JP4548916B2 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性樹脂組成物に関し、詳しくは、熱着色性に優れ、特に、各種基材の塗料、ガラス繊維などの繊維材料の集束剤に好適に使用することができる水性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】
エポキシ樹脂は、各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性などに優れるため、特に、塗料、接着剤、繊維処理剤などとして広く用いられている。
【0003】
エポキシ樹脂を上述の用途に使用する場合には、取り扱いを容易にするためにエポキシ樹脂を、各種低沸点溶媒に溶解した溶剤タイプのものが一般的であったが、火災の危険性、人体への有害性、地球環境への悪影響などの問題から、低沸点溶媒の使用が制限されるようになり、近年、エポキシ樹脂に乳化剤を使用して水中に分散させた水系樹脂組成物が開発され実用化されている。
【0004】
一方、ポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂にガラス繊維などの繊維材料をブレンドして得られる繊維強化樹脂(FRTPあるいはFRP)が強度、剛性に優れることから伸長が目覚しい。
【0005】
ところで、ガラス繊維は、溶融したガラスを紡糸してフィラメントを形成せしめた後、それら数百〜数千本を束ねて1本のストランドとし、これを3〜6mmの長さに切断してチョップドストランドとするか、あるいは更にそれら数十本を集めてロービングを形成せしめることにより得られる。ガラス繊維の製造時あるいは熱可塑性樹脂とのブレンド時の摩擦によって生じる糸割れ、ケバ立ちを防ぎ、フィラメントを保護するためにガラス繊維集束剤が用いられている。
【0006】
従来、ガラス繊維などの繊維材料の集束剤としては、でんぷん、加工でんぷん、デキストリン、アミロースなどのでんぷん類(例えば、特開昭50―12394号公報、特開平3−183644号公報):カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリルアミド−酢酸ビニル共重合体(例えば、特開昭63−236733号公報)などの合成高分子化合物が用いられていたが、皮膜形成性が充分とは言えず、そのためにガラス繊維の毛羽発生を充分抑えているとは言えず、機械的強度、耐温熱水性が充分とは言えなかった。
【0007】
このような問題点を解消するために、エポキシ樹脂からなる水性樹脂を繊維材料の集束剤として使用することも提案されており、例えば、特開平10−182951号公報には、ビスフェノール化合物のアルキレンオキシド80〜800モル付加物あるいは該付加物をポリイソシアネート化合物で縮合した縮合物からなるビスフェノール系ポリエーテル化合物を配合してなる、ガラス繊維集束剤として好適なエポキシ樹脂水分散物が提案されているが、これらに記載されている通常のエポキシ樹脂を使用した水性樹脂組成物を用いた場合には、これを含有してなるFRPあるいはFRTPが着色を生じたり、物性が劣るなどという問題があった。
【0008】
一方、通常のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテルに対し、さらにその二級の水酸基にエピクロルヒドリンを反応させて得られる多官能のビスフェノール型エポキシ樹脂が、電気・電子部品の封止材料、積層板などの用途に有用であることが提案されている(例えば、米国特許第4623701号明細書、特開平5−5020号公報、特開平6−248055号公報、特開平6−298904号公報など)。しかし、これらの公報には、これを用いてなる水性樹脂を製造することに関しては全く記載されていない。
【0009】
本発明の目的は、加熱による着色がなく、物性に優れた繊維強化樹脂を提供することが可能なガラス繊維などの繊維材料の集束剤などとして好適に使用することのできる水性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエポキシ化合物を使用してなる水性樹脂組成物を、繊維材料、特にガラス繊維の集束剤として使用することで、加熱による着色もなく優れた物性を有する繊維強化樹脂製品を提供しうることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
即ち、本発明は、(イ)下記一般式(I)で表されるポリエポキシ化合物100重量部および水20〜1000重量部を配合してなる水性樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
【化2】
Figure 0004548916
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水性樹脂組成物について詳細に説明する。
【0014】
一般式(I)中、Zで表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデンなどの基があげられる。また、nは0.1〜20、好ましくは1〜15の数を表し、Xは水素原子またはグリシジル基を表すが、Xの10%以上、好ましくは30%以上がグリシジル基でなければならない。
nが0.1未満の場合あるいはXの10%未満しかグリシジル基でない場合には、三官能以上の多官能エポキシ化合物の含有量が少なくなるため、例えば、繊維材料の集束剤として用いた場合に、これを含有してなる繊維強化樹脂の物性面で満足できるものが得られず、またnが20を越える場合には、水分散物の安定な水性樹脂組成物が得られないおそれがあるため好ましくない。
【0015】
本発明に使用される(イ)成分のポリエポキシ化合物は、一分子中に少なくとも1個の二級水酸基を有するビスフェノール類のジグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとをアルカリおよび層間移動触媒の存在下に反応させることによって容易に製造することのできるものである。
