JP3261061B2 - 積層板用樹脂組成物、該組成物を用いたプリプレグ及び積層板 - Google Patents

積層板用樹脂組成物、該組成物を用いたプリプレグ及び積層板

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JP3261061B2
JP3261061B2 JP8003397A JP8003397A JP3261061B2 JP 3261061 B2 JP3261061 B2 JP 3261061B2 JP 8003397 A JP8003397 A JP 8003397A JP 8003397 A JP8003397 A JP 8003397A JP 3261061 B2 JP3261061 B2 JP 3261061B2
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康之 水野
茂雄 佐瀬
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,誘電特性や耐熱性
に優れた積層板として有用な積層板用樹脂組成物、該組
成物を用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年,通信分野等の高周波機器に用いら
れるプリント配線板材料には,誘電率及び誘電正接の低
い積層板用樹脂が望まれている。これに対し誘電率や誘
電正接の低いふっ素樹脂やポリフェニレンエーテル等の
熱可塑性の樹脂材料やポリフェニレンエーテルにエポキ
シ樹脂,シアネートエステル樹脂及びBT(ビスマレイ
ミドトリアジン)樹脂等の熱硬化性樹脂を併用した樹脂
材料が提案されているが,これらは融点や軟化点が高い
ことから成形に高温,高圧が必要で成形性に劣るという
問題や金属箔や金属めっきとの接着性に劣るというに問
題があった。一方,上記熱可塑性樹脂を併用しなくとも
誘電率や誘電正接が低い樹脂材料として知られるシアネ
ートエステル樹脂単独では,硬化物の脆さに伴う加工
性,耐燃性及び吸湿時の耐熱性に問題があった。
【0003】上記問題の改良を目的としてBT(ビスマ
レイミドトリアジン)樹脂又はシアネートエステル樹脂
に、特開昭63−54419号公報に記載されているフ
ェノールノボラックのグリシジルエーテル化物を併用す
る方法、特開平2−214741号公報に記載のフェノ
ール類付加ジシクロペンタジエン重合体のグリシジルエ
ーテル化物を併用する方法、特開平3−84040号公
報に記載のビスフェノールAのグリシジルエーテル化物
等のエポキシ樹脂、また特開平5−310673号公報
に記載のフェノール類付加ブタジエン重合体,特公平7
−47637号公報に記載のビスフェノールA等の多価
フェノール類化合物,或いは特公平4−24370号公
報に記載の臭素化ビスフェノールA及び臭素化ビスフェ
ノールAのヒドロキシルエーテル化物、特開平2−28
6723号公報に記載の臭素化フェノールノボラックの
グリシジルエーテル化物、特開平5−339342号公
報に記載の臭素化ビスフェノールAのグリシジルエーテ
ル化物、特開平7−207022号公報に記載の臭素化
マレイミド類化合物等のBT(ビスマレイミドトリアジ
ン)樹脂又はシアネートエステル樹脂との反応性を有す
る難燃剤を併用させる方法等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,特開昭63−
54419号公報、特開平2−214741号公報、特
開平3−84040号公報に示されているようなエポキ
シ樹脂をシアネートエステル樹脂に併用させる方法で
は、成形性、加工性、接着性、耐熱性、耐燃性に関する
欠点は改善されるものの、GHz帯域での誘電特性が悪
化するため高周波用途には不十分であった。また特開平
5−310673号公報、特公平7−47637号公報
に示されているような多価フェノール類化合物を併用さ
せる方法では、成形性や加工性は改善されるものの、接
着性や吸湿時の耐熱性に劣るという問題やGHz帯域で
の誘電特性が悪化するため高周波用途には対応できない
という問題があった。また特公平4−24370号公
報、特開平2−286723号公報、特開平5−339
342号公報、特開平7−207022号公報に示され
ているような難燃剤を併用させる方法では,耐燃性は付
加できるものの前述同様吸湿時の耐熱性やGHz帯域で
の誘電特性が悪化するという問題があった。
【0005】本発明は,成形性,加工性,接着性,耐熱
性,耐燃性等といった特性を損なうことなく,高周波帯
域での誘電特性に優れた積層板用樹脂組成物及び該組成
物を用いた積層板用樹脂ワニス、積層板用プリプレグ、
金属張り積層板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,(A)(I)
式で表される分子中にシアネート基を2個有するシアネ
ート類化合物またはそのプレポリマーの1種以上と、
(B)一価フェノール類化合物及び(C)シアネート類
化合物と反応性を有しない難燃剤を必須成分として含む
積層板用樹脂組成物である。また、本発明は、前記積層
板用樹脂組成物を溶剤に溶解ないし分散させた積層板用
樹脂ワニスを基材に含浸後、80〜200℃で乾燥させ
て得られる積層板用プリプレグである。さらに、本発明
は、この積層板用プリプレグを、多層プリント配線板の
層間接続用プリプレグとして使用することもでき、ま
た、積層板用プリプレグを複数枚重ね、さらにその外側
に金属箔を積層し加熱加圧して得られる金属張り積層板
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の分子中にシアネート基を
2個有するシアネート類化合物またはそのプレポリマー
