JPH09283876A - プリント配線板用積層板 - Google Patents

プリント配線板用積層板

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JPH09283876A
JPH09283876A JP8090817A JP9081796A JPH09283876A JP H09283876 A JPH09283876 A JP H09283876A JP 8090817 A JP8090817 A JP 8090817A JP 9081796 A JP9081796 A JP 9081796A JP H09283876 A JPH09283876 A JP H09283876A
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thermosetting resin
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resin
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Yoshinori Sato
義則 佐藤
Shinichi Kamoshita
真一 鴨志田
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高Tg、高耐湿耐熱性、高信頼性のプリント
配線板用積層板を低コストで提供する。 【解決手段】 繊維質基材に熱硬化性樹脂を含有する熱
硬化性樹脂組成物ワニスを含浸硬化してなる層と回路用
金属層からなるプリント配線板用積層板において、熱硬
化性樹脂組成物が(a)ジヒドロベンゾオキサジン環を
有する熱硬化性樹脂と(b)ハロゲン化化合物と(c)
主鎖の構造単位の一部が構造単位同志で架橋した架橋エ
ラストマーを含有する樹脂組成物であるプリント配線板
用積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐湿耐熱性、信頼
性等に優れるプリント配線板用積層板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の種類は、拡大の一途を
辿っており、コンピューター関連ばかりでなく、自動制
御機器、測定機器、通信機器、事務用機器なども、小
型、軽量化が望まれている。これらの機器に用いられる
プリント配線板は、4〜10層からなる多層プリント配
線板が主流であり、高密度実装に対応するため、ファイ
ンパターン化とともに、板厚の薄形化が図られている。
【0003】このプリント配線板に要求される特性に
は、耐湿耐熱性、信頼性が挙げられる。従って、プリン
ト配線板用積層板に用いられる樹脂にも、高Tg、高耐
熱性、低吸水性、高機械強度が必要である。この要求に
対応するため、エポキシ樹脂の改良や、ポリイミド樹
脂、イソシアネート樹脂、トリアジン環を有する樹脂な
どが使用されている。
【0004】一般にプリント配線板用積層板は、紙、ガ
ラス布、ガラス不織布、合成繊維の織布、不織布等の繊
維質基材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸し乾燥したプリプ
レグを所要枚数、銅箔等の金属箔とともに重ね合わせ
て、プレスにて熱圧成形されて製造される。
【0005】プリント配線板用積層板の性能、特に耐湿
耐熱性、信頼性を向上させるためには、使用する熱硬化
性樹脂の性能を向上させなければならない。しかしなが
ら、ポリイミド樹脂等の樹脂は、高性能であるが価格が
高いため、使用できる範囲に限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高Tg、高
耐湿耐熱性、高信頼性のプリント配線板用積層板を低コ
ストで提供することを目的とする。
【0007】本発明者らは、プリント配線板用樹脂とし
て、低コストでありながら、高Tg、高耐熱性、低吸水
性、高機械強度を有する樹脂としてジヒドロベンゾオキ
サジン環を有する熱硬化性樹脂に着目して種々、研究開
発を進めた。その結果、特定の構造を有するジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する樹脂が電気特性、耐湿耐熱
性、機械強度に優れ、プリント配線板用樹脂として有望
であることを見出した。
【0008】しかしながら、ジヒドロベンゾオキサジン
環を有する樹脂は、難燃性、接着性がやや乏しく、プリ
ント配線板用樹脂として十分であるとはいえない。ま
た、硬化反応が比較的遅く、生産性が悪いといった問題
点がある。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、繊
維質基材に熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物
ワニスを含浸硬化してなる層と回路用金属層からなるプ
リント配線板用積層板において、熱硬化性樹脂組成物が
(a)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹
