JPH09268220A - エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH09268220A
JPH09268220A JP9958296A JP9958296A JPH09268220A JP H09268220 A JPH09268220 A JP H09268220A JP 9958296 A JP9958296 A JP 9958296A JP 9958296 A JP9958296 A JP 9958296A JP H09268220 A JPH09268220 A JP H09268220A
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epoxy resin
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epihalohydrin
bisphenol
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JP9958296A
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Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Kenichi Kuboki
健一 窪木
Yoshiro Shimamura
芳郎 嶋村
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、及び耐水性に優れた硬化物を与える多
官能エポキシ樹脂の工業的に有利な製造方法を提供する
こと。 【解決手段】ビスフェノール類と特定量のエピハロヒド
リンとをアルコール類及びアルカリ金属水酸化物の存在
下で反応させた後、過剰の溶剤等を留去し、大過剰のエ
ピハロヒドリンを再度加えこれに4級アンモニウム塩及
びアルカリ金属水酸化物を添加し反応せしめることを特
徴とするエポキシ樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐水性に優
れた硬化物を与え、しかも工業的に製造が容易なエポキ
シ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させ
ることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い
分野に利用されている。従来、工業的に最も使用されて
いるエポキシ樹脂としてビスフェノ−ルAにエピクロル
ヒドリンを反応させて得られる液状および固形のビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂がある。その他液状のビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂にテトラブロムビスフェノ−
ルAを反応させて得られる難燃性固形エポキシ樹脂など
が汎用エポキシ樹脂として工業的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような汎用エポキシ樹脂は分子量が大きくなるにつれ
て、それを硬化して得られる硬化物の靭性は増加するも
のの耐熱性が低下するという欠点がある。また、耐熱性
の低下を補うためにクレゾールノボラックエポキシ樹脂
などの多官能エポキシ樹脂を混合した場合に得られる硬
化物は耐熱性は高くなるものの、吸水率は高くなるとい
う欠点がある。
【0004】このような欠点を改良したエポキシ樹脂と
してビスフェノール型エポキシ樹脂中のアルコール性水
酸基をグリシジルエーテル化した多官能エポキシ樹脂が
報告されている。従来このような多官能エポキシ樹脂の
製法としてはまずビスフェノール類を大過剰のエピハロ
ヒドリンに溶解しアルカリ金属水酸化物と反応させた
後、水洗あるいは濾過などの方法で生成した塩を除去
し、未反応のエピハロヒドリンを加熱減圧下で留去する
ことにより低分子量のエポキシ樹脂を得、更にこれを特
定量のビスフェノール類と塩基性触媒の存在下、溶剤中
或は無溶剤下で加熱を行い付加反応させることにより高
分子量の2官能エポキシ樹脂を得る。この後更に得られ
た高分子量エポキシ樹脂を大過剰のエピハロヒドリンに
溶解し4級アンモニウム塩の存在下でアルカリ金属水酸
化物を添加することによりエポキシ樹脂中のアルコール
性水酸基をグリシジルエーテル化した後、水洗などの方
法で生成した塩を除去した後過剰のエピハロヒドリンを
除去することにより、多官能エポキシ樹脂を得る方法が
知られている。
【0005】しかし、このような製法では作業工程が多
く、また反応物を何度も別の反応器に移しかえる必要性
があるため収率が低下し、工業的にコストが高くなると
いう問題がある。そこで簡便な方法で収率良く、該多官
能エポキシ樹脂を得る製法の開発が待ち望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、連続的に高分子化及び多官能化を収率良く行
えるエポキシ樹脂の製造方法を見い出して本発明を完成
させるに到った。
【0007】すなわち本発明は (1)式(1)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜8のアルキル基、またはアリール基のいずれか
を表し、個々のRは互いに同一であっても異なっていて
もよい。Xは下記式(2)の内から選ばれる1つを表
す。)
【0010】
【化6】
【0011】で表されるビスフェノール類とビスフェノ
ール類の水酸基1当量に対して0.6〜3モルのエピハ
ロヒドリンとをアルコール類及びアルカリ金属水酸化物
の存在下で反応させた後、未反応のエピハロヒドリン、
アルコール類及び生成水を留去し、その後更にビスフェ
ノール類100重量部に対して1〜10重量部のエピハ
ロヒドリン、4級アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化
物を添加し、反応せしめることを特徴とする下記式
(3)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、nは平均値を示し0〜10の値を
取る。R及びXは式(1)におけるのと同じ意味を表
す。またYは水素原子或はグリシジル基を表すがn個あ
るYのうち5〜95%はグリシジル基である。Gはグリ
シジル基を表す。)で表されるエポキシ樹脂の製造方
法、 (2)Xが下記式(4)
【0014】
【化8】
【0015】で表される上記(1)記載の製造方法、 (3)(a)上記(1)或いは(2)記載の製造方法に