ここで、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどがあげられ、層間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリデシルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムヨージド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ベンジル−N−メチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムヨージド、N−アリル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムクロリド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムブロミド、N,N−ジメチルピペリジニウムヨージド、N−メチル−N−エチルピペリジニウムアセテート、N−メチル−N−エチルピペリジニウムヨージドなどがあげられるが、テトラメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
本反応におけるエピクロルヒドリンの使用量は、ジグリシジルエーテルの水酸基1当量に対し、1当量以上、特に2〜10当量の範囲で使用され、アルカリはグリシジル化される水酸基1当量に対し、0.1〜2.0モル、特に0.3〜1.5モル使用され、層間移動触媒は、反応剤の全重量に対し、0.01〜10モル%、特に0.2〜2モル%使用される。
本反応は炭化水素、エーテルまたはケトンのような溶媒下で行なうこともできるが、過剰のエピクロルヒドリンを溶媒として使用することもできる。
本反応は20〜100℃、特に30〜80℃の範囲で行なわれ、20℃未満であると反応が遅くなり長時間の反応が必要となり、100℃を越えると副反応が多く起こり好ましくない。
この製法に関しては、例えば、H. BATZER AND S. A. ZAHIR, JOURNAL OF APPLIED POLYMER SCIENCE VOL 19 PP. 609-617(1975)などに記載されている。また、特開平5−239181号公報には第二アルコールのグリシジルエーテルの製造方法が提案されているが、該方法を適用することもできる。
また、特開平1−168722号公報および特開平5−5020号公報には、ジメチルスルホキシドを使用する方法が提案されており、この方法によって製造することもできる。
【0016】
ここで、一分子中に少なくとも1個の二級水酸基を有するビスフェノール類のジグリシジルエーテルは、公知の化合物であるが、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて製造する一段法、あるいは低分子量のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテルとビスフェノール化合物とを反応させて製造する二段法のいずれの方法でもよく、これを提供することのできるビスフェノール化合物としては、メチリデンビスフェノール(ビスフェノールF)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、ブチリデンビスフェノール、ビフェノール、スルホンビスフェノール(ビスフェノールS)などがあげられる。
【0017】
本発明に使用される(イ)成分のポリエポキシ化合物は、エポキシ当量が1000未満、特に、500未満であることが好ましく、エポキシ当量が1000を越えるような場合には、硬化物が着色したり、本願を繊維材料の集束剤として用いた場合にはこれを配合した樹脂の物性を低下するおそれがあるため好ましくない。
【0018】
本発明の水性樹脂組成物には、(イ)成分のポリエポキシ化合物とともに他のポリエポキシ化合物を使用することもできる。
【0019】
ここで使用できるポリエポキシ化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、ビスフェノールAノボラック、ビスフェノールFノボラック、テルペンジフェノール、(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノールなどの多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;上記多価フェノール化合物にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテル化合物;上記多価フェノール化合物の水添物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物、ジシクロペンタジエンジメタノールなどの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸などの脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類およびグリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタンなどのグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートなどの環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物などのエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環化合物があげられる。また、これらのエポキシ化合物は末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたものあるいは多価の活性水素化合物で高分子量化したものでもよい。
【0020】
また、本発明の(イ)成分のポリエポキシ化合物あるいはその他のポリエポキシ化合物は、カルボキシル基などのアニオン性基あるいはアミノ基、アンモニウム基などのカチオン性基を導入して自己乳化性を持たせたり、アセトアセテート基、アルコキシシリル基などの反応性基を導入したり、あるいはリン酸エステル基を導入して難燃化を図るなどの各種の変性を行うこともできる。
