JPH09268281A - 車両ガラス用撥水剤組成物および車両用撥水性ガラス - Google Patents
車両ガラス用撥水剤組成物および車両用撥水性ガラスInfo
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- JPH09268281A JPH09268281A JP8104264A JP10426496A JPH09268281A JP H09268281 A JPH09268281 A JP H09268281A JP 8104264 A JP8104264 A JP 8104264A JP 10426496 A JP10426496 A JP 10426496A JP H09268281 A JPH09268281 A JP H09268281A
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- Y10T428/31504—Composite [nonstructural laminate]
- Y10T428/31652—Of asbestos
- Y10T428/31663—As siloxane, silicone or silane
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガラス表面に付着した水滴が流れ易く常時明
瞭な視界を確保することができ、かつ、ガラス周辺の金
属性素材を腐食させることのない車両ガラス用撥水剤組
成物および車両ガラスが該組成物により表面処理されて
なる車両用撥水性ガラスを提供する。 【解決手段】 （Ａ）一般式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)（式
中、Ｒ1は炭素原子数３〜２０の一価炭化水素基であ
り、Ｘは加水分解性基であり、ａは１〜３の整数であ
る。）で示されるオルガノシランと（Ｂ）２５℃におけ
る粘度が０.６５〜５００センチストークスである両末
端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンからな
り、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０以下で
ある酸を含有しないことを特徴とする車両ガラス用撥水
剤組成物および車両ガラスが該組成物により表面処理さ
れてなる車両用撥水性ガラス。
瞭な視界を確保することができ、かつ、ガラス周辺の金
属性素材を腐食させることのない車両ガラス用撥水剤組
成物および車両ガラスが該組成物により表面処理されて
なる車両用撥水性ガラスを提供する。 【解決手段】 （Ａ）一般式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)（式
中、Ｒ1は炭素原子数３〜２０の一価炭化水素基であ
り、Ｘは加水分解性基であり、ａは１〜３の整数であ
る。）で示されるオルガノシランと（Ｂ）２５℃におけ
る粘度が０.６５〜５００センチストークスである両末
端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンからな
り、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０以下で
ある酸を含有しないことを特徴とする車両ガラス用撥水
剤組成物および車両ガラスが該組成物により表面処理さ
れてなる車両用撥水性ガラス。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は車両ガラス用撥水剤
組成物および車両用撥水性ガラスに関する。詳しくは、
ガラス表面に付着した水滴が流れ易く常時明瞭な視界を
確保することができ、かつ、ガラス周辺の金属性素材を
腐食させることのない車両ガラス用撥水剤組成物および
車両ガラスが該組成物により表面処理されてなる車両用
撥水性ガラスに関する。
組成物および車両用撥水性ガラスに関する。詳しくは、
ガラス表面に付着した水滴が流れ易く常時明瞭な視界を
確保することができ、かつ、ガラス周辺の金属性素材を
腐食させることのない車両ガラス用撥水剤組成物および
車両ガラスが該組成物により表面処理されてなる車両用
撥水性ガラスに関する。
【０００２】
【従来の技術】ガラス用撥水剤として、パーフルオロア
ルキル基含有オルガノシラン，オルガノポリシロキサン
および酸からなる組成物は知られている（特開平２−２
３３５３５号公報および特開平４−１４４９４０号公報
参照）。しかしこれらの組成物は該組成物中に含まれ
る、硫酸，塩酸，芳香族スルホン酸，脂肪族スルホン
酸，ハロゲン化スルホン酸，燐酸，クロル酢酸または五
塩化燐等の酸が金属を腐食させるため、自動車のウイン
ドウガラスのようなワイパーや金属性素材と隣接するよ
うなガラスには適用することができなかった。また、こ
れらの組成物により表面処理されたガラスは、水に対す
る接触角が大きいため良好な撥水性を示すが、表面上の
水滴が粒となって付着してしまい、流れにくいという問
