JP3780609B2 - フタロシアニン誘導体及びこれを用いた光学記録媒体 - Google Patents

フタロシアニン誘導体及びこれを用いた光学記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフタロシアニン誘導体及びこれを用いた光学記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザー、特に半導体レーザーを使用する光学記録媒体は、高密度での情報の記録、保存及びその再生が可能であるため、近年、特に開発が望まれている技術である。このような光学記録媒体の一例としては光ディスクを挙げることが出来る。一般に光ディスクは、円形の基体に設けられた薄い記録層に、1μm程度に収束したレーザー光を照射し、高密度の情報記録を行なうものである。
【0003】
光ディスクの中でも最近特に注目を集めているものに、書き込み型コンパクトディスク(CD Write Once)がある。ユーザーは、記録装置を使用してこれに音楽や情報を1回だけ記録することが可能であり、記録した音楽や情報の再生は、既存のCDプレーヤーやCD ROMドライブを使用して行なうことが可能である。
【0004】
このディスクは、通常、案内溝を有するプラスチック基板上に、色素を主成分とする記録層、金属反射膜及び保護膜を順次積層した構成を有している。
情報の記録は、レーザー光(通常は波長780nm)を照射して、その照射箇所の記録層、反射層又は基板に分解、蒸発、融解などの熱的な変化を起させることにより行い、そして記録された情報の再生は、レーザー光により変化が起きている部分と起きていない部分との反射率の差を読み取ることにより行なう。
【0005】
したがって、記録媒体としては、記録に使用するレーザー光に対する記録感度が高いこと、再生に使用するレーザー光に対する反射率が記録部では低く、未記録部では高いことが重要である。コンパクトディスクプレーヤーで再生を行うためには、再生に使用するレーザー光(通常780nm)に対する未記録部の反射率は65%以上、記録部の反射率は45%以下とすることが必要である。
【0006】
この様なCD Write Onceの記録層に使用する色素としては、従来シアニン系色素が提案されてきたが、シアニン系色素を使用したものは日光やその他の光に弱いという欠点を有していた。他の色素を用いた光学記録媒体としては、スクアリリウム系色素、ナフトキノン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素などを使用したものが提案されている。
【0007】
上記の色素のうち、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素は一般に耐候性が優れているので好ましいが、ベンゼン環、ナフタレン環に置換基を有していないものは、溶媒に対する溶解度が極めて低いため、塗布により記録層を形成することが出来ないという問題点を有している。
一方、特願平6−081742号には、フタロシアニン系色素において、ベンゼン環にテトラヒドロフルフリルオキシ基などを導入することが提案されている。しかしながらこれらのフタロシアニン誘導体は、CD Write Onceの記録層用色素として使用したときに、記録感度がそれほど高くないという問題点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、日光などの光に強く、溶媒に対する溶解性も高く、塗布により記録層を形成しやすい新規なフタロシアニン誘導体の提供にある。また本発明の他の目的は、このフタロシアニン誘導体を使用した記録感度の高い光学記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフタロシアニン誘導体は、一般式〔I〕で示されるアセチレン結合を有することを特徴とするものである。
【0010】
【化6】
Figure 0003780609
【0011】
(式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子又は2個の原子価が残存している3価若しくは4価の金属原子を表わし、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基又はシクロアルキル基を表わすが、これらの基は、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ハロゲン原子、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、エチルチオ基、エチルアミノ基から選ばれる基で置換されていてもよく、環A、B、C及びDは、それぞれ独立して、さらに置換基を有していてもよい。)
