JP3536747B2 - ゴム組成物及びホース - Google Patents
ゴム組成物及びホースInfo
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Description
スに関し、更に詳しくは、塩素化ポリエチレンゴム(C
PE)を基材としたゴム組成物であって特にその耐熱老
化性や耐ヘタリ性等を改善したものと、該ゴム組成物を
用いてなるホースに関する。本発明に係るゴム組成物及
びホースは、例えば自動車のパワーステアリングホース
に代表されるように、耐熱条件下での高圧、及び/又
は、繰り返し加圧に対してシール性や機械的疲労性等の
面で優れた耐久性が要求されるオイルホース用途に、特
に好適に用いられる。
スやその類似用途のホースには、耐油性や耐熱性等の要
求性能を考慮して、アクリロニトリル・ブタジエンゴム
(NBR)、水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム(H−NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム
(CSM)等をそれぞれ基材とするゴム組成物がしばし
ば用いられていた。
であるが、耐熱性と耐ヘタリ性(圧縮永久歪が小さいこ
と)において不満があった。H−NBRは性能面ではあ
る程度満足できるが、コストが高いと言う不満があっ
た。一方、含塩素系ゴム材料であるCSMにおいては、
鉛を含有しないタイプのCSMは耐熱性が不十分であ
り、鉛を含有するタイプのCSMは、コストや耐熱性も
含めて要求性能にある程度合致するものであるが、環境
への影響を配慮した時、含鉛タイプのCSM組成物は必
ずしも無条件に使用できるゴム組成物ではない。
高圧や繰り返し加圧に対して耐久的な実用性を示すオイ
ルホースを実現するためには、低コストの要求、環境面
への配慮、一般的な耐熱性や耐油性等に対応可能なこと
は勿論であるが、更に、高圧下においてパイプ接続部等
のシール面からのオイル漏れを防止するためには、耐ヘ
タリ性や高い弾性率(高モジュラス)が要求されるし、
繰り返し加圧下でのホース壁部の伸び,収縮,屈曲等に
よる特にカシメ部近傍でのホースの疲労破壊による亀裂
を防止するためには、上記高弾性率の反面で、厳しい耐
熱条件下における優れた屈曲耐久性(機械的疲労特性)
が要求される。
る優れた含塩素系ゴム材料として、元々ある程度の耐熱
性や耐ヘタリ性を示すCPEに着目し、この材料の特性
を改善する、と言う方向を考えた。
やこれを用いたホースに関しては、必ずしも高圧オイル
ホースやパワーステアリングホース等の用途を明記もし
くは予定したものではないが、例えば、特開平4−16
8137号公報,特開平4−171380号公報,特許
第2703049号公報等に開示されている。
特開平4−171380号公報には、CPEに対して所
定グレードのカーボンブラック(CB)と、このCBに
対して重量比で1/20〜1/5(即ち、CB配合量に
対して5〜20重量%)の可塑剤ジアリルフタレートと
を配合した塩素化ポリエチレンゴム組成物と、これを用
いたホースが開示されている。しかし本願発明者の研究
によれば、このようなゴム組成物をパワーステアリング
ホース等に用いると(とりわけ、高弾性率を目的として
CBを高充填する場合)、CBに対するジアリルフタレ
ートの相対的な配合量が少ないためにCBの分散性が悪
く、耐熱下の屈曲耐久性の不足からホースの亀裂を生じ
易いことが分かった。
は、塩素化エチレン系重合体に対して、所定グレードの
CBと、有機過酸化物と、ジアリル基含有可塑剤を含む
可塑剤5〜50phrとを配合したゴム混合物が開示さ
れている。しかし本願発明者の研究によれば、このよう
なゴム組成物をパワーステアリングホース等に用いる
と、適宜な受酸剤が配合されていないために耐熱条件下
における耐ヘタリ性が悪く、オイル漏れを生じ易いこ
