JPH09279050A - フタロシアニン化合物及びそれを用いた光学記録媒体 - Google Patents

フタロシアニン化合物及びそれを用いた光学記録媒体

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JPH09279050A
JPH09279050A JP8092431A JP9243196A JPH09279050A JP H09279050 A JPH09279050 A JP H09279050A JP 8092431 A JP8092431 A JP 8092431A JP 9243196 A JP9243196 A JP 9243196A JP H09279050 A JPH09279050 A JP H09279050A
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Yuko Okamoto
祐子 岡本
Akiko Ichinosawa
晶子 市野澤
Rieko Hata
理恵子 畑
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    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/06Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide
    • C09B47/067Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide from phthalodinitriles naphthalenedinitriles, aromatic dinitriles prepared in situ, hydrogenated phthalodinitrile
    • C09B47/0675Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide from phthalodinitriles naphthalenedinitriles, aromatic dinitriles prepared in situ, hydrogenated phthalodinitrile having oxygen or sulfur linked directly to the skeleton

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学記録媒体の記録層に適した新規のフタロ
シアニン化合物を提供する。 【解決手段】 下記一般式〔I〕で表わされるフタロシ
アニン化合物及びそれを用いた光学記録媒体。 【化1】 (R1 〜R4 はC1-6 のアルキル基。R5 〜R24はH、
ハロゲン、アルキル、アルコキシ等。ZはH又はハロゲ
ン。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規フタロシアニ
ン化合物及びそれを用いた光学記録媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】レーザーを用いる光学記録は、高密度の
情報記録保存及びその再生を可能とするため、近年、特
に開発が取り進められている。光学記録媒体の一例とし
ては光ディスクを挙げることができる。一般に、光ディ
スクは、円形の基体に設けられた薄い記録層に、1μm
程度に収束したレーザー光を照射し、高密度の情報記録
を行うものである。その光ディスクの中でも最近注目を
集めているものに書き込み型コンパクトディスク(CD
ライトワンスディスク)がある。CDライトワンスディ
スクは通常、案内溝を有するプラスチック基板上に色素
を主成分とする記録層、金属反射膜、保護膜を順次積層
することにより構成される。情報の記録は、照射された
レーザー光エネルギーの吸収によって、その箇所の記録
層、反射層または基板に、分解、蒸発、溶解等の熱的変
形が生成することにより行われる、また、記録された情
報の再生は、レーザー光により変形が起きている部分と
起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより行
われる。したがって、光学記録媒体としてはレーザー光
のエネルギーを効率よく吸収する必要があり、レーザー
吸収色素が用いられる。
【0003】このようなCDライトワンスディスクの記
録層に使用する色素としては、特開昭58−11279
0号、同58−114989号、同59−85791
号、同60−83236号各公報にシアニン系色素を用
いたものが開示されている。しかし、シアニン系色素は
溶解性が高く、塗布によるコーティングが可能であると
いう利点の反面、耐光性に劣るという問題点を有してい
る。この点に関して記録層用の色素としてフタロシアニ
ン系色素を用いたものが提案されている。フタロシアニ
ン系色素は一般に耐候性に優れていて好ましいが、有機
溶媒に対する溶解性が低く、塗布によるコーティングに
使用することができないという問題点を有していた。こ
の点を改良するために、特開昭62−39286号公報
にフタロシアニンにアルコキシ基、置換フェノキシ基等
の置換基を導入することが提案されているが、感度、記
録特性において十分な性能を有しているとは言えなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決する記録層用色素およびこれを用いた光学記録
媒体として、有機溶媒に対する溶解性に優れ、塗布によ
るコーティングに適したフタロシアニン化合物および該
化合物を用いた光学記録媒体を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの目的を
達成するべく鋭意検討した結果、下記一般式〔I〕で示
されるフタロシアニン化合物を見い出した。すなわち本
発明は下記一般式〔I〕で示されるフタロシアニン化合
物、及び基板と記録層からなり、該記録層が前示一般式
〔I〕で示されるフタロシアニン化合物を含有すること
を特徴とする光学記録媒体をその要旨とする。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立して置