【0021】
本発明の水性樹脂組成物には、上記(イ)成分のポリエポキシ化合物を水に分散させる際、乳化剤を配合することが好ましく、特に、(a)ビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物、(b)ポリエチレングリコールおよび(c)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックまたはランダムポリマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリオール化合物を(d)ポリイソシアネート化合物で縮合した(ロ)ポリエーテル化合物、さらに、(a)ビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物の中から選ばれる少なくとも一種のポリオール化合物並びに(b)ポリエチレングリコールおよび(c)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックまたはランダムポリマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリオール化合物を(d)ポリイソシアネート化合物で縮合したポリエーテル化合物を乳化剤として用いることで、保存安定性に優れ、硬化物の熱着色の小さい水性樹脂組成物を得ることができる。
【0022】
上記(a)成分のビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物に使用できるビスフェノール化合物としては前記で例示した化合物などがあげられ、アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、ヘプチレンオキシド、オクチレンオキシド、ノニレンオキシド、デシレンオキシドなどがあげられ、特に、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが好ましい。
【0023】
上記(a)成分のビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物は、アルキレンオキシド1〜800モル、特に2〜400モル付加物であることが好ましい。1モル未満では水分散物の安定性が低下するおそれがあり、800モルより多い場合には、凝集を生じるおそれがある。さらにこれに上記(b)成分および/または上記(c)成分を組み合わせる場合には、アルキレンオキシド1〜80モル、特に2〜40モル付加物であることが好ましい。
【0024】
上記(c)成分のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックまたはランダムポリマーは、オキシエチレン単位50〜1000、特に75〜500、オキシプロピレン単位1〜100、特に5〜80であるものが好ましく、オキシエチレン単位が50未満では、乳化安定性が低下するおそれがあり、1000を超える場合には凝集を起こすおそれがある。
また、特に、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンなどの構造を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを使用することで特に安定な水分散物が得られるため好ましい。
【0025】
上記(d)成分のポリイソシアネート化合物としては、脂肪族、脂環式および芳香族ポリイソシアネートがあげられ、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、1,4−シクロへキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどがあげられる。
【0026】
上記(d)成分の使用量は、上記(a)〜(c)成分のアルコール性水酸基1当量に対し、イソシアネート基0.1〜1.0当量、特に0.4〜0.9当量の範囲内であることが好ましく、0.1当量未満では目的とするものが十分得られないおそれがあり、1.0当量を超えて使用すると高分子量化して乳化剤としての機能を果たせなくなるおそれがある。
【0027】
また、上記(a)成分と上記(b)成分および/または上記(c)成分とを組み合わせて用いる場合には、(a)成分と(b)成分および/または(c)成分の使用量は、モル比で2/1〜1/10、特に、1/1〜1/5であることが好ましく、(a)成分がこれ未満の場合には凝集を生じるおそれがあり、(a)成分がこれより多い場合には水分散物の安定性が低下するおそれがある。
【0028】
これらのポリエーテル化合物を得る方法としては、ポリオール類とポリイソシアネート類からポリエーテル化合物を得るために用いられる通常の方法がそのまま適用でき、上記(a)〜(c)成分を予め混合してそれを上記(d)成分と反応させる方法、上記(a)〜(c)成分を別々に上記(d)成分と反応させる方法などがあげられ、その方法に関しては特に限定されるものではない。
【0029】
また、上記反応は有機溶媒中で行うこともでき、斯かる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキサイドなどのスルホキサイド類ならびにこれら2種類以上の混合溶媒をあげることができる。
【0030】
また、上記反応は触媒存在下で行うこともでき、斯かる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなどのアミン類、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートなどの錫化合物などをあげることができる。
【0031】
