JP2982788B2 - 燃料ホース - Google Patents

燃料ホース

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JP2982788B2
JP2982788B2 JP10125650A JP12565098A JP2982788B2 JP 2982788 B2 JP2982788 B2 JP 2982788B2 JP 10125650 A JP10125650 A JP 10125650A JP 12565098 A JP12565098 A JP 12565098A JP 2982788 B2 JP2982788 B2 JP 2982788B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料ホースに関し、
更に詳しくは、自動車の燃料タンク周辺等において燃料
配管に用いる燃料ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる燃料ホースとして、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)によって耐ガソ
リン性,耐ガソリン透過性を、ポリ塩化ビニル(PV
C)によって耐オゾン性等の耐候性を図ったNBR・P
VCのブレンド材料からなる単層ホースが良く知られて
いる。
【0003】しかし、ガソリン透過に対する近年の厳し
い規制に対しては、上記の単層ホースのみでは不十分で
ある。耐ガソリン性や耐ガソリン透過性の高いフッ素ゴ
ム(FKM)の使用も提案されているが、FKMは高価
である。
【0004】そこで、FKMを内層のみに使用し、外層
に安価で耐ガソリン性,耐ガソリン透過性及び耐オゾン
性の良いNBR・PVCを用いた燃料ホースが最適であ
ると考えられる。但しこの場合、内−外層間を、プロセ
ス的に簡易な加硫接着によって、かつ、内−外層間の剥
離を十分に防止できる程度に強固に接着することが求め
られ、その加硫接着処方が問題となる。
【0005】特公昭60−3363号公報には、内層
がFKM、外層がエピクロルヒドリンゴム(ECO)で
ある場合に、カルボン酸の1,8−ジアザビシクロ−
(5,4,0)−ウンデセン−7塩を配合して、加硫接
着を強化する技術が記載されている。
【0006】一方、特公昭60−3362号公報に
は、FKMとNBRの接着につき、FKMもしくはNB
Rにカルボン酸の1,8−ジアザビシクロ−(5,4,
0)−ウンデセン−7塩を配合すると共に、NBRに塩
基性シリカ系充填材及びエポキシ化合物を配合すること
が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭60−33633号公報はFKM/ECOの、上記
特公昭60−33632号公報はFKM/NBRの、そ
れぞれ接着処方を示すに止まり、FKM/NBR・PV
Cの望ましい加硫接着処方は示唆されていない。しかも
FKMは元々他のゴム材料との接着性が悪い上に、NB
RにPVCを配合することによってFKMとの接着力確
保は一層困難となる事情があるため、上記従来技術の加
硫接着処方は余り参考にならない。
【0008】そこで本発明は、FKM/NBR・PVC
の望ましい加硫接着処方を具体的に解明し、これによっ
て、内層のFKMと外層のNBR・PVCブレンド材が
強固に接着された燃料ホースを実現することを、解決す
べき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、フッ素ゴムを用いた内層と、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレン
ド材を用い、前記内層に加硫接着された外層とを含む燃
料ホースであって、前記ブレンド材中のポリ塩化ビニル
の配合量がブレンド材100重量部中の15〜45重量
部であり、かつ、前記ブレンド材中のアクリロニトリル
−ブタジエンゴムにおける結合アクリロニトリル含有量
が28〜42重量%であり、かつ、前記ブレンド材及び
/又はフッ素ゴムには、下記の「化3」に示すカルボン
酸の1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデ
セン−7塩が配合されていることを特徴とする燃料ホー
スである。
【0010】
【化3】 (「化3」において、Rは鎖状構造,環状構造又はその
両者の構造を併せ持つ飽和又は不飽和の炭化水素基、あ
るいはこれらの誘導体基であって、その構造中に炭素原
子又は水素原子以外の原子を含むことがある。なお、以
下において「化3」に示す化合物を単に「カルボン酸の
DBU塩」とも言う。)。
【0011】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明におけるカルボン酸の1,8−ジアザビシ
クロ−(5,4,0)−ウンデセン−7塩の配合量が、
前記ブレンド材及び/又はフッ素ゴム100重量部に対
して0.1〜4重量部である、燃料ホースである。
【0012】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明のフッ素ゴムには、ポリオー
ル加硫配合材及び有機過酸化物及び多官能性不飽和化合
物が配合されている、燃料ホースである。
【0013】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明のいずれかにおけるブレンド材
には、該ブレンド材100重量部に対して30重量部以
下の可塑剤が配合され、かつ、その可塑剤のうちの少な
くとも1種が下記の「化4」に示すエーテルエステル系
可塑剤である、燃料ホースである。
【0014】
【化4】 (「化4」において、Rはアルキル基、R’はアルキレ
ン基を示す。)。
【0015】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明のいずれかにおけるブレンド材
には、金属酸化物及びエポキシ樹脂が配合されている、
燃料ホースである。