と、基剤に対する可塑剤の配合量が50phr以下であ
るために(とりわけ高弾性率を目的としてCBを高充填
する場合)、耐熱下の屈曲耐久性の不足からホースの亀
裂を生じ易いことが分かった。
組成物であって、耐油性や低コスト性等の基本的要求を
満たすことを前提にして、優れた耐ヘタリ性,高弾性
率,厳しい耐熱条件下での優れた屈曲耐久性等を耐久的
に確保できるゴム組成物と、このゴム組成物を用いて同
様な特性を確保したホースとを提供することを、解決す
べき課題とする。
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、塩素化ポリエチレンゴムに対して、少
なくともカーボンブラック(CB),加硫剤,受酸剤及
び可塑剤を配合したゴム組成物であって、前記CBが2
0〜100phr、前記可塑剤が51〜90phr配合
されると共に、前記可塑剤の少なくとも一部を構成する
ジアリル基含有可塑剤の配合量が、前記CBの配合量に
対して25〜85重量%に相当する、ゴム組成物であ
る。
載の発明)の構成は、前記第1発明に係るCBが、その
窒素吸着比表面積が20〜75m /gであり、及びD
BP吸油量が60〜190ml/gのものである、ゴム
組成物である。
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第2発明に係るカーボンブラックの窒素吸着比表面
積が35〜75m2/gである、ゴム組成物である。
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る受酸剤が、2〜20ph
r配合されたハイドロタルサイト化合物である、ゴム組
成物である。
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明に係る加硫剤が有機過酸化物系
加硫剤である、ゴム組成物である。
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第5発明に係るゴム組成物が、その加硫
体が5.0〜8.0の範囲にある弾性率(100%モジ
ュラス)を示すものである、ゴム組成物である。
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第6発明のいずれかに係るゴム組成物を用い
た内層と、補強層と、第1発明〜第6発明のいずれかに
係るゴム組成物あるいは他の任意のゴム材料を用いた外
層とを備える、ホースである。
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第7発明に係るホースが、耐熱条件下での高圧及び
/又は繰り返し加圧に対する耐久性を要求されるオイル
ホースに用いられるものである、ホースである。
明においては、ゴム組成物の基材としてCPEを用いる
ので、低コストであり、一般的な耐熱性や耐油性等の基
本的な性能が確保されている。又、前記含鉛タイプのC
SM組成物のような環境面での懸念も特段にない。
PE100重量部に対して20〜100重量部)と言う
高充填で配合するので、高い弾性率が実現され、このゴ
ム組成物を用いたホースにおいて、高圧下でもパイプ接
続部等のシール面からのオイル漏れを有効に防止するこ
とができる。
ると、ゴム組成物の高弾性率を確保し難く、CBの配合
量が100phrを超えると、屈曲耐久性(機械的疲労
特性)が悪化すると言う不具合がある。
ので、上記のようにCBを高充填して高弾性率としてい
るにも関わらず、可塑材の一般的な効果として優れた屈
曲耐久性を併せて実現でき、このゴム組成物を用いたホ
ースにおいて、高圧の繰り返し加圧下におけるホースの
疲労破壊による亀裂、とりわけパイプを接続したカシメ
部近傍でのホースの亀裂を有効に防止することができ
る。
リル基含有可塑剤を用い、かつ、その配合量がCBの配
合量に対して25〜85重量%に相当するように配合す