脂と(b)ハロゲン化化合物と(c)主鎖の構造単位の
一部が構造単位同志で架橋した架橋エラストマーを含有
する樹脂組成物であることを特徴とするプリント配線板
用積層板を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物に用
いられるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性
樹脂としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジ
ヒドロベンゾオキサジン環の開環重合反応により硬化す
る樹脂であれば特に限定されない。具体的には多価フェ
ノール、ヒドロキシル基のオルト位の少なくとも一つが
水素であるヒドロキシフェニル基又はヒドロキシフェニ
レン基を1分子中に合わせて2以上有する化合物(以
下、多官能フェノール化合物という。)と、1級アミン
との混合物を、70℃以上に加熱したホルマリン等のホ
ルムアルデヒド類中に添加して、70〜110℃、好ま
しくは、90〜100℃で、20分〜2時間反応させ、
その後、120℃以下の温度で減圧乾燥することによっ
て得られる。
【0012】多官能フェノール化合物としては、カテコ
ール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス(2−ヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
p,p′−イソプロピリデンビフェノール、2,2−ビ
ス[4−(4′−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プ
ロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノ
ール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラ
ミンフェノール樹脂、フェノール変性ポリブタジエン等
が挙げられる。これらは特に限定するものではないが架
橋点となるヒドロキシル基のオルト位が無置換であるも
のが硬化特性の点で望ましく、そのため例えばフェノー
ルノボラック樹脂の場合は、オルト率が小さく、比較的
分子量の小さいいわゆるランダムノボラックを用いるこ
とが好ましい。
【0013】1級アミンとしては具体的にはメチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、ア
ニシジンなどの置換アニリン等が挙げられる。脂肪族ア
ミンであると、得られた熱硬化性樹脂は硬化は速いが耐
熱性に劣る。アニリンのような芳香族アミンであると、
得られた熱硬化性樹脂を硬化させた硬化物の耐熱性はよ
いが硬化が遅くなる。
【0014】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂のうちで、好ましくは、1分子中に下記式
(A)で表される構造単位(A)及び下記式(B)で表
される構造単位(B)を有し、各構造単位は直接に又は
有機の基を介して結合しており、(A)/(B)のモル
比が1/0.25〜1/9であり、1分子中の構造単位
(A)の数をm、構造単位(B)の数をnとするとき、
m≧1、n≧1かつ10≧m+n≧2である熱硬化性樹
脂が用いられる。
【0015】
【化2】 (式中のR1はメチル基、シクロヘキシル基、フェニル
基又は少なくとも1つの炭素数1〜3のアルキル基若し
くはアルコキシル基で置換されたフェニル基であり、
(A)及び(B)の芳香環の水素は(A)のヒドロキシ
ル基のオルト位の一つを除き、炭素数1〜3のアルキル
基若しくはアルコキシル基又はハロゲン原子で置換され
ていてもよい。) m、nが前記の範囲内にあり、構造単位(A)、(B)
間があらかじめ適切な鎖長の基を介して安定な結合によ
って結合されていると硬化物の特性が良好となる。
【0016】構造単位(A)と構造単位(B)とは直接
に又は有機の基を介して結合している。有機の基として
はアルキレン基、2価の芳香族基が挙げられる。アルキ
レン基の例としては、炭素数5以上の長鎖のアルキレン
基、−CR2H−(式中、R2は水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基又は
置換フェニル基である。)で表されるアルキリデン基が
挙げられる。置換フェニル基の置換基としてはメチル
基、メトキシ基、カルボキシル基が挙げられる。また、
2価の芳香族基としてはフェニレン基、キシリレン基、
トリレン基が挙げられる。上記の有機の基は各構造単位
の間に2つ以上挿入されていてもよい。
【0017】上記熱硬化性樹脂は、(A)/(B)のモ
ル比が好ましくは、1/0.25〜1/9、更に好まし
くは1/0.67〜1/9である。この範囲外である
と、硬化性、機械強度、耐熱性が低下することがある。
【0018】上記のジヒドロベンゾオキサジン環を有す
る熱硬化性樹脂は、ヒドロキシル基のオルト位の少なく
とも1つが水素であるヒドキシフェニレン基を1分子中
