JPH09277887A - 自動追従走行システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】先行車に後続車を自動追従走行せしめるシステ
ムにおいて、両車の間への他車の割り込みを的確に防止
して自動追従走行を円滑に行うことができる自動追従シ
ステムを提供する。 【解決手段】先行車１に、後続車２が追従走行を行って
いる旨を認識する追従走行認識手段１２と、追従走行認
識手段１２により後続車２の追従走行が認識されたと
き、後続車２と先行車１との間への他車３の割り込みを
防止するための所定の表示を他車３に向かって行う表示
手段１１とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動追従走行シテ
ムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動車の走行システムにあって
は、種々の自動走行システムが開発されつつある。

【０００３】この種の自動走行システムとしては、例え
ば道路情報を車両に提供するための漏洩ケーブルを走行
道路の所定の走行レーンの走行経路に沿って設置すると
共に、車両が自車の走行位置を認識するための磁気クギ
を該走行経路に沿って走行道路に埋設し、漏洩ケーブル
から道路情報を自動車側で受けとったり、自車の走行位
置を磁気クギの磁力を検出しつつ認識することで、車両
の走行動作を制御して、自動走行を行うものが知られて
いる。そして、このような自動走行システムでは、例え
ば車々間通信を行って、自車の走行位置等の情報を先行
車や後続車に与え、それに基づき、後続車が先行車との
間に適正な車間距離を保持しつつ追従走行を行うことが
できるようにしている。

【０００４】また、このような走行システムの他に、例
えば自動車にレーダ装置を搭載し、そのレーダ装置によ
り、自車に対する先行車等の位置を把握して、先行車と
の間に適正な車間距離を保持しつつ自動追従走行を行う
ようにしたものも知られている。

【０００５】ところで、このように自動追従走行を行う
ことができるシステムにあっては、その追従走行中に他
車が先行車と後続車との間に割り込むと、後続車の追従
走行が困難なものとなり、また、後続車の走行挙動が急
変を生じる虞れがある。

【０００６】しかるに、従来のシステムでは、上記のよ
うな割り込みに対する対策がなされておらず、これを改
善することが望まれていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、先行車に後続車を自動追従走行せしめるシステム
において、両車の間への他車の割り込みを的確に防止し
て自動追従走行を円滑に行うことができる自動追従シス
テムを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の自動追従走行シ
ステムはかかる目的を達成するために、先行車に後続車
を追従走行せしめる自動追従走行システムにおいて、前
記先行車に、前記後続車が追従走行を行っている旨を認
識する追従走行認識手段と、該追従走行認識手段により
前記後続車の追従走行が認識されたとき、該後続車と先
行車との間への他車の割り込みを防止するための所定の
表示を該先行車の後方の他車に向かって行う表示手段と
を備えたことを特徴とするものである。

【０００９】かかる本発明によれば、前記先行車の後続
車が追従走行を行っていると、これが該先行車におい
て、前記追従走行認識手段により認識され、このとき、
前記表示手段によって、該先行車の後方の他車に向かっ
て前記所定の表示が行われる。これにより該他車の運転
者は、該先行車の所定の表示によって、該先行車と後続
車との間に自車を割り込ませるべきでないことを認識
し、該先行車と後続車との間への他車の割り込みが防止
される。この場合、前記所定の表示は先行車においてな
されるので、他車が該先行車の後続車と並走している場
合でも、該他車の運転者は前記所定の表示を認識するこ
とができる。

【００１０】従って、本発明によれば、先行車とこれに
追従走行を行っている後続車との間への他車の割り込み
を防止して、自動追従走行を円滑に行うことができる。

【００１１】かかる本発明において、前記後続車に、自
車が追従走行を行っている旨を前記先行車に通信する通
信手段を備えると共に、前記先行車に、該後続車の通信
手段からの通信を受信する受信手段を備えることで、前
記先行車の追従走行認識手段は、該先行車の受信手段が
受信する後続車の通信手段からの通信により該後続車の
追従走行を認識することができる。

【００１２】また、本発明において、前記追従走行を行
う先行車及び後続車は、専用の走行レーンにおいて走行
可能である場合には、前記表示手段は、前記先行車及び
後続車の走行レーンと並設された他の走行レーンで前記
先行車の後方を走行している他車が認識可能な位置に前
記所定の表示を行う。すなわち、例えば前記専用の走行
レーンが走行道路の最も右側にある場合には、他車の走
行レーンは、前記専用の走行レーンの左側であるので、
前記表示手段は、左側後方に向かって前記所定の表示を
行う。逆に、前記専用の走行レーンが走行道路の最も左
側にある場合には、他車の走行レーンは、前記専用の走
行レーンの右側であるので、前記表示手段は、右側後方
に向かって前記所定の表示を行う。これにより前述のよ
うに割り込みを防止するための前記所定の表示を他車の
運転者は確実に認識することができ、その所定の表意を
的確且つ効果的に行うことができる。