ると、恐らくはジアリル基含有可塑剤がCBとCPEと
の親和性を増大させるために、CPE中でのCBの分散
性が良好になり、上記のようなホースの疲労破壊による
亀裂がとりわけ有効に防止されることが分かった。
ある場合や、ジアリル基含有可塑剤の配合量がCBの配
合量に対して25重量%未満である場合には、ゴム塑性
物の屈曲耐久性が不十分となる恐れがあり、可塑剤の配
合量が90phrを超えたり、ジアリル基含有可塑剤の
配合量がCBの配合量に対して85重量%を超えたりし
た場合にも、屈曲耐久性が悪化すると言う不具合があ
る。
剤も配合されているので、耐熱条件下における耐ヘタリ
性が良く、この点からも、このゴム組成物を用いたホー
スにおいて、高圧下でもパイプ接続部等のシール面から
のオイル漏れを一層有効に防止することができる。
発明のように、窒素吸着比表面積が20〜75m /g
であり、及び、DBP吸油量が60〜190ml/gで
あるものが、ゴム組成物中での分散性が良く、結果的に
ゴム組成物の高弾性率と優れた屈曲耐久性とをより有効
に実現することができる。CBが上記限定範囲の下限に
達しない場合にはゴム組成物の弾性率が不足する恐れが
あり、CBが上記限定範囲の上限を超える場合には、屈
曲耐久性が悪化すると言う不具合がある。
比表面積が35〜75m2/gである場合に、上記第2
発明の効果がとりわけ著しい。
ム組成物に用いる受酸剤としては、ハイドロタルサイト
化合物を2〜20phr配合することが、ゴム組成物の
耐熱性、特に耐熱条件下での耐ヘタリ性を確保するため
に、とりわけ有効である。
するゴム組成物の加硫剤としては、有機過酸化物系加硫
剤が特に好適である。
発明に係るゴム組成物の内、特にその加硫体が5.0〜
8.0の範囲にある弾性率(100%モジュラス)を示
すものが特に好ましい。
り、厳しい耐熱条件下での高圧の負荷に対して、優れた
シール性や機械的疲労特性等を示すホースを提供するこ
とができる。
ホースは、耐熱条件下での高圧及び/又は繰り返し加圧
に対する耐久性を要求されるオイルホース用途、例えば
自動車のパワーステアリングホース等に特に好適であ
る。
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは第1発明〜第8発明を一括して指し、「本
発明に係るゴム組成物」と言うときは第1発明〜第6発
明に係るゴム組成物を一括して指し、「本発明に係るホ
ース」と言うときは第7発明及び第8発明に係るホース
を一括して指している。
は、CPEに対して、少なくとも、CB,加硫剤,受酸
剤及び可塑剤を配合したゴム組成物である。ここに「C
PE」とは、塩素化ポリエチレンゴム自体の他、これを
主成分とするブレンドゴムであって実質的にCPEの特
徴を維持しているものも含まれる。CPEの塩素含有量
も特段に限定されないが、例えば塩素含有量30〜40
%程度のものを好ましく使用することができる。ゴム組
成物には、上記の配合物以外にも、加硫促進剤、老化防
止剤、プロセスオイル、粘着性付与剤、加工助剤等の、
一般的にゴム組成物に配合されることがある有機又は無
機の各種の配合物を、必要に応じて任意に配合すること
ができる。
れる。使用されるCBの種類又はグレードは限定されな
いが、その窒素吸着比表面積が20〜75m/gで、か
つDBP吸油量が60〜190ml/gであるもの、と
りわけ窒素吸着比表面積が35〜75m /gであるも
のが、好ましい。このような好ましいCBの具体例とし
て、東海カーボン社製の商品名シーストSO,シースト
S,シースト116,シースト116HM等を挙げるこ
とができ、CBのグレードで言えば、MAF,FEF,
SRF,GPF級及びそのハイストラクチャーグレード
を挙げることができる。
いが、例えばジクミルパーオキサイド、ジアシルパーオ
キサイド、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物を