の材料は、(I)式で表され、少なくとも1種以上を用
いる。(I)式で表される化合物として、その具体例と
しては,ビス(4−シアネートフェニル)エタン,ビス
(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタ
ン,2,2−ビス(4−シアネートフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン,α,
α’−ビス(4−シアネートフェニル)−m−ジイソプ
ロピルベンゼン,フェノール付加ジシクロペンタジエン
重合体のシアネートエステル化物等及びそれらのプレポ
リマが挙げられる。この中では、ビス(3,5−ジメチ
ル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−シアネートフェニル)−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シア
ネートフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンである
と硬化物の誘電特性が特に良好であるためより好まし
い。
【0008】
【化4】
【0009】上記の(A)(I)式で表される分子中に
シアネート基を2個有するシアネート類化合物のモノマ
は結晶性が高く,これらのモノマを溶剤でワニス化する
場合,固形分濃度にもよるがワニス中で再結晶する場合
がある。そのため上記シアネート化合物モノマをあらか
じめプレポリマー化して用いるのが好ましい。プレポリ
マーのシアネート基の転化率は特に限定されるものでは
ないが,通常は20〜60重量%の範囲内で転化された
プレポリマーを用いることが望ましい。また(A)分子
中にシアネート基を2個有するシアネート類化合物また
はそのプレポリマーは一種類単独で用いてもよく、二種
類以上を混合して用いてもよい。
【0010】本発明の積層板用樹脂組成物において用い
られる(B)一価フェノール類化合物は、(A)分子中
にシアネート基を2個有するシアネート類化合物または
そのプレポリマー100重量部に対し、(B)一価フェ
ノール類化合物を5〜30重量部の範囲で配合すること
が好ましい。更に好ましくは、7〜30重量部である。
5重量部未満の場合,誘電特性が悪化する傾向を示すた
め望ましくない。30重量部を超えると、ワニス化した
場合のワニスの保存安定性が低下する傾向を示すため望
ましくない。
【0011】本発明で使用する(B)一価フェノール類
化合物の具体例としては、p−ノニルフェノール、p−
tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフ
ェノール、p−tert−オクチルフェノール等のアル
キル基置換フェノール類化合物及び(II)式で表され
る一価フェノール類化合物等が挙げられる。(II)式
で表される一価フェノール類化合物としては,p−(α
−クミル)フェノールが好ましい。また(B)一価フェ
ノール類化合物は一種類単独で用いてもよく、二種類以
上を併用して用いてもよい。
【0012】
【化5】
【0013】本発明の積層板用樹脂組成物において用い
られる(C)シアネート類化合物と反応性を有しない難
燃剤としては、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブ
ロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモオクタン及
びヘキサブロモシクロドデカン等の脂肪族環型難燃剤及
び(III)式で表される複素環型難燃剤が挙げられ
る。(III)式で表される複素環型難燃剤としては,
2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,
3,5−トリアジンが好ましい。この(C)シアネート
類化合物と反応性を有しない難燃剤は、(A)分子中に
シアネート基を2個有するシアネート類化合物またはそ
のプレポリマー100重量部に対し、5〜200重量部
の範囲で配合することが好ましい。好ましくは、5〜1
00重量部である。5重量部未満では難燃効果に乏し
く、200重量部を越えると耐熱性が低下するので好ま
しくない。
【0014】
【化6】
【0015】本発明の積層板用樹脂組成物では,硬化反
応を促進するための硬化促進剤が用いられる。その硬化
促進剤の具体例としては,コバルト、マンガン、スズ、
ニッケル、亜鉛、銅等の有機金属塩化合物を挙げること
ができる。特に2−エチルヘキサン酸コバルトやナフテ
ン酸コバルト等の有機コバルト塩化合物が好ましい。有
機金属塩化合物は一種類単独で用いてもよく、二種類以
上を混合して用いてもよい。硬化促進剤の配合量は、
(A)分子中にシアネート基を2個有するシアネート類
化合物またはそのプレポリマー100重量部に対し、配
合効果と硬化物の物性を劣化させない範囲の0.01〜
3重量部であり、より好ましくは0.02〜0.5重量
部である。
【0016】本発明の積層板用樹脂組成物には、さら
に、必要に応じて充填剤及びその他の添加剤を配合する
ことができる。充填剤としては,通常,無機充填剤が好
適に用いられ、その具体例として、溶融シリカ、ガラ
ス、アルミナ、チタニア、ジルコン、炭酸カルシウム、
珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウ
ム、窒化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、チ
タン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウ
ム等が挙げられる。