本発明の水性樹脂組成物には、他の乳化剤を単独あるいは組み合わせて使用することができる。これらの他の乳化剤としては、例えば、ラウリルエーテルエチレンオキサイド付加物、セチルエーテルエチレンオキサイド付加物、ステアリルエーテルエチレンオキサイド付加物、オレイルエーテルエチレンオキサイド付加物、オクチルフェニルエーテルエチレンオキサイド付加物、ノニルフェニルエーテルエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノパルミテートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタントリステアレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタンモノオレートエチレンオキサイド付加物、ソルビタントリオレートエチレンオキサイド付加物、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレンアルキルアミン、ひまし油エチレンオキサイド付加物、硬化ひまし油エチレンオキサイド付加物あるいはこれらをポリイソシアネート化合物で縮合した縮合物などのノニオン系界面活性剤;脂肪酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性酸性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸、ホルマリン縮合ナフタリン酸塩などのアニオン系界面活性剤;第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、第四級アミン塩、ピリジニウム塩などのカチオン系界面活性剤;ベタイン型、硫酸エステル型、スルホン酸型などの両性界面活性剤などがあげられる。
【0032】
これらの乳化剤の配合量は、上記(イ)成分のポリエポキシ化合物100重量部に対し、好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部である。該配合量が0.01重量部未満では乳化剤としての機能を十分に発揮することができず、30重量部よりも多いときにはガラス繊維集束剤として用いた場合の集束能あるいはこれを含有する樹脂の物性が低下するおそれがある。
【0033】
本発明の水性樹脂組成物には、上記(イ)成分のポリエポキシ化合物100重量部に対し、水が20重量部以上、特に50重量部以上配合される。水の配合量が20重量部よりも少ない時には水分散物としての安定性が保てなくなるおそれがある。また、水の配合量の上限に関しては特に制限されるものではないが、一般には取り扱いの問題から1000重量部以下、特に500重量部以下が好ましいが、用途に応じてはさらにこれを希釈して使用することができる。
【0034】
本発明の水性樹脂組成物を製造する方法は、例えば、上記乳化剤を上記(イ)成分のポリエポキシ化合物または水の何れか一方あるいは両方に予め配合してこれらを混合攪拌する方法、あるいは上記(イ)成分のポリエポキシ化合物と水との混合攪拌時に上記乳化剤を一括して配合する方法など、種々の方法が用いられるが、その方法は特に限定されるものではない。
【0035】
ここで、上記攪拌に使用される攪拌機としては、例えば、ディスパー、ホモミキサー、回転型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどがあげられる。
【0036】
本発明の水性樹脂組成物には、上記(イ)成分のポリエポキシ化合物を水に分散させる際、必要に応じて、有機溶剤を配合することができる。
【0037】
ここで有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類;イソ−またはn−ブタノール、イソ−またはn−プロパノール、アミルアルコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;テレピン油、D−リモネン、ピネンなどのテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(丸善石油化学(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))などのパラフィン系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、ジオキサン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素などがあげられる。これらの溶剤は単独で用いることも、また任意に2種以上の混合溶剤として用いることも可能である。
【0038】
これらの有機溶剤は、水100重量部に対し、0〜100重量部の範囲で適宜配合される。
【0039】
また、本発明の水性樹脂組成物には、通常、エポキシ樹脂用の硬化剤を配合することができ、該硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミン類などがあげられる。また、これらのポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類またはカルボン酸のグリシジルエステル類などの各種エポキシ樹脂とを常法によって反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;これらのポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸などのカルボン酸類とを常法によって反応させることによって製造されるアミド化変性物;これらのポリアミン類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類およびフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシンなどの核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有するフェノール類とを常法によって反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物などがあげられる。さらに、ジシアンジアミド、酸無水物、イミダゾール類などの潜在性硬化剤も使用できる。