好ましく用いることができる。又、その配合量は必要に
応じて任意に決定すれば良く、特段に限定しない。かか
る有機過酸化物に対して、トリアリルシアヌレートやト
リアリルイソシアヌレート等の架橋助剤を併せ配合する
ことも好ましい。
に、ポリマーの熱分解等で発生するハロゲン化水素と反
応してポリマーを安定化させる薬剤、と定義される物質
を言う。ゴム組成物に配合する受酸剤の種類及び配合量
は限定されないが、好ましくは、ハイドロタルサイト化
合物を2〜20phr配合することができる。ハイドロ
タルサイト化合物とは、一般的に次の「化1」式で定義
されるものを言うが、特に式中のM1及びM2がマグネシウ
ムイオン及び/又は亜鉛イオンであるもの、M3がアルミ
ニウムイオンであるもの、Aが炭酸イオンであるもの、
等を代表的に例示することができる。
選ばれた2価金属の少なくとも1種を示し、M2はZn,
Cd,Pb及びSnよりなる群より選ばれた2価金属の
少なくとも1種を示し、M3はAl,Fe,Cr,Co,
In等の3価金属を示し、Aはハロゲン,硝酸根,炭酸
根,硫酸根,フェロシアン酸根,酢酸根,修酸根,サリ
チル酸根等のn価のアニオンを示す。又、a,bの数値
は0〜10、xの数値は1〜10であって、a+b=
x、2x+3y=4の関係であり、yの数値は1〜5、
wは正の整数である。)。
て、可塑剤としては、o−ジアリルフタレートモノマ
ー,m−ジアリルフタレートモノマー又はp−ジアリル
フタレートモノマー等のジアリル基含有可塑剤が、単独
で配合されるか、あるいは、ジオクチルフタレート等の
フタル酸エステル系可塑剤、トリオクチルトリメリテー
ト(例えば旭電化社製の商品名「アデカC−8」)等の
トリメリット酸エステル系可塑剤、ジブチルカルビトー
ルアジペート(例えば旭電化社製の商品名「アデカRS
−107」)等のエーテル・エステル系可塑剤、アジピ
ン酸系ポリエステル(例えば旭電化社製の商品名「アデ
カP−200」)等のポリエステル系可塑剤等の他種の
適当な可塑剤と共に配合される。
hr配合され、かつジアリル基含有可塑剤は前記CBの
配合量に対して25〜85重量%に相当するように配合
される。
組成物は以上のような内容であり、その加硫体は一般的
に高い弾性率を示すが、その具体的な弾性率は、上記各
組成分の配合内容次第で必ずしも一律ではない。本発明
に係るゴム組成物は、その加硫体が5.0〜8.0の範
囲にある弾性率(100%モジュラス)を示すものであ
ることが、とりわけ好ましい。
外層との間に補強層を備えた構造を備え、上記内層が、
又は上記内層及び外層が、本発明に係るゴム組成物を以
て構成されているものである。ホースの内層のみが本発
明に係るゴム組成物を以て構成されている場合におい
て、その外層は、例えばクロロプレンゴム(CR)、エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等の他の
任意のゴム材料を以て構成される。補強層の構成は限定
されず、例えばワイヤーブレード層や、補強糸をブレー
ド編み又は任意の形式でスパイラル巻きした補強糸層等
を任意に形成することができる。又、補強層を、中間に
層間ゴムを含む2層の補強層を以て構成しても良く、そ
の場合の層間ゴムの種類は限定されないが、本発明に係
るゴム組成物を用いても良い。
い。しかし、例えば自動車のパワーステアリングホース
に代表されるように、耐熱条件下での高圧、及び/又
は、繰り返し加圧に対してシール性や機械的疲労性等の
面で優れた耐久性が要求されるオイルホース用途に、特
に好適に用いられる。
す実施例1−1〜実施例1−4及び比較例1−1〜比較
例1−7に示す配合処方(数値は、重量部表記)に従っ
て、これらの各例に係るCPE組成物を調製した。
135(商品名)」は、塩素含有量が35%であるダイ
ソー社製の塩素化ポリエチレンであり、「DHT−4A
(商品名)」は協和化学社製のハイドロタルサイト化合
物であり、「協和マグ150(商品名)」は協和化学社