題点があった。このためこれらの組成物を自動車のウイ
ンドウガラスに適用した場合に、雨天時では高速で走行
して表面上の水滴を飛散させなければ、明瞭な視界を確
保することができなかった。特に霧状の水滴が付着する
ような場合には、一定の面積に多数の水滴が付着したま
ま流れず、長時間視界が遮られるという問題点があっ
た。
ルキル基含有オルガノシラン，オルガノポリシロキサン
および酸からなる組成物は知られている（特開平２−２
３３５３５号公報および特開平４−１４４９４０号公報
参照）。しかしこれらの組成物は該組成物中に含まれ
る、硫酸，塩酸，芳香族スルホン酸，脂肪族スルホン
酸，ハロゲン化スルホン酸，燐酸，クロル酢酸または五
塩化燐等の酸が金属を腐食させるため、自動車のウイン
ドウガラスのようなワイパーや金属性素材と隣接するよ
うなガラスには適用することができなかった。また、こ
れらの組成物により表面処理されたガラスは、水に対す
る接触角が大きいため良好な撥水性を示すが、表面上の
水滴が粒となって付着してしまい、流れにくいという問
題点があった。このためこれらの組成物を自動車のウイ
ンドウガラスに適用した場合に、雨天時では高速で走行
して表面上の水滴を飛散させなければ、明瞭な視界を確
保することができなかった。特に霧状の水滴が付着する
ような場合には、一定の面積に多数の水滴が付着したま
ま流れず、長時間視界が遮られるという問題点があっ
た。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、ガラス表面に付着した水滴が流
れ易く常時明瞭な視界を確保することができ、かつ、ガ
ラス周辺の金属性素材を腐食させることのない車両ガラ
ス用撥水剤組成物および車両ガラスが該組成物により表
面処理されてなる車両用撥水性ガラスを提供することに
ある。
点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、ガラス表面に付着した水滴が流
れ易く常時明瞭な視界を確保することができ、かつ、ガ
ラス周辺の金属性素材を腐食させることのない車両ガラ
ス用撥水剤組成物および車両ガラスが該組成物により表
面処理されてなる車両用撥水性ガラスを提供することに
ある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、（Ａ）一般
式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)（式中、Ｒ1は炭素原子数３〜２０
の一価炭化水素基であり、Ｘは加水分解性基であり、ａ
は１〜３の整数である。）で示されるオルガノシラン
１００重量部、 （Ｂ）一般式：
式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)（式中、Ｒ1は炭素原子数３〜２０
の一価炭化水素基であり、Ｘは加水分解性基であり、ａ
は１〜３の整数である。）で示されるオルガノシラン
１００重量部、 （Ｂ）一般式：
【化２】 （式中、Ｒ2は炭素原子数１〜６の一価炭化水素基であ
り、ｎは０以上の整数である。）で示され、２５℃にお
ける粘度が０.６５〜５００センチストークスであるジ
オルガノポリシロキサン １０〜
１,０００重量部 からなり、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０
以下である酸を含有しないことを特徴とする車両ガラス
用撥水剤組成物および車両ガラスが該組成物により表面
処理されてなる車両用撥水性ガラスに関する。
り、ｎは０以上の整数である。）で示され、２５℃にお
ける粘度が０.６５〜５００センチストークスであるジ
オルガノポリシロキサン １０〜
１,０００重量部 からなり、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０
以下である酸を含有しないことを特徴とする車両ガラス
用撥水剤組成物および車両ガラスが該組成物により表面
処理されてなる車両用撥水性ガラスに関する。
【０００５】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の車両ガラス用撥
水剤組成物について詳細に説明する。本発明の車両ガラ
ス用撥水剤組成物に使用される（Ａ）成分のオルガノシ
ランは、一般式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)で示される。式中、
Ｒ1は炭素原子数３〜２０の一価炭化水素基であり、具
体的には、プロピル基，ｎ−ブチル基，ペンチル基，ｎ
−デシル基等のアルキル基；シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基が挙げられる。Ｘは加水分解性基であり、
メトキシ基，エトキシ基，プロポキシ基等のアルコキシ
基であるのが好ましいが、この他にも、フェノキシ基，
ケトオキシム基，イソプロペノキシ基が挙げられる。ａ
は１〜３の整数であるが、好ましくは３である。このよ