【0016】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明において、ブレンド材中のPVCの配合量がブレンド
材100重量部中の15重量部以上であるため、燃料ホ
ース外層の耐オゾン性が確保され、しかも45重量部以
下であるため、ブレンド材のFKMに対する粘着力も良
好である。又、ブレンド材中のNBRにおける結合アク
リロニトリル含有量が28〜42重量%と言う適正な極
性量の範囲に調節されているので、内層のFKMと外層
のNBR・PVCブレンド材が強固に接着される。又、
ブレンド材及び/又はFKMにはカルボン酸のDBU塩
が配合されているので、ブレンド材とFKMとが強く加
硫接着される。
【0017】そして、上記の各作用・効果が相乗して、
内層のFKMと外層のNBR・PVCブレンド材が強固
に接着された、内−外層間の剥離しない燃料ホースが実
現される。
【0018】第1発明の燃料ホースが内層のみにFKM
を用いるために比較的安価であり、しかも高い耐ガソリ
ン性や耐ガソリン透過性を示すことは言うまでもない。
【0019】(第2発明の作用・効果)第2発明に示す
カルボン酸のDBU塩の配合量において、ブレンド材と
FKMとの加硫接着が最も強力に行われる。
【0020】(第3発明の作用・効果)第3発明におい
ては、過酸化物加硫配合材である有機過酸化物及び多官
能性不飽和化合物に加え、ポリオール加硫配合材をFK
Mに配合するので、ブレンド材とFKMの接着性が更に
改良される。
【0021】(第4発明の作用・効果)第4発明におい
ては、ブレンド材100重量部に対して30重量部以下
の可塑剤を配合し、かつ、可塑剤の少なくとも1種とし
て前記「化4」のエーテルエステル系可塑剤を用いるの
で、ブレンド材とFKMの接着性が更に改良される。
【0022】(第5発明の作用・効果)第5発明におい
ては、ブレンド材に金属酸化物及びエポキシ樹脂を併用
して配合するので、ブレンド材とFKMとが更に強固に
接着する。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第5発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第5発明を一括して指してい
る。
【0024】〔燃料ホース〕本発明の燃料ホースは、主
として自動車の燃料タンク周辺において燃料配管に用い
るものを指すが、自動車以外において用いられるものも
含む。又、FKMを用いた内層とNBR・PVCのブレ
ンド材を用いた外層とからなるタイプの燃料ホースの
他、上記内層と外層とが内管を構成し、その外側に更に
適宜な材料からなる外管が構成されるタイプの燃料ホー
スも含まれる。
【0025】〔FKM〕FKMとしては、この種の用途
に用いられるものを限定なく任意に選択できるが、例え
ば、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体,
フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−4フッ化エチ
レン三元共重合体等が好ましく、特に後者は耐ガソリン
性が優れている。
【0026】FKMには、ポリオール加硫配合剤を、又
は、該ポリオール加硫配合剤に加えて過酸化物加硫配合
材である有機過酸化物及び多官能性不飽和化合物を、配
合することができる。ポリオール加硫配合剤を含まな
い、過酸化物加硫配合材のみの配合では、相対的に接着
性が悪い。
【0027】前記ポリオール加硫配合剤は、(イ)架橋
剤としてのポリヒドロキシ芳香族化合物と、(ロ)加硫
促進剤としてのアンモニウム塩,ホスホニウム塩又はイ
ミニウム塩の中から選ばれた少なくとも1種と、(ハ)
受酸剤としての2価の金属酸化物又は2価の金属水酸化
物の中から選ばれた少なくとも1種と、からなるもので
ある。
【0028】前記ポリヒドロキシ芳香族化合物として
は、例えばヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン
(ビスフェノールAF)、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン等の1種又は2種以上を、FKM100重量
部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは0.6
〜5重量部用いることができる。
【0029】前記アンモニウム塩,ホスホニウム塩又は
イミニウム塩としては、例えばテトラメチルアンモニウ
ムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テト
ラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモ
ニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、
ビス(ベンジルフェニルホスフィン)イミニウムクロリ
ド、テトラブチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリ
フェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリオクチル
ホスホニウムクロリド等の1種又は2種以上を、FKM
100重量部に対して0.05〜5重量部、より好まし
くは0.1〜3重量部用いることができる。
【0030】前記2価の金属酸化物又は2価の金属水酸
化物としては、例えばMg,Ca,Zn,Pb等の酸化物や水酸
化物の1種又は2種以上を、FKM100重量部に対し
て1〜30重量部、より好ましくは2〜10重量部用い
ることができる。又、必要に応じ加硫促進剤の効果を上
げるために、ジメチルスルホンやジクロロジフェニルス
ルホン等のスルホン化合物に代表される種々の加硫促進
活性剤を添加することもできる。
【0031】前記有機過酸化物としては、特に限定はな
いが、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が好適
であり、これらの1種又は2種以上を、活性酸素量や分
解温度等を考慮して、FKM100重量部に対して0.
05〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部用い
ることができる。
【0032】前記多官能性不飽和化合物は、架橋反応を
更に効果的に進行させるために用いるもので、その種類
に限定はないが、例えばトリアリルイソシアヌレート、
トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジンや、とりわ
けトリアリルシアヌレートが好適であり、これらの1種
又は2種以上を、FKM100重量部に対して0.01
〜10重量部、より好ましくは0.1〜3重量部用いる
ことができる。
【0033】本発明のFKMに配合される加硫配合剤と
しては、NBR・PVCとの良好な加硫接着性の観点か
ら、ポリオール加硫と過酸化物加硫との併用加硫系が、
より好ましい。
【0034】本発明のFKMには、必要に応じて各種の
添加剤、例えばカーボンブラック,シリカ,クレイ,タ
ルク等の補強剤、ワックス類,シリコーンゴムパウダー
等の加工助剤を添加することができる。
【0035】〔NBR・PVC〕ブレンド材NBR・P
VCを構成するNBR及びPVCとしては、この種の用
途に用いられるものを限定なく任意に選択してブレンド
することができる。
【0036】NBR・PVCのブレンド材中のPVCの
配合量は、ブレンド材100重量部中の15〜45重量
部であることが好ましい。これが15重量部未満である
と外層を構成するNBR・PVCの耐オゾン性が不十分
となり、45重量部を超えるとNBR・PVCの粘着力
が低くなることによって、内層を構成するFKMとの接
着力が低下する。
【0037】NBR・PVCのブレンド材中のNBRに
おける結合アクリロニトリル含有量は、28〜42重量
%であることが好ましい。これが28重量%未満である
とNBR・PVCの耐ガソリン性が不十分となり、42
重量%を超えるとNBR・PVCのFKMに対する接着
力が不足する。
【0038】内層を構成するFKMに対する外層NBR
・PVCの接着を更に強固にするために、NBR・PV
Cには金属酸化物,シリカ系充填材又はエポキシ樹脂の
少なくとも1種を配合することができる。特に接着性改
善のためには、金属酸化物とエポキシ樹脂の併用が好ま
しい。
【0039】上記金属酸化物としてはMgO,PbO,酸化
アルミニウム等を挙げることができるが、特にMgOが好
ましく、その配合量はNBR・PVC100重量部に対
して1〜20重量部が好ましい。
【0040】上記シリカ系充填材としては、酸性シリカ
(例えば、日本シリカ工業(株)製の商品名「ニプシー
ルVN3」、pHは約6)や塩基性シリカ(例えば、塩
野義製薬(株)製の商品名「カープレックス112
0」、pHは約11)を用いることができ、その配合量
はNBR・PVC100重量部に対して5〜50重量部
が好ましい。
【0041】上記エポキシ樹脂には、1分子中に2個以
上のエポキシ基を持つ熱可塑性樹脂も含まれるが、ビス
フェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって得
られるタイプのもの、例えばシェル化学製の商品名「エ
ピコート828」等が好ましく用いられ、その配合量は
NBR・PVC100重量部に対して有効量以上で15
重量部程度以下が好ましい。
【0042】NBR・PVCのブレンド材には可塑剤を
配合することができ、その配合量はNBR・PVC10
0重量部に対して有効量以上で30重量部程度以下が好
ましく、特に接着性のためには20重量部以下が好まし
い。可塑剤として特に好適なものは、前記「化4」に示
す、例えば旭電化(株)製の商品名「アデカサイザーR
S−107」等のエ−テル−エステル系可塑剤であり、
その他DOP等のフタル酸エステル系可塑剤も好ましく
用いることができる。
【0043】本発明のFKMには、公知の各種加硫剤,
加硫促進剤,老化防止剤,カーボンブラック等の充填剤
その他を任意に配合することができる。
【0044】〔カルボン酸のDBU塩〕カルボン酸のD
BU塩は、NBR・PVCのブレンド材及び/又はフッ
素ゴムに配合される。特にNBR・PVCのブレンド材
に配合することが好ましい。前記「化2」に示したカル
ボン酸のDBU塩におけるカルボン酸として代表的なも
のは、ナフトエ酸,2−ヒドロキシナフトエ酸,ソルビ
ン酸,2−エチルヘキシルナフトエ酸,没食子酸,p−
ヒドロキシ安息香酸,ケイ皮酸等であり、とりわけナフ
トエ酸やソルビン酸のDBU塩が好ましい。
【0045】カルボン酸のDBU塩の配合量は、これが
配合されるNBR・PVC及び/又はフッ素ゴム100
重量部に対して0.1〜4重量部、より好ましくは0.