【0017】本発明の積層板用樹脂組成物は加熱硬化さ
せることにより誘電特性や耐熱性に優れた積層板の製造
に供せられる。即ち本発明の積層板用樹脂組成物を溶剤
に溶解、分散していったんワニス化し,ガラス布等の基
材に含浸し乾燥することによってまずプリプレグを作製
する。次いでこのプリプレグを任意枚数とその上下又は
一方の面に金属箔を重ねて加熱成形することによって積
層板とすることができる。
【0018】本発明の積層板用樹脂組成物をワニス化す
る場合,溶剤は特に限定するものではないが,具体例と
しては,アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブ
チルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類,トルエ
ン,キシレン等の芳香族炭化水素類,メトキシエチルア
セテート,エトキシエチルアセテート,ブトキシエチル
アセテート,酢酸エチル等のエステル系,N−メチルピ
ロリドン,ホルムアミド,N−メチルホルムアミド,
N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類,メタノール,エタノール,エチ
レングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテ
ル,エチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル,ジエチレングリコール,トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル,トリエチレング
リコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコー
ル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリ
コールモノプロピルエーテル,ジプロピレングリコール
モノプロピルエーテル等のアルコール類等が用いられ
る。また,これら上記溶剤は一種類単独で用いてもよ
く,又は二種類以上を混合して用いてもよい。
【0019】上記の積層板用樹脂ワニスは、ガラス織布
やガラス不織布、プラスチック織布やプラスチック不織
布、紙などの積層板に用いられている基材に含浸後、8
0〜200℃で乾燥させて積層板用プリプレグとする。
多層プリント配線板の層間接着用プリプレグとして使用
する場合は、プリプレグ中の樹脂分を多めにする。ま
た、金属張り積層板とするときは、要求される誘電特性
に応じて、誘電率や誘電正接の値が小さいものが要求さ
れる場合は、誘電特性に優れる本発明の積層板用樹脂組
成物を多くするため樹脂分を多くするようにする。
【0020】積層板用プリプレグは、これを複数枚重
ね、さらにその外側に金属箔を積層し加熱加圧して金属
張り積層板とする。
【0021】一般に,樹脂硬化物の誘電特性は,分子構
造,即ち分子内の極性基の量や強さ及び分子骨格の動き
やすさ等に影響を受ける。元来,シアネートエステル樹
脂の硬化物は低極性,剛直かつ対称性構造のトリアジン
骨格を有するため低誘電率及び低誘電正接である。しか
し,吸湿時の耐熱性や耐燃性を改善するためシアネート
エステル樹脂にエポキシ樹脂,多価フェノール類化合物
及びシアネート基との反応性を有する反応型難燃剤の併
用といった従来の方法では,シアネート基との反応によ
りトリアジン環以外の構造で極性基の高いものが生成し
たり,反応(硬化)の進行により流動性が失なわれ反応
しきれないで残存する官能基が多くなるため、耐熱性が
低下したり誘電率や誘電正接が高くなる。これに対し
て,本発明の積層板用樹脂組成物において用いられるフ
ェノール類化合物は,一価のフェノール類化合物である
ため上記のような問題が無く,さらに一価のフェノール
類化合物の中でもシアネート基との反応性が高く,かつ
トリアジン環の生成を促進するフェノール類化合物であ
る。また,本発明の積層板用樹脂組成物において用いら
れる難燃剤は,低極性構造でかつシアネート基に対し反
応性を有しない難燃剤であるため、トリアジン環の生成
を妨げなことから誘電特性を悪化させることなく耐燃性
を付加することができる。したがって、得られる樹脂硬
化物は高耐熱性、高耐燃性であり誘電率や誘電正接の値
が低く誘電特性に優れたものとなる。以下実施例によ
り、本発明を具体的に説明するが,本発明はこれらに限
られるものではない。
【0022】
【実施例】
(実施例1)分子中にシアネート基を2個以上有するシ
アネート類化合物としてビス(3,5−ジメチル−4−
シアネートフェニル)メタンのプレポリマ(Arocy
M−30,旭チバ株式会社製商品名)、一価フェノー
ル類化合物としてp−ノニルフェノール及びシアネート
類化合物と反応性を有しない難燃剤として1,2−ジブ
ロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン
(SAYTEX BCL−462,アルベマール社製商
品名)とを表1に示す配合量でトルエン及びメチルエチ
ルケトン(メチルエチルケトンの含有率40重量%)に
溶解し,更に硬化促進剤としてシアネート類化合物10
0重量部に対してナフテン酸コバルトを0.1重量部の
割合で配合し,不揮発分65重量%の積層板用樹脂ワニ
スを作製した。
【0023】(実施例2)2,2−ビス(4−シアネー
トフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロパンのプレポリマのメチルエチルケトン溶液(A
rocy F−40S,旭チバ株式会社製商品名)とp
−tert−ブチルフェノール及びテトラブロモシクロ
オクタン(SAYTEX BC−48,アルベマール社