うな本成分のオルガノシランとしては、ｎ−ブチルトリ
メトキシシラン，ｎ−デシルトリメトキシシラン，イソ
ブチルトリメトキシシラン，ｎ−ヘキシルトリエトキシ
シラン，シクロヘキシルメチルジメトキシシランが例示
される。本成分としては、上記のようなオルガノシラン
を単独で使用してもよく、２種類以上を混合して使用し
てもよい。
水剤組成物について詳細に説明する。本発明の車両ガラ
ス用撥水剤組成物に使用される（Ａ）成分のオルガノシ
ランは、一般式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)で示される。式中、
Ｒ1は炭素原子数３〜２０の一価炭化水素基であり、具
体的には、プロピル基，ｎ−ブチル基，ペンチル基，ｎ
−デシル基等のアルキル基；シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基が挙げられる。Ｘは加水分解性基であり、
メトキシ基，エトキシ基，プロポキシ基等のアルコキシ
基であるのが好ましいが、この他にも、フェノキシ基，
ケトオキシム基，イソプロペノキシ基が挙げられる。ａ
は１〜３の整数であるが、好ましくは３である。このよ
うな本成分のオルガノシランとしては、ｎ−ブチルトリ
メトキシシラン，ｎ−デシルトリメトキシシラン，イソ
ブチルトリメトキシシラン，ｎ−ヘキシルトリエトキシ
シラン，シクロヘキシルメチルジメトキシシランが例示
される。本成分としては、上記のようなオルガノシラン
を単独で使用してもよく、２種類以上を混合して使用し
てもよい。
【０００６】本発明の車両ガラス用撥水剤組成物に使用
される（Ｂ）成分のジオルガノポリシロキサンは、一般
式：
される（Ｂ）成分のジオルガノポリシロキサンは、一般
式：
【化３】 で示される。上式中、Ｒ2は炭素原子数１〜６の一価炭
化水素基であり、具体的には、メチル基，エチル基，プ
ロピル基等のアルキル基；ビニル基，アリル基等のアル
ケニル基；フェニル基等のアリール基が挙げられる。こ
れらの中でもメチル基が好ましい。ｎは０以上の整数で
あるが、通常、１〜１５０の範囲である。また、本成分
の２５℃における粘度は０.６５〜５００センチストー
クスの範囲であり、好ましくは１〜１００センチストー
クスの範囲である。本成分の配合量は、（Ａ）成分１０
０重量部に対して１０〜１,０００重量部の範囲であ
り、好ましくは５０〜２００重量部の範囲である。これ
は、この範囲を越えると本発明組成物の撥水性が低下す
るためである。このような本成分としては、両末端ジメ
チルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン，両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチル
シロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体，両末端
ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられる。こ
れらの中でも両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖
ジメチルポリシロキサンが好ましい。本成分としては、
上記のようなジオルガノポリシロキサンを単独で使用し
てもよく、２種類以上を混合して使用してもよい。
化水素基であり、具体的には、メチル基，エチル基，プ
ロピル基等のアルキル基；ビニル基，アリル基等のアル
ケニル基；フェニル基等のアリール基が挙げられる。こ
れらの中でもメチル基が好ましい。ｎは０以上の整数で
あるが、通常、１〜１５０の範囲である。また、本成分
の２５℃における粘度は０.６５〜５００センチストー
クスの範囲であり、好ましくは１〜１００センチストー
クスの範囲である。本成分の配合量は、（Ａ）成分１０
０重量部に対して１０〜１,０００重量部の範囲であ
り、好ましくは５０〜２００重量部の範囲である。これ
は、この範囲を越えると本発明組成物の撥水性が低下す
るためである。このような本成分としては、両末端ジメ
チルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン，両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチル
シロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体，両末端
ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられる。こ
れらの中でも両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖
ジメチルポリシロキサンが好ましい。本成分としては、
上記のようなジオルガノポリシロキサンを単独で使用し
てもよく、２種類以上を混合して使用してもよい。
【０００７】本発明の車両ガラス用撥水剤組成物は上記
（Ａ）成分および（Ｂ）成分からなり、かつ、水溶液中