に2以上有する化合物(以下、反応し得るヒドロキシフ
ェニレン基を有する化合物という。)と、1級アミンと
の混合物を、70℃以上に加熱したホルマリン等のホル
ムアルデヒド類中に添加して、70〜110℃、好まし
くは、90〜100℃で、20分〜2時間反応させ、そ
の後、120℃以下の温度で減圧乾燥することによって
得られる。この反応においては、反応し得るヒドロキシ
フェニレン基を有する化合物のヒドロキシル基1モルに
対し、1級アミンを0.2〜0.9モル及びホルムアル
デヒド類を1級アミンの2倍モル以上用いることが肝要
である。
【0019】反応し得るヒドロキシフェニレン基を有す
る化合物としては、部分的にフェノール核を有する種々
の化合物を用いることができる。具体的にはフェノール
ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール変性キシレ
ン樹脂、キシリレン変性フェノール樹脂、アルキルフェ
ノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、フェノール変性
ポリブタジエン等が挙げられる。
【0020】このジヒドロベンゾオキサジン環を有する
熱硬化性樹脂は、150℃以上、望ましくは170〜2
20℃に加熱することにより、触媒や硬化剤を用いない
で、副生成物を生じることなく硬化する。
【0021】本発明に用いられるジヒドロベンゾオキサ
ジン環を有する熱硬化性樹脂は2種類以上を組み合わせ
て用いることもできる。またこれらの熱硬化性樹脂を予
め80〜180℃、好ましくは120〜160℃で処理
することにより、その一部を予備重合させ成形時の硬化
速度や溶融粘度を調節することもできる。
【0022】本発明の熱硬化性樹脂組成物において
(a)成分の熱硬化性樹脂に配合される(b)成分のハ
ロゲン化化合物としては、難燃性を有するものであれば
特に限定されないが、ジヒドロベンゾオキサジン環又は
ジヒドロベンゾオキサジン環が開環して生成するフェノ
ール性水酸基と反応するエポキシ基などの官能基を有す
るものが好ましい。ハロゲンとしては臭素、塩素が好ま
しく用いられる。
【0023】このハロゲン化化合物としては、デカブロ
モビフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノール
A(TBA)、TBAエポキシオリゴマー、TBAポリ
カーボネートオリゴマー、パークロロシクロペンタデカ
ン、クロレンド酸、塩素化パラフィン、臭素化エポキシ
樹脂等がある。この中で、臭素化エポキシ樹脂、なかで
もビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂が好ましい。
これらのハロゲン化化合物は組成物総量中のハロゲン含
有量が1〜30重量%となるように配合することが好ま
しい。
【0024】臭素化エポキシ樹脂としては、エポキシ当
量が好ましくは180〜5000、更に好ましくは20
0〜500で、臭素含有量が20〜60重量%、更に好
ましくは40〜60重量%のものが好ましく用いられ、
臭素含有量が組成物総量中、2〜20重量%となるよう
に配合することが好ましい。
【0025】このようなハロゲン化化合物を配合するこ
とにより、プリント配線板用樹脂組成物としての特性を
維持しながら難燃性を確保することができる。
【0026】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂
を用いたプリプレグは、プリプレグのBステージからの
硬化反応に時間を要し、生産性に制約が生じ、また、溶
融粘度が高いため、多層成形時に回路埋め込み性に不都
合が発生する。そこで、ジヒドロベンゾオキサジン環又
はジヒドロベンゾオキサジン環が開環して生成するフェ
ノール性水酸基と反応し、粘度が低い化合物、例えばエ
ポキシ樹脂等を配合することにより溶融粘度が低下し、
硬化反応時間が短縮される。
【0027】本発明において前記熱硬化性樹脂に配合さ
れる(c)成分である架橋エラストマーとしては、主鎖
の構造単位の一部が構造単位同志で架橋した架橋エラス
トマーが用いられる。エラストマーの主鎖の構造単位同
志を架橋する方法としては、主鎖の構造単位の一部に反
応し得る官能基を導入したエラストマー同志をラジカル
重合、イオン重合、縮合、重付加、付加縮合などにより
架橋する各種の方法がある。
【0028】黒化処理された銅箔面への接着強度には樹
脂硬化物の靭性が重要な要素であり、十分な接着強度を
得るためには、樹脂硬化物には極限強さとともに靭性が
要求される。熱硬化性樹脂組成物に上記のような架橋エ
ラストマーを配合することにより、樹脂組成物の硬化物
物性を維持しながら、靭性を向上させ、黒化処理された
銅箔面への接着強度を向上させることができる。
【0029】架橋されるエラストマーの種類としては、
アクリロニトリル−ポリブタジエン、ポリウレタン系、
ポリエステル系、ポリアミド系、酢酸ビニル系等のエラ
ストマーが挙げられる。これらのエラストマーとして
は、1種類のモノマーからなる単独重合体、2種類以上
