JPH09316238A - 有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩を含有するゴム配合用組成物 - Google Patents

有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩を含有するゴム配合用組成物

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JPH09316238A
JPH09316238A JP16239196A JP16239196A JPH09316238A JP H09316238 A JPH09316238 A JP H09316238A JP 16239196 A JP16239196 A JP 16239196A JP 16239196 A JP16239196 A JP 16239196A JP H09316238 A JPH09316238 A JP H09316238A
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rubber
organic
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salt
phosphonium salt
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JP16239196A
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English (en)
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Tsuyoshi Konno
剛志 昆野
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムに添加混練するとき、均一混練が容易
で、作業性のよい有機ホスホニウム塩または有機アンモ
ニウム塩含有ゴム配合用組成物を提供する。 【解決手段】 有機ホスホニウム塩または有機アンモニ
ウム塩と、ホワイトカーボン、カーボンブラックその他
のゴム用充填剤とからなるゴム配合用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ホスホニウム
塩または有機アンモニウム塩を含有するゴム配合用組成
物に関する。さらに詳しくは、本発明は、加硫促進剤、
加硫接着性向上剤などのゴム用配合剤として有用な有機
ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩とゴム用充填
剤を含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機ホスホニウム塩または有機アンモニ
ウム塩は加硫促進剤、加硫接着性向上剤として加硫性ゴ
ムに配合することが知られている。例えば、特開昭61
−26620号公報、同61−26621号公報および
同61−235424号公報には、エポキシ基を含有す
るアクリルゴムまたはその他のゴムに加硫促進剤として
第四級ホスホニウム塩または第四級アンモニウム塩を配
合することによって加硫性ゴムの早期加硫に対する加工
安定性と貯蔵安定性が向上し、機械特性が良く、圧縮永
久歪の小さい加硫物が得られることが教示されている。
特開昭62−46641号公報および同62−4664
2号公報には、フッ素ゴムにポリオール加硫剤とともに
有機ホスホニウム塩または第四級アンモニウム塩を加硫
促進剤として配合することが記載され、さらに、これら
の公開公報にはフッ素ゴム層とニトリルゴム層とからな
る積層体を製造するに際し、ニトリルゴム層中に有機ホ
スホニウム塩または第四級アンモニウム塩を配合するこ
とによって両ゴム層の加硫接着性を向上することが教示
されている。
【0003】特開昭63−252736号公報、特開平
1−110141号公報および同1−133734号公
報には、それぞれ、フッ素ゴム層とニトリルゴム層、水
素化ニトリルゴム層またはエピクロルヒドリンゴム層と
の積層体を製造するに際し、ニトリルゴム層、水素化ニ
トリルゴム層またはエピクロルヒドリンゴム層中に有機
ホスホニウムベンゾトリアゾレート塩を配合することに
よって両ゴム層の加硫接着性を向上することが記載され
ている。
【0004】しかしながら、ゴム用薬品としてゴムに配
合される有機ホスホニウム塩および有機アンモニウム塩
は吸湿性の高い化合物が多く、粉末状態を保持すること
が困難で、装置の壁面にベタベタ付着し易く、また、ゴ
ムと混練したときに表面に浮き易く、均一に混練するの
が困難で混練時間が長くなる。また、液状の有機ホスホ
ニウム塩の場合も混練時間が長くなるとともに、ロール
などの混練機の壁面に付着し易く、作業性を低下させ
る。
【0005】
【発明が解決する課題】本発明の目的は、装置の壁面に
付着することがなく、ゴムとの均一混練が容易で、作業
性のよい有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩
を含有するゴム配合用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ニトリルゴ
ムに有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩を配
合するに際し、これらの配合剤を予めシリカと混合した
組成物は取扱性および作業性がよく、ゴムとの混練時間