の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０以下である酸を含有
しないことを特徴とする。ここで酸解離指数とは解離定
数の逆数の対数値を指し、かかる酸としては、硫酸，塩
酸，芳香族スルホン酸，脂肪族スルホン酸，ハロゲン化
スルホン酸，燐酸，クロル酢酸，五塩化燐が挙げられ
る。また、本発明組成物の保存安定性および塗工性を向
上させるために、水溶性有機溶剤を加えることが好まし
い。この水溶性有機溶剤は水と混合し得るものであれば
よく、具体的には、メタノール，エタノール，２−プロ
パノール，エチレングリコール，プロピレングリコー
ル，グリセリンのような１価もしくは多価アルコール；
２−メトキシエタノール，２−エトキシエタノール，２
−ブトキシエタノール，１−メトキシ−２−プロパノー
ル，１−エトキシ−２−プロパノール，２−（２−エト
キシエトキシ）エタノールのようなグリコールエーテル
類；ケトンが挙げられる。この水溶性有機溶剤は単独で
使用してもよく、また２種類以上を混合して使用しても
よい。その配合量は、（Ａ）成分１００重量部に対して
１００〜１０,０００重量部の範囲であるのが好まし
く、より好ましくは６００〜９,０００重量部の範囲で
ある。尚、本発明組成物に縮合反応促進触媒等の触媒を
添加することは好ましくない。
（Ａ）成分および（Ｂ）成分からなり、かつ、水溶液中
の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０以下である酸を含有
しないことを特徴とする。ここで酸解離指数とは解離定
数の逆数の対数値を指し、かかる酸としては、硫酸，塩
酸，芳香族スルホン酸，脂肪族スルホン酸，ハロゲン化
スルホン酸，燐酸，クロル酢酸，五塩化燐が挙げられ
る。また、本発明組成物の保存安定性および塗工性を向
上させるために、水溶性有機溶剤を加えることが好まし
い。この水溶性有機溶剤は水と混合し得るものであれば
よく、具体的には、メタノール，エタノール，２−プロ
パノール，エチレングリコール，プロピレングリコー
ル，グリセリンのような１価もしくは多価アルコール；
２−メトキシエタノール，２−エトキシエタノール，２
−ブトキシエタノール，１−メトキシ−２−プロパノー
ル，１−エトキシ−２−プロパノール，２−（２−エト
キシエトキシ）エタノールのようなグリコールエーテル
類；ケトンが挙げられる。この水溶性有機溶剤は単独で
使用してもよく、また２種類以上を混合して使用しても
よい。その配合量は、（Ａ）成分１００重量部に対して
１００〜１０,０００重量部の範囲であるのが好まし
く、より好ましくは６００〜９,０００重量部の範囲で
ある。尚、本発明組成物に縮合反応促進触媒等の触媒を
添加することは好ましくない。
【０００８】本発明の車両ガラス用撥水剤組成物により
車両ガラスを表面処理する方法としては、例えば、本発
明組成物を布や紙等に含浸させて塗布する方法，本発明
組成物を噴霧状にしてスプレーにより吹き付ける方法，
本発明組成物を流し塗りする方法，本発明組成物に車両
ガラスを浸漬する方法が挙げられる。尚、処理される車
両ガラスは予めその表面が有機溶剤や洗剤等により清浄
されていることが好ましい。このような方法により本発
明組成物を車両ガラス表面に塗布した後、過剰の組成物
を乾いた布や紙等で拭き取ったり加熱したりして除去す
ることにより処理が完結する。
車両ガラスを表面処理する方法としては、例えば、本発
明組成物を布や紙等に含浸させて塗布する方法，本発明
組成物を噴霧状にしてスプレーにより吹き付ける方法，
本発明組成物を流し塗りする方法，本発明組成物に車両
ガラスを浸漬する方法が挙げられる。尚、処理される車
両ガラスは予めその表面が有機溶剤や洗剤等により清浄
されていることが好ましい。このような方法により本発
明組成物を車両ガラス表面に塗布した後、過剰の組成物
を乾いた布や紙等で拭き取ったり加熱したりして除去す
ることにより処理が完結する。
【０００９】以上のような本発明の車両ガラス用撥水剤
組成物は、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０
以下である酸を含有していないので金属を腐食させるこ
とがなく、自動車のウインドウガラス等の金属性素材
（塗装面）に隣接した車両ガラスの撥水性付与に好適で
ある。
組成物は、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０
以下である酸を含有していないので金属を腐食させるこ
とがなく、自動車のウインドウガラス等の金属性素材
（塗装面）に隣接した車両ガラスの撥水性付与に好適で
ある。
【００１０】次に、本発明の車両用撥水性ガラスについ
て説明する。本発明の車両用撥水性ガラスは、車両ガラ
スが上記の本発明組成物により表面処理されたことを特
徴とする。かかる車両用ガラスとしては、自動車や鉄道
車両のウインドウガラス，自動車のサイドミラーが挙げ
られ、特に自動車のウインドウガラスが好ましい。
て説明する。本発明の車両用撥水性ガラスは、車両ガラ