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明すると、本発明に係るフタロシアニン誘導体を表わす前記一般式〔I〕において、R1〜R4としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状ないし分岐状のアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;またはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。R1〜R4に結合する置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;アリルオキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;テトラヒドロフリル基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、n−ペンチルスルホニルアミノ基、n−ヘキシルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、sec−ブトキシカルボニルオキシ基、n−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基;エチルチオ基;エチルアミノ基が挙げられる。
【0013】
Mで表わされる2価の金属原子としては、Cu、Ni、Co、Zn、Fe、Mn、Mg、Pd、Ru、Pt、Rh、Ca、Ba、Cd、Hg、Pb、Sn、Ti、Be、Cr等が挙げられる。3価の金属原子の誘導体としては、AlF、AlCl、AlBr、AlI、GaF、GaCl、GaBr、GaI、InF、InCl、InBr、InI、TlF、TlCl、TlBr、TlI等の3価の金属原子の2個の原子価が残存しているものが挙げられる。4価の金属原子の誘導体としては、SiF2 、SiCl2 、SiBr2 、SiI2 、GeF2 、GeCl2 、GeBr2 、GeI2 、SnF2 、SnCl2 、SnBr2 、SnI2 、TiF2 、TiCl2 、TiBr2 、TiI2 、ZrCl2 、HfCl2 、Si(OH)2 、Ge(OH)2 、Sn(OH)2 、Zr(OH)2 、Hf(OH)2 、SiR2 、GeR2 、SnR2 、TiR2 (Rは置換基を有していてもよいアルキル基又はアリール基を表わす。)、Si(OR′)2 、Ge(OR′)2 、Sn(OR′)2 、Ti(OR′)2 (R′は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アシル基、トリアルキルシリルオキシ基などを表わす。)等の、4価の金属原子の2個の原子価が残存しているものが挙げられる。また、VO、TiO、PbO等の金属酸化物も挙げられる。特に好ましい金属原子又は金属原子の誘導体はPd、Cu、Ni、Pb、SnCl2 、Si(OR′)2 、AlCl、VO、TiOである。
【0014】
環A、B、C及びDの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、スルフィン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニルアゾ基、ピリジノアゾ基、ビニル基等が挙げられ、これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。これらの置換基の中で好ましいものとしては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基、炭素数1〜25のアルコキシ基、炭素数1〜25のアルキルチオ基、炭素数6〜30のアリールチオ基、炭素数1〜25のアルキルスルファモイル基、炭素数6〜30のフェニルスルファモイル基、炭素数1〜25のアルキルスルフィン酸基、炭素数6〜30のフェニルスルフィン酸基、炭素数6〜30のピリジノアゾ基、炭素数2〜26のエステル基、炭素数2〜26のアルキルカルバモイル基、炭素数6〜30のフェニルカルバモイル基、炭素数2〜26のアシル基若しくは炭素数1〜25のアシルアミノ基などが挙げられる。また、−NR5 6 (R5 及びR6 は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25のアルキル基若しくはフェニル基を表し、R5 及びR6 は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。)、−CR7 =C(CN)R8 (R7 は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R8 はシアノ基又は炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基を表す。)等も挙げられる。より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、ハロゲン原子が挙げられる。
【0015】
本発明のフタロシアニン誘導体は、いずれも600〜800nm付近の近赤外領域に吸収を有し、耐光性、耐熱性が良好で、後述する様に光学記録媒体の光吸収物質として非常に有用である。なかでも下記の一般式〔II〕に示されるフタロシアニン誘導体が特に好ましい。
【0016】
【化7】
Figure 0003780609
【0017】
(式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子又は3価若しくは4価の金属の誘導体を表わす。)
本発明に係るフタロシアニン誘導体は、例えば下記のようにして製造することができる。
【0018】
【化8】
Figure 0003780609
【0019】