【００１３】さらに、本発明では、前記後続車に、自車
が追従走行を行っている旨の表示を該後続車の後方の他
車に向かって行う第２の表示手段を備える。これによれ
ば、他車が後続車の後方を走行している状態から、該他
車の運転者は、該後続車がその前の先行車を追従走行し
ていることを早期に認識することができ、該他車による
割り込みを事前的に予防することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図１乃至図
３を参照して説明する。図１は本実施形態のシステムの
全体的構成図、図２及び図３は図１のシステムに備えた
表示装置の表示状態を示す斜視図である。

【００１５】図１を参照して、本実施形態では、専用の
走行レーンＡで走行する先行車１に対して、これと同じ
走行レーンＡを走行する後続車２が先行車１との間に適
正な車間距離を保持しつつ追従走行を行うことができる
ようになっている。そして、走行レーンＡの例えば右側
に並設された走行レーンＢを一般の他車３が走行するよ
うになっている。

【００１６】専用の走行レーンＡには、その一側部に該
走行レーンＡに沿って漏洩ケーブル４が設置され、さら
に、該走行レーンＡの幅方向の中央部の走行経路ａに沿
って磁気クギ５が所定の間隔を存して設置されている。
漏洩ケーブル４は走行レーンＡを走行する車両１，２に
地図等の道路情報を電波により提供するものであり、磁
気クギ５は、走行レーンＡを走行する車両１，２に自車
の走行レーンＡにおける走行位置を認識させるためのも
のである。

【００１７】走行レーンＡを走行する先行車１及び後続
車２は、いずれも自動走行を行うための同一の構成を具
備しており、漏洩ケーブル４から車両に設けられたアン
テナ６を介して道路情報を受けるコントロールユニット
７と、磁気クギ５が発生する磁界を検出すべく車両の前
後部の下面部にそれぞれ設けられた一組の磁気センサ
８，８と、自車の車速等の走行情報を走行レーンＡ上の
先行車や後続車の間でアンテナ９を介して電波により授
受するための送受信装置１０と、走行レーンＢの他車３
に対して後述の表示を行うための表示装置１１（表示手
段）とが備えられている。

【００１８】コントロールユニット７はマイクロコンピ
ュータを用いて構成されたものであり、漏洩ケーブル４
からの道路情報の他に、磁気センサ８，８の検出データ
や、送受信装置１０により得られた先行車や後続車の走
行情報が与えられるようになっている。そして、コント
ロールユニット７は漏洩ケーブル４からの道路情報等に
基づき自車の車速等の走行計画を構築し、磁気センサ
７，７による磁気クギ５の磁界の検出データに基づき走
行レーンＡにおける自車の走行位置を認識しつつ、構築
した走行計画に従って自車の走行をおこなしめるべく、
図示しないアクセルアクチュエータやブレーキアクチュ
エータ、ステアリングアクチュエータ等を制御するよう
にしている。

【００１９】また、コントロールユニット７は、自車の
車速や走行計画等の情報を送受信装置１０を介して先行
車や後続車に通信（車々間通信）するようにしている。
そして、コントロールユニット７は、該車々間通信によ
って、先行車や後続車の有無を認識し、特に自車が図１
に示す後続車２である場合には、先行車１から与えられ
る該先行車１の走行情報に基づき、先行車１との間に適
正な車間距離を保持しつつ先行車１への追従走行を行う
ように自車の走行制御を行うと共に、自車の表示装置１
１に後述の表示を行わしめるようにしている。さらに、
コントロールユニット７は、後続車２との車々間通信に
よって、自車が図１の先行車１であると認識した場合に
は、自車の表示装置１１に後述の表示を行わしめるよう
にしている。

【００２０】尚、本発明の構成に対応して、前記送受信
装置１０及びコントロールユニット７は、追従走行認識
手段１２を構成し、また、先行車１の送受信装置１０及
び後続車２の送受信装置１０はそれぞれ受信手段及び通
信手段を構成するものである。

【００２１】表示装置１１は、例えば車両のルーフ上に
備えられており、その後端面部には、平面視で車両の後
方に向かって中央部が突き出るように略く字形状に屈曲
された細長のディスプレイ１１ａが設けられている。該
ディスプレイ１１ａには、その右半部及び左半部のいず
れか又はその両者の所定の文字表示を行うことができる
ようになっている。本実施形態では、先行車１及び後続
車２の走行レーンＡは道路の左側にあり、その右側に他
車３の走行レーンＢがあるため、他車３に向かって表示
を行うために、ディスプレイ１１ａの右半部に以下のよ
うな文字情報を表示するようにしている。

【００２２】すなわち、表示装置１１は、コントロール
ユニット７により自車が先行車１であると認識された場
合には、該コントールユニット７の指示により、ディス
プレイ１１ａの右半部に例えば図２に示すように“割り
込みご遠慮願います”という文字情報を表示する。ま
た、コントロールユニット７により自車が後続車２であ
ると認識された場合には、該コントールユニット７の指
示により、ディスプレイ１１ａの右半部に例えば図３に
示すように“自動追従走行中”という文字情報を表示す
る。従って、図１の先行車１の表示装置１１にあって
は、そのディスプレイ１１ａの走行レーンＢ側の右半部
に“割り込みご遠慮願います”という表示がなされ、後
続車２の表示装置１１にあっては、そのディスプレイ１
１ａの走行レーンＢ側の右半部に“自動追従走行中”と
いう表示がなされるようになっている。