スが上記の本発明組成物により表面処理されたことを特
徴とする。かかる車両用ガラスとしては、自動車や鉄道
車両のウインドウガラス，自動車のサイドミラーが挙げ
られ、特に自動車のウインドウガラスが好ましい。
【００１１】このような本発明の車両用撥水性ガラス
は、表面に付着した水滴が非常に流れ易いという特徴を
有する。このため、雨天時に停車状態でも雨水が流れ落
ちて明瞭な視界を確保することができるという利点を有
する。このような本発明の撥水性ガラスは、特に良好な
視界を得ることを要求される自動車のウインドウガラス
として好適である。
は、表面に付着した水滴が非常に流れ易いという特徴を
有する。このため、雨天時に停車状態でも雨水が流れ落
ちて明瞭な視界を確保することができるという利点を有
する。このような本発明の撥水性ガラスは、特に良好な
視界を得ることを要求される自動車のウインドウガラス
として好適である。
【００１２】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。実施例中、粘度は２５℃における測定値である。
る。実施例中、粘度は２５℃における測定値である。
【００１３】
【実施例１】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
【化４】 で示される２センチストークスのジメチルポリシロキサ
ン１０グラムおよびｎ−デシルトリメトキシシラン１０
グラムを加えて、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤
組成物を調製した。得られた組成物を清浄なガラステス
トパネル上に数滴たらし、次いで清浄な柔らかい紙で薄
く伸ばして拭き取った。このようにして得られた撥水性
ガラステストパネルの水に対する接触角を、接触角測定
器［協和界面科学（株）社製；商品名ＣＡ−Ｐ］を用い
て液滴法により測定した。さらに上記撥水性ガラステス
トパネルの表面に、スポイトを用いて０.０２グラムの
水滴をのせ、これを傾斜角度可変板の上にのせた。そし
て傾斜角度可変板の傾斜角度を徐々に大きくしていき、
水滴が動き始めたときの傾斜角度を測定した。これを水
滴落下角とした。また、得られた車両ガラス用撥水剤組
成物に鉄テストパネルを浸してすぐに取り出し、屋外に
て２日間放置した。２日後の表面状態を測定して、これ
を鉄に対する腐食性とした。これらの結果を表１に示し
た。
ン１０グラムおよびｎ−デシルトリメトキシシラン１０
グラムを加えて、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤
組成物を調製した。得られた組成物を清浄なガラステス
トパネル上に数滴たらし、次いで清浄な柔らかい紙で薄
く伸ばして拭き取った。このようにして得られた撥水性
ガラステストパネルの水に対する接触角を、接触角測定
器［協和界面科学（株）社製；商品名ＣＡ−Ｐ］を用い
て液滴法により測定した。さらに上記撥水性ガラステス
トパネルの表面に、スポイトを用いて０.０２グラムの
水滴をのせ、これを傾斜角度可変板の上にのせた。そし
て傾斜角度可変板の傾斜角度を徐々に大きくしていき、
水滴が動き始めたときの傾斜角度を測定した。これを水
滴落下角とした。また、得られた車両ガラス用撥水剤組
成物に鉄テストパネルを浸してすぐに取り出し、屋外に
て２日間放置した。２日後の表面状態を測定して、これ
を鉄に対する腐食性とした。これらの結果を表１に示し
た。
【００１４】
【実施例２】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
【化５】 で示される４０センチストークスのジメチルポリシロキ
サン１０グラムおよびｎ−ブチルトリメトキシシラン１
０グラムを加えて、５分間振とうして車両ガラス用撥水
剤組成物を調製した。この組成物を用いて実施例１と同
様にしてガラステストパネルを処理し、得られた撥水性
ガラステストパネルの水に対する接触角および水滴落下
角を実施例１と同様にして測定した。さらに得られた車
両ガラス用撥水剤組成物の鉄に対する腐食性を実施例１
と同様にして測定した。これらの結果を表１に示した。
サン１０グラムおよびｎ−ブチルトリメトキシシラン１
０グラムを加えて、５分間振とうして車両ガラス用撥水
剤組成物を調製した。この組成物を用いて実施例１と同
様にしてガラステストパネルを処理し、得られた撥水性
ガラステストパネルの水に対する接触角および水滴落下
角を実施例１と同様にして測定した。さらに得られた車
両ガラス用撥水剤組成物の鉄に対する腐食性を実施例１
と同様にして測定した。これらの結果を表１に示した。
【００１５】
【比較例１】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
【化６】 で示される２センチストークスのジメチルポリシロキサ
ン１０グラムを加えて、５分間振とうして車両ガラス用
撥水剤組成物を調製した。この組成物を用いて実施例１
と同様にしてガラステストパネルを処理し、得られたガ