換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐
アルキル基を表わす。R5 〜R24はそれぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素
数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキ
シ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖ま
たは分岐のフッ化アルキル基、置換基を有していてもよ
い炭素数1〜6の直鎖または分岐のフッ化アルコキシ
基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖また
は分岐のフッ化アルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、
NX2 (Xは水素原子、または炭素数1〜6の直鎖また
は分岐のアルキル基)、Y3 Si(Yは水素原子、また
は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または
分岐のアルキル基)を表わす。Z1 〜Z4 はそれぞれ独
立して水素原子またはハロゲン原子を表わす。Mは2価
の金属原子、3価または4価の置換金属原子、酸化金属
または2個の水素原子を表わす。)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明のフタロシアニン化合物は、いずれも600
〜800nm付近の近赤外領域に吸収を有し、耐光性、
耐熱性が良好で、後述するように光学記録媒体の記録材
料として有用である。
【0009】上記一般式〔I〕で示されるフタロシアニ
ン化合物において、分岐置換ベンジルオキシ基のフタロ
シアニン環における置換位置が1又は4位、5又は8
位、9又は12位、13又は16位であるフタロシアニ
ン化合物がより好ましい。上記一般式〔I〕において、
1 〜R4 で表わされる、置換基を有していてもよい炭
素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖
のアルキル基、iso−プロピル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメ
チルプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1−is
o−プロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基な
どの炭素数1〜6の分岐のアルキル基等が挙げられ、分
岐のアルキル基が特に好ましい。
【0010】R5 〜R24で表わされる、置換基を有して
いてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数
1〜6の直鎖のアルキル基、iso−プロピル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基、neo−ペンチル基、
1,2−ジメチルプロピル基、1,3−ジメチルブチル
基、1−iso−プロピルプロピル基、1,2−ジメチ
ルブチル基などの炭素数1〜6の分岐のアルキル基等が
挙げられる。
【0011】置換基を有していてもよい炭素数1〜6の
直鎖または分岐のアルコキシ基としてはメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペ
ンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の直鎖のアル
コキシ基;iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、neo−ペンチルオキシ基等
の分岐のアルコキシ基等が挙げられる。
【0012】置換基を有していてもよい炭素数1〜6の
直鎖又は分岐のアルキルチオ基としては、メチルチオ
基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペ
ンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖
のアルキルチオ基;iso−プロピルチオ基、sec−
ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、neo−ペンチルチ
オ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1,3−ジメ
チルブチルチオ基、1−iso−プロピルプロピルチオ
基、1,2−ジメチルブチルチオ基等の炭素数1〜6の
分岐アルキルチオ基等が挙げられる。
【0013】置換基を有していてもよい炭素数1〜6の
直鎖または分岐のフッ化アルキル基としては、トリフル
オロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2−フルオロ
エチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−
トリフルオロエチル基、2H−テトラフルオロエチル
基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基、1H,1H−ペンタフルオロプ
ロピル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル
基、パーフルオロ−n−ブチル基、1H,1H−ヘプタ
フルオロブチル基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ
ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、1H,1
H,5H−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロ−
n−ヘキシル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基
等の炭素数1〜6の直鎖のフッ化アルキル基;1−(ト
リフルオロメチル)テトラフルオロエチル基、1−(ト
リフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル
基、1−(トリフルオロメチル)エチル基、1−(ジフ
ルオロメチル)−2,2−ジフルオロエチル基、1−
(フルオロメチル)−2−フルオロエチル基、パーフル
オロ−1,1−ジメチルエチル基、1,1−ジ(トリフ
ルオロメチル)エチル基、1−(トリフルオロエチル)
−1−メチルエチル基、1−メチル−1H−パーフルオ
ロプロピル基、1−メチル−1H−パーフルオロブチル
基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)プロピル基、2
−メチル−4,4,4−トリフルオロブチル基、パーフ
ルオロ−3−メチルブチル基、2−(パーフルオロ−1
−メチルエチル)エチル基、3−(パーフルオロ−1−
メチルエチル)プロピル基等の炭素数1〜6の分岐のフ
ッ化アルキル基等が挙げられる。
【0014】置換基を有していてもよい炭素数1〜6の
直鎖、分岐のフッ化アルコキシ基としては、トリフルオ
ロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2−フルオ
ロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、2,
2,2−トリフルオロエトキシ基、2H−テトラフルオ
ロエトキシ基、ヘプタフルオロ−n−プロポキシ基、
3,3,3−トリフルオロプロポキシ基、1H,1H−
ペンタフルオロプロポキシ基、1H,1H,3H−テト
ラフルオロプロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ
基、1H,1H−ヘプタフルオロブトキシ基、1H,1
H,3H−ヘキサフルオロブトキシ基、パーフルオロ−
n−ペンチルオキシ基、1H,1H,5H−オクタフル
オロペンチルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘキシルオ
キシ基、2−(パーフルオロブチル)エトキシ基等の炭
素数1〜6の直鎖のフッ化アルキル基;1−(トリフル
オロメチル)テトラフルオロエトキシ基、1−(トリフ
ルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ
基、1−(トリフルオロメチル)エトキシ基、1−(ジ
フルオロメチル)−2,2−ジフルオロエトキシ基、1
−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシ基、パー
フルオロ−1,1−ジメチルエトキシ基、1,1−ジ
(トリフルオロメチル)エトキシ基、1−(トリフルオ
ロエチル)−1−メチルエトキシ基、1−メチル−1H
−パーフルオロプロポキシ基、1−メチル−1H−パー
フルオロブトキシ基、2,2−ジ(トリフルオロメチ
ル)プロポキシ基、2−メチル−4,4,4−トリフル
オロブトキシ基、パーフルオロ−3−メチルブトキシ
基、2−(パーフルオロ−1−メチルエチル)エトキシ
基、3−(パーフルオロ−1−メチルエチル)プロポキ
シ基等の炭素数1〜6の分岐のフッ化アルキル基等が挙
げられる。
【0015】置換基を有していてもよい炭素数1〜6の
直鎖又は分岐のフッ化アルキルチオ基としては、トリフ
ルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、2
−フルオロエチルチオ基、2,2−ジフルオロエチルチ
オ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、2H−
テトラフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プ
ロピルチオ基、3,3,3−トリフルオロプロピルチオ
基、1H,1H−ペンタフルオロプロピルチオ基、1
H,1H,3H−テトラフルオロプロピルチオ基、パー
フルオロ−n−ブチルチオ基、1H,1H−ヘプタフル
オロブチルチオ基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ
ブチルチオ基、パーフルオロ−n−ペンチルチオ基、1
H,1H,5H−オクタフルオロペンチルチオ基、パー
フルオロ−n−ヘキシルチオ基、2−(パーフルオロブ
チル)エチルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖のフッ化ア
ルキルチオ基、1−(トリフルオロメチル)テトラフル
オロエチルチオ基、1−(トリフルオロメチル)−2,
2,2−トリフルオロエチルチオ基、1−(トリフルオ
ロメチル)エチルチオ基、1−(ジフルオロメチル)−
2,2−ジフルオロエチルチオ基、1−(フルオロメチ
ル)−2−フルオロエチルチオ基、パーフルオロ−1,
1−ジメチルエチルチオ基、1,1−ジ(トリフルオロ
メチル)エチルチオ基、1−(トリフルオロエチル)−
1−メチルエチルチオ基、1−メチル−1H−パーフル
オロプロピルチオ基、1−メチル−1H−パーフルオロ
ブチルチオ基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)プロ
ピルチオ基、2−メチル−4,4,4−トリフルオロブ
チルチオ基、パーフルオロ−3−メチルブチルチオ基、
2−(パーフルオロ−1−メチルエチル)エチルチオ
基、3−(パーフルオロ−1−メチルエチル)プロピル
チオ基等の炭素数1〜6の分岐のフッ化アルキルチオ基
等が挙げられる。
【0016】ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。XおよびYで表わされる置換
基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐の
アルキル基としては、それぞれメチル基、エチル基、n
−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t
ert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル
基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ
る。
【0017】Mで表わされる2価金属原子の例として
は、Cu、Ni、Co、Zn、Fe、Mn、Mg、P
d、Ru、Pt、Rh、Ca、Ba、Cd、Hg、P
