、これにより引戸が施錠される。この時色々な要因に
より「チリ」が発生する場合がある。

【０００３】そこで、従来、この「チリ」を解消するた
めの一例が、例えば実開平７−２１９４６号公報に開示
されている。

【０００４】しかして、この実施例の受け金具は、前面
に開口を有するストライクボックスに調整ねじを回動可
能に設け、この調整ねじに螺合する逆Ｕ字型状のジョイ
ントプレートを前記ストライクボックスに内装し、ジョ
イントプレートには完全挿入された鎌片と係止するスト
ライクの上端部を係合させると共に、該ストライクの下
端部をストライクボックスに横設された支軸に枢支して
いる。

【０００５】上記構成に於いては、例えばスクリュウド
ライバを用いて調整ねじを回動すると、ジョイントプレ
ートが前後方向に移動する。その結果、ストライクが支
軸を支点として回動し、鎌片とストライクの係止面との
距離が調整される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の鎌片を有する引
戸に対する相手側（引戸あるいは枠）の受け金具に於い
て、その「チリ」の調整部材は、大別すると、「調整ね
じ」、「ジョイントプレート」、「支軸に枢支されるス
トライク」の３つの部材を必要とした。

【０００７】そこで、本発明の請求項１記載の発明は、
ジョイントプレートと支軸に枢支されるストライクとを
共通化し、部品点数の減少を図った引戸調整用受け装置
を提供することを目的としたものである。

【０００８】また本発明の請求項３記載の発明は、調整
ねじをストライクボックス及びフロント板で確実（安定
的）に支持することができることを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の引戸調整用受け
装置は、前壁に開口を有するストライクボックスと、こ
のストライクボックスに回動可能に横設された調整ねじ
と、この調整ねじに螺合するメネジ部材に縦方向に固着
され、かつ、ストライクボックス内に完全挿入された鎌
片を係止する調整板とから成る。

【００１０】上記構成に於て、調整板は左右に揺れない
ように一部が断面コ字型状に形成され、またメネジ部材
は、調整板とメネジ部材との固着（溶着）工程を省くた
めに、予め調整板の一端部に形成されたメネジ部であっ
ても良い。

【００１１】さらに、上記構成に於いて、ストライクボ
ックスには、調整板を覆うフロント板が固着具を介して
固定的に接合し、調整ねじはこのフロント板とストライ
クボックスの後壁に横設軸架されていることを特徴とす
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の実施の
形態を、鎌片を有する引戸と、この引戸に対する枠の凹
所に組み込んだ受け装置との関係で説明する。

【００１３】１は引戸調整用受け装置である。この受け
装置１は、枠２に形成された凹所３内に組み込まれてい
る。４は引戸５に設けられた錠ケースで、この錠ケース
４の内部には錠フロント６から出没する鎌片７が回動可
能に設けられている。鎌片７は、引戸５の室外側に設け
られたシリンダー錠あるいは室内側の摘みを施錠方向に
操作すると、図１で示すように時計方向に回転し、その
先端部７ａが受け装置１の係止部材の機能を有する調整
板４０の内面と対向する。

【００１４】そこで、図１ないし図６に基づき、受け装
置１について詳細に説明する。まず１０は前壁に開口１
１を有するストライクボックスである。このストライク
ボックス１０は一対の引戸同士で使用される場合には、
他方の引戸の凹所が形成された側面に埋設される。スト
ライクボックス１０は直方体の空間部１２を有し、前壁
から上下に伸びるフランジ１３、１３には固着具１４、
１４用の貫通孔１５、１５が形成されている。またスト
ライクボックス１０の後壁には貫通状態の軸孔１６が形
成されている。

【００１５】次に２０は後述する調整板４０を覆うフロ
ント板である。このフロント板２０の形状は、丁度スト
ライクボックス１０の前壁と一致する。フロント板２０
の中央部あるいは下端部寄りの部位には、ストライクボ
ックス１０の開口１１よりも小さい矩形状のフロント開
口２１が形成されている。またフロント板２０の上下端
部には、フランジ１３、１３の貫通孔１５、１５と符合
する固着具１４、１４用の支持孔２２、２２が形成され
ている。そして、フロント板２０の上方支持孔２２とフ
ロント開口２１の間の部位には、ストライクボックス１
０側の軸孔１６と対向するフロント軸孔２３が形成され
ている。フロント板２０は、図１で示すように複数個の
固着具１４、１４を介してストライクボックス１０の前
壁と一体的に接合する。