より得られたエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (4)硬化促進剤を含有する上記(3)記載のエポキシ
樹脂組成物、 (5)上記(3)または(4)記載のエポキシ樹脂組成
物を硬化してなる硬化物を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法においてはまず
ビスフェノール類とエピハロヒドリンとをアルコール類
とアルカリ金属水酸化物の存在下反応させる。本発明に
使用されうる前記(1)記載の式(1)で表されるビス
フェノール類の具体例としては、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビ
スフェノールフルオレン、テトラブロモビスフェノール
A、テトラメチルビフェノール等が挙げられるが、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールフル
オレンが好ましく、ビスフェノールフルオレンが特に好
ましい。
【0017】エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒド
リン、エピブロムヒドリン等が挙げられるがエピクロル
ヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、ビ
スフェノール類の1水酸基当量に対して通常0.6〜3
モル、好ましくは0.7〜2.5モルである。
【0018】本発明においては、通常まずビスフェノー
ル類、エピハロヒドリン及びアルコール類を均一に混合
した混合物を調製する。用いうるアルコール類の具体例
としてはメタノール、エタノール等が挙げられるが、メ
タノールが好ましい。アルコール類の使用量は通常ビス
フェノール類の重量の5〜100%、好ましくは10〜
90%である。
【0019】次いで、前記の混合物に水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を一括で
或いは徐々に添加し、20〜120℃の温度で1〜10
時間反応させる。
【0020】前記において、アルカリ金属水酸化物はフ
レーク状或は顆粒状のものを使用するのが好ましい。ア
ルカリ金属水酸化物の使用量はビスフェノール類の水酸
基1当量に対して通常0.8〜1モル、好ましくは0.
9〜1モルである。アルカリ金属水酸化物は反応系中に
好ましくは徐々にに添加されるが、全量添加するのに要
する時間は通常30分〜3時間、好ましくは1時間〜2
時間30分である。また、アルカリ金属水酸化物を添加
した後、反応を更に30分〜3時間行うことが好まし
い。
【0021】こうして得られた反応物混合物を加熱減圧
下、或いは100〜150℃で過剰のエピハロヒドリン
やアルコール類及び生成水を除去し、ビスフェノール類
が-OCH2CH(OH)CH2O-基で結合したエポキシ樹脂を得る。
【0022】その後、更に反応系中に大過剰のエピハロ
ヒドリンを加え内容物を溶解する。この場合加えるエピ
ハロヒドリンの量は、原料として用いたビスフェノール
類の重量の通常1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍で
ある。
【0023】この際反応触媒として4級アンモニウム塩
を添加する。用いうる4級アンモニウム塩の具体例とし
てはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウム
ブロマイド等が挙げられる。4級アンモニウム塩の使用
量としては通常原料として用いたビスフェノール類の通
常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%で
ある。
【0024】次いでここにアルカリ金属水酸化物を添加
する。この場合のアルカリ金属水酸化物は固形物を使用
してもよく、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使
用する場合は添加後、加熱減圧下で水とエピハロヒドリ
ンとを共沸により留去し、水とエピハロヒドリンとを分
液し、エピハロヒドリンだけを系内に戻す方法が好まし
い。アルカリ金属水酸化物の仕込方法は、固形物の場合
は一括仕込でも分割仕込でもよいが、水溶液の場合は連
続的に反応系中に滴下するのが好ましい。アルカリ金属
水酸化物の使用量は前記エポキシ樹脂中のアルコール性
水酸基1当量に対し、通常0.1〜4倍モル、好ましく
は0.2〜3倍モルである。この際のアルカリ金属水酸
化物の使用量に応じて式(2)中のYが水素原子である
かグリシジル基であるかの割合をコントロールすること
ができる。
【0025】ここでの反応温度は通常20〜100℃、
好ましくは30〜90℃である。反応時間は通常0.5
〜10時間、好ましくは1〜8時間である。
【0026】反応終了後水洗により、生成塩、未反応の
アルカリ金属水酸化物、及び触媒を除去し、過剰のエピ
ハロヒドリンを加熱減圧下に留去し、目的の式(3)の
エポキシ樹脂を得ることができる。
【0027】また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポ
キシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂をトルエ
ン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物の水溶液を加えて反応を行い閉環を確実なものにす
ることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用
量は原料の式(1)の化合物の水酸基1当量に対して通
常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2
モルである。反応温度は50〜120℃、反応時間は通
常0.5〜2時間である。
【0028】反応終了後、生成した塩や未反応のアルカ
リ金属水酸化物を水洗により除去し、更に、トルエン、
メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによ
り加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂が得られ
る。
【0029】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につい
て説明する。前記(3)、(4)記載のエポキシ樹脂組
成物は、本発明の製造方法により得られたエポキシ樹脂
(以下、本発明のエポキシ樹脂という)を単独でまたは
他のエポキシ樹脂と共に含有する。他のエポキシ樹脂を