ニトロフタロニトリル(I)を還元してアミノフタロニトリル(II)とし、これをジアゾ化を経てヨウドフタロニトリル(III)とする。これにアセチレン化合物を反応させるとアセチレン化合物が結合したフタロニトリル(IV)が得られる。なお、ヨウドフタロニトリル(III)の合成については、C.C.Leznoff et al;Can.J.Chem.,73,435(1995)やS.W.Marcuccio;Can.J.Chem.,63,3057(1985)などが参考となる。このフタロニトリル(IV)を、金属化合物と共に、キノリン又はクロロナフタレン溶媒中で、150〜250℃に1〜5時間程度加熱するか、又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンやリチウムのような塩基性の触媒と共にn−ペンタノール、n−ヘキサノールのような高沸点のアルコール中で70〜120℃に1〜20時間程度加熱すると、本発明に係るフタロシアニン誘導体(V)が得られる。
【0020】
フタロニトリル(IV)からフタロシアニン誘導体(V)への過程で用いる金属化合物としては、IB族、IIA族、IIB族、 IIIA族、IVA族、IVB族、VB族、VIB族、VIII族の各種のものを使用することが出来るが、合成のしやすさ、得られた化合物の性能からみて、銅、マグネシウム、亜鉛、チタン、アルミニウム、インジウム、錫、鉛、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パラジウムなどの酸化物、ハロゲン化物、酢酸塩などが好ましく、マグネシウム、亜鉛、銅のハロゲン化物が特に好ましい。
【0021】
本発明に係る光学記録媒体は、基本的に基板と上記のフタロシアニン誘導体を含む記録層とから構成されているが、更に、必要に応じて基板上に下引き層を、また記録層上に反射層及び/又は保護層を設けることが出来る。
基板としては、使用するレーザー光に対して透明又は不透明のいずれであってもよい。基板の材質としては、ガラス、プラスチック、紙、板状または箔状の金属などの、一般にこの種の記録媒体の支持体として用いられているものが使用できるが、種々の点からみてプラスチックが好ましい。プラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルホン樹脂などが挙げられる。
【0022】
本発明の光学記録媒体における情報記録層である一般式(I)で表わされるフタロシアニン誘導体を含有する記録層の厚さは、100Å〜5μm、好ましくは500Å〜3μmである。記録層の形成は、塗布によるのが好ましい。すなわちフタロシアニン誘導体を、溶媒又は溶媒とバインダーの混合物中に溶解又は分散させた塗布液を、スピンコートやスプレー塗布など常用の塗布法により基板に塗布すればよい。バインダーとしては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂などを用いることが出来る。
【0023】
これらの樹脂に対するフタロシアニン誘導体の比率は、10重量%以上が好ましい。また、溶媒としては、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルアルコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロベンゼン等の各種のものを使用することが出来る。
なお、基板として、射出成形により製造されたポリカーボネート樹脂基板やメタクリル樹脂基板を使用する場合には、上記の溶媒としては、エチルセロソルブ、エチルアルコール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール、エチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン等が好ましい。本発明の光学記録媒体の記録層は、基板の両面に設けてもよいし、片面だけに設けてもよい。
【0024】
光学記録媒体への記録は、基板の両面または片面に設けられた記録層に1μm程度に収束したレーザー光、好ましくは半導体レーザー光を照射することにより行う。レーザー光の照射された部分には、レーザーエネルギーの吸収による、分解、蒸発、溶融などの記録層の熱的変形が起きる。記録された情報の再生は、レーザー光により、熱的変形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより行なう。
【0025】
光源としては、He−Neレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザー等の各種のレーザーを使用することが出来るが、価格、大きさの点で、半導体レーザーが特に好ましい。半導体レーザーとしては、通常は中心波長が830nm又は780nmのものが用いられるが、780nmより短波長のレーザーも使用することが出来る。
なお、本発明に係る一般式(I)のフタロシアニン誘導体は、プラスチックや紙など各種の素材の着色、各種の繊維の染色、光学フィルターの着色など、光学記録媒体以外の用途にも使用できる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に制限されるものではない。なお、「%」は特に断らない限り「重量%」である。
実施例1
3−アミノフタロニトリルの合成;
エタノール150mlに3−ニトロフタロニトリル5.19g(30ミリモル)と活性炭に担持したパラジウム触媒(10%Pd/C)約0.55gを加え、大気圧下で72時間、22℃で還元した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色の3−アミノフタロニトリル3.0g(収率70%)を得た。このものの融点は約200℃であった。
【0027】
3−ヨードフタロニトリルの合成;