b、Sn、Ti、Be、Cr等が挙げられる。1置換3
価金属原子の例としては、AlF、AlCl、AlB
r、AlI、GaF、CaCl、GaBr、GaI、I
nF、InCl、InBr、InI、TlF、TlC
l、TlBr、TlI等が挙げられる。2置換4価金属
の例としては、SiF2 、SiCl2 、SiBr2 、S
iI2 、GeF2 、GeCl2 、GeBr2 、Ge
2 、SnF2 、SnCl2 、SnBr2 、SnI2
TiF2 、TiCl2 、TiBr2 、TiI2 、ZrC
2 、HfCl2 、Si(OH)2 、Ge(OH)2
Sn(OH)2 、Zr(OH)2 、Hf(OH)2 、S
iR2 、GeR2 、SnR2 、TiR2 (Rは置換基を
有していてもよいアルキル基、アリール基を表わ
す。)、Si(OR′) 2 、Ge(OR′)2 、Sn
(OR′)2 、Ti(OR′)2 (R′は置換基を有し
ていてもよいアルキル基、アリール基、アシル基、トリ
アルキルシリルオキシ基を表わす。)等が挙げられる。
酸化金属の例としてはVO、TiO、PbO等が挙げら
れる。特に好ましい金属原子の例としてはCu、Pdで
ある。前記一般式〔I〕で示されるフタロシアニン化合
物は下記一般式〔II〕
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R25、R26〜R30はそれぞれ前述
のR1 〜R4 、R5 〜R24の定義と同じ。Zは前述の定
義と同じ。)で示されるフタロニトリル化合物を1〜4
種を混合して、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセン(DBU)等の有機塩基の存在下、金
属誘導体とアルコール等の溶媒中で加熱反応する方法、
あるいは金属誘導体、必要に応じて尿素の存在下、1−
クロロナフタレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベン
ゼン等の溶媒中で加熱する方法により合成することがで
きる。また下記一般式〔III 〕
【0020】
【化4】
【0021】(式中、R25、R26〜R30はそれぞれ前述
のR1 〜R4 、R5 〜R24の定義と同じ。Zは前述の定
義と同じ。)で示されるフタル酸誘導体と、金属誘導体
とを尿素の存在下、1−クロロナフタレン、ジクロロベ
ンゼン、トリクロロベンゼン等の溶媒中で加熱する方法
によっても合成することができる。
【0022】前記一般式〔I〕において、Zがハロゲン
原子である化合物は上述のようにして得られたフタロシ
アニン化合物をハロゲン化剤を用いてハロゲン化するこ
とによっても得られる。本発明の光学記録媒体は、基本
的には基板と前記フタロシアニン化合物または混合物を
含む記録層とから構成されるものであるが、さらに必要
に応じて基板上に下引き層を設けることができる。ま
た、好ましい層構成の一例としては、記録層上に金、
銀、アルミニウムの様な金属反射層および保護層を設け
て高反射率の媒体とし、追記型のCDメディアとするこ
とができる。
【0023】この場合に用いる基板としては、使用する
レーザー光に対して透明なものがよく、ガラス、プラス
チックス等が挙げられ、特にプラスチックスが種々の点
から好ましい。プラスチックスとしては、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリエス
テル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙
げられるが、高生産性、コスト、耐吸湿性の点から射出
成型ポリカーボネート樹脂基板が特に好ましい。
【0024】本発明の光学記録媒体におけるフタロシア
ニン化合物または混合物を含有する記録層は、膜厚10
0Å〜5μm、好ましくは700Å〜3μmで用いられ
る。記録膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタ
リング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピナー
法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法で成膜する
ことができるが、量産性、コスト面からスピナー法が好
ましい。
【0025】また、必要に応じてバインダーを使用する
こともできる。バインダーとしてはポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ケトン樹脂、ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、ポリビニルブチラール、ポリカ
ーボネート等既知のものが用いられる。この場合、本発
明のフタロシアニン化合物は、樹脂中に10重量%以上
含有されることが好ましい。
【0026】スピナー法による成膜の場合、回転数は5
00〜5000rpmが好ましく、スピンコートの後、
場合によっては、加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処
理を行ってもよい。また、記録層の安定や耐光性向上の
ために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレー
ト化合物(たとえば、アセチルアセトナートキレート、
ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシ
ム、ビスジチオ−α−ジケトン等)を含有していてもよ
い。さらに、必要に応じて他の色素を併用することもで
きる。他の色素としては別の種類の同系統の化合物でも
よいし、トリアリールメタン系色素、アゾ色素、シアニ
ン系色素、スクワリリウム系色素、含金属インドアニリ
ン、含金属アゾ色素等他系統の色素でもよい。
【0027】ドクターブレード法、キャスト法、スピナ
ー法、浸漬法、特にスピナー法等の塗布方法により記録
層を形成する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない
溶媒なら特に限定されない。例えば、ジアセトンアルコ
ール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等の