含有する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂
中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40
重量%以上が好ましい。
【0030】本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他の
エポキシ樹脂の具体例としてはノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙
げられるが、これらは単独で用いてもよく、2種以上を
用いてもよい。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化剤を含
有する。硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無
水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物な
どが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジ
アミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イ
ソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2
量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹
脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性
物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘
導体などが挙げられるが、通常エポキシ樹脂の硬化剤と
して用いられているものであればこれらに特に限定され
ない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用して
もよい。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化
剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し
て0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に
対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当
量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬
化物性が得られない恐れがある。
【0033】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例
としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙
げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対
して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要によ
り無機充填材を含有する。用いうる無機充填材の具体例
としては、シリカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。
無機充填材は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において
0〜90重量%を占める量が用いられる。さらに本発明
のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、ス
テアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム等の離型剤、顔料等種々の配合剤を添
加することができる。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ
樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易
に硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ
樹脂と硬化剤、必要により硬化促進剤及び充填材等の添
加材とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用い
て均一になるまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂
組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型ある
いはトランスファ−成形機などを用いて成形し、さらに
80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより本
発明の硬化物を得ることができる。
【0036】また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ
−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アル
ミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプ
リプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもでき
る。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該
溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは1
5〜65重量%を占める量を用いる。
【0037】こうして得られる本発明の硬化物は耐熱性
及び耐水性に優れているため、耐熱性、耐水性の要求さ
れる広範な分野で用いることができる。具体的には封止
材料、積層板、絶縁材料などのあらゆる電気・電子材料
として有用である。また、成型材料、接着剤、複合材
料、塗料などの分野にも用いることができる。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部
である。
【0039】実施例1 温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付
けたフラスコに、下記式(5)
【0040】
【化9】
【0041】で表される化合物175部、エピクロロヒ
ドリン139部及びメタノール13部を仕込み、窒素を