ラステストパネルの水に対する接触角および水滴落下角
を実施例１と同様にして測定した。さらに得られた車両
ガラス用撥水剤組成物の鉄に対する腐食性を実施例１と
同様にして測定した。これらの結果を表１に示した。
ン１０グラムを加えて、５分間振とうして車両ガラス用
撥水剤組成物を調製した。この組成物を用いて実施例１
と同様にしてガラステストパネルを処理し、得られたガ
ラステストパネルの水に対する接触角および水滴落下角
を実施例１と同様にして測定した。さらに得られた車両
ガラス用撥水剤組成物の鉄に対する腐食性を実施例１と
同様にして測定した。これらの結果を表１に示した。
【００１６】
【比較例２】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いでｎ−ブチルトリメト
キシシラン１０グラムを加えて、５分間振とうして車両
ガラス用撥水剤組成物を調製した。この組成物を用いて
実施例１と同様にしてガラステストパネルを処理し、得
られたガラステストパネルの水に対する接触角および水
滴落下角を実施例１と同様にして測定した。さらに得ら
れた車両ガラス用撥水剤組成物の鉄に対する腐食性を実
施例１と同様にして測定した。これらの結果を表１に示
した。
パノール８０グラムを入れ、次いでｎ−ブチルトリメト
キシシラン１０グラムを加えて、５分間振とうして車両
ガラス用撥水剤組成物を調製した。この組成物を用いて
実施例１と同様にしてガラステストパネルを処理し、得
られたガラステストパネルの水に対する接触角および水
滴落下角を実施例１と同様にして測定した。さらに得ら
れた車両ガラス用撥水剤組成物の鉄に対する腐食性を実
施例１と同様にして測定した。これらの結果を表１に示
した。
【００１７】
【比較例３】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
【化７】 で示される４０センチストークスのジメチルポリシロキ
サン１０グラム，ｎ−ブチルトリメトキシシラン１０グ
ラムおよび硫酸（ｐＫａ値１.９９）０.５グラムを加え
て、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤組成物を調製
した。この組成物を用いて実施例１と同様にしてガラス
テストパネルを処理し、得られたガラステストパネルの
水に対する接触角および水滴落下角を実施例１と同様に
して測定した。さらに得られた車両ガラス用撥水剤組成
物の鉄に対する腐食性を実施例１と同様にして測定し
た。これらの結果を表１に示した。
サン１０グラム，ｎ−ブチルトリメトキシシラン１０グ
ラムおよび硫酸（ｐＫａ値１.９９）０.５グラムを加え
て、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤組成物を調製
した。この組成物を用いて実施例１と同様にしてガラス
テストパネルを処理し、得られたガラステストパネルの
水に対する接触角および水滴落下角を実施例１と同様に
して測定した。さらに得られた車両ガラス用撥水剤組成
物の鉄に対する腐食性を実施例１と同様にして測定し
た。これらの結果を表１に示した。
【００１８】
【比較例４】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
【化８】 で示される２センチストークスのジメチルポリシロキサ
ン１０グラム，ｎ−デシルトリメトキシシラン１０グラ
ムおよび硫酸（ｐＫａ値１.９９）０.５グラムを加え
て、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤組成物を調製
した。この組成物を用いて実施例１と同様にしてガラス
テストパネルを処理し、得られたガラステストパネルの
水に対する接触角および水滴落下角を実施例１と同様に
して測定した。さらに得られた車両ガラス用撥水剤組成
物の鉄に対する腐食性を実施例１と同様にして測定し
た。これらの結果を表１に示した。
ン１０グラム，ｎ−デシルトリメトキシシラン１０グラ
ムおよび硫酸（ｐＫａ値１.９９）０.５グラムを加え
て、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤組成物を調製
した。この組成物を用いて実施例１と同様にしてガラス
テストパネルを処理し、得られたガラステストパネルの
水に対する接触角および水滴落下角を実施例１と同様に
して測定した。さらに得られた車両ガラス用撥水剤組成
物の鉄に対する腐食性を実施例１と同様にして測定し
た。これらの結果を表１に示した。
【００１９】
【比較例５】１５０ミリリットルのガラス瓶に２−プロ
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
パノール８０グラムを入れ、次いで平均構造式：
【化９】 で示される４０センチストークスのジメチルポリシロキ
サン１０グラム，ｎ−デシルトリメトキシシラン１０グ
ラムおよびジブチル錫ジオクトエート０.１グラムを加