【0040】
また、本発明の水性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒;モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタールなどの反応性または非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質などの充填剤もしくは顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテルなどの潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどの常用の添加物を配合してもよく、さらに、キシレン樹脂、石油樹脂などの粘着性の樹脂類を併用することもできる。
【0041】
さらに本発明の水性樹脂組成物には、他の水性樹脂を併用することもでき、これら他の水性樹脂としては、例えば、各種のでんぷん類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどのラテックスなどがあげられる。
【0042】
本発明の水性樹脂組成物の用途は、各種基材への塗料、接着剤など、特に限定されるものではないが、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、アラミド繊維などの繊維材料、とりわけガラス繊維の集束剤として特に好適に使用することができる。
【0043】
ここでガラス繊維としては、含アルカリガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスのいずれの原料から製造されたものでもよく、これらのガラス繊維の製造法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロービング、チョップドストランド、ミルドファイバーなどの方法があげられる。
【0044】
上記ガラス繊維の形態は、特に限定されるものではないが、繊維長で0.5〜10mm、繊維径で1〜50μ、特に繊維長1〜5mm、繊維径2〜20μのものを用いることが、物性あるいは表面性が特に良好なものが得られるため好ましい。
【0045】
本発明の水性樹脂組成物をガラス繊維集束剤として用いて処理されたガラス繊維は、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に混合することにより、物性に優れたガラス繊維強化樹脂(FRTP、FRP)を得ることができる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、アクリルニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリアセタール樹脂などがあげられ、上記熱硬化性樹脂樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などがあげられる。
【0046】
上記ガラス繊維強化樹脂の具体的用途としては、FRTPではアイロン、ドライヤーなどの熱機具の耐熱部品、コネクター、スイッチ、ケースなどの電子・電気部品、パソコン、FAX,複写機の部品、タンク、エンジンカバー、ドアミラー、バンパーなどの自動車内外部品、時計、カメラ、ガスバーナーなどの部品があげられる。FRPでは、ユニットバス、システムキッチン、トイレ、浄化槽などの住宅設備、ガソリンタンク、オートバイ部品、サンルーフなどの自動車部品、食器洗浄などの家電製品、小型船舶、ヘルメットなどに成形する用途があげられる。最近では、FRPをSMC(Sheet molding conpound)法やBMC(バルク・モールディング・コンパウンド)法により成形化する方法が知られている。特にSMC法の場合、ガラス繊維の集束性、酸性領域での集束剤液のpH安定性に優れ、適当なスチレン溶解性を持ち、SMCシートの強度があるため厚膜化に向いている。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明の水性樹脂組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
製造例1
還流装置、攪拌装置、減圧装置および滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂▲1▼(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ当量475、n=2.1)47.5重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム5.5重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去してエポキシ当量310(G〔一般式(I)において、Xがグリシジル基である比率〕=62%)のポリエポキシ化合物(P−1)を得た。
【0049】
製造例2
還流装置、攪拌装置、減圧装置および滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂▲2▼(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ当量650、n=3.4)65重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム8.5重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去してエポキシ当量340(G=65%)のポリエポキシ化合物(P−2)を得た。
【0050】
製造例3