のモノマーからなるブロック共重合体、グラフト共重合
体、ランダム共重合体及びこれらの混合物が挙げられ
る。これらのエラストマーのうち、特に好ましくは、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体エラストマーが用
いられる。これらのエラストマーを上記のようにして架
橋することにより架橋エラストマーが得られる。架橋エ
ラストマーの粒子系は10nm〜0.2mmが好まし
い。これら架橋構造を有するエラストマーはジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂と混合、硬化し
た際、粒子の凝集が起こらない限り、選択した粒子径を
そのまま維持した海島型分散構造を容易に得ることがで
きる。
【0030】アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エ
ラストマーについては、エラストマー主鎖にカルボキシ
ル基等を導入し、縮合等により架橋したものが用いられ
る。
【0031】架橋エラストマーの配合割合は、熱硬化性
樹脂全体に対して、好ましくは0.1〜50重量%、更
に好ましくは0.5〜5重量%である。0.1重量%未
満では靭性を向上させることが難しくなり、50重量%
を超えると機械特性が大幅に低下することがある。
【0032】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、また、
必要に応じてカップリング剤を配合することができる。
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂は、
銅箔ピール強度、特に多層化積層板での黒化処理された
銅箔面への接着強度が低いという欠点があるが、樹脂ワ
ニス中にカップリング剤を配合することにより樹脂特性
を維持しながら、銅箔ピール強度を向上させることがで
きる。カップリング剤としては、シランカップリング剤
が好ましく、特に尿素シラン、フェニルアミノシランが
良好である。配合量は樹脂組成物中、好ましくは0.1
〜2重量%、更に好ましくは0.1〜0.5重量%であ
る。
【0033】また、本発明で用いられる熱硬化性樹脂組
成物には、硬化反応をは早めるために、硬化剤、硬化促
進剤を配合することができる。硬化剤、硬化促進剤は、
少ない配合量で硬化時間を短縮し、硬化物の物性に影響
を与えず、なおかつ、シェルフライフが長く維持できる
ものが用いられる。
【0034】硬化剤としては、好ましくはノボラック樹
脂、更に好ましくはフェノールノボラック樹脂が挙げら
れる。また、ジシアンジアミドも好ましく用いられる。
硬化剤の配合量は樹脂組成物中、好ましくは0.1〜3
0重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%である。
【0035】硬化促進剤としては、好ましくはイミダゾ
ール類、アミン類が挙げられる。配合量は樹脂組成物
中、好ましくは0.1〜2重量%、更に好ましくは0.
1〜0.5重量%である。
【0036】また、上記組成物には必要に応じて、充填
材、強化繊維、離型剤、着色剤、接着剤、相溶化剤等を
添加することもできる。
【0037】本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いてプリ
プレグを製造するには、まず、樹脂組成物をメチルエチ
ルケトン、2−エトキシエタノール、DMF、あるいは
これらの混合物等の溶媒に溶解させて熱硬化性樹脂組成
物ワニスとする。この熱硬化性樹脂組成物ワニスを紙、
ガラス布、ガラス不織布、合成繊維の織布、不織布等の
繊維質基材に含浸し乾燥するとプリプレグが得られる。
【0038】本発明のプリント配線板用積層板は、一般
のプリント配線板用積層板と同様に上記のプリプレグと
金属箔を所要枚数重ね、鏡板で挟み多段プレスにて熱圧
成形することにより得られる。成形圧力は、10〜80
kgf/cm2(0.1〜7.8MPa)で、温度は1
20〜250℃で行われ、好ましくは減圧下で行われ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0040】実施例1 (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.0kg、しゅう酸4gを5リットルフラスコに仕込
み、還流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を6
666.1Pa以下に減圧して未反応のフェノール及び
水を除去した。得られた樹脂は軟化点84℃(環球
法)、3〜多核体/2核体比82/18(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるピーク面積比)であ
った。
【0041】(2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 上記により合成したフェノールノボラック樹脂1.70
kg(ヒドロキシル基16mol相当)をアニリン0.