【００１６】次に３０はストライクボックス１０に回動
可能に横設された調整ねじである。この調整ねじ３０の
後端部３０ａはストライクボックス１０側の軸孔１６を
貫通し、後端部に形成された周溝に嵌合するＣ型状第１
止め具３１及び後端部寄りの部位に設けられた鍔状第２
止め具３２により支持されている。一方、調整ねじ３０
の先端部３０ｂはフロント板２０側のフロント軸孔２３
に挿入され、スクリュウドライバが係合するその頭部は
フロント板側に露呈している。

【００１７】次に４０は調整ねじ３０に螺合するメネジ
部材４１に縦方向に固着され、かつ、ストライクボック
ス１０の空間部１２内に完全挿入された鎌片７を係止す
る調整板である。調整板４０とメネジ部材４１は、例え
ば溶着により一体に構成されている。この調整板４０は
引き出し型状のボックスで、鎌片７が入り込む側の一側
壁が開口４２している。すなわち、図５で示すように、
調整板４０は係止面４０ａの上部にナット状のメネジ部
材４１を一体的に有し、係止面４０ａに対する側壁４０
ｂはコ字型状に設けられている。しかして、調整板４０
は、側壁４０ｂがストライクボックス１０の内面に当接
することにより左右に揺れないように、一部が断面コ字
型状に形成されている。

【００１８】上記構成に於て、今仮に、図１で示すよう
に「チリ」、すなわち、受け装置側１に完全挿入された
引戸側５の鎌片７と受け装置側の調整板４０の係止面４
０ａとの隙間を微調整しようとする場合は、まず鎌片７
の係合を解除して引戸５を開き、次にスクリュウドライ
バで調整ねじ３０を回転する。そうすると、調整板４０
はストライクボックス１０の内面に案内されながら移動
し、その結果、図６で示すように鎌片７の先端部７ａと
調整板４０の係止面４０ａとの距離が調整される。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の部品点数の減少を図った実施
例を列挙する。なお、実施例の説明に於いては、図面に
発明の実施の形態で説明した符号をそのまま付し、ある
いは同様の符号を付し、重複する説明を省略する。

【００２０】まず図７及び図８は、発明の実施の形態で
説明した第１実施例である。この第１実施例は、前壁に
開口１１を有するストライクボックス１０と、このスト
ライクボックス１０の軸孔１６及びフロント板２０のフ
ロント軸孔２３に回動可能に横設された調整ねじ３０
と、この調整ねじ３０に螺合するメネジ部材４１に縦方
向に固着され、かつ、ストライクボックス１０内に完全
挿入された鎌片を係止する調整板４０とから成る。

【００２１】しかして、前記調整板４０は、鎌片用の係
止面４０ａの一端部にメネジ部材４１が溶着されている
と共に、係止面４０ａに対する側壁４０ｂはコ字型状に
設けられ、側壁４０ｂはストライクボックス１０の内面
に当接案内される。

【００２２】次に図９は第２実施例である。この第２実
施例の受け装置１Ａは、前壁に開口１１Ａを有するスト
ライクボックス１０Ａと、このストライクボックス１０
Ａの軸孔１６Ａに回動可能に軸支された横方向の調整ね
じ３０Ａと、この調整ねじ３０Ａに螺合するメネジ部材
４１Ａに縦方向に固着され、かつ、ストライクボックス
１０Ａ内に完全挿入された鎌片を係止する調整板４０Ａ
とから成る。そして、調整板４０Ａは、鎌片用の係止面
４０ａの一端部にメネジ部材４１Ａが溶着されていると
共に、係止面４０ａに対する側壁４０ｂはコ字型状に設
けられ、側壁４０ｂはストライクボックス１０Ａの内面
に当接案内される点は第１実施例と同様である。この第
２実施例は、フロント板を有しない点が第１実施例と異
なる。符号の１５Ａ、１５Ａは固着具用の支持孔であ
る。