還流装置、攪拌装置、減圧装置および滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂▲3▼(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ当量2000、n=5.8)200重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム15重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去してエポキシ当量420(G=55%)のポリエポキシ化合物(P−3)を得た。
【0051】
製造例4
還流装置、攪拌装置、減圧装置および滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂▲1▼47.5重量部、エピクロルヒドリン92.5重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.4重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム4.9重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去してエポキシ当量278(G=82%)のエポキシ化合物(P−4)を得た。
【0052】
製造例5
還流装置、攪拌装置、減圧装置および滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂▲2▼65重量部、エピクロルヒドリン162重量部およびジメチルスルホキシド81.0重量部を仕込み、70℃で撹拌しながら、水酸化ナトリウム9.1重量部を徐々に添加し、添加後さらに3時間反応させた。次に未反応のエピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大部分を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン150重量部に溶解し、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液2重量部を加え、70℃で2時間反応した。水洗、油水分離後、溶媒をエバポレーターで蒸発除去してエポキシ当量295(G=90%)のエポキシ化合物(P−5)を得た。
【0053】
(乳化剤▲1▼の製法)
ビスフェノールAエチレンオキシド3モル付加物324重量部(0.2モル)およびポリエチレン−ポリプロピレン(重量比4:1)ブロックポリマー2680重量部(0.4モル)および水添ジフェニルメタンジイソシアネート50重量部(0.4モル)を混合し、さらに触媒としてアデカスタブBT−11(旭電化工業(株)製;ジブチル錫ラウレート)3gを加え、80℃で2時間反応させて乳化剤▲1▼を製造した。
【0054】
実施例1〜5
上記製造例1〜5により得られたエポキシ化合物440重量部、乳化剤▲1▼100重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった(製造例3のエポキシ化合物を用いた場合は100℃程度まで昇温して均一とした)後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(SP−1〜SP−5)をそれぞれ製造した。
【0055】
実施例6
上記製造例1により得られたエポキシ化合物140重量部、固形エポキシ樹脂▲3▼300重量部、乳化剤▲1▼100重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(SP−6)を製造した。
【0056】
実施例7〜11
上記製造例1〜5により得られたエポキシ化合物440重量部、乳化剤▲1▼60重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル70重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった(製造例3のエポキシ化合物を用いた場合は100℃程度まで昇温して均一とした)後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(SP−7〜SP−11)をそれぞれ製造した。
【0057】
実施例12
上記製造例1により得られたエポキシ化合物140重量部、固形エポキシ樹脂▲3▼300重量部、乳化剤▲1▼60重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル70重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(SP−11)を製造した。
【0058】
比較例1
固形エポキシ樹脂▲1▼440重量部、乳化剤▲1▼100重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(HSP−1)を製造した。
【0059】
比較例2
エピコート#152(油化シェルエポキシ製;フェノールノボラックエポキシ樹脂、エポキシ当量190)440重量部、乳化剤▲1▼100重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(HSP−2)を製造した。
【0060】
比較例3
固形エポキシ樹脂▲1▼440重量部、乳化剤▲1▼60重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル70重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(HSP−3)を製造した。
【0061】
比較例4
エピコート#152(油化シェルエポキシ製;フェノールノボラックエポキシ樹脂、エポキシ当量190)440重量部、乳化剤▲1▼60重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル70重量部を加えて50℃まで昇温して均一となった後に、ホモミキサーにて攪拌しながら水430重量部を徐々に加えて水性樹脂組成物(HSP−4)を製造した。
【0062】
使用例1(ガラス繊維集束剤として)
上記の実施例1〜12および比較例1〜4により得られた水性樹脂組成物を用いて以下の評価試験を行った。その結果を表2〜表5に示した。
【0063】