93kg(10mol相当)と混合し80℃で5時間撹
拌し、均一な混合溶液を調製した。5リットルフラスコ
中に、ホルマリン1.62kgを仕込み90℃に加熱
し、ここへノボラック/アニリン混合溶液を30分間か
けて少しずつ添加した。添加終了後30分間、還流温度
に保ち、然る後に100℃で2時間6666.1Pa以
下に減圧して縮合水を除去し、反応し得るヒドロキシル
基の71%がジヒドロベンゾオキサジン化された熱硬化
性樹脂を得た(m=3、n=7)。
【0042】なお、反応し得るヒドロキシル基量は下記
のようにして算出したものである。
【0043】上記(1)により合成したフェノールノボ
ラック樹脂1.70kg(ヒドロキシル基16mol相
当)をアニリン1.4kg(16mol相当)、ホルマ
リン2.59kgと同様に反応させ、反応し得るヒドロ
キシル基の全てにジヒドロベンゾオキサジン環が導入さ
れた熱硬化性樹脂を合成した。過剰のアニリンやホルマ
リンは乾燥中に除かれ、この熱硬化性樹脂の収量は3.
34kgであった。これは、フェノールノボラック樹脂
のヒドロキシル基のうち14molが反応し、ジヒドロ
ベンゾオキサジン化したことを示している。
【0044】このことから、上記(2)において得られ
た熱硬化性樹脂は、反応し得るヒドロキシル基の14m
olのうち10mol(=71%)がジヒドロベンゾオ
キサジン化したものであると推定される。
【0045】(3)プリント配線板用基板の製造 上記合成した熱硬化性樹脂に対し、ビスフェノールA型
臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量40、臭素含有量4
8重量%)、硬化剤としてジシアンジアミド、カップリ
ング剤としてフェニルアミノシラン、架橋エラストマー
として、二重結合の一部を架橋させた、粒子径70nm
のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(日本合成ゴ
ム株式会社製商品名XER−91、アクリロニトリル含
量20重量%)を表1に示す配合で、MEK、2−エト
キシエタノール、DMFの混合溶媒(混合比6:2:
2)で希釈したワニスを、厚み100μm、200μm
のガラスクロスに含浸し、乾燥機にて溶媒を揮発させ、
それぞれ樹脂分56重量%、42重量%のプリプレグを
得た。
【0046】この200μmのガラスクロスのプリプレ
グを4枚重ね、その外層に35μmの電解銅箔を積層
し、ステンレス鏡板を用い、175℃、30kgf/c
2の条件で90分加熱加圧し、0.8mmの銅張積層
板を得た。この銅張積層板に回路化加工(黒化処理)を
行い、100μmのガラスクロスのプリプレグを上下に
配置し、その外層に35μmの電解銅箔を積層し、ステ
ンレス鏡板を用い、175℃、30kgf/cm2の条
件で90分加熱加圧し、4層板を得た。この積層板の特
性を他の実施例とともに表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】 *1 120℃−水蒸気圧1.2気圧下で10時間処理
後 *2 UL−94に準じる *3 120℃−水蒸気圧1.2気圧下で処理し、26
0℃のはんだ槽に20秒浸漬したとき、異常を示さない
処理時間 *4 穴径0.4mm、壁間0.3mmのスルーホール
間に印加電圧50Vを加え、温度85℃、湿度85%の
雰囲気下で処理し、絶縁抵抗値が108Ω以下となるま
での時間 *5 90度方向引き剥し 実施例2 (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.90kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.15kg、しゅう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、実施例1と同様にしてフェノールノボラック樹脂
を合成した。得られた樹脂は軟化点89℃(還球法)、
3〜多核体/2核体比89/11(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーによるピーク面積比)であった。
【0049】(2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 以下実施例1と同様にしてジヒドロベンゾオキサジン環
を導入した。得られた熱硬化性樹脂は、フェノールノボ