えて、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤組成物を調
製した。この組成物を用いて実施例１と同様にしてガラ
ステストパネルを処理し、得られたガラステストパネル
の水に対する接触角および水滴落下角を実施例１と同様
にして測定した。さらに得られた車両ガラス用撥水剤組
成物の鉄に対する腐食性を実施例１と同様にして測定し
た。これらの結果を表１に示した。
サン１０グラム，ｎ−デシルトリメトキシシラン１０グ
ラムおよびジブチル錫ジオクトエート０.１グラムを加
えて、５分間振とうして車両ガラス用撥水剤組成物を調
製した。この組成物を用いて実施例１と同様にしてガラ
ステストパネルを処理し、得られたガラステストパネル
の水に対する接触角および水滴落下角を実施例１と同様
にして測定した。さらに得られた車両ガラス用撥水剤組
成物の鉄に対する腐食性を実施例１と同様にして測定し
た。これらの結果を表１に示した。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【発明の効果】本発明の車両ガラス用撥水剤組成物は上
記（Ａ）成分および（Ｂ）成分からなり、特に酸解離指
数（ｐＫａ値）が５.０以下である酸を含まないのでガ
ラス周辺の金属性素材を腐食させることがないという特
徴を有する。また、該組成物により表面処理された本発
明の車両用撥水性ガラスは、表面に付着した水滴が流れ
易いので、常時、明瞭な視界を確保することができると
いう特徴を有する。
記（Ａ）成分および（Ｂ）成分からなり、特に酸解離指
数（ｐＫａ値）が５.０以下である酸を含まないのでガ
ラス周辺の金属性素材を腐食させることがないという特
徴を有する。また、該組成物により表面処理された本発
明の車両用撥水性ガラスは、表面に付着した水滴が流れ
易いので、常時、明瞭な視界を確保することができると
いう特徴を有する。
Claims (4)
- 【請求項１】 （Ａ）一般式：Ｒ1 aＳｉＸ(4-a)（式中、Ｒ1は炭素原子数３ 〜２０の一価炭化水素基であり、Ｘは加水分解性基であり、ａは１〜３の整数で ある。）で示されるオルガノシラン １００重量部 および （Ｂ）一般式： 【化１】 （式中、Ｒ2は炭素原子数１〜６の一価炭化水素基であり、ｎは０以上の整数で ある。）で示され、２５℃における粘度が０.６５〜５００センチストークスで あるジオルガノポリシロキサン １０〜１,０００重量部 からなり、水溶液中の酸解離指数（ｐＫａ値）が５.０
以下である酸を含有しないことを特徴とする車両ガラス
用撥水剤組成物。 - 【請求項２】 （Ｂ）成分の２５℃における粘度が１〜
１００センチストークスである請求項１記載の車両ガラ
ス用撥水剤組成物。 - 【請求項３】 車両ガラスが自動車のウインドウガラス
である請求項１記載の車両ガラス用撥水剤組成物。 - 【請求項４】 車両ガラスが請求項１記載の車両ガラス
用撥水剤組成物により表面処理されてなる車両用撥水性
ガラス。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8104264A JPH09268281A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 車両ガラス用撥水剤組成物および車両用撥水性ガラス |
| US08/819,245 US5853896A (en) | 1996-03-29 | 1997-03-17 | Water repellent agent for glass |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8104264A JPH09268281A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 車両ガラス用撥水剤組成物および車両用撥水性ガラス |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09268281A true JPH09268281A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14376078
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8104264A Pending JPH09268281A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 車両ガラス用撥水剤組成物および車両用撥水性ガラス |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5853896A (ja) |
| JP (1) | JPH09268281A (ja) |
Families Citing this family (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6245387B1 (en) | 1998-11-03 | 2001-06-12 | Diamon-Fusion International, Inc. | Capped silicone film and method of manufacture thereof |