【００２３】次に図１０及び図１１は第３実施例であ
る。この第３実施例の受け装置１Ｂは、前壁に開口１１
Ｂを有するストライクボックス１０Ｂと、このストライ
クボックス１０Ｂの軸孔１６Ｂ及びフロント板２０Ｂの
フロント軸孔２３Ｂに回動可能に横設軸架された調整ね
じ３０Ｂと、この調整ねじ３０Ｂに螺合するメネジ部４
１Ｂを有し、かつ、ストライクボックス１０Ｂ内に完全
挿入された鎌片を係止する係止面４０ａを有する調整板
４０Ｂとから成る。

【００２４】しかして、前記調整板４０Ｂは、鎌片用の
係止面４０ａの一端部にメネジ部４１Ｂが予め形成され
ていると共に、係止面４０ａに対する左右の側壁４０
ｂ、４０ｂは対向し、左右の側壁４０ｂ、４０ｂはスト
ライクボックス１０Ｂの内面に当接案内される。この第
３実施例の受け装置１Ｂは、調整板４０Ｂとメネジ部材
との固着（溶着）工程を省くために、予め調整板４０Ｂ
の一端部にメネジ部４１Ｂを形成している点が第１実施
例と異なる。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にあっては次に列挙するような効果がある。 （１）２以上の部品を１つの部品に共通化し、部品点数
の減少を図った。したがって、組み立てが容易であり、
また製造費も安価である。 （２）調整板の係止面に対する側壁がコ字型あるいは対
向状に形成されている実施例の場合には耐久性に富む。
また側壁がストライクボックス１０の内面に当接案内さ
れるので、調整ねじを回転した際にスムースに進退動す
る。 （３）簡単な操作で「チリ」を微調整することができ
る。 （４）調整ねじがストライクボックスの軸孔及びフロン
ト板のフロント軸孔に回動可能に横設軸架されている実
施例の場合は、調整ねじが上下方向に移動しないように
安定的に支持される。

【図面の簡単な説明】

図１ないし図６は本発明の実施の形態を説明するための
各説明図。図７及び図８は本発明の第１実施例の各説明
図。図９は本発明の第２実施例を示す概略断面説明図。
図１０及び図１１は本発明の第３実施例を示す各説明
図。

【図１】第１実施例を用いた実施の形態を説明するため
の説明図。

【図２】実施の形態を説明するための図１の拡大説明
図。

【図３】実施の形態を説明するための正面図。

【図４】実施の形態を説明するための全体の分解図。

【図５】実施の形態を説明するための要部の分解図。

【図６】実施の形態を説明するための説明図（調整板を
調整した場合）。

【図７】本発明の第１実施例の斜視図。

【図８】図７に於ける８−８線断面図。

【図９】本発明の第２実施例の概略断面図。

【図１０】本発明の第３実施例の概略断面図。

【図１１】第３実施例の要部の斜視図。

【符号の説明】

１…受け装置、２…枠、３…凹所、４…錠ケース、５…
引戸、７…鎌片、１０…ストライクボックス、１１…開
口、１２…空間部、１４…固着具、１６…軸孔、２０…
フロント板、２１…フロント開口、２２…支持孔、２３
…フロント軸孔、３０…調整ねじ、３０ａ…後端部、３
０ｂ…先端部、４０…調整板、４１…メネジ部材、４２
…開口、４０ａ…係止面、４０ｂ…側壁。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前壁に開口を有するストライクボックス
   と、このストライクボックスに回動可能に横設された調
   整ねじと、この調整ねじに螺合するメネジ部材に縦方向
   に固着され、かつ、ストライクボックス内に完全挿入さ
   れた鎌片を係止する調整板とから成る引戸調整用受け装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１に於て、メネジ部材は調整板の
   一端部に形成されたメネジ部であることを特徴とする引
   戸調整用受け装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に於いて、ストラ
   イクボックスには、調整板を覆うフロント板が固着具を
   介して固定的に接合し、調整ねじはこのフロント板のフ
   ロント軸孔とストライクボックスの後壁の軸孔に軸架さ
   れていることを特徴とする引戸調整用受け装置。