ラック樹脂の反応し得るヒドロキシル基75%にジヒド
ロベンゾオキサジン環が導入されたものであった。
【0050】(3)プリント配線板用基板の製造 実施例1と同様に銅張積層板を製造した。特性を表2に
示す。
【0051】実施例3 キシリレン変性フェノール樹脂(三井東圧化学株式会社
製商品名ミレックスXL−225−3L)1.70kg
(ヒドロキシル基10mol相当)、アニリン0.52
kg(5.6mol)、ホルマリン0.91kgの配合
で、実施例1と同様に、ジヒドロベンゾオキサジン環が
導入された熱硬化性樹脂を合成した。
【0052】更に、実施例1と同様に銅張積層板を製造
した。特性を表2に示す。
【0053】実施例4 アニリンに代えて、アニリン0.70kgとトルイジン
0.27kgの混合物を用い、以下実施例1と同様にし
て、ジヒドロベンゾオキサジン環が導入された熱硬化性
樹脂を得た。得られた熱硬化性樹脂は、フェノールノボ
ラック樹脂の反応し得るヒドロキシル基の71%にジヒ
ドロベンゾオキサジン環が導入されたものであった。
【0054】更に、実施例1と同様に銅張積層板を製造
した。特性を表2に示す。
【0055】比較例1 実施例1と同様な熱硬化性樹脂に、エラストマーを添加
せず、実施例1と同様な構成で銅張積層板を製造した。
特性を表2に示す。
【0056】比較例2 実施例1と同様な熱硬化性樹脂に、ビスフェノールA型
臭素化エポキシ樹脂を添加せず、実施例1と同様な構成
で銅張積層板を製造した。特性を表2に示す。
【0057】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用積層板は、難
燃性を有し、高Tg、高耐湿耐熱性、高信頼性、高接着
強度と優れた特性を有し、その工業的価値は極めて大で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 61/14 LMR C08L 61/14 LMR LMU LMU 61/34 LNW 61/34 LNW 101/00 101/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質基材に熱硬化性樹脂を含有する熱
    硬化性樹脂組成物ワニスを含浸硬化してなる層と回路用
    金属層からなるプリント配線板用積層板において、熱硬
    化性樹脂組成物が(a)ジヒドロベンゾオキサジン環を
    有する熱硬化性樹脂と(b)ハロゲン化化合物と(c)
    主鎖の構造単位の一部が構造単位同志で架橋した架橋エ
    ラストマーを含有する樹脂組成物であることを特徴とす
    るプリント配線板用積層板。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂組成物に更に硬化促進剤及
    びカップリング剤が含有されている請求項1記載のプリ
    ント配線板用積層板。
  3. 【請求項3】 ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱
    硬化性樹脂が1分子中に下記式(A)で表される構造単
    位(A)及び下記式(B)で表される構造単位(B)を
    有し、各構造単位は直接に又は有機の基を介して結合し
    ており、(A)/(B)のモル比が1/0.25〜1/
    9であり、1分子中の構造単位(A)の数をm、構造単
    位(B)の数をnとするとき、m≧1、n≧1かつ10
    ≧m+n≧2である熱硬化性樹脂である請求項1又は2
    記載のプリント配線板用積層板。 【化1】 (式中のR1はメチル基、シクロヘキシル基、フェニル
    基又は少なくとも1つの炭素数1〜3のアルキル基若し
    くはアルコキシル基で置換されたフェニル基であり、
    (A)及び(B)の芳香環の水素は(A)のヒドロキシ
    ル基のオルト位の一つを除き、炭素数1〜3のアルキル
    基若しくはアルコキシル基又はハロゲン原子で置換され
    ていてもよい。)
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物のワ
    ニスを繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
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