5〜3重量部である。この配合量が過少であるとFKM
とNBR・PVCの層間加硫接着を十分に強化できず、
配合量が過多であると接着力が十分である反面耐オゾン
性、耐寒性の低下を来す。
【0046】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0047】(試験片による剥離試験)FKMとNBR
・PVCとを加硫接着した試験片の剥離試験を行った。
【0048】まず、FKMを末尾の表1中のA,B,C
の配合処方に従ってオープンロールによって混練りし
た。表1中、「FKM−1」とはフッ化ビニリデン−6
フッ化プロピレン−4フッ化エチレン三元共重合体であ
って、フッ素含有量69wt%、ポリオール加硫剤含有タ
イプで、過酸化物との併用加硫も可能なものを指す。
又、「FKM−2」とはフッ化ビニリデン−6フッ化プ
ロピレン−4フッ化エチレン三元共重合体であって、フ
ッ素含有量69wt%、過酸化物加硫タイプのものを、
「TAIC」とはトリアリルイソシアヌレートを、更
に、「パーヘキサ25B」とは日本油脂社製の有機過酸
化物〔2,5−ジメチル−2,6(第三ブチルペルオキ
シ)ヘキサン〕を、それぞれ指す。
【0049】又、NBR・PVCを末尾の表2中の丸付
き数字1〜12、表3中の丸付き数字13〜20の配合
処方に従ってバンバリーミキサー及びオープンロールに
よって混練りした。表2及び表3中、「NBR・PVC
−1」とはNBR/PVCの重量ブレンド比(以下、単
に「ブレンド比」と言う)が70/30で、NBRにお
ける結合アクリロニトリル含有量(以下、単に「含有
量」と言う)が35wt%のものを指す。
【0050】更に、「NBR・PVC−2」〜「NBR
・PVC−7」については順次、ブレンド比が70/3
0で含有量が29wt%のもの、ブレンド比が85/15
で含有量が29wt%のもの、ブレンド比が85/15で
含有量が41wt%のもの、ブレンド比が60/40で含
有量が41wt%のもの、ブレンド比が50/50で含有
量が35wt%のもの、及びブレンド比が70/30で含
有量が45wt%のものを指している。
【0051】「ニプシールVN3」,「カープレックス
1120」,「エピコート828」及び「アデカサイザ
ーRS−107」については前記の通りである。
【0052】上記のように混練りした未加硫状態の、前
記A〜Cに係るFKMの2mm厚のシートと、前記丸付
き数字1〜20に係るNBR・PVCの2mm厚のシー
トとを、末尾の表4中の実施例−1〜実施例−30、比
較例−1〜比較例−11のような組合わせを以て互いに
重ね、まず100°C、面圧20kgf/cm2で5分
間予備プレス成形した後、スチーム加硫缶にて160°
C/45分のスチーム加硫を行った。次いでこれを25
mm幅に切り、JIS K 6256に準じてT型剥離
試験を行った。
【0053】その試験結果を末尾の表4に示す。表4に
おいて、「接着状態」とはFKMシートとNBR・PV
Cシートとの接着状態の目視観察を意味し、両シートの
剥離面において全面がゴム破壊の状態にあるものを「ゴ
ム破壊」、全面が界面剥離の状態にあるものを「界面剥
離」、ゴム破壊の部分と界面剥離の部分とが共存するも
のを「部分ゴム破壊」と表記した。表4の結果から、次
の1)〜5)の事柄が理解される。
【0054】1)請求項1に記載した第1発明の加硫接
着処方に該当する例は、全て接着状態が「部分ゴム破
壊」ないし「ゴム破壊」の状態を呈し、従って良好な接
着状態であった。
【0055】しかし、比較例−6や比較例−10に見ら
れるように、NBR・PVC100重量部中のPVCの
配合量が45重量部を超えると、接着性が不十分とな
る。なお、データとしては示さないが、NBR・PVC
100重量部中のPVCの配合量が15重量部未満で
は、燃料ホースの外層材としてNBR・PVCの耐オゾ
ン性が不十分となる。
【0056】又、比較例−7や比較例−11に見られる
ように、ブレンド材NBR・PVC中のアクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムにおける結合アクリロニトリル含有