HUX390(旭電化工業(株)製;水性ポリウレタン樹脂)3.5重量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量%、カルナバワックス0.3重量%、上記水性樹脂組成物5.0重量%および水90.7重量%からなる集束剤を直径13μmのガラス繊維に固形分として1.0重量%付加させ、1600本のガラス繊維ストランドとし、このストランドを切断、乾燥して3mmのチョップドストランドをそれぞれ得た。
【0064】
上記により得られたチョップドストランドを使用して、下記表1に示した配合1〜3にて、二軸押出し機で混練し、ペレタイザーでペレットを作成し、これを射出成形法で試験片をそれぞれ作成した。それぞれの温度条件も表1に示した。
【0065】
【表1】
Figure 0004548916
【0066】
上記で作成した試験片をASTMに準じて、引張強度(kg/cm2 )、耐水強度(kg/cm2 )、IZOD衝撃強度(kgcm/cm2 )を測定し、さらに色差計にて色相(b値)を求めた。
また、配合1の試験片については、ASTMに準じて、曲げ強度(kg/cm2 )も測定した。
尚、耐水強度は、プレッシャークッカー中、120℃、蒸気圧2atmの条件下で40時間処理した試験片について引張試験を行なった。
【0067】
【表2】
Figure 0004548916
【0068】
【表3】
Figure 0004548916
【0069】
【表4】
Figure 0004548916
【0070】
【表5】
Figure 0004548916
【0071】
使用例2(水性塗料として)
上記の実施例1〜6および比較例1〜2により得られた水性樹脂組成物を用いて以下の評価試験を行った。その結果を表6に示した。
【0072】
アデカコールW−284(旭電化工業(株)製;分散剤、固形分40%)4重量部、水30重量部、酸化チタン30重量部、炭酸カルシウム30重量部およびタルク30重量部をディスパー、ボールミルで分散し、ここに上記の実施例1〜6および比較例1〜2により得られた水性樹脂組成物200重量部を混合して塗料組成物をそれぞれ製造した。
得られた塗料組成物に硬化剤としてアデカハードナーEH−040−1(旭電化工業(株)製;変性脂肪族ポリアミン、活性水素当量187)を混合(エポキシ当量:活性水素当量=1:1.1)したものをJIS G 3141の圧延鋼鈑(密着性はモルタル板)に膜厚100〜150μで塗布し、25℃で1週間養生した後、下記の物性値を得た。
【0073】
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆硬度を測定した。
【0074】
(耐食性)
JIS K 5400に従い、200時間SSTにかけて耐蝕性試験を行なった。
【0075】
1 : さび、膨れなし。
2 : さび、膨れややみられる。
3 : さび、膨れ多くみられる。
【0076】
(耐候性)
83℃ウエザオメーターで200時間劣化前後の試験片を色差計で測定した。
Δb値を示した。
【0077】
(耐衝撃性)
JIS K 5400に従い、デュポン式耐衝撃性試験機を用いて耐衝撃性(cm)を行なった。
【0078】
(密着性)
JIS K 5400に従い、アドヒージョンテスターを用いて、密着性(kgf)を測定した。
【0079】
【表6】
Figure 0004548916
【0080】
上記の結果より明らかなように、通常のビスフェノール型エポキシを用いて得られる水性樹脂組成物(比較例1)は、これをガラス繊維集束剤として用いて得られるガラス繊維強化樹脂の引張強度、特に耐水処理後の引張強度の低下が著しい。また、ノボラックフェノール型エポキシを用いて得られる水性樹脂組成物(比較例2)は、ガラス繊維強化樹脂を製造した際の引張強度の問題は改善されるものの、着色が著しい。また、これらを水性塗料として用いた場合には、前者では耐食性、耐水性が劣り、後者では耐候性、耐衝撃性、密着性が劣る。
【0081】
これに対して、本発明の特定のポリエポキシ化合物を配合してなる水性樹脂組成物(実施例1〜6)は、これをガラス繊維集束剤として用いて得られるガラス繊維強化樹脂の着色がなく、引張強度、特に耐水処理後の引張強度の低下も小さい。さらに、これを水性塗料として用いた場合にも、耐食性、耐候性、耐衝撃性、密着性などの諸物性に優れたものが得られる。
【0082】
【発明の効果】
本発明の水性樹脂組成物は、特に、ガラス繊維などの繊維材料の集束剤あるいは水性塗料として有用である。

Claims (6)

  1. (イ)下記一般式(I)で表されるポリエポキシ化合物100重量部および水20〜1000重量部を配合してなる水性樹脂組成物。
    Figure 0004548916
  2. (イ)成分のポリエポキシ化合物が、上記一般式(I)中のnが1〜15で、Xの30%以上がグリシジル基であるポリエポキシ化合物である請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. (イ)成分のポリエポキシ化合物100重量部に対し、(a)ビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物、(b)ポリエチレングリコールおよび(c)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックまたはランダムポリマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリオール化合物を(d)ポリイソシアネート化合物で縮合した(ロ)ポリエーテル化合物の少なくとも一種0.01〜30重量部を配合してなる請求項1または2記載の水性樹脂組成物。
  4. 繊維材料の集束剤として使用する請求項1〜3の何れかに記載の水性樹脂組成物。
  5. ガラス繊維集束剤として使用する請求項4記載の水性樹脂組成物。
  6. 水性塗料として使用する請求項1〜3の何れかに記載の水性樹脂組成物。
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