60mlの濃塩酸に3.0g(21ミリモル)の3−アミノフタロニトリルを加え、0℃で10分間撹拌した。これに2.2g(31.5ミリモル)の亜硝酸ナトリウム溶液を液温が0℃以上にならないように滴下した。引続き0℃で1.5時間撹拌したのち素早く吸引濾過した。濾液に3.8g(31.5ミリモル)のヨウ化カリウムを含む水溶液30mlを滴下し、引続き撹拌して液温を室温に戻した。濾過して黒色の沈殿を取得し、冷水で洗浄したのちベンゼンに溶解した。このベンゼン溶液を、冷水、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液、冷水、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及び冷水で順次洗浄したのち、硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶液を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。次いで晶析させて、融点169℃の3−ヨードフタロニトリルの白色結晶を2.7g(収率50.5%)得た。
【0028】
3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)フタロニトリルの合成;
新たに蒸留した50mlのジエチルアミンに、1.8g(7.1ミリモル)の3−ヨードフタロニトリル、0.64g(7.9ミリモル)のt−ブチルアセチレン、0.14g(0.071ミリモル)のヨウ化第一銅及び0.1g(0.16ミリモル)の(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドを加え、窒素気流下、室温で72時間撹拌した。この間、薄層クロマトグラフィーで約12時間毎に反応の進行をチェックしながら、t−ブチルアセチレン、ヨウ化第一銅及び(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドを少量ずつ随時添加した。濾過して濾滓をベンゼンで洗浄した。濾液と洗浄液とを合せて濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。次いで晶析させて、融点61℃の3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)フタロニトリルの白色結晶1.12g(収率75.9%)を得た。
【0029】
テトラ(3,3−ジメチル−1−ブチニル)フタロシアニンの合成;
0.5mlの無水ペンタノールに3mgのリチウムを加えて加熱し、溶解させた。これに3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)フタロニトリル19.6mg(0.1ミリモル)を加え、2時間還流した。冷却したのち、これにメタノールに濃塩酸1滴を加えた溶液を添加し、生じた青色沈殿を濾取した。これを乾燥後、クロロホルム溶媒に溶解し、シリカゲルカラムで精製したのち再結晶させて、下記のテトラ(3,3−ジメチル−1−ブチニル)フタロシアニン9.5mg(収率48%)を得た。このもののクロロホルム溶液中でのλmaxは714nm、分子吸光係数は15.9×104 であった。このもののクロロホルム溶液の吸収スペクトルを図1に示す。
【0030】
【化9】
Figure 0003780609
【0031】
実施例2
α−クロロナフタレン40mlに、三塩化バナジウム0.78g、モリブデン酸アンモニウム0.2g、及び3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)フタロニトリル4.6gを加え、180〜200℃で4時間撹拌した。放冷後、これにn−ヘキサン30mlを加え、濾過して青色の濾滓3.2gを得た。これを30mlのクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC−200 (和光純薬社製)、展開溶剤;クロロホルム−メタノール混合系)により精製したのち晶析させて、青色の物質2.7gを得た。このものは純品ではなく異性体を含んでいると考えられるが、その代表的な構造は下記と考えられる。また、このもののクロロホルム溶液中でのλmaxは718nm、分子吸光係数は19.2×104 であった。このクロロホルム溶液中の吸収スペクトルを図2に示す。
【0032】
【化10】
Figure 0003780609
【0033】
実施例3
実施例2において、三塩化バナジウムの代りに無水塩化第一銅を用いた以外は実施例2と同様に反応及び精製を行い、下記構造のフタロシアニンを得た。このもののクロロホルム溶液中でのλmaxは690nm、分子吸光係数は18.5×104 であった。
【0034】
【化11】
Figure 0003780609
【0035】
実施例4〜15
実施例2の方法に準じて下記の構造のフタロシアニン誘導体を合成した。それぞれのフタロシアニン誘導体のクロロホルム溶液中でのλmax及び分子吸光係数を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003780609
【0037】
【表2】
Figure 0003780609
【0038】
比較例1〜4
実施例2の方法に準じて、下記の構造のフタロシアニン誘導体を合成した。それぞれのフタロシアニン誘導体のクロロホルム溶液中でのλmax及び分子吸光係数を表2に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0003780609