ケトンアルコール系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ等のセロソルブ系溶媒、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−オクタン、エチルシクロヘキサン、n−
ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、ジ
メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の炭化水素系
溶媒、テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペ
ンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のフッ化アル
キルアルコール系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル、イソ
酪酸メチル等のヒドロキシエステル系溶媒等が挙げられ
る。
【0028】本発明の光学記録媒体の記録層は基板の両
面に設けてもよいし、片面に設けてもよい。上記のよう
にして得られた光学記録媒体への記録は、基板の両面ま
たは片面に設けた記録層に1μm程度に集束したレーザ
ー光、好ましくは、半導体レーザーの光をあてることに
より行う。レーザー光の照射された部分は、レーザー光
エネルギーの吸収による、分解、発熱、溶融等の記録層
の熱的変形が起こる。
【0029】記録された情報の再生は、レーザー光によ
り、熱的変形が起きている部分と起きていない部分の反
射率の差を読み取ることにより行う。本発明の光学記録
媒体について使用されるレーザー光はN2 、He−C
d、Ar、He−Ne、ルビー、半導体、色素レーザー
等が挙げられるが、特に軽量性、取扱の容易さ、コンパ
クト性等の点から半導体レーザーが好適である。また、
本発明の色素はこのほかに着色剤として一般に用いられ
る用途に用いることができ、たとえば光学フィルター等
にも使用することができる。
【0030】
【実施例】以下実施例によりこの発明を具体的に説明す
るが、かかる実施例はその要旨を越えない限り本発明を
限定するものではない。 実施例1 (a)製造例 乾燥したジメチルホルムアミド40ml中に分散した6
0%水素化ナトリウム3.00g(75mmol)を窒
素気流下、撹拌し、10℃で4−t−ブチル−α−is
o−プロピルベンジルアルコール18.6g(90mm
ol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、下記構造式
〔IV〕
【0031】
【化5】
【0032】で示される3−ニトロフタロニトリル1
3.0g(75mmol)のジメチルホルムアミド60
ml溶液をゆっくり滴下した。3時間撹拌した後、氷水
中に放出し、塩酸で中和し、析出した結晶を濾過、水
洗、乾燥すると下記構造式〔V〕で示される3−〔4−
t−ブチル−α−iso−プロピルベンジルオキシ〕フ
タロニトリル25.75g(収率≧100%)を得た。
【0033】
【化6】
【0034】上述の3−〔4−t−ブチル−α−iso
−プロピルベンジルオキシ〕フタロニトリル3.32g
(10.0mmol)、DBU1.52g(10.0m
mol)のn−アミルアルコール10ml溶液を撹拌し
ながら90−95℃に加熱し、同温度で塩化銅(II)
0.40g(3.0mmol)を添加した。90−10
0℃で3.5時間加熱、撹拌し、放冷後、溶媒を減圧下
除去し、シリカゲルカラム(トルエン)で精製し、乾燥
すると下記構造式〔VI〕で示されるフタロシアニン化合
物0.30g(収率37.2%)を得た。(得られた化
合物は4−t−ブチル−α−iso−プロピルベンジル
オキシ基が1、5、9、13位に置換した化合物、1、
8、9、16位に置換した化合物、1、5、9、16位
に置換した化合物、1、5、12、16位に置換した化
合物の異性体を含むが代表的構造を〔VI〕で示す。)こ
の化合物のクロロホルム中でのλmaxは711nmで
あり、分子吸光係数は1.89×105 であった。この
化合物のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペクトルを
図1に示す。また、赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0035】
【化7】
【0036】(b)記録媒体例 前記製造例で得たフタロシアニン化合物のエチルシクロ
ヘキサン1.5wt%溶液を調整し、0.22μmのフ
ィルターで濾過し、溶解液を得た。この溶液を直径12
0mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹
脂基板上に滴下し、スピナー法により500rpmの回
転数で塗布した。塗布後、80℃で5分間乾燥した。塗
布膜の最大吸収波長は724nmであった。次に、この
塗布膜の上にスパッタリング法により、膜厚1000Å
の金膜を成膜し、反射層を形成した。さらにこの反射層
の上に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、これに紫外
線を照射して硬化させ、厚み5μmの保護層を形成し
た。
【0037】(c)光記録法 上記記録媒体を1.4m/sで回転させながら、中心波
長780nmの半導体レーザー光で、記録パワー6.8
mWで照射し、EFM信号を記録した。次にこの記録部
を中心波長780nmの半導体レーザーを有するCDプ
レーヤーで再生したところ、良好な再生信号を得た。
【0038】実施例2 (a)製造例 乾燥したジメチルホルムアミド30ml中に分散した6
0%水素化ナトリウム2.00g(50mmol)を窒
素気流下、撹拌し、10℃で2,4−ジイソプロピル−
α−イソプロピルベンジルアルコール14.06g(6
0mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、3−ニ
トロフタロニトリル8.66g(50mmol)のジメ
チルホルムアミド40ml溶液をゆっくり滴下した。1
時間半撹拌した後、氷水中に放出し、塩酸で中和し、析
出した結晶を濾過、水洗、乾燥すると下記構造式〔VII
〕で示される3−〔2,4−ジ(イソプロピル)−α
−イソプロピルベンジルオキシ〕フタロニトリル16.