吹き込みながら撹拌した。70℃まで昇温した後、フレ
ーク状水酸化ナトリウム40部を90分かけて分割添加
した。更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後、
未反応のエピクロロヒドリン、メタノール、生成水を加
熱減圧下に除去し、次いでエピクロルヒドリン462部
を仕込み溶解させた。(一段目反応、以下この溶液を一
段目反応液という。)
【0042】この時点で一段目反応液の一部をサンプリ
ングし過剰のメチルイソブチルケトンに溶解し、水洗し
た後加熱減圧下で溶剤を除去したところ、下記式(6)
【0043】
【化10】
【0044】(式中Gはグリシジル基を表す。)で表さ
れる2官能のエポキシ樹脂が得られてた。このエポキシ
樹脂のエポキシ当量は301g/eqであり軟化点は1
03.7℃であった。エポキシ当量から算出するとnの
値は0.345でありアルコール性水酸基当量は174
4g/eqであった。
【0045】一段目反応液にテトラメチルアンモニウム
クロライド2.4部を添加した後、40℃まで昇温し撹
拌下でフレーク状水酸化ナトリウム10.2部を一括添
加し3時間反応させた。この後水洗を行い加熱減圧下で
エピクロルヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン
460部に溶解した。70℃まで昇温した後、30%水
酸化ナトリウム水溶液10部を添加し1時間反応を行っ
た。反応終了後水洗を数回行い、油層から加熱減圧下で
メチルイソブチルケトンを留去し、下記式(7)
【0046】
【化11】
【0047】(式中Gはグリシジル基を表す。Yは水素
原子またはグリシジル基を表す。)で表される本発明の
エポキシ樹脂(A)196部を得た(二段目反応)。得
られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は270g/eq、
軟化点は98.6℃であった。またエポキシ当量から算
出すると式(7)のn個あるYの内84%がグリシジル
基であった。
【0048】実施例2 実施例1において、二段目反応におけるフレーク状水酸
化ナトリウムの添加量を10.2部から6.6部に変え
た以外は実施例1と同様に反応を行い、本発明の前記式
(7)で表されるエポキシ樹脂(B)193部を得た。
得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は280g/e
q、軟化点は101.2℃であった。またエポキシ当量
から算出すると式(7)のn個あるYの内54%がグリ
シジル基であった。
【0049】実施例3〜5 前記エポキシ樹脂(A)に対し硬化剤としてフェノール
ノボラック(軟化点83℃、水酸基当量106g/e
q)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TP
P)を用い、表1の配合物の組成の欄に示す組成で配合
して、70℃で15分ロールで混練し、150℃、成形
圧力50kg/cm2 で180秒間トランスファー成形
して、その後160℃で2時間、更に180℃で8時間
硬化せしめて試験片を作成し、ガラス転移点、吸水率の
測定を行った。なお、ガラス転移温度及び吸水率の測定
条件は次の通りである。また、表中、配合物の組成の欄
の数値は重量部を表す。
【0050】 ガラス転移点 熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/min 吸水率 試験片(硬化物):直径50mm 厚さ3mm 円盤 100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
【0051】
【表1】
【0052】表1より本発明のエポキシ樹脂は、高い耐
熱性及び耐水性を示すことが明らかである。
【0053】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂の製造方法は作業
工程が少なく工業的に有利であり、得られたエポキシ樹
脂は耐熱性及び耐水性に優れた硬化物を与えることがで
き、封止材料、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、
接着剤、レジストなど広範囲の用途にきわめて有用であ
る。また本発明の製造方法で得られたエポキシ樹脂はア
クリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸類と反
応させアクリレート化することにより光硬化型樹脂とし
ても使用することもできる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の
    アルキル基、またはアリール基のいずれかを表し、個々
    のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは
    下記式(2)の内から選ばれる1つを表す。) 【化2】 で表されるビスフェノール類とビスフェノール類の水酸
    基1当量に対して0.6〜3モルのエピハロヒドリンと
    をアルコール類及びアルカリ金属水酸化物の存在下で反
    応させた後、未反応のエピハロヒドリン、アルコール類
    及び生成水を留去し、その後更にビスフェノール類10
    0重量部に対して1〜10重量部のエピハロヒドリン、
    4級アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物を添加し、
    反応せしめることを特徴とする下記式(3) 【化3】 (式中、nは平均値を示し0〜10の値を取る。R及び
    Xは式(1)におけるのと同じ意味を表す。またYは水
    素原子或はグリシジル基を表すがn個あるYのうち5〜
    95%はグリシジル基である。Gはグリシジル基を表
    す。)で表されるエポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】Xが下記式(4) 【化4】 で表される請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】(a)請求項1或は2記載の製造方法によ
    り得られたエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硬化促進剤を含有する請求項3記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載のエポキシ樹脂組成
    物を硬化してなる硬化物。
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