を大巾に短縮できるとの知見を得、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0007】かくして、本発明によれば、下記一般式
(1)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Mはリン原子または窒素原子を表
わし、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ置換基を有し
ていてもよい炭素数の総数が1〜25の炭化水素基であ
り(但し、これらR1〜R4のうち3個まではアミノ基で
もよく、また、これらR1〜R4のうち2つまたは3つが
Mとともに3〜20員環複素環構造を形成してもよ
い)、Xはアニオンである。)で表わされる有機ホスホ
ニウム塩または有機アンモニウム塩20〜80重量%と
ゴム用充填剤80〜20重量%からなることを特徴とす
る有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩を含有
するゴム配合用組成物が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用される有機ホスホニ
ウム塩および有機アンモニウム塩を表わす一般式(1)
において、R1、R2、R3およびR4は置換基を有してい
てもよい炭素数1〜25の炭化水素基である。但し、こ
れらR1〜R4のうち3個までは置換基を有していてもよ
いアミノ基でもよく、また、これらR1〜R4のうち2つ
または3つがMとともに3〜20員環複素環構造を形成
してもよい。
【0011】R1〜R4は同一であっても、互に相違して
もよく、その具体例としては、メチル、エチル、ブチ
ル、エチルヘキシル、ドデシルなどのアルキル基;トリ
フルオロメチル、テトラフルオロプロピル、オクタフル
オロペンチルなどのフルオロアルキル基;シクロヘキシ
ルなどのシクロアルキル基;ベンジル、メチルベンジル
などのアラルキル基;フェニル、ナフチル、ブチルフェ
ニルなどのアリール基または置換アリール基などが挙げ
られる。置換基を有していてもよいアミノ基としては、
アミノ基およびアルキルアミノ基が挙げられる。アルキ
ルアミノ基の具体例としては、メチルアミノ、エチルア
ミノ、アニリノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど
が挙げられる。
【0012】一般式(1)中のXは、酸性の水素がハロ
ゲンまたは酸素に結合している酸から誘導されるアニオ
ン、または、次式(2)で表わされるベンゾトリアゾレ
ートアニオンである。酸から誘導されるアニオンの具体
例としては、Cl、Br、I、HSO4、H2PO4、R6
COO、R6OSO3、R6SO、R6OPO3H(R6はR
1〜R4と同じ前記の炭化水素基から選ばれる)などが挙
げられる。一般式(1)で表わされる化合物が有機ホス
ホニウム塩であるときは式(2)で表わされるベンゾト
リアゾレートアニオンが好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】(式(2)中のR5は水素または炭素数1
〜25のアルキル基である。) 式(1)で表わされる有機ホスホニウム塩の例として
は、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、ト
リフェニルベンジルホスホニウムブロマイド、トリフェ
ニルベンジルホスホニウムアイオダイド、トリフェニル
メトキシメチルホスホニウムクロライド、トリエチルベ
ンジルホスホニウムクロライド、トリシクロヘキシルベ
ンジルホスホニウムクロライド、トリノルマルオクチル
メチルホスホニウムジメチルホスフェート、トリオクチ
ルメチルホスホニウムアセテート、テトラメチルホスホ
ニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライ
ド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラノ
ルマルブチルホスホニウムクロライド、トリノルマルブ
チルヘキサデシルホスホニウムクロライド、トリノルマ
ルブチルベンジルホスホニウムクロライド、トリノルマ
ルオクチルエチルホスホニウムクロライド、テトラメチ
ルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウム
ブロマイド、テトラプロピルホスホニウムブロマイド、
テトラノルマルブチルホスホニウムブロマイド、トリノ
ルマルブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、ト
リノルマルブチルベンジルホスホニウムブロマイド、ト
リノルマルオクチルエチルホスホニウムブロマイドなど
が挙げられる。
【0015】式(1)中のXとして式(2)で表わされ
るベンゾトリアゾレートアニオンを有する好ましい有機
ホスホニウム塩の具体例としては、テトラブチルホスホ
ニウムベンゾトリアゾレート、テトラオクチルホスホニ
ウムベンゾトリアゾレート、メチルトリオクチルホスホ
ニウムベンゾトリアゾレート、ブチルトリオクチルホス
ホニウムベンゾトリアゾレート、フェニルトリブチルホ
スホニウムベンゾトリアゾレート、ベンジルトリブチル
ホスホニウムベンゾトリアゾレート、ベンジルトリシク
ロヘキシルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ベンジ
ルトリオクチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ブ
チルトリフェニルホスホニウムベンゾトリアゾレート、