量が42重量%を超えると、接着性が不十分となる。な
お、データとしては示さないが、この結合アクリロニト
リル含有量が29重量%未満では、燃料ホースの外層材
としてNBR・PVCの耐燃料油性が不十分となる。
【0057】2)比較例−1〜比較例−3に見られるよ
うに、NBR・PVCシートとFKMシートのいずれに
もカルボン酸のDBU塩を配合しない場合、接着性が著
しく劣る。そして、比較例−9のように、カルボン酸の
DBU塩の配合量がNBR・PVC及び/又はFKMの
100重量部に対して4重量部を超えても良好な接着力
を得るが、この場合には後述の表5の比較例−12より
分かるように、燃料ホースの外層材としてNBR・PV
Cの耐オゾン性が不十分となる。
【0058】3)比較例−4に見られるように、FKM
にポリオール加硫配合剤が配合されていない場合(FK
Mの配合が表1の「C」の場合)には接着性が不十分で
あり、一方、実施例−16〜実施例−30に見られるよ
うに、FKMにポリオール加硫配合剤、有機過酸化物及
び多官能性不飽和化合物が配合されている場合は、ポリ
オール加硫配合剤のみが配合されている場合よりも強い
接着力が得られる。
【0059】4)実施例−6,8,9,21,23,2
4に見られるように、NBR・PVC100重量部に配
合する可塑剤の量は、接着性の面からは、30重量部以
下、とりわけ25重量部以下が好ましく、比較例5及び
比較例8に見られるように、この配合量が30重量部を
超えると接着性が不十分となる。又、実施例−6と実施
例−10、実施例−21と実施例−25の比較に見られ
るように、可塑剤としてエーテルエステル系のアデカサ
イザーRS−107を用いた場合の方が、フタル酸系の
DOPを用いた場合よりも強い接着力が得られる。
【0060】5)実施例−4と実施例−19に見られる
ようにNBR・PVCに金属酸化物及びエポキシ樹脂が
配合された場合、及び実施例−5,6,20,21に見
られるようにNBR・PVCにシリカ、特に塩基性シリ
カが配合された場合には、それぞれより強い接着力が得
られる。
【0061】(試験片による物性試験)NBR・PVC
の加硫試験片の常態物性試験及びオゾン劣化試験を行っ
た。
【0062】まず、NBR・PVCを前記表2中の丸付
き数字2〜12及び、表3中の丸付き数字13〜18の
配合処方に従ってバンバリーミキサー及びオープンロー
ルによって混練りし、実施例31〜実施例45及び比較
例12とした。
【0063】次いで、これらの混練りした未加硫状態の
2mm厚のシートを100°C、面圧20kgf/cm
2で5分間予備プレス成形した後、スチーム加硫缶にて
160°C/45分のスチーム加硫を行った。そしてこ
の加硫物についてJIS K6251に準じて常態物性
試験(TB,EB,HS)を行った。又、JISK 6
259に準じてオゾン劣化試験を行った。オゾン劣化試
験の条件は温度40°C、オゾン濃度50pphm、伸
長率20%とした。これらの試験結果を表5に示す。
【0064】表5の結果によれば、実施例31〜実施例
45は異常がなく、耐オゾン劣化性が良好であるが、比
較例12は「B−3」の評価にて耐オゾン劣化性が不十
分であり、燃料ホースの外層材として不適切である。
【0065】(ホースの作製とその試験)FKMの配合
物からなる内層と、NBR・PVCの配合物からなる外
層を有するホースを作製し、その性能評価を行った。
【0066】まず、前記表1中のA〜Cの配合処方に従
って、FKMをオープンロールによって混練りし、一
方、前記表2,表3中の各種配合処方に従って、NBR
・PVCをバンバリーミキサー及びオープンロールによ
って混練りし、これらを押出機によりFKMを内層、N
BR・PVCを外層として2層同時押出を行って、表6
の各実施例番号、比較例番号に示すホースとした。な
お、これらの実施例番号、比較例番号は、そのFKM層
とNBR・PVC層との組合せにより、前記表4に対応
した番号としている。
【0067】このように押出したホースは、内径が30
mm、内層の厚さが0.5mm、外層の厚さが3.5m
mである。これらの押出ホースについて、スチーム加硫