製の酸化マグネシウムであり、「CAL−Z(商品
名)」は近江化学社製の水酸化カルシウムである。
スト116HM(商品名)」,「シーストS(商品
名)」,「シースト3(商品名)」はいずれも東海カー
ボン社製のカーボンブラックであり、「アサヒサーマル
(商品名)」は旭カーボン社製のカーボンブラックであ
って、シーストSOは窒素吸着比表面積が42m /g
でDBP吸油量が115ml/100gのもの、シース
ト116HMは窒素吸着比表面積が56m /gでDB
P吸油量が158ml/100gのもの、シーストSは
窒素吸着比表面積が27m /gでDBP吸油量が68
ml/100gのもの、シースト3は窒素吸着比表面積
が79m /gでDBP吸油量が101ml/100g
のもの、アサヒサーマルは窒素吸着比表面積が27m
/gでDBP吸油量が28ml/100gのものであ
る。
リテートと、ジアリル基含有可塑剤であるジアリルフタ
レートモノマー及びジアリルテレフタレートモノマーと
の3種類を表に示す重量部数で併せ配合している。有機
過酸化物として、ジクミルパーオキサイドを各例とも4
重量部配合した。
各例に係るCPE組成物を用い、160°C×60分の
プレス加硫によって、JIS−K6301に準拠する常
態物性評価用の所定の試験片を作製したもとで、100
%応力(Mpa)、引張り強さ(Mpa)、伸び(%)
及び硬さ(JIS−A)を評価した。
て、JIS−K6301に準拠して150°C×72時
間の条件で圧縮永久歪を測定した。又、上記各例に係る
評価用試験片について、JIS−K6301に準拠して
150°C×72時間の耐熱老化条件で引張り強さ変化
率(%)、伸び変化率(%)及び硬さ変化(JIS−
A)を測定し、耐熱老化性を評価した。
て、JIS−K6260に準拠して室温下で屈曲亀裂発
生試験を行い、機械的疲労特性を評価した。
によれば、実施例1−1〜実施例1−4は各評価項目に
おいて概ね満足すべき結果を示している。
を指摘することができる。即ち、比較例1−1は、受酸
剤の耐熱性改良効果が小さいために圧縮永久歪が劣り、
比較例1−2は、受酸剤の耐熱性改良効果が小さいため
に圧縮永久歪と耐熱老化性が劣る。比較例1−3は、窒
素吸着比表面積で表されるCBの粒子径が小さいために
耐熱老化性とCBの分散性が悪く、その結果として圧縮
永久歪と機械的疲労特性が劣る。比較例1−4は、窒素
吸着比表面積で表されるCBの粒子径が大きいためにモ
ジュラス(弾性率)が低い。比較例1−5は、可塑剤全
体の配合量もCBに対するジアリル基含有可塑剤の相対
的な配合量も不足するため、CBの分散性が悪く、その
結果として機械的疲労特性が劣る。比較例1−6は、C
Bに対するジアリル基含有可塑剤の相対的な配合量が不
足するため、CBの分散性が悪く、その結果として機械
的疲労特性が劣る。比較例1−7は、CBに対するジア
リル基含有可塑剤の相対的な配合量が過剰であるため、
伸びが不十分となり、その結果として機械的疲労特性が
劣る。
例2−1及び比較例2−1〜比較例2−4にそれぞれ示
す内管ゴム、層間ゴム、外面ゴム及び補強用繊維の構成
材料を用いて、これら各例に係るホースを以下の要領で
作製した。なお、表2において例えば「実施例1−1
材」とは、前記表1に示す実施例1−1に係るCPE組
成物を指す。
マンドレル上に所定の未加硫ゴム材(CPE組成物)か
らなるゴム材を押出し、その上に編組機によってポリア
ミド繊維を編組して第1補強層を構成し、次いで所定の
未加硫ゴム材(CPE組成物)からなる層間ゴムを施し
た後、更に編組機によってポリアミド繊維を編組して第
2補強層を構成し、その上に、クロスヘッド押出機によ
って所定の未加硫ゴム材(CPE組成物)からなるゴム
材を押出して外面ゴムを構成した。
を被鉛し、スチーム加硫缶によって160°C×60分
の条件で加硫した後に剥鉛し、マンドレルを抜き取っ
て、各例に係る加硫後のホースを得た。即ち、各例に係