オクチルトリフェニルホスホニウムベンゾトリアゾレー
ト、ベンジルトリフェニルホスホニウムベンゾトリアゾ
レート、テトラフェニルホスホニウムベンゾトリアゾレ
ート、ジフェニルジ(ジエチルアミノ)ホスホニウムベ
ンゾトリアゾレート、フェニルベンジルジ(ジメチルア
ミノ)ホスホニウムベンゾトリアゾレート、フェニルベ
ンジルジ(ジエチルアミノ)ホスホニウムベンゾトリア
ゾレート、トリフルオロメチルベンジルホスホニウムベ
ンゾトリアゾレート、テトラフルオロプロピルトリオク
チルホスホニウムベンゾトリアゾレート、ホスホニウム
トリルトリアゾレートなどのベンゾトリアゾレート化合
物が挙げられる。なかでも、テトラブチルホスホニウム
ベンゾトリアゾレートが特に好ましい。
【0016】式(1)で表わされる有機アンモニウム塩
の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラプロ
ピルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルア
ンモニウムクロライド、トリノルマルブチルヘキサデシ
ルアンモニウムクロライド、トリノルマルブチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリノルマルオクチルエチ
ルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルア
ンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロ
マイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ
プロピルアンモニウムブロマイド、テトラノルマルブチ
ルアンモニウムブロマイド、トリノルマルブチルヘキサ
デシルアンモニウムブロマイド、トリノルマルブチルベ
ンジルアンモニウムブロマイド、トリノルマルオクチル
エチルアンモニウムブロマイド、ノルマルドデシルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、メチルセチルジベンジ
ルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルエチルアン
モニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニ
ムブロマイド、セチルピリジウムクロライド、セチルピ
リジウムブロマイド、1,8−ジアザ−ピシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7−メチルアンモニウムメトサル
フェート、1,8−ジアザ−ピシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7−ベンジルアンモニウムクロライド、セチ
ルトリメチルアンモニウムアルキルフェノキシポリ(エ
チレンオキシ)エチルホスフェート、セチルピリジウム
サルフェート、テトラエチルアンモニウムアセテート、
トリメチルベンジルアンモニウムベンゾエート、トリメ
チルベンジルアンモニウムパラトルエンスルホネート、
トリメチルベンジルアンモニウムポレートなどが挙げら
れる。
【0017】一般式(1)で表わされる有機ホスホニウ
ム塩または有機アンモニウム塩と組合せ用いられるゴム
用充填剤は格別限定されることはなく、一般に、ゴムの
強度特性の向上、加工性の改良または特殊用途向きに物
性を改良する目的でゴムに配合することが知られたもの
が用いられる。適切な充填剤は、本発明の組成物を加え
るべきゴムの種類および加硫ゴムの特性に応じて適宜選
べばよい。
【0018】充填剤の例としては、カーボンブラック、
ホワイトカーボン、タルク、カオリン、炭酸カルシウ
ム、けいそう土、パーライト(真珠岩)、ベントナイト
(コロイダルクレー)、マイカ、セリサイト(絹雲
母)、ガラスフレーク、黒鉛、亜鉛華、四フッ化樹脂、
フッ化黒鉛、二酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウ
ム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、ホウ酸亜鉛、メ
タホウ酸バリウム、含水ホウ酸カルシウム、二硫化タン
グステン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア、
アルミナ、マグネシア、チタニア、ロックウール、ウオ
ラストナイト、ゾノトライト、セビオライト、ドーソナ
イト、ハイドロタルサイト、ウィスカー、チタン酸カル
シウム、酸化鉄、レア・アース、メタルパウダー、バリ
ウムフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン
酸鉛、ガラスビーズ、カーボンビーズ、エポキシ樹脂ビ
ーズ、フェノール樹脂ビーズ、シリカバルーン、パーラ
イトバルーン、フライアッシュバルーン、シラスバルー
ン、炭素バルーン、フェノール樹脂バルーン、木粉、や
し穀粉およびパルプ粉などが挙げられる。これらの中で
もカーボンブラックおよびホワイトカーボンが好まし
く、ホワイトカーボンが最も好ましい。
【0019】有機ホスホニウム塩または有機アンモニウ
ム塩と充填剤との配合割合は20/80〜80/20、
好ましくは30/70〜70/30(重量比)である。
有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩の量が過
大であるとゴムとの混練が容易でなくなり、作業性が低
下し、また装置壁面に付着し易い。逆に、有機ホスホニ