缶にて160°C/45分のスチーム加硫を行って加硫
ホースを得た。
【0068】上記加硫ホースの性能試験として、まず常
態時の内層と外層の剥離強度をJIS K 6256に
準じて測定した。又、長さ300mmのホースに市販の
レギュラーガソリンを封入し、両端を密栓して防爆式ギ
アオーブン中にて40°C/168時間の老化をさせた
後、同上の剥離強度の測定を行った。
【0069】更に、ホースのオゾン劣化試験をJIS
K 6330 4.2.5項のB法に準じて行った。オ
ゾン劣化試験の条件は温度40°C、オゾン濃度50p
phm、伸長率20%とした。
【0070】上記の各試験結果を表6に示す。表6中の
「※」は「ゴム切れ」を示す。表6の結果によれば、得
られた結果は前記表4の場合と同様なものであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴムを用いた内層と、アクリロニ
    トリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド
    材を用い、前記内層に加硫接着された外層とを含む燃料
    ホースであって、前記フッ素ゴムにはポリオール加硫配合剤が配合されて
    おり、 前記ブレンド材中のポリ塩化ビニルの配合量がブレンド
    材100重量部中の15〜45重量部であり、かつ、 前記ブレンド材中のアクリロニトリル−ブタジエンゴム
    における結合アクリロニトリル含有量が28〜42重量
    %であり、かつ、 前記ブレンド材及び/又はフッ素ゴムには、下記の「化
    1」に示すカルボン酸の1,8−ジアザビシクロ−
    (5,4,0)−ウンデセン−7塩が配合されているこ
    とを特徴とする燃料ホース。 【化1】 (「化1」において、Rは鎖状構造,環状構造又はその
    両者の構造を併せ持つ飽和又は不飽和の炭化水素基、あ
    るいはこれらの誘導体基であって、その構造中に炭素原
    子又は水素原子以外の原子を含むことがある。)
  2. 【請求項2】 フッ素ゴムを用いた内層と、アクリロニ
    トリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド
    材を用い、前記内層に加硫接着された外層とを含む燃料
    ホースであって、 前記ブレンド材中のポリ塩化ビニルの配合量がブレンド
    材100重量部中の15〜45重量部であり、かつ、 前記ブレンド材中のアクリロニトリル−ブタジエンゴム
    における結合アクリロニトリル含有量が28〜42重量
    %であり、かつ、 前記ブレンド材及び/又はフッ素ゴムには、請求項1に
    記載の「化1」に示すカルボン酸の1,8−ジアザビシ
    クロ−(5,4,0)−ウンデセン−7塩が、前記ブレ
    ンド材及び/又はフッ素ゴム100重量部に対して0.
    1〜4重量部配合されていることを特徴とする 燃料ホー
    ス。
  3. 【請求項3】 前記フッ素ゴムには、ポリオール加硫配
    合剤及び有機過酸化物及び多官能性不飽和化合物が配合
    されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のい
    ずれかに記載の燃料ホース。
  4. 【請求項4】 前記ブレンド材には、該ブレンド材10
    0重量部に対して30重量部以下の可塑剤が配合され、
    かつ、その可塑剤のうちの少なくとも1種が下記の「化
    2」に示すエーテルエステル系可塑剤であることを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃料ホー
    ス。 【化2】 (「化2」において、Rはアルキル基、R’はアルキレ
    ン基を示す。)
  5. 【請求項5】 前記ブレンド材には、金属酸化物及びエ
    ポキシ樹脂が配合されていることを特徴とする請求項1
    〜請求項4のいずれかに記載の燃料ホース。
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