| US20040202872A1 (en) * | 2002-07-23 | 2004-10-14 | Pennzoil-Quaker State Company | Hydrophobic surface treatment composition and method of making and using same |
| JP4803342B2 (ja) * | 2004-10-19 | 2011-10-26 | 信越化学工業株式会社 | 耐擦傷性表面被膜形成用シリコーンコーティング組成物及びそれを用いた被覆物品 |
| JP4901106B2 (ja) * | 2005-01-27 | 2012-03-21 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 車両モールディング用熱可塑性エラストマー組成物および車両用モールディング付きガラス板 |
| US20090092760A1 (en) * | 2007-10-03 | 2009-04-09 | Adam Brager | Metal protectant and method of application |
| US9028958B2 (en) | 2009-05-08 | 2015-05-12 | The Regents Of The University Of California | Superhydrophilic nanostructure |
| US8889801B2 (en) * | 2009-10-28 | 2014-11-18 | Momentive Performance Materials, Inc. | Surface protective coating and methods of use thereof |
| SG11201408177VA (en) | 2012-06-08 | 2015-01-29 | Univ Houston | Self-cleaning coatings and methods for making same |
| AR096071A1 (es) | 2013-04-24 | 2015-12-02 | Diamon Fusion Int Inc | Método para introducir de manera automática agentes químicos líquidos reactivos con el aire a un sustrato en una disposición cerrada de depósito de vapor químico, método para preparar un cartucho deshumidificado y método para generar revestimientos protectores |
| WO2014186454A1 (en) | 2013-05-14 | 2014-11-20 | University Of Houston | Waterproof coating with nanoscopic/microscopic features |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH065324B2 (ja) * | 1985-04-30 | 1994-01-19 | 東レ株式会社 | 反射防止性を有する光学物品及びその製造方法 |
| JP2814259B2 (ja) * | 1989-03-06 | 1998-10-22 | 株式会社スリーボンド | 車両ガラス用表面処理剤 |
| JPH04144940A (ja) * | 1990-10-05 | 1992-05-19 | Asahi Glass Co Ltd | 撥水撥油剤組成物 |
| US5580819A (en) * | 1995-03-22 | 1996-12-03 | Ppg Industries, Inc. | Coating composition, process for producing antireflective coatings, and coated articles |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP8104264A patent/JPH09268281A/ja active Pending
-
1997
- 1997-03-17 US US08/819,245 patent/US5853896A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5853896A (en) | 1998-12-29 |
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