製商品名)とを表1に示す配合量で配合した他は、実施
例1と同様にして不揮発分65重量%の積層板用樹脂ワ
ニスを作製した。
【0024】(実施例3)α,α’−ビス(4−シアネ
ートフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(RTX
−366,旭チバ株式会社製商品名)とp−tert−
オクチルフェノール及びヘキサブロモシクロドデカン
(CD−75P,グレートレイクス社製商品名)とを表
1に示す配合量で配合した他は、実施例1と同様にして
不揮発分65重量%の積層板用樹脂ワニスを作製した。
【0025】(実施例4)実施例1において、p−ノニ
ルフェノールをp−(α−クミル)フェノールに,及び
1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シ
クロヘキサン(SAYTEX BCL−462)を臭素
化トリフェニルシアヌレート(ピロガードSR−24
5,第一工業製薬株式会社製商品名)に代えて表1に示
す配合量とした他は実施例1と同様にして不揮発分65
重量%の積層板用樹脂ワニスを作製した。
【0026】(比較例1)実施例1において,ビス
(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン
のプレポリマー(Arocy M−30)を2,2−ビ
ス(4−シアネートフェニル)プロパンのプレポリマー
(Arocy B−30,旭チバ株式会社製商品名)
に,及び1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエ
チル)シクロヘキサン(SAYTEX BCL−46
2)を臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ESB
400T,住友化学工業株式会社製商品名)に代えて表
1に示す配合量でトルエンに溶解した他は実施例1と同
様にして不揮発分65重量%の積層板用樹脂ワニスを作
製した。
【0027】(比較例2)実施例1において,1,2−
ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキ
サン(SAYTEX BCL−462)を臭素化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂(BREN−S,日本化
薬株式会社製商品名)に代えて表1に示す配合量でトル
エンに溶解した他は実施例1と同様にして不揮発分65
重量%の積層板用樹脂ワニスを作製した。
【0028】(比較例3)比較例1において,p−ノニ
ルフェノールを除き,臭素化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂を臭素化ビスフェノールA(TBA)に代えて表
1に示す配合量でトルエンに溶解した他は比較例1と同
様にして不揮発分65重量%の積層板用樹脂ワニスを作
製した。
【0029】(比較例4)比較例1において,p−ノニ
ルフェノールをフェノール類付加ブタジエン重合体(P
P700−300,日本石油化学株式会社製商品名)
に,及び臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を臭素
化ビスフェノールA(TBA)に代えて表1に示す配合
量でトルエンに溶解した他は比較例1と同様にして不揮
発分65重量%の積層板用樹脂ワニスを作製した。
【0030】
【表1】
【0031】各実施例及び比較例で得られた積層板用樹
脂ワニスを、厚み0.2mmのガラス布(Eガラス、坪
量210g/m2)に含浸し、140℃で10分加熱し
て樹脂分約41重量%となるように積層板用プリプレグ
を得た。次いで,得られた積層板用プリプレグ4枚を重
ね,その両側に厚み18μmの銅箔を重ね,170℃、
60分、2.5MPaの条件でプレス成形した後、23
0℃で120分加熱処理し厚み0.8mmの銅張り積層
板を作製した。
【0032】得られたプリプレグについて、表面の外観
を目視で、内部を顕微鏡で観察した。また、得られた銅
張り積層板について,誘電特性、はんだ耐熱性、Tg
(ガラス転移温度)及び銅箔引きはがし強さを測定し
た。その結果を表2に示す。
【0033】試験方法は以下の通りである。 ・1MHzの比誘電率(εr)及び誘電正接(tan
δ):JIS−C−6481に準拠して測定。 ・1GHzの比誘電率(εr)及び誘電正接(tan
δ):トリプレート構造直線線路共振器法により測定。 ・Tg:銅箔をエッチングし,TMA(熱機械分析)に
より測定。 ・はんだ耐熱性:銅箔をエッチングし,PCT(121
℃,0.22MPa)中に保持した後、260℃の溶融
はんだに20秒浸漬して、外観を調べた。表中の異常無
し個数とは,ミーズリング及びふくれの発生が無いこと
を意味し、試験数(分母)に対する個数を(分子)であ
る。 ・耐燃性:UL−94垂直試験法に準拠して測定。 ・銅箔引きはがし強さ:JIS−C−6481に準拠し
て測定。 ・加工性:銅箔をエッチングし,金型による外形打ち抜
き後、切断部の外観を調べた。表中の良好とは剥離、ケ
バの発生が無いことを意味する。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように,実施例1〜4の
樹脂組成物を用いた銅張積層板は,何れもTgが高く,
加工性,吸湿時のはんだ耐熱性,銅箔引きはがし強さが
良好でかつ1GHzでの比誘電率,誘電正接が低い。こ
れに対して,各比較例の銅張積層板は,1GHzの比誘
電率及び誘電正接が高く,吸湿時のはんだ耐熱性及び銅
箔引きはがし強さが低い。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明の積層板用樹脂組成