るホースは、内管ゴムと、層間ゴムを含む2層の補強層
と、外面ゴムとからなる複層構造である。これらのホー
スは、いずれも内径9.7mm、外径20mmである。
ースについて、まず、繰り返し加圧耐久試験を行った。
即ち、温度140°Cにおいて、35cpmの加圧サイ
クルで、0MPaと10.3MPaとの間で50万回を
上限として加圧サイクルを負荷した。その結果を表2に
示すが、50万回の加圧サイクルに耐えてオイル漏れを
生じなかったものは「OK」と表記し、加圧サイクル負
荷の途中でオイル漏れを生じたものはその時点の加圧サ
イクル数を表記した。
140°C×96時間の乾熱老化後に、10.3MPa
×48時間の耐圧試験に供し、シール性を評価した。そ
の結果を表2に示すが、オイル漏れを生じなかったもの
は「OK」と表記し、オイル漏れを生じたものは「48
h 漏れ」と表記した。
−1に係るホースは満足できる結果を得た。しかし、比
較例2−1に係るホースは、ゴム材料の圧縮永久歪(耐
ヘタリ性)が劣るためシール性評価においてオイル漏れ
を生じた。比較例2−2に係るホースは、ゴム材料の機
械的疲労特性(屈曲耐久性)が劣るため繰り返し加圧耐
久試験において内管ゴムに亀裂を生じ、オイル漏れを起
こした。比較例2−3に係るホースは、ゴム材料の応力
(モジュラス)が劣るためシール性評価においてオイル
漏れを生じた。比較例2−4に係るホースは、ゴム材料
の応力が劣るためシール性評価においてオイル漏れを生
じ、かつ、ゴム材料の機械的疲労特性が劣るため繰り返
し加圧耐久試験において内管ゴムに亀裂を生じ、オイル
漏れを起こした。
Claims (8)
- 【請求項1】 塩素化ポリエチレンゴムに対して、少な
くとも、カーボンブラック,加硫剤,受酸剤及び可塑剤
を配合したゴム組成物であって、 前記カーボンブラックが20〜100phr( parts p
er hundred parts ofrubber)、前記可塑剤が51〜9
0phr配合されると共に、 前記可塑剤の少なくとも一部を構成するジアリル基含有
可塑剤の配合量が、前記カーボンブラックの配合量に対
して25〜85重量%に相当することを特徴とするゴム
組成物。 - 【請求項2】 前記カーボンブラックが、その窒素吸着
比表面積が20〜75m /gであり、及びDBP吸油
量が60〜190ml/gのものであることを特徴とす
る請求項1に記載のゴム組成物。 - 【請求項3】 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面
積が35〜75m/gであることを特徴とする請求項2
に記載のゴム組成物。 - 【請求項4】 前記受酸剤が、2〜20phr配合され
たハイドロタルサイト化合物であることを特徴とする請
求項1〜請求項3のいずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項5】 前記加硫剤が有機過酸化物系加硫剤であ
ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記
載のゴム組成物。 - 【請求項6】 前記ゴム組成物が、その加硫体が5.0
〜8.0の範囲にある弾性率(100%モジュラス)を
示すものであることを特徴とする請求項1〜請求項5の
いずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
ゴム組成物を用いた内層と、補強層と、請求項1〜請求
項6のいずれかに記載のゴム組成物あるいは他の任意の
ゴム材料を用いた外層とを備えることを特徴とするホー
ス。 - 【請求項8】 前記ホースが、耐熱条件下での高圧及び
/又は繰り返し加圧に対する耐久性を要求されるオイル
ホースに用いられるものであることを特徴とする請求項
7に記載のホース。
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