ウム塩または有機アンモニウム塩の量が過少であるとゴ
ムに配合すべき組成物の相対的量が多くなるので工業的
に有利ではなく、また、多量の充填剤を配合することに
なるので得られる加硫ゴムの用途が制約される。
【0020】有機ホスホニウム塩または有機アンモニウ
ム塩と充填剤とからなる組成物を調製するには、一般に
用いられる混合機が使用される。混合機としては、例え
ば、リボンブレンダ、高速ミキサ、攪拌翼形混合機など
の容器固定形混合機、例えばダンブルミキサ、ボールミ
ルなどの容器回転形混合機、および静的連続混合機など
が挙げられる。これらの中では特に高速ミキサが好まし
い。目的とする組成物は、槽内にゴム充填剤および予め
加温しておいた有機ホスホニウム塩または有機アンモニ
ウム塩を投入し、混合することによって容易に得られ
る。
【0021】本発明の有機ホスホニウム塩または有機ア
ンモニウム塩を含有する組成物は、一般に、粉末状、シ
ート状またはペレット状などの形態でゴム配合剤のマス
ターバッチとして用いられる。中でも粉末が最も簡便で
好ましい。本発明の組成物は、フッ素ゴムのポリオール
加硫系の加硫系の加硫促進剤、エポキシ基含有アクリレ
ート共重合体ゴム、エポキシ基含有エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム、エポキシ基含有ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体ゴムなどのカルボキシル基含有化合物
加硫系の加硫促進剤として、さらに、フッ素ゴム層と、
不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体層、水素化不飽
和ニトリル−共役ジエン系共重合体層またはエピクロル
ヒドリンゴム層との積層体の製造時に不飽和ニトリル−
共役ジエン系共重合体層、水素化不飽和ニトリル−共役
ジエン系共重合体層またはエピクロルヒドリンゴム層中
にフッ素ゴム層との加硫接着性向上剤として配合するの
に有利に用いられる。
【0022】加硫性ゴムに対する本発明のマスターバッ
チ組成物の配合量は、有機ホスホニウム塩または有機ア
ンモニウム塩をベースとして従来から用いられている量
と同様でよく、一般に、加硫性ゴム100重量部あたり
有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩として
0.5〜10重量部の範囲で適宜選ばれる。加硫性ゴム
への本発明組成物の配合は、ゴムの混練に際し、他の配
合剤と同様に行うことができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例について本発明の
組成物を具体的に説明する。実施例1〜3および比較例1 表1に示す配合組成に従って有機ホスホニウム塩(テト
ラブチルベンゾトリアゾレート)とホワイトカーボン
(湿式法シリカ(塩野義製薬社製、カープレックス#6
7))またはカーボンブラックFEFとをヘンシェルミ
キサーを用いて混合し、四種の有機ホスホニウム塩含有
組成物(P1〜P4)を調製した。(P1は比較品)。
【0024】
【表1】
【0025】表2に示す配合組成に従って、有機ホスホ
ニウム塩含有組成物P1〜P4のそれぞれを用いて加硫
性ニトリルゴム組成物を調製した。使用したニトリルゴ
ムはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR、
日本ゼオン社製ニポール1042、結合ニトリル量3
3.5重量%)である。表2に示す有機ホスホニウム塩
含有組成物(P1〜P4)以外の成分をバンバリーミキ
サーにて混合し、得られた混合物を6インチオープンロ
ールで混練し、さらに有機ホスホニウム塩含有組成物を
加え混練を続けた。混練は50℃で行った。
【0026】有機ホスホニウム塩含有組成物を加えた時
から混練物が均一になるまでの時間(単位:分)を測定
した。均一混練物の生成は目視で判定した。均一混練物
の加硫速度を調べるため、145℃に保持したときムー
ニー粘度が最低粘度からムーニー粘度単位で5ポイント
上昇するのに要した時間(ムーニースコーチt5;単
位:分)を測定した。
【0027】また、均一混練物は約2mmの均一な厚さ
を有するシートとし、160℃で30分間加硫した後、
その物性を測定した。すなわち、JIS−K6301に
従って、3号形ダンベルを用いて打抜いて試験片を作成
し、引張強さ(単位:kgf/cm2)、伸び(単位:
%)および100%引張応力(kgf/cm2)を測定
した。硬さはJISスプリング式A形硬さ試験機を用い
て測定した。
【0028】均一混練物から作成した約2mm厚のシー
トを6cm×10cmの長方形に切出し、積層体調製用
サンプルとした。一方、表4に示す配合組成に従って、
フッ素ゴム(モンテフルオス社製3元FKM、テクノフ
ロンTX348E)を用い、6インチオープンロールで
混練し、シート出しを行って、約2mm厚のフッ素ゴム
組成物シートを作成した。フッ素ゴムシートを6cm×
10cmの長方形に切出し、積層体調製用サンプルとし
た。
【0029】
【表4】
【0030】ニトリルゴム切断シートとフッ素ゴム切断
シートを重ね合わせ、プレス圧40kg/cm2で16
0℃×30分間加硫接着することによりゴム積層体を調
製した。積層体はJIS−K6301に従って層間剥離
試験に供した。なお、剥離試験時にはチャックで掴む部
分に予め両シートが接着しないようにした。剥離試験は
引張速度50mm/分で行い、密着強度(単位:kgf
/cm)を測定し、また破損状態を目視観察した。各特