90g(収率93.9%)を得た。
【0039】
【化8】
【0040】上述の3−〔2,4−ジ(イソプロピル)
−α−イソプロピルベンジルオキシ〕フタロニトリル
3.61g(10.0mmol)、DBU1.52g
(10.0mmol)のn−アミルアルコール10ml
溶液を撹拌しながら90−95℃に加熱し、同温度で塩
化銅(II)0.40g(3.0mmol)を添加した。
90−100℃で1.5時間加熱、撹拌し、放冷後、溶
媒を減圧下除去し、シリカゲルカラム(トルエン)で精
製し、乾燥すると下記構造式〔VIII〕で示されるフタロ
シアニン化合物1.47g(収率39.1%)を得た。
(得られた化合物は実施例1と同様に異性体を含むが代
表的な構造を〔VIII〕で示す。)この化合物のクロロホ
ルム中でのλmaxは710nmであり、分子吸光係数
は1.76×105 であった。この化合物のクロロホル
ム溶液中の可視部吸収スペクトルを図3に示す。また、
赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0041】
【化9】
【0042】(b)記録媒体例 前記製造例で得たフタロシアニン化合物のブチルシクロ
ヘキサン1.5wt%溶液を調整し、0.22μmのフ
ィルターで濾過し、溶解液を得た。この溶液を直径12
0mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹
脂基板上に滴下し、スピナー法により500rpmの回
転数で塗布した。塗布後、80℃で5分間乾燥した。塗
布膜の最大吸収波長は722nmであった。次に、この
塗布膜の上にスパッタリング法により、膜厚1000Å
の金膜を成膜し、反射層を形成した。さらにこの反射層
の上に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、これに紫外
線を照射して硬化させ、厚み5μmの保護層を形成し
た。
【0043】(c)光記録法 上記記録媒体を1.4m/sで回転させながら、中心波
長780nmの半導体レーザー光で、記録パワー7.0
mWで照射し、EFM信号を記録した。次にこの記録部
を中心波長780nmの半導体レーザーを有するCDプ
レーヤーで再生したところ、良好な再生信号を得た。
【0044】実施例3 (a)製造例 乾燥したジメチルホルムアミド23ml中に分散した6
0%水素化ナトリウム2.64g(66mmol)を窒
素気流下、撹拌し、10℃で2−メトキシ−α−メチル
ベンジルアルコール10.0g(66mmol)のジメ
チルホルムアミド5ml溶液をゆっくり滴下した。滴下
終了後、3−ニトロフタロニトリル9.52g(55m
mol)のジメチルホルムアミド35ml溶液をゆっく
り滴下した。2時間撹拌した後、氷水中に放出し、塩酸
で中和し、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥すると下記
構造式〔IX〕で示される3−(2−メトキシ−α−メチ
ルベンジルオキシ)フタロニトリル23.20g(粗収
率≧100%)を得た。
【0045】
【化10】
【0046】前述の3−(2−メトキシ−α−メチルベ
ンジルオキシ)フタロニトリル2.78g(10mmo
l)、DBU1.52g(10.0mmol)のn−ア
ミルアルコール10ml溶液を撹拌しながら90−95
℃に加熱し、同温度で塩化銅(II)0.40g(3.0
mmol)を添加した。90−100℃で6時間加熱、
撹拌し、放冷後、メタノール200mlを加えて撹拌し
た。析出した結晶を濾別、乾燥させ、シリカゲルカラム
(トルエン)で精製し、乾燥すると下記構造式〔X〕
(得られた化合物は実施例1と同様に異性体を含むが代
表的構造を〔X〕で示す。)で示されるフタロシアニン
化合物0.201g(収率6.8%)を得た。この化合
物のクロロホルム中でのλmaxは711nmであり、
分子吸光係数は1.85×105 であった。この化合物
のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペクトルを図5に
示す。また、赤外吸収スペクトルを図6に示す。
【0047】
【化11】
【0048】(b)記録媒体例 前記製造例で得たフタロシアニン化合物の2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブタノール1.5wt%溶
液を調整し、0.22μmのフィルターで濾過し、溶解
液を得た。この溶液を直径120mm、厚さ1.2mm
の射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピ
ナー法により500rpmの回転数で塗布した。塗布
後、80℃で5分間乾燥した。塗布膜の最大吸収波長は
727nmであった。次に、この塗布膜の上にスパッタ
リング法により、膜厚1000Åの金膜を成膜し、反射
層を形成した。さらにこの反射層の上に紫外線硬化性樹
脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、厚み5μmの保護層を形成した。
【0049】(c)光記録法 上記記録媒体を1.4m/sで回転させながら、中心波
長780nmの半導体レーザー光で、記録パワー6.8
mWで照射し、EFM信号を記録した。次にこの記録部
を中心波長780nmの半導体レーザーを有するCDプ
レーヤーで再生したところ、良好な再生信号を得た。
【0050】実施例4 (a)製造例 乾燥したジメチルホルムアミド25ml中に分散した6
0%水素化ナトリウム2.00g(50mmol)を窒
素気流下、撹拌し、10℃でm−(ジメチルアミノ)フ
ェニルメチルカルビノール9.91g(60mmol)
をゆっくり滴下した。滴下終了後、3−ニトロフタロニ
トリル8.66g(50mmol)のジメチルホルムア
ミド30ml溶液をゆっくり滴下し、7時間撹拌した後
一晩放置した。氷水中に放出し、塩酸で中和し、析出し
た結晶を濾過、水洗、乾燥すると下記構造式〔XI〕で示
される3−〔m−(ジメチルアミノ)フェニルメチルカ
ルビノキシ〕フタロニトリル13.26g(収率90.
8%)を得た。
【0051】
【化12】
【0052】前述の3−〔m−(ジメチルアミノ)フェ
ニルメチルカルビノキシ〕フタロニトリル2.91g
(10mmol)、DBU1.52g(10.0mmo
l)のn−アミルアルコール10ml溶液を撹拌しなが
ら90−95℃に加熱し、同温度で塩化銅(II)0.5
3g(4.0mmol)を添加した。90−100℃で
6時間加熱撹拌した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラ
ム(クロロホルム)で精製し、乾燥すると下記構造式
〔XII 〕で示されるフタロシアニン化合物0.751g
(収率24.5%)を得た。(得られた化合物は実施例
1と同様に異性体を含むが代表的な構造を〔XII 〕で示
す。)この化合物のクロロホルム中でのλmaxは71
1nmであり、分子吸光係数は1.73×105 であっ
た。この化合物のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペ
クトルを図7に示す。また、赤外吸収スペクトルを図8
に示す。
【0053】
【化13】
【0054】(b)記録媒体例 前記製造例で得たフタロシアニン化合物の2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブタノール1.5wt%溶
液を調整し、0.22μmのフィルターで濾過し、溶解
液を得た。この溶液を直径120mm、厚さ1.2mm
の射出成型ポリカーボネート樹脂基板上に滴下し、スピ
ナー法により500rpmの回転数で塗布した。塗布
後、80℃で5分間乾燥した。塗布膜の最大吸収波長は
729nmであった。次に、この塗布膜の上にスパッタ
リング法により、膜厚1000Åの金膜を成膜し、反射
層を形成した。さらにこの反射層の上に紫外線硬化性樹
脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、厚み5μmの保護層を形成した。
【0055】(c)光記録法 上記記録媒体を1.4m/sで回転させながら、中心波
長780nmの半導体レーザー光で、記録パワー7.0
mWで照射し、EFM信号を記録した。次にこの記録部
を中心波長780nmの半導体レーザーを有するCDプ
レーヤーで再生したところ、良好な再生信号を得た。
【0056】実施例5−12 実施例1において用いた化合物の代わりに表−1に示し
た化合物を合成した。最大吸収波長、分子吸光係数を示
す。また、それらのフタロシアニン化合物を用いて実施
例1と同様に基板上に塗布して、表−1に示す塗布膜の
最大吸収波長を持つ光学記録媒体を製造した。得られた
光学記録媒体に、光源として半導体レーザーを用いて記
録を行ったところ、記録感度が良好であり、耐光性、保
存安定性に優れていた。
【0057】
【表1】
【0058】比較例 (a)記録媒体例 下記構造式〔XIII〕で示されるフタロシアニン化合物
(この化合物は実施例1と同様に異性体を含むが、代表
的構造を〔XIII〕で示す。)のエチルシクロヘキサン
1.7wt%溶液を調整し、0.22μmのフィルター
で濾過し、溶解液を得た。この溶液を直径120mm、
厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上
に滴下し、スピナー法により500rpmの回転数で塗
布した。塗布後、80℃で5分間乾燥した。塗布膜の最
大吸収波長は714nmであった。次に、この塗布膜の
上にスパッタリング法により、膜厚1000Åの金膜を
成膜し、反射層を形成した。さらにこの反射層の上に紫
外線硬化性樹脂をスピンコートし、これに紫外線を照射
して硬化させ、厚み5μmの保護層を形成した。
【0059】
【化14】
【0060】(b)光記録法 上記記録媒体を1.4m/sで回転させながら、中心波
長780nmの半導体レーザー光で記録したところ、E