【００２３】このような本実施形態の走行システムにあ
っては、図１のように先行車１に後続車２が追従走行を
している場合に、上記のように先行車１の表示装置１１
のディスプレイ１１ａの走行レーンＢ側の右半部に“割
り込みご遠慮願います”という表示がなされるため、そ
の表示は、先行車１の後方で走行レーンＢを走行してい
る他車３に対して行われることとなる。このため、該他
車３の運転者は、先行車１の表示装置１１の上記の表示
を確実に認識して、その表示の認識によって、先行車１
とこれに続く後続車２との間に割り込んではならないこ
とを認識することができる。この場合、他車３の運転車
は、後続車２と並走している場合でも、上記の表示を認
識することができる。これにより、走行レーンＡにおい
て先行車１に追従して後続車２が走行している場合に、
先行車１と後続車２との間に他車３が割り込むのを防止
することができる。

【００２４】また、後続車２にあっては、その表示装置
１１のディスプレイ１１ａの走行レンＢ側の右半部に
“自動追従走行中”という表示が該後続車２の走行レー
ンＢ側の後方に向かってなされるため、走行レーンＢ上
を走行している他車３の運転者は、後続車２の後方を走
行している状態でも、後続車２が先行車１に追従走行を
している旨を認識することができ、それによって、後続
車２の前に割り込んではならないことを事前的に認識す
ることができ、該他車３の割り込みを予防することがで
きる。

【００２５】このように本実施形態の走行システムによ
れば、先行車１と後続車２との間への他車３の割り込み
を防止することができるので、後続車２は、先行車への
追従走行を円滑に支障なく行うことができる。

【００２６】尚、本実施形態では、先行車１と後続車２
とで、表示装置１１の表示内容を異なるものとしたが、
他車３への割り込み防止を認識させることができる表示
内容であれば同じ表示内容としてもよい。

【００２７】また、本実施形態では、ディスプレイ１１
ａの右半部に割り込み防止の表示を行うようにしたが、
走行レーンＡの左側に他車の走行レーンがある場合に
は、ディスプレイ１１ａの左半部に表示を行うようにし
てもよく、またディスプレイ１１ａの右半部及び左半部
の両者に表示するようにしてもよい。

【００２８】また、本実施形態では、表示装置１１を車
両のルーフに設けたが、これに限らず、車両のリアウィ
ンドウの箇所やトランクリッド上等に表示装置を設ける
ようにしてもよい。

【００２９】また、本実施形態では、漏洩ケーブル４や
磁気クギ５を使用した走行システムについて説明した
が、例えば車両にレーダ装置を搭載して、該レーダ装置
により先行車の位置等を認識しつつ追従走行を行うシス
テムについても本発明を適用することができることはも
ちろんである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動追従走行システムの一実施形態の
全体的構成図。

【図２】図１のシステムに備えた表示装置の表示状態を
示す斜視図。

【図３】図１のシステムに備えた表示装置の表示状態を
示す斜視図。

【符号の説明】

１…先行車、２…後続車、３…他車、１０…送受信装置
（通信手段、受信手段）、１１…表示装置（表示手
段）、１２…追従走行認識手段。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先行車に後続車を追従走行せしめる自動追
   従走行システムにおいて、前記先行車に、前記後続車が
   追従走行を行っている旨を認識する追従走行認識手段
   と、該追従走行認識手段により前記後続車の追従走行が
   認識されたとき、該後続車と先行車との間への他車の割
   り込みを防止するための所定の表示を該先行車の後方の
   他車に向かって行う表示手段とを備えたことを特徴とす
   る自動追従走行システム。
2. 【請求項２】前記後続車に、自車が追従走行を行ってい
   る旨を前記先行車に通信する通信手段を備えると共に、
   前記先行車に、該後続車の通信手段からの通信を受信す
   る受信手段を備え、前記先行車の追従走行認識手段は、
   該受信手段が受信する後続車の通信手段からの通信によ
   り前記後続車の追従走行を認識することを特徴とする請
   求項１記載の自動追従走行システム。
3. 【請求項３】前記追従走行を行う先行車及び後続車は、
   専用の走行レーンにおいて走行可能であって、前記表示
   手段は、前記先行車及び後続車の走行レーンと並設され
   た他の走行レーンで前記先行車の後方を走行している他
   車が認識可能な位置に前記所定の表示を行うことを特徴
   とする請求項１又は２記載の自動追従走行システム。
4. 【請求項４】前記後続車に、自車が追従走行を行ってい
   る旨の表示を該後続車の後方の他車に向かって行う第２
   の表示手段を備えたことを特徴とする請求項１乃至３の
   いずれかに記載の自動追従走行システム。