性の測定結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例4〜6および比較例2 実施例1〜3および比較例1において調製した有機ホス
ホニウム塩含有組成物(P1〜P4)を用いて、表3に
示す配合組成に従って加硫性エピクロルヒドリンゴム組
成物を調製した。使用ゴムはエピクロルヒドリン−エチ
レンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体(日
本ゼオン社製ゼクロン3102)である。実施例1〜3
および比較例1と同様に、加硫性エピクロルヒドリンゴ
ム組成物およびその加硫物の特性、さらにフッ素ゴム組
成物との積層体の特性を評価した。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表2および表3に示されるように、有機ホ
スホニウム塩をシリカ充填剤との組成物の形態で加えて
加硫性ゴム組成物を調製する場合(実施例1〜6)に
は、有機ホスホニウム塩を単独でそのまま加えて加硫性
ゴム組成物を調製する場合(比較例1、2)と比較し
て、混練時間が大巾に短縮でき、しかも、混練物の加硫
物性およびフッ素ゴムとの積層体の接着性も良好であ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の有機ホスホニウム塩または有機
アンモニウム塩とゴム用充填剤を含有する組成物を添加
して、加硫性ゴム組成物を調製する場合は、有機ホスホ
ニウム塩または有機アンモニウム塩をそのまま添加して
加硫性ゴム組成物を調製する場合と比較して、混練時間
を大巾に短縮できる。このように混練時間の短縮は加工
費の低減および最終ゴム製品のコスト低下をもたらす。
しかも、混練生成物の加硫特性は比較品と比べてなんら
遜色がなく、むしろ、混練時の損失が少なくなることに
基づき物性の安定化が達成される。
【0036】本発明の有機ホスホニウム塩または有機ア
ンモニウム塩含有組成物を用いれば、実施例に示したよ
うに、フッ素ゴム層とニトリル系ゴム層またはヒドリン
系ゴム層とが強固に接着された積層体を工業的有利に得
ることができる。従って、フッ素ゴムの優れた耐ガソリ
ン性、特に耐サワーガソリン性を活かしたホース、ダイ
ヤフラムなどの製品を低コストで製造することができ
る。
【0037】(発明の好ましい実施態様)本発明の有機
ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩含有ゴム配合
用組成物、すなわち、下記一般式(1)
【0038】
【化4】
【0039】(式中、Mはリン原子または窒素原子を表
わし、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ置換基を有し
ていてもよい炭素数の総数が1〜25の炭化水素基であ
り(但し、これらR1〜R4のうち3個までは置換基を有
していてもよいアミノ基でもよく、また、これらR1
4のうち2つまたは3つがMとともに3〜20員環複
素環構造を形成してもよい)、Xはアニオンである。)
で表わされる有機ホスホニウム塩または有機アンモニウ
ム塩20〜80重量%とゴム用充填剤80〜20重量%
からなることを特徴とする有機ホスホニウム塩または有
機アンモニウム塩を含有するゴム配合用組成物の好まし
い実施態様をまとめると以下のとおりである。
【0040】(1)一般式(1)で表わされる化合物が
有機ホスホニウム塩であって、そのアニオンX-が下記
式(2)で表わされるベンゾトリアゾレートアニオンで
ある。
【0041】
【化5】
【0042】式(2)中のR5は水素または炭素数1〜
25のアルキルである。 (2)ゴム用充填剤がカーボンブラックまたはホワイト
カーボン、より好ましくはホワイトカーボンである。 (3)有機ホスホニウム塩または有機アンモニウム塩と
ゴム用配合剤との割合が30/70〜70/30(重量
比)である。
【0043】(4)フッ素ゴムのポリオール加硫系の加
硫促進剤またはエポキシ基含有エラストマーのカルボキ
シル加硫系の加硫促進剤として用いられる。 (5)フッ素ゴム層と、不飽和ニトリル−共役ジエン系
共重合体層、水素化不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合体層またはエピクロルヒドリンゴム層とからなる積層
体の製造時に、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体
層、水素化不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体層ま
たはエピクロルヒドリンゴム層中に加硫接着性向上剤と
して配合される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Mはリン原子または窒素原子を表わし、R1
    2、R3およびR4はそれぞれ置換基を有していてもよ
    い炭素数の総数が1〜25の炭化水素基であり(但し、
    これらR1〜R4のうち3個まではアミノ基でもよく、ま
    た、これらR1〜R4のうち2つまたは3つがMとともに
    3〜20員環複素環構造を形成してもよい)、Xはアニ
    オンである。)で表わされる有機ホスホニウム塩または
    有機アンモニウム塩20〜80重量%とゴム用充填剤8
    0〜20重量%からなることを特徴とする有機ホスホニ
    ウム塩または有機アンモニウム塩を含有するゴム配合用
    組成物。
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