物は,成形性,接着性,吸湿時の耐熱性が良好でかつ高
周波帯域での誘電率,誘電正接が低く,高周波信号を扱
う機器に対応した印刷配線板に用いる積層板用樹脂組成
物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 79:00 C08L 79:00 (56)参考文献 特開 平10−273533(JP,A) 特開 平11−12463(JP,A) 特開 平11−12464(JP,A) 特開 平11−21452(JP,A) 特開 平11−21453(JP,A) 特開 平11−21503(JP,A) 特開 平11−21504(JP,A) 特開 平11−124450(JP,A) 特開 平11−124451(JP,A) 特開 平11−124452(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(I)式: 【化1】 で表される分子中にシアネート基を2個有するシアネー
    ト化合物又はそのプレポリマーの1種以上、 (B)一価フェノール化合物、及び (C)前記(A)成分と反応性を有しない難燃剤 を含む積層板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)成分100重量部に対して、
    前記(B)成分が5〜30重量部である、請求項1記載
    の積層板用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(A)成分が、ビス(3,5−ジメ
    チル−4−シアネートフェニル)メタン又はビス(3,
    5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタンのプレ
    ポリマーである、請求項1又は2に記載の積層板用樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記(A)成分が、2,2−ビス(4−
    シアネートフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキ
    サフルオロプロパン又は2,2−ビス(4−シアネート
    フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
    プロパンのプレポリマーである、請求項1又は2に記載
    の積層板用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記(A)成分が、α,α′−ビス(4
    −シアネートフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン
    又はα,α′−ビス(4−シアネートフェニル)−m−
    ジイソプロピルベンゼンのプレポリマーである、請求項
    1又は2に記載の積層板用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記(B)成分が、アルキル基置換一価
    フェノール化合物である、請求項1〜5のいずれか1項
    記載の積層板用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記アルキル基置換一価フェノール化合
    物が、p−ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェノ
    ール、p−tert−アミルフェノール及びp−tert−オク
    チルフェノールから選ばれる1種以上である、請求項6
    に記載の積層板用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記(B)成分が、(II)式: 【化2】 で表される一価フェノール化合物を少なくとも1種含
    む、請求項1〜5のいずれか1項記載の積層板用樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 前記(II)式で表される一価フェノール
    化合物が、p−(α−クミル)フェノールである、請求
    項8記載の積層板用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記(C)成分が、1,2−ジブロモ
    −4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン,テ
    トラブロモシクロオクタン及びヘキサブロモシクロドデ
    カンから選ばれる脂肪族環型難燃剤の1種以上である、
    請求項1〜9のいずれか1項記載の積層板用樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】 前記(C)成分が、(III)式: 【化3】 で表される複素環型難燃剤の少なくとも1種類を含む、
    請求項1〜9のいずれか1項記載の積層板用樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
    積層板用樹脂組成物を溶剤に溶解、分散しワニスとし、
    このワニスを基材に含浸後、80〜200℃で乾燥させ
    て得られる積層板用プリプレグ。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の積層板用プリプレグ
    を複数枚重ね、さらにその外側に金属箔を積層し加熱加
    圧して得られる金属張り積層板。
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