【0040】
実施例16
実施例2で得られたフタロシアニン誘導体の1.5%ヘキサフルオロブタノール溶液を調製し、これをスピンコーティング法(回転数500rpm)により、直径120mm、板厚1.2mmのポリカーボネート基板上に塗布した。この色素薄膜の上に金を蒸着して反射層を形成し、さらにその上に紫外線硬化樹脂による保護層を設けて光学記録媒体を作製した。得られた光学記録媒体の未記録部の775nmでの反射率は70%であった。
【0041】
この光学記録媒体を線速度1.2m/sで回転させながら、中心波長775nmの半導体レーザー光を出力9.4mWで照射し、EFM信号を記録した。次に、この記録部を中心波長780nmの半導体レーザーを有するCDプレーヤーで再生したところ、良好な再生信号を得た。また、耐光性(キセノンフェードメーター加速テスト;60時間)及び保存安定性(70℃、85%RH;100時間)試験を行なった結果、初期と比べて感度および再生信号の劣化はみられず、光学記録媒体として極めて優れたものであった。
【0042】
実施例17
実施例7で得られたフタロシアニン誘導体の2.5%t−ブチルシクロヘキサン溶液を調製し、これを用いて実施例16と同様の条件で光学記録媒体を作製した。得られた光学記録媒体の未記録部の775nmでの反射率は68%であった。この光学記録媒体を線速度1.2m/sで回転させながら、中心波長775nmの半導体レーザー光を出力7.8mWで照射し、EFM信号を記録した。次に、この記録部を中心波長780nmの半導体レーザーを有するCDプレーヤーで再生したところ、良好な再生信号を得た。また、耐光性(キセノンフェードメーター加速テスト;100時間)試験を行った結果、初期と比べて感度及び再生信号の劣化はみられず、光学記録媒体として極めて優れたものであった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の新規なフタロシアニン誘導体は、600〜800nm付近の可視〜近赤外領域に強い吸収を有し、耐光性、耐熱性が良好で、しかも加熱による吸収波長の変化が生起しにくく、かつ、プラスチック基板への塗布も容易である。
また、このフタロシアニン誘導体を使用した本発明の光学記録媒体は、耐光性、耐熱性に優れ、記録感度および記録再生特性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したフタロシアニン誘導体のクロロホルム溶液中での吸収スペクトルである。
【図2】実施例2で合成したフタロシアニン誘導体のクロロホルム溶液中での吸収スペクトルである。

Claims (5)

  1. 下記の一般式〔I〕で示されるフタロシアニン誘導体。
    Figure 0003780609
    (式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子又は2個の原子価が残存している3価若しくは4価の金属原子を表わし、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基又はシクロアルキル基を表わすが、これらの基は、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ハロゲン原子、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、エチルチオ基、エチルアミノ基から選ばれる基で置換されていてもよく、環A、B、C及びDは、それぞれ独立して、さらに置換基を有していてもよい。)
  2. 下記の一般式〔V〕で示される請求項1に記載のフタロシアニン誘導体。
    Figure 0003780609
    (式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子又は2個の原子価が残存している3価若しくは4価の金属原子を表わし、Rは、アルキル基、アリール基又はシクロアルキル基を表わすが、これらの基は、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、ハロゲン原子、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、エチルチオ基、エチルアミノ基から選ばれる基で置換されていてもよい。)
  3. 下記の一般式〔VIII〕で示される請求項1または2に記載のフタロシアニン誘導体。
    Figure 0003780609
    (式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子又は2個の原子価が残存している3価若しくは4価の金属原子を表わし、Bは、
    Figure 0003780609
    のいずれかを表す。
  4. 下記の一般式〔II〕で示されるフタロシアニン誘導体。
    Figure 0003780609
    (式中、Mは2個の水素原子、2価の金属原子又は2個の原子価が残存している3価若しくは4価の金属原子を表わす。)
  5. 基板上に請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフタロシアニン誘導体を含む記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。
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