FM信号を記録するために記録パワーとして10.5m
Wが必要であり、この場合でも実施例1に示した本発明
の光記録媒体と比べ記録感度、反射率ともに劣るもので
あった。
【0061】
【発明の効果】本発明のフタロシアニン化合物は、有機
溶媒に対する溶解性が高く、塗布によるコーティングが
可能であり、しかも感度が良好で耐光性、保存安定性に
優れているもので、該フタロシアニン化合物を用いた光
学記録媒体は工業的に極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたフタロシアニン化
合物のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペクトルを表
わす図。
【図2】本発明の実施例1で得られたフタロシアニン化
合物の赤外吸収スペクトルを表わす図。
【図3】本発明の実施例2で得られたフタロシアニン化
合物のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペクトルを表
わす図。
【図4】本発明の実施例2で得られたフタロシアニン化
合物の赤外吸収スペクトルを表わす図。
【図5】本発明の実施例3で得られたフタロシアニン化
合物のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペクトルを表
わす図。
【図6】本発明の実施例3で得られたフタロシアニン化
合物の赤外吸収スペクトルを表わす図。
【図7】本発明の実施例4で得られたフタロシアニン化
合物のクロロホルム溶液中の可視部吸収スペクトルを表
わす図。
【図8】本発明の実施例4で得られたフタロシアニン化
合物の赤外吸収スペクトルを表わす図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市野澤 晶子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 畑 理恵子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立して置換基を有して
    いてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基を
    表わす。R5 〜R24はそれぞれ独立して水素原子、ハロ
    ゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直
    鎖または分岐のアルキル基、置換基を有していてもよい
    炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、置換基
    を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のフ
    ッ化アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜
    6の直鎖または分岐のフッ化アルコキシ基、置換基を有
    していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のフッ化
    アルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、NX2 (Xは水
    素原子、または炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキ
    ル基)、Y3 Si(Yは水素原子、または置換基を有し
    ていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
    基)を表わす。Z1 〜Z4 はそれぞれ独立して水素原子
    またはハロゲン原子を表わす。Mは2価の金属原子、3
    価または4価の置換金属原子、酸化金属または2個の水
    素原子を表わす。)で示されるフタロシアニン化合物。
  2. 【請求項2】 前記一般式〔I〕において、分岐置換ベ
    ンジルオキシ基のフタロシアニン環における置換位置が
    それぞれ1又は4、5又は8、9又は12、13又は1
    6位である請求項1に記載のフタロシアニン化合物。
  3. 【請求項3】 基板上にレーザーによる情報の書き込み
    及び/または読み取りが可能な記録層が設けられた光学
    記録媒体において、該記録層が請求項1または2に記載
    のフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする光
    学記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層上に金属の反射層及び保護層を設
    けることを特徴とする請求項3に記載の光学記録媒体。
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